JP6606828B2 - ダイオキシン類生成抑制剤。 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイオキシン類生成抑制剤及びそれを用いた一般家庭ゴミ又は産業廃棄物(以下、これらの廃棄物を単に廃棄物という。)の焼却処理に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、廃棄物を焼却するときに生成するダイオキシン類の発生を効率的に抑制するダイオキシン類生成抑制剤に関する。
従来、廃棄物は廃棄物焼却炉において焼却されるが、これらの廃棄物中には、塩化ビニル樹脂製品(例えば、塩化ビニルシートや塩化ビニル製パイプなど)が混入している場合が多く、これらの廃棄物が燃焼すると、通常200℃より高く800℃未満の温度においてダイオキシン類前駆体、例えばベンゼン、フェノール等と共にダイオキシン類生成原因物質、例えば塩化水素等が生成し、これらが反応して環境に有害なダイオキシン類、例えば、PCB(ポリ塩化ダイベンゾダイオキシン)、PCDD(ポリ塩化ベンゾパラジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)など、が発生することが知られている。そのため廃棄物処理法には、廃棄物焼却炉は、廃棄物の燃焼によって発生する塩素含有有機化合物、即ちダイオキシン類が生成するので、このダイオキシン類の発生を防ぐために800℃以上の高温で完全燃焼する必要があると指摘されている。
また、従来の技術としては、ダイオキシン類の抑制対策で最も基本となるものは、焼却炉の改良が好ましいが、そのためには800℃以上で燃焼する図2に示されるような完全焼却炉の構築が必要である。Bは従来の産業廃棄物焼却設備を示すイメージ図で、1は焼却炉、2はダイオキシン類の生成を抑えるための排ガスを急冷するための冷却装置である。3は煤塵除去装置等の集塵装置で、4はダイオキシン類を含んだ飛灰を溜める灰ピットである。産業廃棄物Rを焼却する燃焼炉1から排出された高温の排ガスは、ダイオキシン類の生成を抑制するため排ガス冷却装置2で250℃〜500℃の範囲まで急冷される。冷却された排ガスは煤塵除去装置等の集塵装置3で煤などの微粒子を含む固形物を濾過・除去されて煙突5から大気中に放出され、灰ピット4には集塵装置で濾過されて残った排ガスのダイオキシン類を含んだ飛灰が蓄積される。
なお、Pは必要に応じて設けられる吸着剤吹込み装置で、冷却装置2で250℃〜500℃に冷却された排ガス中に、ダイオキシンを吸着させる目的で活性炭や消石灰の粉末を吹き込むものであるが、期待されるほどの効果は認められないばかりか、灰ピット4内に蓄積されるダイオキシン類を含んだ飛灰の量は途中で吹き込んだ活性炭や消石灰により増量される。更に燃焼炉1内において、塩化ビニル樹脂製品、即ち塩素含有樹脂中にカルシウムと鉄の複合酸化物を分散させて燃焼時に効率的に塩化水素を補足する方法や(例えば、特許文献1参照)、塩化ビニル樹脂に酸化チタン粉末を含有させて熱分解時の塩素ガスや塩化水素の発生量を減少させた難燃性塩化ビニル樹脂成形体も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−286573号公報(段落0028) 特開平11−323051号公報(段落0008)
しかしながら、前述の特許文献1には記載の塩化ビニル樹脂製品中にカルシウムと鉄の複合酸化物を分散させて燃焼時に効率的に塩化水素を補足する方法が、特許文献2には記載の塩化ビニル樹脂に酸化チタン粉末を含有させて熱分解時の塩素ガスや塩化水素の発生量を減少させることが開示されているが、これらの文献に記載の技術はあらかじめ塩素含有樹脂中にカルシウムと鉄の複合酸化物や酸化チタンを混合することにより塩素ガスや塩化水素の発生を抑制するものであり、発生したダイオキシン類を除去するものではないばかりか煤塵の増量、煤塵中のダイオキシン類の処理費の増大、バグフィルターの閉塞などの技術的かつ経済的な問題も生じる点で好ましいものではない。
このような中で、本発明者は、高価な設備を用いることなく通常自治体等に設置されている焼却炉が使用でき、かつ廃棄物を焼却する際、発生するダイオキシン類を抑制する方法を種々研究した結果、設備に多大な費用をかけてすでに発生したダイオキシン類を除去する焼却炉を構築する等の対策を講じるよりも、事前に排ガス中に含まれるダイオキシン類生成原因物質、例えば塩化水素を固定除去することでダイオキシン類の生成を抑制することができる添加剤(以下、ダイオキシン類生成抑制剤という。)を開発するに至った
そこで、本発明の課題は、廃棄物を焼却する際、発生する排ガス中に含まれるダイオキシン類生成原因物質を固定除去することができ、未燃有機化合物と結合してダイオキシン類が形成されるのを防止するダイオキシン類生成抑制剤を提供することにある。
問題を解決するための手段
本発明の前記課題はカンラン岩に酸化マグネシウムや硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物を含む化合物を組み合わせた混合物からなることを特徴とするダイオキシン類生成抑制剤であって、そのダイオキシン類生成抑制剤の成分割合は、基本的にはカンラン岩100質量部に対してマグネシウム化合物は5質量部〜80質量部、カルシウム化合物は0質量部〜20質量部が適用されるが、好ましくは、実際の廃物焼却に際しては、廃棄物の種類や塩化物の含有量又は焼却炉の相違により、焼却処理工程中に使用量や混合の比率は必要に応じて調整して使用することが推奨される。
発明の効果
本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、カンラン岩と、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物を含む混合物からなることにより、廃棄物を焼却する際、発生する排ガス中に含まれるダイオキシン類生成原因物質を固定除去することができ、未燃有機化合物と結合してダイオキシン類が形成されるのを防止することができるばかりでなく塩化水素が固定除去されるので、炉内の酸性腐食を低減することができ、焼却炉が長寿命化するという格別優れた効果を奏するものである。そのうえ、既存の焼却炉設備を用いることができるので、改めて設備に多大な費用をかけてすでに発生したダイオキシン類を除去する焼却炉を構築する必要がないので、経済的であるという優れた効果を奏するものである。更に、既存の焼却炉設備を用いる場合、既存のどのような焼却炉でも使用が可能である。大幅な改造・追加設備を構築するのが困難な焼却炉にはとりわけ効果的である。燃焼処理前では、廃棄物に混ぜて焼却するだけであるので、取扱いが極めて簡単である。煤塵が少なく高度な集塵装置が必要ない、などの優れた効果を奏するものである。なお、本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、副次的効果として、(1)炉内の燃焼温度を上昇させる効果があり、その結果として燃焼効率を向上させると共にダイオキシン類の生成を更に抑制する。(2)本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、ダイオキシン類の前駆体に対して酸化分解を促進する、いわゆる触媒機能を有するものである。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、カンラン岩とマグネシウム化合物、又はカルシウム化合物を含んでいるので、塩化水素は、カンラン岩中のマグネシウム化合物やカルシウム化合物と反応して無機性塩化物が生成されてダイオキシン類が形成されるのを防止するという格別優れた効果を奏するものである。そのうえ、既存の焼却炉設備を用いることができ、改めて設備に多大な費用をかけてすでに発生したダイオキシン類を除去する焼却炉を構築する必要がないので、経済的であるという優れた効果を奏するものである。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、廃棄物焼却炉に廃棄物を投入する前後を問わず、燃焼温度200℃以上800℃未満でもダイオキシン類生成抑制剤を添加することにより、燃焼処理する際に発生するダイオキシン類を未然に防止することができるという優れた効果を奏するものである。更にこれにより排ガス中のダイオキシン類は勿論のこと、煤塵、燃え殻中に存在するダイオキシン類をも大幅に軽減することができるという優れた効果を奏するものである。更に詳しくは、排ガス中に含まれる塩化水素をダイオキシン類生成抑制剤が吸収除去するので、図2に示されるような従来の冷却装置2や吸着剤吹き込み装置Pのような高度のダイオキシン類除去装置の使用を省略することもできるのである。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤を用いた産業廃棄物焼却設備の説明用図である。 従来の産業廃棄物焼却設備の説明図である。
以下、本発明のダイオキシン類生成抑制剤及びこれを用いた廃棄物の焼却処理について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
ここで、本願明細書において用いられる「マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物」の意味は、「及び」は、マグネシウム化合物とカルシウム化合物の2種類を同時に用いる場合、また「又は」マグネシウム化合物とカルシウム化合物は、それぞれ単独に用いられる場合をいう。したがって、「及び/又は」は、これらの両方を含む意味に用いている。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、カンラン岩と、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物を含む混合物からなることを特徴とするもので、通常、カンラン岩を主成分とし、これにマグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物を含む混合物である。本発明に用いられるカンラン岩には、未焼成カンラン岩や焼成カンラン岩が主成分として用いられる。未焼成カンラン岩の成分分析値(質量%)は、P 0.26%、CaO 2.9%、MgO 34%、KO 0.017%、CaCO 5.2%、MgCO 84%であり、焼成カンラン岩の成分分析値(質量%)は、P 0.26%、CaO 2.8%、MgO 36%、KO 0.014%、CaCO 5.1%、MgCO 90%であり、焼成カンラン岩の方がMgOの量が多い点で好ましい。焼成カンラン岩は、カンラン岩を300℃〜900℃の範囲で1時間乃至5時間焼成して製造されるが、本発明においては、300℃〜500℃の範囲で3時間乃至4時間焼成したカンラン岩を用いることが好ましい。しかしながら、焼成カンラン岩は焼成するための燃料がかかるので、経済性を考慮すれば未燃焼カンラン岩が好ましい。
本発明に用いられるマグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムが挙げられるが、酸化マグネシウムは、特に限定されるのではないが、未焼成カンラン岩と組み合わせて用いる場合には、海水から採取した酸化マグネシウムを用いることが好ましく、これはカンラン岩が未焼成であるためと酸化マグネシウムを海水から採取しているので、COの排出がない点で環境上好ましい。また硫酸マグネシウムとしては、特に限定されるのではなく、通常、工業用のものが用いられる。更にカルシウム化合物は、石灰石が主成分であり、特に限定されるものではないが、石灰石を用途に応じた粒度に粉砕したものを用いる。本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、カンラン岩、酸化マグネシウム又は/及び硫酸マグネシウム及びカルシウム化合物をそれぞれ粉末にして混合物とし、このまま粉末の形態、ペレット又はグレインの形態として用いられる。これらの形態の混合成分は、カンラン岩として、焼成カンラン岩又は未焼成カンラン岩が用いられる。具体的には、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と硫酸マグネシウムの混合物からなるダイオキシン類生成抑制剤、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と酸化マグネシウムと硫酸マグネシウムからなる混合物のダイオキシン類生成抑制剤、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と海水から採取した酸化マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と炭酸カルシウムと硫酸マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と炭酸カルシウムと海水から採取した酸化マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と炭酸カルシウムと酸化マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と硫酸マグネシウムと海水から採取した酸化マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と炭酸カルシウムと海水から採取した酸化マグネシウムからなる混合物、未焼成カンラン岩又は焼成カンラン岩と炭酸カルシウムの混合物のダイオキシン類生成抑制剤が挙げられる。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤の成分割合は、カンラン岩100質量部に対してマグネシウム化合物は5質量部〜80質量部であり、カルシウム化合物は0質量部〜20質量部である。即ち、本発明において、カンラン岩100質量部に対してマグネシウム化合物の割合は、特に限定されるものではないが、カンラン岩に対してマグネシウム化合物の量が少ないと、本発明の効果が十分でなく、また多すぎても経済的に不利であるので、5質量部〜80質量部。好ましくは5質量部〜50質量部であり、更に好ましくは5質量部〜30質量部である。また酸化マグネシウムとして、特に限定されないが、環境上、海水から採取した酸化マグネシウムが好ましい。海水から採取した酸化マグネシウムを使用する場合の割合も通常用いられる酸化マグネシウムを使用する場合と同じ又は同様である。またダイオキシン類生成抑制剤の成分割合のうち、カンラン岩及びマグネシウム化合物に対する残部はカルシウム化合物であるが、使用割合は0質量部〜20質量部であり、好ましくは0質量部〜10質量部である。本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、ダイオキシン類生成原因物質を固定除去することにより、ダイオキシン類の生成を防止するものである。このダイオキシン類生成原因物質としては、廃棄物中に有機塩素含有化合物、特に塩化ビニル樹脂製品等が含まれていることが多く、このような廃棄物を焼却すると、塩化水素が発生し、この塩化水素とダイオキシン類前駆体、例えばベンゼン、フェノール等と反応してダイオキシン類が生成される。そのため本発明では、ダイオキシン類生成抑制剤で生成した塩化水素を固定除去することによりダイオキシン類の生成を防止するものである。ここで、ダイオキシン類生成抑制剤は、粉体、ペレット又はグレインなどの形態で用いられる。また粉体は、例えば0.07mm前後がよく、ペレットは5mm〜10mm及びグレインは平均5mm前後がよい。またダイオキシン類生成抑制剤の添加方法としては、投入、吹込み等の方法があるが、粒子の大きさからみればいずれでもよい。
本願実施例では、海水から採取した酸化マグネシウムは、宇部マテリアル株式会社製のものを使用した。またカンラン岩は、岩手県遠野市で採取したものを使用した。このカンラン岩の組成は、以下のとおりである。
(1)未焼成カンラン岩
リン酸全量(P) 0.26 質量%
石灰全量(CaO) 2.8 質量%
マグネシウム全量(MgO) 36 質量%
カリ全量(KO) 0.014 質量%
炭酸カルシウム(CaCO) 5.1 質量%
炭酸マグネシウム(MgCO) 90 質量%
pH 9.3(20℃)
(2)焼成カンラン岩
カンラン岩を温度300℃で3時間焼成した。
リン酸全量(P) 0.26 質量%
石灰全量(CaO) 2.9 質量%
マグネシウム全量(MgO) 44 質量%
カリ全量(KO) 0.017 質量%
炭酸カルシウム(CaCO) 5.2 質量%
炭酸マグネシウム(MgCO) 84 質量%
全体が100質量部となるように、未焼成カンラン岩90質量部と海水から採取した酸化マグネシウム10質量部を混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤1を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は70%〜80%であった。またダイオキシン類生成抑制剤1を5mmのペレット、グレイン平均5mmに加工して炉内へ投入したところ、なんら遜色なく使用することができ、かつそれらの効果も粉末に比べて劣ることはなかった。
ダイオキシン類生成抑制剤として、実施例1で用いた酸化マグネシウムを10質量%に代えて20質量%のものを製造してダイオキシン類生成抑制剤2を製造した以外は、実施例1と同様に焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤2を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤2は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、ダイオキシン類の抑制率は70%以上であった。
全体が100質量部となるように、焼成カンラン岩90質量部と海水から採取した酸化マグネシウム10質量部を混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤3を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤3を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤3は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は80%前後であった。
海水から採取した酸化マグネシウムに代えて軽焼マグネサイト(酸化マグネシウム)を使用した以外は、実施例3と同様にしてダイオキシン類生成抑制剤4を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤4を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤4は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。
全体が100質量部となるように、未焼成カンラン岩60質量部と海水から採取した酸化マグネシウム40質量部及びを混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤5を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤5を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤5は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は80%以上であった。しかし酸化マグネシウムは高価であり、これが多くなると製剤的に不利となる。
実施例1で使用した未焼成カンラン岩70質量部と海水から採取した酸化マグネシウム30質量部とを混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤6を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤6を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤6は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。
実施例1で使用した未焼成カンラン岩70質量部に海水から採取した酸化マグネシウム20質量部及び炭酸カルシウム10質量部を混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤7を製造した。この抑制剤7を10mmのペレットにして焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤6を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤6は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。またダイオキシン類生成抑制剤7をグレインとして使用しても同様の効果を得た。
実施例7で使用した酸化マグネシウムに代えて硫酸マグネシウムを使用した以外は、実施例7と同様にして、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤8を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤8を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤8は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。
実施例7で使用した海水から採取した酸化マグネシウムに代えて硫酸マグネシウムを使用した以外は、実施例7と同様にして、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤9を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤9を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤9は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。
実施例3で得られた焼成カンラン岩70質量部と炭酸カルシウム10質量部と硫酸マグネシウム10質量部と海水から採取した酸化マグネシウム10質量部をを混合し、粉末状のダイオキシン類生成抑制剤10を製造した。焼却炉で燃焼中の廃棄物に導入管を通して該ダイオキシン類生成抑制剤10を吹き込んだ。該ダイオキシン類生成抑制剤10は炉内で発生した塩化水素を吸収すると共に固定除去した。その結果、排気ガス中に存在するダイオキシン類の抑制率は良好であった。
以下、本発明のダイオキシン類生成抑制剤を用いた廃棄物の焼却処理方法の例について、図に基づいて説明する。図1において、Aは本発明の廃棄物焼却設備を示している。1は焼却炉で、既設の焼却炉がそのまま使用できる。Gは本発明のダイオキシン類生成抑制剤添加装置で、Rは燃焼炉1内の廃棄物Rが燃焼している状態を示すイメージ図である。5は排ガス用の煙突を示している。
先ず、焼却炉1に前記ダイオキシン類生成の原因物質を含む廃棄物を投入した後、ダイオキシン類生成抑制剤添加装置Gにより、実施例1で製造したダイオキシン類生成抑制剤1の粉末を吹き込んだ。燃焼炉温度は700℃前後に制御した。廃棄物の燃焼中に発生した塩化水素は、ダイオキシン類生成抑制剤20と反応して固定化され、ダイオキシン類の発生は殆どなかった。抑制率は70%〜82%の範囲であった。以下に、排ガス中、煤塵、燃え殻中の各ダイオキシン類抑制効果を表1〜表3に示す。なお、表1〜表3において、単位は、ng−TEQ/mNである。
Figure 0006606828
表1から明らかなように、排ガスにおいて、本発明のダイオキシン類生成抑制剤の使用前の値は、岐阜県A社、岐阜県B社及び静岡県C社でそれぞれ8.3、4.5及び1.4であるのに対してダイオキシン類生成抑制剤の使用後の焼却炉においては、それぞれ2.1、0.84及び0.42とダイオキシン類の発生は抑制されている。これらの抑制率は、それぞれ74.4%、81.3%及び70.0%であり、極めて高い抑制率を示している。
Figure 0006606828
表2から明らかなように、煤塵において、本発明のダイオキシン類生成抑制剤の使用前の値は、岐阜県A社、岐阜県B社及び静岡県C社でそれぞれ未計測、0.02及び1.1であるのに対してダイオキシン類生成抑制剤の使用後の焼却炉においては、それぞれ2.7、定量下限未満及び0.56である。これらの抑制率は、静岡県C社で49.1%であり、極めて高い抑制率を示している。
Figure 0006606828
表3から明らかなように、燃え殻中のダイオキシン類について、本発明のダイオキシン類生成抑制剤の使用前の値は、岐阜県A社、岐阜県B社及び静岡県C社でそれぞれ未計測、0.04及び0.0069であるのに対してダイオキシン類生成抑制剤の使用後の焼却炉においては、それぞれ<0.02、0.02及び0.00028とダイオキシン類の発生は抑制されている。これらの抑制率は、岐阜県B社、静岡県C社それぞれ50.0%、95.9%であり、極めて高い抑制率を示している。
本発明のダイオキシン類生成抑制剤は、既設の焼却炉で、燃焼中に発生するダイオキシン類を十分抑制することができるので、既設の焼却炉を改修す必要がなく、したがって、事前に冷却装置や活性炭・消石灰サイロ等を設けてダイオキシン生成原因物質を除去する必要がないので、設備に多大な費用をかけてダイオキシン類を除去する必要がないという産業上極めて有用なダイオキシン類生成抑制剤である。
1 焼却炉 B 従来の産業廃棄物焼却設備
2 冷装置 G ダイオキシン類生成抑制剤添加装置
3 集塵装置 P 吸収剤吹き込み装置
4 灰ピット R 廃棄物
A 本発明の産業廃棄物焼却設備
B 従来の産業廃棄物焼却設備

Claims (1)

  1. カンラン岩と硫酸マグネシウムを含む混合物からなることを特徴とするダイオキシン類生成抑制剤。
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