JPWO2011162122A1 - エアバッグ装置 - Google Patents

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幸司 本間
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敦 中村
慶大 小林
慶大 小林
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Abstract

右フロントピラー(11)およびフロントウインドガラス(16)間に折り畳まれたエアバッグ(35)を備えたエアバッグ装置(20)が開示される。エアバッグ(35)はガーニッシュ(34)で覆われている。ガーニッシュ(34)は、右フロントピラー(11)に沿って延びるピラー側壁(42)を有する芯金(41)と、該芯金(41)の表面(41a)に形成された装飾樹脂部(58)とを有する。ピラー側壁(42)は右フロントピラー(11)に取り付けられている。

Description

本発明は、フロントピラーおよびフロントウインドガラス間にフロントピラーの上下方向に沿ってエアバッグ(袋体)が折り畳まれた状態でガーニッシュで覆われたエアバッグ装置に関する。
この種のガーニッシュは、通常、芯金の外面に樹脂が一体に形成されたものや、樹脂のみで形成されたものが用いられる。ガーニッシュをフロントピラーに取り付けることで、ガーニッシュでエアバッグを覆う。
上記エアバッグ装置によれば、車両に障害物が衝突した場合に、エアバッグが展開する。エアバッグが展開することでエアバッグの展開力がガーニッシュに作用し、作用した展開力でガーニッシュをフロントピラーから外してフロントピラーおよびフロントウインドガラス間を開放する。フロントピラーおよびフロントウインドガラス間を開放することで、エアバッグは、開放した空間からフロントピラーに沿って展開する。
フロントピラーに沿ってエアバッグが展開することで、例えば車両が障害物に二次衝突しても、障害物からの衝撃をエアバッグで受けることができる。よって、障害物に作用する衝撃力をエアバッグで緩和することができある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に開示されているエアバッグ装置は、芯金を有するガーニッシュの場合、エアバッグの展開力でガーニッシュを開放する際に、ガーニッシュがフロントピラーから外れることが考えられる。さらに、樹脂のみで形成されたガーニッシュの場合、エアバッグの展開力でガーニッシュを開放する際に、ガーニッシュが割れてフロントピラーから外れることが考えられる。
特開2009−234431号公報
本発明は、エアバッグの展開時にガーニッシュをフロントピラーに保持可能なエアバッグ装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明によれば、エアバッグ装置であって、フロントピラーおよびフロントウインドガラス間に折り畳まれた状態で収容されたエアバッグと、前記エアバッグを展開させるために前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの展開力で開放するガーニッシュと、
を具備しており、前記ガーニッシュは、前記フロントピラーに沿って車体前後方向に延びるピラー側壁を有する金属製の芯金と、前記芯金の表面に形成された装飾樹脂部と、を有しており、前記ピラー側壁は、前記フロントピラーに取り付けられているエアバッグ装置が提供される。
請求項2に係る発明では、好ましくは、前記エアバッグ装置は、前記フロントピラーから前記エアバッグ側に支持軸が突設され、前記支持軸の端部に拡径部が形成されたスタッド部材と、前記スタッド部材に前記ピラー側壁を取り付けるために前記ピラー側壁に形成された係止部と、を備え、前記係止部は、前記拡径部が嵌合可能な嵌合穴と、前記嵌合穴に連通されるとともに前記拡径部の外径より小さい溝幅に形成され、前記支持軸が嵌まる係止溝と、を有する。
請求項3に係る発明では、好ましくは、前記芯金は、前記ピラー側壁の上端部から車体中心側に向けて張り出されることで前記エアバッグを覆うリッド部と、前記リッド部および前記ピラー側壁を連結する角部と、を有し、前記リッド部は、前記角部を軸にして揺動可能に支持されている。
請求項4に係る発明では、好ましくは、前記リッド部は、前記角部に形成されたスリットを有しており、前記角部の強度が調整可能とされている。
請求項5に係る発明では、好ましくは、前記スリットは車体前後方向に複数形成されており、前記複数のスリットのうち隣接するスリット間の距離は、前記インフレータから離れた部位より前記インフレータの近傍において大きくなっている。
ここで、インフレータからエアバッグにガスを充填する際に、まずインフレータ近傍のエアバッグにガスが充填され、その後インフレータから離れた部位に充填される。よって、エアバッグの展開力は、まずインフレータの近傍に発生し、その後インフレータから離れた部位に発生する。そこで、スリット間の距離をインフレータから離れた部位よりインフレータの近傍において大きくなるようにした。よって、エアバッグの展開力がインフレータの近傍に発生した際に、インフレータの近傍のスリットから角部へ亀裂が発生することを防いで、インフレータの近傍の角部が破断することを防止する。
請求項6に係る発明では、好ましくは、前記芯金は、前記リッド部の車体中央側端部から前記フロントウインドガラスに向けて張り出された窓ガラス側壁を有しており、前記窓ガラス側壁、前記リッド部および前記ピラー側壁で略U字状に形成されている。
請求項7に係る発明では、好ましくは、前記芯金は、前端部に設けられた前取付ブラケットと、後端部に設けられた後取付ブラケットとを備えており、前記前取付ブラケットは、前記車体の前端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された前スタッドボルトに前ナットで締結され、前記後取付ブラケットは、前記車体の後端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された後スタッドボルトに後ナットで締結されている。
請求項8に係る発明では、好ましくは、前記ピラー側壁は、前記フロントピラーに対向する外壁面に形成された凹部を有しており、前記エアバッグを支える接続部の取付端部は、前記ピラー側壁のうち前記凹部に対応する内壁面に重ね合わされ、金属プレートが前記取付端部に重ね合わされ、前記金属プレートおよび前記ピラー側壁間に前記取付端部が挟持された状態で前記金属プレートおよび前記ピラー側壁が締結部材で締結されている。
請求項9に係る発明によれば、エアバッグ装置であって、フロントピラーおよびフロントウインドガラス間に折り畳まれた状態で収容されたエアバッグと、前記エアバッグを展開させるために前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの展開力で開放するガーニュッシュと、を具備しており、前記ガーニッシュは、前記フロントピラーに取付可能で、かつ前記フロントピラーから前記フロントウインドガラスの上方まで張り出された金属製の芯金と、前記芯金のうち前記フロントウインドガラスの上方に位置する端部から前記フロントウインドガラスの表面まで張り出された樹脂製の窓ガラス側壁と、を備え、前記芯金は、前記フロントピラーに沿って車体前後方向に延びるピラー側壁と、前記ピラー側壁の上端部から車体中心方向に向けて前記フロントウインドガラスの上方まで張り出されることで前記エアバッグを覆うリッド部と、を有し、前記ピラー側壁および前記リッド部の2部材は、一体に結合されているエアバッグ装置が提供される。
請求項10に係る発明では、好ましくは、前記エアバッグ装置は、前記フロントピラーから前記エアバッグ側に支持軸が突設され、前記支持軸の端部に拡径部が形成されたスタッド部材と、前記スタッド部材に前記ピラー側壁を取り付けるために前記ピラー側壁に形成された係止部と、を備え、前記係止部は、前記拡径部が嵌合可能な嵌合穴と、前記嵌合穴に連通されるとともに前記拡径部の外径よりも小さい溝幅に形成され、前記支持軸が嵌まる係止溝と、を有する。
請求項11に係る発明では、好ましくは、前記リッド部は、前記ピラー側壁に連結する部位に角部を有し、前記角部を軸にして前記リッド部が揺動可能に支持されている。
請求項12に係る発明では、好ましくは、前記リッド部は、前記角部の強度が調整可能となるように前記角部に形成されたスリットを有する。
請求項13では、好ましくは、前記スリットは、車体前後方向に複数形成され、前記複数のスリットのうち隣接するスリット間の距離は、前記インフレータから離れた部位から前記インフレータの近傍に向けて大きくなっている。
ここで、インフレータからエアバッグにガスを充填する際に、まずインフレータの近傍にガスが充填され、その後インフレータから離れた部位に充填される。よって、エアバッグの展開力は、まずインフレータの近傍に発生し、その後インフレータから離れた部位に発生する。そこで、スリット間の距離をインフレータから離れた部位よりインフレータの近傍において大きくした。よって、エアバッグの展開力がインフレータの近傍に発生した際に、インフレータの近傍のスリットから角部へ亀裂が発生することを防いで、インフレータの近傍の角部が破断することを防止できる。
請求項14に係る発明では、好ましくは、前記リッド部は、前端部から後端部まで同一断面形状であり、ロールフォーミングで成形された部材である。
請求項15に係る発明では、好ましくは、前記芯金は、前端部に設けられた前取付ブラケットと、後端部に設けられた後取付ブラケットとを備えており、前記前取付ブラケットは、前記車体の前端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された前スタッドボルトに前ナットで締結され、前記後取付ブラケットは、前記車体の後端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された後スタッドボルトに後ナットで締結されている。
請求項16に係る発明では、好ましくは、前記エアバッグ装置は、前記フロントピラーに設けられた雌クリップと、前記リッド部に設けられた雄クリップとを備えており、前記ガーニッシュは、前記雌クリップに前記雄クリップが嵌入されることにより、前記フロントピラーに保持される。
請求項1に係る発明では、ガーニッシュに金属製の芯金を備え、芯金のピラー側壁をフロントピラーに沿わせて延長した。ピラー側壁はフロントピラーに取り付けられている。これにより、展開中のエアバッグでガーニッシュが開放する際に、ガーニッシュをフロントピラーに保持することができる。
請求項2に係る発明では、係止部の嵌合穴をスタッド部材の拡径部に嵌合させ、嵌合穴に連通する係止溝をスタッド部材の支持軸に嵌め込むことができる。係止溝の溝幅が拡径部の外径より小さく形成されている。よって、係止溝を支持軸に嵌め込んだ状態において、係止溝が支持軸から抜け出すことを拡径部で阻止できる。これにより、フロントピラーに支持軸を介してピラー側壁を取り付けることができる。
このように、フロントピラーに支持軸を介してピラー側壁を取り付ける作業を、まず嵌合穴を拡径部に嵌合させ、つぎに係止溝を支持軸に嵌め込むという簡単な操作で容易におこなうことができる。
請求項3に係る発明では、リッド部およびピラー側壁を角部を介して連結し、角部を軸にしてリッド部を揺動可能に支持した。よって、エアバッグが展開する際に、エアバッグの展開力をリッド部に作用させることで、リッド部を角部を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。これにより、エアバッグの展開方向をリッド部で遮らないようにしてエアバッグをフロントピラーに沿わせて好適に展開することができる。
請求項4に係る発明では、角部にスリットを形成して角部の強度を調整可能とした。このように、角部にスリットを形成して強度を調整することで、リッド部にエアバッグの展開力が作用した際に、リッド部を角部を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。
請求項5に係る発明では、スリット間の距離をインフレータから離れた部位よりインフレータの近傍において大きくした。よって、エアバッグの展開力がインフレータの近傍に発生した際に、インフレータの近傍の角部が破断することを防止できる。これにより、エアバッグの展開力がリッド部に作用した際に、エアバッグの展開力でリッド部全体を角部を軸にして上方に向けて円滑に開放することができる。
請求項6に係る発明では、リッド部の車体中央側端部からフロントウインドガラスに向けて窓ガラス側壁を張り出して、窓ガラス側壁、リッド部およびピラー側壁で略U字状に形成した。よって、エアバッグの展開力でリッド部を上方に向けて開放する際に、エアバッグがフロントウインドガラスに逃げることを窓ガラス側壁で防ぐことができる。これにより、エアバッグをフロントピラーに沿わせて好適に展開することができる。
請求項7に係る発明では、芯金の前取付ブラケットを前スタッドボルトおよび前ナットで車体に締結し、芯金の後取付ブラケットを後スタッドボルトおよび後ナットで車体に締結した。これにより、芯金(すなわち、ガーニッシュ)を車体側に強固に取り付けることができる。
請求項8に係る発明では、ピラー側壁の外壁面に凹部を形成し、凹部に対応する内壁面と金属プレートとで接続部の取付端部を挟持した。接続部は、一例として、エアバッグを支えるストラップである。金属プレートおよびピラー側壁を締結部材で締結することで、接続部の取付端部をピラー側壁の内壁面に取り付けた。これにより、接続部の取付端部をピラー側壁の内壁面に強固に取り付けることができる。
請求項9に係る発明では、ガーニッシュに金属製の芯金を備え、芯金をフロントピラーに取付け可能とした。これにより、展開中のエアバッグでガーニッシュが開放する際に、ガーニッシュをフロントピラーに保持することができる。
さらに、金属製の芯金に樹脂製の窓ガラス側壁を設けることによりガーニッシュを形成した。芯金および窓ガラス側壁の2部材でガーニッシュを形成することで、窓ガラス側壁を単独の部材とすることができる。このように、窓ガラス側壁を単独の部材とすることで窓ガラス側壁の高さを容易に調整することができる。これにより、ガーニッシュの高さ(深さ)を決める際の自由度を高めることができる。
さらにまた、芯金をピラー側壁およびリッド部に2分割することで、分割した各部材(ピラー側壁およびリッド部)を小型化でき、かつ分割した各部材(ピラー側壁およびリッド部)の形状を簡素化できる。これにより、芯金の製造が容易になり、かつ芯金を成形する金型を小型化できるので設備費を抑えて芯金のコストを抑えることができる。
請求項10に係る発明では、係止部の嵌合穴をスタッド部材の拡径部に嵌合させ、嵌合穴に連通する係止溝をスタッド部材の支持軸に嵌め込むことができる。係止溝の溝幅は拡径部の外径より小さく形成されている。よって、係止溝を支持軸に嵌め込んだ状態において、係止溝が支持軸から抜け出すことを拡径部で阻止できる。これにより、フロントピラーに支持軸を介してピラー側壁を取り付けることができる。このように、フロントピラーに支持軸を介してピラー側壁を取り付ける作業を、まず嵌合穴を拡径部に嵌合させ、つぎに係止溝を支持軸に嵌め込むという簡単な操作で容易におこなうことができる。
請求項11に係る発明では、リッド部のうちピラー側壁に連結する部位に角部を有し、角部を軸にしてリッド部を揺動可能に支持した。よって、エアバッグが展開する際に、エアバッグの展開力をリッド部に作用させることで、リッド部を角部を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。これにより、エアバッグの展開方向をリッド部で遮らないようにして、エアバッグはフロントピラーに沿って好適に展開することができる。
請求項12に係る発明では、角部にスリットを形成して角部の強度を調整可能とした。このように、角部にスリットを形成して強度を調整することで、リッド部にエアバッグの展開力が作用した際に、リッド部を角部を軸にして上方へ向けて円滑(スムーズ)に開放することができる。
請求項13に係る発明では、スリット間の距離をインフレータから離れた部位よりインフレータの近傍において大きくした。よって、エアバッグの展開力がインフレータの近傍に発生した際に、インフレータの近傍の角部が破断することを防止できる。これにより、エアバッグの展開力がリッド部に作用した際に、エアバッグの展開力でリッド部全体を角部を軸にして上方に向けて円滑に開放することができる。
請求項14に係る発明では、リッド部を前端部から後端部まで同一断面形状とすることができ、リッド部をロールフォーミングで成形することが可能である。このように、リッド部をロールフォーミングで成形することで、リッド部のフルオートメーション化による大量生産が可能になり、リッド部のコストを抑えることができる。
請求項15に係る発明では、芯金の前取付ブラケットを前スタッドボルトおよび前ナットで車体に締結し、芯金の後取付ブラケットを後スタッドボルトおよび後ナットで車体に締結した。これにより、芯金(すなわち、ガーニッシュ)を車体側に強固に取り付けることができる。
請求項16に係る発明では、フロントピラーの雌クリップにリッド部の雄クリップを嵌入することによりフロントピラーにガーニッシュを保持するようにした。雌クリップに雄クリップを嵌入することで、フロントピラーの取付位置にガーニッシュを精度よく保持でき、外観性を好適に確保することができる。加えて、雌クリップに雄クリップを嵌入してガーニッシュを精度よく保持可能とすることで、ガーニッシュを取付位置に簡単に位置合わせでき、ガーニッシュの組付け作業を容易化できる。
本発明の実施例1によるエアバッグ装置を備えた車体前部構造を示す斜視図である。 図1のエアバッグ装置を示す分解斜視図である。 図1の3−3線に沿った断面図である。 図2に示されたガーニッシュの分解斜視図である。 図4に示された芯金の斜視図である。 実施例1によるエアバッグ装置の係止部およびスタッド部材を示した斜視図である。 図2に示されたエアバッグの後端部を後連結部を介して後取付ブラケットに取り付けた状態を示した斜視図である。 図1の8−8線に沿った断面図である。 実施例1によるエアバッグ装置の係止部にスタッド部材の拡径部を嵌入する手順を示した図である。 エアバッグ装置の係止部にスタッド部材の拡径部を係止した状態を示した図であり、図10(b)は図10(a)の10b−10b線に沿った断面図である。 実施例1によるエアバッグが展開する例を示した図である。 エアバッグが展開した状態を示した断面図である。 エアバッグが展開した状態を示した斜視図である。 本発明の実施例2によるエアバッグ装置を示した断面図である。 本発明の実施例3によるエアバッグ装置を備えた車体前部構造を示した斜視図である。 図15に示したエアバッグ装置の分解斜視図である。 図15の17−17線に沿った断面図である。 図16に示したガーニッシュの分解斜視図である。 図18に示した芯金の斜視図である。 実施例3によるエアバッグ装置の係止部およびスタッド部材を示した斜視図である。 図16に示したエアバッグの後端部を後連結部を介して後取付ブラケットに取り付けた状態を示した斜視図である。 図15の22−22線に沿った断面図である。 実施例3によるエアバッグ装置の係止部にスタッド部材の拡径部を嵌入する手順を示した図である。 エアバッグ装置の係止部にスタッド部材の拡径部を係止した状態を示した図であり、図24(b)は図24(a)の24b−24b線に沿った断面図である。 実施例3によるエアバッグを展開する例を示した図である。 エアバッグが展開した状態を示した断面図である。 エアバッグが展開した状態を示した斜視図である。 本発明の実施例4によるエアバッグ装置を示した斜視図である。 図28に示されたガーニッシュの分解斜視図である。 図28の30−30線に沿った断面図である。 図29に示された芯金および雌クリップを示した斜視図である。 図29に示されたリッドおよび雄クリップを示した斜視図である。 図28の33−339線に沿った断面図である。
以下、本発明の好ましい幾つかの実施例について、添付した図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車体前部構造10は、車体の右側部に設けられた右フロントピラー11と、右フロントピラー11のフランジ部(車体)12にシール15を介して右端部16aが載置されたフロントウインドガラス16と、フロントウインドガラス16および右フロントピラー11間に設けられたエアバッグ装置20と、エアバッグ装置20の前端部20aに設けられたカウルカバー22と、エアバッグ装置20の後端部20bに設けられたサイドルーフレールカバー23とを備えている。
図2および図3に示すように、右フロントピラー11は、車体中心側に内側壁13が上向きに立設され、内側壁13に複数のスタッド部材25が車体前後方向に所定間隔を開けて設けられている。
スタッド部材25は、内側壁13の外面13aに基端部が溶接で結合された支持軸27と、支持軸27の先端部(端部)に形成された拡径部28とを有する。支持軸27の基端部を外面13aに溶接で結合することで、外面13aに支持軸27が突設され、支持軸27は外面13aからエアバッグ35側に突出している。拡径部28は、外面13aから突出した支持軸27の先端部に形成されている。
フランジ部12の前端部のうち、右フロントピラー11の内側壁13およびフロントウインドガラス16間の部位(以下、「前部位」という)12aから前スタッドボルト31が上向きに突出されている。フランジ部12の後端部のうち、右フロントピラー11の内側壁13およびフロントウインドガラス16間の部位(以下、「後部位」という)12bから後スタッドボルト32が上向きに突出されている。
エアバッグ装置20は、右フロントピラー11に設けられたガーニッシュ34と、ガーニッシュ34内に収納されたエアバッグ(袋体)35と、エアバッグ35を右フロントピラー11に連結する接続手段36と、エアバッグ35に連通したインフレータ37とを備えている。
ガーニッシュ34は、右フロントピラー11に沿って車体後方に向けて上り勾配となるように延びている。このガーニッシュ34は、右フロントピラー11に取り付けられた金属製の芯金41と、芯金41の表面41aに形成された装飾樹脂部58とからなる。
芯金41は、右フロントピラー11に沿ったピラー側壁42と、ピラー側壁42の上端部から横方向に張り出されたリッド部43と、リッド部43の車体中央側端部から下方に張り出された窓ガラス側壁44と、ピラー側壁42の前端部42aに設けられた前取付ブラケット45と、ピラー側壁42の後端部42b(図5参照)に設けられた後取付ブラケット46とを有する。
上記芯金41は、ピラー側壁42、リッド部43および窓ガラス側壁44で略U字状に形成されている。窓ガラス側壁44は、エアバッグ35が展開する際の押付力(すなわち、エアバッグ35の展開力)でリッド部43を上方に向けて開放する際に、エアバッグ35がフロントウインドガラス16側に逃げることを防ぐ。これにより、エアバッグ35は右フロントピラー11に沿って適切に展開することができる。ここで、エアバッグ35の展開力とは、エアバッグ35が展開する際に芯金41に作用する押付力をいう。
さらに、芯金41は、図4及び図5に示すように、ピラー側壁42およびリッド部43が連結された外角部(角部)47と、外角部47に形成された複数の外スリット48と、リッド部43および窓ガラス側壁44が連結された内角部51と、内角部51に形成された複数の内スリット52とを有する。
リッド部43は、外角部47を中心にして揺動可能に支持されている。すなわち、外角部47はリッド部43を揺動可能に支持するヒンジの役割を果たす部位である。外角部47に複数の外スリット48が形成されることにより外角部47の強度を調整可能とした。このように、外角部47に複数の外スリット48を形成することで、リッド部43を揺動させる力(エアバッグ35の展開力)に対応させて外角部47の強度を調整できる。
芯金41のピラー側壁42にリッド部43を外角部47を介して連結し、外角部47を軸にしてリッド部43は揺動可能に支持されている。よって、エアバッグ35が展開する際に、エアバッグ35の展開力をリッド部43に作用させることで、リッド部43を外角部47を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。これにより、エアバッグ35の展開方向をリッド部43で遮らないようにしてエアバッグ35を右フロントピラー11に沿って好適に展開することができる。
さらに、外角部47の強度は、該外角部47に複数の外スリット48を形成することにより調整可能となる。これにより、リッド部43にエアバッグ35の展開力が作用した際に、リッド部43を外角部47を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。
インフレータ37(図1)からエアバッグ35にガスを充填する際に、まずインフレータ37の近傍のエアバッグ35にガスが充填され、その後インフレータ37から離れた部位に充填される。よって、エアバッグ35の展開力は、まずインフレータ37の近傍に発生し、その後インフレータ37から離れた部位に発生する。
外スリット48間の距離H1,H2,H3は、インフレータ37(図1)から離れた部位よりインフレータ37の近傍において大きく設定されている。すなわち、距離H1>距離H2>距離H3の関係が成立する。
さらに、外スリット48のスリット長さL1,L2,L3は、インフレータ37(図1)から離れた部位よりインフレータ37の近傍において短く設定されている。すなわち、スリット長さL1<スリット長さL2<スリット長さL3の関係が成立する。
よって、エアバッグ35の展開力がインフレータ37の近傍に発生した際に、インフレータ37の近傍の外角部47が破断することを防止できる。これにより、エアバッグ35の展開力がリッド部43に作用した際に、エアバッグ35の展開力でリッド部43全体を外角部47を軸にして上方に向けて円滑に開放することができる。
窓ガラス壁44は、内角部51を軸にして揺動可能に支持されている(図3も参照)。すなわち、内角部51は、窓ガラス壁44を揺動可能に支持するヒンジの役割を果たす。内角部51に複数の内スリット52が形成されることにより内角部51の強度は調整可能となる。このように、内角部51に複数の内スリット52を形成することで、窓ガラス側壁44を揺動させる力(エアバッグ35の展開力)に対応させて内角部51の強度を調整できる。
芯金41のリッド部43に窓ガラス側壁44を内角部51を介して連結し、内角部51を軸にして窓ガラス側壁44は揺動可能に支持されている。よって、エアバッグ35が展開する際に、エアバッグ35の展開力を窓ガラス側壁44に作用させることで、窓ガラス側壁44を内角部51を軸にして円滑に開放することができる。これにより、エアバッグ35の展開方向を窓ガラス側壁44で遮らないようにしてエアバッグ35を右フロントピラー11に沿わせて好適に展開することができる。
さらに、内角部51に複数の内スリット52を形成して内角部51の強度を調整可能とした。これにより、窓ガラス側壁44にエアバッグ35の展開力が作用した際、窓ガラス側壁44を内角部51を軸にして円滑に開放することができる。
内スリット52間の距離H1,H2,H3は、外スリット48と同様に、インフレータ37(図1)から離れた部位よりインフレータ37の近傍において大きく設定されている。さらに、内スリット52のスリット長さL1,L2,L3は、外スリット48と同様に、インフレータ37(図1)から離れた部位よりインフレータ37の近傍において短く設定されている。
よって、エアバッグ35の展開力がインフレータ37の近傍に発生した際に、インフレータ37の近傍の内角部51が破断することを防止できる。これにより、エアバッグ35の展開力がリッド部43に作用した際、エアバッグ35の展開力で窓ガラス側壁44全体を内角部51を軸にして円滑に開放することができる。
ピラー側壁42は、右フロントピラー11に沿って車体前後方向に延長され、かつ、右フロントピラー11に取付可能に形成されている。該ピラー側壁42には、複数のスタッド部材25に取り付けるために複数の第1係止部61が形成されている。
図6に示すように、第1係止部61は、拡径部28に嵌合可能な嵌合穴62と、嵌合穴62に連通された係止溝63とを有する。係止溝63は、嵌合穴62に連通されるとともに車体後方に向けて延びた溝であり、嵌合穴62の穴径D1より小さい溝幅Wに形成され、支持軸27に嵌込み可能に形成されている。係止溝63の溝幅Wは、拡径部28の外径D2より小さく形成されている。
ピラー側壁42の内壁面42cにおいて第1係止部61が形成されている部位に補強プレート66が設けられている。補強プレート66は、略矩形状に形成されて中央に第2係止部67が形成されている。第2係止部67は、第1係止部61と同じ形状に形成され、第1係止部61に重ね合わされている。つまり、第2係止部67は、第1係止部61と同様に、嵌合穴62および係止溝63を有する。
第1および第2の係止部61,67の係止溝63,63がスタッド部材25の支持軸27に嵌め込まれる。嵌合穴62の穴径D1は、拡径部28の外径D2と同程度または略0.1mm程度大きく形成されている。さらに、係止溝63の溝幅Wは、拡径部28の外径D2より小さく形成されている。よって、係止溝63を支持軸27に嵌め込んだ状態において、係止溝63が支持軸27から抜け出すことを拡径部28で阻止できる。これにより、右フロントピラー11の内側壁13に支持軸27(すなわち、スタッド部材25)を介して金属製の芯金41(ピラー側壁42)が取り付けられている。
このように、内側壁13にスタッド部材25でピラー側壁42を取り付けることで、エアバッグ35の展開力でガーニッシュ34を開放する際に、ガーニッシュ34を右フロントピラー11に保持することができる。
図3に示すように、芯金41のリッド部43は、ピラー側壁42の上端部から車体中心側に向けて張り出されてエアバッグ35の上方に位置している。エアバッグ35の上方にリッド部43が位置することにより、リッド部43でエアバッグ35の上部35bが覆われている。
窓ガラス側壁44は、リッド部43の車体中央側端部からフロントウインドガラス16に向けて張り出されている。よって、エアバッグ35が展開する際に、エアバッグ35がフロントウインドガラス16側に向けて横向きに膨張することを窓ガラス側壁44で防ぐことができる。
図2に示すように、前取付ブラケット45は、フランジ部12の前部位12aから突出した前スタッドボルト31に前ナット71で締結されている。後取付ブラケット46は、フランジ部12の後部位12bから突出した後スタッドボルト32に後ナット72で締結されている。
このように、右フロントピラー11の内側壁13にスタッド部材25を介して金属製の芯金41(ピラー側壁42)を取り付けた。さらに、芯金41の前取付ブラケット45を前スタッドボルト31および前ナット71でフランジ部12の前部位12aに締結し、芯金41の後取付ブラケット46を後スタッドボルト32および後ナット72でフランジ部12の後部位12bに締結した。よって、芯金41(すなわち、ガーニッシュ34)を右フロントピラー11に強固に取り付けることができ、展開中のエアバッグ35でガーニッシュ34を開放する際に、ガーニッシュ34を右フロントピラー11に一層確実に保持することができる。
図3に示すように、ガーニッシュ34の装飾樹脂部58は、芯金41の表面41aを覆うオレフィン系エラストマー(TPO)樹脂からなる。装飾樹脂部58は、窓ガラス側壁44の表面を覆う樹脂層58aと、樹脂層58aの上端部から車体中心側に向けて張り出された水処理張出部58bと、樹脂層58aの下端部から車体中心側に向けて張り出されたリップ部58cとを有する。
樹脂層58a、水処理張出部58bおよびリップ部58cで、水処理性能を備えた水処理部59が形成されている。装飾樹脂部58にTPO樹脂製の水処理部59を設けることで、フロントウインドガラス16の表面の水滴がガーニッシュ34内に侵入することを防ぎ、さらに、フロントウインドガラス16の表面の水滴は水処理部59に沿って下方に円滑に導かれる。
エアバッグ35は、蛇腹状に折り畳まれた状態でフランジ部12に配置されている。具体的には、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ35は、フランジ部12のうちピラー側壁42およびフロントウインドガラス16間の部位12cに配置されている。該エアバッグ35は、フロントウインドガラス16側の側部35a、上部35bおよびピラー側壁42側の側部35cがガーニッシュ34(芯金41)で覆われている。
蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ35の下部35dがフランジ部(車体)12の部位12cに対向する位置に配置されている。エアバッグ35の上部35bはリッド部43に対向する位置に配置されている。
図2及び図7に示すように、エアバッグ35の前端部35eは、前連結部74を介してインフレータ37に連結されている。前連結部74は、フランジ部12の前部位12aに取付部材76で取り付けられている。エアバッグ35の後端部35fは、後連結部75を介して後取付ブラケット46に取り付けられている。後連結部75は後取付ブラケット46に複数のリベット79で固定されている。後連結部75は、後取付ブラケット46とともにフランジ部12の後部位12bに後スタッドボルト32および後ナット72で締結されている。エアバッグ35は接続手段36でピラー側壁42に連結されている。
図2及び図5に示すように、接続手段36は、エアバッグ35の前端部35eを前側のスタッド部材25に連結する前ストラップ81と、エアバッグ35の後端部35fを後側のスタッド部材25に連結する後ストラップ82と、エアバッグ35の下部35dのうち前後方向中央部位(以下、単に「中央下部位」という)35gをピラー側壁42の中央部42dに連結する中央ストラップ(接続部)83とを備えている。
図8に示すように、前ストラップ81は、エアバッグ35の前端部35eに一端部81aが縫合され、車体前後方向の前側のスタッド部材25に他端部81bが係止されている。後ストラップ82(図2)は、前ストラップ81と同様に、エアバッグ35の後端部35fに一端部が縫合され、車体前後方向の後側のスタッド部材25(図5)に他端部82bが係止されている。
このように、エアバッグ35の前端部35eおよび後端部35fは、スタッド部材25に前後のストラップ81,82で連結されている。よって、エアバッグ35の展開後に障害物が衝突したときに、フロントウインドガラス16(図8)側へのエアバッグ35の倒れを防ぐことができる。
図3及び図6に示すように、中央ストラップ83は、エアバッグ35の中央下部位35gに一端部83aが縫合され、補強プレート66に他端部83bが重ね合わされている。補強プレート66はピラー側壁42の中央部42dに設けられている。中央ストラップ83の他端部83bは、補強プレート66および中央部42dに複数のリベット85で係止されている。よって、中央ストラップ83の他端部83bは、ピラー側壁42および複数のスタッド部材25を介して右フロントピラー11の内側壁13に連結されている。
中央ストラップ83の他端部83bには開口83cが形成されている。開口83は、第1及び第2の係止部61,67に重なるように配置され、第1及び第2の係止部61,67より大きく形成されている。よって、エアバッグ35の中央下部位35gをピラー側壁42の中央部42dに中央ストラップ83で連結することができる。これにより、エアバッグ35の展開中(展開初期)に中央ストラップ83で中央下部位35gを支えることができ、展開中のエアバッグ35の横倒れを防ぐことができる。
図1及び図2に示すように、インフレータ37は、車体のうちフロントウインドガラス16の車体前方部位に複数の取付ボルト87で取り付けられている。このインフレータ37は、エアバッグ35の前端部35eに前連結部74を介して連通し、車体前部構造10に衝撃が作用した場合にエアバッグ35にガスを供給する。
インフレータ37から前連結部74を介してエアバッグ35にガスを供給することでエアバッグ35は展開する。エアバッグ35が展開する際の展開力でガーニッシュ34を上方に押し上げて開放することができる。
つぎに、右フロントピラー11の内側壁13にガーニッシュ34を取り付ける手順について、図9及び図10に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、右フロントピラー11の内側壁13に向けてガーニッシュ34のピラー側壁42を車体幅方向外側に向けて矢印Aの如く移動する。よって、右フロントピラー11の内側壁13に設けられたスタッド部材25の拡径部28に第1、第2の係止部61,67および開口83cが矢印Bの如く嵌合する。
図9(b)に示すように、拡径部28に第1および第2の係止部61,67の嵌合穴62,62(図9(a)参照)および開口83cが嵌合してスタッド部材25の拡径部28が嵌合穴62,62から突出する。この状態で、ガーニッシュ34(すなわち、ピラー側壁42)を車体前方に向けて矢印Cの如く移動する。
図10(a),(b)に示すように、第1および第2の係止部61,67および開口83cが車体前方に向けて移動することで第1および第2の係止部61,67の係止溝63,63がスタッド部材25の支持軸27に嵌め込まれる。前述したように、嵌合穴62の穴径D1は、拡径部28の外径D2と同程度または略0.1mm大きく形成され、係止溝63の溝幅Wは、拡径部28の外径D2より小さく形成されている。よって、係止溝63を支持軸27に嵌め込んだ状態において、係止溝63が支持軸27から抜け出すことを拡径部28で阻止できる。これにより、右フロントピラー11の内側壁13に支持軸27(すなわち、スタッド部材25)を介してガーニッシュ34(ピラー側壁42)を取り付けることができる。
図9及び図10で説明したように、右フロントピラー11の内側壁13にガーニッシュ34を取り付ける作業を簡単におこなうことができる。すなわち、まず、第1および第2の係止部61,67の嵌合穴62,62に拡径部28を嵌合させ、つぎに、第1および第2の係止部61,67の係止溝63,63に支持軸27を嵌め込むという簡単な操作でガーニッシュ34を容易に取り付けられる。
次いで、エアバッグ35が展開する例について、図11〜図13に基づいて説明する。図11及び図12においてはエアバッグ35の展開作動の理解を容易にするために前後のストラップ81,82および中央ストラップ83の両方を図示する。
図11(a)に示すように、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ35は、ピラー側壁42およびフロントウインドガラス16間に配置されている。エアバッグ35の中央下部位35gがピラー側壁42の中央部42dに中央ストラップ83で連結されている。この状態で、インフレータ37(図1)からエアバッグ35にガスを供給することでエアバッグ35は矢印Dの如く展開する。
図11(b)に示すように、エアバッグ35がガーニッシュ34内で展開することにより、エアバッグ35の上部35bがガーニッシュ34のリッド部43に当接する。上部35bがリッド部43に当接することで、エアバッグ35の押付力(すなわち、展開力)F1がリッド部43に矢印の如く作用する。
リッド部43に作用するエアバッグ35の展開力F1でリッド部43を外角部47を軸にして上方に矢印Eの如く開放する。さらに、エアバッグ35の展開が進むことにより、エアバッグ35の展開力F2が窓ガラス側壁44に矢印の如く作用する。
窓ガラス側壁44に作用するエアバッグ35の展開力F2で窓ガラス側壁44を内角部51を軸にして矢印Fの如く開放する。これにより、エアバッグ35の展開力でガーニッシュ34を上方に押し上げて開放することができる。
右フロントピラー11の内側壁13には、スタッド部材25を介して金属製の芯金41(ピラー側壁42)が取り付けられている。これにより、エアバッグ35の展開力F1でリッド部43を開放し、さらにエアバッグ35の展開力F2で窓ガラス側壁44を開放する際に、ガーニッシュ34を右フロントピラー11に保持できる。
エアバッグ35の中央下部位35gは、ピラー側壁42に中央ストラップ83で連結されている。よって、エアバッグ35の展開中(展開初期)に、エアバッグ35の中央下部位35gを中央ストラップ83で支えることができる。これにより、エアバッグ35の中央下部位35gがフロントウインドガラス16側に移動することを中央ストラップ83で阻止して、エアバッグ35が横倒れすることを防ぐことができる。
図12及び図13に示すように、エアバッグ35の展開力でガーニッシュ34を上方に押し上げて開放することで、エアバッグ35は、右フロントピラー11およびフロントウインドガラス16間に展開する。
エアバッグ35の中央下部位35gは、ピラー側壁42に中央ストラップ83で連結されているため、エアバッグ35の展開中の横倒れが防止される。すなわち、エアバッグ35を展開する際に、エアバッグ35の展開方向を中央ストラップ83で規制することができる。エアバッグ35の展開方向を中央ストラップ83で規制して、エアバッグ35の展開中の横倒れを防ぐことで、エアバッグ35は、右フロントピラー11の上部11aに沿って展開する。
エアバッグ35が右フロントピラー11の上部11aに沿って展開した状態において、棒状の障害物の上端部(要保護部)が衝突する前に、障害物の上体(非保護部)が矢印Gの如く当接(接触)してエアバッグ35が横倒れすることが考えられる。そこで、中央下部位35gをピラー側壁42に中央ストラップ83で連結するとともに、エアバッグ35の前端部35eおよび後端部35fをスタッド部材25に前後のストラップ81,82で連結するようにした。
よって、障害物の上体(非保護部)がエアバッグ35に矢印Gの如く当接(接触)した際に、エアバッグ35が横倒れすることを中央ストラップ83や前後のストラップ81,82で防止できる。これにより、障害物の上端部(要保護部)の衝撃荷重F3をエアバッグ35で確実に受け(支え)、障害物の上端部(要保護部)に作用する衝撃をエアバッグ35で好適に緩和することができる。
つぎに、実施例2によるエアバッグ装置90について、図14に基づいて説明する。なお、実施例2のエアバッグ装置90において実施例1のエアバッグ装置20と同一・類似要素については同じ符号を付して説明を省略する。
実施例2によるエアバッグ装置90は、ピラー側壁42に中央ストラップ83の他端部(取付端部)83bを取り付ける手段を変えたもので、その他の構成は実施例1のエアバッグ装置20と同じである。
すなわち、ピラー側壁42は、右フロントピラー11の内側壁13に対向する外壁面42eに形成された凹部92を有する。ピラー側壁42の外壁面42eに凹部92を形成することで、ピラー側壁42の内壁面42cは、エアバッグ35側に突出する。
突出した内壁面42cに中央ストラップ83の他端部83bが重ね合わされ、他端部83bに金属プレート95が重ね合わされている。金属プレート95は、一例として、略矩形状に形成された板材である。金属プレート95および凹部92間に他端部83bが挟持された状態で金属プレート95および凹部92がリベット(締結部材)97で締結されている。
このように、金属プレート95および凹部92をリベット97で締結することで、中央ストラップ83の他端部83bを凹部92(内壁面42c)に取り付けた。これにより、中央ストラップ83の他端部83bを凹部92(内壁面42c)に強固に取り付けることができる。
加えて、ピラー側壁42に凹部92を形成することで中央ストラップ83の他端部83bを取り付ける部位を任意に選択することが可能になる。他端部83bを取り付ける部位を任意に選択することで、設計の自由度を高めることができる。
実施例2によるエアバッグ装置90によれば、実施例1のエアバッグ装置20と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係るエアバッグ装置は、前述した実施例1,2に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。例えば、実施例1,2では、外角部47に複数の外スリット48を形成し、内角部51に複数の内スリット52を形成した例について説明したが、これに限らず、外角部47や内角部51にスリットを形成しないように構成するようにしてもよい。さらに、外スリット48や内スリット52を複数個設けた例について説明したが、これに限らず、外スリット48や内スリット52を1つのみ設けることも可能である。
実施例1では、中央ストラップ83の他端部83bを補強プレート66およびピラー側壁42に複数のリベット85で係止する例について説明したが、これに限らず、中央ストラップ83の他端部83bをスタッド部材25に係止させて右フロントピラー11の内側壁13に連結させることも可能である。
実施例2では、中央ストラップ83の他端部83bを取り付ける締結部材としてリベット97を例示したが、これに限らず、ボルトなどの他の締結部材を用いてもよい。
実施例1,2では、右フロントピラー11にエアバッグ装置20,90を備えた例について説明したが、これに限らず、左フロントピラー11にエアバッグ装置20,90を備えることも可能である。
実施例1,2で示したエアバッグ装置20,90、右フロントピラー11、フランジ部12、フロントウインドガラス16、スタッド部材25、ガーニッシュ34、エアバッグ35、インフレータ37、芯金41、ピラー側壁42、リッド部43、窓ガラス側壁44、前取付ブラケット45、後取付ブラケット46、外角部47、外スリット48、装飾樹脂部58、第1係止部61、嵌合穴62、係止溝63、中央ストラップ83、凹部92および金属プレート95などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
次に、実施例3によるエアバッグ装置120について、図15〜図27に基づいて説明する。図1〜図13の実施例1に示した要素と同一の要素については、同一番号を付して説明する。
図15を参照するに、車体前部構造110は、車体の右側部に設けられた右フロントピラー111と、右フロントピラー111のフランジ部(車体)112にシール115を介して右端部116aが載置されたフロントウインドガラス116と、フロントウインドガラス116および右フロントピラー111間に設けられた実施例3によるエアバッグ装置120と、エアバッグ装置120の前端部120aに設けられたカウルカバー122と、エアバッグ装置120の後端部120bに設けられたサイドルーフレールカバー123とを備えている。
図16及び図17に示すように、右フロントピラー111は、車体中心側に内側壁113が上向きに立設され、内側壁113に複数のスタッド部材125が車体前後方向に所定間隔を有するように設けられている。
複数のスタッド部材125の各々は、内側壁113の外面113aに基端部が溶接で結合された支持軸127と、支持軸127の先端部(端部)に形成された拡径部128とを有する。支持軸127の基端部を外面113aに溶接で結合することで、支持軸127は外面113aからからエアバッグ135方向に向けて突出している。拡径部128は外面113aから突出した支持軸127の先端部に形成されている。
フランジ部112の前端部のうち、右フロントピラー111の内側壁113およびフロントウインドガラス116間の部位(以下、「前部位」という)112aから前スタッドボルト131が上向きに突出している。フランジ部112の後端部のうち、右フロントピラー111の内側壁113およびフロントウインドガラス116間の部位(以下、「後部位」という)112bから後スタッドボルト132が上向きに突出している。
エアバッグ装置120は、右フロントピラー111に設けられたガーニッシュ134と、ガーニッシュ134に収納されたエアバッグ(袋体)135と、エアバッグ135を右フロントピラー111に連結する接続手段136と、エアバッグ135に連通しているインフレータ137(図15)とを備えている。
ガーニッシュ134は、右フロントピラー111に沿って車体後方に向けて上り勾配となるように延びている。該ガーニッシュ134は、右フロントピラー111に取り付けられた金属製の芯金141と、芯金141の端部(内端部)156に設けられた樹脂製の窓ガラス側壁144と、芯金141の表面141aに形成された装飾樹脂部158とを備えている。窓ガラス側壁144および装飾樹脂部158は一体に成形されている。
芯金141は、右フロントピラー111に沿ってピラー側壁142と、ピラー側壁142の上端部142fから横方向に張り出されたリッド部143と、ピラー側壁142の前端部142aに設けられた前取付ブラケット145と、ピラー側壁142の後端部142b(図5参照)に設けられた後取付ブラケット146とを有する。
ピラー側壁142およびリッド部143は、個別の2部材で構成され、それぞれの2部材がスポット溶接などで一体に結合(接合)されている。芯金141をピラー側壁142およびリッド部143に2分割することで、分割した各部材(ピラー側壁142およびリッド部143)を小型化でき、かつ分割したピラー側壁142およびリッド部143の形状を簡素化できる。これにより、芯金141の製造が容易になり、かつ芯金141を成形する金型を小型化できるので、設備費を抑えて芯金141のコストを抑えることができる。
上記芯金141の端部(内端部)56に樹脂製の窓ガラス側壁144を備えることで、芯金141および窓ガラス側壁144が略U字状に形成されている。よって、エアバッグ135が展開する際の押付力(すなわち、エアバッグ135の展開力)でリッド部143を上方に向けて開放する際に、エアバッグ135がフロントウインドガラス116側に逃げることを窓ガラス側壁144で防ぐことができる。これにより、エアバッグ135を右フロントピラー111に沿わせて好適に展開することができる。エアバッグ135の展開力とは、エアバッグ135が展開する際に芯金141に作用する押付力をいう。
さらに、芯金141は、図18及び図19に示すように、リッド部143に外角部(角部)147、複数の外スリット148、内角部151および複数の内スリット152とを有する。外角部147は、リッド部143のうちピラー側壁142に結合された連結部(部位)154(図17)に備えられている。複数の外スリット148は、外角部147において車体前後方向に形成されている。内角部151は、リッド部143の内端部(芯金141の端部)156に備えられている。複数の内スリット152は、内角部151において車体前後方向に形成されている。
ピラー側壁142にリッド部143の連結部154を結合した状態において、外角部147を軸にしてリッド部143が揺動可能に支持されている。すなわち、外角部147はリッド部143を揺動可能に支持するヒンジの役割を果たす。外角部147に複数の外スリット148が形成されることにより外角部147の強度は調整可能となる。このように、外角部147に複数の外スリット148を形成することで、リッド部143を揺動させる力(エアバッグ135の展開力)に対して外角部147の強度を調整することができる。
リッド部143に外角部147を備えることで、外角部147を軸にしてリッド部143を揺動可能に支持した。よって、エアバッグ135が展開する際に、エアバッグ135の展開力をリッド部143に作用させることで、リッド部143を外角部147を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。これにより、エアバッグ135の展開方向をリッド部143で遮らないようにしてエアバッグ135を右フロントピラー111に沿って好適に展開することができる。
さらに、外角部147に複数の外スリット148を形成して外角部147の強度を調整可能とした。これにより、リッド部143にエアバッグ135の展開力が作用した際に、リッド部143を外角部147を軸にして上方へ向けて円滑に開放することができる。
インフレータ137(図15)からエアバッグ135にガスを充填する際に、まずインフレータ137の近傍のエアバッグ135にガスが充填され、その後インフレータ137から離れた部位に充填される。よって、エアバッグ135の展開力は、まずインフレータ137の近傍に発生し、その後インフレータ137から離れた部位に発生する。
複数の外スリット148間の距離H1,H2,H3は、インフレータ137(図15)から離れた部位よりインフレータ137の近傍において大きく設定されている。すなわち、実施例1と同様に距離H1>距離H2>距離H3の関係が成立する。さらに、複数の外スリット148の各々のスリット長さL1,L2,L3は、インフレータ137(図15)から離れた部位よりインフレータ137の近傍において短く設定されている。すなわち、実施例1と同様にスリット長さL1<スリット長さL2<スリット長さL3の関係が成立する。
よって、エアバッグ135の展開力がインフレータ137の近傍に発生した際に、インフレータ137の近傍の外角部147が破断することを防止できる。これにより、エアバッグ135の展開力がリッド部143に作用した際に、エアバッグ135の展開力でリッド部143全体を外角部147を軸にして上方に向けて円滑に開放することができる。
内角部151を軸にして窓ガラス側壁144が揺動可能に支持されている(図3も参照)。すなわち、内角部151はリッド壁を揺動可能に支持するヒンジの役割を果たす。内角部151に複数の内スリット152が形成されることにより内角部151の強度は調整可能となる。このように、内角部151に複数の内スリット152を形成することで、窓ガラス側壁144を揺動させる力(エアバッグ135の展開力)に対応させて内角部151の強度を調整できる。
芯金141のリッド部143に窓ガラス側壁144を内角部151を介して連結し、内角部151を軸にして窓ガラス側壁144は揺動可能に支持されている。よって、エアバッグ135が展開する際に、エアバッグ135の展開力を窓ガラス側壁144に作用させることで、窓ガラス側壁144を内角部151を軸にして円滑に開放することができる。これにより、エアバッグ135の展開方向を窓ガラス側壁144で遮らないようにしてエアバッグ135を右フロントピラー111に沿って好適に展開することができる。
さらに、内角部151に複数の内スリット152を形成して内角部151の強度を調整可能とした。これにより、窓ガラス側壁144にエアバッグ135の展開力が作用した際に、窓ガラス側壁144を内角部151を軸にして円滑に開放することができる。
複数の内スリット152間の距離H1,H2,H3は、外スリット148と同様に、インフレータ137(図1)から離れた部位よりインフレータ137の近傍において大きく設定されている。さらに、複数の内スリット152の各々のスリット長さL1,L2,L3は、外スリット148と同様に、インフレータ137(図15)から離れた部位よりインフレータ137の近傍において短く設定されている。
よって、エアバッグ135の展開力がインフレータ137の近傍に発生した際に、インフレータ137の近傍の内角部151が破断することを防止できる。これにより、エアバッグ135の展開力がリッド部143に作用した際に、エアバッグ135の展開力で窓ガラス側壁144全体を内角部151を軸にして円滑に開放することができる。
ピラー側壁142は、右フロントピラー111に沿って車体前後方向に延びており、かつ、右フロントピラー111に取付可能に形成されている。該ピラー側壁142は、複数のスタッド部材125に取り付けるために複数の第1係止部161が形成されている。
図20に示すように、第1係止部161は、拡径部128に嵌合可能な嵌合穴162と、嵌合穴162に連通された係止溝163とを有する。係止溝163は、嵌合穴162に連通しているとともに車体後方に向けて延びた溝であり、嵌合穴162の穴径D1より小さい溝幅Wに形成され、支持軸127に嵌まるように形成されている。係止溝163の溝幅Wは、拡径部128の外径D2より小さく形成されている。
ピラー側壁142の内壁面142cにおいて第1係止部161が形成されている部位に補強プレート166が設けられている。補強プレート166は、略矩形状に形成されて中央に第2係止部167が形成されている。第2係止部167は、第1係止部161と同じ形状に形成され、第1係止部161に重ね合わされている。すなわち、第2係止部167は、第1係止部161と同様に、嵌合穴162および係止溝163を有する。
スタッド部材125の支持軸127は、第1および第2の係止部161,167の係止溝163,163に嵌まる。嵌合穴162の穴径D1が拡径部128の外径D2と同程度または略0.1mm大きく形成されている。さらに、係止溝163の溝幅Wは、拡径部128の外径D2より小さく形成されている。よって、係止溝163に支持軸127を嵌め込んだ状態において、係止溝163が支持軸127から抜け出すことを拡径部128で阻止される。これにより、右フロントピラー111の内側壁113に支持軸127(すなわち、スタッド部材125)を介して金属製の芯金141(ピラー側壁142)が取り付けられる。
このように、右フロントピラー111の内側壁113にスタッド部材125でピラー側壁142を取り付けることで、エアバッグ135の展開力でガーニッシュ134(図17)を開放する際に、ガーニッシュ134を右フロントピラー111に保持することができる。
図17及び図18に示すように、芯金141のリッド部143は、ピラー側壁142の上端部142fに結合された連結部154と、連結部154から車体中心側に向けて張り出されたリッド本体155と、リッド本体155の車体中心側端に設けられた内端部156とを有する。
さらに、リッド部143は、前述したように、連結部154およびリッド本体155を連結する外角部147と、外角部147に形成された複数の外スリット148と、リッド本体155および内端部156を連結する内角部151と、内角部151に形成された複数の内スリット152とを有する。
連結部154から車体中心方向に向けてリッド本体155が張り出されることで、リッド本体155はエアバッグ135の上方に位置する。エアバッグ135の上方にリッド部143が位置することで、リッド部143でエアバッグ135の上部135bが覆われている。
次に、リッド部143をピラー側壁142や窓ガラス側壁144から切り離して単独の部材とした理由について説明する。すなわち、ガーニッシュ134のなかには、車体前方から後方に向かうにつれてガーニッシュ134の高さ(すなわち、ピラー側壁142や窓ガラス側壁144)が徐々に小さくなるものがある。ガーニッシュ134の高さが徐々に小さくなることで、ピラー側壁142および窓ガラス側壁144の高さは徐々に小さくなる。
よって、ピラー側壁142および窓ガラス側壁144をリッド部143と一体に形成すると、この一体成形部材は断面形状が前端部から後端部に向けて徐々に小さく変化する。このため、一体成形部材をロールフォーミングで成形することが困難になり、ロールフォーミングでフルオートメーション化することができなくなる。
そこで、リッド部143をピラー側壁142や窓ガラス側壁144から切り離した個別の部材として、リッド部143を前端部143aから後端部143bまで同一断面形状に形成するようにした。リッド部143を前端部143aから後端部143bまで同一断面形状に形成することで、リッド部143をロールフォーミングで成形することが可能になる。リッド部143をロールフォーミングで成形することで、リッド部143のフルオートメーション化による大量生産が可能になり、リッド部143のコストを抑えることができる。
加えて、リッド部143をピラー側壁142や窓ガラス側壁144から切り離すことで、例えば、ピラー側壁142や窓ガラス側壁144の高さを車体前方から後方に向けて容易に変えることができる。よって、リッド部143の車体前後方向の上部曲面を容易に変えることが可能になる。これにより、リッド部143の上部曲面を車体外板の曲線に合わせることが容易になり、設計の自由度を高めることができる。
窓ガラス側壁144は、リッド部143の内端部(芯金141のうちフロントウインドガラス116の上方に位置する端部)156からフロントウインドガラス116に向けて張り出されている。よって、エアバッグ135が展開する際に、エアバッグ135がフロントウインドガラス116側に向けて横向きに展開することを窓ガラス側壁144で防ぐことができる。
さらに、金属製の芯金141に樹脂製の窓ガラス側壁144を設けて、芯金141および窓ガラス側壁144の2部材でガーニッシュ134が形成されている。よって、窓ガラス側壁144を単独の部材とすることができるので、窓ガラス側壁144の高さを容易に調整することができる。これにより、ガーニッシュ134の高さ(深さ)を決める際の自由度を高めることができる。
図16に示すように、前取付ブラケット145は、フランジ部112の前部位112aから突出している前スタッドボルト131に前ナット171で締結されている。後取付ブラケット146は、フランジ部112の後部位112bから突出している後スタッドボルト132に後ナット172で締結されている。
このように、右フロントピラー111の内側壁113にスタッド部材125を介して金属製の芯金141(ピラー側壁142)が取り付けられている。芯金141の前取付ブラケット145は、前スタッドボルト131および前ナット171でフランジ部112の前部位112aに締結されている。芯金141の後取付ブラケット146は、後スタッドボルト132および後ナット172でフランジ部112の後部位112bに締結されている。よって、芯金141(すなわち、ガーニッシュ134)を右フロントピラー111に強固に取り付けることができる。これにより、展開中のエアバッグ135でガーニッシュ134を開放する際に、ガーニッシュ134を右フロントピラー111に一層確実に保持できる。
図17に示すように、ガーニッシュ134の装飾樹脂部158は、芯金141の表面141aを覆うオレフィン系エラストマー(TPO)樹脂である。装飾樹脂部158は、芯金141の端部156から車体中心側に向けて張り出された水処理張出部158aを有する。
窓ガラス側壁144は、装飾樹脂部158と同様にTPO樹脂製部材で、下端部から車体中心側に向けて張り出されたリップ部144aを有する。
窓ガラス側壁144、水処理張出部158aおよびリップ部144aで、水処理性能を備えた水処理部159が形成されている。ガーニッシュ134にTPO樹脂製の水処理部159を設けることで、フロントウインドガラス116の表面の水滴がガーニッシュ134内に侵入することを防ぎ、さらに、フロントウインドガラス116の表面の水滴を水処理部159に沿わせて下方に円滑に導くことができる。
エアバッグ135は、蛇腹状に折り畳まれた状態でフランジ部112に配置されている。具体的には、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ135は、フランジ部112のうちピラー側壁142およびフロントウインドガラス116間の部位112cに配置されている。このエアバッグ135は、フロントウインドガラス116側の側部135a、上部135bおよびピラー側壁142側の側部135cがガーニッシュ134(芯金141)で覆われている。
蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ135の下部135dは、フランジ部(車体)112の部位112cに対向する位置に配置されている。さらに、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ135の上部135bは、リッド部143に対向する位置に配置されている。
さらに、図16及び図21に示すように、エアバッグ135の前端部135eは、前連結部174を介してインフレータ137に連結されている。前連結部174は、フランジ部112の前部位112aに取付部材176で取り付けられている。エアバッグ135の後端部135fは後連結部175を介して後取付ブラケット146に取り付けられている。後連結部175は後取付ブラケット146に複数のリベット179で固定されている。後連結部175は、後取付ブラケット146とともにフランジ部112の後部位112bに後スタッドボルト132および後ナット172で締結されている。このエアバッグ135は接続手段136でピラー側壁142に連結されている。
図16及び図19に示すように、接続手段136は、エアバッグ135の前端部135eを前側のスタッド部材125に連結する前ストラップ181と、エアバッグ135の後端部135fを後側のスタッド部材125に連結する後ストラップ182と、エアバッグ135の下部135d(図17)のうち前後方向中央部位(以下、「中央下部位」という)135gをピラー側壁142の中央部142dに連結する中央ストラップ(接続部)183とを備えている。
図22に示すように、前ストラップ181は、エアバッグ135の前端部135eに一端部181aが縫合され、車体前後方向の前側のスタッド部材125に他端部181bが係止されている。後ストラップ182(図16)は、前ストラップ181と同様に、エアバッグ135の後端部135fに一端部が縫合され、車体前後方向の後側のスタッド部材125(図5)に他端部182bが係止されている。
このように、エアバッグ135の前端部135eおよび後端部135fは、スタッド部材125に前後のストラップ181,182で連結されている。よって、エアバッグ135の展開後に障害物が衝突した際に、フロントウインドガラス116(図22)側へのエアバッグ135の倒れを防ぐことができる。
図17及び図20に示すように、中央ストラップ183は、エアバッグ135の中央下部位135gに一端部183aが縫合され、補強プレート166に他端部183bが重ね合わされている。補強プレート166はピラー側壁142の中央部142d(図19)に設けられている。中央ストラップ183の他端部183bは、補強プレート166および中央部142dに複数のリベット185で結合されている。よって、中央ストラップ183の他端部183bは、ピラー側壁142および複数のスタッド部材125を介して右フロントピラー111の内側壁113に連結されている。
中央ストラップ183の他端部183bには開口183cが形成されている。開口183は、第1および第2の係止部161,167に重なるように配置され、第1および第2の係止部161,167より大きく形成されている。よって、エアバッグ135の中央下部位135g(図17)をピラー側壁142の中央部142dに中央ストラップ183で連結することができる。これにより、エアバッグ135の展開中(展開初期)に中央ストラップ183で中央下部位135gを支えることができ、展開中のエアバッグ135の横倒れを防ぐことができる。
図15及び図16に示すように、インフレータ137は、車体のうちフロントウインドガラス116の車体前方部位に複数の取付ボルト187で取り付けられている。このインフレータ137は、エアバッグ135の前端部135eに前連結部174を介して連通され、車体前部構造110に衝撃が作用した際にエアバッグ135にガスを供給する。
インフレータ137から前連結部174を介してエアバッグ135にガスを供給することでエアバッグ135を展開させることができる。エアバッグ135が展開するときの展開力でもって、ガーニッシュ134は、上方に押し上げられて開放される。
次に、右フロントピラー111の内側壁113にガーニッシュ134を取り付ける手順について、図23及び図24に基づいて説明する。
図23(a)に示すように、右フロントピラー111の内側壁113に向けてガーニッシュ134のピラー側壁142を車幅方向に向けて矢印Aの如く移動する。よって、右フロントピラー111の内側壁113に設けられたスタッド部材125の拡径部128は、第1および第2の係止部161,67並びに開口183cに矢印Bの如く嵌合する。
図23(b)に示すように、拡径部128は、第1及び第2の係止部161,167の嵌合穴162,162(図9(a)参照)および開口183cに嵌合してスタッド部材125の拡径部128が嵌合穴162,162から突出する。この状態で、ガーニッシュ134(すなわち、ピラー側壁142)を車体前方に向けて矢印Cの如く移動する。
図24(a),(b)に示すように、第1および第2の係止部161,167並びに開口183cが車体前方に向けて移動することで、スタッド部材125の支持軸127は、第1および第2の係止部161,167の係止溝163,163に嵌る。嵌合穴162の穴径D1(図20)は、拡径部128の外径D2と同程度または略0.1mm大きく形成されている。係止溝163の溝幅Wは、拡径部128の外径D2より小さく形成されている。
よって、係止溝163に支持軸127を嵌め込んだ状態において、係止溝163から支持軸127が抜け出すことを拡径部128で阻止される。これにより、右フロントピラー111の内側壁113に支持軸127(すなわち、スタッド部材125)を介してガーニッシュ134(ピラー側壁142)を取り付けることができる。
図23及び図24で説明したように、右フロントピラー111の内側壁113にガーニッシュ134を取り付ける作業を簡単におこなうことができる。すなわち、まず、第1および第2の係止部161,167の嵌合穴162,162を拡径部128に嵌合させ、つぎに、第1および第2の係止部161,167の係止溝163,163を支持軸127に嵌め込むという簡単な操作でガーニッシュ134を右フロントピラー111に容易に取り付けることができる。
次いで、エアバッグ135を展開する例について、図25〜図27に基づいて説明する。図25及び図26においてはエアバッグ135の展開作動の理解を容易にするために前後のストラップ181,182および中央ストラップ183の両方を図示する。
図25(a)に示すように、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ135は、ピラー側壁142およびフロントウインドガラス116間に配置されている。エアバッグ135の中央下部位135gは、ピラー側壁142の中央部142dに中央ストラップ183で連結されている。この状態で、インフレータ137(図15)からエアバッグ135にガスを供給することでエアバッグ135は、矢印Dの如く展開する。
図25(b)に示すように、エアバッグ135がガーニッシュ134内で展開することにより、エアバッグ135の上部135bがガーニッシュ134のリッド部143に当接する。上部135bがリッド部143に当接することで、エアバッグ135の押付力(すなわち、展開力)F1がリッド部143に矢印の如く作用する。
リッド部143に作用するエアバッグ135の展開力F1でもって、リッド部143は外角部147を軸にして上方に矢印Eの如く開放する。エアバッグ135の展開が進むことにより、エアバッグ135の展開力F2は、窓ガラス側壁144に矢印の如く作用する。
窓ガラス側壁144に作用するエアバッグ135の展開力F2でもって、窓ガラス側壁144は内角部151を軸にして矢印Fの如く開放する。これにより、エアバッグ135の展開力でガーニッシュ134は上方に押し上げられて開放される。
右フロントピラー111の内側壁113には、スタッド部材125を介して金属製の芯金141(ピラー側壁142)が取り付けられている。これにより、エアバッグ135の展開力F1でリッド部143を開放し、さらにエアバッグ135の展開力F2で窓ガラス側壁144を開放する際に、ガーニッシュ134を右フロントピラー111に保持できる。
また、エアバッグ135の中央下部位135gは、ピラー側壁142に中央ストラップ183を介して連結されている。よって、エアバッグ135の展開中(展開初期)に、エアバッグ135の中央下部位135gを中央ストラップ183で支えることができる。これにより、エアバッグ135の中央下部位135gがフロントウインドガラス116側に移動することを中央ストラップ183で阻止して、エアバッグ135が横倒れすることを防ぐことができる。
図26及び図27に示すように、エアバッグ135の展開力でガーニッシュ134(図25(b))を上方に押し上げて開放することで、エアバッグ135が右フロントピラー111およびフロントウインドガラス116間に展開する。
エアバッグ135の中央下部位135gをピラー側壁142に中央ストラップ183で連結することで、エアバッグ135の展開中の横倒れを防ぐことができる。すなわち、エアバッグ135が展開する際に、エアバッグ135の展開方向を中央ストラップ183で規制することができる。エアバッグ135の展開方向を中央ストラップ183で規制して、エアバッグ135の展開中の横倒れを防ぐことで、エアバッグ135は、右フロントピラー111の上部111aに沿って展開することができる。
エアバッグ135が右フロントピラー111の上部111aに沿って展開した状態において、棒状の障害物の上端部(要保護部)が衝突する前に、障害物の上体(非保護部)が矢印Gの如く当接してエアバッグ135が横倒れすることが考えられる。そこで、本実施例では、中央下部位135gをピラー側壁142に中央ストラップ183で連結するとともに、エアバッグ135の前端部135eおよび後端部135fをスタッド部材125に前後のストラップ181,182で連結するようにした。
よって、障害物の上体(非保護部)がエアバッグ135に矢印Gの如く当接した際に、エアバッグ135が横倒れすることを中央ストラップ183や前後のストラップ181,182で防止できる。これにより、障害物の上端部(要保護部)の衝撃荷重F3をエアバッグ135で確実に支え、障害物の上端部(要保護部)に作用する衝撃をエアバッグ135で好適に緩和することができる。
つぎに、実施例4によるエアバッグ装置190について、図28〜図33に基づいて説明する。実施例4によるエアバッグ装置190について説明する際、実施例3のエアバッグ装置120と同一・類似の要素については同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
図28及び図29を参照するに、実施例4によるエアバッグ装置190は、右フロントピラー111にガーニッシュ196を保持するクリップ手段192を備えたもので、その他の構成は実施例3のエアバッグ装置120と同じである。
実施例4によるガーニッシュ196は、実施例3によるピラー側壁142をピラー側壁197に代え、実施例3のリッド部143をリッド部198に代えたもので、その他の構成については、実施例3のガーニッシュ134と同様である。
実施例4のピラー側壁197は、実施例3のピラー側壁142に2つの開口凹部197a,197aが形成されたもので、その他の構成は実施例1のピラー側壁142と同様である。各開口凹部197aは、二組の第1及び第2の係止部161,167間に形成され、雌クリップ193が貫通可能な開口である。
図30に示すように、リッド部198は、実施例3のリッド部143に外係止溝202および内係止溝204が形成されたもので、その他の構成は実施例3のリッド部143と同様である。外係止溝202は、リッド外辺部201の内側に形成されている。内係止溝204は、リッド内辺部203の内側に形成されている。外係止溝202および内係止溝204は、雄クリップ194(図33参照)を係止するための溝である。
上記リッド部198は、連結部205がピラー側壁197の上端部197bにスポット溶接などで一体に結合されている。
前ストラップ181は、実施例3と同様に、エアバッグ135の前端部135eに一端部181aが縫合され、車体前後方向の前側のスタッド部材125に他端部181bが係止されている。
図31及び図32に示すように、クリップ手段192は、右フロントピラー111に設けられた複数の雌クリップ193と、リッド部198に設けられた複数の雄クリップ194とを備えている。
複数の雌クリップ193の各々は、内側壁113の外面113aにおいて複数のスタッド部材125間の部位113cに設けられ、上下方向に貫通した複数の嵌入穴193aを有している。各嵌入穴193aは、雄クリップ194のクリップ本体212を係止可能な穴である。この雌クリップ193は、内側壁113の外面113aにスタッドボルト107(図33参照)で固定されている。
雌クリップ193をエアバッグ135側へ突出させるために、ピラー側壁197に雌クリップ193が貫通可能な開口凹部197aが形成されている。よって、図33に示すように、右フロントピラー111にガーニッシュ196を取り付けた状態で、雌クリップ193が開口凹部197aを貫通してガーニッシュ196の内部(すなわち、エアバッグ135側)に突出している。
雄クリップ194は、図32及び図33に示すように、リッド部198に取り付けられたベース211と、該ベース211から下方に向けて突出されたクリップ本体212とを有する。
ベース211のベース内辺部211aは、リッド部198の内係止溝204に嵌まり、ベース外辺部211bは、リッド部198の外係止溝202に嵌まることでリッド部198に係止されている。
クリップ本体212は、雌クリップ193の嵌入穴193aに差込可能な係止爪で、嵌入穴193aからの抜出しを阻止する係止片212aを有している。係止片212aは、クリップ本体212の係止爪に基端部が弾性変形可能に連結されている。
クリップ手段192によれば、雌クリップ193の嵌入穴193aにクリップ本体212が差し込まれたとき、係止片212aが嵌入穴193aの周壁に当接して弾性変形する。係止片212aが弾性変形することでクリップ本体212の差込みを許容する。この状態で、クリップ本体212の差込みを継続することで、係止片212aが嵌入穴193aを通過する。
係止片212aが嵌入穴193aを通過することで、係止片212aが弾性変形前の状態に復元する。係止片212aが復元することでクリップ本体212が雌クリップ193の嵌入穴193aから抜け出すことを防止できる。これにより、クリップ本体212が雌クリップ193の嵌入穴193aに嵌入した状態に係止される。
雌クリップ193の嵌入穴193aにクリップ本体212を差し込む際に、ピラー側壁197(図31も参照)をエアバッグ135側に弾性変形させて、ピラー側壁197の下端がスタッド部材125(図31)に干渉することを防ぐ。そして、クリップ本体212を嵌入穴193aに嵌入させた後、弾性変形状態のピラー側壁197を復元させて第1および第2の係止部161,167をスタッド部材125に嵌合させる。
第1および第2の係止部161,167をスタッド部材125に嵌合させた後、実施例3と同様に、ピラー側壁197を車体前方に向けて移動させて第1および第2の係止部161,167の係止溝163,163(図20参照)をスタッド部材125の支持軸27に係止させる。ピラー側壁197を車体前方に向けて移動する際に、クリップ本体212を嵌入穴193a内で車体前方側にスライド移動させる。これにより、雌クリップ193の嵌入穴193aにクリップ本体212を差し込み、かつ、第1および第2の係止部161,167にスタッド部材125を係止させることができる。
このように、クリップ本体212を雌クリップ193の嵌入穴193aに嵌入した状態に係止することで、右フロントピラー111の内側壁113にピラー側壁197を当接させた状態に保持することができる。加えて、クリップ本体212を嵌入穴193aに嵌入した状態に係止することで、ガーニッシュ196の高さを所望の高さに調整することができる。これにより、右フロントピラー111の取付位置にガーニッシュ196を精度よく保持でき、外観性を好適に確保することができる。
さらに、雌クリップ193の嵌入穴193aに雄クリップ194のクリップ本体212を嵌入することによりガーニッシュ196を精度よく保持する。これにより、ガーニッシュ196を取付位置に簡単に位置合わせでき、ガーニッシュ196の組付け作業を容易化できる。
このように、クリップ手段192を用いて右フロントピラー111(内側壁113)にピラー側壁197を当接状態に保持することで、スタッド部材125(図30)を用いて内側壁113にピラー側壁197を当接状態に保持する必要がない。よって、図30に示すように、スタッド部材125の拡径部128を補強プレート166に対してクリアランスを確保した状態に配置することが可能である。このように、拡径部128および補強プレート166間にクリアランスを確保することで、拡径部128を前ストラップ181の他端部181b(係止穴181c)に容易に係止させることができる。
図33に示したエアバッグ135が展開する際には、例えば、エアバッグ135の展開力でリッド部198が雄クリップ194のベース211から外れることが考えられる。
しかし、リッド部198はピラー側壁197にスポット溶接で接合されている。該ピラー側壁197はスタッド部材125(図30)を介して右フロントピラー111の内側壁113に連結されている。さらに、図29に示すピラー側壁197の前端部は前取付ブラケット145を介してフランジ部112の前部位112aに締結され、ピラー側壁197の後端部は後取付ブラケット146を介してフランジ部112の後部位112bに締結されている。よって、図33に示すリッド部198が雄クリップ194のベース211から外れても、リッド部198をピラー側壁197を介して右フロントピラー111の内側壁113に保持することができる。
実施例4によるエアバッグ装置190によれば、実施例3のエアバッグ装置120と同様の効果を得ることができる。
実施例3,4では、外角部147に複数の外スリット148を形成し、内角部151に複数の内スリット152を形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、外角部147や内角部151にスリットを形成しないように構成してもよい。さらに、外スリット148や内スリット152を複数個設けた例について説明したが、これに限らないで、外スリット148や内スリット152を1つのみ設けることも可能である。
さらに、実施例3,4では、中央ストラップ183の他端部183bを補強プレート166およびピラー側壁142に複数のリベット185で係止する例について説明したが、これに限らないで、中央ストラップ183の他端部183bをスタッド部材125に係止させて右フロントピラー111の内側壁113に連結させるようにしてもよい。
さらにまた、実施例3,4では、右フロントピラー111にエアバッグ装置120,190を備えた例について説明したが、これに限らないで、左フロントピラー111にエアバッグ装置120,190を備えるようにしてもよい。
さらに、実施例3,4で示したエアバッグ装置120,190、右フロントピラー111、フランジ部112、フロントウインドガラス116、スタッド部材125、ガーニッシュ134,196、エアバッグ135、インフレータ137、芯金141、ピラー側壁142,197、リッド部143,198、窓ガラス側壁144、前取付ブラケット145、後取付ブラケット146、外角部147、外スリット148、装飾樹脂部158、第1係止部161、嵌合穴162、係止溝163、中央ストラップ183、クリップ手段192、雌クリップ193および雄クリップ194などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、フロントピラーおよびフロントウインドガラス間にエアバッグが収容されるとともにガーニッシュで覆われたエアバッグ装置を備えた自動車への適用に好適である。
20,90…エアバッグ装置、11…右フロントピラー(フロントピラー)、12…フランジ部(車体)、12a…前部位(車体の前端部のうちフロントピラーおよびフロントウインドガラス間の部位)、12b…後部位(車体の後端部のうちフロントピラーおよびフロントウインドガラス間の部位)、16…フロントウインドガラス、25…スタッド部材、27…支持軸、28…拡径部、31…前スタッドボルト、32…後スタッドボルト、34…ガーニッシュ、35…エアバッグ、35d…エアバッグの下部、35g…エアバッグの中央下部位、37…インフレータ、41…芯金、41a…芯金の表面、42…ピラー側壁、42a…ピラー側壁の前端部(芯金の前端部)、42b…ピラー側壁の後端部(芯金の後端部)、42c…ピラー側壁の内壁面、42e…ピラー側壁の外壁面、43…リッド部、44…窓ガラス側壁、45…前取付ブラケット、46…後取付ブラケット、47…外角部(角部)、48…外スリット(スリット)、58…装飾樹脂部、61…第1係止部(係止部)、62…嵌合穴、63…係止溝、71…前ナット、72…後ナット、83…中央ストラップ(接続部)、83b…中央ストラップの他端部(取付端部)、92…凹部、95…金属プレート、97…リベット(締結部材)、D2…拡径部の外径、H1,H2,H3…外スリット間の距離、W…溝幅。

Claims (16)

  1. エアバッグ装置であって、
    フロントピラーおよびフロントウインドガラス間に折り畳まれた状態で収容されたエアバッグと、
    前記エアバッグを展開させるために前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、
    前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの展開力で開放するガーニッシュと、
    を具備しており、
    前記ガーニッシュは、前記フロントピラーに沿って車体前後方向に延びるピラー側壁を有する金属製の芯金と、前記芯金の表面に形成された装飾樹脂部と、を有しており、前記ピラー側壁は、前記フロントピラーに取り付けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグ装置は、
    前記フロントピラーから前記エアバッグ側に支持軸が突設され、前記支持軸の端部に拡径部が形成されたスタッド部材と、
    前記スタッド部材に前記ピラー側壁を取り付けるために前記ピラー側壁に形成された係止部と、を備え、
    前記係止部は、
    前記拡径部が嵌合可能な嵌合穴と、
    前記嵌合穴に連通されるとともに前記拡径部の外径よりも小さい溝幅に形成され、前記支持軸が嵌まる係止溝と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記芯金は、
    前記ピラー側壁の上端部から車体中心側に向けて張り出されることで前記エアバッグを覆うリッド部と、
    前記リッド部および前記ピラー側壁を連結する角部と、を有し、
    前記リッド部は、前記角部を軸にして揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記リッド部は、前記角部に形成されたスリットを有しており、前記角部の強度が調整可能とされていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記スリットは車体前後方向に複数形成されており、
    前記複数のスリットのうち隣接するスリット間の距離は、前記インフレータから離れた部位より前記インフレータの近傍において大きくなっていることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記芯金は、前記リッド部の車体中央側端部から前記フロントウインドガラスに向けて張り出された窓ガラス側壁を有しており、前記窓ガラス側壁、前記リッド部および前記ピラー側壁で略U字状に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記芯金は、前端部に設けられた前取付ブラケットと、後端部に設けられた後取付ブラケットとを備えており、
    前記前取付ブラケットは、前記車体の前端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された前スタッドボルトに前ナットで締結され、
    前記後取付ブラケットは、前記車体の後端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された後スタッドボルトに後ナットで締結されていることを特徴とする請求項1に項記載のエアバッグ装置。
  8. 前記ピラー側壁は、前記フロントピラーに対向する外壁面に形成された凹部を有しており、前記エアバッグを支える接続部の取付端部は、前記ピラー側壁のうち前記凹部に対応する内壁面に重ね合わされ、金属プレートが前記取付端部に重ね合わされ、前記金属プレートおよび前記ピラー側壁間に前記取付端部が挟持された状態で前記金属プレートおよび前記ピラー側壁が締結部材で締結されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  9. エアバッグ装置であって、
    フロントピラーおよびフロントウインドガラス間に折り畳まれた状態で収容されたエアバッグと、
    前記エアバッグを展開させるために前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、
    前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの展開力で開放するガーニュッシュと、
    を具備しており、
    前記ガーニッシュは、
    前記フロントピラーに取付可能で、かつ前記フロントピラーから前記フロントウインドガラスの上方まで張り出された金属製の芯金と、
    前記芯金のうち前記フロントウインドガラスの上方に位置する端部から前記フロントウインドガラスの表面まで張り出された樹脂製の窓ガラス側壁と、を備え、
    前記芯金は、
    前記フロントピラーに沿って車体前後方向に延びるピラー側壁と、
    前記ピラー側壁の上端部から車体中心方向に向けて前記フロントウインドガラスの上方まで張り出されることで前記エアバッグを覆うリッド部と、を有し、
    前記ピラー側壁および前記リッド部の2部材は、一体に結合されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  10. 前記エアバッグ装置は、
    前記フロントピラーから前記エアバッグ側に支持軸が突設され、前記支持軸の端部に拡径部が形成されたスタッド部材と、
    前記スタッド部材に前記ピラー側壁を取り付けるために前記ピラー側壁に形成された係止部と、を備え、
    前記係止部は、
    前記拡径部が嵌合可能な嵌合穴と、
    前記嵌合穴に連通されるとともに前記拡径部の外径よりも小さい溝幅に形成され、前記支持軸が嵌まる係止溝と、
    を有することを特徴とする請求項9に記載のエアバッグ装置。
  11. 前記リッド部は、前記ピラー側壁に連結する部位に角部を有し、前記角部を軸にして前記リッド部が揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項9に記載のエアバッグ装置。
  12. 前記リッド部は、前記角部の強度が調整可能となるように前記角部に形成されたスリットを有することを特徴とする請求項11に記載のエアバッグ装置。
  13. 前記スリットは、車体前後方向に複数形成され、
    前記複数のスリットのうち隣接するスリット間の距離は、前記インフレータから離れた部位から前記インフレータの近傍に向けて大きくなっていることを特徴とする請求項12に記載のエアバッグ装置。
  14. 前記リッド部は、前端部から後端部まで同一断面形状であり、ロールフォーミングで成形された部材であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  15. 前記芯金は、前端部に設けられた前取付ブラケットと、後端部に設けられた後取付ブラケットとを備えており、
    前記前取付ブラケットは、前記車体の前端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された前スタッドボルトに前ナットで締結され、
    前記後取付ブラケットは、前記車体の後端部のうち前記フロントピラーおよび前記フロントウインドガラス間の部位から突出された後スタッドボルトに後ナットで締結されていることを特徴とする請求項9に記載のエアバッグ装置。
  16. 前記エアバッグ装置は、前記フロントピラーに設けられた雌クリップと、前記リッド部に設けられた雄クリップとを備えており、
    前記ガーニッシュは、前記雌クリップに前記雄クリップが嵌入されることにより、前記フロントピラーに保持されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
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