JPWO2011121965A1 - 歯科用接着材料キット - Google Patents

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Abstract

本発明は、接着耐久性に優れた歯科用接着材料キットを提供する。本発明は、歯科用水系接着性組成物(A)と分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)とを含む歯科用接着材料キットであって、前記歯科用水系接着性組成物(A)は、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、水(c)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d1)を含有し、前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)は、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)、有機過酸化物(g)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)を含有する歯科用接着材料キットである。

Description

本発明は、歯科用接着材料キットに関する。詳しくは、水系接着性組成物と非水系硬化性組成物を組み合わせた、水分を含有する被着体に対して高い接着耐久性を示す歯科用接着材料キットに関する。
湿潤体、例えば、歯牙、骨等の生体硬組織の修復治療のために、接着材料が使用されている。湿潤体に使用する接着材料としては、ラジカル重合性単量体、重合開始剤などを含むレジン系の硬化性組成物が汎用されている。
レジン系の硬化性組成物については、湿潤体、特に生体硬組織に対する接着性を高めるべく、大別すると、従来、2種の提案がなされている。すなわち、接着対象である歯牙、骨等の基質との化学的・物理的相互作用を高めることを意図した酸性基を含有するラジカル重合性単量体に関する提案、及び、酸性基を含有するラジカル重合性単量体を含有する硬化性組成物を生体硬組織上で効率的に重合硬化させることを意図した重合開始剤に関する提案である。
これらのレジン系の硬化性組成物による歯科用接着剤として、近年においては、歯質の表面に、酸性基含有重合性単量体と親水性重合性単量体とを含有するセルフエッチングプライマーを塗布した後、ボンディング材を塗布する、いわゆるセルフエッチング型の接着剤が汎用されている。また、最近では、セルフエッチングプライマーとボンディング材の機能を合わせた光硬化性の1液型の歯科用接着剤が実用化されている。
ここで、歯科用接着剤が歯質、特に象牙質に対して十分な接着力を発現するためには、象牙質表面を酸性成分で溶かす脱灰作用、重合性単量体成分が象牙質のコラーゲンに浸透する浸透作用、及び浸透した重合性単量体成分が硬化してコラーゲンとのハイブリッド層を形成する硬化作用を有することが必要である。
ところで、湿潤体にレジン系の硬化性組成物を接着させる場合、接着界面に存在する酸素による硬化阻害に因り、上記の脱灰作用、浸透作用、硬化作用のうち、硬化作用が低下して十分な接着強さが得られないことが多い。この種の硬化阻害は、酸素を多量に含有する歯牙の象牙質及び骨に硬化性組成物を接着させる場合に、特に顕著に起こる。
そこで、湿潤体が含有する酸素による硬化阻害を抑制して重合硬化反応を促進するべく、触媒(酸化剤)と促進剤(還元剤)とからなるレドックス重合開始剤の使用が提案されている。
近年、光照射器が著しく進歩したことによって、光硬化性の1液型歯科用接着剤が歯科臨床において広範に利用されるようになった。但し、光硬化性の1液型歯科用接着剤は、根管内部位の下底部、修復材料の内面側など、光照射器の光が届かない修復部分には用いることができない。
一方、酸化剤と還元剤とからなるレドックス重合開始剤を用いたデュアルキュア型硬化性組成物においては、光が届かない部分はレドックス重合開始剤により硬化させ、光が届く部分は重合硬化時間の調節が容易な光重合開始剤により短時間で硬化させる。デュアルキュア型組成物は、齲蝕の進行が著しい場合に歯根部位の歯髄を取り出して根管形成した根管部位を修復する際の支台築造材料として用いられている。
本出願人はこれまでに、ラジカル重合性単量体と、レドックス重合開始剤の酸化剤及び還元剤とを含むレドックス硬化型組成物であって、湿潤体中の水によって接着界面での硬化反応が促進されるように水溶性の還元剤を粉末分散により配合したレドックス硬化型組成物を提案してきた。例えば、特許文献1では、液状ラジカル重合性単量体と、有機過酸化物と、粉末状水溶性還元性化合物とを含有し、液状ラジカル重合性単量体中に粉末状水溶性還元性化合物を分散させてなるレドックス硬化型非水系硬化性組成物が提案されている。
特許文献1に記載のレドックス硬化型非水系硬化性組成物は、歯牙表面に塗布する前に、高い脱灰作用と浸透作用とを有するセルフエッチングプライマーによる前処理を施す場合にも高い接着性を示す(特許文献1、実施例3)。
国際公開第2006/016545号パンフレット
しかしながら、上記の特許文献1に記載のレドックス硬化型非水系硬化性組成物は、本発明者らが検討したところ、接着耐久性に改善の余地があることがわかった。
そこで本発明は、接着耐久性に優れた歯科用接着材料キットを提供することを目的とする。
上記目的を達成した本発明は、歯科用水系接着性組成物(A)と分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)とを含む歯科用接着材料キットであって、
前記歯科用水系接着性組成物(A)は、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、水(c)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d1)を含有し、
前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)は、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)、有機過酸化物(g)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)を含有する歯科用接着材料キットである。
本発明の歯科用接着材料キットにおいて好ましくは、前記歯科用水系接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、前記酸性基含有重合性単量体(a)が1〜40重量部、前記酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)が10〜50重量部、前記水(c)が5〜75重量部含有され、かつ前記歯科用水系接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、前記アミン系還元剤(d1)が0.1〜10重量部含有され、
前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部中において、前記酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)が20〜75重量部、前記酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)が25〜80重量部含有され、かつ前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、前記粉末状水溶性還元性化合物(f)が0.1〜3重量部、前記有機過酸化物(g)が0.1〜10重量部、前記アミン系還元剤(d2)が0.25〜4重量部含有される。前記歯科用水系接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d1)と、前記歯科用非水系硬化性組成物(B)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d2)の重量比(d1/d2)は、0.5/1〜35/1であることが好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおいては、前記歯科用水系接着性組成物(A)が、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)をさらに含有することが好ましい。前記歯科用水系接着性組成物(A)が、光重合開始剤(h)をさらに含有することが好ましい。前記歯科用水系接着性組成物(A)が、フィラー(i)をさらに含有することが好ましい。前記歯科用非水系硬化性組成物(B)が、フィラー(i)をさらに含有することが好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおいては、前記アミン系還元剤(d1)及び(d2)が、芳香環に電子吸引基を有しない芳香族アミンであることが好ましい。前記粉末状水溶性還元性化合物(f)が、粉末状の、亜硫酸塩又は亜硫酸水素であることが好ましい。
歯科用水系接着性組成物(A)は、1液型の歯科用接着剤であることが好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットは、好適には、歯科用支台築造材料キットである。
本発明の歯科用接着材料キットによれば、象牙質などの歯質に対する優れた接着耐久性が得られる。
本発明の歯科用接着材料キットは、歯科用水系接着性組成物(A)と分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)とを含み、歯科用水系接着性組成物(A)は、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、水(c)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d1)を必須成分として含有し、分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)は、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)、有機過酸化物(g)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)を必須成分として含有することに特徴を有する。
本発明者らの詳細な検討により、レドックス重合開始剤の還元剤であるアミン系還元剤(d1)を含有する水系接着性組成物と、レドックス重合開始剤の酸化剤である有機過酸化物(g)並びにレドックス重合開始剤の還元剤である、粉末状水溶性還元性化合物(f)及びアミン系還元剤(d2)を含有する非水系硬化性組成物とによる2ステップ型の硬化システムによれば、高い接着耐久性が得られることが見出された。
まず、歯科用水系接着性組成物(A)について詳細に説明する。接着性組成物(A)には、酸性基含有重合性単量体(a)が含まれる。本発明に用いられる酸性基含有重合性単量体(a)は、歯質の脱灰を促進するとともに、歯質への接着性を向上させる。
本発明に用いられる酸性基含有重合性単量体(a)としては、例えば、リン酸基、ピロリン酸基、チオリン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等の酸性基を少なくとも1個有し、且つアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチレン基等の重合性基を少なくとも1個有する重合性単量体が挙げられ、重合性基としてアクリロイル基、またはメタクリロイル基を有するものが好ましい。酸性基含有重合性単量体(a)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。酸性基含有重合性単量体(a)の具体例を下記する。なお、以下において、メタクリロイルとアクリロイルとを(メタ)アクリロイルと総称する。
リン酸基含有重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピル−(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート並びにこれらの酸塩化物、アルカリ金属塩及びアミン塩が例示される。
ピロリン酸基含有重合性単量体としては、ピロリン酸ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ピロリン酸ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕、ピロリン酸ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕、ピロリン酸ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕、ピロリン酸ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕並びにこれらの酸塩化物、アルカリ金属塩及びアミン塩が例示される。
チオリン酸基含有重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンチオホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンチオホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンチオホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンチオホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンチオホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンチオホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンチオホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンチオホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンチオホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンチオホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンチオホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンチオホスフェート及びこれらの酸塩化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が例示される。
ホスホン酸基含有重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフォネート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−3−ホスフォノプロピオネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3−ホスフォノプロピオネート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシル−3−ホスフォノプロピオネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3−ホスフォノアセテート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシル−3−ホスフォノアセテート及びこれらの酸塩化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が例示される。
カルボン酸基含有重合性単量体としては、分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体、分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体などが挙げられる。
分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、N−(メタ)アクリロイルグリシン、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、O−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸等及びこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物が挙げられる。
分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、例えば、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサン−1,1−ジカルボン酸、9−(メタ)アクリロイルオキシノナン−1,1−ジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデカン−1,1−ジカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸、12−(メタ)アクリロイルオキシドデカン−1,1−ジカルボン酸、13−(メタ)アクリロイルオキシトリデカン−1,1−ジカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライド、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸無水物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル−1,8−ナフタル酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,8−トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
スルホン酸基含有重合性単量体としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレートが例示される。
上述の酸性基含有重合性単量体(a)の中でも、歯科用接着剤として用いた場合に接着強度が良好である観点から、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライド、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸、及び、2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェートとビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェートの混合物が好ましく、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートがより好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)中の酸性基含有重合性単量体の配合量は、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、1〜40重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましく、10〜20重量部がさらに好ましい。なお、重合性単量体及び溶媒の総量とは、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、水(c)、及び有機溶媒の合計量のことをいう。
接着性組成物(A)には、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)が含まれる。本発明に用いられる酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)は、歯質内部へ浸透し、硬化物の重合度を向上させ接着力を向上させる。
酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)としては、酸性基(リン酸基、ピロリン酸基、チオリン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等)及び芳香環を有しない重合性単量体が、1種類又は2種類以上組み合わせて用いられる。酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等の有機酸の脂肪族エステル類、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体が例示される。なかでも、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル及び脂肪族(メタ)アクリルアミドが、硬化速度及び、硬化体の機械的物性、耐水性、耐着色性等の観点から好適に用いられる。
酸性基を有しない脂肪族(メタ)アクリル酸エステル及び脂肪族(メタ)アクリルアミドの具体例を以下に示す。なお、本明細書において、「一官能性」、「二官能性」及び「三官能性以上」とは、それぞれ、(メタ)アクリロイル基のようなラジカル重合性基を、一個、二個及び三個以上有することを意味する。
一官能性脂肪族(メタ)アクリル酸エステル及び脂肪族(メタ)アクリルアミド
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなど。
また、下記の一般式(I)で示されるフルオロカーボン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルを含んでいても良い。
CH2=C(R1)COO−R2−Rf (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2はアルキレン基を示し、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、R2−Rfの炭素数は4〜10であり、かつ、R2−Rfの炭素原子に結合する原子のうちフッ素原子が占める割合は50個数%以上である。)
二官能性脂肪族(メタ)アクリル酸エステル
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロイルオキシプロパン、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレートなど。
三官能性以上の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンなど。
上述の酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)の中でも、水酸基を含有するものが好ましく、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロイルオキシプロパンが好ましい。また、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートも好ましく用いることができる。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)中の酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)の配合量は、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、10〜50重量部が好ましく、15〜45重量部がより好ましく、20〜40重量部がさらに好ましい。
本発明の接着性組成物(A)には、水(c)が含まれる。水(c)は、歯質に対する組成物の浸透促進に寄与する。また、粉末状水溶性還元性化合物(f)を溶解する溶媒としても機能する。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)中の水(c)の配合量は、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、5〜75重量部が好ましく、10〜60重量部がより好ましく、15〜45重量部がさらに好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットには、イオウ原子を含まないアミン系還元剤(d1)が含まれる。本発明に用いられる接着性組成物(A)中のアミン系還元剤(d1)はレドックス重合開始剤の還元剤成分であり、分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)を適用した際に歯質界面において有機過酸化物(g)と共にレドックス重合を促進し、高い接着性及び接着耐久性に寄与する。
アミン系還元剤(d1)としては、芳香環に電子吸引基を有しない芳香族アミンが挙げられる。
芳香環に電子吸引基を有しない芳香族アミンとしては、芳香族アミンの芳香環の水素原子が、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ニトリル基、ハロゲン基等の電子吸引基では置換されていない化合物が挙げられ、具体的に例示すると、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン等が挙げられる。上述した芳香環に電子吸引基を有しない芳香族アミンはいずれも一種類単独を用いてもよく、複数種類を併用してもよい。
上述のアミン系還元剤(d1)の中でも、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンが好ましい。
本発明におけるアミン系還元剤(d1)の配合量は、接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部以上であると、接着強さが低下せず、より好適には0.25重量部以上である。また、10重量部を超えると接着強さが低下するおそれがあり、また作業時間を確保できないおそれがあり、より好適には7.5重量部以下である。従って上記観点より、アミン系還元剤(d1)の配合量は、接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.25〜7.5重量部がより好ましく、0.5〜5重量部がさらに好ましい。なお、重合性単量体の総量とは、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、及び酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)の合計量のことをいう。
本発明に用いられる接着性組成物(A)には、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)が含まれることが好ましい。
酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)としては、酸性基を有さず、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体、並びに芳香環を有し、酸性基及び水酸基を有さない(メタ)アクリレート単量体が挙げられる。
酸性基を有さず、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体は、酸性基を有さず、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体であれば特に限定はなく、芳香環数及び水酸基数はそれぞれ独立した数であり、いずれの官能基も少なくとも1個有していればよい。かかる化合物としては、例えば、ビスフェノールA骨格を有し、水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体が挙げられ、より具体的には、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(通称「Bis−GMA」)、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−[4−〔2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ〕フェニル]プロパン(通称「Bis3」)、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プロパン、2−[4−〔(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル〕プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を適宜組合わせて用いることができる。
芳香環を有し、酸性基及び水酸基を有さない(メタ)アクリレート単量体は、芳香環を有し、酸性基及び水酸基を有さない(メタ)アクリレート単量体であれば特に限定はなく、少なくとも1個の芳香環を有していればよい。かかる化合物としては、例えば、ビスフェノールA骨格を有し、水酸基を有さない(メタ)アクリレート単量体が挙げられ、より具体的には、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
これらの中でも、接着性組成物(A)に用いる酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)としては、酸性基を有さず、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体が好ましく、硬化後の機械的強度が優れる観点から、Bis−GMAが好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)中の酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)の配合量は、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、15〜45重量部が好ましく、20〜40重量部がより好ましく、25〜35重量部がさらに好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットには、光硬化性を付与するために、接着性組成物(A)中に光重合開始剤(h)が含まれることが好ましい。
光重合開始剤(h)としては、例えば、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α−アミノケトン系化合物などが挙げられる。これらの具体例としては、国際公開第2008/087977号パンフレットに記載のものが挙げられる。
これらの光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類及びその塩、並びにα−ジケトン類からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
光重合開始剤(h)の配合量は特に限定されないが、光硬化性の観点から、接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
なお、光重合開始剤(h)を使用する際には、光重合を促進する目的で、公知の重合促進剤と組み合わせて用いてもよい。従って、接着性組成物(A)は、重合促進剤を含んでいてもよい。
接着性組成物(A)には、接着性、塗布性、流動性、X線不透過性、機械的強度を向上させるために、フィラー(i)が含まれることが好ましい。フィラー(i)としては、無機系フィラー、有機系フィラー、及び無機系フィラーと有機系フィラーとの複合体フィラーが挙げられる。
無機系フィラーとしては、シリカ;カオリン、クレー、雲母、マイカ等のシリカを基材とする鉱物;シリカを基材とし、Al23、B23、TiO2、ZrO2、BaO、La23、SrO、ZnO、CaO、P25、Li2O、Na2Oなどを含有する、セラミックス及びガラス類が例示される。ガラス類としては、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラスが好適に用いられる。結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化イッテルビウムも好適に用いられる。
無機系フィラーと有機系フィラーとの複合体フィラーとしては、有機系フィラーに無機系フィラーを分散させたもの、無機系フィラーを種々の重合性単量体にてコーティングした無機/有機複合フィラーが例示される。
硬化性、機械的強度、塗布性を向上させるために、フィラー(i)をシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。表面処理剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが例示される。
接着性組成物(A)中に用いられるフィラー(i)としては、接着力、塗布性の点で、一次粒子径が0.001〜0.1μmの微粒子フィラーが好ましい。具体例としては、「アエロジルOX50」、「アエロジル50」、「アエロジル200」、「アエロジル380」、「アエロジルR972」、「アエロジル130」(以上、いずれも日本アエロジル社製、商品名)が挙げられる。
フィラー(i)は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。
フィラー(i)の配合量は、接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲が好ましく、0.5〜20重量部の範囲がより好ましく、1〜10重量部の範囲が最も好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)には、接着力、塗布性、歯質への浸透性、並びに、酸性基含有重合性単量体(a)及び酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)の水(c)に対する溶解性を向上させるために、水溶性有機溶媒を配合してもよい。水溶性有機溶媒としては、通常、常圧下における沸点が150℃以下であり、且つ25℃における水に対する溶解度が5重量%以上、より好ましくは30重量%以上、最も好ましくは任意の割合で水に溶解可能な有機溶剤が使用される。中でも、常圧下における沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒が好ましく、その具体例としては、エタノール、メタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。
水溶性有機溶媒は、1種単独を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。水溶性有機溶媒の配合量が過多な場合は接着力が低下することがある。水溶性有機溶媒の配合量は、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、1〜70重量部の範囲が好ましく、5〜50重量部の範囲がより好ましく、7.5〜30重量部の範囲が最も好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおいては、混和する必要が無く、操作が簡便であることから接着性組成物(A)が1液型であることが好ましい。
続いて、分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)について記載する。
分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)は、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)、有機過酸化物(g)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)を含有する。
分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)に含まれる、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)としては、接着性組成物(A)に含まれる前記の酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)と同じものが挙げられる。
上述の酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)の中でも、組成物の操作性、ペースト性状及び硬化物の機械的強度が優れる観点から、二官能性以上の重合性単量体が好ましく、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートがより好ましい。
硬化性組成物(B)中の酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部中において、20〜75重量部が好ましく、25〜70重量部がより好ましい。
分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)に含まれる、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)としては、接着性組成物(A)に含まれる前記の酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)と同じものが挙げられる。
これらの中でも、支台築造材料として用いた場合に、強度に優れる観点から、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパンが好ましい。なお、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパンの中では、エトキシ基の平均付加モル数が2.6である化合物(通称「D2.6E」)が好ましい。
硬化性組成物(B)中の酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部中において、25〜80重量部が好ましく、30〜75重量部がより好ましい。
分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)には、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)が含まれる。粉末状水溶性還元性化合物(f)は、レドックス重合開始剤の還元剤成分である。粉末状水溶性還元性化合物(f)は、非水系硬化性組成物に粉末状で分散させる。接着性組成物(A)で処理された歯質に硬化性組成物(B)を適用する際、粉末状水溶性還元性化合物(f)は、歯質及び接着性組成物(A)に含まれる水に溶解し、接着界面において接着性組成物(A)中のアミン系還元剤(d1)とともに効率よく硬化反応を促進する。
本発明でいう「水溶性」とは、室温(25℃)における水に対する溶解度が0.5mg/100mL以上であることを意味する。粉末状水溶性還元性化合物(f)としては、同溶解度が1mg/100mL以上のものが好ましい。粉末状水溶性還元性化合物(f)としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、チオン酸塩、亜二チオン酸塩等の各粉末が例示される。これら例示の中でも、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)及び酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)に対する溶解性の低さ、水溶性の高さ、還元剤としての能力の高さ等の観点から、亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩の各粉末が好ましく、中でも、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムの粉末が最も好ましい。なお、前記粉末状水溶性還元性化合物(f)の組成物中での分散状態は、組成物を水が存在しない環境下で硬化させた後に硬化物を破断し、その破断面をエネルギー分散型微小部蛍光X線分析装置にて測定することにより確認することができる。
粉末状水溶性還元性化合物(f)の平均粒径は限定されないが、過大であると沈降し易くなるので、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。一方、平均粒径が過小であると粉末の比表面積が過大になって酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)及び酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)への分散可能な量が減少するので、0.01μm以上が好ましい。すなわち、粉末状水溶性還元性化合物(f)の平均粒径は0.01〜500μmの範囲が好ましく、0.01〜100μmの範囲がより好ましい。
粉末状水溶性還元性化合物(f)の形状については、球状、針状、板状、破砕状など、種々の形状が挙げられるが、特に制限されない。粉末状水溶性還元性化合物(f)は、粉砕法、凍結乾燥法等の従来公知の方法で作製することができる。
本発明における粉末状水溶性還元性化合物(f)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましい。0.1重量部未満であると、高い接着性が得られないおそれがあり、より好適には0.2重量部以上である。また、3重量部を超えると硬化物の機械的強度が低下するおそれがあり、より好適には2.5重量部以下である。従って上記観点より、粉末状水溶性還元性化合物(f)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.2〜2.5重量部がより好ましく、0.3〜2重量部がさらに好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットには、分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)中に有機過酸化物(g)が含まれる。有機過酸化物(g)は、レドックス重合開始剤の酸化剤成分である。
有機過酸化物(g)としては、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシカーボネート類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類が例示される。
ジアシルパーオキサイド類の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドが挙げられる。
パーオキシエステル類の具体例としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが挙げられる。
パーオキシカーボネート類の具体例としては、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンが挙げられる。
パーオキシケタール類の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサンが挙げられる。
ケトンパーオキサイド類の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドが挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類の具体例としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
硬化性組成物(B)における有機過酸化物(g)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満であると、硬化が遅延するおそれがあり、より好適には0.2重量部以上である。10重量部を超えると硬化が速過ぎて、高い接着性が得られないおそれがあり、より好適には7.5重量部以下である。従って上記観点より、有機化酸化物(g)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.2〜7.5重量部がより好ましく、0.3〜5重量部がさらに好ましい。
硬化性組成物(B)には、イオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)が含まれる。アミン系還元剤(d2)はレドックス重合開始剤の還元剤成分であり、有機過酸化物(g)とのレドックス反応により硬化性組成物(B)の硬化反応に寄与し、また、硬化性組成物(B)の硬化物の機械特性の耐久性(曲げ耐久性等)を向上させる。
アミン系還元剤(d2)としては、接着性組成物(A)に含まれる前記のアミン系還元剤(d1)と同じものが挙げられる。
本発明におけるアミン系還元剤(d2)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.25〜4重量部が好ましい。0.25重量部未満であると、硬化が遅延するおそれがあり、より好適には0.3重量部以上である。また、4重量部を超えると硬化が速過ぎて、高い接着性が得られないおそれがあり、より好適には3.5重量部以下である。従って上記観点より、アミン系還元剤(d2)の配合量は、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.3〜3.5重量部がより好ましく、0.4〜3重量部がさらに好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットは、歯質への高い接着性を得るために、接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d1)と、硬化性組成物(B)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d2)の重量比(d1/d2)が0.5/1〜35/1であることが好ましい。この重量比が0.5/1未満であると高い接着性及び接着耐久性が得られ難いおそれがあり、35/1より上であると硬化性組成物(B)の硬化が遅延するおそれがある。接着性組成物(A)中にアミン系還元剤(d1)が含まれていることで、歯面に浸透した部位で重合が進行するため、高い接着強さが得られると考えられる。
本発明に用いられる分包型歯科用硬化性組成物(B)は非水系であり、「非水系」とは、「実質的には水が配合されていない」という意味である。「実質的に水が配合されていない」とは、水が積極的に添加されていないことを意味し、不可避的に混入する微量水分の含有は許容される。具体的な数値で示すと、「実質的には水が配合されていない」とは、水の配合量が、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下であることをいう。
硬化性組成物(B)には、光硬化性を付与するために、光重合開始剤(h)が含まれることが好ましい。
光重合開始剤(h)としては、接着性組成物(A)で例示した前記の光重合開始剤(h)と同じものが挙げられる。
光重合開始剤(h)の配合量は特に限定されないが、光硬化性の観点から、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.10〜3重量部がより好ましい。
なお、光重合開始剤(h)を使用する際には、光重合を促進する目的で、公知の重合促進剤と組み合わせて用いてもよい。従って、硬化性組成物(B)は、重合促進剤を含んでいてもよい。
本発明の歯科用接着材料キットには、硬化後の機械的強度を高めるために、硬化性組成物(B)中にフィラーが含まれることが好ましい。
硬化性組成物(B)に用いるフィラー(i)としては、接着性組成物(A)で例示した前記のフィラー(i)と同じものが挙げられる。
硬化性組成物(B)に用いるフィラー(i)として好ましくは、シリカ、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラス、結晶石英、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニアである。
フィラー(i)の配合量は特に限定されないが、機械的強度及び操作性の観点から、硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、50〜750重量部が好ましく、75〜700重量部がより好ましい。
歯科用非水系硬化性組成物(B)は、貯蔵中に有機過酸化物(g)が、粉末状水溶性還元性化合物(f)及びアミン系還元剤(d2)とレドックス反応を起こさないようにするために、分包される。歯科用非水系硬化性組成物(B)は好適には、2材に分包され、一方の材に、有機過酸化物(g)が含有され、他方の材に粉末状水溶性還元性化合物(f)及びアミン系還元剤(d2)が含有される。このとき、両材がペースト状になるように、両材には、重合性単量体が配合されることが好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)及び/又は硬化性組成物(B)に、フッ素イオンを放出する公知の水溶性フッ化化合物を、接着性を低下させない程度の量配合しても良い。水溶性フッ化化合物としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化亜鉛、フッ化アルミニウム、フッ化マンガン、フッ化銅、フッ化鉛、フッ化銀、フッ化アンチモン、フッ化コバルト、フッ化ビスマス、フッ化スズ、フッ化ジアンミン銀、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化チタンカリウム、フッ化スズ酸塩、フルオロ珪酸塩が例示される。水溶性フッ化化合物は、一種類単独を用いてもよく、複数種類を併用してもよい。水溶性フッ化化合物を配合する場合は、特開昭2−258602号公報などに記載される方法により微粒子化したり、特開平10−36116号公報に記載される方法によりポリシロキサンで被覆したりした上で配合することが好ましい。
また、本発明の歯科用接着材料キットにおける接着性組成物(A)及び硬化性組成物(B)には、性能を低下させない範囲で、公知の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、重合禁止剤、酸化防止剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、有機溶媒、増粘剤等が挙げられる。
本発明の歯科用接着材料キットは、まず、接着対象に接着性組成物(A)が使用され、次いで硬化性組成物(B)が使用される。本発明の歯科用接着材料キットにおいて、接着性組成物(A)は、プライマーとして構成することも、接着剤として構成することもできる。本発明の歯科用接着材料キットの使用形態としては、例えば、以下の(1)及び(2)が挙げられる。(1)接着性組成物(A)をプライマーとして使用し、硬化性組成物(B)を接着剤として使用する。(2)接着性組成物(A)を1液型接着剤として使用し、硬化性組成物(B)をコンポジットレジンとして使用する。
接着性組成物(A)をプライマーとして使用する際には、接着性組成物(A)は、重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、(a)1〜40重量部、(b)20〜50重量部、(c)30〜75重量部含有することが好ましく、重合性単量体の総量100重量部に対し、(d1)0.1〜10重量部含有することが好ましい。
硬化性組成物(B)を接着剤として使用する際には、硬化性組成物(B)は、重合性単量体の総量100重量部中において、(b)30〜75重量部、(e)25〜70重量部含有することが好ましく、重合性単量体の総量100重量部に対し、(f)0.1〜3重量部、(g)0.1〜10重量部、(d2)0.25〜4重量部含有することが好ましい。
接着性組成物(A)を1液型接着剤として使用する際には、接着性組成物(A)は、重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、(a)1〜40重量部、(b)10〜40重量部、(c)5〜50重量部、(e)15〜40重量部、水溶性有機溶媒5〜50重量部含有することが好ましく、重合性単量体の総量100重量部に対し、(d1)0.1〜10重量部、(h)0.1〜10重量部、(i)1〜10重量部含有することが好ましい。
硬化性組成物(B)をコンポジットレジンとして使用する際には、硬化性組成物(B)は、重合性単量体の総量100重量部中において、(b)20〜65重量部、(e)35〜80重量部含有することが好ましく、重合性単量体の総量100重量部に対し、(f)0.1〜3重量部、(g)0.1〜10重量部、(d2)0.25〜4重量部、(i)50〜750重量部含有することが好ましい。
本発明においては、接着性組成物(A)を1液型歯科用接着剤として構成することが好ましい。本発明の歯科用接着材料キットの好ましい使用形態は、上記(2)である。上記(2)の使用態様においては、硬化性組成物(B)に含まれる酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)は、組成物の操作性、ペースト性状及び硬化物の機械的強度が優れる観点から、その60重量%以上が二官能性以上の重合性単量体であることが好ましく、80重量%以上が二官能性以上の重合性単量体であることがより好ましく、90重量%以上が二官能性以上の重合性単量体であることがさらに好ましく、二官能性以上の重合性単量体のみを含むことが最も好ましい。
本発明の歯科用接着材料キットによれば、優れた接着耐久性が得られる。本発明の歯科用接着材料キットは、歯科用支台築造材料キットであることが好ましい。このとき、上記(2)の形態で用いることが好ましく、光の届き難い根管深部でも高い接着力及び接着耐久性が得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、以下で用いる略記号は次の通りである。
[酸性基含有重合性単量体(a)]
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
4−META:4−メタクリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライド
MAC−10:11−メタクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸
4−MET:4−メタクリロイルオキシエチルトリメリテート
PM:2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェートとビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェートの混合物
[酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)]
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
GDMA:2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロイルオキシプロパン
GDEMA:1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン
NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
[水(c)]
[アミン系還元剤(d1),(d2)]
DEPT:N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン
[酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)]
Bis−GMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
D2.6E:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
[粉末状水溶性還元性化合物(f)]
亜硫酸ナトリウム粉末(平均粒径:6.1μm)
[有機過酸化物(g)]
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
[光重合開始剤(h)]
BAPO:ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド
CQ:dl−カンファーキノン
PDE:N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチル(重合促進剤)
[フィラー(i)]
R972:アエロジル社製の微粒子シリカ シラン処理Baガラス
[有機溶媒]
エタノール
(実施例1)
下記組成の歯科用水系接着性組成物をプライマーとして調製した。さらに下記のM−1材及びM−2材を接着剤として調製し、これら2材を組み合わせて両者の重量比が1:1の分包型歯科用非水系硬化性組成物を作製した。M−1材とM−2材を混合した組成物中の亜硫酸ナトリウムは粉末状で分散していた。この歯科用水系接着性組成物と分包型歯科用非水系硬化性組成物からなる歯科用接着材料キットについて、下記の引張接着強さの試験(Q1)を行って引張接着強さを求めた。また、分包型歯科用非水系硬化性組成物について、曲げ強さの試験(Q2)を行って曲げ強さを求めた。結果を表1に示す。
歯科用水系接着性組成物(P−1):
MDP 10重量部
HEMA 25重量部
水 65重量部
DEPT 1重量部
M−1材:
Bis−GMA 40重量部
HEMA 30重量部
NPG 30重量部
BPO 1重量部
M−2材:
Bis−GMA 40重量部
HEMA 30重量部
NPG 30重量部
DEPT 1.5重量部
亜硫酸ナトリウム粉末(平均粒径6.1μm) 1重量部
〔引張接着強さの試験(Q1):化学硬化〕
ウシ下顎前歯の唇面を、流水下にて、#80のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を形成した。平坦面を#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)を用いて、流水下にて、さらに研磨して、平滑面とした。平滑面に、直径4mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着して、被着面積を規制した。次いで、上記丸穴内に、調製した歯科用水系接着性組成物P−1を筆を用いて塗布し、そのまま30秒間放置した後、エアーシリンジで接着性組成物の流動性が無くなるまで乾燥した。次いで、接着性組成物の塗布面に、M−1材とM−2材との混和物を小筆を用いて塗布した。塗布厚は約100μmとした。その塗布面に、市販の光重合型歯科用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」)を載置し、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)を被せた後その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押し付け、歯科用可視光線照射器(J.Morita USA製、商品名「JETライト3000」)にて40秒間光照射して硬化させた。得られた硬化物に市販の歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビアフルオロセメント」)を用いて7mmφ×25mmのSUS304製の円柱棒の一端を接着して試験片とした。試験片は全部で16個作製した。接着1時間後に試験片を37℃の水中に浸漬し、24時間後に水中から取り出して、万能試験機(島津製作所製)を用いて、引張接着強さを測定した。引張接着強さの測定は、クロス・ヘッドスピードを2mm/分に設定して行った。8個の試験片の測定値の平均値を引張接着強さとした。
残りの象牙質に対して接着した試験片8個については、さらに4℃の水槽と60℃の水槽にそれぞれ1分間ずつ交互に4000回浸漬するサーマルサイクル負荷をかけた後、引張接着強さを測定した。このサーマルサイクル負荷後の引張接着強さでもって接着耐久性を評価した。結果を表1に示す。
〔曲げ強さの試験(Q2):化学硬化物の強度〕
調製した分包型歯科用非水系硬化性組成物の第1材と第2材を同量採取し、30秒間混和した。得られた混和物を、ステンレス製の金型(寸法2mm×2mm×25mm)に充填後、上下をスライドガラスで圧接し、37℃空気中に1時間放置して硬化させた。得られた硬化物を金型から外し、試験片とした。10個の試験片を作製し、バリ取りした。37℃の水中に24時間保管した後、万能試験機(島津製作所社製、商品コード「AGI−100」)を用いて、支点間距離20mm、クロス・ヘッドスピード1mm/分で曲げ強さを測定した。5個の試験片の測定値の平均値を曲げ強さとした。残りの試験片5個については、さらに70℃の水中に1週間保管した後、曲げ強さを測定した。これを曲げ耐久性とした。
(実施例2)
実施例1の接着性組成物(P−1材)のDEPT1重量部に代えてDEPT0.2重量部とした下記組成のP−2材を調製した。このP−2材とM−1材及びM−2材について、先の引張接着強さの試験(Q1)を行なって、引張接着強さを求めた。また、分包型歯科用非水系硬化性組成物について、曲げ強さの試験(Q2)を行って曲げ強さを求めた。結果を表1に示す。
歯科用水系接着性組成物(P−2):
MDP 10重量部
HEMA 25重量部
水 65重量部
DEPT 0.2重量部
(実施例3)
実施例1の接着性組成物(P−1材)のDEPT1重量部に代えてDEPT8重量部とした下記組成のP−3材を調製した。このP−3材とM−1材及びM−2材について、先の引張接着強さの試験(Q1)を行なって、引張接着強さを求めた。また、分包型歯科用非水系硬化性組成物について、曲げ強さの試験(Q2)を行って曲げ強さを求めた。結果を表1に示す。
歯科用水系接着性組成物(P−3):
MDP 10重量部
HEMA 25重量部
水 65重量部
DEPT 8重量部
(比較例1)
実施例1の接着性組成物P−1材からDEPTを抜いた下記組成の接着性組成物(P−4)を調製した。また、実施例1のM−2材からDEPTを抜いた下記組成のM−3材を調製した。M−1材とM−3材を混合した組成物中の亜硫酸ナトリウムは粉末状で分散していた。このP−4材とM−1材及びM−3材について、先の引張接着強さの試験(Q1)及び曲げ強さの試験(Q2)を行なって、引張接着強さ及び曲げ強さをそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
歯科用水系接着性組成物(P−4):
MDP 10重量部
HEMA 25重量部
水 65重量部
M−3材:
Bis−GMA 40重量部
HEMA 30重量部
NPG 30重量部
亜硫酸ナトリウム粉末(平均粒径6.1μm) 1重量部
(実施例4)
実施例1のM−1材及びM−2材の代わりに、コンポジットレジンとして下記組成のA−1材及びB−1材を調製した。A−1材とB−1材を混合した組成物中の亜硫酸ナトリウムは粉末状で分散していた。このP−1材とA−1材及びB−1材について、下記の引張接着強さの試験(Q3)を行って引張接着強さを求めた。また、分包型歯科用非水系硬化性組成物について、曲げ強さの試験(Q2)を行って曲げ強さを求めた。結果を表1に示す。
第1材(A−1材):
TEGDMA: 35重量部
GDEMA: 10重量部
Bis−GMA: 30重量部
D2.6E: 25重量部
BPO: 1.5重量部
シラン処理Baガラス: 288重量部
第2材(B−1材):
TEGDMA: 20重量部
GDEMA: 10重量部
Bis−GMA: 30重量部
D2.6E: 40重量部
DEPT: 1.5重量部
亜硫酸ナトリウム粉末(平均粒径6.1μm) 1重量部
シラン処理Baガラス: 288重量部
R972: 3重量部
〔引張接着強さの試験(Q3):化学硬化〕
ウシ下顎前歯の唇面を、流水下にて、#80のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を形成した。平坦面を#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)を用いて、流水下にて、さらに研磨して、平滑面とした。平滑面に、直径4mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着して、被着面積を規制した。次いで、上記丸穴内に、調製した歯科用水系接着性組成物P−1を筆を用いて塗布し、そのまま10秒間放置した後、エアーシリンジで接着性組成物の流動性がなくなるまで乾燥した。次いで、接着性組成物の塗布面に、調製した硬化性組成物の第1材(A−1材)と第2材(B−1材)の混和物を載置し、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)を被せた後その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押しつけ、30分間放置し硬化させた。得られた硬化物に市販の歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビアフルオロセメント」)を用いて7mmφ×25mmのSUS304製の円柱棒の一端を接着して試験片とした。試験片は全部で16個作製した。接着1時間後に試験片を37℃の水中に浸漬し、24時間後に水中から取り出して、万能試験機(島津製作所製)を用いて、引張接着強さを測定した。引張接着強さの測定は、クロス・ヘッドスピードを2mm/分に設定して行った。8個の試験片の測定値の平均値を引張接着強さとした。
残りの象牙質に対して接着した試験片8個については、さらに4℃の水槽と60℃の水槽にそれぞれ1分間ずつ交互に4000回浸漬するサーマルサイクル負荷をかけた後、引張接着強さを測定した。このサーマルサイクル負荷後の引張接着強さでもって接着耐久性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2011121965
表1に示すように、実施例1〜4で作製した本発明歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、初期及びサーマルサイクル後の接着強さが高く、長期に渡って優れた接着力を発現することがわかる。一方、比較例1で作製した歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、サーマルサイクル後の接着強さが低いことがわかる。また、実施例1〜4で作製した分包型歯科用硬化性組成物は長期に渡って曲げ強さを維持しており、曲げ耐久性が優れていることがわかる。一方、比較例1で作製した分包型歯科用硬化性組成物は、曲げ耐久性が低いことがわかる。
(実施例5)
下記組成の歯科用水系接着性組成物(D−1材)を1液型歯科用接着剤として作製した。また、このD−1材と実施例4のA−1材及びB−1材について、先の引張接着強さの試験(Q3)を行なって、引張接着強さを求めた。また、分包型歯科用非水系硬化性組成物について、曲げ強さの試験(Q2)を行って曲げ強さを求めた。結果を表2に示す。
D−1材:
MDP: 10重量部
HEMA: 25重量部
GDEMA: 5重量部
Bis−GMA: 30重量部
水: 15重量部
エタノール: 15重量部
DEPT: 2重量部
CQ: 2重量部
PDE: 1重量部
BAPO: 1重量部
R972: 5重量部
(実施例6)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部の代わりに4−META10重量部を配合し、GDEMA5重量部の代わりにGDMA5重量部を配合し、歯科用接着剤(D−2材)を調製した。歯科用接着剤としてD−2材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部の代わりにMAC−10 10重量部を配合し、GDEMA5重量部の代わりにNPG5重量部を配合し、歯科用接着剤(D−3材)を調製した。歯科用接着剤としてD−3材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部の代わりに4−METを10重量部配合し、歯科用接着剤(D−4材)を調製した。歯科用接着剤としてD−4材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部の代わりにPMを10重量部配合し、DEPT2重量部の代わりにDMPT2重量部配合し、歯科用接着剤(D−5材)を調製した。歯科用接着剤としてD−5材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部を15重量部配合に変更し、HEMA25重量部をHEMA30重量部配合に変更し、GDEMA5重量部を10重量部配合に変更し、Bis−GMA30重量部を15重量部に変更し、歯科用接着剤(D−6材)を調製した。歯科用接着剤としてD−6材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部を20重量部配合に変更し、HEMA25重量部をHEMA10重量部配合に変更し、GDEMA5重量部を0重量部配合に変更し、Bis−GMA30重量部を40重量部に変更し、歯科用接着剤(D−7材)を調製した。歯科用接着剤としてD−7材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のCQ2重量部を4重量部配合に変更し、PDE1重量部を2重量部配合に変更し、BAPO1重量部を3重量部配合に変更し、歯科用接着剤(D−8材)を調製した。歯科用接着剤としてD−8材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のCQ2重量部を0重量部配合に変更し、PDE1重量部を0重量部配合に変更し、歯科用接着剤(D−9材)を調製した。歯科用接着剤としてD−9材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のMDP10重量部を5重量部配合に変更し、HEMA25重量部を10重量部配合に変更し、GDEMA5重量部を0重量部に変更し、Bis−GMA30重量部を15重量部配合に変更し、水15重量部配合を45重量部に変更し、エタノール15重量部を25重量部に変更し、歯科用接着材(D−10材)を調製した。歯科用接着剤としてD−10材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のHEMA25重量部を20重量部に変更し、GDEMA5重量部を0重量部に変更し、水15重量部を5重量部に変更し、エタノール15重量部を35重量部に変更し、歯科用接着剤(D−11材)を調製した。歯科用接着剤としてD−11材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のR972(フィラー)5重量部を1重量部配合に変更し、歯科用接着剤(D−12材)を調製した。歯科用接着剤としてD−12材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のR972(フィラー)5重量部を8重量部配合に変更し、歯科用接着剤(D−13材)を調製した。歯科用接着剤としてD−13材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例5記載の歯科用水系接着剤(D−1材)のDEPT2重量部を0重量部に変更し、歯科用接着剤(D−14材)を調製した。また、実施例4の(B−1材)のDEPT1.5重量部を0重量部に変更し、(B−2材)を調製した。歯科用接着剤として(D−1材)、(B−1材)の代わりに(D−14材)及び(B−2材)を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表2に示す。
Figure 2011121965
表2に示すように、実施例5〜17で作製した本発明に係る1液型歯科用接着剤を含む歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、初期及びサーマルサイクル後の接着強さが高く、長期に渡って優れた接着力を発現することがわかる。一方、比較例2で作製した歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、接着しないことがわかる。また、実施例5〜17で作製した分包型歯科用硬化性組成物の曲げ強さは長期に渡り維持されており、曲げ耐久性が優れていることがわかる。一方、比較例2で作製した分包型歯科用硬化性組成物は、曲げ耐久性が低いことがわかる。
(実施例18)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のDEPTの配合量を2重量部から0.5重量部にし、歯科用接着剤(D−15材)を調製した。さらに、B−1材のDEPTの配合量を1.5重量部から1重量部にし第2材(B−3材)を調製した。歯科用接着剤としてD−15材、歯科用硬化性組成物の第2材にB−3材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例19)
実施例18記載の第2材(B−3材)のDEPT配合量を1重量部から2重量部にし、第2材(B−4材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第2材にB−4材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例20)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のDEPTの配合量を2重量部から1.5重量部にし、歯科用接着剤(D−16材)を調製した。歯科用接着剤としてD−16材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例21)
実施例20記載の第2材(B−3材)の代わりに実施例19記載の第2材(B−4材)を用いた以外は実施例20と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例22)
実施例20記載の第2材(B−3材)のDEPT配合量を1重量部から4重量部に変更し、第2材(B−5材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第2材にB−5材を用いた以外は実施例20と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例23)
実施例5記載の歯科用接着剤(D−1材)のDEPTの配合量を2重量部から8重量部にし、歯科用接着剤(D−17材)を調製した。歯科用接着剤としてD−17材を用い、歯科用硬化性組成物の第2材に実施例18記載のB−3材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例24)
実施例18記載の第1材(A−1材)のTEGDMA35重量部を15重量部に変更し、GDEMA10重量部を5重量部に変更し、Bis−GMA30重量部を45重量部に変更し、D2.6E25重量部を35重量部に変更し、第1材を(A−2材)を調製した。また、第2材(B−3材)のTEGDMA20重量部を15重量部に変更し、GDEMA10重量部を5重量部に変更し、Bis−GMA30重量部を45重量部に変更し、D2.6E40重量部を35重量部に変更し、第2材を(B−6材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−2材、第2材にB−6材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例25)
実施例18記載の第1材(A−1材)のTEGDMA35重量部を40重量部に変更し、GDEMA10重量部を5重量部に変更し、Bis−GMA30重量部を10重量部に変更し、D2.6E25重量部を10重量部に変更し、第1材を(A−3材)を調製した。また、第2材(B−3材)のTEGDMA20重量部を40重量部に変更し、GDEMA10重量部を5重量部に変更し、Bis−GMA30重量部を10重量部に変更し、D2.6E40重量部を10重量部に変更し、第2材を(B−7材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−3材、第2材にB−7材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例26)
実施例18記載の第1材(A−1材)のBPO1.5重量部を0.5重量部に変更し、第1材(A−4材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−4材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例27)
実施例18記載の第1材(A−1材)のBPO1.5重量部を5重量部に変更し、第1材(A−5材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−5材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例28)
実施例18記載の第1材(A−1材)のシラン処理Baガラス288重量部を100重量部に変更し、第1材(A−6材)を調製した。また、第2材(B−3材)のシラン処理Baガラス288重量部を100重量部に変更し、第2材(B−8材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−6材、第2材にB−8材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
(実施例29)
実施例18記載の第1材(A−1材)のシラン処理Baガラス288重量部を500重量部に変更し、第1材(A−7材)を調製した。また、第2材(B−3材)のシラン処理Baガラス288重量部を500重量部に変更し、第2材(B−9材)を調製した。歯科用硬化性組成物の第1材にA−7材、第2材にB−9材を用いた以外は実施例18と同様に試験した。結果を表3に示す。
Figure 2011121965
表3に示すように、実施例18〜29で作製した本発明に係る1液型歯科用接着剤を含む歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、初期及びサーマルサイクル後の接着強さが高く、長期に渡って優れた接着力を発現することがわかる。また、実施例18〜29で作製した分包型歯科用硬化性組成物の曲げ強さは長期に渡り維持されており、曲げ耐久性が優れていることがわかる。
(実施例30)
実施例5記載の歯科用硬化性組成物第2材(B−1材)の亜硫酸ナトリウム粉末の配合量を1重量部から0.1重量部に変更し、B−10材を調製した。歯科用硬化性組成物の第2材にB−10材を用いた以外は実施例5と同様に試験した。結果を表4に示す。
(実施例31)
実施例5記載の歯科用硬化性組成物第2材(B−1材)の亜硫酸ナトリウム粉末の配合量を1重量部から3重量部に変更し、B−11材を調製した。歯科用硬化性組成物の第2材にB−11材を用いた以外は実施例30と同様に試験した。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例5記載の歯科用硬化性組成物第2材(B−1材)の亜硫酸ナトリウム粉末の配合量を1重量部から0重量部に変更し、B−12材を調製した。歯科用硬化性組成物の第2材にB−12材を用いた以外は実施例30と同様に試験した。結果を表4に示す。
Figure 2011121965
表4に示すように、実施例16及び実施例17で作製した本発明に係る1液型歯科用接着剤を含む歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、初期及びサーマルサイクル後の接着強さが高く、長期に渡って優れた接着力を発現することがわかる。一方、比較例3で作製した歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、サーマルサイクル後の接着強さが低かった。また、実施例30及び実施例31で作製した分包型歯科用硬化性組成物の曲げ強さは長期に渡り維持されており、曲げ耐久性が優れていることがわかる。
(実施例32)
実施例4記載の歯科用硬化性組成物第1材(A−1材)にCQを1.5重量部、BAPOを0.2重量部配合し、A−8材を調製した。さらに、実施例4記載の歯科用硬化性組成物第2材(B−1材)にPDEを2重量部配合し、B−13材を調製した。D−1材とこれらA−8材及びB−13材について、下記の引張接着強さの試験(Q4)及び曲げ強さの試験(Q5)を行い、接着強さ及び曲げ強さを求めた。結果を表5に示す。
〔引張接着強さの試験(Q4):光硬化〕
ウシ下顎前歯の唇面を、流水下にて、#80のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を形成した。平坦面を#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)を用いて、流水下にて、さらに研磨して、平滑面とした。平滑面に、直径4mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着して、被着面積を規制した。次いで、上記丸穴内に、調製した歯科用水系接着性組成物D−1を筆を用いて塗布し、そのまま10秒間放置した後、エアーシリンジで接着性組成物の流動性がなくなるまで乾燥した。次いで、接着性組成物の塗布面に、調製した硬化性組成物の第1材と第2材の混和物を載置し、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)を被せた後その離型フィルムの上にスライドガラスを圧接した。その圧接面に対し、歯科用可視光照射器(株式会社モリタ製、ジェットライト3000)で、10秒間光を照射して硬化させた。得られた硬化物に市販の歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビアフルオロセメント」)を用いて7mmφ×25mmのSUS304製の円柱棒の一端を接着して試験片とした。試験片は全部で16個作製した。接着1時間後に試験片を37℃の水中に浸漬し、24時間後に水中から取り出して、万能試験機(島津製作所製)を用いて、引張接着強さを測定した。引張接着強さの測定は、クロス・ヘッドスピードを2mm/分に設定して行った。8個の試験片の測定値の平均値を引張接着強さとした。
残りの象牙質に対して接着した試験片8個については、さらに4℃の水槽と60℃の水槽にそれぞれ1分間ずつ交互に4000回浸漬するサーマルサイクル負荷をかけた後、引張接着強さを測定した。このサーマルサイクル負荷後の引張接着強さでもって接着耐久性を評価した。
〔曲げ試験(Q5):光硬化物の強度〕
調製した分包型歯科用非水系硬化性組成物の第1材と第2材を同量採取し、30秒間混和した。得られた混和物を、ステンレス製の金型(寸法2mm×2mm×25mm)に充填後、上下をスライドガラスで圧接し、歯科用可視光照射器(株式会社モリタ製、ジェットライト3000)で、1点20秒で、片面を5点ずつ、両面に光を照射して硬化させた。硬化物を金型から外し、試験片とした。10個の試験片を作製し、バリ取りした。37℃の水中に24時間保管した後、万能試験機(島津製作所社製、商品コード「AGI−100」)を用いて、支点間距離20mm、クロス・ヘッドスピード1mm/分で曲げ強さを測定した。5個の試験片の測定値の平均値を曲げ強さとした。残りの試験片5個については、さらに70℃の水中に1週間保管した後、曲げ強さを測定した。これを曲げ耐久性とした。
(実施例33)
実施例32記載の歯科用硬化性組成物第1材(A−8材)のCQの配合量を0.1重量部に、BAPOを0.5重量部に変更し、A−9材を調製した。さらに、実施例32記載の歯科用硬化性組成物第2材(B−13材)のPDEの配合量を0.2重量部に変更し、B−14材を調製した。D−1材とこれらA−9材及びB−14材について、実施例32と同様に引張り接着強さ及び曲げ強さを求めた。結果を表5に示す。
Figure 2011121965
表5に示すように、実施例32及び実施例33で作製した本発明に係る1液型歯科用接着剤を含む歯科用接着材料キットは、牛歯象牙質に対して、初期及びサーマルサイクル後の接着強さが高く、長期に渡って優れた接着力を発現することがわかる。さらに、実施例実施例32及び実施例33で作製した分包型歯科用硬化性組成物の曲げ強さは長期に渡り維持されており、曲げ耐久性が優れていることがわかる。
本発明の歯科用接着材料キットは、歯科医療の分野において、支台を形成する際に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 歯科用水系接着性組成物(A)と分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)とを含む歯科用接着材料キットであって、
    前記歯科用水系接着性組成物(A)は、酸性基含有重合性単量体(a)、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、水(c)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d1)を含有し、
    前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)は、酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)、イオウ原子を含む粉末状水溶性還元性化合物(f)、有機過酸化物(g)、及びイオウ原子を含まないアミン系還元剤(d2)を含有する歯科用接着材料キット。
  2. 前記歯科用水系接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体及び溶媒の総量100重量部中において、前記酸性基含有重合性単量体(a)が1〜40重量部、前記酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)が10〜50重量部、前記水(c)が5〜75重量部含有され、かつ前記歯科用水系接着性組成物(A)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、前記アミン系還元剤(d1)が0.1〜10重量部含有され、
    前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部中において、前記酸性基を含まない脂肪族重合性単量体(b)が20〜75重量部、前記酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)が25〜80重量部含有され、かつ前記分包型歯科用非水系硬化性組成物(B)中の重合性単量体の総量100重量部に対して、前記粉末状水溶性還元性化合物(f)が0.1〜3重量部、前記有機過酸化物(g)が0.1〜10重量部、前記アミン系還元剤(d2)が0.25〜4重量部含有される請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  3. 前記歯科用水系接着性組成物(A)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d1)と、前記歯科用非水系硬化性組成物(B)に含まれる重合性単量体の総量を100重量部とした場合の前記アミン系還元剤(d2)の重量比(d1/d2)が、0.5/1〜35/1である請求項2に記載の歯科用接着材料キット。
  4. 前記歯科用水系接着性組成物(A)が、酸性基を含まない芳香族重合性単量体(e)をさらに含有する請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  5. 前記歯科用水系接着性組成物(A)が、光重合開始剤(h)をさらに含有する請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  6. 前記歯科用水系接着性組成物(A)が、フィラー(i)をさらに含有する請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  7. 前記歯科用非水系硬化性組成物(B)が、フィラー(i)をさらに含有する請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  8. 前記アミン系還元剤(d1)及び(d2)が、芳香環に電子吸引基を有しない芳香族アミンである請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  9. 前記粉末状水溶性還元性化合物(f)が、粉末状の、亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩である請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  10. 前記歯科用水系接着性組成物(A)が、1液型の歯科用接着剤である請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
  11. 歯科用支台築造材料キットである請求項1に記載の歯科用接着材料キット。
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