JP2005290456A - 焼結用高燃焼性石炭およびその製造方法並びにその石炭を用いた焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃焼性の高い石炭、及びその製造方法を提供すること、およびその石炭を用いた焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】 粒径1mm以上を50質量%以上含む石炭中に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を0.5質量%以上含有させる。この燃焼性の高い石炭を焼結鉱の配合原料中の固体燃料の少なくとも一部として使用し、焼結鉱とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 粒径1mm以上を50質量%以上含む石炭中に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を0.5質量%以上含有させる。この燃焼性の高い石炭を焼結鉱の配合原料中の固体燃料の少なくとも一部として使用し、焼結鉱とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、粉鉄鉱石類などの焼結原料を石炭やコークスなどの固体燃料を熱源として焼結する際に使用される固体燃料の燃焼性、特に、燃焼性を向上させた石炭及びその製造方法、並びにこの石炭を用いた焼結鉱の製造方法に関する。
焼結鉱の製造においては、まず、粉鉄鉱石を主原料として、石灰石、珪石、蛇紋岩などの副原料、固体燃料、焼結リターンなどからなるは配合原料をドラムミキサーやデイスクペレタイザーなどにより混合、造粒して擬似粒子とし、この配合原料の擬似粒子を焼結パレットに層状に装入後、表層の配合原料中の固体燃料に着火し、焼結パレットの下方から吸引通風することによって燃焼を順次下層に移行させ、装入された配合原料を焼成して焼結鉱としている。
焼結用の固体燃料は、一般的には、石炭を乾留したコークスや、無煙炭や非微粘結炭などの石炭をロッドミルなどにより粉砕分級したものが用いられている。
この焼結用の固体燃料は、粒度が小さすぎると配合原料の造粒性を低下させ、焼結機で焼成する際に、通気性を低下させる。さらに、燃焼速度も速くなりすぎるため、配合原料への熱伝導が不十分となり、融液の生成が不足し、焼結鉱の歩留まりを悪化させる。
一方、粒度が大きすぎると配合原料中の通気性は良好となるが、燃焼速度が低下するので焼結の進行が遅れると共に不均一な焼成となり、やなり、歩留まりが低下する。
この焼結用の固体燃料は、粒度が小さすぎると配合原料の造粒性を低下させ、焼結機で焼成する際に、通気性を低下させる。さらに、燃焼速度も速くなりすぎるため、配合原料への熱伝導が不十分となり、融液の生成が不足し、焼結鉱の歩留まりを悪化させる。
一方、粒度が大きすぎると配合原料中の通気性は良好となるが、燃焼速度が低下するので焼結の進行が遅れると共に不均一な焼成となり、やなり、歩留まりが低下する。
従って、焼結鉱の製造では、高生産、高歩留まりのためには固体燃料を適正な粒径とする必要があり、例えば、非特許文献1に示されているように、通常0.25〜3mmの範囲の粒径とすることが望ましいとされている。このため、コークスは高炉用コークスの篩い下を、無煙炭などの石炭は入手したものを、それぞれロッドミルなどにより粉砕し、この粒度範囲となるように調整している。
しかしながら、ロッドミルの運転条件を調整して、粉砕後の粒度を適正化しようとしても、粒径の小さい部分、すなわち微粉部分、の発生は避けられず、焼結操業にとって好ましくない粒径が0.25mm以下の固体燃料が発生する。
その対策として、特許文献1にはロールクラッシャーによる粒度調整方法が開示されている。
その対策として、特許文献1にはロールクラッシャーによる粒度調整方法が開示されている。
また、発生した微粉部分を利用する方法として、特許文献2には、微粉コークスにセメントを添加して造粒する方法が、特許文献3には、微粉コークスあるいは微粉無煙炭を調湿した後、遠心力を利用した造粒機で造粒する方法がそれぞれ開示されている。
ところで、固体燃料としてのコークスは、焼結工程において燃焼した際に、コークス中に含まれる窒素が空気中の酸素と反応して窒素酸化物(NOx)となり、排ガスとして大気中に排出される。大気汚染の防止の観点からその低減対策は極めて重要であり、各種の対策が提案されている。例えば、特許文献4には、アンモニアを還元剤とする種々の触媒を用いた選択的還元法による脱硝設備を設けて、排ガスを脱硝する方法が提案されている。
しかしながら、最近では、脱硝設備を回避或いは軽減するため、固体燃料としてのコークスに代えて、含有されるNが少ないために、燃焼時にNOxの発生の少ない石炭(無煙炭または非微粘結炭)が多用されるようなっている。
また、近年、高炉用コークスにアルカリ土類金属や遷移金属、或いはそれらの化合物などの触媒を含有させることにより、コークスの反応性を向上させ、還元剤比(コークス比)を低減させる方法(例えば、特許文献5参照)や、同様の目的で、コークスに触媒を担持させる方法(例えば、特許文献6参照)が開示されている。
特開平10−259429号公報
特開昭63−62558号公報
特開平4−210433号公報
特開2001−348576号公報
特開2003−306681号公報
特開2003−089808号公報
鉄鋼便覧 第3版 第二巻 日本鉄鋼協会 p115 1979
しかしながら、特許文献1の方法では、微粒部分の発生を完全に抑制できるものではなく、ロールクラッシャー設備を新たに導入する費用に見合う効果を得ることは難しい。また、特許文献2の方法では、微粉コークスの造粒性を補うためにセメントなどのバインダーが必要であること、或いは、特許文献3の方法では、造粒できたとしても造粒物の結合強度が低いため、これらの造粒物を他の配合原料ともに、ドラムミキサーなどで混合、造粒する段階で崩壊してしまうという問題がある。
また、NOxの発生を抑制するために、固体燃料としてのコークスに代えて燃焼時にNOxの発生の少ない石炭(無煙炭または非微粘結炭)が多用する方法では、石炭は、コークスに比べて燃焼性が悪く、コークスと同等の燃焼性を得ようとすると、適正な粒度範囲はさらに細粒側に絞らざるを得ない問題がある。
コークス同様、微粉部分の発生を抑制し、ないしは、造粒して再活用する方法が必要となるが、根本的な解決方法は得られていない。
コークス同様、微粉部分の発生を抑制し、ないしは、造粒して再活用する方法が必要となるが、根本的な解決方法は得られていない。
また、特許文献5,6では、高炉用コークスとしてコークスの反応性を向上させ、還元剤比(コークス比)を低減させる方法や、コークスに触媒を担持させる方法が開示されているが、石炭については明確にされておらず、さらに、焼結工程においてそのような固体燃料を使用することは開示されていない。
本発明は、上記の状況に鑑み、焼結に用いられる固体燃料の燃焼性を改善することにより、適正とされる粒度範囲を粗粒側にシフトさせ、固体燃料の粉砕、調整に伴う負荷を軽減し、微粉の発生自体を抑制することができ、焼結鉱の高生産性、高歩留を実現し得る焼結用の燃焼性の高い固体燃料、特に、燃焼性の高い石炭、及びその製造方法を提供すること、およびその石炭を用いた焼結鉱の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)粒径1mm以上を50質量%以上含む石炭と、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種の触媒を合計で0.5質量%以上含むことを特徴とする焼結用高燃焼性石炭。
(2)前記触媒の平均粒径が50μm以下の粒子であることを特徴とする(1)記載の焼結用高燃焼性石炭。
(1)粒径1mm以上を50質量%以上含む石炭と、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種の触媒を合計で0.5質量%以上含むことを特徴とする焼結用高燃焼性石炭。
(2)前記触媒の平均粒径が50μm以下の粒子であることを特徴とする(1)記載の焼結用高燃焼性石炭。
(3)粒径1mm以上を50質量%以上含む原料石炭に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を添加し、混合することを特徴とする焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(4)前記原料石炭中に含有される窒素及びカルシウムの含有量に応じて、前記触媒の添加量を調整することを特徴とする(3)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(5)前記触媒が、石灰石、生石灰、及びカルシウム化合物の粉末の1種以上であり、かつその平均粒径が、50μm以下であることを特徴とする(3)または(4)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(6)前記触媒が、カルシウムまたはカルシウム化合物を含む水溶液であることを特徴とする(3)または(4)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(4)前記原料石炭中に含有される窒素及びカルシウムの含有量に応じて、前記触媒の添加量を調整することを特徴とする(3)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(5)前記触媒が、石灰石、生石灰、及びカルシウム化合物の粉末の1種以上であり、かつその平均粒径が、50μm以下であることを特徴とする(3)または(4)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(6)前記触媒が、カルシウムまたはカルシウム化合物を含む水溶液であることを特徴とする(3)または(4)記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
(7)鉄鉱石と副原料及び固体燃料を混合し、擬似粒子とした配合原料を、焼結機に装入して焼成する焼結鉱の製造方法において、固体燃料の少なくとも一部を、(1)または(2)記載の焼結用高燃焼性の石炭もしくは、(3)〜(6)のいずれか1つに記載の方法によって製造された焼結用鉱燃焼性石炭とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(8)前記固体燃料の粒径が3mm以上の粗粒部分を焼結用高燃焼性石炭とすることを特徴とする(7)記載の焼結鉱の製造方法。
(8)前記固体燃料の粒径が3mm以上の粗粒部分を焼結用高燃焼性石炭とすることを特徴とする(7)記載の焼結鉱の製造方法。
本発明の石炭は、石炭が含有する触媒によって燃焼性が改善されており、粗粒であっても高い燃焼性を示す。従って、焼結機の充填層における通気性を高く維持することができ、焼結鉱の生産性を阻害することなく、均一な焼成状態を得ることができる。このように、固体燃料として従来よりも粗粒側で使用できるので、固体燃料の粒度調整の負荷が低減できると共に、使用が困難な微粉の発生も大幅に低減することができる。
また、本発明によれば、石炭の燃焼性が高いので、従来、燃焼性が劣るため焼結用の固体燃料としての使用が制限されていた石炭を、コークスの代替として広範囲に使用することができ、NOxの低減を図ることができる。
発明者らは、上述のように、焼結の生産性、歩留まりを向上させると共に、併せて、排ガス中のNOxを低減できる方法を検討した。
粗粒の固体燃料の燃焼性を向上させることができれば、これまで焼結鉱の生産性や歩留りを悪化させるとされていた粗粒範囲を、好適な粒度範囲とすることができ、固体燃料の破砕、整粒工程を軽減でき、過度な粉砕による微粉の発生自体を抑制できると考えられた。さらに、粗粒の固体燃料を石炭、(粘結炭(無煙炭)または非微粘結炭)とすれば、NOxの発生も低減できると考えられた。
粗粒の固体燃料の燃焼性を向上させることができれば、これまで焼結鉱の生産性や歩留りを悪化させるとされていた粗粒範囲を、好適な粒度範囲とすることができ、固体燃料の破砕、整粒工程を軽減でき、過度な粉砕による微粉の発生自体を抑制できると考えられた。さらに、粗粒の固体燃料を石炭、(粘結炭(無煙炭)または非微粘結炭)とすれば、NOxの発生も低減できると考えられた。
そこで、石炭の燃焼性を改善する方法を検討するため、各種の触媒を粉状石炭に添加して燃焼性を調査した結果、粉状の石炭にアルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を含有させることにより、石炭の燃焼性が格段に向上させることができることが判明した。なお、本発明でいう石炭とは、焼結に使用される粘結炭(無煙炭)及び非微粘結炭を意味するものとする。
この触媒の含有量は、0.5%(質量%、以下、特に断りのない限り、%は質量%を意味する。)以上を含有することが好ましい。0.5%未満では、燃焼性を向上させる効果が小さく、粗粒の石炭を使用することが困難である。触媒の含有量が高いほど燃焼性の向上効果は大きいので上限は特に規定しないが、10%を超えるとその触媒効果は飽和するのみならず、焼結鉱成品中の不純物が増加するので品質上あまり好ましくない。従って、触媒の含有量の上限は10%とするのが好ましい。
なお、本発明において、石炭が含有する触媒の量とは、石炭自体(原料石炭)が含有する上記の触媒、およびこれに添加された触媒の双方の合計の量をいうものとする。
通常、焼結用として用いられる石炭は、粒径1mm以上の粒子が20〜50%含まれており、平均粒径が0.5〜1mmとされているが、本発明の焼結用石炭は、燃焼性が優れているため、石炭の粒径1mm以上の割合を50%以上とすることが好ましく、より好ましくは70%以上である。
粒径1mm以上の割合が50%未満では、微粉の発生を抑制する効果が少なく、また、燃焼速度が過剰になるためである。焼結用として使用可能な粒径であれば粒度であれば良いので、上限は特に定めるものではない。
本発明における燃焼性を向上させる触媒は、上記のように、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含むものであり、単独ないしは混合物の形態でありうる。
アルカリ土類金属とは、周期律表2族に属する元素、Be,Mg,Sr,Baの総称であり、アルカリ土類金属化合物とは、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、過酸化物、窒化物、炭化物の他、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩および複塩等である。
上記アルカリ土類金属の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウムがあり、その化合物として、酸化カルシウム(CaO)(生石灰)、炭酸カルシウム(CaCO3)(石灰石)、あるいは、ドロマイト(CaCO3・MgCO3)などがあるが、製鉄プロセスにおいては従来から多用されており、資源としても豊富であることから好適である。
また、遷移金属化合物は、不完全に満たされたd殻をもつ原子またはそのような陽イオンを生じる元素であり、周期律表の3族から11族までの元素、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Tc、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Agなどがあり、遷移金属化合物とは、これら遷移金属の水酸化物、酸化物、過酸化物、窒化物、炭化物の他、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩および複塩等である。
遷移金属としては鉄が、鉄粉、酸化鉄等の形で製鉄業においては豊富に入手できることからも好適である。
また、これらの触媒は、製鉄所内で発生するダスト類を代替使用しても良い。
また、これらの触媒は、製鉄所内で発生するダスト類を代替使用しても良い。
本発明の石炭において、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および遷移金属化合物のうち1種以上を用いれば良く、複数のアルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および遷移金属化合物遷移金属化合物の混合物を用いても良い。
これらのアルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および遷移金属化合物が石炭の燃焼性を向上させるのは、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および遷移金属化合物が石炭とCO2との間で電子の授受を行う媒体として作用し、触媒としての役割を果たすためと考えられる。
なお、石炭中の上記触媒の含有量は、以下の方法により求められるが、ここでは、触媒としてアルカリ土類金属の1種であるカルシウムを含有する石炭の場合について測定方法を説明する。
石炭中のカルシウムの含有量(質量%)は、石炭中のカルシウム元素の質量と石炭の質量の比である。
石炭中のカルシウムの含有量(質量%)は、石炭中のカルシウム元素の質量と石炭の質量の比である。
石炭中のカルシウム元素の質量(質量%)は、JIS M 8815「石炭灰及びコークス灰の分析方法」の酸化カルシウムの定量方法によって求められる値に40/56を乗じて求める。次に、石炭中の灰分(質量%)は、JIS M 8812 「石炭類及びコークス類の工業分析方法」の灰分定量方法によって求める。
以上の測定結果から、石炭中のカルシウム含有量(質量%)は、(灰分(質量%)/灰中カルシウム(質量%))/100、により求められる。
以上の測定結果から、石炭中のカルシウム含有量(質量%)は、(灰分(質量%)/灰中カルシウム(質量%))/100、により求められる。
次に、本発明の燃焼性に優れた石炭の製造方法を説明する。
本発明の燃焼性の優れた石炭は、触媒を原料石炭に混合するか、原料石炭の表面に付着、担持させることによって製造する。
本発明の燃焼性の優れた石炭は、触媒を原料石炭に混合するか、原料石炭の表面に付着、担持させることによって製造する。
触媒の形態を粉状の固体触媒とし、これを石炭と混合することによって製造できる。粉状の触媒は、均一に混合し、かつ反応面積と大きくする観点から、50μm以下とすることが好ましい。50μmを超えると均一に混合し難くなり、一様な燃焼促進効果が得にくくなる。
石炭を破砕、粒度調整した原料石炭に、あるいはロッドミルで破砕する際に、上記の粉状の触媒を添加、混合することが好ましい。
また、粉状の触媒を水又は他の溶媒に分散させたスラリーとし、これを破砕、粒度調整後の原料石炭に混合、噴霧或いは塗布する湿式法によりその表面に付着、担持させても良い。
また、触媒物質を水、或いは有機或いは無機溶媒に溶解して触媒溶液とし、これを破砕、粒度調整後の原料石炭に混合、噴霧或いは塗布する湿式法によりその表面に付着、担持させても良い。
触媒をスラリーや、溶液として石炭の表面に付着、担持させる湿式法は、触媒を石炭の近傍に確実に存在させることができるので、好ましい。
なお、本発明における触媒の含有量は、原料石炭が含有する触媒と、添加する触媒の合計量であるので、原料石炭中の触媒含有量を予め確認した上で、所定の含有量となるように、触媒を添加することが好ましい。これにより、触媒が過剰に含有されることがなく、灰分の増加を抑制することができる。
次に、本発明の高燃焼性石炭を用いた焼結鉱の製造方法について説明する。
焼結鉱は、粉状或いは適切な粒度に破砕調整された鉄鉱石と、石灰石、蛇紋岩などの副原料と、焼結リターンと、コークスおよび石炭などの固体燃料とを所定の比率で混合して配合原料とし、水分を加えて混練し、造粒し、これを擬似粒子として焼結機に層状に装入する。
焼結鉱は、粉状或いは適切な粒度に破砕調整された鉄鉱石と、石灰石、蛇紋岩などの副原料と、焼結リターンと、コークスおよび石炭などの固体燃料とを所定の比率で混合して配合原料とし、水分を加えて混練し、造粒し、これを擬似粒子として焼結機に層状に装入する。
次いで、点火装置により焼結機の表層の配合原料に着火し、焼結機の下方に吸引して通気を図りつつ、燃焼を上層から下層に進行させる。固体燃料の燃焼熱により鉄鉱石、副原料の擬似粒子の境界に融液を生成させ、これにより粒子同士を結合、焼成し、焼結鉱とするものである。
本発明においては、上記固体燃料の少なくとも一部に高燃焼性の石炭を使用する。この高燃焼性の石炭は、(1)に記載の粒径1mm以上を50%以上含有する石炭中に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を、0.5%以上含有するものであり、好ましくは、(2)に記載の触媒として平均粒径が50μm以下であるものであり、また、この高燃焼性の石炭は、(3)に記載の粒径1mm以上を50%以上含有する石炭に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を添加し、混合して製造されたもの、好ましくは、(4)に記載の石炭中に含有される窒素及びカルシウムの含有量に応じて、触媒の添加量を調整して製造されたもの、また好ましくは、(5)に記載の触媒が、石灰石、生石灰、及びカルシウム化合物の粉末の1種以上であり、かつその平均粒径が、50μm以下であるものを混合して製造されたもの、また好ましくは、(6)に記載の触媒をカルシウムまたはカルシウム化合物を含む水溶液としてこれを混合して製造されたもの、などいずれであってもよい。
本発明の焼結鉱の製造方法において、固体燃料としての高燃焼性の石炭を混合する比率は、特に限定するものではなく、固体燃料を全て本発明の高燃焼性の石炭として使用することも可能であり、高燃焼性の石炭と通常使用される焼結用の石炭とを混合して使用しても良い。また、コークスと高燃焼性の石炭とを混合して使用しても良いし、コークスと通常の焼結用の石炭と本発明の高燃焼性の石炭との3つを混合して使用することも可能である。
また、特定の粒度域の固体燃料を本発明の高燃焼性の石炭とすることも好ましい。すなわち、本発明の高燃焼性の石炭は、粗粒であっても燃焼性に優れるので、固体燃料を破砕して粒度調整を行う際、粗粒部分を本発明の高燃焼性の石炭に置き換えて使用することも好ましい。
この場合、燃焼性が他の粒度に比べて低下する粒径が3mm以上の粒度部分を、本発明の高燃焼性の石炭とすることが好ましい。
この場合、燃焼性が他の粒度に比べて低下する粒径が3mm以上の粒度部分を、本発明の高燃焼性の石炭とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
実施例1
焼結用の原料石炭として無煙炭を使用し、各粒度範囲に調整した。触媒としてCaOの粉末及び水溶液、Fe2O3の粉末を使用した。各粒度範囲の石炭に、0.3%〜1.5%の含有量となるように触媒を添加し、燃焼性を確認した。燃焼性は、焼結層での燃焼を模擬するため、無煙炭を10%含む、鉱石と無煙炭の混合試料を予め造粒したものを充填し、空塔速度1.2m/sの空気通流下で無煙炭を燃焼させ、排ガス分析から燃焼開始および完了を検知し、燃焼速度を求め評価した。
各石炭の燃焼性を表1に示す。
各石炭の燃焼性を表1に示す。
表1から判るように、CaO、Fe2O3の触媒を1%以上含有する石炭は、無添加ないしは含有量が0.3%のものに比べて燃焼率が向上しているのがわかる。また、燃焼率向上の度合いは、粒径が1mm以上の粗粒の範囲で大きくなっており、燃焼性の向上効果が、粗粒側で顕著になっており、またその向上効果も粒径が3mm以上と大きい程顕著であることが判る。
また、触媒の添加方法として、水溶液で添加した場合の方が燃焼性の向上効果がおおきい。これは、触媒が石炭の表面に均一に密着し、触媒が燃焼に対してより効率的に作用できたためと考えられる。
実施例2
実施例2
上記石炭を、焼結の固体燃料として配合し、焼結鉱の品質、生産効率、NOxの発生状況について有効面積600m2の焼結機において、調査した。
表2に示す原料配合条件一定で行い、無煙炭を本発明による高燃焼性の無煙炭に粒度を一定のまま、置換した。表3から判るように、高燃焼性の無煙炭を使用した場合に、生産性の向上が認められた(本発明1)。さらに、供する無煙炭の粒度を+1mmが60%となるように粒度調整したところ、さらに生産率が向上した(本発明2)。いずれの場合も、成品歩留、JIS M8711で測定される強度(SI)は、ほぼ一定に保たれた。さらに、N入量に対するNOx発生割合を示すNOx転換率も低下した。
表2に示す原料配合条件一定で行い、無煙炭を本発明による高燃焼性の無煙炭に粒度を一定のまま、置換した。表3から判るように、高燃焼性の無煙炭を使用した場合に、生産性の向上が認められた(本発明1)。さらに、供する無煙炭の粒度を+1mmが60%となるように粒度調整したところ、さらに生産率が向上した(本発明2)。いずれの場合も、成品歩留、JIS M8711で測定される強度(SI)は、ほぼ一定に保たれた。さらに、N入量に対するNOx発生割合を示すNOx転換率も低下した。
Claims (8)
- 粒径1mm以上を50質量%以上含む石炭と、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種の触媒を合計で0.5質量%以上含むことを特徴とする焼結用高燃焼性石炭。
- 前記触媒の平均粒径が50μm以下の粒子であることを特徴とする請求項1記載の焼結用高燃焼性石炭。
- 粒径1mm以上を50質量%以上含む原料石炭に、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属及び遷移金属化合物のうちの少なくとも1種を含む触媒を添加し、混合することを特徴とする焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
- 前記原料石炭中に含有される窒素及びカルシウムの含有量に応じて、前記触媒の添加量を調整することを特徴とする請求項3記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
- 前記触媒が、石灰石、生石灰、及びカルシウム化合物の粉末の1種以上であり、かつその平均粒径が、50μm以下であることを特徴とする請求項3または4記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
- 前記触媒が、カルシウムまたはカルシウム化合物を含む水溶液であることを特徴とする請求項3または4記載の焼結用高燃焼性石炭の製造方法。
- 鉄鉱石と副原料及び固体燃料を混合し、擬似粒子とした配合原料を、焼結機に装入して焼成する焼結鉱の製造方法において、固体燃料の少なくとも一部を、請求項1または2に記載の焼結用高燃焼性の石炭もしくは、請求項3〜6のいずれか1つに記載の方法によって製造された焼結用鉱燃焼性石炭とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
- 前記固体燃料の粒径が3mm以上の粗粒部分を焼結用高燃焼性石炭とすることを特徴とする請求項7記載の焼結鉱の製造方法。
Priority Applications (1)
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