JPWO2011078263A1 - 二次電池用電極及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、得られる二次電池が高い寿命特性を有し、ガス発生が抑制されたリチウムイオン二次電池用電極を提供することにある。本発明は、集電体上に、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含む電極活物質層を有する二次電池用電極に関する。前記ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子の一次粒子の数平均粒子径は5〜100nmであることが好ましい。

Description

本発明は、二次電池用電極に関し、さらに詳しくはリチウムイオン二次電池などに用いられる、高い出力特性とサイクル特性を有する電池が得られる電極に関する。また本発明は、かかる電極を有する二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、実用化電池の中で最も高いエネルギー密度を示し、特に小型エレクトロニクス用に多用されている。また、自動車用途への展開も期待されている。その中で、リチウムイオン二次電池の安全性、長寿命化、高出力化、サイクル特性などの信頼性のさらなる向上が要望されている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質として用いられる、LiCoO、LiMn及びLiFePO等のリチウム含有金属酸化物等を、ポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF」と記載することがある。)等の結着剤により結合させて正極電極が形成されている。一方負極は、負極活物質として用いられる、炭素質(非晶質)の炭素材料、金属酸化物もしくは金属硫化物等を、スチレン−ブタジエン共重合体等の結着剤により結合させて負極電極が形成されている。
リチウムイオン二次電池の安全性の問題を解決すべく、例えば、特許文献1には、ヒンダートアミン系の化合物をラジカル捕捉剤として添加することが開示されている。そして、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン型のヒンダートアミンを正極に添加することにより、釘刺し試験において発火しないリチウムイオン二次電池が得られている。また、特許文献2、3には出力特性、サイクル特性を改善すべく、ナノセラミックス粒子を負極(特許文献2)、もしくは正極(特許文献3)に添加することが、開示されている。これらの文献においては、結着剤であるPVDFにナノセラミックスを複合化させることにより、PVDF中に分散されたセラミック粒子表面近傍におけるリチウムイオンの移動性が高くなり、出力特性、サイクル特性に優れた電池が得られている。
特開平10−154531号公報 特開2009−206091号公報(対応米国公報:米国特許出願公開第2009/0197179号明細書) 特開2009−206092号公報(対応米国公報:米国特許出願公開第2010/0035148号明細書)
しかしながら、本発明者らの検討により以下のことがわかった。即ち、特許文献1に記載の方法では、ラジカル捕捉剤として有機化合物を使用しており、高充電状態で長期保存した際に、ラジカル捕捉剤の分解や電解液の分解が進行し、ガス発生による膨れなどが見られる。また、特許文献2、3に記載の方法ではPVDFを結着剤として利用している。PVDFは脱フッ化水素反応が起きやすく、またPVDFはポリマー主鎖にフッ素原子が結合しているために脱フッ素化反応を起因としたPVDFの分解反応が起こりやすい。そのため、ガス発生による膨れや、高温保存特性、サイクル特性、出力特性の悪化が見られる。
従って、本発明の目的は、得られる二次電池が高い寿命特性を有し、ガス発生が抑制されたリチウムイオン二次電池用電極を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、集電体上に、結着剤、電極活物質を含む電極活物質層を有する二次電池用電極において、電極活物質層に、前記結着剤として特定の構造をもつ結着剤及び特定の金属酸化物微粒子を含有させることにより、寿命特性が向上し、さらにガス発生量が大幅に低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)集電体、及び
前記集電体上に設けられた、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含む電極活物質層
を有する二次電池用電極。
(2)前記金属酸化物微粒子の一次粒子の数平均粒子径が5〜100nmである前記(1)に記載の二次電池用電極。
(3)前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる金属酸化物の微粒子である前記(1)又は(2)に記載の二次電池用電極。
(4)前記結着剤が、ジエン系重合体又はアクリル系重合体である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二次電池用電極。
(5)ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子、及び溶媒を含む二次電池の電極用スラリー。
(6)前記金属酸化物微粒子の一次粒子の数平均粒子径が5〜100nmである前記(5)に記載の二次電池の電極用スラリー。
(7)前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる金属酸化物の微粒子である前記(5)又は(6)に記載の二次電池の電極用スラリー。
(8)前記結着剤が、ジエン系重合体又はアクリル系重合体である前記(5)〜(7)のいずれかに記載の二次電池の電極用スラリー。
(9)正極、負極、セパレーター及び電解液を含む二次電池であって、前記正極及び負極の少なくとも一方が、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電極である、二次電池。
本発明によれば、寿命特性、ガス発生という問題に対して、結着剤としてポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤を用いることにより、その分解反応を抑制し、さらにラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を用いることにより、この金属酸化物微粒子が電極活物質近傍で発生するラジカルを捕捉し、電解液の分解によるガス発生を抑制し、寿命特性、サイクル特性に優れた二次電池用電極を得ることができる。
以下に本発明を詳述する。
本発明の二次電池用電極(以下、単に「電極」と記載することがある。)は、集電体上に、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含む電極活物質層を有する。即ち、本発明の二次電池用電極は、集電体、及び集電体上に設けられた電極活物質層を有し、電極活物質層が、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含む。
(電極活物質)
本発明の二次電池用電極に用いられる電極活物質は、一般的に、電極が利用される二次電池に応じて選択される。前記二次電池としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池が挙げられる。
本発明の二次電池用電極を、リチウムイオン二次電池正極用に用いる場合、リチウムイオン二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無機化合物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFePO、LiFeVOなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoS等の遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物が挙げられる。これらの化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を共存させることで、炭素材料で覆われた電極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。正極活物質の粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。50%体積累積径がこの範囲であると、充放電容量が大きい二次電池を得ることができ、かつ電極用スラリーおよび電極を製造する際の取扱いが容易である。50%体積累積径は、レーザー回折で粒度分布を測定することにより求めることができる。
本発明の二次電池用電極を、リチウムイオン二次電池負極用に用いる場合、リチウムイオン二次電池負極用の電極活物質(負極活物質)としては、たとえば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子などがあげられる。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属やこれらの合金、前記金属又は合金の酸化物や硫酸塩が用いられる。加えて、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等を使用できる。電極活物質は、機械的改質法により表面に導電付与材を付着させたものも使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
本発明の二次電池用電極を、ニッケル水素二次電池正極用に用いる場合、ニッケル水素二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)としては、水酸化ニッケル粒子が挙げられる。水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよく、あるいは表面がアルカリ熱処理されたコバルト化合物で被覆されていてもよい。また、水酸化ニッケル粒子には、酸化イットリウムの他に、酸化コバルト、金属コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物、酸化エルビウム等の希土類化合物等の添加剤が含まれていてもよい。
本発明の二次電池用電極を、ニッケル水素二次電池負極用に用いる場合、ニッケル水素二次電池負極用の電極活物質(負極活物質)としては、水素吸蔵合金粒子は、電池の充電時にアルカリ電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、なおかつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよく、特に限定はされないが、AB5型系、TiNi系及びTiFe系の水素吸蔵合金からなる粒子が好ましい。具体的には、例えば、LaNi5、MmNi5(Mmはミッシュメタル)、LmNi5(LmはLaを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)及びこれらの合金のNiの一部をAl,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr及びB等から選択される1種以上の元素で置換した多元素系の水素吸蔵合金粒子を用いることができる。特に、一般式:LmNiwCoxMnyAlz(原子比w,x,y,zの合計値は4.80≦w+x+y+z≦5.40である)で表される組成を有する水素吸蔵合金粒子は、充放電サイクルの進行に伴う微粉化が抑制されて充放電サイクル特性が向上するので好適である。
本発明において、電極活物質層中の電極活物質の含有割合は、好ましくは90〜99.9質量%、より好ましくは95〜99質量%である。電極活物質層中の電極活物質の含有割合を、前記範囲とすることにより、高い容量を示しながらも柔軟性、結着性を示すことができる。
(結着剤)
本発明に用いる結着剤は、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない構造を有するものである。主鎖とは、例えばC=C結合の付加重合に基づく重合体であれば、単位−(CR−CR)−(個々のRは独立に水素原子又は側鎖との結合手)が連なった鎖である。この例において、主鎖にハロゲン原子が結合している構造とは、Rの一以上がハロゲン原子であるものである。従って、例えばフッ化ビニリデン等の、C=C結合と、かかるC=C結合にかかる炭素原子に直接結合したハロゲン原子を含む単量体に基づく重合単位を有する構造は、「ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない構造」の範疇に入らない。また、あるポリマーの主鎖にハロゲン原子が「結合していない」ことは、かかるポリマーを固体19F−NMRにより測定し、ハロゲン含有量が測定限界以下、好ましくは0%であることにより確認しうる。結着剤が、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していないことにより、脱ハロゲン化水素反応を起因とする分解反応を抑制し、高温保存時のガス発生を抑制し、サイクル特性(寿命特性)、出力特性を向上させることができる。
結着剤としては、ジエン系重合体、アクリル系重合体、フッ素系重合体、シリコン系重合体、ビニル系重合体、主鎖にヘテロ原子を含むエーテル系重合体、縮合エステル系重合体、縮合アミド系重合体などが挙げられる。これらの中でも、電極活物質との結着性および得られる電極の強度や柔軟性に優れるため、ジエン系重合体やアクリル系重合体が好ましい。
ジエン系重合体とは、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを重合体してなる単量体単位を含む重合体である。ジエン系重合体中の共役ジエンを重合してなる単量体単位の割合は通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上である。ジエン系重合体としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体;共役ジエンと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
前記共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアミド系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
アクリル系重合体とは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位を含む重合体である。アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位の割合は、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。アクリル系重合体としては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの単独重合体、これと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。
アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを挙げることができ。具体的には、一般式CH=CR−COO−R(Rは水素またはメチル基を表し、Rはアルキル基を表す)で表される化合物を挙げることができる。
アクリル酸アルキルエステルの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、ステアリルアクリレートなどが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルの例としては、のアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
前記共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類;パーフルオロオクチルエチルアクリレートやパーフルオロオクチルエチルメタクリレートなどの側鎖にフッ素を含有する不飽和エステル類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジルエステル類などが挙げられる。
ビニル系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールポリビニル、イソブチルエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリメタアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、酢酸アリル、ポリスチレンなどが挙げられる。主鎖にヘテロ原子を含むエーテル系重合体としては、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリ環状チオエーテル、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。縮合エステル系重合体としては、ポリラクトンポリ環状無水物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。縮合アミド系重合体としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリ−m−フェニレンイソフタラミド、ポリ−p−フェニレンテレフタラミド、ポリピロメリットイミドなどの縮合アミド系重合体などが挙げられる。
本発明に用いる結着剤は、分散媒に分散された分散液または溶解された溶液の状態で使用される。その中でも分散媒に粒子状で分散していることが電解液の膨潤性を抑制するという理由から好ましい。
バインダーが分散媒に粒子状で分散している場合において、粒子状で分散しているバインダーの数平均粒径は、50nm〜500nmが好ましく、70nm〜400nmがさらに好ましく、最も好ましくは100nm〜250nmである。バインダーの数平均粒径がこの範囲であると得られる電極の強度および柔軟性が良好となる。また、分散媒としては有機溶媒や水が用いられるが、中でも乾燥速度が速いという理由から分散媒として水を利用することが好ましい。
本発明において、結着剤として用いる重合体の重合法は特に限定はされず、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法も用いることができる。重合方法としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などいずれの方法も用いることができる。重合に用いる重合開始剤としては、たとえば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、または過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどがあげられる。
本発明において、結着剤として用いる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と記載することがある。)は好ましくは30℃以下、さらに好ましくは0℃以下である。前記重合体のTgがこの範囲にあるときに、電極の柔軟性、結着性及び捲回性、電極活物質層と集電体層との密着性などの特性が高度にバランスされ好適である。重合体のガラス転移温度は、構成する単量体の使用割合などを変更することによって調製可能である。ガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、好ましくは−120℃以上、さらに好ましくは−100℃以上とすることができる。
本発明において、結着剤として用いる重合体の重量平均分子量は、5,000〜2,500,000、好ましくは10,000〜1,000,000、さらに好ましくは20,000〜500,000である。重量平均分子量が小さすぎると、結着力が弱くなり、得られる電極の電極活物質の欠落が起こりやすくなる、一方、大きすぎると電極活物質の分散性が劣り、得られる電極の均質性が低下する。なお、該重合体の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
電極活物質層中の結着剤の含有量は、電極活物質100質量部に対して0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。電極活物質層中の結着剤の含有量が前記範囲にあることで、電極活物質同士及び集電体への結着性に優れ更に柔軟性を維持しながらも、Liの移動を阻害せず抵抗が増大することがない。
(金属酸化物微粒子)
本発明に用いる金属酸化物微粒子はラジカル捕捉機能を有するものであり、電極活物質としては機能しない。ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を電極活物質層に含有させることにより、充放電時に発生するラジカルを金属酸化物微粒子が捕捉して、電解液や結着剤の分解を抑制し、高温保存時のガス発生の抑制やサイクル特性(寿命特性)が向上する。
このような金属酸化物としては、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ビスマス(Bi)および酸化ケイ素(SiO)からなる群から選ばれる金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、電池特性への影響が少ないことから、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる金属酸化物を用いることが好ましく、酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンの微粒子としては、ルチル型の結晶構造を有するもの、及びアナターゼ型の結晶構造を有するものを用いることができる。中でもアナターゼ型の結晶構造を有するものがラジカル捕捉機能に優れるために特に好ましい。
本発明において、これらの金属酸化物微粒子は、単独で用いてもよく、また2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明において、これらの金属酸化物微粒子の粒径は、ラジカル捕捉機能の高さ、および電極内で異物として充放電反応を阻害しないために、一次粒子の数平均粒子径が5〜100nmであることがより好ましく、10〜90nmであることがさらに好ましく、15〜80nmであることが特に好ましい。
本発明において、電極活物質層中の金属酸化物微粒子の含有量は、電極活物質100質量部に対して0.02〜0.75質量部であることが好ましく、0.05〜0.50質量部であることがより好ましい。電極活物質層中の金属酸化物微粒子の含有量が上記範囲にあると、優れたラジカル捕捉機能を発現し、また優れた電池特性を示す。
(集電体)
本発明に用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。中でも、リチウムイオン二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、リチウムイオン二次電池の負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、電極の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、電極の接着強度や導電性を高めることを目的に、集電体表面に中間層を形成してもよい。
本発明の二次電池用電極には、上記成分のほかに、さらに導電性付与材、補強材、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、増粘剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤、任意成分が含まれていてもよく、後述の二次電池の電極用スラリー中に含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
導電付与材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられる。導電性付与材を用いることにより電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、特にリチウムイオン二次電池に用いる場合に放電負荷特性を改善したりすることができる。補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。補強材を用いることにより強靭で柔軟な電極を得ることができ、優れた長期サイクル特性を示すことができる。電極活物質層中の導電性付与材や補強剤の含有割合は、電極活物質100質量部に対して通常0.01〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。前記範囲に含まれることにより、高い容量と高い負荷特性を示すことができる。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる電極活物質や導電剤に応じて選択される。電極活物質層中の分散剤の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部である。分散剤量が上記範囲であることにより、後述する二次電池の電極用スラリーの安定性に優れ、平滑な電極を得ることができ、高い電池容量を示すことができる。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。電極活物質層中のレベリング剤の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部である。レベリング剤が上記範囲であることにより電極作製時の生産性、平滑性及び電池特性に優れる。
酸化防止剤としてはフェノール化合物、ハイドロキノン化合物、有機リン化合物、硫黄化合物、フェニレンジアミン化合物、ポリマー型フェノール化合物等が挙げられる。ポリマー型フェノール化合物は、分子内にフェノール構造を有する重合体であり、重量平均分子量が200〜1000、好ましくは600〜700のポリマー型フェノール化合物が好ましく用いられる。電極活物質層中の酸化防止剤の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部、更に好ましくは0.05〜5質量部である。電極活物質層中の酸化防止剤が上記範囲であることにより、後述する二次電池の電極用スラリー安定性、電池容量及びサイクル特性に優れる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物などが挙げられる。増粘剤の使用量がこの範囲であると、塗工性や、電極や有機セパレーターとの密着性が良好である。本発明において、「(変性)ポリ」は「未変性ポリ」又は「変性ポリ」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタアクリル」を意味する。電極活物質層中の増粘剤の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部である。電極活物質層中の増粘剤が上記範囲であることにより、後述する二次電池の電極用スラリー中の活物質等の分散性に優れ、平滑な電極を得ることができ、優れた負荷特性及びサイクル特性を示す。
電解液添加剤は、後述する電極用スラリー中及び電解液中に使用されるビニレンカーボネートなどを用いることができる。電極中の電解液添加剤の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部である。電解液添加剤が上記範囲であることによりサイクル特性及び高温特性に優れる。その他には、フュームドシリカやフュームドアルミナなどのナノ微粒子が挙げられる。前記ナノ微粒子を混合することにより電極用スラリーのチキソ性をコントロールすることができ、さらにそれにより得られる電極のレベリング性を向上させることができる。電極活物質層中のナノ微粒子の含有割合は、好ましくは0.01〜10質量部である。ナノ微粒子が上記範囲であることにより、後述する二次電池の電極用スラリーの安定性、生産性に優れ、高い電池特性を示す。
本発明の二次電池用電極の製造方法は、前記集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に電極活物質層を層状に結着させる方法であればよい。例えば、後述する二次電池の電極用スラリーを集電体に塗布、乾燥し、次いで、120℃以上で1時間以上加熱処理して電極を形成する。加熱処理温度の上限は、特に限定されないが、好ましくは200℃以下とすることができる。加熱時間の上限も特に限定されないが、好ましくは180分間以下とすることができる。
(二次電池の電極用スラリー)
本発明の二次電池の電極用スラリーは、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子及び溶媒を含む。結着剤、電極活物質としては、二次電池用電極で説明したものと同じものを使用する。
(溶媒)
溶媒としては、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子などの固形分を均一に溶解または分散し得るものであれば特に制限されない。
二次電池の電極用スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン、ジソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどのケトン類;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など塩素系脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。
これらの溶媒は、単独で使用しても、これらを2種以上混合して混合溶媒として使用してもよい。これらの中でも特に、電極活物質及び導電剤の分散性にすぐれ、沸点が低く揮発性が高い溶媒が、短時間でかつ低温で除去できるので好ましい。アセトン、トルエン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、キシレン、水、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が好ましい。
二次電池の電極用スラリーの固形分濃度は、塗布、浸漬が可能な程度でかつ、流動性を有する粘度になる限り特に限定はされないが、一般的には10〜80質量%程度である。
また、二次電池の電極用スラリーには、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子及び溶媒のほかに、さらに前述の二次電池用電極中に使用される分散剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の任意成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
(二次電池の電極用スラリー製法)
本発明においては、二次電池の電極用スラリーの製法は、特に制限されず、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属微粒子及び溶媒と必要に応じ添加される任意成分を混合して得られる。
本発明においては上記成分を用いることにより混合方法や混合順序にかかわらず、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子と、必要に応じて添加される導電剤などが高度に分散された電極用スラリーを得ることができる。混合装置は、上記成分を均一に混合できる装置であれば特に限定されず、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、フィルミックスなどを使用することができるが、中でも高濃度での分散が可能なことから、ボールミル、ロールミル、顔料分散機、擂潰機、プラネタリーミキサーを使用することが特に好ましい。
二次電池の電極用スラリーの粘度は、均一塗工性、スラリー経時安定性の観点から、好ましくは10mPa・s〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜50,000mPa・sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
二次電池の電極用スラリーを集電体へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ジップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
次いで、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極の空隙率を低くすることが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5%〜15%、より好ましくは7%〜13%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難かったり、電極が剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。さらに、硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
本発明の二次電池用電極の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜250μmである。電極厚みが上記範囲にあることにより、負荷特性及びエネルギー密度共に高い特性を示す。
(二次電池)
本発明の二次電池は、正極、負極、セパレーター及び電解液を含み、前記正極及び負極の少なくとも一方が、前記二次電池用電極である。中でも、導電剤と電極活物質を併用して用いることが多く、導電剤の分散性不良によるレート特性の低下が多く見られること、更には電位が高いことによる活物質表面での電解液の反応が起こりやすくガス発生が多く見られることから、正極に用いた際に大きな効果を得ることができる。
前記二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等挙げられるが、ガス発生の抑制・出力特性の向上等性能向上が最も求められていることから用途としてはリチウムイオン二次電池が好ましい。以下、リチウムイオン二次電池に使用する場合について説明する。
(リチウムイオン二次電池用電解液)
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、特に制限はないが、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiが好ましい。これらは、二種以上を併用してもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
リチウムイオン二次電池用の電解液に使用する有機溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が好適に用いられる。またこれらの溶媒の混合液を用いてもよい。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いのでカーボネート類が好ましい。用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、溶媒の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
また前記電解液には添加剤を含有させて用いることも可能である。添加剤としては前述の二次電池電極用スラリー中に使用されるビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系の化合物が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用の電解液中における支持電解質の濃度は、通常1〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%である。また、支持電解質の種類に応じて、通常0.5〜2.5モル/Lの濃度で用いられる。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎてもイオン導電度は低下する傾向にある。
上記以外の電解液としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質や前記ポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質を挙げることができる。
(リチウムイオン二次電池用セパレーター)
リチウムイオン二次電池用セパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や芳香族ポリアミド樹脂を含む微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;など公知のものを用いることができる。例えばポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜またはポリオレフィン系の繊維を織ったもの、またはその不織布、絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレーター全体の膜厚を薄くし電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
セパレーターの厚さは、通常0.5〜40μm、好ましくは1〜30μm、更に好ましくは1〜10μmである。この範囲であると電池内でのセパレーターによる抵抗が小さくなり、また電池作成時の作業性に優れる。
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価した。
<ガス発生量>
ラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について0.1Cの定電流法によって4.3Vまで充電した後、80℃で50時間保存する。ラミネートセル型リチウムイオン二次電池をガラス板にてセルを挟み、マイクロゲージにてセルの厚さを計測する。80℃保存前のセルの厚さをa、80℃50時間保存後のセルの厚さをbとし、80℃保存前後の厚さの比(b/a)を求め、以下の基準により判定する。前記比(b/a)が小さいほど、ガス発生量が少なく、ガス発生抑制効果に優れることを示す。
A:1.00倍以上1.05倍以下
B:1.05倍を超え1.10倍以下
C:1.10倍を超え1.15倍以下
D:1.15倍を超え1.20倍以下
E:1.20倍を超える
<高温保存特性>
ラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について0.1Cの定電流法によって4.3Vまで充電した後、80℃で100時間保存する。80℃保存開始前の開路電圧(Open circuit voltage,以下、「OCV」と表記する。)と80℃100時間保存後のセルのOCVを測定し、80℃保存開始前のOCVに対する80℃100時間保存後のOCVの比をOCV維持率とし、以下の基準により判定する。OCV維持率が大きいほど、高温保存特性に優れる、すなわち寿命特性に優れることを示す。
A:99.0%以上
B:98.8%以上99.0%未満
C:98.6%以上98.8%未満
D:98.4%以上98.6%未満
E:98.2%以上98.4%未満
F:98.0%以上98.2%未満
G:98.0%未満
<高温サイクル特性>
フルセルコイン型のリチウムイオン二次電池を、それぞれ60℃で0.2Cの定電流で4.3Vまで充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルを行った。充放電サイクルは100サイクルまで行い、初期放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を容量維持率とし、下記の基準で判定した。容量維持率が大きいほど繰り返し充放電による容量減が少ないことを示す。
A:90%以上
B:85%以上90%未満
C:80%以上85%未満
D:75%以上80%未満
E:70%以上75%未満
F:70%未満
(実施例1)
<結着剤1の作製>
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、2−エチルヘキシルアクリレート41.5部、エチルアクリレート42部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート2.0部、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、アクリル系重合体(以下、「結着剤1」という)の粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。また、結着剤1の粒子水分散液の固形分濃度は40%であった。また、この重合体のTgは−2℃であった。
<結着剤2の作製>
攪拌機付き5MPa耐圧オートクレーブに、スチレン46部、1,3−ブタジエン50部、メタクリル酸3部、アクリル酸1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、イオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に攪拌した後、45℃に加温して重合を開始した。モノマー消費量が96.0%になった時点で冷却し反応を止め、ジエン系重合体(以下、「結着剤2」という)の粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。また、結着剤2の粒子水分散液の固形分濃度は40%であった。また、この重合体のTgは−15℃であった。
<ラジカル捕捉剤分散液の作製>
ラジカル捕捉剤として、一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmのアナターゼ型の酸化チタン粉末(製品名:KA−15、チタン工業社製)0.25部、分散剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」と表記する。)(製品名「BS−H」、第一工業製薬社製)2部、及び水98部をビーズミルを用いて混合し、ラジカル捕捉剤分散液1を得た。
<正極用電極スラリー1の製造>
正極活物質としてCo−Ni−Mnのリチウム複合酸化物系の活物質(製品名:セルシードNMC613、日本化学工業社製。以下、「NMC」と記載することがある。)100部、及び導電剤としてアセチレンブラック5部を混合した。得られた混合物に前記ラジカル捕捉剤分散液1(固形分濃度2.25%)をCMC量で0.8部、酸化チタン量で0.1部となるように添加し、60分混合した。更に水を加えて希釈した後に、前記の結着剤1の粒子水分散液(固形分濃度40%)を結着剤1量として1.0部となるように添加し、10分混合した。これを脱泡処理して艶のある流動性の良い正極用電極スラリー1を得た。
<正極の製造>
上記正極用電極スラリーを厚さ18μmのアルミニウム箔に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ50μmの正極活物質層を有する正極を得た。
<負極用電極スラリーおよび負極の製造>
負極活物質として粒子径20μm、比表面積4.2m/gのグラファイト98部と、結着剤として結着剤2を固形分相当で1.0部と、CMCを固形分相当で0.8部とを混合し、更に水を加えてプラネタリーミキサーで混合して負極用電極スラリーを調製した。この負極用電極スラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、110℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ60μmの負極活物質層を有する負極を得た。
<ラミネートセル電池の作製>
アルミニウムシートと、その両面を被覆するポリプロピレンからなる樹脂とからなるラミネートフィルムを用いて電池容器を作成した。次いで、上記で得た正極および負極それぞれの端部から活物質層を除去し、銅箔又はアルミニウム箔が露出した箇所を形成した。正極のアルミニウム箔が露出した箇所にはNiタブを、負極の銅箔が露出した箇所にはCuタブを溶接した。得られたタブ付きの正極及びタブ付きの負極を、ポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレータを挟んで重ねた。電極の面の向きは、正極の活物質層側の面と負極の活物質層側の面とが対向する向きとした。重ねた電極及びセパレーターを、捲回して上記の電池容器に収納した。続いてここに、電解液を注入した。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを25℃で体積比で1:2で混合した混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルの濃度になるように溶解させて調製したものを用いた。
次いで、ラミネートフィルムを封止させて本発明のリチウムイオン二次電池であるラミネートセルを作製した。得られたラミネートセルのガス発生量、及び高温保存特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
<フルコインセル電池の作製>
上記で得られた正極を直径13mmの円形に切り抜いた。上記で得られた負極を直径14mmの円形に切り抜いた。厚さ25μmの乾式法により製造された単層のポリプロピレン製セパレーター(気孔率55%)を直径18mmの円形に切り抜いた。これらを、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。外装容器内の円形の電極及びセパレーターの配置は、下記の通りとした。円形の正極は、そのアルミニウム箔が外装容器底面に接触するよう配置した。円形のセパレーターは、円形の正極と円形の負極との間に介在するよう配置した。円形の負極は、その活物質層側の面が、円形のセパレーターを介して円形の正極の活物質層側の面に対向するよう配置した。更に負極の上にエキスパンドメタルを載置し、この容器中に電解液(EC/DEC=1/2、1M LiPF)を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約3.2mmの本発明のリチウムイオン二次電池であるフルコインセル(コインセルCR2032)を作製した。得られた電池について高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例2)
<ラジカル捕捉剤分散溶液の作製>
ラジカル捕捉剤として一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmのアナターゼ型の酸化チタン粉末(製品名:STT−65C−S、チタン工業社製)を0.125部、分散剤としてCMC(製品名:ダイセル2200、第一工業製薬社製)を1部、及び水99部をビーズミルを用いて混合し、ラジカル捕捉剤分散液2を得た。
<正極用電極スラリーの製造>
正極活物質としてCo−Ni−Mnのリチウム複合酸化物系の活物質(品名:セルシードNMC613、日本化学工業社製)100部、及び導電剤としてアセチレンブラック5部を混合した。得られた混合物にCMC水溶液をCMC量で0.8部となるように添加し、60分混合した。更に水を加えて希釈した後に、前記の結着剤1の粒子水分散液(固形分濃度40%)を結着剤1の量で1.0部となるように添加し、10分混合した。これを脱泡処理して艶のある流動性の良い正極用電極スラリーを得た。
<負極用電極スラリーおよび負極の製造>
負極活物質として粒子径20μm、比表面積4.2m/gのグラファイト98部、結着剤として結着剤2を固形分相当で1.0部、及び前記ラジカル捕捉剤分散液2(固形分濃度1.125%)を混合し、更に水を加えてプラネタリーミキサーで混合して負極用電極スラリーを調製した。ラジカル捕捉剤分散液の量は、CMCの割合が0.8部、酸化チタンの割合が0.1部となる量とした。
この負極用電極スラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、110℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ60μmの負極活物質層を有する負極を得た。
正極及び負極として、上記で得られた正極及び負極を用いた他は実施例1と同様にラミネートセル、フルコインセルを作製し、ガス発生、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例3)
負極として実施例2で得られた負極を用いた他は、実施例1と同様にラミネートセル及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例4)
正極活物質としてNMCのかわりにマンガン酸リチウム(以下、「LMO」と記載することがある。)を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例5)
ラジカル捕捉剤として酸化チタン粉末のかわりに、一次粒子の数平均粒子径50〜70nmの酸化ニオブ粉末を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例6)
ラジカル捕捉剤として酸化チタン粉末のかわりに、一次粒子の数平均粒子径50〜70nmの酸化タングステン粉末を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例7)
ラジカル捕捉剤として酸化チタンのかわりに、一次粒子の数平均粒子径80〜100nmのチタン酸ストロンチウム粉末を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例8)
ラジカル捕捉剤として酸化チタン粉末のかわりに、一次粒子の数平均粒子径50〜70nmの酸化スズ粉末を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例9)
<結着剤3の作製>
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、n−ブチルアクリレート82.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート2.0部、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、アクリル系重合体(以下、「結着剤3という」)の粒子水分散液を得た。この結着剤3粒子水分散液100部にN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と記載することがある。)320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、結着剤3のNMP溶液を得た。結着剤3のNMP溶液の固形分濃度は8%であった。また、この重合体のTgは−30℃であった。
<ラジカル捕捉剤分散液の作製>
ラジカル捕捉剤として一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmのアナターゼ型の酸化チタン粉末(製品名:STT−30EHJ、チタン工業社製)を0.67部、及び前記結着剤3のNMP溶液100部をビーズビルを用いて混合し、ラジカル捕捉剤分散液3を得た。
<正極用電極スラリーの製造>
正極活物質としてCo−Ni−Mnのリチウム複合酸化物系の活物質(品名:セルシードNMC613、日本化学工業社製)100部、及び導電剤としてアセチレンブラック5部を混合した。得られた混合物に前記のラジカル捕捉剤分散液3を添加し、60分混合した。ラジカル捕捉剤分散液3の量は、結着剤3の割合が1.2部、酸化チタンの割合が0.1部となる量とした。さらにNMPで固形分濃度84%に調整した後に10分混合した。これを脱泡処理して艶のある流動性の良い正極用電極スラリーを得た。
正極用スラリーとして、上記正極用スラリーを用いた他は、実施例1と同様に正極、負極ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例10)
ラジカル捕捉剤として、一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmの酸化チタン粉末のかわりに、一次粒子の数平均粒子径が300〜500nmのアナターゼ型の酸化チタン粉末(製品名:KA−15、チタン工業社製)を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(実施例11)
ラジカル捕捉剤として、一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmの酸化チタン粉末のかわりに、一次粒子の数平均粒子径が300〜500nmのルチル型の酸化チタン粉末を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(比較例1)
<ラジカル捕捉剤分散液の作製>
ラジカル捕捉剤として、一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmのアナターゼ型の酸化チタン粉末(製品名:STT−65C−S、チタン工業社製)0.24部、及び結着剤としてPVDFのN−メチルピロリドン溶液(固形分濃度12%)100部をビーズビルを用いて混合し、ラジカル捕捉剤分散液4を得た。
<正極用電極スラリーおよび負極の製造>
正極活物質としてCo−Ni−Mnのリチウム複合酸化物系の活物質(製品名:セルシードNMC613、日本化学工業社製)100部、導電剤としてアセチレンブラック5部、及びラジカル捕捉剤分散液4を混合した。ラジカル捕捉剤分散液4の量は、PVDFの割合が5部、酸化チタンの割合が0.1部となる量とした。更にN−メチルピロリドンを加えてプラネタリーミキサーで混合して正極用電極スラリーを調製した。この正極用電極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ50μmの正極活物質層を有する正極を得た。
<負極用電極スラリーおよび負極の製造>
負極活物質として粒子径20μm、比表面積4.2m/gのグラファイト98部と、結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で5部とを混合し、更にN−メチルピロリドンを加えてプラネタリーミキサーで混合して負極用電極スラリーを調製した。この負極用電極スラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、110℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ60μmの負極活物質層を有する負極を得た。
正極及び負極として、上記で得られた正極及び負極を用いた他は、実施例1と同様にラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(比較例2)
ラジカル捕捉剤として、酸化チタン粉末のかわりに、ヒンダートアミン系のラジカル捕捉剤(アデカ・アーガス社製、MARK LA−82)を用いた他は、実施例1と同様に正極、負極、ラミネートセル、及びフルコインセルを作製し、ガス発生量、高温保存特性、及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
Figure 2011078263
Figure 2011078263
Figure 2011078263
表1〜表3の結果より、正極及び/又は負極の電極活物質層に、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含有させることにより、ガス発生抑制効果、高温保存特性(すなわち、寿命特性)および高温サイクル特性の向上が見られる。ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子の中でも、酸化チタンを用いると、ガス発生抑制効果、高温保存特性及び高温サイクル特性に、より優れた電池を得ることができる。その中でも、結着剤として水分散系のアクリル系重合体を用い、正極の電極活物質層に一次粒子の数平均粒子径が30〜50nmのアナターゼ型の酸化チタン粒子を添加した場合(実施例1、3、4)は、より効果的にラジカル捕捉作用を示す。
一方、結着剤として、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合しているPVDFを用いたもの(比較例1)や、ラジカル捕捉剤としてヒンダートアミン系のラジカル捕捉剤を用いたもの(比較例2)は、ガス発生抑制効果、高温保存特性および高温サイクル特性が劣る。

Claims (9)

  1. 集電体、及び
    前記集電体上に設けられた、ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質及びラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子を含む電極活物質層
    を有する二次電池用電極。
  2. 前記金属酸化物微粒子の一次粒子の数平均粒子径が5〜100nmである請求項1に記載の二次電池用電極。
  3. 前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる金属酸化物の微粒子である請求項1又は2に記載の二次電池用電極。
  4. 前記結着剤が、ジエン系重合体又はアクリル系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用電極。
  5. ポリマー主鎖にハロゲン原子が結合していない結着剤、電極活物質、ラジカル捕捉機能を有する金属酸化物微粒子、及び溶媒を含む二次電池の電極用スラリー。
  6. 前記金属酸化物微粒子の一次粒子の数平均粒子径が5〜100nmである請求項5に記載の二次電池の電極用スラリー。
  7. 前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる金属酸化物の微粒子である請求項5又は6に記載の二次電池の電極用スラリー。
  8. 前記結着剤が、ジエン系重合体又はアクリル系重合体である請求項5〜7のいずれかに記載の二次電池の電極用スラリー。
  9. 正極、負極、セパレーター及び電解液を含む二次電池であって、前記正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1に記載の電極である、二次電池。
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