JP2016206070A - 磁気センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体における磁性体部分の有無等に加えて、磁性体部分がハード材およびソフト材のいずれかを判別することのできる磁気センサ装置を提供すること。
【解決手段】磁気センサ装置20は、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成する永久磁石30と、永久磁石30に対して搬送経路11側において永久磁石30の磁界内に配置された感磁素子40とを有している。媒体Mが搬送経路11を通過する際、媒体Mの磁気パターン(磁性体部分)の透磁率の影響によって感磁素子40が配置されている位置の磁界が変化する方向は、強まる方向のみである。これに対して、磁気パターンの残留磁束密度の影響によって感磁素子40が配置されている位置の磁界が変化する方向は、強まる方向および弱まる方向の双方である。それ故、感磁素子40の出力に基づいて、磁気パターンがハード材かソフト材かを判別することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、媒体の磁気情報を検出する磁気センサ装置に関するものである。
媒体に付された磁気情報を検出するには、例えば、磁気センサ装置が用いられる。磁気センサ装置では、例えば、図10(a)に示すように、永久磁石80が感磁素子40に対して媒体Mの搬送経路11とは反対側に配置されており、感磁素子40は、永久磁石80の磁界内に位置する。ここで、感磁素子40は、差動出力を生成するための2つの感磁素子40a、40bを備えており、感磁素子40a、40bは、媒体Mの搬送方向A1に沿って離間して配置されている。永久磁石80は、媒体Mの搬送方向に対して直交する方向に着磁されている。例えば、永久磁石80は、搬送経路11の側(感磁素子40の側)にS極およびN極の一方の極(例えばS極)を向け、搬送経路11とは反対側(感磁素子40とは反対側)にS極およびN極の他方の極(例えばN極)を向けている。従って、永久磁石80は、感磁素子40に用いた磁気抵抗素子の磁気抵抗パターンに略垂直な磁界Haを印加する。かかる磁気センサ装置においては、媒体Mの磁性体部分が永久磁石80の磁界内を通過する際、磁性体部分に磁束が集中するので、感磁素子40に印加される磁束密度が変化する。それ故、媒体Mにおける磁気パターンの有無や位置を検出することができる。
特許第3879777号公報
紙幣等の媒体では、磁気パターンを形成するにあたって、軟磁性ステンレス粉等のソフト材(軟磁性材料(soft magnetic material))を含む磁気インクと、フェライト粉等のハード材(硬磁性材料(hard magnetic material))を含む磁気インクとを使い分けする場合があるが、ソフト材を含む磁気パターン、およびハード材を含む磁気パターンはいずれも、透磁率を有している。このため、特許文献1に記載の技術では、図10(b)、(c)、(d)を参照して後述するように、磁気パターンがソフト材を含む場合、およびハード材を含む場合のいずれも場合も、感磁素子40から出力される信号が負方向および正方向の双方向に振れる。それ故、ソフト材を含む磁気パターンと、ハード材を含む磁気パターンとを判別できないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、媒体における磁性体部分の有無等に加えて、磁性体部分がハード材およびソフト材のいずれかを判別することのできる磁気センサ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気センサ装置は、媒体の搬送経路に対して前記媒体の搬送方向に沿う方向の磁界を形成する永久磁石と、前記永久磁石に対して前記搬送経路側において前記永久磁石の磁界内に配置された感磁素子と、を有することを特徴とする。
本発明では、磁性インク等によって磁性体部分が形成された媒体が搬送経路を通過した際、媒体の磁性体部分によって、感磁素子が配置されている位置の磁界が変化するため、
媒体における磁性体部分の有無を検出することができる。ここで、永久磁石は、媒体の搬送方向に沿う方向の磁界を発生させている。このため、媒体が搬送経路を通過する際、磁性体部分の透磁率の影響によって感磁素子が配置されている位置の磁界が変化する方向は、強まる方向のみである。従って、感磁素子から出力される信号は、媒体の磁性体部分の透磁率の影響を受けて、正の方あるいは負の方に振れるだけである。これに対して、媒体が搬送経路を通過する際、磁性体部分の残留磁束密度の影響によって感磁素子が配置されている位置の磁界が変化する方向は、永久磁石や感磁素子に対する媒体の相対位置の変化に伴い、強まる方向および弱まる方向の双方である。それ故、磁性体部分がフェライト粉等のハード材からなる場合、感磁素子から出力される信号は、正の方および負の方に振れるのに対して、磁性体部分が軟磁性ステンレス粉等のソフト材からなる場合、感磁素子から出力される信号は、正の方あるいは負の方のいずれか一方のみに振れる。よって、磁性体部分がハード材およびソフト材のいずれの材料からなるかを判別することができる。
本発明において、前記永久磁石には、前記媒体の搬送方向に沿う方向にS極とN極とが設けられている態様を採用することができる。かかる構成によれば、簡素な構成で、媒体の搬送方向に沿う方向の磁界を形成することができる。
本発明において、前記感磁素子は、前記搬送経路と前記永久磁石との間に配置されていることが好ましい。かかる構成によれば、ローラ等によって媒体を感磁素子に押し付ける構成を容易に実現することができる。
本発明において、前記感磁素子は、少なくとも一部が前記永久磁石と対向するように配置されていることが好ましい。
本発明において、前記感磁素子は、第1感磁素子と、該第1感磁素子に対して前記搬送方向で離間する位置に配置され、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、を含む態様を採用することができる。かかる構成によれば、感磁素子の温度特性等による影響を抑制することができる。
本発明において、前記永久磁石は、第1永久磁石と、該第1永久磁石に対して前記搬送方向で離間する位置に配置された第2永久磁石と、を含み、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間の漏れ磁束によって前記磁界が形成される態様を採用することができる。
この場合、前記感磁素子は、前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石側で前記第1永久磁石と対向する第1感磁素子と、前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石側で前記第2永久磁石と対向し、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、を含むことが好ましい。かかる構成によれば、感磁素子の温度特性等による影響を抑制することができる。
また、本発明においては、前記感磁素子は、前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石側で前記第1永久磁石と対向する第1感磁素子と、前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石とは反対側で前記第1永久磁石と対向し、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石側で前記第2永久磁石と対向する第3感磁素子と、前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石とは反対側で前記第2永久磁石と対向し、前記第3感磁素子と差動出力を生成する第4感磁素子と、を含む態様を採用してもよい。かかる構成によれば、感磁素子の温度特性等による影響を抑制することができる。
本発明において、前記感磁素子は、磁気抵抗素子であることが好ましい。
本発明において、前記感磁素子は、前記媒体の搬送方向に対して交差する方向に複数配置されていることが好ましい。
本発明において、前記永久磁石は、前記媒体の搬送方向に対して交差する方向に延在して、当該交差する方向に配置された複数の前記感磁素子と対向していることが好ましい。かかる構成によれば、媒体の幅方向(搬送方向に対して交差する方向)の磁気情報を検出する際、幅方向に適正な磁界を発生させることができる。
本発明では、磁性インク等によって磁性体部分が形成された媒体が搬送経路を通過した際、媒体の磁性体部分によって、感磁素子が配置されている位置の磁界が変化するため、媒体における磁性体部分の有無を検出することができる。ここで、永久磁石は、媒体の搬送方向に沿う方向の磁界を発生させている。このため、媒体が搬送経路を通過する際、磁性体部分の透磁率の影響によって感磁素子が配置されている位置の磁界が変化する方向は、強まる方向のみである。従って、感磁素子から出力される信号は、媒体の磁性体部分の透磁率の影響を受けて、正の方あるいは負の方に振れるだけである。これに対して、媒体が搬送経路を通過する際、磁性体部分の残留磁束密度の影響によって感磁素子が配置されている位置の磁界が変化する方向は、永久磁石や感磁素子に対する媒体の相対位置の変化に伴い、強まる方向および弱まる方向の双方である。それ故、磁性体部分がフェライト粉等のハード材からなる場合、感磁素子から出力される信号は、正の方および負の方に振れるのに対して、磁性体部分が軟磁性ステンレス粉等のソフト材からなる場合、感磁素子から出力される信号は、正の方あるいは負の方のいずれか一方のみに振れる。よって、磁性体部分がハード材およびソフト材のいずれの材料からなるかを判別することができる。
本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置を備えた磁気パターン検出装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置の詳細構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置において、媒体に形成された磁気パターンの透磁率に基づいて、媒体の磁気情報を検出する原理を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置において、媒体に形成された磁気パターンの残留磁束密度に基づいて、媒体の磁気情報を検出する原理を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る磁気センサ装置の説明図である。 本発明の実施の形態3に係る磁気センサ装置の説明図である。 本発明の実施の形態3に係る磁気センサ装置を用いて媒体の磁気パターンを検出したときの出力信号の説明図である。 本発明の実施の形態4に係る磁気センサ装置の説明図である。 本発明の実施の形態5に係る磁気センサ装置の説明図である。 本発明の比較例に係る磁気センサ装置の説明図である。
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を相違させてある。また、以下の説明では、媒体Mの搬送方向を第1方向Yとし、第1方向Yと直交する媒体Mの厚さ方向を第2方向Zとし、第1方向Yおよび第2方向Zと直交する媒体Mの幅方向を第3方向Xとして説明する。また、第1方向Y、第2方向Zおよび第3方向Xの一方側には各々、Y1、Z1、X1を付して図示し、第1方向Y、第2方向Zおよび第3方向Xの他方側には各々、Y2、Z2、X2を付して図示してある。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置を備えた磁気パターン検出装置の構成を示す説明図であり、図1(a)、(b)は、磁気パターン検出装置の要部を模式的に示す説明図、および断面を模式的に示す説明図である。なお、図1(b)には、永久磁石30が形成する磁界を破線Rで模式的に示してある。
図1に示す磁気パターン検出装置100は、銀行券、有価証券等の媒体Mから磁気情報を検知して真偽判別や種類の判別を行なう装置であり、ローラやガイド(図示せず)等によってシート状の媒体Mを搬送経路11に沿って第1方向Yに搬送する搬送装置10と、搬送経路11の途中位置で媒体Mから磁気情報を検出する磁気センサ装置20とを有している。ローラやガイドは、アルミニウム等といった非磁性材料から構成されている。本形態において、磁気センサ装置20は、搬送経路11の下方(第2方向Zの一方側Z1)に配置されているが、搬送経路11の上方(第2方向Zの他方側Z2)に配置されることもある。いずれの場合も、磁気センサ装置20は、センサ面21を搬送経路11に向けるように配置される。
本形態において、媒体Mには、その種類によって所定の磁気パターン(磁性体部分)が形成されている。また、媒体Mには、残留磁束密度および透磁率が異なる複数種類の磁気パターン(磁性体部分)が形成されることがある。例えば、媒体Mは、ハード材を含む磁気インクにより印刷された第1磁気パターンや、ソフト材を含む磁気インクにより印刷された第2磁気パターンが形成されることがある。そこで、本形態の磁気パターン検出装置100は、媒体M毎に磁気パターンの有無や、磁気パターンの種類を検出し、媒体Mの真偽や種類を判別する。ハード材とは、マグネットに用いる磁性材料のように、外部より磁界を印加すると、ヒステリシスが大きくて残留磁束密度が高く、容易に磁化される磁性材料である。ソフト材とは、モータや磁気ヘッドのコア材のように、ヒステリシスが小さくて残留磁束密度が低く、容易に磁化されない磁性材料である。
(磁気センサ装置20の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置20の詳細構成を示す説明図である。図1および図2に示すように、本形態の磁気パターン検出装置100において、磁気センサ装置20は、媒体Mの搬送経路11に磁界を形成する永久磁石30と、永久磁石30に対して搬送経路11側において永久磁石30の磁界内に配置された感磁素子40とを有している。永久磁石30は、フェライト系磁石や、ネオジウム磁石等の希土類磁石からなる。
本形態において、感磁素子40は、第2方向Zにおいて搬送経路11と永久磁石30との間に配置されており、永久磁石30とともに非磁性のケース25内に保持されている。磁気センサ装置20は、搬送経路11と略同一平面を構成するセンサ面21と、センサ面21に対して媒体Mの移動方向の両側に連接する斜面部22、23とを備えており、かかる形状は、ケース25の形状によって規定されている。本形態では、斜面部22、23を設けてあるので、媒体Mが引っ掛かりにくいという利点がある。
磁気センサ装置20は、媒体Mの搬送方向A1(第1方向Y)と交差する第3方向Xに延在しており、永久磁石30および感磁素子40は、媒体Mの搬送方向A1と交差する方向(第3方向X)に複数、配列されている。本形態において、磁気センサ装置20は、媒体Mの搬送方向A1(第1方向Y)と直交する第3方向Xに直線的に延在しており、永久磁石30および感磁素子40は各々、第3方向Xに直線的に複数、配列されている。第3方向Xに配列された複数の永久磁石30はいずれも、サイズ、形状および着磁方向等が同一である。また、第3方向Xに配列された複数の感磁素子40はいずれも、同一構成の磁
気センサ素子である。なお、磁気センサ装置20では、後述するように、媒体Mを搬送方向A1とは逆の搬送方向A2に搬送することもある。
永久磁石30は、搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1(第1方向Y)に沿う方向の磁界を発生させる。かかる構成を実現するために、永久磁石30には、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向にS極とN極とが設けられており、搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に対して略平行な磁界を形成する。本形態では、永久磁石は、媒体Mの搬送方向A1の上流側がN極になっており、搬送方向A1の下流側がS極になっている。また、永久磁石30は、媒体Mにハード材からなる第1磁気パターンが形成されている場合、第1磁気パターンを飽和着磁することができる磁界を発生させる。例えば、永久磁石30は、搬送経路11に、例えば500Gaussの磁界を発生させる。
感磁素子40は磁気抵抗素子であり、センサ基板49に磁気抵抗パターン(図示せず)が形成されている。かかる感磁素子40として、本形態では、薄膜強磁性金属からなる磁気抵抗パターンを備えた異方性磁気抵抗素子(AMR(Anisotropic-Magneto-Resistance))が用いられており、磁気抵抗パターンは、第3方向Xに延在している。ここで、感磁素子40は、永久磁石30における搬送方向A1の中心から搬送方向A1の上流側において永久磁石30と対向するように配置されている。
なお、図示を省略するが、磁気パターン検出装置100は、磁気センサ装置20から出力される信号に基づいて、媒体Mの真偽や種類を判定する信号処理部を有している。かかる信号処理部は、磁気センサ装置20から出力された信号と、媒体Mと磁気センサ装置20との相対位置情報に基づいて、媒体Mにおける磁気パターンの有無、磁気パターンの種類、および形成位置を検出し、媒体Mの真偽や種類を判定する。より具体的には、信号処理部は、磁気センサ装置20から出力された信号を磁気センサ装置20と媒体Mとの相対位置情報に関係づけて、記録部に予め記録されている比較パターンとの照合を行って媒体Mの真偽や種類を判定する。
(検出原理)
図3は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置20において、媒体Mに形成された磁気パターンの透磁率に基づいて、媒体Mの磁気情報を検出する原理を示す説明図であり、図3(a)、(b)、(c)は、媒体Mが搬送される際の媒体Mと感磁素子40との相対位置関係を示す説明図、感磁素子40の磁気抵抗特性を示す説明図、および感磁素子40からの出力信号の説明図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサ装置20において、媒体Mに形成された磁気パターンの残留磁束密度に基づいて、媒体Mの磁気情報を検出する原理を示す説明図であり、図4(a)、(b)、(c)は、媒体Mが搬送される際の媒体Mと感磁素子40との相対位置関係を示す説明図、感磁素子40の磁気抵抗特性を示す説明図、および感磁素子40からの出力信号の説明図である。なお、図3(a)および図4(a)では、図1および図2とは逆に、図面に向かって感磁素子40の上方に永久磁石30を示し、図面に向かって感磁素子40の下方に媒体Mの搬送経路11を示してある。なお、図3および図4には、永久磁石30が形成する磁界を破線Rで模式的に示してある。
図3(b)および図4(b)に示すように、感磁素子40では、磁気抵抗パターンに電流を流した状態で電流方向に対して交差する方向から磁界に印加されたとき、磁界の強さに応じて電気抵抗値が低下する。従って、永久磁石30および感磁素子40の相対位置等は、図3(a)に示す位置Pa1、および図4(a)に示す位置Pa2のように、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置まで媒体Mが到達していないときに、感磁素子40の電気抵抗値−磁束密度特性において磁束密度の変化に対して電気抵抗値の変化が大きくなるような磁界Ha(バイアス磁界)が印加されるように設定される。
そして、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置を、媒体Mのソフト材からなる第2磁気パターンが通過する際、感磁素子40から出力される信号は、図3を参照して以下に説明するように、第2磁気パターンの透磁率の影響を受けて、図3(c)に実線L1で示すように変化する。これに対して、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置を、媒体Mのハード材からなる第1磁気パターンが通過する際、感磁素子40から出力される信号は、第1磁気パターンの透磁率および残留磁束密度の影響を受けて、図4(c)に実線L2で示すように変化する。
より具体的には、まず、図3(a)に示す位置Pb1を、媒体Mのソフト材からなる第2磁気パターンが通過する際、感磁素子40に印加される磁界は、媒体Mが存在しないときの磁界Haより大きくなる。このため、感磁素子40の磁気抵抗パターンの電気抵抗値は、図3(b)に示すグラフ上を矢印S2で示す方向にシフトする。従って、感磁素子40から出力される信号は、負の方向に振れる。次に、図3(a)に示す位置Pc1を媒体Mの第2磁気パターンが通過する際、感磁素子40に印加される磁界は、位置Pb1を通過する際よりさらに大きくなるため、感磁素子40の磁気抵抗パターンの電気抵抗値は、図3(b)に示すグラフ上をさらに矢印S2で示す方向にシフトする。従って、感磁素子40から出力される信号は、さらに負の方向に振れる。そして、図3(a)に示す位置Pd1を媒体Mの第2磁気パターンが通過する際、感磁素子40に印加される磁界は、位置Pc1を通過する際より小さくなるため、感磁素子40の磁気抵抗パターンの電気抵抗値は、図3(b)に示すグラフ上を矢印S2で示す方向とは反対方向に戻る。従って、感磁素子40から出力される信号は、元のレベルに戻る。
このように、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置を媒体Mの第2磁気パターンが通過する際、感磁素子40から出力される信号は、図3(c)に示すように負の方向のみに振れることになる。
これに対して、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置を、媒体Mのハード材からなる第1磁気パターンが通過する際、第1磁気パターンも透磁率を有するため、感磁素子40から出力される信号L2のうち、媒体Mの磁気パターンの透磁率の影響を受けた第1信号成分L21(図4(c)に点線で示す)は、図3(c)を参照して説明した場合と同様、負の方向のみに振れる。但し、第1磁気パターンの透磁率は、第2磁気パターンの透磁率より小さいため、媒体Mの磁気パターンの透磁率の影響を受けた第1信号成分L21は、図3(c)を参照して説明した変化より小さい。
また、媒体Mのハード材からなる第1磁気パターンが通過する際、媒体Mの第1磁気パターンの残留磁束密度の影響を受けた第2信号成分L22(図4(c)に一点鎖線で示す)は、正の方向および負の方向に振れる。より具体的には、まず、媒体Mの第1磁気パターンは、図4(a)に示す位置Pb2で、永久磁石30が形成する磁界(破線Rで示す)のうち、クリティカルパスRc(残留磁束密度やその向きを決定する磁界)内を通過する際に、矢印Hpで示すように、斜め方向に着磁される。次に、図4(a)に示す位置Pc2を、媒体Mの第1磁気パターンが通過する際、感磁素子40に印加される磁界は、第1磁気パターンの残留磁束密度の影響を受けて、媒体Mが存在しないときの磁界Haより小さくなる。このため、感磁素子40の磁気抵抗パターンの電気抵抗値は、図4(b)に示すグラフ上を矢印S1で示す方向にシフトする。従って、媒体Mの第1磁気パターンの残留磁束密度の影響を受けた第2信号成分L22は、正の方向に振れる。次に、図4(a)に示す位置Pc2を媒体Mの第1磁気パターンが通過する際、感磁素子40に印加される磁界は、第1磁気パターンの残留磁束密度の影響を受けて、媒体Mが存在しないときの磁界Haより大きくなるため、感磁素子40の磁気抵抗パターンの電気抵抗値は、図4(b)に示すグラフ上を矢印S2で示す方向にシフトする。従って、媒体Mの第1磁気パター
ンの残留磁束密度の影響を受けた第2信号成分L22は、負の方向に振れる。
ここで、感磁素子40から出力される信号L2は、媒体Mの第1磁気パターンの透磁率の影響を受けた第1信号成分L21と、媒体Mの第1磁気パターンの残留磁束密度の影響を受けた第2信号成分L22とが重畳された信号である。それ故、永久磁石30および感磁素子40が配置されている位置を媒体Mの第1磁気パターンが通過する際、感磁素子40から出力される信号は、図4(c)に示すように正の方向および負の方向の双方に振れることになる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の磁気センサ装置20では、磁性インク等によって磁気パターン(磁性体部分)が形成された媒体Mが搬送経路11を通過した際、媒体Mの磁気パターンによって、感磁素子40が配置されている位置の磁界が変化する。このため、感磁素子40からの出力される信号が変化するので、媒体Mにおける磁気パターンの有無を検出することができる。
ここで、永久磁石30は、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を発生させている。このため、媒体Mが搬送経路11を通過する際、磁気パターンの透磁率の影響によって感磁素子40が配置されている位置の磁界が変化する方向は、強まる方向のみである。従って、感磁素子40から出力される信号は、媒体Mの磁気パターンの透磁率の影響を受けて、正の方あるいは負の方のいずれか一方に振れるだけである。これに対して、媒体Mが搬送経路11を通過する際、磁気パターンの残留磁束密度の影響によって感磁素子40が配置されている位置の磁界が変化する方向は、永久磁石30や感磁素子40に対する媒体Mの相対位置の変化に伴い、強まる方向および弱まる方向の双方である。
それ故、磁気パターンがフェライト粉等のハード材からなる場合、感磁素子40から出力される信号は、正の方および負の方に振れるのに対して、磁気パターンが軟磁性ステンレス粉等のソフト材からなる場合、感磁素子40から出力される信号は、正の方あるいは負の方のいずれか一方のみに振れる。よって、磁気パターンがハード材およびソフト材のいずれの材料からなるかを判別することができる。
また、本形態において、永久磁石30には、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向にS極とN極とが設けられている。このため、簡素な構成で、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成することができる。
また、感磁素子40は、搬送経路11と永久磁石30との間に配置されている。このため、ローラ等によって媒体Mを感磁素子40に押し付ける構成を容易に実現することができる。
なお、上記の説明では、媒体Mが搬送方向A1に搬送された場合を説明したが、媒体Mが搬送方向A1とは逆の搬送方向A2(図1参照)に搬送された場合においても、略同様な出力を得ることができる。
(比較例での動作)
これに対して、図10(a)に示す比較例では、永久磁石80は、搬送経路11の側(感磁素子40の側)にS極およびN極の一方の極(例えばS極)を向け、搬送経路11とは反対側(感磁素子40とは反対側)にS極およびN極の他方の極(例えばN極)を向けている。従って、永久磁石80は、感磁素子40に用いた磁気抵抗素子の磁気抵抗パターンに略垂直な磁界Haを印加する。このため、磁気パターンがフェライト粉等のハード材を含むインクで印刷されている場合、および軟磁性ステンレス粉等のソフト材(軟磁性材
料を含むインクで印刷されている場合のいずれにおいても、磁気パターンが透磁率を有しているため、媒体Mが図10(a)に示す位置Pa0から図10(c)に示す位置Pb0、Pc0、Pd0、Pe0を通過する間に、磁気パターンの透磁率に起因して感磁素子40aから出力される信号成分は、図10(d)に示すように、負方向および正方向の双方向に振れる。
より具体的には、図10(c)に示す位置Pb0を媒体Mが通過する際に印加される磁界Hbは、媒体Mが存在しないときの磁界Haより斜めに大きく傾いているため、感磁素子40aの電気抵抗値は、図10(b)に示すグラフ上を矢印S1で示す方向にシフトする。従って、感磁素子40aからの出力は、図10(d)に示すように、負の方向に振れる。これに対して、図10(c)に示す位置Pd0を媒体Mが通過する際に印加される磁界Hdは、媒体Mが存在しないときの磁界Haより法線方向に近いため、感磁素子40aの電気抵抗値は、図10(b)に示すグラフ上を矢印S2で示す方向にシフトする。従って、感磁素子40aからの出力は、図10(d)に示すように、正の方向に振れる。
一方、磁気パターンがハード材を含むインクで印刷されている場合、感磁素子40aからの出力のうち、残留磁束密度に起因する信号成分も、透磁率に起因する信号成分と同様、媒体Mが図10(a)に示す位置Pa0から図10(c)に示す位置Pb0、Pc0、Pd0、Pe0を通過する際の感磁素子40aと媒体Mとの相対位置の変化に伴って、負方向および正方向に振れる。しかも、かかる信号成分は、図10(d)に示す信号成分に重畳されて出力される。このため、感磁素子40aからの出力に残留磁束密度に起因する信号成分が含まれているか否かを判別することが困難である。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサ装置20の説明図である。なお、本形態および後述する実施の形態3、4、5の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、図5、図6および図8には、永久磁石30が形成する磁界を破線Rで模式的に示してある。
図5に示すように、本形態の磁気センサ装置20も、実施の形態1と同様、媒体Mの搬送経路に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成する永久磁石30と、永久磁石30に対して搬送経路11側において永久磁石30の磁界内に配置された感磁素子40とを有している。永久磁石30には、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向にS極とN極とが設けられている。感磁素子40は、搬送経路11と永久磁石30との間で、永久磁石30と少なくとも一部が対向するように配置されている。
ここで、感磁素子40は、第1感磁素子41と、第1感磁素子41に対して搬送方向A1で離間する位置に配置された第2感磁素子42とを含んでおり、第1感磁素子41および第2感磁素子42は全体が、永久磁石30と対向するように配置されている。本形態において、第1感磁素子41は、搬送方向A1における永久磁石30の中心に対して上流側に配置され、第2感磁素子42は、搬送方向A1における永久磁石30の中心に対して下流側に配置されており、第1感磁素子41と第2感磁素子42は、搬送方向A1における永久磁石30の中心に対して対称に配置されている。
このような第1感磁素子41と第2感磁素子42とは、差動出力を生成する。例えば、第1感磁素子41と第2感磁素子42とによってブリッジ回路を構成して差動出力を得る。または、第1感磁素子41からの出力、および第2感磁素子42からの出力をデジタル信号に変換した後、各々の出力結果の差を算出する。このため、環境温度等が変化して、第1感磁素子41および第2感磁素子42の磁気抵抗パターンの電気抵抗値が変化したときでも、磁気センサ装置20の検出精度が高いという利点がある。
また、本形態では、第1感磁素子41と第2感磁素子42は、搬送方向A1における永久磁石30の中心に対して対称に配置されている。このため、媒体Mが搬送方向A1に搬送された場合と、媒体Mが搬送方向A1とは逆の搬送方向A2に搬送された場合とにおいて、同様な出力を得ることができる。それ故、信号処理等が容易である。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る磁気センサ装置20の説明図であり、図6(a)、(b)は、磁気センサ装置20の構成図、および感磁素子40から出力される信号の説明図である。図7は、本発明の実施の形態3に係る磁気センサ装置20を用いて媒体Mの磁気パターンを検出したときの出力信号の説明図であり、図7(a)、(b)は、媒体Mにソフト材からなる磁気パターンが形成されている場合の出力信号の説明図、および媒体Mにハード材からなる磁気パターンが形成されている場合の出力信号の説明図である。
図6(a)に示すように、本形態の磁気センサ装置20も、実施の形態1と同様、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成する永久磁石30と、永久磁石30に対して搬送経路11側において永久磁石30の磁界内に配置された感磁素子40とを有している。感磁素子40は、搬送経路11と永久磁石30との間で、永久磁石30と少なくとも一部が対向するように配置されている。
本形態において、永久磁石30は、第1永久磁石31と、第1永久磁石31に対して搬送方向A1で離間する位置に配置された第2永久磁石32とを含んでいる。第1永久磁石31および第2永久磁石32のいずれにおいても、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向にS極とN極とが設けられている。より具体的には、第1永久磁石31および第2永久磁石32のいずれにおいても、搬送方向A1の上流側にN極が設けられ、下流側にS極が設けられている。このため、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間の漏れ磁束によって、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界が形成される。
また、感磁素子40は、第1感磁素子41と、第1感磁素子41に対して搬送方向A1で離間する位置に配置された第2感磁素子42とを含んでいる。ここで、第1感磁素子41は、第1永久磁石31の搬送方向A1の中心より第2永久磁石32側で第1永久磁石31と対向し、第2感磁素子42は、第2永久磁石32の搬送方向A1の中心より第1永久磁石31側で第2永久磁石32と対向している。但し、第1感磁素子41の第2感磁素子42側の端部は、第1永久磁石31の第2永久磁石32側の端部より第2感磁素子42側に位置し、第2感磁素子42の第1感磁素子41側の端部は、第2永久磁石32の第1永久磁石31側の端部より第1感磁素子41側に位置する。
このように構成した磁気センサ装置20では、第1感磁素子41および第2感磁素子42から出力される信号のうち、媒体Mの磁気パターンの透磁率の影響を受けた第1信号成分L1a、L1b(図6(b)に点線で示す)は、略同様な変化をもって負の方向に振れる。これに対して、第1感磁素子41から出力される信号のうち、媒体Mの磁気パターンの残留磁気密度の影響を受けた第2信号成分L2a(図6(b)に一点鎖線で示す)と、第2感磁素子42から出力される信号のうち、媒体Mの磁気パターンの残留磁気密度の影響を受けた第2信号成分L2b(図6(b)に二点鎖線で示す)とは、時間差をもって、正方向および負方向に振れることになる。
従って、媒体Mの磁気パターンがソフト材からなる場合、第1感磁素子41から出力される信号La、および第2感磁素子42から出力される信号Lbは各々、図7(a)に示すように変化する。これに対して、媒体Mの磁気パターンがハード材からなる場合、第1感磁素子41から出力される信号La、および第2感磁素子42から出力される信号Lb
は各々、図7(b)に示すように変化する。
ここで、第1感磁素子41と第2感磁素子42とは、実施の形態1と同様、差動出力を生成する。従って、第1感磁素子41および第2感磁素子42のいずれかの信号を用いれば、磁気パターンの存在を検出することができる。また、第1感磁素子41と第2感磁素子42との差動出力が出現しない場合、磁気パターンがソフト材からなることを検出することができる一方、第1感磁素子41と第2感磁素子42との差動出力が出現した場合、磁気パターンがハード材からなることを検出することができる。
かかる差動出力を得るにあたって、永久磁石30は、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間の漏れ磁束によって、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成する。このため、大きな永久磁石30を用いなくても、媒体Mの磁気パターンを飽和着磁できるクリティカルパスRcを搬送経路11に形成することができる。それ故、図5に示すような大きな永久磁石30を用いた場合より、2つの感磁素子40(第1感磁素子41と第2感磁素子42)の離間距離を狭めることができるので、搬送方向A1における分解能を高めることができる。
また、本形態でも、実施の形態2と同様、第1感磁素子41と第2感磁素子42は、搬送方向A1における永久磁石30の中心に対して対称に配置されている。このため、媒体Mが搬送方向A1に搬送された場合と、媒体Mが搬送方向A1とは逆の搬送方向A2に搬送された場合とにおいて、同様な出力を得ることができる。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の形態4に係る磁気センサ装置20の説明図である。図8に示すように、本形態の磁気センサ装置20も、実施の形態1と同様、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界を形成する永久磁石30と、永久磁石30に対して搬送経路11側において永久磁石30の磁界内に配置された感磁素子40とを有している。感磁素子40は、搬送経路11と永久磁石30との間で、永久磁石30と少なくとも一部が対向するように配置されている。
本形態において、永久磁石30は、第1永久磁石31と、第1永久磁石31に対して搬送方向A1で離間する位置に配置された第2永久磁石32とを含んでいる。また、第1永久磁石31および第2永久磁石32のいずれにおいても、媒体Mの搬送方向A1に沿う方向にS極とN極とが設けられている。より具体的には、第1永久磁石31および第2永久磁石32のいずれにおいても、搬送方向A1の上流側にN極が設けられ、下流側にS極が設けられている。このため、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間の漏れ磁束によって、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向A1に沿う方向の磁界が形成される。
ここで、感磁素子40は、第1感磁素子41と、第1感磁素子41に対して第1方向Yで離間する位置に配置された第2感磁素子42とを含んでいる。また、感磁素子40は、第1感磁素子41および第2感磁素子42に対して第1方向Yで離間する位置に配置された第3感磁素子43と、第1感磁素子41、第2感磁素子42および第3感磁素子43に対して第1方向Yで離間する位置に配置された第4感磁素子44とを含んでいる。
より具体的には、第1感磁素子41は、第1永久磁石31の搬送方向A1の中心より第2永久磁石32側で第1永久磁石31と対向し、第2感磁素子42は、第1永久磁石31の搬送方向A1の中心より第2永久磁石32とは反対側で第1永久磁石31と対向している。但し、第1感磁素子41の第2感磁素子42とは反対側の端部は、第1永久磁石31の第2永久磁石32側の端部より第2感磁素子42とは反対側に位置している。第2感磁
素子42は、全体が第1永久磁石31と対向している。このように構成した第1感磁素子41と第2感磁素子42とは差動出力を生成する。
また、第3感磁素子43は、第2永久磁石32の搬送方向A1の中心より第1永久磁石31側で第2永久磁石32と対向し、第4感磁素子44は、第2永久磁石32の搬送方向A1の中心より第1永久磁石31とは反対側で第2永久磁石32と対向している。但し、第3感磁素子43の第4感磁素子44とは反対側の端部は、第2永久磁石32の第1永久磁石31側の端部より第4感磁素子44とは反対側に位置している。第4感磁素子44は、全体が第2永久磁石32と対向している。このように構成した第3感磁素子43と第4感磁素子44とは差動出力を生成する。
このように構成した磁気センサ装置20でも、実施の形態1と同様、第1感磁素子41、第2感磁素子42、第3感磁素子43、および第4感磁素子44から出力される信号のうち、媒体Mの磁気パターンの透磁率の影響を受けた第1信号成分は、略同様な変化をもって負の方向に振れる。これに対して、第1感磁素子41および第3感磁素子43等から出力される信号のうち、媒体Mの磁気パターンの残留磁気密度の影響を受けた第2信号成分は、正方向および負方向に振れることになる。従って、媒体Mの磁気パターンがソフト材からなるか、ハード材からなるかを判別することができる等、実施の形態3と同様な効果を奏する。
[実施の形態5]
図9は、本発明の実施の形態5に係る磁気センサ装置20の説明図である。図2に示す形態では、永久磁石30および感磁素子40が、媒体Mの搬送方向A1と交差する方向(第3方向X)に複数配列されていたが、本形態では、図9に示すように、永久磁石30が、媒体Mの搬送方向A1と交差する方向(第3方向X)に延在し、かかる永久磁石30に複数の感磁素子40がZ方向で対向している。かかる構成によれば、図2に示す形態と違って、永久磁石30の端部に形成される磁界の影響で、感磁素子40において第3方向Xの位置によって感度差が発生することを抑制することができるという利点がある。
なお、図9に示す構成は、実施の形態1に係る磁気センサ装置20に限らず、実施の形態2、3、4に係る磁気センサ装置20に採用してもよい。
(その他の実施の形態)
上記形態では、感磁素子40として、センサ基板49に薄膜強磁性金属からなる磁気抵抗パターンが形成された異方性磁気抵抗素子を用いたが、感磁素子40として、半導体磁気抵抗素子、ホール素子、MI素子(Magneto-Impedance element)、フラックスゲート型の磁気センサなどを用いてもよい。また、上記実施の形態では、搬送経路11と永久磁石30との間に感磁素子40が配置されていたが、搬送経路11に対して永久磁石30とは反対側に感磁素子40が配置されている構造を採用してもよい。この場合でも、永久磁石30は、媒体Mの搬送経路11に対して媒体Mの搬送方向に沿う方向の磁界を形成し、感磁素子40は、永久磁石30が形成する磁界内に配置される。
10・・搬送装置、11・・搬送経路、20・・磁気センサ装置、21・・センサ面、30・・永久磁石、31・・第1永久磁石、32・・第2永久磁石、40・・感磁素子、41・・第1感磁素子、42・・第2感磁素子、43・・第3感磁素子、44・・第4感磁素子、49・・センサ基板、100・・磁気パターン検出装置、A1・・搬送方向

Claims (11)

  1. 媒体の搬送経路に対して前記媒体の搬送方向に沿う方向の磁界を形成する永久磁石と、
    前記永久磁石に対して前記搬送経路側において前記永久磁石の磁界内に配置された感磁素子と、
    を有することを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 前記永久磁石には、前記媒体の搬送方向に沿う方向にS極とN極とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  3. 前記感磁素子は、前記搬送経路と前記永久磁石との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気センサ装置。
  4. 前記感磁素子は、少なくとも一部が前記永久磁石と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の磁気センサ装置。
  5. 前記感磁素子は、
    第1感磁素子と、
    該第1感磁素子に対して前記搬送方向で離間する位置に配置され、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気センサ装置。
  6. 前記永久磁石は、
    第1永久磁石と、
    該第1永久磁石に対して前記搬送方向で離間する位置に配置された第2永久磁石と、
    を含み、
    前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間の漏れ磁束によって前記磁界が形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気センサ装置。
  7. 前記感磁素子は、
    前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石側で前記第1永久磁石と対向する第1感磁素子と、
    前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石側で前記第2永久磁石と対向し、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ装置。
  8. 前記感磁素子は、
    前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石側で前記第1永久磁石と対向する第1感磁素子と、
    前記第1永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第2永久磁石とは反対側で前記第1永久磁石と対向し、前記第1感磁素子と差動出力を生成する第2感磁素子と、
    前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石側で前記第2永久磁石と対向する第3感磁素子と、
    前記第2永久磁石の前記搬送方向の中心より前記第1永久磁石とは反対側で前記第2永久磁石と対向し、前記第3感磁素子と差動出力を生成する第4感磁素子と、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ装置。
  9. 前記感磁素子は、磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の磁気センサ装置。
  10. 前記感磁素子は、前記媒体の搬送方向に対して交差する方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の磁気センサ装置。
  11. 前記永久磁石は、前記媒体の搬送方向に対して交差する方向に延在して、当該交差する方向に配置された複数の前記感磁素子と対向していることを特徴とする請求項10に記載の磁気センサ装置。
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