WO2014192106A1 - 開離嵌挿具付きスライドファスナー及び射出成形用金型 - Google Patents

開離嵌挿具付きスライドファスナー及び射出成形用金型 Download PDF

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Abstract

 本発明の開離嵌挿具(30,80,100)付きスライドファスナー(1,2,3)は、蝶棒(31,81,101)と箱棒(32,82,102)とを有し、蝶棒(31,81,101)の箱棒対向側面及び箱棒(32,82,102)の蝶棒対向側面の少なくとも一方に、少なくとも1つの凹溝部(31h,81h,101h)がテープ表裏方向に沿って凹設されている。凹溝部(31h,81h,101h)は、蝶棒(31,81,101)又は箱棒(32,82,102)の表面又は裏面に開口し、且つ、蝶棒(31,81,101)又は箱棒(32,82,102)内のテープ位置に対応する高さ位置まで連続して延設されている。このようなスライドファスナー(1,2,3)によれば、蝶棒(31,81,101)の箱棒対向側面や箱棒(32,82,102)の蝶棒対向側面からのファスナーテープ(11,61)の露出や飛び出しを生じ難くできる。

Description

開離嵌挿具付きスライドファスナー及び射出成形用金型
 本発明は、合成樹脂製の蝶棒及び箱棒を備えた開離嵌挿具付きスライドファスナー、及び、蝶棒又は箱棒の射出成形に用いられる射出成形用金型に関する。
 通常タイプのスライドファスナーは、一般的に、左右一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部にエレメント列がテープ長さ方向に沿って形成された一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に摺動可能に取着されたスライダーとを有している。また、通常タイプのスライドファスナーに用いられるスライダーは、案内柱により肩口側端部が連結された上下翼板間に略Y字形状のエレメント案内路を備えるスライダー胴体と、スライダー胴体の上翼板に配された引手取付柱に回動可能に保持される引手とを備えている。
 このような通常タイプのスライドファスナーでは、スライダーを摺動操作することにより左右のエレメント列を噛合させ、また、エレメント列の噛合を解除し、それによって、スライドファスナーを閉じたり、開いたりすることができる。
 また、通常タイプのスライドファスナーは、スライダーの摺動範囲を規定するとともに、スライダーがエレメント列から脱落することを防ぐために、左右のファスナーストリンガーにおけるテープ長さ方向の両端部に、止部(上止部や下止部と呼ばれることがある)がエレメント列に連設されていることがある。
 また、左右のエレメント列の噛合を完全に解除したときに、左右のファスナーストリンガーを分離できるようにするために、ファスナーストリンガーの端部に開離嵌挿具が設けられることもある。この開離嵌挿具は、一般に、一方のファスナーストリンガーの端部に配され、エレメント列に連設される蝶棒と、他方のファスナーストリンガーの端部に配され、エレメント列に連設される箱棒と、箱棒の端部から延出し、蝶棒を挿抜可能な蝶棒収容部を有する箱体とにより構成されている。
 開離嵌挿具がスライドファスナーに配されていることにより、例えば左右のエレメント列全体の噛合を解除した状態にて、蝶棒を箱体の蝶棒収容部から抜き出し、更にスライダーのエレメント案内路を介して抜き取ることにより、左右のファスナーストリンガーを完全に分離させることができる。一方、左右のファスナーストリンガーが分離している状態から、蝶棒をスライダーのエレメント案内路を介して箱体の蝶棒収容部に挿入し、左右のファスナーストリンガーを開離嵌挿具を介して連結した後、スライダーを開離嵌挿具から離間する方向に摺動させることにより、左右のエレメント列を噛合させてスライドファスナーを閉じることができる。
 一方、スライドファスナーの一種として、左右のエレメント列を噛合させたときにエレメント列をファスナーテープで隠すことが可能な隠しスライドファスナーが知られている。この隠しスライドファスナーは、左右のファスナーストリンガーと、スライダーとを有しており、また、各ファスナーストリンガーは、ファスナーテープのテープ側縁部が断面U字状に折り曲げられ、そのU字状に折り返されたテープ部分(エレメント取付部)の外面にエレメント列がテープ長さ方向に沿って形成されている。
 隠しスライドファスナーに用いられるスライダーのスライダー胴体は、下翼板と、下翼板の左右側縁から立ち上がり、互いに接近する方向に略直角に折り曲げられた断面L字状の左右のフランジ部と、下翼板における肩口側端部の幅方向中央部から立ち上がる案内柱と、案内柱の上端部から左右のフランジ部に向けて延出する左右のガイド部と、案内柱の上端に設けられた引手取付部とを有している。また、このスライダー胴体には、下翼板、案内柱、左右のL字状フランジ部、及び左右のガイド部によって、略Y字状のエレメント案内路が形成されている。
 更に、このような隠しスライドファスナーに配される開離嵌挿具が、例えば特開2008-220842号公報(特許文献1)や、国際公開第2011/135706号パンフレットに開示されている。
 例えば特許文献1に記載されている開離嵌挿具120は、図16に示したように、一方のファスナーストリンガー(第1ファスナーストリンガー)131aの端部に配される蝶棒121と、他方のファスナーストリンガー(第2ファスナーストリンガー)131bの端部に配される箱棒122と、箱棒122の端部に一体形成された箱体123とを有しており、これらの蝶棒121、箱棒122、及び箱体123は、熱可塑性樹脂により構成されている。
 なお、以下の説明において、前後方向とは、ファスナーストリンガー131a,131bの長さ方向を指し、スライダーが摺動する摺動方向と同じ方向である。特に、左右のエレメント列132を噛合させるようにスライダーを摺動させる方向を前方とし、エレメント列132の噛合を解除させるようにスライダーを摺動させる方向を後方とする。
 左右方向とは、一対のファスナーストリンガー131a,131bにおける幅方向を指し、ファスナーテープ133のテープ主体部のテープ面に平行で、且つ、テープ長さ方向に直交する方向である。また、上下方向とは、ファスナーテープ133のテープ主体部のテープ面に直交する方向を指し、特に、ファスナーテープ133に対してスライダーの引手が配される側を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
 特許文献1の蝶棒121は、エレメント列132に連設されるとともに、ファスナーテープ133におけるテープ長さ方向の端縁(後端縁)から突出して設けられている。また、蝶棒121は、ファスナーテープ133の略U字状のテープ折曲部に倣って横断面が略U字状に成形されており、ファスナーテープ133の後端部に固着されている。
 また、蝶棒121は、エレメント列132側に配され、ファスナーテープ133に固着される蝶棒本体121aと、エレメント列132に沿うように蝶棒本体121aから後方に延出し、箱体123の後述する蝶棒収容部123aに挿脱する挿脱部121bと、ファスナーテープ133のテープ主体部側にて蝶棒本体121aから後方に延出し、箱体123の後述する被係脱部123dに係脱する係脱部121cと、挿脱部121b及び係脱部121cの蝶棒121対向側縁側を連結する図示しない側壁部とを有している。また、この蝶棒121には、蝶棒本体121aからテープ主体部側に延び、ファスナーテープ133に固着される横格子状の補強部125が設けられている。
 蝶棒121の挿脱部121b及び係脱部121cは、蝶棒本体121a側から先端部に向けてファスナーテープ133のテープ主体部側に僅かに傾斜した角柱状の形態をそれぞれ有しており、また、挿脱部121bの横断面は正方形に近い形状を呈し、係脱部121cの横断面は扁平な矩形状を呈する。更に、係脱部121cの先端部には、先端に向けてテープ厚さ方向の寸法を漸減させる斜面部が設けられている。蝶棒121の側壁部は、箱体123の後述する切込み部123cに挿入可能に構成されている。
 特許文献1の箱棒122は、エレメント列132に連設されるように、ファスナーテープ133の後端部に固着されている。また、箱棒122と箱体123とには、テープ主体部側に延び、ファスナーテープ133に固着される横格子状の補強部124が設けられている。
 特許文献1の箱体123は、箱棒122の後端部に一体成形される箱状部材であり、箱棒122から後方に延出して形成される右半部と、右半部から蝶棒121側に向けてテープ幅方向に延出した左半部とを有しており、箱体123の左半部には、前方側に開口し、蝶棒121を内部に挿入して収容可能な蝶棒収容部123aが形成されている。
 蝶棒収容部123aを構成する壁部のうちで上面側に配される上壁部123bと、右半部の蝶棒121に対向する側の側面(対向側面)との間には、蝶棒121の前記側壁部を挿入可能な幅寸法を有する切込み部123cが前方に開口して形成されている。
 更に、左半部に配された上壁部123bの上面側には、蝶棒121の前記係脱部121cを係脱させる被係脱部123dが設けられている。この箱体123の被係脱部123dは、左右方向に延在し、蝶棒121の係脱部121cの先端を当接させる横枠部と、横枠部の蝶棒121対向側の端部から右半部側に傾斜しながら前方に向けて延びる縦枠部とを備えており、平面視にて鉤状を呈するように形成されている。
 このような特許文献1の開離嵌挿具120を備えた隠しスライドファスナーによれば、蝶棒121の挿脱部121bと係脱部121cとが側壁部を介して長さ方向の全体に亘って連結されているため、挿脱部121b及び係脱部121cの強度や耐久性を向上させることができる。
 更に、箱体123の左半部に配される上壁部123bと、右半部の蝶棒121に対向する側の側面(対向側面)との間には、蝶棒121の側壁部を挿入可能な切込み部123cが形成されているため、蝶棒121を、スライダーのエレメント案内路を介して箱体123の蝶棒収容部123aに挿入する際に、蝶棒121の挿脱部121bと係脱部121cとの間にスライダーの下翼板が挟み込まれることを防止できる。
 また、蝶棒121の側壁部が箱体123の切込み部123cに案内されて、蝶棒121の挿脱部121bを箱体123の蝶棒収容部123aに円滑に挿入できるとともに、蝶棒121の係脱部121cを箱体123の被係脱部123dに円滑に係合させることができる。
 一方、特許文献2に記載されている開離嵌挿具は、上述した特許文献1の蝶棒の構成に加えて、当該蝶棒の箱棒対向側面に、第2ファスナーストリンガーのエレメント列における最も後端側に配されたファスナーエレメントと係合するエレメント係合部が設けられており、且つ、上述した特許文献1の箱棒の構成に加えて、当該箱棒の蝶棒対向側面に、蝶棒のエレメント係合部を収容する収容部が設けられて構成されている。
 このような特許文献2の開離嵌挿具を備えた隠しスライドファスナーによれば、左右のファスナーストリンガーが分離している状態から蝶棒をスライダーのエレメント案内路を介して箱体に挿入して隠しスライドファスナーを閉鎖する際に、例えば蝶棒を箱体の所定位置まで挿入していない状態でスライダーを閉鎖方向に摺動させようとしても、蝶棒のエレメント係合部が第2ファスナーストリンガーのファスナーエレメント間に入り込むことがなく、スライダーの閉鎖方向への移動を防止することができる。これにより、左右のエレメント列間で不正なファスナーエレメントの噛み合いが生じることを防止でき、エレメント列の噛み合いを安定させ、また、スライダーの安定した摺動性を得ることができる。
特開2008-220842号公報 国際公開第2011/135706号パンフレット
 スライドファスナーの開離嵌挿具を構成する蝶棒や箱棒(又は箱棒及び箱体)をファスナーストリンガーに射出成形する場合、一般に、射出成形用金型の第1型(固定型)と第2型(可動型)との間にファスナーテープを挟持して型締めを行い、ファスナーテープの一部を内部に埋設するようにして蝶棒や箱棒(又は箱棒及び箱体)が成形される。
 しかしながら、蝶棒や箱棒は、一般にエレメント列に連なるようにファスナーテープに設けられるため、例えば通常タイプのスライドファスナーの場合であればファスナーテープのテープ側縁に沿って形成され、また、隠しスライドファスナーの場合であればファスナーテープのU字状のテープ折曲部に沿って形成される。
 しかし、蝶棒や箱棒の射出成形においては、ファスナーテープの位置、特にテープ側縁の位置が、射出成形用金型のキャビティ空間内で安定し難く、成形品によってファスナーテープの位置がばらつくことがあった。このため、従来では、金型の内部に、ファスナーテープのテープ表裏面を押さえるテープ押さえ部を設けておき、射出成形時にファスナーテープがテープ表裏方向にばたつくことを抑えて、テープ位置を安定させることが行われている。
 しかしながら、このようなファスナーテープのテープ表裏面を押さえるテープ押さえ部では、テープ表裏方向におけるファスナーテープのばたつきはある程度抑えられるものの、ファスナーストリンガーの幅方向におけるファスナーテープの位置を安定して規制することが難しい。このため、射出成形された蝶棒や箱棒を見てみると、蝶棒の箱棒に対向する側面(箱棒対向側面)や箱棒の蝶棒に対向する側面(蝶棒対向側面)からファスナーテープの一部が露出したり、飛び出したりするという不具合が生じることがあった。
 特に、隠しスライドファスナーの場合、ファスナーテープの蝶棒や箱棒が取着されるU字状のテープ折曲部は、その内部にスライダーのフランジ部が挿通可能な空間が形成されるように表裏方向にある程度の厚さ寸法を有して折り返されているため、テープ折曲部が相対的にファスナーストリンガーの幅方向に動き易く構成されている。このため、隠しスライドファスナーに用いられる蝶棒や箱棒の射出成形においては、通常タイプのスライドファスナーに比べて、上述のようなファスナーテープの露出や飛び出しといった不具合が生じ易かった。
 このように蝶棒の箱棒対向側面や箱棒の蝶棒対向側面からファスナーテープの一部が露出したり、飛び出したりすると、スライドファスナー(特に、開離嵌挿具)の外観品質(見栄え)を低下させるだけでなく、蝶棒や箱棒の強度を低下させる。このため、開離嵌挿具の操作において蝶棒や箱棒が引っ張られたときや捻じられたときに、蝶棒や箱棒に破損が生じ易く、開離嵌挿具の耐久性を低下させるという問題があった。
 更に、蝶棒の箱棒対向側面や箱棒の蝶棒対向側面からファスナーテープの一部が飛び出していると、蝶棒を箱体の蝶棒収容部に挿入する際や、箱体の蝶棒収容部から抜出する際に、当該ファスナーテープの一部が蝶棒や箱棒と干渉し易くなり、開離嵌挿具の操作性を低下させる虞もあった。
 本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、蝶棒の箱棒対向側面や箱棒の蝶棒対向側面からのファスナーテープの露出や飛び出しを抑制して、開離嵌挿具の外観品質が高められるとともに、蝶棒や箱棒の強度の低下、及び開離嵌挿具の操作性の低下を招き難い開離嵌挿具付きスライドファスナーを提供すること、更には、そのような開離嵌挿具付きスライドファスナーを構成する蝶棒又は箱棒の射出成形を行う射出成形用金型を提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明により提供される開離嵌挿具付きスライドファスナーは、基本的な構成として、左右のファスナーテープの相対するテープ側縁部にエレメント列が形成された一対の第1及び第2ファスナーストリンガーと、前記第1ファスナーストリンガーの一端部に固着され、前記エレメント列に連設される蝶棒と、前記第2ファスナーストリンガーの一端部に固着され、前記エレメント列に連設される箱棒と、左右の前記エレメント列を噛合・分離させる少なくとも1つのスライダーとを有する開離嵌挿具付きスライドファスナーであって、前記蝶棒の前記箱棒に対向する側端面、及び前記箱棒の前記蝶棒に対向する側端面の少なくとも一方に、少なくとも1つの凹溝部が、テープ表裏方向に沿って凹設され、前記凹溝部は、前記蝶棒又は前記箱棒の表裏方向に露出する第1表面又は第2表面に開口し、且つ、少なくとも前記蝶棒又は前記箱棒内に埋設された前記ファスナーテープの表裏方向におけるテープ位置に対応する高さ位置まで連続して延設されてなることを最も主要な特徴とするものである。
 本発明に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーにおいて、前記ファスナーテープは、テープ主体部と、前記テープ主体部の一側縁からテープ幅方向へ延設され、テープ長さ方向に沿ってU字状に折り曲げられたテープ折曲部と、前記テープ折曲部からテープ幅方向へ更に延設され、前記エレメント列が取着されるエレメント取付部とを有し、前記エレメント列を構成するファスナーエレメントの噛合頭部は、前記ファスナーテープの前記テープ折曲部から左右方向においてテープ外方に突出していることが好ましい。
 また、本発明のスライドファスナーでは、前記凹溝部は、埋設された前記ファスナーテープにおけるテープ長さ方向のテープ端縁近傍に配されていることが好ましい。
 更に、前記凹溝部が凹設された前記蝶棒又は前記箱棒における前記第1表面又は前記第2表面に凹陥部が凹設され、前記凹陥部の底部は、前記蝶棒又は前記箱棒における前記凹溝部が開口する前記第1表面又は前記第2表面に最も近い前記ファスナーテープのテープ面により構成され、前記凹溝部は、前記凹陥部に対して前記ファスナーテープのテープ幅方向に並ぶように配されていることが好ましい。
 更に本発明によれば、上述のような開離嵌挿具付きスライドファスナーを構成する前記蝶棒又は箱棒の射出成形に用いられ、第1型と第2型との間に前記ファスナーテープを挟持した状態で前記射出成形が行われる射出成形用金型であって、前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方は、前記蝶棒の前記箱棒対向側端面、又は前記箱棒の前記蝶棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面からキャビティ空間に向けて突出し、前記ファスナーテープのテープ側縁に接して当該ファスナーテープの位置を規制するテープ位置規制突部を有してなることを最も主要な特徴とする射出成形用金型が提供される。
 本発明に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーは、蝶棒の箱棒対向側壁部、及び箱棒の蝶棒対向側壁部の少なくとも一方に、蝶棒の箱棒対向側端面又は箱棒の蝶棒対向側端面から、蝶棒又は箱棒内に埋設されたファスナーテープに向けて凹設された少なくとも1つの凹溝部を有している。
 また、各凹溝部は、テープ表裏方向に沿って蝶棒又は箱棒に形成されているとともに、蝶棒又は箱棒のテープ表裏方向に露出する第1表面又は第2表面に開口している。更に、各凹溝部は、テープ表裏方向に関して、蝶棒又は箱棒の第1表面又は第2表面から、少なくとも蝶棒又は箱棒内に埋設されているファスナーテープの表裏方向におけるテープ位置(テープ領域)に対応する高さ位置まで、連続して形成されている。言い換えると、各凹溝部は、テープ表裏方向において、蝶棒又は箱棒の凹溝部が開口する第1表面又は第2表面に最も近いファスナーテープのテープ面の表裏方向における高さ位置を越えた高さ位置まで、テープ表裏方向に沿って連続して形成されている。
 このような凹溝部は、蝶棒又は箱棒の射出成形に用いられる金型のキャビティ面に、ファスナーテープの位置を規制するテープ位置規制突部が設けられていることにより、成形体である蝶棒又は箱棒に形成されている。このようなテープ位置規制突部の跡である凹溝部が、蝶棒の箱棒対向側壁部や箱棒の蝶棒対向側壁部に設けられていることにより、ファスナーテープが金型のテープ位置規制突部により押さえられた状態で蝶棒又は箱棒の射出成形が行われているため、射出成形された蝶棒の箱棒対向側面又は箱棒の蝶棒対向側面からファスナーテープの一部が露出したり、飛び出したりすることを結果的に生じ難くして、蝶棒又は箱棒の内部にファスナーテープを安定して埋設することができる。
 従って、本発明の開離嵌挿具付きスライドファスナーは、蝶棒の箱棒対向側面又は箱棒の蝶棒対向側面からのファスナーテープの露出や飛び出しに起因する蝶棒や箱棒の強度の低下等の従来の種々の問題を生じ難くすることができるため、外観品質に優れているとともに、蝶棒や箱棒の強度及び耐久性に優れており、更には開離嵌挿具の操作性も良好な高品質のスライドファスナーとして構成されている。
 このような本発明の開離嵌挿具付きスライドファスナーは、ファスナーテープが、テープ主体部と、テープ主体部の一側縁からテープ幅方向へ延設され、テープ長さ方向に沿ってU字状に折り曲げられたテープ折曲部と、テープ折曲部からテープ幅方向へ更に延設され、エレメント列が取着されるエレメント取付部とを有しており、且つ、エレメント列を構成するファスナーエレメントの噛合頭部が、ファスナーテープのテープ折曲部から左右方向においてテープ外方に突出している所謂隠しスライドファスナーとして構成されている場合に特に好適である。
 すなわち、従来の隠しスライドファスナーは、その構造上、前述のように蝶棒の箱棒対向側面又は箱棒の蝶棒対向側面からのファスナーテープの露出や飛び出しといった不具合が生じ易かったが、本発明の開離嵌挿具付きスライドファスナーが、隠しスライドファスナーとしての構造を有している場合でも、上述のようなファスナーテープの露出や飛び出しといった問題が生じ難くなる。このため、蝶棒や箱棒の強度及び耐久性に優れ、開離嵌挿具の操作性も良好な隠しスライドファスナーが得られる。
 また、本発明のスライドファスナーにおいて、凹溝部は、埋設されたファスナーテープにおけるテープ長さ方向のテープ端縁近傍に、特に、埋設されたファスナーテープの相対する側のテープ側縁部又はテープ折曲部におけるテープ長さ方向のテープ端縁近傍に配されている。このような位置に、金型のテープ位置規制突部により形成される凹溝部が配されていることにより、蝶棒又は箱棒の射出成形時にファスナーテープの動きを抑え易くすることができるため、蝶棒又は箱棒の内部にファスナーテープが安定して埋設され、ファスナーテープの露出や飛び出しを効果的に防止することができる。
 更に、本発明のスライドファスナーでは、凹溝部が凹設された蝶棒又は箱棒における第1表面又は第2表面に凹陥部が凹設され、凹陥部の底部は、蝶棒又は箱棒における凹溝部が開口する第1表面又は第2表面に最も近いファスナーテープのテープ面により構成されている。また、蝶棒又は箱棒の凹溝部は、その凹陥部に対してファスナーテープのテープ幅方向に並ぶように配されている。
 ここで、凹溝部が、凹陥部に対してファスナーテープのテープ幅方向に並ぶように配されているとは、凹溝部が形成されているテープ長さ方向の形成領域が、テープ幅方向に関して相対的に、凹陥部が形成されているテープ長さ方向の形成領域に含まれること(若しくは、重なること)、又は、その凹陥部の形成領域に近接していることを言う。
 また、蝶棒又は箱棒の凹陥部は、例えば蝶棒又箱棒の射出成形時に、金型にファスナーテープを押さえるために設けられたテープ押さえ部によって形成されるものであり、蝶棒又は箱棒の第1表面又は第2表面に凹状又は溝状に凹設されている。
 従って、蝶棒又は箱棒に凹溝部と凹陥部とが上述のような関係をもって設けられていることによって、蝶棒又箱棒の射出成形時に、金型のテープ押さえ部でファスナーテープがテープ表裏方向にばたつくことを抑えてテープ位置を安定させると同時に、テープ位置規制突部でファスナーテープのテープ側縁の位置をしっかりと規制することができる。このため、ファスナーテープの露出や飛び出しを更に効果的に防止することができる。
 次に、本発明により提供される射出成形用金型は、上述したような開離嵌挿具付きスライドファスナーを構成する蝶棒又は箱棒の射出成形に用いられ、第1型と第2型との間にファスナーテープを挟持した状態で射出成形が行われる射出成形用金型であって、第1型及び第2型の少なくとも一方が、蝶棒の箱棒対向側端面、又は箱棒の蝶棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面からキャビティ空間に向けて突出し、ファスナーテープのテープ側縁に接して当該ファスナーテープの位置を規制するテープ位置規制突部を有している。
 このような射出成形用金型を用いて、第1又は第2ファスナーストリンガーに蝶棒又は箱棒の射出成形を行うことによって、箱棒又は蝶棒に対向する側壁部に、前述のような所定の形状を有する少なくとも1つの凹溝部が形成されており、且つ、箱棒又は蝶棒に対向する側面からのファスナーテープの露出や飛び出しの発生が抑えられている蝶棒又は箱棒を安定して成形することができる。これにより、外観品質に優れているとともに、蝶棒や箱棒の強度及び耐久性に優れており、更には開離嵌挿具の操作性も良好な高品質の開離嵌挿具付きスライドファスナーを得ることができる。
本発明の実施例1に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを示す平面図である。 同スライドファスナーの開離嵌挿具を拡大して示す要部拡大図である。 同開離嵌挿具を構成する蝶棒を示す斜視図である。 同開離嵌挿具を構成する箱棒及び箱体を示す斜視図である。 第1及び第2ファスナーストリンガーが分離した状態を示す平面図である。 第1及び第2ファスナーストリンガーが分離した状態を示す底面図である。 図5に示したVII-VII線における断面図である。 蝶棒の一部の断面を拡大して示す要部拡大断面図である。 蝶棒の射出成形用金型の断面を示す断面図である。 箱棒及び箱体の射出成形用金型の断面を示す断面図である。 スライダーの肩口から蝶棒が挿し込まれた状態を説明する説明図である。 箱体の蝶棒収容部に蝶棒が収容された状態を説明する説明図である。 本発明の実施例2に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを部分的に断面で示す平面図である。 同スライドファスナーの開離嵌挿具の断面を拡大して示す要部拡大断面図である。 本発明の実施例3に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを部分的に断面で示す平面図である。 従来の開離嵌挿具付きスライドファスナーの要部を示す要部斜視図である。
 以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
 例えば、以下の各実施例にて説明する開離嵌挿具付きスライドファスナーでは、ファスナーテープにコイル状の連続するファスナーエレメントが縫着されることによって、又は、ファスナーテープに熱可塑性樹脂を射出成形して複数の単独ファスナーエレメントを列設することによって各ファスナーストリンガーが構成されている。しかし、本発明において、ファスナーテープにファスナーエレメントを取着する手段は特に限定されず、例えば、ファスナーテープが織成又は編成されると同時にファスナーエレメントが当該ファスナーテープに織り込まれること又は編み込まれることによって、各ファスナーストリンガーが構成されていても良い。
 図1は、本実施例1に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを示す平面図であり、図2は、同スライドファスナーの開離嵌挿具を拡大して示す要部拡大図である。また、図3は、同開離嵌挿具を構成する蝶棒を示す斜視図であり、図4は、同開離嵌挿具を構成する箱棒及び箱体を示す斜視図である。更に、図5及び図6は、第1及び第2ファスナーストリンガーが分離した状態を示す平面図及び底面図であり、特に図6では、ファスナーエレメントをファスナーテープに縫い付ける縫い糸の図示が省略されている。
 なお、前述したように、開離嵌挿具付きスライドファスナーにおいて、前後方向とは、ファスナーストリンガーの長さ方向を指し、スライダーが摺動する摺動方向と同じ方向である。特に、左右のエレメント列を噛合させるようにスライダーを摺動させる方向を前方とし、エレメント列の噛合を解除させるようにスライダーを摺動させる方向を後方とする。
 また、左右方向とは、ファスナーストリンガーにおける幅方向を指し、ファスナーテープのテープ主体部のテープ面に平行で、且つ、テープ長さ方向に直交する方向である。特に、本実施例1、並びに後述する実施例2及び3では、図1に示すような開離嵌挿具付きスライドファスナーの平面視(すなわち、スライドファスナーの前後方向が図面の上下方向となるように示された場合)における左方向及び右方向を、それぞれ左方及び右方とする。更に、上下方向とは、ファスナーテープのテープ主体部のテープ面に直交する方向を指し、特に、ファスナーテープに対してスライダーの引手が配される側を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
 本実施例1に係る開離嵌挿具30を備えたスライドファスナー1は、所謂隠しスライドファスナー1として構成されている。この隠しスライドファスナー1は、左右のファスナーテープ11のテープ側縁部にエレメント列12が形成された一対の第1及び第2ファスナーストリンガー10a,10bと、エレメント列12に沿って摺動可能に配されたスライダー20と、エレメント列12の前端側に隣接して配され、スライダー20の脱落を防止する図示しない止具と、エレメント列12の後端側に隣接して配された開離嵌挿具30とを有している。
 なお、以下では、第1ファスナーストリンガー10aを左側ファスナーストリンガー10aとし、第2ファスナーストリンガー10bを右側ファスナーストリンガー10bとして説明を行う。また、本実施例1のスライドファスナー1は、後述するように、開離嵌挿具30(特に、蝶棒31及び箱棒32)の構成に主な特徴を有しており、左側及び右側ファスナーストリンガー10a,10b、スライダー20、及び止具は、一般的に知られている従来の隠しスライドファスナーに用いられている左側及び右側ファスナーストリンガー、スライダー、及び止具とそれぞれ実質的に同様の構成を有している。
 具体的には、本実施例1における左側及び右側の各ファスナーストリンガー10a,10bは、U字状に折り曲げられたファスナーテープ11の折り返し片部の外周面に、コイル状の連続する複数のファスナーエレメント13が図示しない縫い糸により縫着されてエレメント列12が形成されることによって構成されている。
 左右のファスナーテープ11は、互いに対向する側のテープ側縁部が、テープ長さ方向に沿ってテープ幅方向へU字状に折り曲げられている。また、各ファスナーテープ11は、図7及び図8に示したように、隠しスライドファスナー1の露出面側に配されるテープ主体部11aと、テープ主体部11aの一側縁から連続してテープ幅方向へ延設され、U字状に折り曲げられたテープ折曲部11bと、テープ折曲部11bの側縁からテープ幅方向に更に延びた折り返し片部となるエレメント取付部11cとをそれぞれ有している。
 エレメント列12は、ポリアミドやポリエステル等の合成樹脂製のモノフィラメントをコイル状に巻きまわすように成形した連続状の複数のファスナーエレメント13より構成されている。なお、本実施例1におけるエレメント列12は、合成樹脂製のモノフィラメントをジグザグ状に成形した連続状の複数のファスナーエレメントにより構成されていても良い。
 連続状の各ファスナーエレメント13は、噛合頭部13aと、同噛合頭部13aから延設された上下脚部と、上脚部又は下脚部の端部を、隣接するファスナーエレメント13の下脚部又は上脚部に連結する連結部とを有している。また、各ファスナーエレメント13は、上下脚部間に芯紐14が挿通されるとともに、噛合頭部13aがファスナーテープ11のテープ折曲部11bからテープ幅方向(左右方向)の外側へ向けて突出した状態で、ファスナーテープ11のエレメント取付部11cの外面側に、図示しない縫い糸の二重環縫いによって縫着されている。
 隠しスライドファスナー1用のスライダー20は、自動停止機構付きのスライダーとして構成されている。このスライダー20は、スライダー胴体21と、スライダー胴体21に揺動可能に組付けられる停止爪体22と、停止爪体22を付勢する図示しない付勢部材(スプリング部材)と、引手23とを備えている。
 スライダー胴体21は、下翼板21aと、下翼板21aの左右側縁から立ち上がり、互いに接近する方向に略直角に折り曲げられた断面L字状の左右のフランジ部21bと、下翼板21aにおける肩口側端部の幅方向中央部に立設された案内柱21cと、案内柱21cの周縁から左右のフランジ部21bに向けて延出する左右のガイド部とを有している。このスライダー胴体21の案内柱21cに、停止爪体22及び付勢部材が組み付けられており、また、停止爪体22に引手が保持されている。
 このスライダー胴体21には、下翼板21a、案内柱21c、左右のL字状フランジ部21b、及び左右のガイド部によって、略Y字状のエレメント案内路が形成されており、このエレメント案内路は、案内柱21cの左右両側に形成される肩口と肩口の反対側に配される後口とを連通している。
 本実施例1のスライドファスナー1における特徴部となる開離嵌挿具30は、左側ファスナーストリンガー(第1ファスナーストリンガー)10aの後端部に固着された蝶棒31と、右側ファスナーストリンガー(第2ファスナーストリンガー)10bの後端部に固着された箱棒32と、箱棒32の後端部に一体形成された箱体33とを有している。これらの蝶棒31、箱棒32、及び箱体33は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて構成されている。
 本実施例1の蝶棒31は、左側ファスナーストリンガー10aのエレメント列12に連設されるようにファスナーテープ11の後端部に固着されるとともに、ファスナーテープ11の後端縁から一部を突出させて設けられている。また、蝶棒31は、ファスナーテープ11の外周面側と内周面側の一部とに固着されており、ファスナーテープ11の後端部の一部が蝶棒31内に挿入(埋設)されている。
 この蝶棒31は、エレメント列12側に配され、ファスナーテープ11に固着される蝶棒本体31aと、蝶棒本体31aの箱棒32に対向する側端面(以下、箱棒対向側面と言う)に設けられたエレメント係合部31bと、蝶棒本体31aからエレメント列12に沿うように後方に延出し、箱体33の後述する蝶棒収容部33cに対して挿脱可能な挿脱部31cと、挿脱部31cよりも上方(ファスナーテープ11のテープ主体部11a)側に配されるとともに蝶棒本体31aから後方に延出する係脱部31dと、挿脱部31c及び係脱部31dの箱棒対向側縁側を連結する側壁部31eとを有している。
 また、蝶棒31には、蝶棒本体31aからテープ主体部11a側に延びる横格子状の左側補強部34が設けられており、この左側補強部34は、ファスナーテープ11のテープ主体部11aを挟むように、テープ主体部11aの外周面側と内周面側とに固着されている。この左側補強部34が設けられていることにより、ファスナーテープ11の後端部を適切に保護し、ファスナーテープ11の耐久性が高められる。
 蝶棒本体31aは、ファスナーテープ11の略U字状のテープ折曲部11bに倣って横断面が略U字状又は略J字状となるように形成されている。蝶棒本体31aにおいて、ファスナーテープ11のエレメント取付部11c側の外周面に形成される部分は、エレメント列12と蝶棒31の挿脱部31cとを繋ぐとともにその一部が箱体33の後述する蝶棒収容部33cに嵌入可能なように、所定の厚さ寸法(表裏方向の寸法)を有している。更に、蝶棒本体31aの後端部には、箱体33の後述する被係脱部33eの一部を挿入させることが可能な切り欠き部31fが設けられている。
 蝶棒本体31aの上面側には、凹状又は溝状の凹陥部31gが設けられている。この凹陥部31gは、後述するように、蝶棒31の射出成形用金型に設けられたテープ押さえ部47がファスナーテープ11を押さえながら蝶棒31の射出成形が行われることによって、テープ押さえ跡部として形成される。この場合、凹陥部31gは、蝶棒本体31aの上面に開口するとともに、蝶棒31内に埋設されたファスナーテープ11のテープ表面の位置まで凹設されており、凹陥部31gの底部が、凹溝部31hが開口する蝶棒本体31aの上面に最も近いファスナーテープのテープ面により構成されている。
 更に、蝶棒本体31aの箱棒対向側面には、2つの凹溝部31hが蝶棒31内に埋設されたファスナーテープ11(特にテープ折曲部11b)に向けて凹設されている。なお、本発明において、蝶棒本体31aの箱棒対向側面に形成される凹溝部31hの個数は特に限定されず、蝶棒31の大きさやデザイン等に応じて凹溝部31hを任意の個数で形成することができる。
 本実施例1における各凹溝部31hは、テープ表裏方向に沿って形成されている。また、凹溝部31hは、蝶棒本体31aの上面(表面)側に開口するとともに、テープ表裏方向に関して、蝶棒本体31aの上面の高さ位置から、少なくとも蝶棒31内に挿入されたファスナーテープ11が配されているテープ領域の高さ位置まで、一定の断面形状をもって連続して形成されている(図7及び図8を参照)。
 具体的には、本実施例1の凹溝部31hは、テープ表裏方向に沿って、蝶棒本体31aの上面の高さ位置から、蝶棒本体31aの上面に最も近いファスナーテープ11のテープ面の高さ位置を越えて、ファスナーテープ11のエレメント取付部11cの高さ位置まで連続的に形成されている。
 すなわち、本実施例1の凹溝部31hは、以下で詳述するように、蝶棒31の射出成形用金型における箱棒対向側面を成形するキャビティ面に、ファスナーテープ11の位置を規制するテープ位置規制突部46が所定の長さで設けられており、蝶棒31の射出成形時にそのテープ位置規制突部46がファスナーテープ11を安定して押さえている結果、上述のようなテープ表裏方向に所定の寸法を有して形成されている。
 このように、蝶棒31の箱棒対向側面に、テープ表裏方向に所定の寸法を有する凹溝部31hが形成されていることにより、後述するように、結果的に蝶棒31の箱棒対向側面からファスナーテープ11の一部が露出したり、飛び出したりするという不具合を発生させ難くすることができる。
 この場合、蝶棒31に形成される凹溝部31hは、蝶棒31の箱棒対向側面から、ファスナーテープ11のテープ折曲部11bの表面(外周面)に対応する位置までの溝深さを有していることが好ましい。
 また、2つの凹溝部31hのうちの後方側に形成された凹溝部31hは、ファスナーテープ11のテープ折曲部11bにおけるテープ後端縁近傍に配されている。更に、この後方側の凹溝部31hは、当該凹溝部31hのテープ長さ方向における形成領域の一部が、テープ幅方向において凹陥部31gのテープ長さ方向における形成領域に相対的に重なるように(又は含まれるように)、凹陥部31gに対してファスナーテープ11のテープ幅方向に並んで配されている。
 なお、本発明において、後方側の凹溝部31hは、当該凹溝部31hのテープ長さ方向における形成領域の一部が、相対的に、凹陥部31gのテープ長さ方向における形成領域に重ならずに、凹陥部31gのテープ長さ方向における形成領域の前方側に近接して配されていても良い。
 本実施例1の蝶棒31におけるエレメント係合部31bは、蝶棒本体31aにおける箱棒対向側面のエレメント列12側で、且つ、蝶棒本体31aの下側(裏面側)に配されている。また、エレメント係合部31bは、蝶棒本体31aの箱棒対向側面から斜め上方に向けて突出しており、エレメント係合部31bの前後方向における最大寸法は、ファスナーエレメント13間の隙間の2倍以上に設定されている。このようなエレメント係合部31bは、左右のエレメント列12を噛合させるときに、右側のエレメント列12の最も後端側(箱棒32側)に配されたファスナーエレメント13に係合する。
 本実施例1における蝶棒31の下面側に配される挿脱部31cと、上面側に配される係脱部31dとは、互いに所定の間隔を空けて、蝶棒本体31a側から後端部に向けてファスナーテープ11のテープ主体部11a側に僅かに傾斜して配されている。この場合、挿脱部31cと係脱部31dとの間に形成される間隔は、箱体33の後述する上壁部が入り込むことが可能な大きさに設定されている。また、挿脱部31cの横断面は正方形に近い形状を呈し、係脱部31dの横断面は扁平な矩形状を呈している。
 このような挿脱部31cと係脱部31dを連結する側壁部31eは、挿脱部31c及び係脱部31dの箱棒対向側縁の全体に亘って形成されている。また、側壁部31eの箱棒対向側面は、挿脱部31cの箱棒対向側面及び係脱部31dの箱棒対向側面と同一面上に形成されている。更に、側壁部31eにおける左右方向の寸法(幅寸法)は、所要の強度を確保でき、且つ、箱体33の後述する切込み部33dに挿入可能な所定の大きさに設定されている。
 そして、上述のような本実施例1の蝶棒31及び左側補強部34は、図9に示した第1金型(固定型)41と、図示しない第2金型(可動型)とを有する射出成形用金型を用いて成形することができる。この射出成形用金型の内部には、蝶棒31及び左側補強部34の形状に対応するキャビティ空間42と、溶融した熱可塑性樹脂(溶融樹脂)の通路となるランナー43と、ランナー43からキャビティ空間42に溶融樹脂を流入させるゲート44とが設けられている。
 この場合、第1金型41には、蝶棒31の箱棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面45からキャビティ空間42に向けて突出する2つのテープ位置規制突部46が設けられているとともに、ファスナーテープ11が第1金型41と第2金型との間に挟持されたときに、当該ファスナーテープ11のテープ外周面を押さえるテープ押さえ部47が設けられている。
 このような第1金型41及び第2金型を有する射出成形用金型を用いて、蝶棒31及び左側補強部34の射出成形を行う場合、先ず、第1金型41と第2金型との間に左側ファスナーストリンガー10aを配置して型締めを行う。これにより、左側ファスナーストリンガー10aのファスナーテープ11が、第1金型41と第2金型との間に挟持される。
 またこのとき、第1金型41には、上述のようにテープ押さえ部47が設けられているため、当該テープ押さえ部47でファスナーテープ11の外周面を押さえて、射出成形時にファスナーテープ11がキャビティ空間42内でばたつくことを抑えることができる。また、第1金型41には、上述のように2つのテープ位置規制突部46が設けられているため、これらのテープ位置規制突部46がファスナーテープ11のテープ側縁に接してファスナーテープ11の位置を規制することができ、それによって、図9に示したように、ファスナーテープ11を、金型における蝶棒31の箱棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面45から離間させた状態で保持することができる。
 第1金型41と第2金型とを型締めした後、ランナー43及びゲート44を介して金型のキャビティ空間42内に溶融樹脂を射出することによって、左側ファスナーストリンガー10aの後端部に、図3に示したような、2つの凹溝部31hが箱棒対向側面に凹設された所定の形状を有する蝶棒31と左側補強部34とを安定して一体成形することができる。
 特に本実施例1では、上述のように第1金型41にテープ位置規制突部46が設けられているため、テープ位置規制突部46でファスナーテープ11の位置を規制した状態で射出成形を行うことができ、それにより、成形された蝶棒31の箱棒対向側面からファスナーテープ11の一部が露出したり、飛び出したりするといった不具合を生じ難くすることができる。
 次に、本実施例1の箱棒32は、右側ファスナーストリンガー10bのエレメント列12に連設されるように、ファスナーテープ11の後端部に固着されており、ファスナーテープ11の略U字状のテープ折曲部11bに倣って横断面が略U字状又は略J字状を呈している。また、箱棒32は、ファスナーテープ11の外周面側と内周面側の一部とに固着されており、ファスナーテープ11の後端部の一部が箱棒32内に挿入(埋設)されている。
 箱棒32の上面側には、凹状又は溝状の凹陥部32aが設けられており、この凹陥部32aは、蝶棒本体31aに形成される凹陥部31gと同様に、箱棒32の射出成形用金型に設けられたテープ押さえ部がファスナーテープ11を押さえながら箱棒32の射出成形が行われることによって、テープ押さえ跡部として形成されている。
 この場合、凹陥部32aは、箱棒32の上面に開口するとともに、箱棒32の内に埋設されたファスナーテープ11のテープ表面の位置まで凹設されており、凹陥部32aの底部が、ファスナーテープにより構成されている。また、本実施例1の場合、箱棒32に形成される凹陥部32aと、蝶棒本体31aに形成される凹陥部31gとは、左右対称的な形状を有している。
 また、箱棒32の蝶棒対向側面には、1つの凹溝部32bが箱棒32内のファスナーテープ11(特にテープ折曲部11b)に向けて凹設されている。なお、本発明において、箱棒32に形成される凹溝部32bの個数は任意で変更することができる。また、箱棒32の凹溝部32bよりも前方側(エレメント列12側)には、左右のエレメント列12を噛合させるときに蝶棒31のエレメント係合部31bとの干渉を回避するための段差部32cが設けられている。
 本実施例1における箱棒32の凹溝部32bは、テープ表裏方向に沿って形成されている。また、この凹溝部32bは、箱棒32の上面側に開口するとともに、テープ表裏方向に関して、箱棒32の上面の高さ位置から、少なくとも箱棒32内に挿入されたファスナーテープ11が配されているテープ領域の高さ位置まで、一定の断面形状をもって連続して形成されている。
 具体的には、箱棒32の凹溝部32bは、テープ表裏方向に沿って、箱棒32の上面の高さ位置から、箱棒32の上面に最も近いファスナーテープ11のテープ面の高さ位置を越えて、ファスナーテープ11のエレメント取付部11cの高さ位置まで形成されている。これにより、蝶棒31に形成される凹溝部31gの場合と同様に、箱棒32の蝶棒対向側面からファスナーテープ11の一部が露出したり、飛び出したりするという不具合を発生させ難くすることができる。
 この場合、箱棒32に形成される凹溝部32bは、箱棒32の蝶棒対向側面から、ファスナーテープ11のテープ折曲部11bの表面(外周面)に対応する位置までの溝深さを有していることが好ましい。
 また、凹溝部32bは、ファスナーテープ11のテープ折曲部11bにおけるテープ後端縁近傍に配されている。更に、この凹溝部32bは、当該凹溝部32bのテープ長さ方向における形成領域の一部が、テープ幅方向において凹陥部32aのテープ長さ方向における形成領域に相対的に重なるように(又は含まれるように)、凹陥部32aに対してファスナーテープ11のテープ幅方向に並んで配されている。
 なお、本発明において、箱棒32の凹溝部32bは、当該凹溝部32bのテープ長さ方向における形成領域の一部が、相対的に、テープ幅方向において凹陥部32aのテープ長さ方向における形成領域に重ならずに、凹陥部32aのテープ長さ方向における形成領域の前方側に近接した位置に配されていても良い。
 本実施例1の箱体33は、箱棒32の後端部に一体成形される箱状部材であり、箱棒32から後方に延出して形成される右半部33aと、右半部33aから蝶棒31側に向けてテープ幅方向に延出した左半部33bとを有しており、箱体33の左半部33bには、前方側に開口し、蝶棒31を内部に挿入して収容可能な蝶棒収容部33cが形成されている。
 蝶棒収容部33cを構成する壁部のうちで上面側に配される上壁部と、右半部33aの蝶棒31に対向する側の側面(対向側面)との間には、蝶棒31の側壁部31eを挿入可能な幅寸法(すなわち、側壁部31eの幅寸法より大きな幅寸法)を有する切込み部33dが前後方向に形成されている。この切込み部33dは前方に開口しており、また、切込み部33dの後端位置は、蝶棒収容部33cの後端位置と同じ位置に設定されている。
 更に、左半部33bに配された上壁部の上面側には、蝶棒31の前記係脱部31dを係脱させる被係脱部33eが凸設されている。この箱体33の被係脱部33eは、左右方向に延在し、蝶棒31の係脱部31dの先端を当接させる凸状の横枠部33fと、横枠部33fの蝶棒対向側の端部から右半部33a側に傾斜しながら前方に向けて延びる凸状の縦枠部33gとを備えており、平面視にて鉤状を呈するように形成されている。また、被係脱部33eの縦枠部33gの先端部(前端部)は、先端に向けて細くなる尖形状に形成されており、蝶棒本体31aの切り欠き部31fに挿入することが可能である。
 また、箱棒32と箱体33とには、テープ主体部11a側に延び、ファスナーテープ11に固着される横格子状の右側補強部35が設けられており、この右側補強部35は、ファスナーテープ11のテープ主体部11aを挟むように、テープ主体部11aの外周面側と内周面側とに固着されている。この右側補強部35が設けられていることにより、ファスナーテープ11の後端部を適切に保護し、ファスナーテープ11の耐久性が高められる。
 そして、上述のような本実施例1の箱棒32、箱体33、及び右側補強部35は、図10に示した第1金型(固定型)51と不図示の第2金型(可動型)とを有する射出成形用金型を用いて成形することができる。この射出成形用金型の内部には、箱棒32、箱体33、及び右側補強部35の形状に対応するキャビティ空間52と、溶融した熱可塑性樹脂(溶融樹脂)の通路となるランナー53と、ランナー53からキャビティ空間52に溶融樹脂を流入させるゲート54とが設けられている。
 この場合、第1金型51には、箱棒32の蝶棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面55からキャビティ空間52に向けて突出する1つのテープ位置規制突部56が設けられているとともに、ファスナーテープ11が第1金型51と第2金型との間に挟持されたときに、当該ファスナーテープ11のテープ外周面を押さえるテープ押さえ部57が設けられている。
 このような射出成形用金型を用いて箱棒32、箱体33、及び右側補強部35の射出成形を行う場合、先ず、第1金型51と第2金型との間に右側ファスナーストリンガー10bを配置して型締を行う。これにより、当該ファスナーストリンガーのファスナーテープ11が第1金型51と第2金型との間に挟持される。
 このとき、第1金型51には、上述のようにテープ押さえ部57が設けられているため、当該テープ押さえ部57でファスナーテープ11の外周面を押さえて、射出成形時にファスナーテープ11がばたつくことを抑えることができる。また、第1金型51には、上述のようにテープ位置規制突部56が設けられているため、そのテープ位置規制突部56がファスナーテープ11のテープ側縁に接してファスナーテープ11の位置を規制し、それによって、図10に示したように、ファスナーテープ11を、金型における箱棒32の蝶棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面55から離間させた状態で保持することができる。
 第1金型51と第2金型とを型締めした後、ランナー53及びゲート54を介して金型のキャビティ空間52内に溶融樹脂を射出することによって、右側ファスナーストリンガー10bの後端部に、図4に示したような、箱棒対向側面に凹溝部32bが凹設された所定の形状を有する箱棒32、箱体33、及び右側補強部35とを安定して一体成形することができる。
 特に本実施例1では、上述のように第1金型51にテープ位置規制突部56が設けられているため、テープ位置規制突部56でファスナーテープ11の位置を規制した状態で射出成形を行うことができ、それにより、成形された箱棒32の蝶棒対向側面からファスナーテープ11の一部が露出したり、飛び出したりするといった不具合を生じ難くすることができる。
 次に、以上のような構成を有する本実施例1の開離嵌挿具30を備えたスライドファスナー1について、左側及び右側ファスナーストリンガー10a,10bが互いに分離している状態から左右のエレメント列12を噛合させてスライドファスナー1を閉鎖する場合の操作について説明する。
 先ず、スライダー20を右側ファスナーストリンガー10bに形成されたエレメント列12に沿って箱体33に向けて摺動させ、箱棒32をスライダー20の後口からエレメント案内路内に挿入するとともに、スライダー20の後口側端部(後端部)を箱体33に当接させる。これにより、スライダー20が、後端側の摺動限の位置で保持される。
 続いて、左側ファスナーストリンガー10aに配された蝶棒31を、図11に示したように、スライダー20の左側肩口からエレメント案内路内に挿入し、更に、当該蝶棒31を挿し込むことによって、図12に示したように、蝶棒31の挿脱部31cを箱体33の蝶棒収容部33cに挿入するとともに、蝶棒31の係脱部31dを箱体33の被係脱部33eに係合させる。これにより、箱棒32及び箱体33に対して、蝶棒31をエレメント列12の噛合を安定して開始できるような状態にセットすることができる。
 その後、スライダー20をエレメント噛合方向である前方に向けて摺動させることにより、左右のエレメント列12を後端側から順番に噛合させて、スライドファスナー1を容易に閉鎖させることができる。
 一方、本実施例1の開離嵌挿具30を備えたスライドファスナー1において、左右のエレメント列12が噛合している状態から、左側及び右側ファスナーストリンガー10a,10bを分離させる場合、先ず、スライダー20をエレメント列12に沿って箱体33に向けて摺動させ、左右のエレメント列12の噛合を解除し、更に、スライダー20の後端部を箱体33に当接させる(図12を参照)。
 続いて、蝶棒31を持ち上げるように前方側に移動させることにより、蝶棒31の係脱部31dを箱体33の被係脱部33eから脱抜させるとともに、蝶棒31の挿脱部31cを箱体33の蝶棒収容部33cから抜出させ、更に、当該蝶棒31をスライダー20のエレメント案内路を介して引き抜く。これにより、左側及び右側ファスナーストリンガー10a,10bを容易に分離させることができる。
 以上のような本実施例1の開離嵌挿具30を備えたスライドファスナー1は、前述のように、蝶棒31の箱棒対向側面や箱棒32の蝶棒対向側面からファスナーテープ11の一部が露出したり、飛び出したりするといった不具合を発生させ難くすることができるため、外観品質に優れているとともに、蝶棒31や箱棒32の強度及び耐久性に優れており、更には開離嵌挿具30の操作性も良好な高品質のスライドファスナーとなる。
 図13は、本実施例2に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを部分的に断面で示す平面図であり、図14は、同スライドファスナーの開離嵌挿具の断面を拡大して示す要部拡大断面図である。
 本実施例2に係る開離嵌挿具80を備えたスライドファスナー2は、通常タイプのスライドファスナー2として構成されている。このスライドファスナー2は、左右のファスナーテープ61のテープ側縁部にエレメント列62が形成された一対の左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bと、エレメント列62に沿って摺動可能に配されたスライダー70と、エレメント列62の前端側に隣接して配され、スライダー70の脱落を防止する止具65と、エレメント列62の後端側に隣接して配された開離嵌挿具80とを有している。
 本実施例2における左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bでは、ファスナーテープ61のテープ側縁部に、合成樹脂製の複数の単独ファスナーエレメント63が所定の間隔をもって列設されて、エレメント列62が形成されている。なお、ファスナーエレメント63に用いられる合成樹脂としては、例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂が選択される。
 この場合、ファスナーテープ61は、テープ幅方向にテープ主体部とエレメント取付部とを有しており、また、左右のファスナーテープ61の対向するテープ側縁に沿って芯紐部61aが設けられている。各ファスナーエレメント63は、ファスナーテープ61の芯紐部61aを含むエレメント取付部に固着される胴部と、胴部からテープ外方に向けて延設され、前後方向に括れた形状を有する首部と、首部から更に延設され、前後方向膨大する長円形状の噛合頭部とを備えている。
 本実施例2のスライダー70は、スライダー胴体71と引手73とを有している。また、スライダー胴体71は、上翼板及び下翼板と、上下翼板間を連結する連結柱と、上下翼板の左右側縁に設けられたフランジ部と、上翼板の上面に立設され、引手73を回動可能に保持する引手取付柱71aと有している。また、スライダー胴体71の連結柱が配されている側の端部には肩口が左右に形成されるとともに、その反対側の端部には後口が形成されている。スライダー胴体71内には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字状のエレメント案内路が形成されている。
 本実施例2の開離嵌挿具80は、左側ファスナーストリンガー60aの後端部に配された蝶棒81と、右側ファスナーストリンガー60bの後端部に配された箱棒82と、箱棒82の後端部に一体形成された箱体83とを有している。これらの蝶棒81、箱棒82、及び箱体83は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて構成されている。
 本実施例2の蝶棒81は、後端に向けて幅寸法が僅かに漸減する略角柱状の形態を有するとともに、左側ファスナーストリンガー60aのエレメント列62に連設されるようにファスナーテープ61の後端部に固着されている。この蝶棒81内には、ファスナーテープ61の後端部における芯紐部61aを含むテープ側縁部が挿入(埋設)されている。
 また、本実施例2の蝶棒81の前端部には、左右のエレメント列62を噛合させるときに、右側のエレメント列62の最も後端側(箱棒82側)に配されたファスナーエレメント63と係合するエレメント係合部81bが設けられている。
 更に、蝶棒81の後端部における箱棒対向側面には、2つの凹溝部81hが、蝶棒81内に挿入されたファスナーテープ61に向けて凹設されている。この場合、各凹溝部81hは、テープ表裏方向に沿って、蝶棒81の表裏方向の全体に亘って一定の断面形状をもって連続的に形成されており、蝶棒81の上面(表面)側と下面(裏面)側に開口するように蝶棒81の表裏方向に貫通している。
 このような本実施例2における蝶棒81は、蝶棒81の箱棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面に2つのテープ位置規制突部が突設された射出成形用金型を用いることによって、テープ位置規制突部でファスナーテープ61の位置が規制された状態で、左側ファスナーストリンガー60aに容易に成形することができる。それによって、射出成形された本実施例2の蝶棒81では、蝶棒81の箱棒対向側面に上述のような2つの凹溝部81hが互いに所定の間隔を開けて形成されるとともに、前述の実施例1の場合と同様に、蝶棒81の箱棒対向側面からファスナーテープ61の一部が露出したり、飛び出したりするという不具合を発生させ難くすることができる。
 一方、本実施例2の箱棒82は、略角柱状の形態を有するとともに、右側ファスナーストリンガー60bのエレメント列62に連設されるようにファスナーテープ61の後端部に固着されている。本実施例2の箱体83は、箱棒82の後端部に一体成形される箱状部材であり、箱棒82から後方に延出してファスナーテープ61に固着される右半部83aと、右半部83aから蝶棒81側に向けてテープ幅方向に延出した左半部83bとを有している。また、箱体83の左半部83bには、前方側に開口し、蝶棒81を内部に挿入して収容可能な蝶棒収容部83cが形成されている。
 上述のような蝶棒81、箱棒82、及び箱体83を有する開離嵌挿具80付きのスライドファスナー2は、従来の通常タイプのスライドファスナーの同様の操作を行うことにより、左右のファスナーストリンガーが分離している状態から左右のエレメント列62を噛合させてスライドファスナー2を閉鎖させることができ、また、左右のエレメント列62が噛合している状態から、左右のファスナーストリンガーを分離させることもできる。
 以上のような本実施例2の通常タイプの開離嵌挿具80を備えたスライドファスナー2は、前述のように、蝶棒81の箱棒対向側面からファスナーテープ61の一部が露出したり、飛び出したりするといった不具合を発生させ難くすることができるため、外観品質に優れているとともに、蝶棒81の強度及び耐久性に優れており、更には開離嵌挿具80の操作性も良好な高品質のスライドファスナー2となる。
 図15は、本実施例3に係る開離嵌挿具付きスライドファスナーを部分的に断面で示す平面図である。
 本実施例3に係る開離嵌挿具100を備えたスライドファスナー3は、2つのスライダー90a,90bを備えた両開きタイプと呼ばれるスライドファスナー(逆開きタイプのスライドファスナーと呼ばれることもある)として構成されている。
 本実施例3のスライドファスナー3は、左右のファスナーテープ61のテープ側縁部にエレメント列62が形成された一対の左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bと、エレメント列62に沿って摺動可能に配された一対の第1及び第2スライダー90a,90bと、エレメント列62の前端側に隣接して配され、第1及び第2スライダー90a,90bの脱落を防止する図示しない止具と、エレメント列62の後端側に隣接して配された開離嵌挿具100とを有している。
 ここで、第1スライダー90aは、第2スライダー90bよりも止具側に配さている所謂正開き用のスライダー(上スライダーと呼ばれることもある)であり、第2スライダー90bは、第1スライダー90aよりも開離嵌挿具100側に配さている所謂逆開き用のスライダー(下スライダーと呼ばれることもある)である。
 本実施例3における左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bは、前述の実施例2における左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bと実質的に同様に構成されている。従って、本実施例3のスライドファスナー3において、前述の実施例2にて説明した部材と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて表すことによってその説明を省略することとする。
 本実施例3の第1及び第2スライダー90a,90bは、スライダー胴体91と図示しない引手とをそれぞれ有している。また、第1及び第2スライダー90a,90bの各スライダー胴体91は、上翼板及び下翼板と、上下翼板間を連結する連結柱と、上下翼板の左右側縁に設けられたフランジ部と、上翼板の上面に立設され、引手を回動可能に保持する引手取付柱と有している。
 また、スライダー胴体91の連結柱が配されている側の端部には肩口が左右に形成されるとともに、その反対側の端部には後口が形成されており、また、スライダー胴体91内には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字状のエレメント案内路が形成されている。
 本実施例3の場合、スライダー胴体91に形成される左右の肩口の位置は、互いに非対称な位置関係に配されている。更に、第1及び第2スライダー90a,90bは、互いの後口が対向する向きでエレメント列62に挿通されている。
 本実施例3の開離嵌挿具100は、左側ファスナーストリンガー60aの後端部に配され、ファスナーテープ61に固着一体化された蝶棒101と、右側ファスナーストリンガー60bの後端部に配され、ファスナーテープ61に固着一体化された箱棒102とを有している。これらの蝶棒101及び箱棒102は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて構成されている。
 本実施例3の蝶棒101は、略角柱状の形態を有し、左側ファスナーストリンガー60aのエレメント列62に連設される蝶棒本体101aと、蝶棒本体101aの基端部側(エレメント列62側)にて、箱棒102側に向けてテープ幅方向に張り出した張出部101cと、張出部101cの前端部に形成され、左右のエレメント列62を噛合させるときに、右側のエレメント列62の最も後端側(箱棒102側)に配されたファスナーエレメント63と係合するエレメント係合部101bとを有している。
 この蝶棒101の蝶棒本体101aは、ファスナーテープ61の芯紐部61aを含むテープ側縁部を内部に埋設するとともに、ファスナーテープ61の後端縁よりも後方に突出して形成されている。また、蝶棒本体101aのテープ内方側の側面は、テープ長さ方向に沿って直線的に形成されている。蝶棒本体101aの後端部における箱棒対向側面には、3つの凹溝部101hが、互いに所定の間隔を空けて蝶棒101内のファスナーテープ61に向けて凹設されている。この場合、各凹溝部101hは、テープ表裏方向に沿って、蝶棒101の表裏方向の全体に亘って一定の断面形状をもって連続的に形成されており、蝶棒101の上面(表面)側と下面(裏面)側に開口している。
 このような本実施例3における蝶棒101は、蝶棒本体101aの後端部における箱棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面に3つのテープ位置規制突部が突設された射出成形用金型を用いることによって、テープ位置規制突部でファスナーテープ61の位置が規制された状態で、左側ファスナーストリンガー60aに容易に成形することができる。
 それによって、射出成形された本実施例3の蝶棒101では、蝶棒本体101aの後端部における箱棒対向側面に、上述のような3つの凹溝部101hが形成されるとともに、前述の実施例1及び実施例2の場合と同様に、蝶棒101の箱棒対向側面からファスナーテープ61の一部が露出したり、飛び出したりするという不具合を発生させ難くすることができる。
 本実施例3の箱棒102は、右側ファスナーストリンガー60bのエレメント列62に連設されるとともにファスナーテープ61の芯紐部61aを含むテープ側縁部を埋設する箱棒本体102aと、箱棒本体102aの後端部に配され、蝶棒101に対面する側とは反対の方向に向けて突出するストッパー部102bと、箱棒本体102aの前端部における蝶棒対向側面側に配され、前方に向けて箱棒本体102aの幅寸法を漸減させるように傾斜した傾斜部102cとを有している。
 次に、上述のような構成を有する本実施例3の開離嵌挿具100付きのスライドファスナー3について、左側及び右側ファスナーストリンガー60a,60bが分離している状態から左右のエレメント列62を噛合させてスライドファスナー3を閉鎖させる場合の操作について説明する。
 先ず、第1及び第2スライダー90a,90bを右側ファスナーストリンガー60bに形成されたエレメント列62に沿って箱体83に向けて摺動させ、図15に示すように、第2スライダー90bにおけるフランジ部の肩口側端部を箱棒102のストッパー部102bに当接させるとともに、第1スライダー90aの後口側端部を第2スライダー90bの後口側端部に当接させる。これにより、第1及び第2スライダー90a,90bが、それぞれ後端側の摺動限の位置で保持される。
 続いて、左側ファスナーストリンガー60aに配された蝶棒101を、第1スライダー90aの左側肩口からエレメント案内路内に挿入し、更に、図15に示したように、蝶棒101の張出部101cが箱棒102の傾斜部102cに近接するまで又は当接するまで当該蝶棒101を挿し込む。これにより、蝶棒101が、箱棒102に対してエレメント列62の噛合を安定して開始できるような状態にセットされる。
 その後、第1スライダー90aをエレメント噛合方向である前方に向けて摺動させることにより、左右のエレメント列62を後端側から順番に噛合させて、スライドファスナー3を容易に閉鎖させることができる。更にその後、箱棒102のストッパー部102bに当接している第2スライダー90bを、噛合しているエレメント列62に沿って前方へ摺動させることにより、スライドファスナー3を後端部側から順次開くことができる。
 一方、本実施例3の開離嵌挿具100を備えたスライドファスナー3において、左右のエレメント列62が噛合している状態から、左側及び右側のファスナーストリンガー60a,60bを互いに分離させる場合、先ず、第1スライダー90aをエレメント列62に沿って第2スライダー90bに向けて摺動させ、左右のエレメント列62の噛合を解除し、更に、第1スライダー90aの後口側端部を第2スライダー90bの後口側端部に当接させる(図15を参照)。続いて、蝶棒101を引き抜くように前方側に移動させることにより、蝶棒101を第1及び第2スライダー90a,90bのエレメント案内路内から抜出させる。これにより、左側及び右側のファスナーストリンガー60a,60bを容易に分離させることができる。
 以上のような本実施例3の両開きタイプの開離嵌挿具100を備えたスライドファスナー3は、前述のように、蝶棒101の箱棒対向側面からファスナーテープ61の一部が露出したり、飛び出したりするといった不具合を発生させ難くすることができるため、外観品質に優れているとともに、蝶棒101の強度及び耐久性に優れており、更には開離嵌挿具100の操作性も良好な高品質のスライドファスナー3となる。
 1,2,3     スライドファスナー
 10a       左側ファスナーストリンガー(第1ファスナーストリンガー)
 10b       右側ファスナーストリンガー(第2ファスナーストリンガー
 11        ファスナーテープ
 11a       テープ主体部
 11b       テープ折曲部
 11c       エレメント取付部
 12        エレメント列
 13        ファスナーエレメント
 13a       噛合頭部
 14        芯紐
 20        スライダー
 21        スライダー胴体
 21a       下翼板
 21b       フランジ部
 21c       案内柱
 22        停止爪体
 23        引手
 30        開離嵌挿具
 31        蝶棒
 31a       蝶棒本体
 31b       エレメント係合部
 31c       挿脱部
 31d       係脱部
 31e       側壁部
 31f       切り欠き部
 31g       凹陥部
 31h       凹溝部
 32        箱棒
 32a       凹陥部
 32b       凹溝部
 32c       段差部
 33        箱体
 33a       右半部
 33b       左半部
 33c       蝶棒収容部
 33d       切込み部
 33e       被係脱部
 33f       横枠部
 33g       縦枠部
 34        左側補強部
 35        右側補強部
 41        第1金型(固定型)
 42        キャビティ空間
 43        ランナー
 44        ゲート
 45        キャビティ面
 46        テープ位置規制突部
 47        テープ押さえ部
 51        第1金型(固定型)
 52        キャビティ空間
 53        ランナー
 54        ゲート
 55        キャビティ面
 56        テープ位置規制突部
 57        テープ押さえ部
 60a       左側ファスナーストリンガー
 60b       右側ファスナーストリンガー
 61        ファスナーテープ
 61a       芯紐部
 62        エレメント列
 63        ファスナーエレメント
 65        止具
 70        スライダー
 71        スライダー胴体
 71a       引手取付柱
 73        引手
 80        開離嵌挿具
 81        蝶棒
 81b       エレメント係合部
 81h       凹溝部
 82        箱棒
 83        箱体
 83a       右半部
 83b       左半部
 83c       蝶棒収容部
 90a       第1スライダー
 90b       第2スライダー
 91        スライダー胴体
100        開離嵌挿具
101        蝶棒
101a       蝶棒本体
101b       エレメント係合部
101c       張出部
101h       凹溝部
102        箱棒
102a       箱棒本体
102b       ストッパー部
102c       傾斜部

Claims (5)

  1.  左右のファスナーテープ(11,61) の相対するテープ側縁部にエレメント列(12,62) が形成された一対の第1及び第2ファスナーストリンガー(10a,10b,60a,60b) と、前記第1ファスナーストリンガー(10a,60a) の一端部に固着され、前記エレメント列(12,62) に連設される蝶棒(31,81,101) と、前記第2ファスナーストリンガー(10b,60b) の一端部に固着され、前記エレメント列(12,62) に連設される箱棒(32,82,102) と、左右の前記エレメント列(12,62) を噛合・分離させる少なくとも1つのスライダー(20,70,90a,90b) とを有する開離嵌挿具(30,80,100) 付きスライドファスナー(1,2,3) であって、
     前記蝶棒(31,81,101) の前記箱棒(32,82,102) に対向する側端面、及び前記箱棒(32,82,102) の前記蝶棒(31,81,101) に対向する側端面の少なくとも一方に、少なくとも1つの凹溝部(31h, 32b,81h,101h)が、テープ表裏方向に沿って凹設され、
     前記凹溝部(31h,32b,81h,101h)は、前記蝶棒(31,81,101) 又は前記箱棒(32,82,102) の表裏方向に露出する第1表面又は第2表面に開口し、且つ、少なくとも前記蝶棒(31,81,101) 又は前記箱棒(32,82,102) 内に埋設された前記ファスナーテープ(11,61) の表裏方向におけるテープ位置に対応する高さ位置まで連続して延設されてなる、
    ことを特徴とする開離嵌挿具付きスライドファスナー。
  2.  前記ファスナーテープ(11)は、テープ主体部(11a) と、前記テープ主体部(11a) の一側縁からテープ幅方向へ延設され、テープ長さ方向に沿ってU字状に折り曲げられたテープ折曲部(11b) と、前記テープ折曲部(11b) からテープ幅方向へ更に延設され、前記エレメント列(12,62) が取着されるエレメント取付部(11c) とを有し、
     前記エレメント列(12,62) を構成するファスナーエレメント(13)の噛合頭部(13a) は、前記ファスナーテープ(11,61) の前記テープ折曲部(11b) から左右方向においてテープ外方に突出してなる、
    請求項1記載の開離嵌挿具付きスライドファスナー。
  3.  前記凹溝部(31h,32b,81h) は、埋設された前記ファスナーテープ(11,61) におけるテープ長さ方向のテープ端縁近傍に配されてなる請求項1又は2記載の開離嵌挿具付きスライドファスナー。
  4.  前記凹溝部(31h,32b) が凹設された前記蝶棒(31)又は前記箱棒(32)における前記第1表面又は前記第2表面に凹陥部(31g,32a) が凹設され、
     前記凹陥部(31g,32a) の底部は、前記蝶棒(31)又は前記箱棒(32)における前記凹溝部(31h,32b) が開口する前記第1表面又は前記第2表面に最も近い前記ファスナーテープ(11)のテープ面により構成され、
     前記凹溝部(31h,32b) は、前記凹陥部(31g,32a) に対して前記ファスナーテープ(11)のテープ幅方向に並ぶように配されてなる、
    請求項1~3のいずれかに記載の開離嵌挿具付きスライドファスナー。
  5.  請求項1~4のいずれかに記載の開離嵌挿具(30,80,100) 付きスライドファスナー(1,2,3) を構成する前記蝶棒(31,81,101) 又は箱棒(32,82,102) の射出成形に用いられ、第1型(41,51) と第2型との間に前記ファスナーテープ(11,61) を挟持した状態で前記射出成形が行われる射出成形用金型であって、
     前記第1型(41,51) 及び前記第2型の少なくとも一方は、前記蝶棒(31,81,101) の箱棒対向側端面、又は前記箱棒(32,82,102) の蝶棒対向側端面を成形する平坦なキャビティ面(45,55) からキャビティ空間(42,52) に向けて突出し、前記ファスナーテープ(11,61) のテープ側縁に接して当該ファスナーテープ(11,61) の位置を規制するテープ位置規制突部(46,56) を有してなる、
    ことを特徴とする射出成形用金型。
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