JP2002131406A - 磁気検出装置 - Google Patents

磁気検出装置

Info

Publication number
JP2002131406A
JP2002131406A JP2000321783A JP2000321783A JP2002131406A JP 2002131406 A JP2002131406 A JP 2002131406A JP 2000321783 A JP2000321783 A JP 2000321783A JP 2000321783 A JP2000321783 A JP 2000321783A JP 2002131406 A JP2002131406 A JP 2002131406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
ferromagnetic thin
circuit board
chip substrate
thin films
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000321783A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsumi Yoneda
立美 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2000321783A priority Critical patent/JP2002131406A/ja
Publication of JP2002131406A publication Critical patent/JP2002131406A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化を可能としつつ、感度を向上さ
せることを可能とする。 【解決手段】 強磁性薄膜体12b2を備えたチップ基
板12b1を、初段アンプ12d1を装架した回路基板
12a側に対して直接的に取り付けることによって、上
記強磁性薄膜体12b2からの検出出力を初段アンプ1
2d1に向かって極めて近い距離で接続して送るように
構成し、ノイズの低減が図って出力特性を向上させるよ
うに構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気バイアスを印
加しながら検出出力を取り出すようにした磁気検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気抵抗(MR)素子を用い
た磁気検出装置(磁気センサ)は、エンコーダなどにお
いて広く用いられているものであるが、その磁気検出装
置において、いわゆるMR感度を所望の状態に変化させ
るために、磁気抵抗(MR)素子に対して磁気バイアス
を印加することが行われている。このような磁気バイア
スを用いた磁気検出装置では、例えば図10に示されて
いるような感応素子ホルダー1によってバイアス磁石2
を保持する構造が採用されている。
【0003】また、バイアス磁石2で磁気バイアスを加
えるにあたっては、上記バイアス磁石2に対して対角線
に沿った磁区を形成するように着磁を行うものが知られ
ている。このものは、ストライプ状に形成された磁気抵
抗(MR)素子に対して斜め方向に磁界を与えることに
よって、直交方向成分及び平行方向成分の双方において
歪みを解消させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
バイアス磁石1に対して斜めの磁区を形成した場合に
は、図11に示されているように、バイアス磁石2の形
状異方性のために磁区が曲線状に変形を生じることがあ
り、そのため、センサ中心と磁石中心との間に位置ズレ
を生じ易くなってしまい、無用な歪みが発生したり、感
度にバラツキを生じることがある。
【0005】また、上述したような感応素子ホルダー1
(図10参照)を用いたバイアス磁石2の保持構造で
は、感磁部とそれに接続された回路との距離が大きくな
ってしまうことから、リードフレーム3を使用して両者
を接続する構成にならざるを得ず、そのリードフレーム
3において電気ノイズが発生し易いという問題がある。
さらに、装置全体が大型化してしまうという問題もあ
る。
【0006】そこで、本発明は、簡易な構成で、バイア
ス磁石を高精度に取り付けることができるとともに、高
感度で小型化を可能とした磁気検出装置を提供すること
を目的する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1にかかる磁気検出装置では、磁気抵抗効果
を有するストライプ状の強磁性薄膜体が複数本にわたっ
て設けられているとともに、それらの各強磁性薄膜体に
対して磁気バイアスを印加した状態で上記強磁性薄膜体
から取り出された検出出力を、初段アンプによって増幅
するように構成された磁気検出装置において、平面体形
状を有するチップ基板の平面部に、上記複数のストライ
プ状の強磁性薄膜体が成膜され、それらの各強磁性薄膜
体に対して電極部がそれぞれ接続されているとともに、
前記初段アンプが、上記チップ基板とは別体で形成され
た回路基板上に装架されたものであって、前記チップ基
板が、上記回路基板の一方側の表面部に重合するように
取り付けられていることによって、前記複数の電極部
が、前記初段アンプの入力端子部に接続され、かつ、上
記回路基板の他方側の表面部であって前記チップ基板に
対応する位置には、前記磁気バイアスを印加するバイア
ス磁石が取り付けられている。
【0008】また、請求項2にかかる磁気検出装置で
は、前記請求項1のチップ基板の一方側の平面部に、前
記強磁性薄膜体が成膜されているとともに、前記電極部
は、上記チップ基板に設けられた貫通孔を通して、該チ
ップ基板の一方側の平面から他方側の平面に向かって延
在するように設けられ、前記回路基板の一方側の表面部
には、前記初段アンプの入力端子部が形成されていると
ともに、その初段アンプの入力端子部が、上記チップ基
板の他方側の平面に延在している電極部に対して重合す
るようにして接続され、かつ、前記回路基板の他方側の
表面部には、回路部品が装架されている。
【0009】さらに、請求項3にかかる磁気検出装置で
は、前記請求項1の複数のストライプ状の各強磁性薄膜
体は、互いに平行に配置されているとともに、前記バイ
アス磁石は、上記各強磁性薄膜体に対して略直交する方
向に磁界を加えるように配置されている。
【0010】さらにまた、請求項4にかかる磁気検出装
置では、前記請求項1のチップ基板の他方側の平面部に
形成された前記電極部は、半田バンプ電極として形成さ
れているとともに、上記チップ基板が、該チップ基板と
前記回路基板との間に充填された樹脂層を介して回路基
板側に取り付けられている。
【0011】一方、請求項5にかかる磁気検出装置で
は、磁気抵抗効果を有するストライプ状の強磁性薄膜体
が複数本にわたって設けられているとともに、それらの
各強磁性薄膜体に対して磁気バイアスを印加した状態で
上記強磁性薄膜体から取り出された検出出力を、初段ア
ンプによって増幅するように構成された磁気検出装置に
おいて、平面体形状を有するチップ基板の一方側の平面
部に、上記複数のストライプ状の強磁性薄膜体が成膜さ
れているとともに、それらの各強磁性薄膜体に接続され
た複数の電極部が、上記チップ基板の一方側の平面部か
ら他方側の平面部まで延在するように配置され、前記初
段アンプが、上記チップ基板とは別体で形成された回路
基板上に装架されたものであって、上記チップ基板の他
方側の平面部が、前記回路基板の一方側の表面部に重合
するように配置されていることによって、前記複数の電
極部の延出端部分が、上記初段アンプの入力端子部に対
して重合接続されている。
【0012】また、請求項6にかかる磁気検出装置で
は、前記請求項1又は請求項5のバイアス磁石は、強磁
性薄膜体との間に回路基板が介在されていることによっ
て上記強磁性薄膜体と一定のギャップをもって配置され
ている。
【0013】さらに、請求項7にかかる磁気検出装置で
は、前記請求項1又は請求項5の回路基板及びバイアス
磁石は、平面略矩形状に形成され、これら回路基板及び
バイアス磁石において互いに対応する矩形状の各辺部ど
うしが、平行状態となるように位置決めされている。
【0014】さらにまた、請求項8にかかる磁気検出装
置では、前記請求項7の矩形状に形成されたバイアス磁
石の磁区は、矩形状の各辺部と平行となるように形成さ
れている。
【0015】一方、請求項9にかかる磁気検出装置で
は、前記請求項1又は請求項5のバイアス磁石による磁
界が、検出出力のダイナミックレンジの中点に設定され
ている。
【0016】このような構成を有する本発明にかかる磁
気検出装置によれば、強磁性薄膜体を備えたチップ基板
が、初段アンプを装架した回路基板側に対して直接的に
取り付けられていることから、上記強磁性薄膜体からの
検出出力は、上記初段アンプに向かって極めて近い距離
で接続されて送られることとなり、従来のようなリード
線等を用いる必要がなくなってノイズの低減が図られ、
電気逓倍するなどの手段を用いる場合には、出力の逓倍
数を上げるなどによって出力特性の向上が可能となる。
【0017】また、本発明にかかる磁気検出装置によれ
ば、バイアス磁石による磁界を、強磁性薄膜体と略直交
する方向に印加していることから、斜め磁界を加える場
合よりも検出出力のダイナミックレンジが向上される。
【0018】さらに、本発明にかかる磁気検出装置によ
れば、チップ基板と回路基板の双方を矩形状として平行
に配置していることから、実装に必要な面積を低減させ
つつ、実装精度の向上が図られるようになっている。
【0019】また、本発明にかかる磁気検出装置によれ
ば、矩形状のバイアス磁石の辺部と略平行に磁区を形成
するように着磁が行われることから、四隅に形成されや
すい形状異方性による問題が解消される。
【0020】さらに、本発明にかかる磁気検出装置によ
れば、バイアス磁石による磁界を、検出出力のダイナミ
ックレンジの中点に設定しているこから、直線性の高い
ポイントを信号磁界として採用することが可能となり、
その結果、検出出力が理想的なサインカーブに近づけら
れるようになっている。
【0021】さらにまた、本発明にかかる磁気検出装置
によれば、バイアス磁石が回路基板に搭載されているこ
とから、他の電子部品用のマウンターがそのまま活用さ
れ、特殊な搭載機を準備する必要が無くなるとともに、
電子部品との同時搭載が可能となって、良好な生産性が
得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、エンコーダに用いた磁気検
出装置の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0023】まず、図1に示されているように、回転磁
気ドラム11の外周部には、周方向に沿って異なる磁極
が交互に順次配列された記録着磁部11aが形成されて
いるとともに、その記録着磁部11aに対して近接する
ようにして、磁気検出部(センサーモジュール)12が
配置されている。上記磁気検出部12は、平板状の回路
基板12aの一方側(図1下側)の平面部に対して、磁
気抵抗(MR)素子12bが装着された構成を備えたも
のであるが、まず、その磁気抵抗(MR)素子12bの
構造について説明する。
【0024】図2、図3及び図4に示されているよう
に、上記磁気抵抗(MR)素子12bは、平面四角形状
の感光性ガラス板からなるチップ基板12b1を備えて
おり、そのチップ基板12b1の表裏両平面のうちの、
上述した記録着磁部11aに対面する図2上側の一方側
の平面部には、Ni−Fe膜等の磁気抵抗効果を有する
ストライプ状の強磁性薄膜体12b2が、蒸着装置など
を用いて成膜され、フォトリソ工程によってパターン成
形されている。このストライプ状の強磁性薄膜体12b
2は、複数本のものが略平行に配置されていて、各々
が、線幅約8μmにて形成されている。また、電極パタ
ーン12b3も同時加工されている。
【0025】それらの各強磁性薄膜体12b2の両端部
分には、図に示されているような表面補助電極部12b
3がそれぞれ接続されており、例えば図5に示されてい
るような回路構成となっている。このとき、上記各表面
電極部12b3に対応する部位には、スルーホール電極
12b4が、上記チップ基板12b1を厚さ方向に貫通
するようにして設けられている。これらスルーホール電
極12b4を成形するにあたっては、まず、上記チップ
基板12b1を構成している感光性ガラス板の穴の部分
に露光を行い、熱処理により現像を行った後にフッ酸等
でエッチングすることによって穴加工する。更に、その
加工穴内に銀ペーストを充填してから焼成を行うことに
よって上記スルーホール電極12b4が形成される。こ
のようなスルーホール電極12b4の延出端側、すなわ
ち上記チップ基板12b1における図2下側に位置する
裏側の表面部には、裏面補助電極部12b5が銀ペース
トのスクリーン印刷、焼成工程にて形成されている。ま
た、この裏面補助電極部12b5の半田バンプ12b
5’が、半田ペーストのスクリーン印刷、リフロー工程
にて形成されている。
【0026】更に、上記強磁性薄膜体12b2及び表面
補助電極部12b3の上には、SiO2などからなる無
機質の第1保護膜12b6が、約1μm程度の膜厚を備
えるようにスパッタリングで形成されているとともに、
更にその上からは、エポキシ樹脂などからなる第2保護
膜12b7が、約10〜20μm程度の膜厚でスクリー
ン印刷等により形成されている。そして、このような構
造をなす磁気抵抗(MR)素子12bは、多数のものが
一体的にウエハ上に形成された後、ダイシング工程によ
ってチップ状に分割して個々のものが形成される。
【0027】このような構造をなす磁気抵抗(MR)素
子12bは、前述したように、平板状の回路基板12a
の一方側(図1下側)の平面部に固着されているが、こ
れら磁気抵抗(MR)素子12bと回路基板12aとの
間部分には、粘度が低く流動性のよいエポキシ樹脂12
cが、アンダーフィル工程によって流し込まれて硬化さ
れており、それによって機械的強度が向上されていると
ともに、エレクトロマイグレーションを防止して電気的
な信頼性を向上させるようにしている。
【0028】このとき、上記回路基板12aは、上述し
た磁気抵抗(MR)素子12bのチップ基板12b1よ
りやや大きな平面略矩形状になされており、当該回路基
板12aの他方側(図1上側)の表面部に、上記磁気抵
抗(MR)素子12bからの検出出力を増幅する初段ア
ンプ(増幅回路)を含むICチップ12d1、及びその
他の電子部品12d2が装架されている。そのうち、上
記初段アンプ(増幅回路)の入力端子は、前記回路基板
12aの一方側(図1上側)の表面部に設けられている
が、特に、上述した磁気抵抗(MR)素子12bの近傍
に配置されている。そして、その初段増幅回路の入力端
子に接続するようにして、上記磁気抵抗(MR)素子1
2bのチップ基板12b1が、マウンター等によって他
の電子部品と同時に表面実装されて回路基板12aに重
合され、その後、リフローによって回路基板との接続が
完了されるようになっている。
【0029】さらに、上記回路基板12aの他方側(図
1上側)の平面部には、上述した各電子部品とともに前
述した磁気抵抗(MR)素子12bに対して磁気バイア
スを印加するバイアス磁石12d3が取り付けられてい
る。このバイアス磁石12d3は、前記チップ基板12
b1に対応した略中央位置に配置されており、硬化速度
が早い接着剤を塗布して回路基板12a側に固定されて
いる。なお、このバイアス磁石12d3は、瞬間接着剤
などで仮固定した後に、エポキシ樹脂やUV樹脂を用い
て固定するようにすることもできる。このとき、上記バ
イアス磁石12d3は、上述した回路基板12aより小
さな平面略矩形状に形成されており、これら回路基板1
2a及びバイアス磁石12d3において互いに対応する
矩形状の各辺部どうしが、平行状態となるように位置決
めされている。
【0030】上記バイアス磁石12d3には、平面矩形
状を二分するようにして異なる磁極が着磁されており、
その矩形状に形成されたバイアス磁石12d3の磁区
は、矩形状の各辺部と平行となるように形成されてい
て、それによって、上述した磁気抵抗(MR)素子12
bにおけるストライプ状の強磁性薄膜体12b2に対し
て直交する方向に磁束が形成されるようになっている。
より具体的には、上記平面矩形状のバイアス磁石12d
3は、上述したチップ基板12b1に対して回路基板1
2aを介して略平行状態となるように搭載されており、
当該バイアス磁石12d3の中心位置が、チップ基板1
2b1の中心位置と一致する位置に固定されている。
【0031】このときの上記バイアス磁石12d3の大
きさ及び種類、並びに当該バイアス磁石12d3と上述
した磁気抵抗(MR)素子12bとの距離は、抵抗変化
のダイナミックレンジのほぼ中央に信号磁界の中点が位
置するように設定されており、抵抗変化の飽和ポイント
が、強磁性薄膜体12b2の延在方向に直交する方向に
印加されるように選定されている。例えば、図6に示さ
れた、磁気抵抗(MR)素子12bのうちの一つの抵抗
変化率(縦軸;MR特性)に対して、本実施形態におけ
るバイアス磁石12d3の磁束密度(横軸)を、例えば
8mTに設定することによって、前述した回転磁気ドラ
ム11の記録着磁部11aから得られる磁界を、0を中
心として±4mT以下の実用領域に設定することができ
る。
【0032】このとき、上記回路基板12aに対して磁
気抵抗(MR)素子12bが取り付けられた磁気検出部
(センサーモジュール)12と、前述した回転磁気ドラ
ム11の記録着磁部11aとの間の隙間(ギャップ)
は、検出出力(MR出力)の特性を見ながら調整され、
その後に固定が行われる。例えば、信号磁界が強すぎる
と、図7に示されているように、リサージュ波形が円形
ではなく角形になってしまう。理想的な信号磁界は、リ
サージュ波形ができるだけ大きく、かつ円形になること
であるが、そのような出力波形を得るためには、上述し
た図6に関して説明したように、MR特性のダイナミッ
クレンジを落とすことなく、MR特性の直線領域が信号
磁界の中心になるようなバイアス磁界を印加すること
で、図8に示されているような円形状のリサージュ波形
が得られることとなる。
【0033】一方、本実施形態における磁気検出部(セ
ンサーモジュール)12の回路構成においては、例えば
図9に示されているように、A+相と、A−相とを初段
アンプ(増幅回路)12d1で差動増幅することにより
僅かな波形歪みも相殺するフルブリッジ出力としてA相
の検出出力(MR出力)を得るように構成されている。
なお、B相についても同様な回路構成になされている。
【0034】また、本実施形態においては、上記初段ア
ンプ(増幅回路)12d1により信号増幅された磁気抵
抗(MR)素子12bからの検出出力(センサ出力)
が、A相信号とB相信号とを電気角で90度位相をずら
すように処理され、高分解能エンコーダとして機能させ
るように電気分割処理されるようになっている。
【0035】このような構成の本実施形態では、磁気抵
抗(MR)素子12bのチップ基板12b1が、初段ア
ンプ12d1を装架した回路基板12a側に対して直接
的に取り付けられていることから、上記磁気抵抗(M
R)素子12bからの検出出力は、初段アンプ12d1
に向かって極めて近い距離で接続されて送られることと
なり、従来のようなリード線やフレキシブルケーブルを
用いる必要がなくなり、回路長が限りなく短縮化されて
いる。その結果、ノイズの低減が図られ、特に、A相及
びB相を用いた出力の逓倍数を上げることが可能となっ
て、出力特性が向上される。
【0036】また、本実施形態にかかる磁気検出装置に
よれば、バイアス磁石12d3による磁界を、強磁性薄
膜体12b2と略直交する方向に印加していることか
ら、斜め磁界を加える場合よりも検出出力のダイナミッ
クレンジが向上される。
【0037】さらに、本実施形態にかかる磁気検出装置
によれば、磁気抵抗(MR)素子12bのチップ基板1
2b2と、回路基板12aの双方を矩形状にして平行に
配置していることから、実装に必要な面積を低減させつ
つ、実装精度の向上が図られるようになっている。
【0038】また、本実施形態にかかる磁気検出装置に
よれば、矩形状のバイアス磁石12d3が、各辺部と略
平行に磁区を形成するように着磁が行われることから、
四隅に形成されやすい形状異方性による問題が解消され
る。
【0039】さらに、本実施形態にかかる磁気検出装置
によれば、バイアス磁石12d3による磁界を、検出出
力のダイナミックレンジの中点に設定しているこから、
直線性の高いポイントを信号磁界として採用することが
可能となり、その結果、検出出力が理想的なサインカー
ブに近づけられるようになっている。
【0040】さらにまた、本発実施形態にかかる磁気検
出装置によれば、バイアス磁石12d3が回路基板12
aに搭載されていることから、事前に接着剤を塗布して
おくことによって他の電子部品用のマウンターがそのま
ま活用されることとなり、特殊な搭載機を準備する必要
が無くなるとともに、電子部品との同時搭載が可能とな
って、良好な生産性が得られる。
【0041】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0042】例えば、上述した実施形態では、エンコー
ダに用いられる磁気検出装置に関するものであるが、そ
の他の装置に用いられる磁気検出装置に対しても、本発
明は同様に適用することが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる磁気検
出装置は、強磁性薄膜体を備えたチップ基板を、初段ア
ンプを装架した回路基板側に対して直接的に取り付ける
ことによって、上記強磁性薄膜体からの検出出力を初段
アンプに向かって極めて近い距離で接続して送るように
構成し、ノイズの低減が図って出力特性を向上させるよ
うにしたものであるから、装置の小型化を可能としつ
つ、感度を向上させることができる。
【0044】また、本発明にかかる磁気検出装置は、バ
イアス磁石による磁界を、強磁性薄膜体と略直交する方
向に印加して、検出出力のダイナミックレンジを向上さ
せたものであるから、上述した特性上の効果をさらに高
めることができる。
【0045】さらに、本発明にかかる磁気検出装置は、
チップ基板と回路基板の双方を矩形状として平行に配置
して、実装に必要な面積を低減させつつ、実装精度の向
上を図るようにしたものであるから、上述した小型化の
効果をさらに向上させることができる。
【0046】また、本発明にかかる磁気検出装置は、矩
形状のバイアス磁石の辺部と略平行に磁区を形成するよ
うに着磁を行い、四隅に形成されやすい形状異方性によ
る問題を解消させたものであるから、上述した特性上の
効果をさらに高めることができる。
【0047】さらに、本発明にかかる磁気検出装置は、
バイアス磁石による磁界を、検出出力のダイナミックレ
ンジの中点に設定して直線性の高いポイントを信号磁界
として採用し、検出出力を理想的なサインカーブに近づ
けるようにしたものであるから、上述した特性上の効果
を一層高めることができる。
【0048】さらにまた、本発明にかかる磁気検出装置
は、バイアス磁石を回路基板に搭載することにより、他
の電子部品用のマウンターをそのまま活用可能とすると
ともに、電子部品との同時搭載を可能としたものである
から、上述した各効果に加えて、生産性の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をエンコーダに適用した場合における磁
気検出装置の実施形態を表した平面説明図である。
【図2】図1に示された磁気検出装置に用いられている
磁気抵抗(MR)素子の構造を表した縦断面説明図であ
る。
【図3】図2に示された磁気抵抗(MR)素子の感磁部
の構造を表した平面説明図である。
【図4】図2に示された磁気抵抗(MR)素子の半田バ
ンプ部の構造を表した平面説明図である。
【図5】図2に示された磁気抵抗(MR)素子内におけ
る回路構成の一例を表した線図である。
【図6】図1に示された磁気検出装置に用いられている
磁気抵抗(MR)素子の抵抗変化特性の一例を表した線
図である。
【図7】磁気検出部に対して、強い信号磁界が印加され
た場合のリサージュ波形を表した線図である。
【図8】磁気検出部に対して、適切な信号磁界が印加さ
れた場合のリサージュ波形を表した線図である。
【図9】図1に示された磁気検出装置における回路構成
の一例を表した線図である。
【図10】従来の磁気検出装置におけるバイアス磁石の
保持構造の一例を表した外観斜視説明図である。
【図11】従来の磁気検出装置に用いられている斜め磁
界形成用のバイアス磁石の例を表した外観斜視説明図で
ある。
【符号の説明】
11 回転磁気ドラム 11a 記録着磁部 12 磁気検出部(センサーモジュール) 12a 回路基板 12b 磁気抵抗(MR)素子 12b1 チップ基板 12b2 強磁性薄膜体 12b3 表面補助電極部 12b4 スルーホール電極 12b5 裏面補助電極部 12b6 第1保護膜 12b7 第2保護膜 12c エポキシ樹脂(アンダーフィル) 12d1 初段アンプ(増幅回路)を含むICチップ 12d3 バイアス磁石

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果を有するストライプ状の強
    磁性薄膜体が複数本にわたって設けられているととも
    に、それらの各強磁性薄膜体に対して磁気バイアスを印
    加した状態で上記強磁性薄膜体から取り出された検出出
    力を、初段アンプによって増幅するように構成された磁
    気検出装置において、 平面体形状を有するチップ基板の平面部に、上記複数の
    ストライプ状の強磁性薄膜体が成膜され、それらの各強
    磁性薄膜体に対して電極部がそれぞれ接続されていると
    ともに、 前記初段アンプが、上記チップ基板とは別体で形成され
    た回路基板上に装架されたものであって、 前記チップ基板が、上記回路基板の一方側の表面部に重
    合するように取り付けられていることによって、前記複
    数の電極部が、前記初段アンプの入力端子部に接続さ
    れ、かつ、 上記回路基板の他方側の表面部であって前記チップ基板
    に対応する位置には、前記磁気バイアスを印加するバイ
    アス磁石が取り付けられていることを特徴とする磁気検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記チップ基板の一方側の平面部に、前
    記強磁性薄膜体が成膜されているとともに、 前記電極部は、上記チップ基板に設けられた貫通孔を通
    して、該チップ基板の一方側の平面から他方側の平面に
    向かって延在するように設けられ、 前記回路基板の一方側の表面部には、前記初段アンプの
    入力端子部が形成されているとともに、その初段アンプ
    の入力端子部が、上記チップ基板の他方側の平面に延在
    している電極部に対して重合するようにして接続され、
    かつ、 前記回路基板の他方側の表面部には、回路部品が装架さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の磁気検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数のストライプ状の各強磁性薄膜
    体は、互いに平行に配置されているとともに、 前記バイアス磁石は、上記各強磁性薄膜体に対して略直
    交する方向に磁界を加えるように配置されていることを
    特徴とする請求項1記載の磁気検出装置。
  4. 【請求項4】 前記チップ基板の他方側の平面部に形成
    された前記電極部は、半田バンプ電極として形成されて
    いるとともに、 上記チップ基板が、該チップ基板と前記回路基板との間
    に充填された樹脂層を介して回路基板側に取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の磁気検出装置。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果を有するストライプ状の強
    磁性薄膜体が複数本にわたって設けられているととも
    に、それらの各強磁性薄膜体に対して磁気バイアスを印
    加した状態で上記強磁性薄膜体から取り出された検出出
    力を、初段アンプによって増幅するように構成された磁
    気検出装置において、 平面体形状を有するチップ基板の一方側の平面部に、上
    記複数のストライプ状の強磁性薄膜体が成膜されている
    とともに、 それらの各強磁性薄膜体に接続された複数の電極部が、
    上記チップ基板の一方側の平面部から他方側の平面部ま
    で延在するように配置され、 前記初段アンプが、上記チップ基板とは別体で形成され
    た回路基板上に装架されたものであって、 上記チップ基板の他方側の平面部が、前記回路基板の一
    方側の表面部に重合するように配置されていることによ
    って、前記複数の電極部の延出端部分が、上記初段アン
    プの入力端子部に対して重合接続されていることを特徴
    とする磁気検出装置。
  6. 【請求項6】 前記バイアス磁石は、強磁性薄膜体との
    間に回路基板が介在されていることによって上記強磁性
    薄膜体と一定のギャップをもって配置されていることを
    特徴とする請求項1又は請求項5記載の磁気検出装置。
  7. 【請求項7】 前記回路基板及びバイアス磁石は、平面
    略矩形状に形成され、これら回路基板及びバイアス磁石
    において互いに対応する矩形状の各辺部どうしが、平行
    状態となるように位置決めされていることを特徴とする
    請求項1又は請求項5記載の磁気検出装置。
  8. 【請求項8】 前記矩形状に形成されたバイアス磁石の
    磁区は、矩形状の各辺部と平行となるように形成されて
    いることを特徴とする請求項7記載の磁気検出装置。
  9. 【請求項9】 前記バイアス磁石による磁界が、検出出
    力のダイナミックレンジの中点に設定されていることを
    特徴とする請求項1又は請求項5記載の磁気検出装置。
JP2000321783A 2000-10-20 2000-10-20 磁気検出装置 Withdrawn JP2002131406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321783A JP2002131406A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 磁気検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321783A JP2002131406A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 磁気検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002131406A true JP2002131406A (ja) 2002-05-09

Family

ID=18799833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000321783A Withdrawn JP2002131406A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 磁気検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002131406A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096261A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Matsushita Electric Works Ltd 磁気センサ
WO2012014546A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 三菱電機株式会社 磁性体検出装置
CN102565508A (zh) * 2010-12-22 2012-07-11 三菱电机株式会社 半导体装置
CN104698215A (zh) * 2013-12-09 2015-06-10 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 用于检查转速传感器的翻转趋势的方法和装置
US9244135B2 (en) 2011-05-16 2016-01-26 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic sensor device
US9279866B2 (en) 2012-04-09 2016-03-08 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic sensor
JP2022520882A (ja) * 2019-03-20 2022-04-01 レム・インターナショナル・エスエイ 磁場センサ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096261A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Matsushita Electric Works Ltd 磁気センサ
JP4548401B2 (ja) * 2006-10-11 2010-09-22 パナソニック電工株式会社 磁気センサ
WO2012014546A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 三菱電機株式会社 磁性体検出装置
US9222993B2 (en) 2010-07-30 2015-12-29 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic substance detection device
CN102565508A (zh) * 2010-12-22 2012-07-11 三菱电机株式会社 半导体装置
US9244135B2 (en) 2011-05-16 2016-01-26 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic sensor device
US9279866B2 (en) 2012-04-09 2016-03-08 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic sensor
CN104698215A (zh) * 2013-12-09 2015-06-10 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 用于检查转速传感器的翻转趋势的方法和装置
JP2022520882A (ja) * 2019-03-20 2022-04-01 レム・インターナショナル・エスエイ 磁場センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10605835B2 (en) Current sensor
JP4575153B2 (ja) 電流測定方法および電流測定装置
JP4999498B2 (ja) 磁気式エンコーダ装置
US20090166771A1 (en) Device comprising a sensor module
CN110741269B (zh) 磁传感器以及电流传感器
US11531046B2 (en) Current sensor device
JP5187538B2 (ja) 磁気センサ
JP2002131406A (ja) 磁気検出装置
JPH06148301A (ja) 磁気センサ
JP5799882B2 (ja) 磁気センサ装置
JP2007103556A (ja) ホール素子デバイスとそれを用いたホール素子回路
US20090066465A1 (en) Magnetic core for testing magnetic sensors
WO2010122944A1 (ja) 磁気センサパッケージ
JP2005031000A (ja) 電流測定方法及び電流測定装置
JP2020106270A (ja) 磁気センサー
JP2004061380A (ja) 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
JP2003004484A (ja) 回転センサ
JPH04282481A (ja) 磁電変換器
JP2017122645A (ja) 磁気センサ
JP7097671B2 (ja) Ic化磁気センサおよびそれに使用するリードフレーム
JPH06177454A (ja) 強磁性薄膜磁気抵抗素子とそれを用いた磁気センサ
JP2013205201A (ja) 電流センサ及び電流センサパッケージ
EP4328607A1 (en) Magnetic sensor device, and method of producing same
JPH03115824A (ja) 圧力検知装置
JP2001004729A (ja) 磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108