JPWO2011151882A1 - スライドファスナー - Google Patents

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Abstract

射出成形時のファスナーテープの位置を確実に固定することができるスライドファスナーを提供する。防水層21を有する一対のファスナーテープ20と、一対のファスナーテープ20の対向するテープ側縁部20aに沿ってそれぞれ列設されるファスナーエレメント31を有する一対のファスナーエレメント列30と、一対のファスナーエレメント列30の噛合を上側から分離する上開きスライダー40Aと、一方のファスナーテープ20の一端部の表裏両面に取り付けられる箱棒50と、他方のファスナーテープ20の一端部の表裏両面に取り付けられる蝶棒60と、を備え、箱棒50及び蝶棒60の表裏両面に、ファスナーテープ20の長手方向に長い凹部11,12が形成される。

Description

この発明は、スライドファスナーに関し、詳細には、スライドファスナーの箱棒、箱体、及び蝶棒に関する。
従来のスライドファスナーとしては、帯状芯材の表面を被覆する防水層を有する一対の防水性ファスナーテープの対向する平面的なエレメント取付縁部に沿って複数のファスナーエレメントが列設され、その一対のファスナーテープのファスナーエレメントが存在しない平面的な一端部の表裏両面に箱棒及び蝶棒が対向して固着一体化され、ファスナーエレメントに挿通されたスライダーを有すると共に、蝶棒のテープ端側の一部側面からファスナーテープの表裏両面に延在して一体に固着された蝶棒固定部材を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2007−97840号公報
ところで、上記特許文献1に記載のスライドファスナーでは、ファスナーテープに箱棒、箱体、及び蝶棒を形成するために射出成形が行われるが、射出成形時のファスナーテープの位置を固定するためにテープ押え部材でファスナーテープを押えている。しかしながら、ファスナーテープの表面に合成樹脂製の防水層が設けられていると共に、箱棒、箱体、及び蝶棒が形成されるファスナーテープの縁部を押えるテープ押え部材がピン状であるため、押える力が弱く、射出成形時の圧力によりファスナーテープの位置が移動してしまうことがあった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、射出成形時のファスナーテープの位置を確実に固定することができるスライドファスナーを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)防水層を有する一対のファスナーテープと、一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部に沿ってそれぞれ列設されるファスナーエレメントを有する一対のファスナーエレメント列と、一対のファスナーエレメント列の噛合を上側から分離する上開きスライダーと、一方のファスナーテープのファスナーエレメントが存在しない一端部の表裏両面に取り付けられる箱棒と、他方のファスナーテープのファスナーエレメントが存在しない一端部の表裏両面に取り付けられる蝶棒と、を備えるスライドファスナーであって、箱棒及び蝶棒の表裏両面に、ファスナーテープの長手方向に長い凹部が形成されることを特徴とするスライドファスナー。
(2)凹部が複数形成され、ファスナーテープの複数の凹部間の位置に貫通穴が形成されることを特徴とする(1)に記載のスライドファスナー。
(3)一対のファスナーエレメント列の噛合を上側から分離する上開きスライダーと、一対のファスナーエレメント列の噛合を下側から分離する下開きスライダーと、を備え、箱棒に形成される凹部は、ファスナーエレメントからファスナーテープの長手方向に離れるに従って幅方向寸法が大きくなるように形成されることを特徴とする(1)に記載のスライドファスナー。
(4)蝶棒に形成される凹部が複数形成され、蝶棒の表面には、複数の凹部の間の位置に、段部が形成されることを特徴とする(1)に記載のスライドファスナー。
本発明のスライドファスナーによれば、箱棒及び蝶棒の表裏両面に、ファスナーテープの長手方向に長い凹部が形成されるため、射出成形時に凹部を形成すると共にファスナーテープを押えるテープ押え部材の押える面積を従来のピン状のテープ押え部材よりも大きくすることができ、射出成形時のファスナーテープの位置を確実に固定することができる。これにより、射出成形時のファスナーテープの位置が安定するので、ファスナーテープに対する箱棒及び蝶棒の取付強度を大幅に向上することができる。また、テープ押え部材の押える面積が大きいので、樹脂の使用量を少なくすることができ、製造コストを削減することができる。
本発明に係るスライドファスナーの第1実施形態を説明する表面図である。 図1に示す蝶棒及び箱棒の周辺の拡大斜視図である。 図1に示す蝶棒及び箱棒の周辺の拡大表面図である。 図3に示す蝶棒及び箱棒の周辺の拡大裏面図である。 図3のA−A線矢視断面図である。 図3のB−B線矢視断面図である。 図3のC−C線矢視断面図である。 図1に示すスライドファスナーの下開きスライダーを閉鎖方向に移動させた状態における蝶棒及び箱棒の周辺の拡大表面図である。 ファスナーテープが金型内に配置された状態の図5に対応する部分の断面図である。 ファスナーテープが金型内に配置された状態の図6に対応する部分の断面図である。 第1実施形態のスライドファスナーの変形例を説明する拡大断面図である。 ファスナーテープが金型内に配置された状態の図11に対応する部分の断面図である。 本発明に係るスライドファスナーの第2実施形態を説明するエレメントが分離した状態の蝶棒及び箱棒の周辺の拡大表面図である。 第2実施形態のスライドファスナーのエレメントが噛合した状態の蝶棒及び箱棒の周辺の拡大表面図である。
以下、本発明に係るスライドファスナーの各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、ファスナーテープに関しては、表側とは図1の紙面に対して手前側、裏側とは図1の紙面に対して奥側とし、ファスナーテープの面に垂直の方向を表裏方向とも言うことができる。上側とは図1の紙面に対して上側、下側とは図1の紙面に対して下側、左側とは図1の紙面に対して左側、右側とは図1の紙面に対して右側とし、スライダーに関しては、上側とは図1の紙面に対して手前側(後述する引手を有する側)、下側とは図1の紙面に対して奥側、前側とは図1の紙面に対して上側、後側とは図1の紙面に対して下側、左側とは図1の紙面に対して左側、右側とは図1の紙面に対して右側とする。また、ファスナーテープ及びスライダーの左右方向は幅方向とも言う。また、上下方向は、ファスナーテープの長さ方向とも言う。上記幅方向は、ファスナーテープの面に水平で、且つ上記長さ方向に直交する方向でもある。
(第1実施形態)
まず、図1〜図12を参照して、本発明に係るスライドファスナーの第1実施形態について説明する。
本実施形態のスライドファスナー10は、図1及び図2に示すように、織編製されたテープ材の表裏両面に合成樹脂製の熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエルテルエラストマーやポリウレタンエラストマーなど)からなる防水層21を有する左右一対のファスナーテープ20と、左右一対のファスナーテープ20の対向するテープ側縁部20aに沿ってそれぞれ列設され、複数のファスナーエレメント31を有する左右一対のファスナーエレメント列30と、左右一対のファスナーエレメント列30を挿通させ、噛合・分離させる上開きスライダー40A及び下開きスライダー40Bと、右側(一方)のファスナーテープ20の複数のファスナーエレメント31が存在しない下端部(一端部)の表裏両面に取り付けられる箱棒50と、左側(他方)のファスナーテープ20の複数のファスナーエレメント31が存在しない下端部(一端部)の表裏両面に取り付けられる蝶棒60と、左右一対のファスナーテープ20の複数のファスナーエレメント31が存在しない上端部にそれぞれ取り付けられる上止部70と、を備える。
上記防水層21とは、防水層21を通過して水を通過させない層であり、水に限らず液体(流体)のもの、例えば、油や気体も含む。なお、テープ材は、織編製以外に不織布であってもよい。また、上止部70は、左右一対のファスナーテープ20に備えることもでき、さらには、上止部70を備えないようにもできる。この場合には、スライドファスナー10を衣服などの被着物に取り付ける際に、上開きスライダー40Aが抜けないように取り付ける。
左右一対のファスナーエレメント列30の各々は、複数のファスナーエレメント31から構成されており、このファスナーエレメント31は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの合成樹脂を用いて、ファスナーテープ20のテープ側縁部20aに射出成形されている。
上開きスライダー40A及び下開きスライダー40Bは、自動停止機能付きのスライダーであり、後口側を対向させるようにして配設されている。そして、引手41を引いて上開きスライダー40Aを上方(下開きスライダー40Bから離れる方向)に移動すると、分離状態の左右一対のファスナーエレメント列30が互いに噛合し、下方(下開きスライダー40Bに接近する方向)に移動すると、噛合状態の左右一対のファスナーエレメント列30が分離する。また、引手41を引いて下開きスライダー40Bを上方(上開きスライダー40Aに接近する方向)に移動すると、噛合状態の左右一対のファスナーエレメント列30が分離し、下方(上開きスライダー40Aから離れる方向)に移動すると、分離状態の左右一対のファスナーエレメント列30が互いに噛合する。
箱棒50及び蝶棒60は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの合成樹脂を用いて、図2〜図7に示すように、ファスナーテープ20のテープ側縁部20aの下端部に射出成形されている。
箱棒50は、略角柱状の部材であり、その下半部は、ファスナーエレメント31からファスナーテープ20の長手方向(下方向)に離れるに従って幅方向寸法が大きくなるように形成される。また、箱棒50の上端部の蝶棒60と対向する側面には、後述する蝶棒60の係合凹部62と係合し、図8に示すように、下開きスライダー40Bに対する蝶棒60の挿入位置を決めるストッパー51が形成されている。また、箱棒50の下端部の幅方両端部には、図8の拡大部分に示すように、下開きスライダー40Bの案内柱42及びフランジ43と接触し、下開きスライダー40Bが抜けるのを止める抜止部52がそれぞれ形成される。
蝶棒60は、略角柱状の部材であり、その上端部の箱棒50と対向する側面には、図8に示すように、箱棒50側のファスナーエレメント列30の最下端のファスナーエレメント31と係合する係合部61が形成されている。また、蝶棒60の上記係合部61の下方の側面には、上記箱棒50のストッパー51と係合する係合凹部62が形成されている。また、図7及び図8に示すように、蝶棒60の略中央部の表面には、下開きスライダー40Bの停止爪44が係止される段部63が形成されている。図7に示すように、段部63の下方側は上方側よりも表裏方向の厚さが薄い。また、図2〜図4に示すように、蝶棒60の下端部の箱棒50から離間する側の側面には、この側面から幅方向外側(箱棒50から離間する方向)に向かって延びファスナーテープ20の表裏両側に形成される蝶棒固着部材64が形成されている。また、蝶棒固着部材64の厚さは蝶棒60より薄く設定されている。
上記実施形態において、蝶棒60は、上開きスライダー40Aの案内柱の左側から挿入される部材であり、箱棒50は、上開きスライダー40A及び下開きスライダー40Bを保持する部材である。このため、蝶棒60及び箱棒50は、上開きスライダー40A及び下開きスライダー40Bの内部に収容され、ファスナーテープ20よりも表裏方向の寸法が大きく形成される。このため、蝶棒60及び箱棒50がスライダー内部に収容された状態において、スライダーのフランジに当接し、幅方向に抜け出ることを防止する。
ここで、上記スライドファスナー10について説明すると、上開きスライダー40A及び下開きスライダー40Bを下端(箱棒50)まで移動させた状態で、蝶棒60を上開きスライダー40Aから挿入して、箱棒50のストッパー51に係合するまで挿入した後、上開きスライダー40Aを上方に移動することで、左右のファスナーエレメント列30が噛合して、スライドファスナー10が閉鎖される。この状態で下開きスライダー40Bを上方に移動すると、箱棒50及び蝶棒60側から左右のファスナーエレメント列30が分離される。
そして、本実施形態では、図2〜図7に示すように、箱棒50の表裏両面に、表面及び裏面からファスナーテープ20まで達する深さを有する凹部11,12が形成され、蝶棒60の表裏両面に、表面及び裏面からファスナーテープ20まで達する深さを有する凹部11,11が形成される。この凹部11,12は、箱棒50及び蝶棒60を射出成形する際に、図9及び図10に示す金型80のテープ押え部材81(蝶棒60側の金型は不図示)がファスナーテープ20を押えることによって形成されるものである。よって、凹部11,12は、ファスナーテープ20のテープ側縁部20aよりも内側(ファスナーテープ20上)に形成される。なお、図9及び図10中の符号82は、箱棒50を射出成形するために溶融樹脂が充填されるキャビティであり、符号83は、射出成形時にファスナーエレメント31を収容するためのエレメント収容空間である。テープ押え部材81は、テープ側縁部20aに沿ってファスナーテープ20を押えるため、テープ側縁部20aが表裏方向に波状にならない。
また、箱棒50のファスナーエレメント列30側の凹部11及び蝶棒60の凹部11は、ファスナーテープ20の長手方向に沿って長円形状に形成され、箱棒50の下方側(上記凹部11の下方側)の凹部12は、ファスナーテープ20の長手方向に沿って、且つファスナーエレメント31からファスナーテープ20の長手方向(下方向)に離れるに従って幅方向寸法が大きくなるように略台形形状に形成される。また、図3及び図4に示すように、蝶棒固着部材64の表裏両面には、2個の台形形状の凹部13、及び3個の円形状の凹部14が形成されている。さらに、図1に示すように、上止部70の表裏両面には、ファスナーテープ20の長手方向に沿って長円形状の凹部15が形成されている。
また、図3〜図7に示すように、右側のファスナーテープ20においては、箱棒50の凹部11の上方、凹部11,12間、及び凹部12の下方の位置に固着用貫通穴22がそれぞれ形成される。これにより、ファスナーテープ20の表裏両面側の箱棒50は、3個の固着用貫通穴22を介して形成される連結部22aによって表裏方向に連結される。なお、固着用貫通穴22は、ファスナーテープ20を表裏方向に貫通している。
また、左側のファスナーテープ20においては、蝶棒60の凹部11の上方、凹部11,11間、及び凹部11の下方の位置に固着用貫通穴22がそれぞれ形成される。これにより、ファスナーテープ20の表裏両面側の蝶棒60は、3個の固着用貫通穴22を介して形成される連結部22aによって表裏方向に連結される。また、蝶棒固着部材64の上側の凹部14,14間の位置にも、上記固着用貫通穴22と同様の固着用貫通穴23が形成されている。
さらに、左右一対のファスナーテープ20の各ファスナーエレメント31の成形位置には、固着用貫通穴24がそれぞれ形成されている。これにより、ファスナーテープ20の表裏両面側のファスナーエレメント31は、固着用貫通穴24を介して形成される連結部24aによって表裏方向に連結される。
以上説明したように、本実施形態のスライドファスナー10によれば、箱棒50及び蝶棒60の表裏両面に、ファスナーテープ20の長手方向に長い凹部11,12が形成されるため、射出成形時に凹部11,12を形成すると共にファスナーテープ20を押えるテープ押え部材81の押える面積を従来のピン状のテープ押え部材よりも大きくすることができ、射出成形時のファスナーテープ20の幅方向及び表裏方向の位置を確実に固定することができる。これにより、防水層21を有するファスナーテープ20に箱棒50及び蝶棒60を形成する際の射出成形時のファスナーテープ20の位置が安定するので、ファスナーテープ20に対する箱棒50及び蝶棒60の取付強度を大幅に向上することができる。また、テープ押え部材81の押える面積が大きいので、樹脂の使用量を少なくすることができ、製造コストを削減することができる。さらに、その凹部11,12は、長手方向の寸法が幅方向の寸法より長く、2倍以上が好ましく、より好ましくは3倍以上に形成される。
また、本実施形態のスライドファスナー10によれば、ファスナーテープ20の凹部11,12(11,11)間の位置に固着用貫通穴22が形成され、ファスナーテープ20を確実に押えた状態で、固着用貫通穴22を通って表裏で連結されるため、ファスナーテープ20に対する箱棒50及び蝶棒60の取付強度を更に向上することができる。
また、本実施形態のスライドファスナー10によれば、箱棒50に形成される凹部12は、ファスナーエレメント31からファスナーテープ20の長手方向に離れるに従って幅方向寸法が大きくなるように形成されるため、テープ押え部材81の押える面積をファスナーテープ20の下端側で更に大きくすることができ、射出成形時のファスナーテープ20の位置をより確実に固定することができる。また、樹脂の使用量を更に少なくすることができるので、製造コストを更に削減することができる。
また、箱棒50及び蝶棒60の強度を保持するため、図8に示すように、蝶棒60の凹部11は、係合部61よりも下方に位置して形成することが好ましい。これにより、係合部61が箱棒50側の最下端のファスナーエレメント31と係合した状態で、横引き力に十分に耐えることができる。さらに、蝶棒60の複数の凹部11のうち、下方側の凹部11は、下開きスライダー40Bが段部63に当接した状態で、段部63と停止爪44との当接位置よりも左側に位置する。これにより、下開きスライダー40Bの停止爪44が凹部11に嵌まることが防止される。また、箱棒50の凹部11は、ストッパー51が蝶棒60の係合凹部62と係合する面よりも下方に位置して形成されるため、取付強度が保持できる。
また、本実施形態のスライドファスナー10によれば、蝶棒60に複数の凹部11,11が形成され、蝶棒60の表面には、複数の凹部11,11の間の位置に、段部63が形成されるため、複数の凹部11,11が形成された蝶棒60の適した位置に段部63を形成することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図11及び図12に示すように、防水層21は、ファスナーテープ20の表面のみに設けられていてもよい。
(第2実施形態)
次に、図13及び図14を参照して、本発明に係るスライドファスナーの第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のスライドファスナー10では、図13及び図14に示すように、上記第1実施形態の箱棒50、蝶棒60、及び下開きスライダー40Bから構成される逆開き具の代わりに開き具90を使用する。従って、不図示ではあるが、本実施形態のスライドファスナー10は上開きスライダー40Aのみを備えている。
開き具90は、右側のファスナーテープ20のテープ側縁部20aの下端部に形成される箱棒50及び箱体55と、左側のファスナーテープ20のテープ側縁部20aの下端部に形成され、箱体55に挿入可能な蝶棒60と、を備える。
箱体55は、箱棒50の下部に一体成形され、その左半部に、上下方向に開口して内部に蝶棒60が挿入される蝶棒挿入空間部56が形成されている。また、蝶棒挿入空間部56を形成する蝶棒60側の側壁部57には、蝶棒60の蝶棒固着部材64が差し込まれるスリット57aが形成されている。さらに、箱体55の右半部の表裏両面には、ファスナーテープ20まで達する深さを有する長方形状の凹部16がファスナーテープ20の長手方向に沿って形成されている。なお、本実施形態では、箱棒50と箱体55とを一体成形しているが、これに限定されず、箱棒50と箱体55とを別体に成形して、箱棒50の下部に箱体55を係合固定するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態のスライドファスナー10によれば、箱棒50、箱体55、及び蝶棒60の表裏両面に、ファスナーテープ20の長手方向に長い凹部11,16が形成されるため、射出成形時に凹部11,16を形成すると共にファスナーテープ20を押えるテープ押え部材の押える面積を従来のピン状のテープ押え部材よりも大きくすることができ、射出成形時のファスナーテープ20の幅方向及び表裏方向の位置を確実に固定することができる。これにより、防水層21を有するファスナーテープ20に箱棒50及び蝶棒60を形成する際の射出成形時のファスナーテープ20の位置が安定するので、ファスナーテープ20に対する箱棒50、箱体55、及び蝶棒60の取付強度を大幅に向上することができる。また、テープ押え部材の押える面積が大きいので、樹脂の使用量を少なくすることができ、製造コストを削減することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記ファスナーエレメント列は、射出成形するもの以外に、モノフィラメントをコイル状に成形したコイル状ファスナーエレメントをテープ側縁部20aに列設することもできる。
10 スライドファスナー
11 凹部
12 凹部
16 凹部
20 ファスナーテープ
20a テープ側縁部
21 防水層
22 固着用貫通穴
30 ファスナーエレメント列
31 ファスナーエレメント
40A 上開きスライダー
40B 下開きスライダー
50 箱棒
55 箱体
60 蝶棒

Claims (4)

  1. 防水層(21)を有する一対のファスナーテープ(20)と、
    前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部(20a)に沿ってそれぞれ列設されるファスナーエレメント(31)を有する一対のファスナーエレメント列(30)と、
    前記一対のファスナーエレメント列の噛合を上側から分離する上開きスライダー(40A)と、
    一方の前記ファスナーテープの前記ファスナーエレメントが存在しない一端部の表裏両面に取り付けられる箱棒(50)と、
    他方の前記ファスナーテープの前記ファスナーエレメントが存在しない一端部の表裏両面に取り付けられる蝶棒(60)と、を備えるスライドファスナー(10)であって、
    前記箱棒及び前記蝶棒の表裏両面に、前記ファスナーテープの長手方向に長い凹部(11,12)が形成されることを特徴とするスライドファスナー。
  2. 前記凹部(11,12)が複数形成され、
    前記ファスナーテープ(20)の前記複数の凹部(11,12)間の位置に貫通穴(22)が形成されることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
  3. 前記一対のファスナーエレメント列(30)の噛合を上側から分離する上開きスライダー(40A)と、前記一対のファスナーエレメント列の噛合を下側から分離する下開きスライダー(40B)と、を備え、
    前記箱棒(50)に形成される前記凹部(12)は、前記ファスナーエレメント(31)から前記ファスナーテープ(20)の長手方向に離れるに従って幅方向寸法が大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
  4. 前記蝶棒(60)に形成される前記凹部(11)が複数形成され、
    前記蝶棒の表面には、前記複数の凹部の間の位置に、段部(63)が形成されることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
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