JPWO2011129388A1 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011129388A1
JPWO2011129388A1 JP2011536636A JP2011536636A JPWO2011129388A1 JP WO2011129388 A1 JPWO2011129388 A1 JP WO2011129388A1 JP 2011536636 A JP2011536636 A JP 2011536636A JP 2011536636 A JP2011536636 A JP 2011536636A JP WO2011129388 A1 JPWO2011129388 A1 JP WO2011129388A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coke
mass
coated
coating
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011536636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4870247B2 (ja
Inventor
一昭 片山
一昭 片山
笠間 俊次
俊次 笠間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2011536636A priority Critical patent/JP4870247B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4870247B2 publication Critical patent/JP4870247B2/ja
Publication of JPWO2011129388A1 publication Critical patent/JPWO2011129388A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B1/00Preliminary treatment of ores or scrap
    • C22B1/14Agglomerating; Briquetting; Binding; Granulating
    • C22B1/16Sintering; Agglomerating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B1/00Preliminary treatment of ores or scrap
    • C22B1/14Agglomerating; Briquetting; Binding; Granulating
    • C22B1/24Binding; Briquetting ; Granulating
    • C22B1/242Binding; Briquetting ; Granulating with binders
    • C22B1/244Binding; Briquetting ; Granulating with binders organic
    • C22B1/245Binding; Briquetting ; Granulating with binders organic with carbonaceous material for the production of coked agglomerates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/92Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases
    • B01D53/94Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases by catalytic processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/70Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of the iron group metals or copper
    • B01J23/76Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of the iron group metals or copper combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
    • B01J23/78Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of the iron group metals or copper combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36 with alkali- or alkaline earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

この焼結鉱の製造方法では、炭材表面に、石灰系原料由来のCaを36質量%以上含有する被覆物を、前記炭材に対して2質量%超かつ50質量%未満の割合で被覆した表面被覆炭材が、焼結燃料として配合炭中に含まれる。

Description

本発明は、焼結鉱の製造方法に関する。特に、生産性を確保または改善しながら排ガスに含まれるNOxを低減可能な焼結鉱の製造方法に関する。
本願は、2010年4月14日に、日本に出願された特願2010−93334号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
製鐵所で焼結鉱を製造する際には、燃料として使用する炭材の燃焼により排ガス中に窒素酸化物(NOx)が発生する。このNOxの低減は、大気汚染の改善において、重要な課題である。NOxを低減する手段として、アンモニアを還元剤とする排ガス脱硝技術がある。
しかし、このような技術に係る排ガス脱硝設備では、建設費が高額であり、アンモニアが高価である為に操業費が高い。また、窒素の含有量が少ない無煙炭を使用する手段もあるが、窒素の含有量が少ない無煙炭は、資源枯渇により採掘環境が劣化してきており、その使用量は制限される。
一方、焼結鉱の製造方法として、特許文献1には、CaO含有量が5〜50重量%であるCaO−FeO系複合酸化物を主成分とする触媒によるNOxの除去技術が開示されている。この特許文献1では、粗コークス粒体の表面に上記触媒を被覆した造粒体(S型)または微細コークス粒体と微粉末の上記触媒とを混合した造粒体(P型)を焼結原料として用いている。
また、特許文献2には、粒状炭素源とバインダーとを混合して造粒し、表面をバインダーで被覆した不燃性塊状炭素源を用いて含炭焼結鉱を製造する方法が開示されている。
日本国特開平8−60257号公報 日本国特開2001−262241号公報
しかしながら、特許文献1では、上記微細コークス粒体と上記微粉末触媒とを混合した造粒体(P型)によるNOxの除去技術の場合、1,000℃以下の低温領域でのNOxの低減効果が小さいという問題がある。後述するように、コークスの燃焼によるNOxは、低温領域で多く発生する。そのため、造粒体(P型)の中の微細コークス粒体が低温領域で燃焼してNOxが多量に発生し、NOx除去の効果が小さくなると考えられる。一方、粗コークス粒体の表面に上記触媒を被覆した造粒体(S型)によるNOxの除去技術の場合、コークス表面を触媒で十分に被覆すると、コークスの燃焼速度が遅くなり、焼結機の生産性を阻害する。
このため、コークスの表面の一部が露出するようにコークスに触媒を被覆せざるを得ず、NOx除去の効果が低下するという問題がある。さらに、これらの造粒体は、大型造粒機を用いて鉄鉱石と造粒されるため、CaO含有量が5〜50重量%である場合、CaO−FeO系複合酸化物触媒の混合度または被覆領域の低下が懸念される。
また、特許文献2では、この不燃性塊状炭素源中の炭素源を焼結時にほとんど燃焼させないため、この不燃性塊状炭素源中のバインダーが触媒作用を有する場合であっても、バインダーの触媒作用がほとんど生じないと考えられる。さらに、この特許文献2では、不燃性塊状炭素源に加え、焼結原料(燃料)としてのコークスが必要であり、大量の炭素源が必要になる。
本発明の目的は、(1)低温領域でのNOxの発生を抑制し、かつ、(2)焼結機の生産性を十分に確保または改善することができる焼結鉱の製造方法を提供することである。
(1)本発明の一態様に係る焼結鉱の製造方法では、炭材表面に、石灰系原料由来のCaを36質量%以上含有する被覆物を前記炭材に対して2質量%超かつ50質量%未満の割合で被覆した表面被覆炭材を焼結燃料として配合炭中に含める。
(2)上記(1)に記載の焼結鉱の製造方法では、前記配合炭が、10質量%以上かつ100%質量以下の前記表面被覆炭材を含んでもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法では、前記石灰系原料が水酸化カルシウムであり、前記被覆物が水酸化カルシウムを67質量%以上含有してもよい。
(4)上記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法では、前記炭材のうち、0.25mm以上の炭材の表面では、前記被覆物の層厚が、5μm以上かつ500μm以下であってもよい。
(5)上記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法では、鉄鉱石、返鉱及び副原料を含む配合原料を混合、造粒した後、前記配合原料に前記表面被覆炭材を添加、混合してもよい。
(6)上記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法では、鉄鉱石、返鉱及び副原料を含む配合原料を混合、造粒する際に、全混合造粒時間の半分以上が経過した後前記配合原料に前記表面被覆炭材を添加、混合してもよい。
(7)上記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法では、粒径0.5mm未満の粒子が20質量%以下であり、粒径0.5mm以上かつ3mm以下の粒子が40質量%以上である粒度分布を、前記炭材が有してもよい。
炭材の燃焼を制御することにより、焼結鉱製造時のNOxの発生を抑制し、焼結機の生産性を十分に確保または改善することができる。
NOx転換率と温度との関係を示す図である。 コークス粒径とNOxの発生量との関係を示す図である。 焼結鍋試験装置の概略図である。 被覆物量及び被覆物層中のCa濃度とNOx転換率(ηNO)との関係を示す図である。 焼結鍋試験に用いた層厚500μm以下の被覆物層を有する表面被覆コークスの顕微鏡写真である。 焼結鍋試験に用いた層厚500μm超の被覆物層を有する表面被覆コークスの顕微鏡写真である。 被覆物の層厚とNOx転換率との関係を示す図である。 被覆物の種類と被覆物の付着割合との関係を示す図である。 表面被覆コークスの投入時間とNOx転換率との関係を示す図である。 全配合炭に対する表面被覆コークスの配合割合とNOx転換率との関係を示す図である。 被覆物層の種類と焼結鉱の生産率との関係を示す図である。 造粒前添加のプロセスを示す模式図である。 造粒後添加のプロセスを示す模式図である。 通常コークスを一次ミキサーの前でその他の配合原料に添加した場合のEPMA解析結果を示す図である。 表面被覆コークスを一次ドラムミキサーの前でその他の配合原料に添加した場合の表面被覆コークスのEPMA解析結果を示す図である。 表面被覆コークスを二次ドラムミキサーの後半部でその他の配合原料に添加した場合の表面被覆コークスのEPMA解析結果を示す図である。 実機操業試験の試験結果を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。
コークス燃焼によるNOx転換率と温度との関係を図1に示す。
NOx転換率は、燃焼した燃料中の窒素原子がNOxに転換した割合(モル百分率)である。具体的には、このNOx転換率は、後述の(1)式で算出される。
NOxは、主に炭材中の窒素が焼結時に酸化して生成する。特に、図1に示されるように、NOxは、1,000℃以下の低温で多く生成することが確認されている。したがって、NOxの生成を抑制するためには、炭材を極力、高温で燃焼させることが重要である。
ここで、炭材は、コークス、無煙炭及びその他の焼結鉱製造に用いられる固体燃料を示す。
また、炭材中の微粉は、低温で燃焼し、NOxを増大させる。炭材粒度(コークス粒径)とNOx発生量との関係を図2に示す。炭材中の微粉は、燃焼速度が速く、低温で燃焼が完了するため、NOxを増大させると考えられる。そのため、粒径が0.5mm以下の微粉炭材を除去することができれば、NOx発生量を低減できると考えられる。
具体的には、焼結工程のNOx発生量をより低減するため、粒径0mm超0.5mm未満の炭材(粒子)が20質量%以下であることが望ましく、11質量%以下であることがより望ましく、5質量%以下であることが特に望ましい。これは、図2に示されるように、0.5mm未満の炭材のNOx発生量が多いからである。
また、粒径0.5mm以上かつ3mm以下の炭材(粒子)が40質量%以上であることが望ましく、70質量%以上であることが特に望ましい。これは、粒径0.5mm以上かつ3mm以下の炭材は、十分な燃焼速度(燃焼効率)を有するため、低温領域での燃焼時間を減らすことができ、NOx低減効果を確保しながら焼結の生産性をより十分に確保または改善することができるからである。したがって、上述の粒度分布を有する炭材を使用することが望ましい。なお、炭材の粒径が大きくなりすぎると、燃焼速度が低下し、低温領域での燃焼時間が長くなりやすく、NOx低減効果が飽和する。粒度分布における各階級の上限または下限は、特に制限しないが、上限については、100質量%であり、下限については、0質量%である。
炭材中から微粉(例えば、0.5mm未満)を除去したとしても、NOx発生を抑制するためには、炭材をできる限り高温燃焼させる必要がある。そのため、炭材の表面を高温領域で溶融する被覆物層(被覆物)で覆い、低温領域で周囲の大気中の酸素を遮断できれば、NOx発生を抑制することができる。
特許文献1には、CaO含有量が5〜50重量%のCaO−FeO系複合酸化物を表面に被覆した炭材を用いて、CaO−FeO系複合酸化物の触媒作用により炭材の燃焼時に生成するNOxを還元または分解して除去することが開示されている。このCaO含有量を50重量%以下に制限したCaO−FeO系複合酸化物は、融点が低く、1200℃以上の高温域で溶融するため、これを炭材の表面に被覆することである程度のNOx低減効果は期待される。しかしながら、CaO−FeO系複合酸化物は、石灰系原料と鉄鉱石とを溶融成形して製造されるため、通常の焼結で副原料として使用される石灰系原料に比べて高価である。
本実施形態では、上記のような高価な酸化物を用いずに通常の焼結で副原料として用いられる石灰系原料を炭材表面の被覆物として用いている。特に、本実施形態では、燃料として焼結機に装入される配合炭の少なくとも一部に、Caの含有量が36質量%以上である被覆物が被覆された表面被覆炭材を使用することにより炭材燃焼時のNOxを低減することができる。ここで、配合炭は、焼結機に装入される前に配合炭以外の焼結原料(配合原料)と混合されて固体燃料(焼結燃料)として使用される炭材である。
本実施形態では、炭材表面の被覆物層は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むことが望ましい。この場合、例えば、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム(石灰石)、石灰乳、ホタル石などの石灰系原料及びこれらの混合物を使用することができる。石灰系原料は、高温下で周囲に存在する鉄鉱石粉と容易に反応して融点が低いカルシウムフェライトを生成するため、溶剤として機能する。このカルシウムフェライトが高温下で溶融すると、炭材表面に酸素が供給されるため、炭材の燃焼が促進され、炭材を高温で燃焼させることができる。さらに、このカルシウムフェライト(融液)中には、炭材の燃焼中に表面に残存する固相灰分が溶解し、高温下での炭材の燃焼をさらに促進することができる。被覆物層に含有される石灰系原料は、水酸化カルシウムであることが特に望ましい。水酸化カルシウムは、バインダーとして働き、炭材表面に強く密着した被覆物層を形成するため、他の配合原料との混合時及び焼結機への原料装入までの搬送過程における炭材表面の被覆物の脱離が抑制できる。
炭材表面の被覆物は、石灰系原料由来のCaを36質量%以上含有することが望ましい。被覆物中のCa含有量が36質量%未満では、周囲の鉄鉱石と被覆物(被覆物中の石灰系原料)との間の反応速度が十分でないため、炭材表面での溶融反応が遅くなり高温下において炭材の燃焼を促進させる効果が小さくなる。
石灰系原料に水酸化カルシウムを用いる場合には、被覆物が水酸化カルシウムを67質量%以上含有することがより望ましく、100質量%含有することが特に望ましい。さらに、石灰系原料として炭酸カルシウムや石灰乳、ホタル石などを用いる場合には、被覆物がこれらの石灰系原料及び混合物を90質量%以上含有することが望ましく、100質量%含有することが特に望ましい。
NOxは、炭材を1,000℃以下の低温で燃焼させることにより生成するため、焼結時のNOx生成を抑制するためには、低温での炭材の燃焼を抑制しながら、炭材を極力高温で燃焼させることが必要である。
1,000℃以下の低温領域では、炭材表面が被覆物層で覆われているため、炭材の燃焼を抑えてNOxの発生を抑制することができる。しかしながら、1,200℃以上の高温領域では、被覆物層中の石灰系原料由来のCaOが、周囲の鉱石と反応し、低融点のカルシウムフェライトの融液を生成して溶け落ちる。この時、炭材表面に存在する固相の灰分を融液中に取り込むこともできる。このように、炭材表面の被覆物層がカルシウムフェライトの融液を生成した際には、すでに、炭材の燃焼温度が1,200℃以上の高温領域に到達しているため、NOx発生が少なく、炭材を活発に燃焼させることができ、生産性を向上させることができる。すなわち、本実施形態では、炭材の見かけ上の燃焼開始温度を上昇させて高温領域での炭材の急速燃焼を実現することができ、効率良く炭材の燃焼時の最高温度を高めることができる。
本実施形態における配合原料の混合及び造粒方法を説明する。ここで、配合原料は、焼結機に装入される前に混合されて使用される原料である。
なお、以下の説明では、表面被覆炭材における被覆物として石灰系原料の他に粉鉄鉱石を用いた一例を示したが、この例のみに限定されない。つまり、被覆物中の石灰系原料由来のCa含有量が36質量%以上であれば、石灰系原料以外の被覆物原料として、粉鉄鉱石及びその他の副原料を用いることができる。ここで、その他の副原料は、石灰系原料以外の副原料(珪石、蛇紋岩、かんらん岩等)を意味する。
まず、表面被覆炭材の製造に用いられる原料を除いた配合原料(以下では、第一の配合原料と表記する)を、ドラムミキサー等の混合造粒機により造粒する。この第一の配合原料は、少なくとも、鉄鉱石、返鉱及び副原料を含む。ここで、第一の配合原料は、床敷鉱を含まない。なお、この第一の配合原料中には、配合炭を含んでも良い。
次に、表面被覆炭材は、表面被覆炭材の製造に用いられる原料(以下では、第二の配合原料と表記する)、すなわち粗粒炭材を核粒子として炭材、石灰系原料及び粉鉄鉱石を混合、造粒することで製造される。粉鉄鉱石は、製鐵所内の発生ダストを含んでもよい。炭材を粉鉄鉱石及び石灰系原料と混合、造粒する方法には、ドラムミキサー、遠心力利用造粒機等の混合造粒機を用いることができる。これにより、粗粒炭材(核粒子)に石灰系原料および粉鉄鉱石が被覆された表面被覆炭材が形成される。石灰系原料としてほとんどバインダー機能がない炭酸カルシウム、石灰乳、ホタル石などを用いる場合には、これらにバインダーを添加することが望ましい。このバインダーには、CMC(カルボキシメチルセルロース)やアラビアゴム等の有機系バインダー及び水ガラス等の無機系バインダーを使用することができる。バインダーの添加により炭材表面に強く密着した被覆物層が形成されるため、上記の第一の配合原料との混合時及び焼結機への原料装入までの搬送過程における炭材表面の被覆物の脱離を抑制し、焼結時に発生するNOxをより安定的に低減することができる。
表面被覆炭材は、第二の配合原料として炭材と石灰系原料とを混合、造粒することで製造してもよい。この場合には、表面被覆炭材の被覆物層は、石灰系原料のみからなる。
焼結鉱製造に配合(混合)されて用いる炭材(配合炭)中の表面被覆炭材の量は、特に制限されないが、配合炭に表面被覆炭材を含む必要がある。すなわち、配合炭の一部が、表面被覆炭材であることが必要である。特に、焼結時に発生するNOxをより安定的に低減するためには、配合炭が、10質量%以上かつ100質量%以下の表面被覆炭材を含むことが望ましい。炭材種ごとの燃焼時間の差をできる限り小さくし、焼結機内の燃焼を高温域で定常的に行うためには、配合炭の全量に対する表面被覆炭材の量が、50質量%以上であることがより望ましく、70質量%以上であることがさらに望ましく、80質量%以上であることが特に望ましい。また、焼結の固体燃料として配合炭を大量に使用すると、焼結原料の焼結反応により生じた融液が焼結パレット上に大量に発生し、焼結原料充填層の通気性を悪化させて、焼結鉱の生産性が低下することがある。したがって、固体燃料として配合炭が焼結原料の焼結反応を良好に進行させる適切な熱量を供給するためには、例えば、鉄鉱石と副原料(表面被覆炭材に使用する石灰系原料を除く副原料)とに対して、配合炭の量が、14質量%以下であることが望ましい。この場合には、焼結原料充填層の通気性を十分に確保することができる。なお、例えば、鉄鉱石及び副原料(表面被覆炭材に使用する石灰系原料を除く副原料)に対する配合炭の量は、特に制限されないが、焼結原料の焼結反応に必要とされる熱量を考慮して、1質量%以上であってもよい。
表面被覆炭材を、第一の配合原料に添加、混合するタイミングは、特に制限されない。しかしながら、第一の配合原料を混合、造粒した後、この第一の配合原料に表面被覆炭材を添加、混合することが望ましい(造粒後添加)。このようなタイミングで、上記第一の配合原料に表面被覆炭材を添加、混合することにより、炭材表面の被覆物が崩壊したり、剥離したりすることを抑制することができる。この場合、第一の配合原料は、鉄鉱石、返鉱、副原料、表面被覆炭材以外の配合炭からなってもよく、鉄鉱石、返鉱、副原料からなってもよい。
しかしながら、第一の配合原料を混合、造粒する前に表面被覆炭材を第一の配合原料に添加し(造粒前添加)、表面被覆炭材の被覆物が剥離しないように造粒条件を制御して、第一の配合原料及び表面被覆炭材を混合、造粒してもよい。この場合、第一の配合原料は、鉄鉱石、返鉱、副原料、配合炭からなってもよい。
通常、コークスなどの炭材の造粒後添加を行うと、炭材中の酸素の拡散が良好であるため、低温で炭材の燃焼が開始し、炭材の燃焼中では、固相の灰分が炭材の表面を覆うため、炭材の燃焼が阻害される。そのため、この場合には、NOxの量が大幅に増加する。
一方、表面被覆炭材を使用すると、造粒前添加、造粒後添加のどちらが行われた場合であっても、NOxの量を抑制することができる。特に、表面被覆炭材の造粒後添加を行うと、被覆物の崩壊及び剥離を抑制することができるため、低温領域での大気中の酸素の遮断作用と、高温領域での灰分の溶融作用とを高めることができ、NOxの量を大幅に抑制することができる。この場合、焼結原料の全混合造粒時間(第一の配合原料のみの混合造粒時間と、第一の配合原料への表面被覆炭材の添加混合時間との合計)に対する炭材混合時間(第一の配合原料への表面被覆炭材の添加混合時間)の割合で定義される投入時間が、0.5(半分)以上であることが望ましく、0.8以上であることが特に望ましい。例えば、焼結原料を一台の装置で混合、造粒する場合、その装置内で表面被覆炭材を添加、混合することができる。また、例えば、焼結原料を複数台の装置で混合、造粒する場合、投入時間が所定値(例えば、0.5以上)に達した装置内で表面被覆炭材を添加、混合することができる。
本実施形態の表面被覆炭材では、炭材表面に、炭材に対する質量%(炭材に対する被覆物の量)で2質量%超かつ50質量%未満の割合で被覆物を被覆する必要がある。炭材に対する被覆物の質量%が2質量%以下の場合には、炭材の表面全体を包囲する十分な被覆物層の形成が難しくなり、炭材表面の一部が露出し、低温域での大気中の酸素の遮断によるNOx低減効果が得られなくなる。また、炭材に対する被覆物の質量%が50質量%以上である場合には、高温域で石灰系原料からカルシウムフェライトを生成する速度が低下し、炭材の燃焼効率が低下して焼結機の生産性が低下する。ここで、より高いNOx低減効果を得るためには、炭材に対する被覆物の質量%が、3質量%以上であることが望ましく、5質量%以上であることがより望ましく、10質量%以上であることが特に望ましい。また、より炭材の燃焼効率を高めるためには、炭材に対する被覆物の質量%が、40質量%以下であることが望ましい。
また、表面被覆炭材を形成する炭材のうち、0.25mm以上の炭材の表面では、被覆物層の層厚が、5μm以上かつ500μm以下であることが望ましい。ここで、被覆物層の層厚は、0.25mm以上の炭材表面の被覆物層の平均層厚を意味する。また、それぞれの表面被覆炭材に対して、被覆物層の層厚が、5μm以上かつ500μm以下であることが特に望ましい。なお、顕微鏡で20個以上の表面被覆炭材を観察して各表面被覆炭材の被覆物層中の5箇所以上の層厚を測定し、これら層厚の平均を求めることにより被覆物層の層厚を求めることができる。
被覆物層の層厚が5μm以上である場合には、上記の第一の配合原料(鉄鉱石、返鉱等)との混合工程又はその後のハンドリング工程における被覆物層の剥離を抑制することができ、炭材表面の被覆物層のNOx抑制効果を十分に確保することができる。また、被覆物層の層厚が500μm以下であれば、高温域で石灰系原料からカルシウムフェライトを迅速に生成することができ、高温域で炭材を効率よく燃焼させることができ、焼結機の生産性を十分に確保または改善することができる。
以上述べたように、本実施形態では、炭材に対する被覆物の質量%が2質量%超かつ50質量%未満になるように、石灰系原料由来のCaを36質量%以上含有する被覆物を炭材の表面に被覆して、表面被覆炭材を調製し;この表面被覆炭材を焼結燃料として焼結機内で燃焼させる。また、本実施形態では、配合炭中に表面被覆炭材を含めている。すなわち、配合炭として、表面被覆炭材を使用している。さらに、配合炭は、焼結機に装入されるまでに鉄鉱石、返鉱、副原料を含む配合原料と混合される。
このように、表面被覆炭材を焼結燃料として焼結機内で燃焼させることにより、炭材の燃焼を制御することができ、NOxの発生を抑制し、焼結機の生産性を十分に確保または改善することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これに限られない。
(実施例1)
表面被覆コークスの被覆物量と被覆物層中のCa濃度とがNOxの生成量に及ぼす影響を調査する実験を行った。この実験に用いた焼結鍋試験装置の概略図を図3に示す。
この焼結鍋試験装置は、点火炉1、焼結鍋2、風箱3、ブロアー4及び分析計5を備える。
この焼結鍋試験装置では、焼結鍋2に表面被覆炭材を含む焼結原料を装入し、点火炉1で点火してこの焼結原料を加熱する。同時に、ブロアー4を起動して、風箱3を介して焼結鍋2で生じた排気ガスを排出し、この排気ガスを分析計5で分析する。焼結鍋2は、直径300mm、高さ600mmであり、排ガス中のCO、CO、O、NOx、SOxを分析した。
粉鉄鉱石(鉄鉱石)、副原料、炭材に水分7.5質量%を外添し、これらの原料を直径1,000mmのドラムミキサーを用いて5分間、混合、造粒した。また、コークス及び被覆物に水分9.0質量%を外添し、万能混練機を用いて表面被覆コークス(表面被覆炭材)を製造した。混合、造粒したこれらの焼結原料を、焼結鍋試験装置に充填し、点火時間90秒、吸引負圧15kPaの一定の条件で焼成した。試験に用いた各配合原料の比率を表1に示し、コークスの粒度分布を表2に示す。
被覆物量及び被覆物層中のCa濃度と、NOx転換率(ηNO)との関係を図4に示す。被覆物層中のCa濃度が36質量%以上では、十分なNOx低減効果を得ることができた。さらに、被覆物に水酸化カルシウムのみを用いて被覆物層中のCa濃度を約54質量%に調整した場合には、NOx低減効果がより高くなった。また、コークス(表面被覆炭材用コークス)に対する被覆物の質量%が2質量%超かつ50質量%未満であると、NOx低減効果を確認することができた。特に、コークスに対する被覆物の質量%が10〜40質量%の場合には、より高いNOx低減効果を得ることができた。
ηNO=100×NOx/((CO+CO)・NCOKE/(CLPG+CCOKE+CLS))/10000・・・(1)
ただし、ηNO:NOx転換率(mol%)、NOx:排ガス中のNOx(ppm)CO:排ガス中のCO(mol%)、CO:排ガス中のCO(mol%)、NCOKE:コークス中のN(mol)、CLPG:点火ガス中のC(mol)、CCOKE:コークス中のC(mol)、CLS:石灰石中のC(mol)である。
(実施例2)
表面被覆炭材の被覆物層の層厚がNOx低減効果に及ぼす影響を調査するために、上記実施例1と同様の焼結鍋試験を行った。表面被覆コークスの被覆物には、水酸化カルシウムのみを使用した。図5A及び図5Bには、焼結鍋試験に用いた、被覆物層の層厚がそれぞれ異なる表面被覆コークスの顕微鏡写真を示す。また、図6には、被覆物層の層厚(被覆物層厚)と、NOx転換率との関係を示す。図6に示すように、図5Aに示すような層厚500μm以下の被覆物層を有する表面被覆コークスを用いた場合には、図5Bに示すような層厚500μm超の被覆物層を有する表面被覆コークスを用いた場合に比べ、NOx低減効果(NOx転換率)が向上した。そのため、被覆物の層厚を500μm以下に調整することが望ましいことが分かる。
(実施例3)
石灰系原料の種類が被覆物層のコークスへの被覆性(密着性)に及ぼす影響を調査するために、被覆物に炭酸カルシウムのみを用いた表面被覆コークス及び被覆物に水酸化カルシウムのみを用いた表面被覆コークスの製造試験を行った。炭材と各被覆物とを混合する前のコークスに対する被覆物の質量%を、15質量%に調整した。図7には、各被覆物を用いた場合のコークス表面への被覆物原料の乾燥後の付着割合を示す。コークス表面への炭酸カルシウムの付着割合は、約20質量%であった。一方、コークス表面への水酸化カルシウムの付着割合は、80質量%超であった。このように、表面被覆コークスを製造する際に、水酸化カルシウムのバインダー機能を有効に活用することができ、大きなNOx抑制効果を得ることができると考えられる。
(実施例4)
表面被覆コークスの投入時間(投入位置)がNOxの生成量に及ぼす影響を調査するために、焼結鍋試験を行った。上述したように、投入時間は、焼結原料の全混合造粒時間に対する炭材混合時間の割合である。なお、焼結鍋試験装置及び試験方法は、上記実施例1と同様である。
表面被覆コークスの投入時間とNOx転換率との関係を図8に示す。表面被覆コークスの投入時間が0.5以上、特に0.8以上の条件では、NOxの生成量(NOx転換率)を大幅に減らすことができた。この場合、被覆物が崩壊したり、コークス表面から被覆物が剥離したりすることを抑制しながら、焼結鍋に装入する焼結原料を調製できたと考えられる。
(実施例5)
配合炭中の表面被覆コークスの量及び表面被覆コークスの投入時間がNOxの生成量に及ぼす影響を調査するために、焼結鍋試験を行った。なお、焼結鍋試験装置及び試験方法は、上記実施例1と同様であるが、被覆物に水酸化カルシウムのみを用いて被覆物層中のCa濃度を約54質量%に、コークスに対する被覆物の質量%を15質量%に調整した。
配合炭中の表面被覆コークスの量及び表面被覆コークスの投入時間と、NOx転換率との関係を図9に示す。コークス全体に対する表面被覆コークスの配合割合を高め、投入時間を大きくすることにより、NOxの生成量を抑制することができた。図9に示すように、配合炭中に表面被覆コークスを50質量%以上配合し、投入時間を0.5以上に制御することにより、NOxの抑制効果がより高まることが分かる。
表面被覆層が焼結鉱の生産率に及ぼす影響を調査するために、焼結鍋試験を行った。なお、焼結鍋試験装置及び試験方法は、上記実施例1と同様であるが、水酸化カルシウムのみを被覆物に用いた場合は、コークスに対する被覆物の質量%を15質量%に調整し、水酸化カルシウム及びピルバラブレンド粉鉄鉱石を被覆物に用いた場合は、コークスに対する被覆物の質量%を30質量%に調整した。被覆物に水酸化カルシウムのみを用いた場合には、被覆物層中のCa濃度は、約54質量%であった。また、被覆物に水酸化カルシウム及びピルバラブレンド粉鉄鉱石を用いた場合には、被覆物層中のCa濃度は、約36質量%であった。コークス(配合原料)の全量に表面被覆コークスを使用し、投入時間を0.85に制御した。
得られた焼結鉱の生産率の結果を図10に示す。被覆物層を有さないコークスを用いた場合に比べて、水酸化カルシウムを含む被覆物層を有する表面被覆コークスを用いた場合には、焼結鉱の生産率が向上した。このように、水酸化カルシウムを含む被覆物層を有する表面被覆コークスを用いると、高い生産率で、NOx転換率が低い焼結操業を行うことができると考えられる。
(実施例6)
表面被覆コークスのNOx低減効果を確認するため、660mの大型焼結機において、一回あたり5日間の実機操業試験を2回行った。実機操業試験を行うために使用したコークス(コークスa〜c及びコークスA〜C)の粒度分布を表3に示す。コークスA〜Cについては、コークス量(表面被覆コークス用のコークス)の約14質量%の量の水酸化カルシウムにより、コークス表面を被覆し、表面被覆コークスを製造した。なお、コークスa〜cは、表面被覆がない通常コークスである。
ここで、コークスa(ベース)は、粒度分布について0.5mm未満の粒子の割合が20質量%超で、0.5mm以上かつ3mm以下の粒子の割合が40%未満になるように調整されたコークスである。コークスA(表面被覆コークスA)は、このコークスaの表面を水酸化カルシウムで被覆したコークスである。コークスbは、粒度分布について0.5mm未満の粒子の割合が20質量%超で、0.5mm以上かつ3mm以下の粒子の割合が40質量%以上になるように調整されたコークスである。コークスB(表面被覆コークスB)は、このコークスbの表面を水酸化カルシウムで被覆したコークスである。コークスcは、粒度分布について0.5mm未満の粒子の割合が11質量%以下になるように調整されたコークスである。コークスC(表面被覆コークスC)は、このコークスcの表面を水酸化カルシウムで被覆したコークスである。
通常の実機操業(コークスaを使用)をベースにして、(1)表面被覆コークスをその他の焼結原料と同時に造粒する場合(造粒前添加)と、(2)表面被覆コークス以外の焼結原料を一度造粒した後、表面被覆コークスを添加する場合(造粒後添加)とについて試験を行った。図11に、(1)造粒前添加のプロセスの模式図を示す。図12に、(2)造粒後添加のプロセスの模式図を示す。
図11及び図12において、コークス槽11及び水酸化カルシウム槽(石灰系原料槽)12からコークス及び水酸化カルシウムを切り出し、造粒機13に投入して、表面被覆コークスを製造する。
図11においては、この造粒した表面被覆コークスを、表面被覆コークス槽19から取り出し、原料槽14から切り出された原料(鉱石、副原料、返鉱等)とともに一次ミキサー15及び二次ミキサー16で順次混合、造粒する。この場合は、表面被覆コークスを他の原料と同時に混合、造粒する前添加である。
一方、図12においては、造粒機13から取り出された表面被覆コークスを、さらに、パンペレタイザー18で造粒した後、二次ミキサー16の後半部で、一次ミキサー15及び二次ミキサー16で混合、造粒された他の原料にこの表面被覆コークスを添加、混合する。この場合は、表面被覆コークスの混合を他の原料の混合、造粒後に行う後添加である。
コークス(コークスa)の表面を水酸化カルシウムで被覆した表面被覆コークスのEPMA解析結果を図13〜図15に示す。図13は、通常コークスを一次ミキサー(一次ドラムミキサー)の前で配合原料に添加した場合のEPMA解析結果である。
図14は、表面被覆コークスを一次ドラムミキサーの前で配合原料に添加した場合のEPMA解析結果である。表面被覆コークスの表面被覆層(水酸化カルシウムの層)が、破壊され剥離している粒子が存在していることが観察された。表面被覆コークスと配合原料とを同時に一次ミキサー及び二次ミキサー(二次ドラムミキサー)で混合、造粒すると、表面被覆コークスの被覆が破壊されやすいと考えられる。
図15は、表面被覆コークスを二次ドラムミキサーの後半部でその他の焼結原料に添加した場合のEPMA解析結果である。この場合には、5〜500μmの層厚を有する被覆物(水酸化カルシウム)の層が、コークス表面に確保されていることが観察された。
実機操業試験の試験結果を図16に示す。表面被覆コークスAを用いた実機操業(但し、造粒後添加)の実施期間では、コークスaを使用した実機操業(但し、造粒前添加)のベース期間に比べて、排ガス中のNOxが25ppm低下した。また、表面被覆コークスBを用いた実機操業(但し、造粒後添加)の実施期間では、上記ベース期間に比べて、排ガス中のNOxが30ppm低下した。表面被覆コークスBに使用したコークスbは、表面被覆コークスAに使用したコークスaに比べて、0.5mm以上かつ3mm以下の粒子(階級)の質量%が大きい。そのため、表面被覆コークスBを用いた場合には、表面被覆コークスAを用いた場合に比べ、NOxの生成量が低下したと考えられる。さらに、表面被覆コークスCを用いた実機操業(但し、造粒後添加)の実施期間では、上記ベース期間に比べて、排ガス中のNOxが42ppm低下した。表面被覆コークスCに使用したコークスcは、表面被覆コークスAに使用したコークスaに比べて、0.5mm未満の粒子(階級)の質量%が小さい。そのため、表面被覆コークスCを用いた場合には、表面被覆コークスAを用いた場合に比べ、NOxの生成量が低下したと考えられる。
炭材の燃焼を制御することにより、NOxの発生を抑制し、焼結機の生産性を十分に確保または改善することができる焼結鉱の製造方法を提供する。
1 点火炉
2 焼結鍋
3 風箱
4 ブロアー
5 分析計
11 コークス槽
12 消石灰槽(石灰系原料槽)
13 造粒機
14 原料槽
15 一次ミキサー
16 二次ミキサー
18 パンペレタイザー
19 表面被覆コークス槽

Claims (7)

  1. 炭材表面に、石灰系原料由来のCaを36質量%以上含有する被覆物を前記炭材に対して2質量%超かつ50質量%未満の割合で被覆した表面被覆炭材を、焼結燃料として配合炭中に含めることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記配合炭が、10質量%以上かつ100質量%以下の前記表面被覆炭材を含むことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記石灰系原料が水酸化カルシウムであり、前記被覆物が水酸化カルシウムを67質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記炭材のうち、0.25mm以上の炭材の表面では、前記被覆物の層厚が、5μm以上かつ500μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 鉄鉱石、返鉱及び副原料を含む配合原料を混合、造粒した後、前記配合原料に前記表面被覆炭材を添加、混合することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 鉄鉱石、返鉱及び副原料を含む配合原料を混合、造粒する際に、全混合造粒時間の半分以上が経過した後前記配合原料に前記表面被覆炭材を添加、混合することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  7. 粒径0.5mm未満の粒子が20質量%以下であり、粒径0.5mm以上かつ3mm以下の粒子が40質量%以上である粒度分布を、前記炭材が有することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
JP2011536636A 2010-04-14 2011-04-14 焼結鉱の製造方法 Active JP4870247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011536636A JP4870247B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-14 焼結鉱の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010093334 2010-04-14
JP2010093334 2010-04-14
PCT/JP2011/059245 WO2011129388A1 (ja) 2010-04-14 2011-04-14 焼結鉱の製造方法
JP2011536636A JP4870247B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-14 焼結鉱の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4870247B2 JP4870247B2 (ja) 2012-02-08
JPWO2011129388A1 true JPWO2011129388A1 (ja) 2013-07-18

Family

ID=44798757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011536636A Active JP4870247B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-14 焼結鉱の製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP4870247B2 (ja)
KR (1) KR101311575B1 (ja)
CN (1) CN102844449B (ja)
BR (1) BR112012026123B1 (ja)
WO (1) WO2011129388A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5423611B2 (ja) * 2010-08-09 2014-02-19 新日鐵住金株式会社 焼結鉱の製造方法
JP5703913B2 (ja) * 2011-04-04 2015-04-22 新日鐵住金株式会社 焼結鉱の製造方法
JP5810836B2 (ja) * 2011-10-28 2015-11-11 新日鐵住金株式会社 焼結鉱製造用の改質炭材の製造方法
KR102110643B1 (ko) * 2013-07-10 2020-05-13 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 소결광 제조용 탄재 내장 조립 입자와 그 제조 방법
CN103331164A (zh) * 2013-07-24 2013-10-02 武汉科技大学 用于烧结烟气nh3-scr脱硝的铁基催化剂及其制备方法
CN106984319B (zh) * 2017-05-26 2019-08-30 武汉科技大学 一种用于同时脱除烟气中氮氧化物和有机污染物的铁基复合催化剂及其制备方法
JP6809446B2 (ja) * 2017-12-26 2021-01-06 Jfeスチール株式会社 炭材内装粒子の製造方法および炭材内装焼結鉱の製造方法
JP7073959B2 (ja) * 2018-07-23 2022-05-24 日本製鉄株式会社 焼結鉱の製造方法
KR102177527B1 (ko) * 2018-08-02 2020-11-11 주식회사 포스코 소결용 결합재의 사전 처리방법, 소결용 결합재의 사전 처리장치 및 소결광 제조방법
CN109233935A (zh) * 2018-09-30 2019-01-18 安徽工业大学 一种铁矿烧结烟气多种污染物的联合减排装置及其使用方法
CN109135861A (zh) * 2018-10-08 2019-01-04 宁波大学 一种铁矿石烧结用生物质炭包覆燃料的制备方法
JP7187971B2 (ja) * 2018-10-24 2022-12-13 日本製鉄株式会社 焼結鉱の製造方法
CN109468455A (zh) * 2018-12-26 2019-03-15 中天钢铁集团有限公司 一种烧结过程NOx减排方法和设备
JP7180044B2 (ja) * 2019-03-27 2022-11-30 株式会社神戸製鋼所 焼結での炭材の燃焼促進方法
CN114657001B (zh) * 2022-03-30 2023-06-20 鞍钢股份有限公司 一种烧结用复合燃料的制造方法
CN116282033B (zh) * 2023-04-11 2024-06-21 昆明理工大学 一种工业硅用蜂窝状还原球团制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS543442B2 (ja) * 1973-12-31 1979-02-23
JPS5457406A (en) * 1977-10-17 1979-05-09 Sumitomo Metal Ind Ltd Compounding method for raw materials to be sintered
JPH02232322A (ja) * 1989-03-02 1990-09-14 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉装入物およびその製造方法
AT395828B (de) * 1991-06-28 1993-03-25 Voest Alpine Stahl Donawitz Verfahren zur verringerung von schadstoffemissionen bei sinterprozessen
KR100321621B1 (ko) * 1997-12-27 2002-05-13 이구택 질소산화물및황산화물을저감할수있는소결광제조방법
JP2001262241A (ja) 2000-03-15 2001-09-26 Nippon Steel Corp 含炭焼結鉱の製造方法
JP2001271121A (ja) * 2000-03-28 2001-10-02 Nkk Corp 高炉用焼結鉱の製造方法
CN1880488A (zh) * 2000-05-29 2006-12-20 杰富意钢铁株式会社 烧结用模拟粒子原料及其制造方法
JP4529838B2 (ja) * 2005-08-08 2010-08-25 Jfeスチール株式会社 焼結鉱および高炉操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011129388A1 (ja) 2011-10-20
BR112012026123B1 (pt) 2018-04-17
CN102844449B (zh) 2014-06-04
KR101311575B1 (ko) 2013-09-26
KR20120123604A (ko) 2012-11-08
BR112012026123A2 (pt) 2016-06-28
CN102844449A (zh) 2012-12-26
JP4870247B2 (ja) 2012-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4870247B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
KR101573002B1 (ko) 소결 배가스 중의 황산화물 제거용 조성물 및 소결 배가스 중의 황산화물 제거 방법
JP5810836B2 (ja) 焼結鉱製造用の改質炭材の製造方法
JP2020186436A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5423611B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5817629B2 (ja) 微粉造粒炭材を用いた焼結鉱の製造方法
JP4837799B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5703913B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5621653B2 (ja) 焼結鉱製造用の改質炭材及び改質炭材を用いた燒結鉱の製造方法。
JP2012255189A (ja) 炭材の改質処理設備
JP2005290456A (ja) 焼結用高燃焼性石炭およびその製造方法並びにその石炭を用いた焼結鉱の製造方法
JP5598439B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5510361B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP3573089B2 (ja) 鉄鉱石焼結鉱の製造方法
JP6167852B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5747675B2 (ja) 炭材の改質処理設備
JP7187971B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5733075B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP4589571B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
CN1302225C (zh) 燃烧装置中的N2O以及NOx的排出抑制方法
JP2012026016A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5434340B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2021161529A (ja) 焼結用炭材の製造方法及び焼結鉱の製造方法
JP2003277839A (ja) 溶鉄精錬用カルシウムフェライトの製造方法
JP6606828B2 (ja) ダイオキシン類生成抑制剤。

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111116

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4870247

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350