JPWO2011115066A1 - ジアミン誘導体の結晶およびその製造方法 - Google Patents

ジアミン誘導体の結晶およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、血栓性および/または塞栓性疾患の予防および/または治療用の医薬化合物として有用な活性化血液凝固第X因子阻害作用を有する化合物の新規な結晶形を提供することである。本発明により、N1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド p−トルエンスルホン酸塩 一水和物の新規な結晶形およびその製造方法が提供される。

Description

本発明は、活性化血液凝固第X因子(FXa)の阻害作用を示し、血栓性疾患の予防剤および/または治療剤として有用な化合物の結晶に関する。
活性化血液凝固第X因子(FXa)の阻害作用を示し、血栓性疾患の予防および/または治療薬として有用な化合物として、下記の式(I)
で表されるN−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド p−トルエンスルホン酸塩 1水和物(本明細書中、化合物Iと称する場合がある。)が知られている(特許文献1〜9)。化合物Iの結晶としては、特許文献9に記載の結晶(本明細書中、「化合物IのForm I結晶」または「Form I結晶」と称する場合がある。)が知られている。
WO03/000657 WO03/000680 WO03/016302 WO04/058715 WO05/047296 WO07/032498 WO08/129846 WO08/156159 特開2010−254615
本発明の課題は、化合物Iの新規な結晶を提供することにある。
本発明者らが化合物Iの新規な結晶の獲得を試みたところ、結晶多形の探索のために通常用いられるスラリー攪拌法や再結晶法では、結晶化条件を種々変えてみても化合物Iの新規な結晶を再現性よく安定して得ることはできなかった。しかし、試行錯誤の結果、本発明者は、化合物Iを一旦アモルファスまたは低結晶性固体にし、次いで、溶媒蒸気に曝露させるという特殊な条件によって初めて新規な結晶(本明細書中、「化合物IのForm II結晶」または「Form II結晶」と称する場合がある。用語「化合物IのForm II結晶」および「Form II結晶」は、本明細書中、交換可能に使用される。)を再現性よく安定して得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2または23.2±0.2(°)におけるピークを含む、化合物IのForm II結晶;
[2]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2および23.2±0.2(°)におけるピークを含む、[1]に記載の結晶;
[3]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、21.5±0.2または22.0±0.2(°)のいずれかのピークをさらに含む、[1]に記載の結晶;
[4]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折による回折角(2θ)として、13.9±0.2、14.2±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.2±0.2および24.3±0.2(°)におけるピークを含む、[1]に記載の結晶;
[5]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折が、図1(a)(2)または図3のいずれかのパターンを示す、[1]に記載の結晶;
[6]160℃〜170℃または215℃〜225℃のいずれか1つに少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析(Differential Thermal Analysis、DTA)プロフィールを示す、[1]に記載の結晶;
[7]フーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターンとして3313±5、839±1および828±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む、[1]に記載の結晶;
[8]下記の(a)〜(d):
(a)160℃〜170℃、215℃〜225℃および260℃〜270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析プロフィール;
(b)図5で表される示差熱分析(DTA)プロフィールおよび熱質量測定(Thermogravimetry、TG)プロフィール;
(c)図6で表されるフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン;および
(d)次の表A
に記載の吸収帯およびそれらの強度を示すフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、
からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、[1]に記載の結晶;
[9]Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2(°)または23.2±0.2(°)におけるピークを含む、化合物IのForm II結晶の製造方法であって、
(a)化合物Iをアモルファスまたは低結晶性固体にする工程、次いで、(b)該アモルファスまたは低結晶性固体を溶媒蒸気に曝露する工程、を包含する、方法;
[10]工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、化合物Iの粉砕、融解冷却、凍結乾燥または噴霧乾燥により作製する、[9]に記載の方法;
[11]工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、化合物Iの凍結乾燥により作製する、[9]に記載の方法;
[12]工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、化合物Iを水、ジオキサン、含水ジオキサンまたはジメチルスルホキシドに溶解した後、凍結乾燥することにより作製する、[9]に記載の方法;
[13]工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、化合物Iを含水ジオキサンに溶解した後、凍結乾燥することにより作製する、[9]に記載の方法;
[14]工程(b)において、蒸気曝露させる溶媒が、アニソール、アセトン、2−ブタノン、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタンまたはジメトキシメタンである、[9]に記載の方法;
[15]工程(b)において、蒸気曝露させる温度が0℃〜50℃である、[9]に記載の方法;
[16]工程(b)において、蒸気曝露させる時間が1日〜10日である、[9]に記載の方法;
[17]工程(a)の化合物Iが、化合物IのForm I結晶である、[9]に記載の方法;
[18]Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2(°)および23.2±0.2(°)のピークを含む、[9]に記載の方法;
[19]Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、21.5±0.2または22.0±0.2(°)のいずれかのピークをさらに含む、[9]に記載の方法;
[20]Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折による回折角(2θ)として、13.9±0.2、14.2±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.2±0.2および24.3±0.2(°)におけるピークを含む、[9]に記載の方法;
[21]Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折として、図1(a)(2)または図3のいずれかのパターンを示す、[9]に記載の方法;
[22]Form II結晶が、160℃〜170℃または215℃〜225℃のいずれか1つに少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析(DTA)プロフィールを示す、[9]に記載の方法;
[23]Form II結晶が、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターンとして3313±5、839±1および828±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む、[9]に記載の方法;
[24]Form II結晶が、下記の(a)〜(d):
(a)160℃〜170℃、215℃〜225℃および260℃〜270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析(DTA)プロフィール;
(b)図5で表される示差熱分析(DTA)および熱質量測定(TG)プロフィール;
(c)図6で表されるフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン;および
(d)上記の表Aに記載の吸収帯およびそれらの強度を示すフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、
からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、[9]に記載の方法;
[25][9]〜[24]のいずれか1に記載の方法で得られる化合物IのForm II結晶;
[26][1]〜[8]もしくは[25]のいずれか1に記載の化合物IのForm II結晶または[9]〜[24]のいずれか1に記載の方法で得られる化合物IのForm II結晶を含有する医薬;
[27]活性化血液凝固第X因子阻害剤である、[26]に記載の医薬;
[28]血栓または塞栓の予防および/または治療剤である、[27]に記載の医薬;
[29]脳梗塞、脳塞栓、肺梗塞、肺塞栓、心筋梗塞、狭心症、急性冠症候群、非弁膜性心房細動(NVAF)に伴う血栓および/または塞栓症、深部静脈血栓症、外科的手術後の深部静脈血栓症、人工弁/関節置換後の血栓形成、股関節全置換術(THR)後の血栓塞栓症、膝関節全置換術(TKR)後の血栓塞栓症、股関節骨折手術(HFS)後の血栓塞栓症、血行再建後の血栓形成および/または再閉塞、バージャー病、汎発性血管内凝固症候群、全身性炎症性反応症候群(SIRS)、多臓器不全(MODS)、体外循環時の血栓形成あるいは採血時の血液凝固の予防剤および/または治療剤である、[28]に記載の医薬;
[30][1]〜[8]もしくは[25]のいずれか1に記載の化合物IのForm II結晶または[9]〜[24]のいずれか1に記載の方法で得られる化合物IのForm II結晶及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物;および
[31]化合物Iを含む医薬組成物であって、[1]〜[8]もしくは[25]のいずれか1に記載の化合物IのForm II結晶または[9]〜[24]のいずれか1に記載の方法で得られる化合物IのForm II結晶を、当該医薬組成物中の化合物I全重量に対して、0.01重量%〜99.9重量%含む、医薬組成物。
本発明によれば、化合物Iの新規な結晶形およびその製造方法が提供される。
実施例3(4)の凍結乾燥−溶媒蒸気曝露法で得られた化合物Iの粉末X線回折パターンを示す。(a)〜(c)の各図とも、縦軸に強度(cps)を横軸に回折角(2θ(°))を示す。各図は、それぞれ、蒸気曝露させる溶媒として(a)アセトニトリル、(b)水、または(c)エタノールを用いて得られた結晶の粉末X線回折の結果である。(a)〜(c)の各図において、(1)は、凍結乾燥前の出発物質(Form I結晶)の粉末X線回折パターンであり、(2)は、凍結乾燥−溶媒蒸気曝露後に得られた物質の粉末X線回折パターンである。 実施例3(4)の凍結乾燥−溶媒蒸気曝露法により得られた物質の最大回折線と2θ=10°付近のバックグランドの係数比(S/B比)と結晶形の判定結果をまとめる。 実施例4で得られたForm II結晶の粉末X線回折パターンを示す。縦軸に強度(cps)を横軸に回折角(2θ(°))を示す。 実施例4で得られたForm II結晶の粉末X線回折の特徴的ピーク(2θ(°))、d値(Å)および相対強度(%)を示す。 実施例4で得られたForm II結晶のDTAプロフィール(上)およびTGプロフィール(下)を示す。DTAの図は、縦軸に熱量(μV)を、横軸に温度(℃)を示す。TGの図は、縦軸に重量変化(%)を、横軸に温度(℃)を示す。 実施例4で得られたForm II結晶の赤外吸収スペクトルパターンを示す。縦軸に透過率(%)を、横軸に波数(cm−1)を示す。 実施例4で得られたForm II結晶の赤外吸収スペクトルの特徴的な吸収帯、帰属および強度を示す。 実施例4で得られたForm II結晶の吸脱湿挙動を示す。縦軸に重量(%変化)を、横軸に相対湿度(%)を示す。 実施例4で得られたForm II結晶の、水(黒丸)またはpH4.5酢酸緩衝液(白抜き丸)に対する溶解挙動、ならびに、Form I結晶の、水(黒四角)またはpH4.5酢酸緩衝液(白抜き四角)に対する溶解挙動を示す。縦軸は、濃度(mg/mL)を、横軸は各溶液に溶解させてからの時間(時間)を示す。 実施例2で得られたForm I結晶の粉末X線回折パターンを示す。縦軸に強度(cps)を横軸に回折角(2θ(°))を示す。 実施例2で得られたForm I結晶のDTAプロフィールおよびTGプロフィールを示す。縦軸に熱量(μV)と重量変化(%)、横軸に温度(℃)を示す。 実施例2で得られた化合物IのForm I結晶の赤外吸収スペクトルパターンを示す。縦軸に透過率(%)を、横軸に波数(cm−1)を示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
下記の式(II)
で表される、N−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド(N1-(5-chloropyridin-2-yl)-N2-((1S, 2R,4S)-4-[(dimethylamino)carbonyl]-2-{[(5-methyl-4, 5, 6,7-tetrahydrothiazolo[5, 4-c] pyridin-2-yl)carbonyl]amino}cyclohexyl) ethanediamide)(以下、化合物IIと称する場合がある。)は、化合物Iのフリー体であり、国際一般名称(International Nonproprietary Names、INN)を、エドキサバン(edoxaban)、N−(5−クロロピリジン−2−イル)−N’−[(1S,2R,4S)−4−(N,N−ジメチルカルバモイル)−2−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−カルボキサミド)シクロヘキシル]オキサミド(N-(5-chloropyridin-2-yl)-N'-[(1S, 2R, 4S)-4-(N,N-dimethylcarbamoyl)-2-(5-methyl-4, 5, 6, 7-tetrahydro[1, 3]thiazolo[5,4-c]pyridine-2-carboxamido)cyclohexyl]oxamide)という。
化合物IIを製造する方法は特に限定されないが、例えば、特許文献1〜9に記載の方法またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
化合物Iは、日本の医薬品一般的名称(JAN)の日本名をエドキサバントシル酸塩水和物といい、英名をEdoxaban Tosilate Hydrateという。
化合物Iを製造する方法は特に限定されないが、例えば、特許文献1〜9に記載の方法またはこれらに準ずる方法、例えば、化合物IIにp−トルエンスルホン酸のエタノール溶液を添加後、含水エタノールを追加で添加して化合物IIを溶解し、次いで、反応液を冷却して結晶を析出させることによって、結晶性の化合物として得ることができる。このようにして合成された化合物Iの結晶は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、図10で表されるような粉末X線回折パターンを示し、回折角(2θ(°))としては、5.38±0.2、8.08±0.2、10.8±0.2、13.5±0.2、15.0±0.2、16.9±0.2、17.6±0.2、20.5±0.2、21.1±0.2、22.7±0.2、23.5±0.2、26.0±0.2、27.3±0.2、27.6±0.2および30.0±0.2(°)に特徴的ピークを有する。本明細書中、特許文献1〜9に記載の方法またはこれらに準ずる方法で製造され、図10で表される粉末X線回折パターンを示す化合物Iの結晶を、「化合物IのForm I結晶」または「Form I結晶」と称する場合がある。用語「化合物IのForm I結晶」および「Form I結晶」は、本明細書中、交換可能に使用される。化合物IのForm I結晶は、さらに、下記の(v)〜(z):
(v)約250℃〜約270℃に2本の吸熱ピークを有するDTAプロフィール;
(w)図11で表されるDTAプロフィール;
(x)赤外吸収スペクトルとして3344±5、1675±2、1614±2、1503±2、1222±1、1171±1、1033±1、1012±1、843±1、825±1および802±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む;
(y)図12で表される赤外吸収スペクトルパターン;および/または
(z)融点(分解)が約246℃〜約250℃;
の群から選択されるいずれかの特徴を有する。
本明細書において、「アモルファス」とは、規則的な三次元の結晶構造を持たない非晶質固体のことをいう。目的の化合物がアモルファスであるかどうかは、例えば、当該化合物を粉末X線回折解析にかけた場合に、特定のピークが存在せずブロードな粉末X線回折のプロファイル(ハロー)が生成される場合、アモルファスであることが確認される。
本明細書において、「低結晶性固体」とは、アモルファスほどブロードな粉末X線回折のプロフィールは示さないが、粉末X線回折のピークが弱い、結晶性の低い準安定な結晶のことを意味する。
本明細書において、「アモルファス」および「低結晶性固体」を総称して、アモルファス等と称する場合がある。
本発明の1つの形態は、化合物IのForm II結晶に関する。
本発明のForm II結晶のCu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折分析の結果を、図1(a)の(2)、図3または図4に示す。本明細書において、特に記載されない限り、粉末X線回折分析の値はCu−Kα線を使用して得られた値である。Cu−Kα線以外のX線を用いた場合、2θ(°)は、式2dsinθ=nλ(dは2つの面の間隔、nは任意の整数、λはX線の波長)の式に従って変動するが、これらは本願発明のForm II結晶を実質的に等価な別の表現方法によって表現したものに過ぎず、本願発明の範囲に含まれ、このことは結晶分野の当業者によって容易に理解され得る。また、これらのチャートによって示されるピークの相対強度は、例えば、サンプルの結晶化の程度または調製方法などに依存して変動し得る。2θ(°)は、実質的に変動しないが、結晶分野の当業者によって認識されている程度の誤差範囲(一般に、±0.2°の範囲)内で変動し得る。
本発明の1つの形態は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、22.3±0.2(°)におけるピークを含む化合物IのForm II結晶に関する。本発明の別の形態は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、23.2±0.2(°)におけるピークを含む化合物IのForm II結晶に関する。本発明の別の形態は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、22.3±0.2(°)および23.2±0.2(°)におけるピークを含む化合物IのForm II結晶に関する。本発明のさらに別の形態は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、22.3±0.2(°)または23.2±0.2(°)におけるピークに加えて、21.5±0.2または22.0±0.2(°)のいずれかのピークを含む化合物IのForm II結晶に関する。また、本発明のさらに別の形態は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、13.9°、14.2°、15.8°、16.2°、18.2°、21.5°、22.0°、22.3°、23.2°、24.3°にピークを含む化合物IのForm II結晶に関する。
本発明の化合物IのForm II結晶としては、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、22.3±0.2(°)または23.2±0.2(°)のいずれかにおけるピークを含む結晶が好ましく、21.5±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2及び23.2±0.2(°)からなる群から選択される少なくとも2つのピークを含む結晶がさらにより好ましい。また、本発明の化合物IのForm II結晶としては、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ(°))として、図1(a)の(2)、図3または図4で表されるチャートまたはピークを有する結晶が好ましい。これらのピークは、化合物IのFotm I結晶との識別において特に有用である。
化合物が結晶性であるかどうかは、粉末X線回折の結果から判断することができる。例えば、図1(a)(1)、図1(a)(2)、図1(b)(1)および図1(c)(1)は、シャープなピークを示すので、結晶と判断することができる。一方、図1(b)(2)は、2θ=17.5付近のピーク以外はブロードであり、結晶性が低い化合物を判断することができる。Form II結晶の粉末X線回折パターンのシグナル/バックグランド比(S/B比)はForm I結晶のそれに比べ小さく、Form II結晶はForm I結晶と比べて結晶性が低いと考えられる。粉末X線回折を用いて結晶を分析する場合、試料中に2以上の多形が含まれると、粉末X線回折分析の性質上、シグナル/バックグランド比が小さい結晶形は、シグナル/バックグランド比が大きい結晶形のピークに隠れて検出が困難になることがある。
本発明の化合物IのFormII結晶の示差熱分析(DTA)および熱質量測定(TG)の結果を図5に示す。本発明の1つの形態は、約160℃〜約170℃に少なくとも1つの吸熱ピークを有するDTAプロフィールを示すかまたは約215℃〜約225℃に少なくとも1つの吸熱ピークを有するDTAプロフィールを示す化合物IのForm II結晶に関する。本発明の別の形態は、約160℃〜約170℃、約215℃〜約225℃および約260℃〜約270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有するDTAプロフィールを示すか、図5で表されるDTAプロフィールおよびTGプロフィールを示す化合物IのForm II結晶に関する。本発明のForm II結晶は、好ましくは、約160℃〜約170℃または約215℃〜約225℃に少なくとも1つの吸熱ピークを有するDTAプロフィールを示す。
本発明の化合物のフーリエ変換型赤外(FT−IR)吸収スペクトルパターンを図6、図7および表Aに示す。本明細書において、赤外吸収スペクトルは、特に記載されない限り、フーリエ変換型赤外分光法を用いて測定した。赤外吸収スペクトルパターンにおける各吸収帯は、同じ型の赤外分光法を用いて測定される限り、本明細書に記載される値から実質的に変動しない。ここで、実質的に変動しないとは、赤外吸収スペクトルの各ピークは、結晶分野の当業者によって認識されている程度(例えば、第十五改正 日本薬局方解説書 2006年B−211〜B−217を参照のこと。)の誤差範囲内で変動し得ることを意味する。
本発明の1つの形態は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして3313±5(cm−1)に吸収帯を有する化合物IのForm II結晶に関する。本発明の別の形態は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして3354±5(cm−1)に吸収帯を有する化合物IのForm II結晶に関する。本発明の1つの形態は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして839±1(cm−1)に吸収帯を有する化合物IのForm II結晶に関する。本発明の1つの形態は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして828±1(cm−1)に吸収帯を有する化合物IのForm II結晶に関する。本発明の化合物IのForm II結晶は、好ましくは、3313±5、828±1および839±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む。
さらに、本発明の化合物IのForm II結晶は、好ましくは、上述した粉末X線回折パターンによる特徴に加え、下記の:
(a)160℃〜170℃、215℃〜225℃および260℃〜270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有するDTAプロフィール;
(b)図5で表されるDTAおよびTGプロフィール;
(c)図6で表されるフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、および
(d)上記の表Aに記載の吸収帯およびそれらの強度を示すフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、
からなる群から選択されるいずれか1つの特徴を有する。
本発明の1つの形態は、化合物IのForm II結晶の製造方法に関する。当該方法は、(a)化合物Iをアモルファスまたは低結晶性固体にする工程、次いで、(b)該アモルファスまたは低結晶性固体を溶媒蒸気に曝露する工程、を包含する。工程(a)において出発材料として用いられる化合物Iは、化合物Iであれば結晶の状態を問わず、例えば、Form I結晶、Form I結晶と化合物Iのアモルファスや低結晶固体との混合物、不純物としてForm II結晶を含むForm I結晶、結晶状態が未確認の化合物I、Form I結晶やForm II結晶以外の形態の化合物I、不純物としてForm I結晶やForm II結晶以外の形態の化合物Iを含むForm I結晶等が挙げられる。工程(a)において出発材料として用いられる化合物Iは、好ましくは、化合物IのForm I結晶である。
化合物Iのアモルファス等を作成する方法としては、例えば、化合物Iを粉砕する方法、融解し冷却する方法、凍結し乾燥する方法または噴霧し乾燥する方法が挙げられ、好ましくは、融解冷却する方法または凍結乾燥する方法が挙げられ、より好ましくは、凍結乾燥する方法が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物Iを溶媒に溶解した後、凍結乾燥することで化合物Iをアモルファス等にする場合、当該溶媒は特に限定されないが、例えば、水、ジオキサン、含水ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン/ジメチルスルホキシド混液、水/ジオキサン/ジメチルスルホキシド混液、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、含水テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが挙げられ、好ましくは、1,4−ジオキサン、含水1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン/ジメチルスルホキシド混液、水/1,4−ジオキサン/ジメチルスルホキシド混液が挙げられ、より好ましくは、含水1,4−ジオキサンが挙げられる。当該溶媒が含水溶媒である場合、含水率は特に限定されないが、例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%の含水率の溶媒が挙げられ、好ましくは、30%、40%、50%、60%または70%の含水率の溶媒が挙げられ、さらにより好ましくは、40%、50%または60%の含水率の溶媒が挙げられる。溶媒の量は特に限定されないが、例えば、化合物1gに対し溶媒100mL〜500mL、好ましくは、化合物1gに対し溶媒200mL〜400mLである。凍結乾燥温度と時間は特に限定されないが、例えば、−80℃から30℃の間で数時間〜24時間以上かけて凍結乾燥させることができる。
このようにして得られた化合物Iのアモルファスまたは低結晶性固体を溶媒蒸気に曝露することで、化合物IのForm II結晶を作製することができる。化合物Iのアモルファス等を溶媒蒸気に曝露してForm II結晶を作製する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。まず、第1の容器(気密容器が好ましい)と、第1の容器よりも小型で第1の容器内に収納できる第2の容器を用意し、第1の容器に曝露溶媒を入れ、第2の容器に化合物Iのアモルファス等を入れ、それぞれ、曝露温度条件になるまで放置する。それぞれの容器が曝露温度条件になったところで、第2の容器を密封することなく第1の容器に入れ、第2の容器が第1の容器に入った状態で、第1の容器の蓋やパラフィルム等で第1の容器を密封する。目的の温度および時間でアモルファス等を溶媒に曝露した後、第1の容器の密栓を開け、第2の容器内の結晶を回収することで化合物IのForm II結晶を得ることができる。ここで、第1の容器および第2の容器の種類は特に限定されず、例えば、ビーカーやバイアル瓶が挙げられ、作製したい化合物IのForm II結晶の量に応じて、適宜選択され得る。第1の容器および第2の容器の材質も特に限定されず、例えば、ガラス製や金属製の容器が挙げられ、当業者によって適宜選択され得る。
溶媒蒸気曝露の際の温度は特に限定されないが、例えば、0℃〜50℃であり、好ましくは、5℃〜40℃であり、より好ましくは、5℃、25℃または40℃であり、さらにより好ましくは、5℃である。
溶媒蒸気に曝露させる時間は特に限定されず、また、曝露温度に応じて適宜調節され得るが、通常、1日から10日であり、好ましくは、2日から5日であり、より好ましくは、3日、4日または5日である。
第1の容器に入れる溶媒の量は、特に限定されないが、通常、第1の容器の底全体を覆う量から第2の容器の縁から約1cm下までの量であり、好ましくは、第1の容器の底から1cmの量の厚さとなる量である。
蒸気曝露させる溶媒としては、例えば、水、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、2−メチル−1−プロパノール、1−プロパノール、2−プロパノール、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタンまたは酢酸が挙げられる。蒸気曝露させる溶媒として、好ましくは、アニソール、アセトン、2−ブタノン、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタンが挙げられ、より好ましくは、アセトン、アセトニトリル、およびジメトキシメタンが挙げられる。
蒸気曝露させる溶媒としてアセトニトリルを用いる場合、その温度は特に限定されないが、通常、0℃〜50℃であり、好ましくは、5℃〜40℃であり、より好ましくは、5℃、25℃、40℃であり、さらにより好ましくは、5℃である。また、第1の容器に入れるアセトニトリルの量は特に限定されないが、通常、第1の容器の底全体を覆う量から第2の容器の縁から約1cm下までの量であり、好ましくは、第1の容器の底から1cmの量の厚さとなる量である。アセトニトリル蒸気に曝露する時間は特に限定されないが、通常、2日から10日であり、好ましくは、3日、4日または5日である。
得られた結晶は、粉末X線回折装置をはじめとして、結晶解析に有用な種々の機器、例えば、赤外分光装置、熱分析装置(例えば、示差熱分析装置または熱質量測定装置)、水蒸気吸着測定装置を用いてその物理学的性質を調べることができる。
このようにして得られた本発明の化合物IのForm II結晶は、活性化血液凝固第X因子(FXaと称する場合もある。)阻害剤、血液凝固抑制剤、血栓または塞栓の予防および/または治療剤として有用である。本発明の化合物IのForm II結晶は、ヒトを含む哺乳類のための医薬、活性化血液凝固第X因子阻害剤、血液凝固抑制剤、血栓および/または塞栓の予防および/または治療剤、血栓性疾患の予防および/または治療薬、さらには脳梗塞、脳塞栓、肺梗塞、肺塞栓、心筋梗塞、狭心症、急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome)、非弁膜性心房細動(Non−Valvular Atrial Fibrillation、NVAF)に伴う血栓および/または塞栓症、深部静脈血栓症、外科的手術後の深部静脈血栓症、人工弁/関節置換後の血栓形成、股関節全置換術(Total Hip Replacement、THR)後の血栓塞栓症、膝関節全置換術(Total Knee Replacement、TKR)後の血栓塞栓症、股関節骨折手術(Hip Fracture Surgery、HFS)後の血栓塞栓症、血行再建後の血栓形成および/または再閉塞、バージャー病、汎発性血管内凝固症候群、全身性炎症性反応症候群(Sytemic Inflammatory Response Syndrome、SIRS)、多臓器不全(Multiple Organ Dysfunction Syndrome、MODS)、体外循環時の血栓形成あるいは採血時の血液凝固の予防剤(本明細書において、予防とは2次予防を含む。)および/または治療剤、あるいは、これら予防剤および/または治療剤の医薬品原体として有用である。
本発明の化合物IのForm II結晶を有効成分として含む医薬は、好ましくは、本発明の化合物IのForm II結晶と1種または2種以上の薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物の形態で提供される。本発明の医薬の投与形態は特に制限されず、経口的または非経口的に投与することができるが、好ましくは、経口的に投与される。
本発明はまた、化合物Iを含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、化合物Iとして本発明のForm II結晶を少なくとも一部含む。当該医薬組成物には、化合物IとしてForm II結晶以外の結晶形(例えば、Form I結晶)が存在していてもよい。当該医薬組成物に含まれるForm IIの割合は、当該医薬組成物中の化合物I全体に対して、0.01重量%〜99.9重量%の範囲、例えば、0.01重量%以上、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、4重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、96重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、99重量%以上、99.5重量%以上、99.6重量%以上、99.7重量%以上、99.8重量%以上または99.9重量%以上含まれていればよい。化合物IのForm II結晶が医薬組成物に含まれているかどうかは、本明細書に記載される機器分析方法(例えば、粉末X線回折、熱分析、赤外吸収スペクトル等)により確認することができる。
上記の医薬組成物の製造に用いる薬学的に許容可能な担体としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤または粘着剤を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を例示できる。また、非経口投与に適する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤または貼付剤を挙げることができる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分として含む医薬組成物の投与量は特に限定されず、患者の年齢、体重、症状などの種々の条件に応じて適宜選択することができるが、有効成分を成人1日当たり1mg〜1000mg、好ましくは5mg〜500mg、より好ましくは5mg〜300mg、さらにより好ましくは、5mg〜100mgを、1日当り1回〜数回好ましくは1日当たり1回または2回、症状に応じて投与することが望ましい。
以下に実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)N−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド(化合物II)の合成
化合物IIは、特許文献1〜9に記載の方法に準じて合成した。
(実施例2)N−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド p−トルエンスルホン酸塩 一水和物(化合物I)のForm I結晶の合成
実施例1で得た化合物4.1gを60℃にて15%含水エタノール50mLに懸濁させ、1mol/L p−トルエンスルホン酸エタノール溶液7.42mLを添加後、15%含水エタノール40mLを追加し、溶解した。その後、室温まで冷却し、1日撹拌した。析出晶を濾取し、エタノールで洗浄後、室温にて2時間減圧乾燥し、標記結晶4.7g(86%)を得た。融点(分解)246〜250℃。
(実施例3)化合物Iの結晶多形の探索
本実施例において、粉末X線回折測定は、以下の条件で行った。
線源:Cu−Kα線、フィルター:なし、検出器:比例計数管、管電圧:40 kV、管電流:50 mA、スキャンモード:continuous、走査速度:0.015° 2θ/s、走査範囲:2θ=5−40°、装置:X’pert MPD PW3040(パナリティカル社製)
(1)スラリー攪拌法
32本のガラス製バイアルに、それぞれ、化合物IのFormI結晶 約100mgを計量し、32種類の溶媒(水、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸 n−ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1ブタノール、メチルエチルケトン(ブタノン)、メチルイソブチルケトン(3−メチル−2−ブタノン)、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン)を1mLずつ加えた。ジエチルエーテルとペンタンを加えた試料は20℃の一定温度で61時間以上攪拌した。他の溶媒を加えた試料は50℃で50時間スラリー攪拌した後、20℃まで冷却した。
スラリー攪拌後の試料を遠心分離し、上清をパスツールピペットにて除き、更に濾紙にて残余の溶媒を除いた後、一晩風乾した。
各溶媒を用いて得られた32種類の結晶はいずれも、スラリー攪拌前のForm I結晶と同等の粉末X線回折パターンを示した。従って、スラリー攪拌方法では、化合物Iの新たな多形を得ることはできなかった。
(2)単一溶媒を用いた再結晶法
化合物IのFormI結晶 約500gにメタノール8mLを加えて温浴(60℃)にて加熱溶解した後、室温で放置し結晶を析出させ、得られた結晶をろ取し、一晩風乾した。
溶媒を、水、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドに変えた以外はメタノールの場合と同様にして化合物IのForm I結晶を加熱溶解し、再結晶を試みた。
メタノール、水、エタノール、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドをそれぞれ単一溶媒として用いた場合、結晶が析出した。しかし、これらの結晶はいずれも、再結晶前のForm I結晶と同等の粉末X線回折パターンを示した。ジメチルスルホキシドを単一溶媒として用いた場合、固体が析出しなかった。
(3)含水溶媒を用いた再結晶法
化合物IのForm I結晶 約500mgに10%含水メタノール10mLを加えて温浴(60℃)にて加熱溶解し、溶液を熱時ろ過した。ろ液を室温で放置し結晶を析出させ、得られた結晶をろ取し、一晩風乾した。
溶媒を、20%含水メタノール、50%含水メタノール、80%含水メタノール、10%含水エタノール、20%含水エタノール、50%含水エタノール、80%含水エタノール、10%含水アセトン、20%含水アセトン、50%含水アセトン、80%含水アセトン、10%含水アセトニトリル、20%含水アセトニトリル、50%含水アセトニトリル、80%含水アセトニトリル、10%含水1−プロパノール、20%含水1−プロパノール、50%含1−プロパノール、80%含水1−プロパノール、10%含水2−プロパノール、20%含水2−プロパノール、50%含水2−プロパノールまたは80%含水2−プロパノールに変えた以外は10%含水メタノールを溶媒として用いたときと同じように化合物IのForm I結晶を加熱溶解し、再結晶を試みた。
24種類のいずれの溶媒を用いた場合も、結晶が析出した。しかし、これらの結晶はいずれも、再結晶前のForm I結晶と同等の粉末X線回折パターンを示した。
(4)凍結乾燥−溶媒蒸気曝露法
水120mLと1,4−ジオキサン120mLを混ぜ、水/1,4−ジオキサン(1:1)混液を調製した。化合物IのForm I結晶 約500mgに水/1,4−ジオキサン(1:1)混液200mLを加え溶かし、100mLのビーカー6個に分けて、凍結乾燥した。
得られた凍結乾燥ケーキをビーカーごと少量の各々の蒸気曝露用溶媒(水、エタノール、またはアセトニトリル)を入れた金属ドラム(三広アステック、ステンレス容器、4L、CTH−18)中に入れた。いずれの溶媒蒸気曝露についても、再現性のために2個のビーカーで曝露を行った。金属ドラムを冷蔵庫に5日間保存した後、凍結乾燥ケーキを容器から取り出し、一晩常圧にて乾燥した。溶媒蒸気に曝露した凍結乾燥ケーキはスパーテルで軽く混合した。
図1に凍結乾燥−溶媒蒸気曝露法により得られた化合物Iの粉末X線回折パターンを示す。いずれの溶媒蒸気曝露においても、それぞれ2個のビーカー間で再現性が得られた。図1は、各溶媒蒸気曝露についての、いずれか一方のビーカーから得られた化合物Iの代表的な結果を示す。
水蒸気に曝露した試料とアセトニトリル蒸気に曝露した試料は、Form I結晶とは異なる回折パターンを示した(図1(a))。
図2に凍結乾燥−溶媒蒸気曝露法により得られた化合物Iの最大回折線と2θ=10°付近のバックグランドの係数比(S/B比)、主な回折線の回折角、結晶形の判定結果をまとめる。
アセトニトリル蒸気に曝露した試料はS/B比が5以上で、明確な回折線を示したため結晶性を有すると判定された。アセトニトリル蒸気に曝露した試料は、主要回折線の回折角および回折パターンともに、Form I結晶とは異なることから、アセトニトリル蒸気に曝露した試料はForm I結晶とは異なる結晶形であると考えられた(図1(a)および図2)。
水蒸気に曝露した試料はS/B比は5以上であったが、回折線の数が2、3本と通常の結晶性の試料に較べて極めて少ない上、回折線の形状も非常にブロードであったため、低結晶性と判定した(図1(b)および図2)。
エタノール蒸気に曝露した試料はS/B比が5以上で、明確な回折線を示したため結晶性と判定された。エタノール蒸気に曝露した試料の結晶形は主要回折線の回折角、回折パターンの同等性からForm I結晶であると考えられた(図1(c)および図2)。
(実施例4)化合物IのForm II結晶
化合物IのForm I結晶 2.5gを水/1,4−ジオキサン(1:1)混液1000mLを加え溶かし、溶液約80mLずつを14個の100mLのガラスビーカーに分注し、凍結乾燥した。
得られた凍結乾燥ケーキをビーカーごと少量のアセトニトリルを入れた金属ドラム(三広アステック、ステンレス容器、4L、CTH−18)中に入れ、冷蔵庫(約5℃)で8日間、溶媒蒸気曝露させた。凍結乾燥ケーキを容器から取り出し、シリカゲルを入れたデシケーター中で6日間、室温保存した。14個のガラスビーカーから溶媒蒸気に曝露した凍結乾燥ケーキを回収して1つにし、これを次の試験例1〜5に供した。
(試験例1)
実施例4で得られたFormII結晶を調整し、粉末X線測定装置を用いて結晶形の測定を実施した。粉末X線測定の条件は、実施例3の条件と同じである。
粉末X線回折パターンの結果を図3に、特徴的なピークおよびその相対強度を図4に示す。
(試験例2)
実施例4で得られたFormII結晶を調整し、熱分析(TG/DTA)の測定を実施した。熱分析(TG/DTA)測定の条件:雰囲気:窒素200mL/分、昇温速度:10℃/分、サンプル量:約3mg、装置:TG/DTA6200(エスアイアイナノテクノロジーズ社製)
結果を図5に示す。実施例4で得られた結晶は、約160℃〜約170℃、約215℃〜約225℃および約260℃〜約270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有する熱分析(DTA)プロフィールを示した。
(試験例3)
実施例4で得られたFormII結晶を調整し、赤外吸収スペクトルの測定を実施した。赤外吸収スペクトル測定の条件:測定法:KBr錠剤法、装置:FT−720(HORIBA社製)
結果を図6および図7に示す。実施例4で得られた結晶は、3300〜3400(cm−1)付近および900〜700(cm−1)付近に特徴的な吸収帯を有する赤外吸収スペクトルパターンを示した。
(試験例4)
水蒸気吸着測定装置(SGA−100.VTIコーポレーション)を用いて、実施例4で得られたFormII結晶約20mgの相対湿度(RH)範囲10〜90%での経時的重量変化を測定した。
結果を図8に示す。
(試験例5)
実施例4で得られたFormII結晶と化合物IのForm I結晶の、37℃における水および酢酸緩衝液(pH4.5)の溶解度を測定した。
結果を図9に示す。
(製剤例)
化合物のForm II結晶(40.4mg)、マンニトール(99.2mg)、部分α化デンプン(42.0mg)、クロスポビドン(10.7mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(6.1mg)、ステアリン酸マグネシウム(1.6mg)を、周知の方法に従って、錠剤を製造する。錠剤は、必要に応じてコーティングを施すことができる。

Claims (31)

  1. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2(°)または23.2±0.2(°)のいずれかにおけるピークを含む、下記の式(I)

    で表される、N−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド p−トルエンスルホン酸塩 1水和物のForm II結晶。
  2. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2(°)および23.2±0.2(°)におけるピークを含む、請求項1に記載の結晶。
  3. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、21.5±0.2または22.0±0.2(°)のいずれかのピークをさらに含む、請求項1に記載の結晶。
  4. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折による回折角(2θ)として、13.9±0.2、14.2±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.2±0.2および24.3±0.2(°)におけるピークを含む、請求項1に記載の結晶。
  5. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折が、次の図の(2)
    または次の図

    のいずれかのパターンを示す、請求項1に記載の方法。
  6. 160℃〜170℃または215℃〜225℃のいずれか1つに少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析プロフィールを示す、請求項1に記載の結晶。
  7. フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして3313±5、839±1および828±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む、請求項1に記載の結晶。
  8. 下記の(a)〜(d):
    (a)160℃〜170℃、215℃〜225℃および260℃〜270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析プロフィール;
    (b)下記の図


    で表される示差熱分析および熱質量測定プロフィール;
    (c)次の図

    で表されるフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン;および
    (d)次の表A
    に記載の吸収帯およびそれらの強度を示すフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、
    からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項1に記載の結晶。
  9. Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として22.3±0.2(°)または23.2±0.2(°)のいずれかにおけるピークを含む下記の式(I)

    で表されるN−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド p−トルエンスルホン酸塩 1水和物のForm II結晶の製造方法であって、
    (a)式(I)で表される化合物をアモルファスまたは低結晶性固体にする工程、次いで、
    (b)該アモルファスまたは低結晶性固体を溶媒蒸気に曝露する工程、
    を包含する。
  10. 工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、式(I)で表される化合物の粉砕、融解冷却、凍結乾燥または噴霧乾燥により作製する、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、式(I)で表される化合物の凍結乾燥により作製する、請求項9に記載の方法。
  12. 工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、式(I)で表される化合物を水、ジオキサン、含水ジオキサンまたはジメチルスルホキシドに溶解した後、凍結乾燥することにより作製する、請求項9に記載の方法。
  13. 工程(a)において、前記アモルファスまたは低結晶性固体を、式(I)で表される化合物を含水ジオキサンに溶解した後、凍結乾燥することにより作製する、請求項9に記載の方法。
  14. 工程(b)において、蒸気曝露させる溶媒が、アニソール、アセトン、2−ブタノン、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタンまたはジメトキシメタンである、請求項9に記載の方法。
  15. 工程(b)において、蒸気曝露させる温度が0℃〜50℃である、請求項9に記載の方法。
  16. 工程(b)において、蒸気曝露させる時間が1日〜10日である、請求項9に記載の方法。
  17. 工程(a)の式(I)で表される化合物が、式(I)で表される化合物のForm I結晶である、請求項9に記載の方法。
  18. Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、22.3±0.2(°)および23.2±0.2(°)のピークを含む、請求項9に記載の方法。
  19. Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折の回折角(2θ)として、21.5±0.2または22.0±0.2(°)のいずれかのピークをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  20. Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折による回折角(2θ)として、13.9±0.2、14.2±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.2±0.2および24.3±0.2(°)におけるピークを含む、請求項9に記載の方法。
  21. Form II結晶が、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折として、次の図の(2)
    または次の図

    のいずれかのパターンを示す、請求項9に記載の方法。
  22. Form II結晶が、160〜170℃または215℃〜225℃のいずれか1つに少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析プロフィールを示す、請求項9に記載の方法。
  23. Form II結晶が、フーリエ変換型赤外吸収スペクトルとして3313±5、839±1および828±1(cm−1)からなる群から選択されるいずれか1つの吸収帯を含む、請求項9に記載の方法。
  24. Form II結晶が、下記の(a)〜(d):
    (a)160℃〜170℃、215℃〜225℃および260℃〜270℃にそれぞれ少なくとも1つの吸熱ピークを有する示差熱分析プロフィール;
    (b)下記の図


    で表される示差熱分析および熱質量測定プロフィール;
    (c)次の図

    で表されるフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン;および
    (d)次の表A
    に記載の吸収帯およびそれらの強度を示すフーリエ変換型赤外吸収スペクトルパターン、
    からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項9に記載の方法。
  25. 請求項9〜24のいずれか1項に記載の方法で得られる式(I)で表される化合物のForm II結晶。
  26. 請求項1〜8もしくは25のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のForm II結晶または請求項9〜24のいずれか1項に記載の方法で得られる式(I)で表される化合物のForm II結晶を含有する医薬。
  27. 活性化血液凝固第X因子(FXa)阻害剤である、請求項26に記載の医薬。
  28. 血栓または塞栓の予防および/または治療剤である、請求項27に記載の医薬。
  29. 脳梗塞、脳塞栓、肺梗塞、肺塞栓、心筋梗塞、狭心症、急性冠症候群、非弁膜性心房細動に伴う血栓および/または塞栓症、深部静脈血栓症、外科的手術後の深部静脈血栓症、人工弁/関節置換後の血栓形成、股関節全置換術後の血栓塞栓症、膝関節全置換術後の血栓塞栓症、股関節骨折手術後の血栓塞栓症、血行再建後の血栓形成および/または再閉塞、バージャー病、汎発性血管内凝固症候群、全身性炎症性反応症候群、多臓器不全、体外循環時の血栓形成あるいは採血時の血液凝固の予防剤および/または治療剤である、請求項28に記載の医薬。
  30. 請求項1〜8もしくは25のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のForm II結晶または請求項9〜24のいずれか1項に記載の方法で得られる式(I)で表される化合物のForm II結晶及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  31. 式(I)で表される化合物を含む医薬組成物であって、請求項1〜8もしくは25のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のForm II結晶または請求項9〜24のいずれか1項に記載の方法で得られた式(I)で表される化合物のForm II結晶を、当該医薬組成物中の化合物I全重量に対して、0.01重量%〜99.9重量%含む、医薬組成物。
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