JP2000005727A - 廃棄物の焼却残渣の溶融方法 - Google Patents

廃棄物の焼却残渣の溶融方法

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JP2000005727A
JP2000005727A JP10178703A JP17870398A JP2000005727A JP 2000005727 A JP2000005727 A JP 2000005727A JP 10178703 A JP10178703 A JP 10178703A JP 17870398 A JP17870398 A JP 17870398A JP 2000005727 A JP2000005727 A JP 2000005727A
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Japan
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residue
incineration
waste
molten slag
magnesium
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JP10178703A
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Katsuyuki Mukai
克之 向井
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Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属類がほとんど溶出しない溶融スラグを
発生する廃棄物の焼却残渣の溶融方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物の焼却残渣を溶融固化処理するに
際し、焼却残渣のホウ素の含有量が酸化物換算で5〜2
0重量%、マグネシウムの含有量が酸化物換算で5〜2
0重量%となるように調整した後、溶融固化処理するこ
とを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を焼却する
際に発生する焼却灰及び飛灰などの焼却残渣の溶融方法
に関するものであり、さらに詳しくは、発生した溶融ス
ラグから有害重金属類がほとんど溶出しない廃棄物の焼
却残渣の溶融方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我が国において廃棄物の処理は、埋立処
分場の確保が困難であるという事情から、焼却処理が一
般的に採用され、廃棄物を焼却により減容させた後に埋
立処分が行われている。また、地球規模での環境問題へ
の取り組みの高まりから、リサイクル方法の一つとし
て、廃棄物を燃焼し、発生したエネルギーを回収するサ
ーマルリサイクルが行われるようになってきている。廃
棄物を焼却処理することにより、廃棄物中の可燃分はガ
ス化し、不燃分すなわち灰分が残渣として排出される。
これらの残渣中には、有害な重金属類やダイオキシン類
が含まれているため、残渣をそのまま埋立処分すると、
有害物質が溶出するという問題がある。そこで、これら
の問題点を解決し、さらに、残渣を減量化する方法とし
て、残渣を溶融固化処理して溶融スラグとする方法が提
案されている。さらに、発生した溶融スラグを路盤材、
コンクリート用骨材、埋め戻し材、コンクリート二次製
品等に再利用することが提案されており、すでに路盤材
などに利用し始めている地域もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融固
化処理によりダイオキシン類は分解するものの、重金属
類はそのまま溶融スラグに含まれているため、できた溶
融スラグを用いた2次製品から有害物質が溶出してくる
可能性があり、溶融スラグから有害物質の溶出を完全に
抑制する必要がある。さらに、平成10年4月には、溶
融スラグの再利用に関する指針値が自治体に対し通達さ
れ、鉛を含む有害物質の溶出が規制され始めた。
【0004】廃棄物の焼却残渣を高温溶融固化する際に
添加する溶融助剤としては、特開昭61−238387
号公報や特開平4−321539号公報には、塩基度や
ナトリウムが、その含有量を調整することにより溶融ス
ラグの溶流点を低下し、溶融固化に必要なエネルギーを
低減させることができることや、特公昭61−1593
4号公報や特開平8−89923号公報には、ケイ素源
や金属が、スラグ層やメタル層から特定元素を減少させ
ることができることなどが提案されているが、これらの
溶融助剤はいずれも、溶融スラグからの有害物質の溶出
を抑制することを目的とするものではなかった。本発明
は、発生する溶融スラグから重金属類がほとんど溶出し
ない廃棄物の焼却残渣の溶融方法を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために鋭意検討の結果、ホウ素及びマグ
ネシウム含有物を廃棄物の焼却残渣に添加して溶融固化
処理することにより、発生した溶融スラグから重金属類
がほとんど溶出しないということを見いだし、本発明に
到達した。
【0006】すなわち、本発明は廃棄物の焼却残渣を溶
融固化処理するに際し、焼却残渣のホウ素の含有量が酸
化物換算で5〜20重量%、マグネシウムの含有量が酸
化物換算で5〜20重量%となるように調整した後、溶
融固化処理することを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶
融方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における廃棄物の焼却残渣とは、一般廃棄物、産
業廃棄物、下水汚泥などを焼却して生じる焼却灰及び排
ガスから集塵機などで収集した飛灰など、焼却工程で生
じるガス以外の成分すべてである。また、ガス化溶融炉
や直接溶融炉のように、焼却工程における焼却残渣を一
旦取り出さないで溶融固化する場合にも適用することが
可能である。
【0008】本発明においては、まず、このような焼却
残渣のホウ素とマグネシウムの含有量を調整する。調整
方法としては、溶融固化処理しようとする焼却残渣中に
含まれるホウ素、マグネシウム量を測定し、その値に応
じて不足分のホウ素、マグネシウム含有物を焼却残渣に
添加すればよい。焼却残渣中のホウ素及びマグネシウム
量の測定は、焼却残渣に酸又はアルカリを添加して完全
に溶解した後、原子吸光分析又はICP発光分析によっ
ても行うことができるが、測定の簡易さ及び分析時間の
短縮の点で、蛍光X線分析装置を用いて定量分析すれば
よい。
【0009】また、焼却する前の廃棄物から、焼却後の
焼却残渣に含まれるホウ素及びマグネシウムの量を推定
することができるので、この推定値に応じて不足分のホ
ウ素、マグネジウム含有物を添加してもよい。特に、ガ
ス化溶融炉や直接溶融炉などのように焼却残渣を一旦取
り出すことのないような場合には、この方法で添加すれ
ばよい。この場合、ホウ素、マグネシウム含有物は焼却
残渣に添加してもよいし、焼却前の廃棄物に添加してお
いてもよい。また、廃棄物の焼却の際に有害ガス除去用
に添加する消石灰などの代わりに酸化マグネシウムを噴
霧した焼却残渣を用いてもよい。
【0010】ホウ素含有物の添加量としては、焼却残渣
におけるホウ素の含有量が、酸化物換算で全重量の5〜
20重量%となるように添加することが必要であり、特
に10〜15重量%となるように添加することが好まし
い。また、マグネシウム含有物の添加量としては、焼却
残渣におけるマグネシウムの含有量が、酸化物換算で全
重量の5〜20重量%となるように添加することが必要
であり、特に5〜10重量%となるように添加すること
が好ましい。これらの含有量が範囲以下では、重金属類
の溶出抑制効果が少なくなる。また、範囲以上であって
も添加量が増加するのみで著しい効果は得られないため
好ましくない。
【0011】添加するホウ素含有物、マグネシウム含有
物としては、各成分を含有する化合物であれば、すべて
のものを使用することができる。例えば、ホウ素含有物
としては、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸塩鉱物などが、マグ
ネシウム含有物としては、酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、かんらん岩、蛇紋岩などの岩石類などを用い
ることができる。
【0012】焼却残渣の溶融固化方法としては、重油、
灯油、ガス、コークスなどの補助燃料を用いて溶融する
方法、アーク式、プラズマ式、電気抵抗式、低周波誘導
式などのような電気を熱源とした溶融方法及び熱分解溶
融やコークスベッド方式のような直接溶融方法などがあ
げられる。
【0013】このような処理によって発生する溶融スラ
グにおいては、ホウ素とマグネシウムによりネットワー
クが強化されているため、溶融スラグ中に閉じ込められ
た重金属類はほとんど溶出しない。このため、「土壌の
汚染に係る環境基準について」(平成3年環境庁告示第
46号)に定める方法により溶出試験を行った場合の溶
融スラグからの各重金属類の溶出濃度を以下の表1に示
す値以下にすることができる。
【0014】
【表1】
【0015】このように、本発明の方法によって発生す
る溶融スラグからは重金属類、特に溶融スラグからの溶
出の可能性が高い鉛の溶出がほとんどないため、様々な
用途への再利用が可能である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0017】実施例1 表2に示す組成を有するストーカ式焼却場から発生した
焼却灰と飛灰を混合した焼却残渣(PbOを焼却残渣に
対し0.3重量%添加し、Pb含有量を増加してあ
る。)250gに対し、無水ホウ酸25g、酸化マグネ
シウム25gを添加、混合した(調整した焼却灰のホウ
素含有量は酸化物換算で11.3重量%、マグネシウム
含有量は酸化物換算9.3重量%)。小型電気炉にるつ
ぼを入れ、昇温して1350℃に保持し、調製した焼却
灰を投入して、30分間溶融して溶融スラグを得た。こ
の溶融スラグを水10リットルに注ぎ入れ、水砕スラグ
とした。この水砕スラグを105℃で24時間乾燥した
後、粉砕した。この溶融スラグからの鉛の溶出量を環境
庁告示46号法に基づいて測定した。その結果、溶融ス
ラグ中には1.7mg/gの鉛が含まれていたが、溶出
試験による鉛の溶出量は検出限界以下(<0.005m
g/l)であった。
【0018】
【表2】
【0019】比較例1 無水ホウ酸及び酸化マグネシウムを添加しないで行った
以外は、実施例1と同様にして、溶融スラグを作製し、
この溶融スラグからの鉛の溶出試験を行った結果、溶出
液には0.025mg/lの鉛の溶出が認められた。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、焼却残渣を溶融固化処
理して発生する溶融スラグから重金属類がほとんど溶出
しないため、発生する溶融スラグの再利用が可能とな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物の焼却残渣を溶融固化処理するに
    際し、焼却残渣のホウ素の含有量が酸化物換算で5〜2
    0重量%で、かつ、マグネシウムの含有量が酸化物換算
    で5〜20重量%となるように調整した後、溶融固化処
    理することを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融方法。
JP10178703A 1998-06-25 1998-06-25 廃棄物の焼却残渣の溶融方法 Pending JP2000005727A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016125046A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 株式会社ガイアテクノロジー ダイオキシン類生成抑制剤及びそれを用いた廃棄物の焼却処理方法。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016125046A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 株式会社ガイアテクノロジー ダイオキシン類生成抑制剤及びそれを用いた廃棄物の焼却処理方法。

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