JP3385049B2 - 廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法 - Google Patents
廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法Info
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Description
燃焼させて各種スラジや塵を焼却する廃棄物処理溶融炉
による廃棄物の燃焼時に、この溶融炉内に投下される石
灰石または砕石の安価な代替え物として、各種製錬工程
で発生したスラグを活用する方法に関する。
スを燃焼させて各種スラジや塵を燃焼溶融させ、廃棄物
量の減少と無害化処理を行い、熱エネルギーを回収して
いる。この燃焼および溶融に際しては、多量のNOX 、
SOX 、CO2 を含有する排ガスが発生する。この排ガ
スによる大気汚染を防止するため、通常、廃棄物処理溶
融炉に石灰石、珪酸塩系砕石などの脱硫剤や塩基度調整
剤を投入し、排ガス中のSOX を除去すると共に、NO
X の抑制を図っている。一方、各種精錬工程、特に銑鋼
プロセスにおいて発生するスラグ(以下、精錬スラグと
いう)は、精錬スラグに風化膨張特性を与えるフリーC
aOを多量に含んでいる。
溶融炉は、燃焼排ガス対策および溶解スラグの安定化を
図るために石灰石および砕石を使用しているが、排ガス
対策として使用する炭酸カルシウム(CaCO3 )は燃
焼により分解して生石灰(CaO)になり、脱SOx お
よびNOx の抑制効果を進めるが、この際に多量の分解
CO2 ガスが発生する。また、この石灰石の分解反応に
多量のエネルギーが必要なことと、石灰石、砕石などの
スラグ生成に多量のエネルギーが必要になり、石炭、コ
ークスなどの各種燃料の使用量が増大し、ひいては排ガ
ス量を増大させるという問題があり、一般に排ガス量を
増加させると、そのばい塵対策としての集塵装置などの
排ガス設備費の増大を招くことになる。さらに、CO2
ガス発生量は、地球温暖化対策上、最小に留めなければ
ならず、将来、規制対象となることも予想される。一
方、製錬スラグは多量のCaOを含んでおり、特に高塩
基度のスラグ中には多くのフリーCaOの形で存在して
いるため、このフリーCaOの影響で製錬スラグは風化
膨張特性を有し、路盤材などへの有効利用の妨げになっ
ている。このため、一部の製錬スラグは3〜6ケ月の強
制エージング、自然エージングを行い、路盤材として有
効利用しているものの、大半は埋め立て地などに廃棄さ
れているのが実情である。
もので、排ガス中のSOx の除去、NOx の抑制機能お
よび溶出するスラグの成分的な安定機能を維持でき、ま
た石灰石の加熱分解により発生するCO2 を減少させて
排ガス中に含まれるCO2 量を削減でき、しかもこの分
解熱を得るための燃料が不要になるので石炭またはコー
クスの総使用量を削減でき、さらに燃焼により発生する
溶融スラグの生成エネルギー中の滓化エネルギーを削減
でき、さらにまた石炭またはコークスの使用量ひいては
CO2 の発生量を削減でき、また排ガス処理設備の設備
コストを大幅に削減でき、しかも製錬スラグの埋め立て
などに支払われる廃棄処理費を削減できる廃棄物処理溶
融炉への各種製鋼スラグの活用方法を提供することを目
的とする。
係る廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法
は、廃棄物を処理するために廃棄物処理溶融炉内に塊状
の石炭またはコークスなどの各種燃料を燃焼させるにあ
たり、前記廃棄物処理溶融炉内に各種銑鋼プロセスなど
で発生したスラグを、石灰石や砕石の一部または全部の
代用として添加して、廃棄物処理溶融炉の排ガス中のS
OX 、NOX の低減効果を維持し、更にCO2 の含有量
を低下させ、しかも廃棄物中に含まれる微量金属を溶融
スラグ中に固定させると共に、塩基度の低い安定した組
成のスラグに生成して再資源化する構成としている。な
お、必要により石灰石、珪酸塩系砕石を加えてもよい。
前記石灰石の代替スラグとして、例えば溶銑処理スラ
グ、転炉スラグ、電気炉スラグなどが採用でき、銑鋼プ
ロセスのスラグ性状は、主にFe系酸化物、SiO2 、
CaO、MnO、MgO、P2 O5 、S、Al2 O3 、
TiO2 などにより構成され、SiO2 分のCaOの重
量比を示すC/Sが3.5以上の高塩基度スラグは、フ
リーCaOが多いことから排ガスの脱硫効果が大きく、
しかも石灰石の全部を代用することが可能であるので熱
効率上、効果は大きい。しかし、低塩基度スラグを用い
ると、脱硫能力が低下することから、逆にスラグ量を増
加させて効果は小さくなる。また、銑鋼プロセスにおい
て、塩基度6.0以上のスラグは不活性になるため、一
般的には生成することはない。従って、塩基度3.5〜
6.0からの精錬スラグを代替することが望ましい。
ラグの活用方法においては、廃棄物処理溶融炉において
使用される石灰石および砕石の一部または全部を精錬ス
ラグに代替することにより、本来の機能である排ガスの
SOX の除去、NOX の抑制の機能および溶出するスラ
グの成分的な安定機能を維持すると共に、フリーCaO
が作用するので石灰石(CaCO3 )の分解時に発生す
るCO2 や、同分解熱に必要な燃料および燃焼CaOの
削減が図れる。しかも、精錬スラグを活用することによ
り、燃焼により発生する溶融スラグの生成エネルギーの
中に含まれる滓化エネルギーを削減でき、石炭またはコ
ークスの使用量、ひいてはCO2 の発生量を削減でき
る。さらに、排ガスの主成分は、CO、CO2 である
が、この発生量を前述した効果により抑制することによ
り、排ガス処理設備などを大幅に削減できる。一方、精
錬スラグは、この燃焼によりスラグ中に多量に含まれる
CaO量が低減するので、エージングなどの処理により
有効利用される精錬スラグの割合を増加させて、埋め立
て処理などによる廃棄物処理費を削減できる。なお、必
要により塩基度が低い場合には石灰石を加え、塩基度が
高い場合には流動性が悪いので珪酸塩系砕石を加えて塩
基度を調整することもできる。
明し、本発明の理解に供する。 (実施例1) 従来使用されているダストAを焼却するコークス燃焼方
式の廃棄物処理溶融炉中に、CaO=68%、SiO2
=12%、Al2 O3 =3.0%の溶銑処理スラグ(C
/S=5.7)を、石灰石の全部と代替えして添加した
ところ、実施例1と従来手段との操業実績の差異を示す
表1から明らかなように、従来手段の石灰石の使用量に
対して15%削減した量で現在の環境水準をクリアする
同等の脱硫効果を得ることができた。しかも、この少な
い分量でありながら排ガス量は5〜15%削減され、さ
らに石灰石と共に溶融炉内に添加される砕石の使用量も
30%削減できた。また、溶融生成する二次スラグの発
生量も約10〜15%削減できた。さらに、コークスの
使用量も2%ながら削減している。また、溶融生成され
たスラグ中の重金属を長期間水中に入れて溶出試験を行
ったが、溶融スラグの溶出試験を示す表2から分かるよ
うに重金属の溶出はなく、表3に示す一般的な溶銑処理
スラグのものから、本発明の実施例の溶融スラグの成分
を示す表4に記載されたような安定した組成のスラグに
なった。
廃棄物処理溶融炉中に、CaO=54%、SiO2 =1
4%、T.Fe=13%の転炉スラグ(C/S=3.
8)を、実施例1と同様に石灰石の全部と代替えして添
加したところ、実施例2と従来手段との操業実績の差異
を示す表5から明らかなように、このスラグの使用量は
石灰石の使用量に対して20%増加したものの、排ガス
量は5〜10%削減され、さらに砕石は大幅に70%削
減できた。また、石炭の使用量も3%ながら削減でき
た。溶融生成されたスラグは、実施例1と同様に表2に
示すように重金属の溶出はなく、スラグ成分も表3に示
す一般的な転炉スラグのものから表4に示す安定した組
成のものになった。
灰石を加え、塩基度が高い場合には流動性が悪いので珪
酸塩系砕石を加えて塩基度を調整することもできる。
製鋼スラグの活用方法は、このように燃焼溶融処理時に
使用される石灰石または砕石の代替え物として各種製錬
工程で発生したスラグを活用するようにしたので、排ガ
ス中のSOx の除去、NOx の抑制機能および溶融生成
されたスラグの成分的な安定機能を維持できる。また、
従来のように石灰石の加熱分解により発生するCO2 は
減少し、排ガス中に含まれるCO2 量を削減でき、しか
もこの分解熱を得るための燃料が不要になったり、さら
に燃焼により発生する溶融スラグの生成エネルギー中の
滓化エネルギーが減少し、石炭やコークスなどの各種燃
料の総使用量が削減できる。しかも、排ガス量が減少す
ることにより、排ガス処理設備のコスト削減、精錬スラ
グの埋め立てへの廃棄処理費も不要になり、廃棄物処理
により溶融されたスラグは資源として再利用することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 廃棄物処理溶融炉に各種産業廃棄物と共
に石炭またはコークスなどの各種燃料を投入して、これ
らを燃焼させるにあたり、前記廃棄物処理溶融炉に各種
精錬工程や銑鋼プロセスで発生する塩基度3.5以上の
スラグを投入し、該廃棄物処理溶融炉の排ガス中のNO
X 、SOX の低減を図ると共に、前記産業廃棄物中の重
金属をスラグに固定させ、安定した組成スラグにして資
源化することを特徴とする廃棄物処理溶融炉への各種製
鋼スラグの活用方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の廃棄物処理溶融炉への各
種製鋼スラグの活用方法において、前記廃棄物処理溶融
炉に、前記スラグの他に、更に石灰石または珪酸塩系砕
石を投入することを特徴とする廃棄物処理溶融炉への各
種製鋼スラグの活用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31601092A JP3385049B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31601092A JP3385049B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145735A JPH06145735A (ja) | 1994-05-27 |
JP3385049B2 true JP3385049B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=18072247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31601092A Expired - Lifetime JP3385049B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 廃棄物処理溶融炉への各種製鋼スラグの活用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3385049B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP31601092A patent/JP3385049B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06145735A (ja) | 1994-05-27 |
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