JPWO2011070748A1 - 非水電解質二次電池及びその充電方法 - Google Patents

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Abstract

非水電解質二次電池は、正極集電体及び正極集電体の表面に設けられ且つ正極活物質を含む正極合剤層を有する正極1と、負極集電体及び負極集電体の表面に設けられた負極合剤層を有する負極2と、正極1と負極2との間に配置された多孔質絶縁層3と、非水電解液とを備えている。25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下である。25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されている。

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池及びその充電方法に関する。
非水電解質二次電池(以下、「電池」と称すことがある)は、高い作動電圧と高いエネルギー密度とを有する二次電池である。このため、近年では、小型民生用の非水電解質二次電池の開発が進められている。具体的には例えば、非水電解質二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカムコーダ等のポータブル電子機器の駆動用電源として広く用いられている。さらに、現在では、小型民生用の非水電解質二次電池だけでなく、電力貯蔵用又は電気自動車用の高出力型・非水電解質二次電池の開発も急速に進められている。
特開平10−233205号公報 特開2001−297763号公報
ところで、近年、電極の単位面積当たりの容量を増加させることにより、電池の高容量化を図ることが検討されている。また、近年、電池を急速に充電することにより、充電時間の短縮化を図ることが検討されている。
しかしながら、高容量化された電池を急速に充電すると、負極の表面にリチウムが析出し、電池のサイクル特性の劣化を招くという問題がある。また、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生するため、電池の安全性の低下を招くという問題がある。
非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させる技術として、次のような技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、導電剤として、平均粒径1〜50μm及び比表面積5〜50m2/gの黒鉛粉末を、厚さ1μm以下の薄片状に形成した薄片状黒鉛粉末を用いる。この導電剤を、正極合剤に対して0.5〜9.5質量%の範囲内で添加する。
また、非水電解質二次電池の安全性を向上させる技術として、次のような技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に記載の技術では、正極活物質として、粉体充填密度が3.8g/cm3の時の抵抗係数が1mΩ・cm以上で且つ40mΩ・cm以下のリチウムコバルト複合酸化物を用いる。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、以下に示す問題がある。
特許文献1に記載の技術では、次のようにして、電池のサイクル特性の向上を図る。導電剤として、優れた導電性を発揮する材料を用いる。これにより、電子を正極活物質へ均一且つ有効に運ぶことを可能とし、正極合剤中の導電剤の含有量を減らして正極活物質の含有量を増加させることで、電池のサイクル特性の向上を図る。
しかしながら、後述の通り、本願発明者らが検討を重ねた結果、次のような知見を見出した。高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、規定電圧に到達させるように、電池の内部抵抗を制御することが重要である。従って、特許文献1に記載の技術のように、単に、導電剤に対策を講じるだけでは、負極の表面にリチウムが析出し、電池のサイクル特性を充分に向上させることはできない。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生するため、電池の安全性の低下を招く。
一方、特許文献2に記載の技術は、電池の安全性の向上を図ることを目的に、正極活物質に対策を講じる技術である。特許文献2に記載の技術では、次のようにして、電池のサイクル特性の向上を図る。正極活物質として、上記のリチウムコバルト複合酸化物を用いることにより、電池のエネルギー密度を低下させることなく、電池が異常な状態になることがあっても、電池の発熱を抑制して、電池の安全性の向上を図る。
言い換えれば、特許文献2に記載の技術は、電池の発熱を抑制して、電池の安全性の向上を図る技術に過ぎない。このため、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができず、電池のサイクル特性を向上させることはできない。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生し、電池の安全性の低下を招く虞がある。
前記に鑑み、本発明の目的は、高い電池容量の非水電解質二次電池において、充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制することである。
本願発明者らが検討を重ねた結果、高い電池容量の非水電解質二次電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合、次のような理由により、電池のサイクル特性が劣化することが判った。充電時間が経過するに従い、負極のリチウムイオンの受け入れ性が低下する。このため、定電流充電を行う時間が長い(言い換えれば、定電流充電の際に規定電圧に到達するまでの時間が長い)と、負極がリチウムイオンを受け入れることができずに、負極にリチウムが析出し、電池のサイクル特性が劣化する。ここで、「定電流/定電圧充電」とは、電池を、定電流で規定電圧に到達するまで充電を行った後に、定電圧で規定電流に到達するまで充電を行うことをいう。
そこで、本願発明者らが検討を重ねた結果、次のような知見を見出した。高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、電池の内部抵抗を制御することにより、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、規定電圧に到達させることが重要である。
定電流充電の際に規定電圧に到達するまでの時間(定電流充電を行う時間)を短くすることにより、負極のリチウムの受け入れ性が徐々に低下する状況下において、定電流(高い電流)で充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(言い換えれば、電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、負極にリチウムが析出することを抑制し、電池のサイクル特性の劣化を抑制することができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられ且つ正極活物質を含む正極合剤層とを有する正極と、負極集電体と、負極集電体の表面に設けられた負極合剤層とを有する負極と、正極と負極との間に配置された多孔質絶縁層と、非水電解液とを備え、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下であり、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されていることを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池によると、高い電池容量の電池において、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)。これにより、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値を4.2V(規定電圧)に到達させることができる。このため、定電流で(高い電流で)充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行っても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。
加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができる。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池において、電池の内部抵抗は、40mΩ以上で且つ55mΩ以下であることが好ましい。
このようにすると、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ85%以下で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池において、非水電解質二次電池を充電した後、非水電解質二次電池から正極を取り出して、第1の測定用正極及び第2の測定用正極を作製し、第1の測定用正極における正極合剤層と第2の測定用正極における正極合剤層とを互いに接触させ、第1の測定用正極における正極集電体と第2の測定用正極における正極集電体とにそれぞれ端子を設けて、端子間の抵抗値を測定した時に、抵抗値が0.2Ω・cm2以上であることが好ましく、さらに、抵抗値は、0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下であることが好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池において、正極は、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の炭素とを含むことが好ましく、例えば、正極合剤層は、正極活物質と、導電剤とを含み、導電剤は、炭素を含み、正極は、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の導電剤とを含むことが好ましく、具体的には、正極活物質は、LiNi0.82Co0.15Al0.032からなり、導電剤は、アセチレンブラックからなることが好ましい。
このようにすると、炭素(例えば炭素を含む導電剤)の量を、例えば0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下にすることにより、正極の抵抗値を、例えば0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池の充電方法は、充電方式が、定電流/定電圧充電方式であり、定電流充電の際の定電流値は、0.7C以上であり、定電圧充電の際の定電圧値は、4.1V以上であることを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池及びその充電方法によると、高い電池容量の電池において、電池を急速に充電しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構造を示す断面図である。 図2は、正極の抵抗値の測定を説明する図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構造を示す断面図である。
本実施形態に係る非水電解質二次電池(以下、「電池」と称すことがある)は、図1に示すように、正極1と、負極2と、正極1と負極2との間に配置された多孔質絶縁層3と、非水電解液とを備えている。
図1に示すように、正極1と負極2との間に多孔質絶縁層3を介して捲回された電極群4が、非水電解液と共に、電池ケース9内に収容されている。電池ケース9の開口は、ガスケット7を介して、封口板8によって封口されている。正極1に取り付けられた正極リード1Lは、正極端子として機能する封口板8に接続され、負極2に取り付けられた負極リード2Lは、負極端子として機能する電池ケース9に接続されている。電極群4の上端には上部絶縁板5が配置され、電極群4の下端には下部絶縁板6が配置されている。
正極1は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられた正極合剤層とを有する。正極合剤層は、正極活物質と、導電剤とを含む。正極活物質は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出可能なニッケルを含有する。
負極2は、負極集電体と、負極集電体の表面に設けられた負極合剤層とを有する。負極合剤層は、負極活物質を含む。負極活物質は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出することが可能である。
本実施形態に係る電池を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下である。上記の定電流/定電圧充電を行った時の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下である。言い換えれば、本実施形態に係る電池は、高い電池容量の電池である。
上記の定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されている。言い換えれば、容量比が50%以上で且つ85%以下となるように、電池の内部抵抗が制御されている。ここで、「容量比」とは、下記の[数式1]により算出される。[数式1]に登場する「定電流充電を終了した時の容量」とは、定電流充電の際に電圧値が4.2Vに到達した時の容量をいう。「標準容量」とは、完全な充電状態の電池から取り出せる電気量の基準値をいう。
容量比(%)=定電流充電を終了した時の容量/標準容量・・・[数式1]
電池の内部抵抗を、例えば40mΩ以上で且つ55mΩ以下にすることにより、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることができる。
正極の抵抗値を、例えば0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることにより、電極群の抵抗を、例えば25mΩ以上で且つ40mΩ以下にすることができる。正極の抵抗値を高くするに従い、電極群の抵抗を高くすることができる。
正極が、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の炭素(例えば炭素を含む導電剤)とを含むことにより、正極の抵抗値を0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることができる。正極に含まれる炭素(例えば炭素を含む導電剤)の量を少なくするに従い、正極の抵抗値を高くすることができる。正極活物質は、例えばLiNi0.82Co0.15Al0.032からなる。導電剤は、例えばアセチレンブラックからなる。
本実施形態によると、高い電池容量の電池において、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)。これにより、上記の定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。言い換えれば、容量比を、50%以上で且つ85%以下にすることができる。このため、定電流で(高い電流で)充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行っても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。
加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができる。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
本願発明者らが検討を重ねた結果、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、電池の内部抵抗を制御することにより、容量比を、50%以上で且つ85%以下にすればよいことを見出した。この結果について、下記の表1に示す。
本願明細書における「高い電池容量の電池」とは、次の1),2)を満たす電池をいう。1)上記の定電流/定電圧充電を行った時の電極の単位面積当りの容量が、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、2)上記の定電流/定電圧充電を行った時の負極活物質の充電容量が、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下である。1)について、下記の表2に示し、2)について、下記の表3に示す。
以下に、本発明に係る電池において、電池の内部抵抗と容量比との関係、及び容量比と電池のサイクル特性との関係について、電池1〜6及び電池A,Bを参照しながら説明する。
<実施例1>
(電池1)
電池1の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした(電池の内部抵抗=電極群の抵抗+部品抵抗)。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池1を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池1を、25°の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.8Ahであった。
電池1の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
まず、導電剤として1.25質量部のアセチレンブラックと、N−メチルピロリドン(NMP)の溶剤に結着剤として1.7質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解した溶液とを混合して混合溶液を得た。その後、この混合溶液に、正極活物質として100質量部のLiNi0.82Co0.15Al0.032を混合して、正極合剤を含むペーストを得た。その後、このペーストを、正極集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させた後、ペーストが塗布・乾燥されたアルミニウム箔を圧延し、裁断して正極を作製した。
(負極の作製)
まず、平均粒子径が約20μmになるように、鱗片状人造黒鉛を粉砕及び分級した。次に、負極活物質として鱗片状人造黒鉛を100質量部と、結着剤としてスチレン/ブタジエンゴムを3質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1質量%含む水溶液を100質量部とを加えて混合し、負極合剤を含むペーストを得た。その後、このペーストを、負極集電体として厚さ8μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥させた後、ペーストが塗布・乾燥された銅箔を圧延し、裁断して負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:3の体積比で混合した混合溶媒に、電池の充放電効率を高める添加剤として5質量%のビニレンカーボネートを添加すると共に、電解質としてLiPF6を1.4mol/Lの濃度で溶解し、非水電解液を調製した。
(円筒型電池の作製)
まず、正極集電体にアルミニウム製の正極リードを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リードを取り付けた。その後、正極と負極との間にポリエチレン製のセパレータ(多孔質絶縁層)を介して捲回し、電極群を構成した。その後、電極群の上端に上部絶縁板を配置すると共に、電極群の下端に下部絶縁板を配置し、負極リードを電池ケースに溶接すると共に、正極リードを内圧作動型の安全弁を有する封口板に溶接して、電極群を電池ケース内に収容した。その後、減圧方式により、電池ケース内に非水電解液を注入した。その後、電池ケースの開口端部をガスケットを介して封口板にかしめて電池を作製した。このようにして作製した電池を、電池1と称する。
(電池2)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を30mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は2.5Ω・cm2であった。
電池2を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池2を、25°の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池2の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.6質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池2と称する。
(電池3)
電池3の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を35mΩとし、部品抵抗を10mΩとした。
正極の抵抗値は3.0Ω・cm2であった。
電池3を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池3を、25°の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池3の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.4質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を10mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池3と称する。
(電池4)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を40mΩとし、部品抵抗を5mΩとした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2であった。
電池4を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池4を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池4の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を5mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池4と称する。
(電池5)
電池5の内部抵抗を55mΩとし、電極群の抵抗を40mΩ(=電池4の電極群の抵抗)とし、部品抵抗を15mΩ(>電池4の部品抵抗)とした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2(=電池4の正極の抵抗値)であった。
電池5を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池5を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池5の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池4と同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池5と称する。
(電池6)
電池6の内部抵抗を40mΩとし、電極群の抵抗を25mΩ(=電池1の電極群の抵抗)とし、部品抵抗を15mΩ(<電池1の部品抵抗)とした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2(=電池1の正極の抵抗値)であった。
電池6を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池6を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の85%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池6の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池6と称する。
<比較例1>
(電池A)
電池Aの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を20mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Aを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Aを、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.8Ahであった。
電池Aの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく3.0質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Aと称する。
(電池B)
電池Bの内部抵抗を65mΩとし、電極群の抵抗を40mΩとし、部品抵抗を25mΩとした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2であった。
電池Bを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Bを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の40%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池Bの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池4と同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を25mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Bと称する。
−測定−
(電池の内部抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、電池の内部抵抗を測定した。具体的には例えば、周波数1kHzのインピーダンスを測定した。
(電極群の抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、電極群の抵抗を測定した。具体的には例えば、電池を分解して電極群を取り出し、正極端子と負極端子間の周波数1kHzのインピーダンスを測定した。
(部品抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、部品抵抗を測定した。具体的には例えば、電池の内部抵抗から、電極群の抵抗を差し引くことで、部品抵抗を求めた。
(正極の抵抗値)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、正極の抵抗値を測定した。この測定方法について、図2を参照しながら以下に説明する。図2は、正極の抵抗値の測定を説明する図である。
まず、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを充電した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを、1.45Aの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電を行った後、4.2Vの定電圧で電流が50mAになるまで充電を行った。
次に、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを分解して、正極を取り出した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを分解して、正極を取り出した。その後、ジメチルカーボネート(DMC)を用いて、正極に付着したエチレンカーボネート(EC)及び電解質等を取り除いた。その後、常温で、正極を真空乾燥した。
次に、正極の抵抗値を測定した。具体的には例えば、正極を裁断し、図2に示すように、2.5cm×2.5cmの第1,第2の測定用正極10,20を作製した。その後、正極合剤層10bの表面と正極合剤層20bの表面とを互いに接触させた。その後、湿度を20%以下とし、環境温度を20℃として、9.8×105N/m2の加圧状態で、四端子法を用いて、正極集電体10aと正極集電体20a間に電流を流した時の電圧を測定し、直流抵抗値を算出した。この直流抵抗値を、下記の[数式2]に導入することで、正極の抵抗値を算出した。[数式2]に示すように、直流抵抗値に、正極合剤層の表面同士が互いに接触する面積(=2.5×2.5)を掛けて、2で割った。図2に示すように、2コの測定用正極を互いに接触させた状態で測定するため、直流抵抗値に面積を掛けた数値を2で割った。
正極の抵抗値={直流抵抗値×(2.5×2.5)}÷2・・・[数式2]
(電池容量)
電池1,A、及び後述の電池7,C〜Iを、25℃の環境下で、1.4Aの定電流で4.2Vになるまで充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で50mAになるまで充電を行った後、0.56Aの定電流で2.5Vになるまで放電を行った時の電池容量を求めた。
−評価−
(電池のサイクル特性)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iの充放電を繰り返した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを、25℃の環境下で、2030mA(0.7C)の定電流で電圧値が4.2Vになるまで充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで充電を行った後、2.9A(1C)の定電流で電圧値が2.5Vになるまで放電を行った。これを1サイクルとして、このサイクルを500サイクル繰り返し、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iの充放電を繰り返した。
500サイクル後の容量維持率を、下記の[数式3]により算出した。
容量維持率(%)=500サイクル目の容量/1サイクル目の容量・・・[数式3]
電池1〜6,A,Bについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、及び容量維持率を表1に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池1〜4)
表1から判るように、導電剤の量が減少するに従い、正極の抵抗値が高くなる。正極の抵抗値が高くなるに従い、電極群の抵抗が高くなる。
PCTの抵抗を低くコントロールすることにより、部品抵抗が低くなる。
表1に示すように、電池の内部抵抗を45mΩにすることによって、定電流充電の際に、標準容量の75%で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。言い換えれば、容量比を75%にすることができる。
(電池4と電池5との比較)
表1に示すように、電池5は、電池4に比べて、部品抵抗が高いため、電池の内部抵抗が高い。電池5は、電池4に比べて、容量比が低い。
表1に示すように、電池の内部抵抗を55mΩにすることによって、容量比を50%にすることができる。このことから判るように、電池の内部抵抗を高くすることにより、容量比が小さくなる。
(電池1と電池6との比較)
表1に示すように、電池6は、電池1に比べて、部品抵抗が低いため、電池の内部抵抗が低い。電池6は、電池1に比べて、容量比が高い。
表1に示すように、電池の内部抵抗を40mΩにすることによって、容量比を85%にすることができる。このことから判るように、電池の内部抵抗を低くすることにより、容量比が大きくなる。
(電池2と電池Aとの比較)
電池2は、電池Aに比べて、導電剤の量が少なく、正極の抵抗値が高いため、電極群の抵抗が高いので、電池の内部抵抗が高い。電池2は、電池Aに比べて、容量比が低い。電池2は、電池Aに比べて、容量維持率が高い。
電池Aは、電池2に比べて、電池の内部抵抗が低過ぎるため、容量比が高過ぎる。このため、定電流充電を行う時間が長過ぎるため、負極の表面にリチウムが顕著に析出するので、電池のサイクル特性が劣化する,と考えられる。
このことから判るように、容量比は90%未満(85%以下)であることが好ましい。
(電池4と電池Bとの比較)
電池4は、電池Bに比べて、部品抵抗が低いため、電池の内部抵抗が低い。電池4は、電池Bに比べて、容量比が高い。電池4は、電池Bに比べて、容量維持率が高い。
電池Bは、電池4に比べて、電池の内部抵抗が高過ぎるため、容量比が低過ぎる。電池Bは、電池の内部抵抗が高過ぎるが故に、電池のサイクル特性が劣化する,と考えられる。
このことから判るように、容量比は40%超(50%以上)であることが好ましい。
以上から判るように、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)ことによって、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることができる。容量比を50%以上で且つ85%以下にすることにより、容量維持率を高くする(例えば、65%以上にする)ことができ、電池のサイクル特性を向上させることができる。
以下に、本発明に係る電池において、電極の単位面積当りの容量と電池のサイクル特性との関係、及び電極の単位面積当りの容量と電池容量との関係について、電池1及び電池A,C〜Eを参照しながら説明する。
<比較例2>
(電池C)
電池Cの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Cを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は340mAh/gであった。電池Cを、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.9Ahであった。
電池Cの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
電池を、電池1と同様にして作製し、作製した電池を、電池Cと称する。
(電池D)
電池Dの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Dを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は280mAh/gであった。電池Dを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.65Ahであった。
電池Dの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
電池を、電池1と同様にして作製し、作製した電池を、電池Dと称する。
(電池E)
電池Eの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を20mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Eを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は280mAh/gであった。電池Eを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.65Ahであった。
電池Eの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池Aと同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく3.0質量部のアセチレンブラックを用いて、正極を作製した点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Eと称する。
電池1,A,C〜Eについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、容量維持率及び電池容量を表2に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池1と電池Cとの比較)
電池1は、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Cは、負極活物質の充電容量が340mAh/gである。電池1は、電池Cに比べて、電池容量が低い。電池1は、電池Cに比べて、容量維持率が高い。
一方、電池1は、電池Cと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Cと容量比が同じである。電池1は、電池Cと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池Cは、電池1と容量比が同じである(50%以上で且つ85%以下である)ものの、電池Cは、電池1に比べて、容量維持率が低い。この理由として、次のような理由が考えられる。負極活物質の充電容量が330mAh/gを越えると、負極材料であるカーボンの理論容量を超えるため、負極の表面にリチウムが析出するので、電池のサイクル特性の急激な劣化を招く。
このことから判るように、負極活物質の充電容量は340mAh/g未満(330mAh/g以下)であることが好ましい。
(電池1と電池Dとの比較)
電池1は、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Dは、負極活物質の充電容量が280mAh/gである。電池1は、電池Dに比べて、電池容量が高い。
一方、電池1は、電池Cと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Dと容量比が同じである。電池1は、電池Dと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池1,Dは、何れも、容量維持率が高い。
電池Dは、電池1と同様に、容量比が50%以上で且つ85%以下であるため、電池Dは、電池1と同様に、容量維持率が高い。しかしながら、電池Dは、負極活物質の充電容量が280mAh/g(300mAh/g未満)であるため、電池Dは、電池1に比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、負極活物質の充電容量は280mAh/g越(300mAh/g以上)であることが好ましい。
以上から判るように、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下であることが好ましい。
(電池Aと電池Eとの比較)
電池Aは、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Eは、負極活物質の充電容量が280mAh/gである。電池Aは、電池Eに比べて、電池容量が高い。電池Aは、電池Eに比べて、容量維持率が低い。
一方、電池Aは、電池Eと電池の内部抵抗が同じである。電池Aは、電池Eと容量比が同じである。電池Aは、電池Eと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池Eは、電池Aと同様に、容量比が90%(85%越)であるものの、電池Eは、電池Aに比べて、容量維持率が高い。しかしながら、電池Eは、負極活物質の充電容量が280mAh/g(300mAh/g未満)であるため、電池Eは、電池Aに比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電池容量の高い電池Aの場合、容量比を90%(85%越)にすると、電池のサイクル特性の劣化を招く。一方、電池容量の低い電池Eの場合、容量比を90%(85%越)にしても、電池のサイクル特性の劣化を招かない。言い換えれば、電池容量の高い電池の場合、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることが重要である。
以下に、本発明に係る電池において、負極活物質の充電容量と電池のサイクル特性との関係、及び負極活物質の充電容量と電池容量との関係について、電池1,7及び電池A,F〜Iを参照しながら説明する。
<実施例3>
(電池7)
電池7の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を27mΩとし、部品抵抗を18mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池7を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池7を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は3.3Ahであった。
電池7の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を18mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池7と称する。
<比較例3>
(電池F)
電池Fの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を22mΩとし、部品抵抗を13mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Fを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Fを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は3.3Ahであった。
電池Fの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池Aと同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を13mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Fと称する。
(電池G)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を28mΩとし、部品抵抗を17mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Gを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Gを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は、3.35Ahであった。
電池Gの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を17mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Gと称する。
(電池H)
電池Hの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を24mΩとし、部品抵抗を21mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Hを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Hを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.7Ahであった。
電池Hの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を21mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Hと称する。
(電池I)
電池Iの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を19mΩとし、部品抵抗を16mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Iを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Iを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.7Ahであった。
電池Iの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池Aと同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を16mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Iと称する。
電池1,7,A,F〜Iについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、容量維持率及び電池容量を表3に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池7と電池Gとの比較)
電池7は、電極の単位面積当りの容量が7.0mAh/cm2である。これに対し、電池Gは、電極の単位面積当りの容量が7.5mAh/cm2である。電池7は、電池Gに比べて、電池容量が低い。電池7は、電池Gに比べて、容量維持率が高い。
一方、電池7は、電池Gと電池の内部抵抗が同じである。電池7は、電池Gと容量比が同じである。電池7は、電池Gと負極活物質の充電容量が同じである。
電池Gは、電池7に比べて、容量維持率が低い。これは、次のような理由による。電池Gは、電池7に比べて、電極の単位面積当りの容量が高い。電極の単位面積当りの容量が高くなるに従い、電極の厚み方向の充電斑が大きくなるため、電池のサイクル特性が劣化する。ここで、「充電斑」とは、正極又は負極において、場所に応じて容量が異なっていることをいう。
このことから判るように、電極の単位面積当りの容量は、7.5mAh/cm2未満(7.0mAh/cm2以下)であることが好ましい。
(電池1と電池Hとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2である。これに対し、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2である。電池1は、電池Hに比べて、電池容量が高い。
一方、電池1は、電池Hと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Hと容量比が同じである。電池1は、電池Hと負極活物質の充電容量が同じである。電池1は、電池Hと容量維持率が同じである。
電池Hは、電池1と同様に、容量比が50%以上で且つ85%以下であるため、電池Hは、電池1と同様に、容量維持率が高い。しかしながら、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2(3.5mAh/cm2未満)であるため、電池Hは、電池1に比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量は、3.0mAh/cm2越(3.5mAh/cm2以上)であることが好ましい。
以上から判るように、電極の単位面積当たりの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であることが好ましい。
(電池Aと電池Iとの比較)
電池Aは、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2である。これに対し、電池Iは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2である。電池Aは、電池Iに比べて、電池容量が高い。電池Aは、電池Iに比べて、容量維持率が低い。
一方、電池Aは、電池Iと電池の内部抵抗が同じである。電池Aは、電池Iと容量比が同じである。電池Aは、電池Iと負極活物質の充電容量が同じである。
電池Iは、電池Aと同様に、容量比が90%(85%越)であるものの、電池Iは、電池Aに比べて、容量維持率が高い。しかしながら、電池Iは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2(3.5mAh/cm2未満)であるため、電池Iは、電池Aに比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電池容量の高い電池Aの場合、容量比を90%(85%越)にすると、電池のサイクル特性の劣化を招く。一方、電池容量の低い電池Iの場合、容量比を90%(85%越)にしても、電池のサイクル特性の劣化を招かない。言い換えれば、電池容量の高い電池の場合、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることが重要である。
(電池A,F)
電池A,Fは、何れも、電極の単位面積当たりの容量が、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下である。言い換えれば、電池A,Fは、何れも、高い電池容量の電池である。しかしながら、電池A,Fは、高い電池容量の電池であるにも拘わらず、容量比が90%(85%超)であるため、容量維持率が低く、電池のサイクル特性が劣化する。
(電池1と電池7,Gとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が25mΩである。これに対し、電池7は、電極の単位面積当たりの容量が7.0mAh/cm2であり、電極群の抵抗が27mΩである。また、電池Gは、電極の単位面積当たりの容量が7.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が28mΩである。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量が増加することで、電極群の抵抗が増加する。
(電池1と電池Hとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が25mΩである。これに対し、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2であり、電極群の抵抗が24mΩである。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量が減少することで、電極群の抵抗が減少する。
本発明は、高い電池容量の非水電解質二次電池において、充電を急速に行っても、電池のサイクル特性が劣化することを抑制することができるため、非水電解質二次電池及びその充電方法に有用である。
1 正極
2 負極
3 多孔質絶縁層
4 電極群
5 上部絶縁板
6 下部絶縁板
7 ガスケット
8 封口板
9 電池ケース
10 第1の測定用正極
20 第2の測定用正極
10a,20a 正極集電体
10b,20b 正極合剤層
本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池及びその充電方法に関する。
非水電解質二次電池(以下、「電池」と称すことがある)は、高い作動電圧と高いエネルギー密度とを有する二次電池である。このため、近年では、小型民生用の非水電解質二次電池の開発が進められている。具体的には例えば、非水電解質二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカムコーダ等のポータブル電子機器の駆動用電源として広く用いられている。さらに、現在では、小型民生用の非水電解質二次電池だけでなく、電力貯蔵用又は電気自動車用の高出力型・非水電解質二次電池の開発も急速に進められている。
特開平10−233205号公報 特開2001−297763号公報
ところで、近年、電極の単位面積当たりの容量を増加させることにより、電池の高容量化を図ることが検討されている。また、近年、電池を急速に充電することにより、充電時間の短縮化を図ることが検討されている。
しかしながら、高容量化された電池を急速に充電すると、負極の表面にリチウムが析出し、電池のサイクル特性の劣化を招くという問題がある。また、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生するため、電池の安全性の低下を招くという問題がある。
非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させる技術として、次のような技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、導電剤として、平均粒径1〜50μm及び比表面積5〜50m2/gの黒鉛粉末を、厚さ1μm以下の薄片状に形成した薄片状黒鉛粉末を用いる。この導電剤を、正極合剤に対して0.5〜9.5質量%の範囲内で添加する。
また、非水電解質二次電池の安全性を向上させる技術として、次のような技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に記載の技術では、正極活物質として、粉体充填密度が3.8g/cm3の時の抵抗係数が1mΩ・cm以上で且つ40mΩ・cm以下のリチウムコバルト複合酸化物を用いる。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、以下に示す問題がある。
特許文献1に記載の技術では、次のようにして、電池のサイクル特性の向上を図る。導電剤として、優れた導電性を発揮する材料を用いる。これにより、電子を正極活物質へ均一且つ有効に運ぶことを可能とし、正極合剤中の導電剤の含有量を減らして正極活物質の含有量を増加させることで、電池のサイクル特性の向上を図る。
しかしながら、後述の通り、本願発明者らが検討を重ねた結果、次のような知見を見出した。高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、規定電圧に到達させるように、電池の内部抵抗を制御することが重要である。従って、特許文献1に記載の技術のように、単に、導電剤に対策を講じるだけでは、負極の表面にリチウムが析出し、電池のサイクル特性を充分に向上させることはできない。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生するため、電池の安全性の低下を招く。
一方、特許文献2に記載の技術は、電池の安全性の向上を図ることを目的に、正極活物質に対策を講じる技術である。特許文献2に記載の技術では、次のようにして、電池のサイクル特性の向上を図る。正極活物質として、上記のリチウムコバルト複合酸化物を用いることにより、電池のエネルギー密度を低下させることなく、電池が異常な状態になることがあっても、電池の発熱を抑制して、電池の安全性の向上を図る。
言い換えれば、特許文献2に記載の技術は、電池の発熱を抑制して、電池の安全性の向上を図る技術に過ぎない。このため、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができず、電池のサイクル特性を向上させることはできない。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生し、電池の安全性の低下を招く虞がある。
前記に鑑み、本発明の目的は、高い電池容量の非水電解質二次電池において、充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制することである。
本願発明者らが検討を重ねた結果、高い電池容量の非水電解質二次電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合、次のような理由により、電池のサイクル特性が劣化することが判った。充電時間が経過するに従い、負極のリチウムイオンの受け入れ性が低下する。このため、定電流充電を行う時間が長い(言い換えれば、定電流充電の際に規定電圧に到達するまでの時間が長い)と、負極がリチウムイオンを受け入れることができずに、負極にリチウムが析出し、電池のサイクル特性が劣化する。ここで、「定電流/定電圧充電」とは、電池を、定電流で規定電圧に到達するまで充電を行った後に、定電圧で規定電流に到達するまで充電を行うことをいう。
そこで、本願発明者らが検討を重ねた結果、次のような知見を見出した。高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、電池の内部抵抗を制御することにより、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、規定電圧に到達させることが重要である。
定電流充電の際に規定電圧に到達するまでの時間(定電流充電を行う時間)を短くすることにより、負極のリチウムの受け入れ性が徐々に低下する状況下において、定電流(高い電流)で充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(言い換えれば、電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、負極にリチウムが析出することを抑制し、電池のサイクル特性の劣化を抑制することができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられ且つ正極活物質を含む正極合剤層とを有する正極と、負極集電体と、負極集電体の表面に設けられた負極合剤層とを有する負極と、正極と負極との間に配置された多孔質絶縁層と、非水電解液とを備え、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下であり、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されていることを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池によると、高い電池容量の電池において、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)。これにより、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値を4.2V(規定電圧)に到達させることができる。このため、定電流で(高い電流で)充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行っても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。
加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができる。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池において、電池の内部抵抗は、40mΩ以上で且つ55mΩ以下であることが好ましい。
このようにすると、定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ85%以下で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池において、非水電解質二次電池を充電した後、非水電解質二次電池から正極を取り出して、第1の測定用正極及び第2の測定用正極を作製し、第1の測定用正極における正極合剤層と第2の測定用正極における正極合剤層とを互いに接触させ、第1の測定用正極における正極集電体と第2の測定用正極における正極集電体とにそれぞれ端子を設けて、端子間の抵抗値を測定した時に、抵抗値が0.2Ω・cm2以上であることが好ましく、さらに、抵抗値は、0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下であることが好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池において、正極は、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の炭素とを含むことが好ましく、例えば、正極合剤層は、正極活物質と、導電剤とを含み、導電剤は、炭素を含み、正極は、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の導電剤とを含むことが好ましく、具体的には、正極活物質は、LiNi0.82Co0.15Al0.032からなり、導電剤は、アセチレンブラックからなることが好ましい。
このようにすると、炭素(例えば炭素を含む導電剤)の量を、例えば0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下にすることにより、正極の抵抗値を、例えば0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池の充電方法は、充電方式が、定電流/定電圧充電方式であり、定電流充電の際の定電流値は、0.7C以上であり、定電圧充電の際の定電圧値は、4.1V以上であることを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池及びその充電方法によると、高い電池容量の電池において、電池を急速に充電しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構造を示す断面図である。 図2は、正極の抵抗値の測定を説明する図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構造を示す断面図である。
本実施形態に係る非水電解質二次電池(以下、「電池」と称すことがある)は、図1に示すように、正極1と、負極2と、正極1と負極2との間に配置された多孔質絶縁層3と、非水電解液とを備えている。
図1に示すように、正極1と負極2との間に多孔質絶縁層3を介して捲回された電極群4が、非水電解液と共に、電池ケース9内に収容されている。電池ケース9の開口は、ガスケット7を介して、封口板8によって封口されている。正極1に取り付けられた正極リード1Lは、正極端子として機能する封口板8に接続され、負極2に取り付けられた負極リード2Lは、負極端子として機能する電池ケース9に接続されている。電極群4の上端には上部絶縁板5が配置され、電極群4の下端には下部絶縁板6が配置されている。
正極1は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられた正極合剤層とを有する。正極合剤層は、正極活物質と、導電剤とを含む。正極活物質は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出可能なニッケルを含有する。
負極2は、負極集電体と、負極集電体の表面に設けられた負極合剤層とを有する。負極合剤層は、負極活物質を含む。負極活物質は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出することが可能である。
本実施形態に係る電池を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下である。上記の定電流/定電圧充電を行った時の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下である。言い換えれば、本実施形態に係る電池は、高い電池容量の電池である。
上記の定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されている。言い換えれば、容量比が50%以上で且つ85%以下となるように、電池の内部抵抗が制御されている。ここで、「容量比」とは、下記の[数式1]により算出される。[数式1]に登場する「定電流充電を終了した時の容量」とは、定電流充電の際に電圧値が4.2Vに到達した時の容量をいう。「標準容量」とは、完全な充電状態の電池から取り出せる電気量の基準値をいう。
容量比(%)=定電流充電を終了した時の容量/標準容量・・・[数式1]
電池の内部抵抗を、例えば40mΩ以上で且つ55mΩ以下にすることにより、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることができる。
正極の抵抗値を、例えば0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることにより、電極群の抵抗を、例えば25mΩ以上で且つ40mΩ以下にすることができる。正極の抵抗値を高くするに従い、電極群の抵抗を高くすることができる。
正極が、100質量部の正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の炭素(例えば炭素を含む導電剤)とを含むことにより、正極の抵抗値を0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下にすることができる。正極に含まれる炭素(例えば炭素を含む導電剤)の量を少なくするに従い、正極の抵抗値を高くすることができる。正極活物質は、例えばLiNi0.82Co0.15Al0.032からなる。導電剤は、例えばアセチレンブラックからなる。
本実施形態によると、高い電池容量の電池において、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)。これにより、上記の定電流充電の際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。言い換えれば、容量比を、50%以上で且つ85%以下にすることができる。このため、定電流で(高い電流で)充電を行う時間を短くし、定電流充電から定電圧充電(電流を低下させながら行う充電)に切り替えることができる。このため、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行っても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができるので、電池のサイクル特性を向上させることができる。
加えて、充放電サイクルを繰り返しても、負極の表面にリチウムが析出することを抑制することができる。このため、負極の表面に析出したリチウムによって、電池で内部短絡が発生することを抑制することができるので、電池の安全性を向上させることができる。
本願発明者らが検討を重ねた結果、高い電池容量の電池において、定電流/定電圧充電を急速に行った場合に、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、電池の内部抵抗を制御することにより、容量比を、50%以上で且つ85%以下にすればよいことを見出した。この結果について、下記の表1に示す。
本願明細書における「高い電池容量の電池」とは、次の1),2)を満たす電池をいう。1)上記の定電流/定電圧充電を行った時の電極の単位面積当りの容量が、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、2)上記の定電流/定電圧充電を行った時の負極活物質の充電容量が、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下である。1)について、下記の表2に示し、2)について、下記の表3に示す。
以下に、本発明に係る電池において、電池の内部抵抗と容量比との関係、及び容量比と電池のサイクル特性との関係について、電池1〜6及び電池A,Bを参照しながら説明する。
<実施例1>
(電池1)
電池1の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした(電池の内部抵抗=電極群の抵抗+部品抵抗)。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池1を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池1を、25°の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.8Ahであった。
電池1の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
まず、導電剤として1.25質量部のアセチレンブラックと、N−メチルピロリドン(NMP)の溶剤に結着剤として1.7質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解した溶液とを混合して混合溶液を得た。その後、この混合溶液に、正極活物質として100質量部のLiNi0.82Co0.15Al0.032を混合して、正極合剤を含むペーストを得た。その後、このペーストを、正極集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させた後、ペーストが塗布・乾燥されたアルミニウム箔を圧延し、裁断して正極を作製した。
(負極の作製)
まず、平均粒子径が約20μmになるように、鱗片状人造黒鉛を粉砕及び分級した。次に、負極活物質として鱗片状人造黒鉛を100質量部と、結着剤としてスチレン/ブタジエンゴムを3質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1質量%含む水溶液を100質量部とを加えて混合し、負極合剤を含むペーストを得た。その後、このペーストを、負極集電体として厚さ8μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥させた後、ペーストが塗布・乾燥された銅箔を圧延し、裁断して負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:3の体積比で混合した混合溶媒に、電池の充放電効率を高める添加剤として5質量%のビニレンカーボネートを添加すると共に、電解質としてLiPF6を1.4mol/Lの濃度で溶解し、非水電解液を調製した。
(円筒型電池の作製)
まず、正極集電体にアルミニウム製の正極リードを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リードを取り付けた。その後、正極と負極との間にポリエチレン製のセパレータ(多孔質絶縁層)を介して捲回し、電極群を構成した。その後、電極群の上端に上部絶縁板を配置すると共に、電極群の下端に下部絶縁板を配置し、負極リードを電池ケースに溶接すると共に、正極リードを内圧作動型の安全弁を有する封口板に溶接して、電極群を電池ケース内に収容した。その後、減圧方式により、電池ケース内に非水電解液を注入した。その後、電池ケースの開口端部をガスケットを介して封口板にかしめて電池を作製した。このようにして作製した電池を、電池1と称する。
(電池2)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を30mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は2.5Ω・cm2であった。
電池2を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池2を、25°の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池2の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.6質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池2と称する。
(電池3)
電池3の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を35mΩとし、部品抵抗を10mΩとした。
正極の抵抗値は3.0Ω・cm2であった。
電池3を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池3を、25°の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池3の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.4質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を10mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池3と称する。
(電池4)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を40mΩとし、部品抵抗を5mΩとした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2であった。
電池4を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池4を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池4の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を5mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池4と称する。
(電池5)
電池5の内部抵抗を55mΩとし、電極群の抵抗を40mΩ(=電池4の電極群の抵抗)とし、部品抵抗を15mΩ(>電池4の部品抵抗)とした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2(=電池4の正極の抵抗値)であった。
電池5を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池5を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池5の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池4と同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池5と称する。
(電池6)
電池6の内部抵抗を40mΩとし、電極群の抵抗を25mΩ(=電池1の電極群の抵抗)とし、部品抵抗を15mΩ(<電池1の部品抵抗)とした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2(=電池1の正極の抵抗値)であった。
電池6を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池6を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の85%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池6の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池6と称する。
<比較例1>
(電池A)
電池Aの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を20mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Aを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Aを、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.8Ahであった。
電池Aの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
導電剤として、1.25質量部ではなく3.0質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Aと称する。
(電池B)
電池Bの内部抵抗を65mΩとし、電極群の抵抗を40mΩとし、部品抵抗を25mΩとした。
正極の抵抗値は4.0Ω・cm2であった。
電池Bを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Bを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の40%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池Bの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池4と同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく0.2質量部のアセチレンブラックを用いた点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極を、電池1と同様にして作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を25mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Bと称する。
−測定−
(電池の内部抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、電池の内部抵抗を測定した。具体的には例えば、周波数1kHzのインピーダンスを測定した。
(電極群の抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、電極群の抵抗を測定した。具体的には例えば、電池を分解して電極群を取り出し、正極端子と負極端子間の周波数1kHzのインピーダンスを測定した。
(部品抵抗)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、部品抵抗を測定した。具体的には例えば、電池の内部抵抗から、電極群の抵抗を差し引くことで、部品抵抗を求めた。
(正極の抵抗値)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iについて、正極の抵抗値を測定した。この測定方法について、図2を参照しながら以下に説明する。図2は、正極の抵抗値の測定を説明する図である。
まず、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを充電した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを、1.45Aの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電を行った後、4.2Vの定電圧で電流が50mAになるまで充電を行った。
次に、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを分解して、正極を取り出した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを分解して、正極を取り出した。その後、ジメチルカーボネート(DMC)を用いて、正極に付着したエチレンカーボネート(EC)及び電解質等を取り除いた。その後、常温で、正極を真空乾燥した。
次に、正極の抵抗値を測定した。具体的には例えば、正極を裁断し、図2に示すように、2.5cm×2.5cmの第1,第2の測定用正極10,20を作製した。その後、正極合剤層10bの表面と正極合剤層20bの表面とを互いに接触させた。その後、湿度を20%以下とし、環境温度を20℃として、9.8×105N/m2の加圧状態で、四端子法を用いて、正極集電体10aと正極集電体20a間に電流を流した時の電圧を測定し、直流抵抗値を算出した。この直流抵抗値を、下記の[数式2]に導入することで、正極の抵抗値を算出した。[数式2]に示すように、直流抵抗値に、正極合剤層の表面同士が互いに接触する面積(=2.5×2.5)を掛けて、2で割った。図2に示すように、2コの測定用正極を互いに接触させた状態で測定するため、直流抵抗値に面積を掛けた数値を2で割った。
正極の抵抗値={直流抵抗値×(2.5×2.5)}÷2・・・[数式2]
(電池容量)
電池1,A、及び後述の電池7,C〜Iを、25℃の環境下で、1.4Aの定電流で4.2Vになるまで充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で50mAになるまで充電を行った後、0.56Aの定電流で2.5Vになるまで放電を行った時の電池容量を求めた。
−評価−
(電池のサイクル特性)
電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iの充放電を繰り返した。具体的には例えば、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iを、25℃の環境下で、2030mA(0.7C)の定電流で電圧値が4.2Vになるまで充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで充電を行った後、2.9A(1C)の定電流で電圧値が2.5Vになるまで放電を行った。これを1サイクルとして、このサイクルを500サイクル繰り返し、電池1〜6,A,B、及び後述の電池7,C〜Iの充放電を繰り返した。
500サイクル後の容量維持率を、下記の[数式3]により算出した。
容量維持率(%)=500サイクル目の容量/1サイクル目の容量・・・[数式3]
電池1〜6,A,Bについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、及び容量維持率を表1に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池1〜4)
表1から判るように、導電剤の量が減少するに従い、正極の抵抗値が高くなる。正極の抵抗値が高くなるに従い、電極群の抵抗が高くなる。
PCTの抵抗を低くコントロールすることにより、部品抵抗が低くなる。
表1に示すように、電池の内部抵抗を45mΩにすることによって、定電流充電の際に、標準容量の75%で、電圧値を4.2Vに到達させることができる。言い換えれば、容量比を75%にすることができる。
(電池4と電池5との比較)
表1に示すように、電池5は、電池4に比べて、部品抵抗が高いため、電池の内部抵抗が高い。電池5は、電池4に比べて、容量比が低い。
表1に示すように、電池の内部抵抗を55mΩにすることによって、容量比を50%にすることができる。このことから判るように、電池の内部抵抗を高くすることにより、容量比が小さくなる。
(電池1と電池6との比較)
表1に示すように、電池6は、電池1に比べて、部品抵抗が低いため、電池の内部抵抗が低い。電池6は、電池1に比べて、容量比が高い。
表1に示すように、電池の内部抵抗を40mΩにすることによって、容量比を85%にすることができる。このことから判るように、電池の内部抵抗を低くすることにより、容量比が大きくなる。
(電池2と電池Aとの比較)
電池2は、電池Aに比べて、導電剤の量が少なく、正極の抵抗値が高いため、電極群の抵抗が高いので、電池の内部抵抗が高い。電池2は、電池Aに比べて、容量比が低い。電池2は、電池Aに比べて、容量維持率が高い。
電池Aは、電池2に比べて、電池の内部抵抗が低過ぎるため、容量比が高過ぎる。このため、定電流充電を行う時間が長過ぎるため、負極の表面にリチウムが顕著に析出するので、電池のサイクル特性が劣化する,と考えられる。
このことから判るように、容量比は90%未満(85%以下)であることが好ましい。
(電池4と電池Bとの比較)
電池4は、電池Bに比べて、部品抵抗が低いため、電池の内部抵抗が低い。電池4は、電池Bに比べて、容量比が高い。電池4は、電池Bに比べて、容量維持率が高い。
電池Bは、電池4に比べて、電池の内部抵抗が高過ぎるため、容量比が低過ぎる。電池Bは、電池の内部抵抗が高過ぎるが故に、電池のサイクル特性が劣化する,と考えられる。
このことから判るように、容量比は40%超(50%以上)であることが好ましい。
以上から判るように、電池の内部抵抗を制御する(例えば、40mΩ以上で且つ55mΩ以下にする)ことによって、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることができる。容量比を50%以上で且つ85%以下にすることにより、容量維持率を高くする(例えば、65%以上にする)ことができ、電池のサイクル特性を向上させることができる。
以下に、本発明に係る電池において、電極の単位面積当りの容量と電池のサイクル特性との関係、及び電極の単位面積当りの容量と電池容量との関係について、電池1及び電池A,C〜Eを参照しながら説明する。
<比較例2>
(電池C)
電池Cの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Cを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は340mAh/gであった。電池Cを、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.9Ahであった。
電池Cの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
電池を、電池1と同様にして作製し、作製した電池を、電池Cと称する。
(電池D)
電池Dの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を25mΩとし、部品抵抗を20mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Dを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は280mAh/gであった。電池Dを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.65Ahであった。
電池Dの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池1と同様にして作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
電池を、電池1と同様にして作製し、作製した電池を、電池Dと称する。
(電池E)
電池Eの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を20mΩとし、部品抵抗を15mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Eを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は280mAh/gであった。電池Eを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.65Ahであった。
電池Eの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極を、電池Aと同様にして作製した。言い換えれば、導電剤として、1.25質量部ではなく3.0質量部のアセチレンブラックを用いて、正極を作製した点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
単位面積当たりの正極活物質の量に対する負極活物質の量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を15mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Eと称する。
電池1,A,C〜Eについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、容量維持率及び電池容量を表2に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池1と電池Cとの比較)
電池1は、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Cは、負極活物質の充電容量が340mAh/gである。電池1は、電池Cに比べて、電池容量が低い。電池1は、電池Cに比べて、容量維持率が高い。
一方、電池1は、電池Cと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Cと容量比が同じである。電池1は、電池Cと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池Cは、電池1と容量比が同じである(50%以上で且つ85%以下である)ものの、電池Cは、電池1に比べて、容量維持率が低い。この理由として、次のような理由が考えられる。負極活物質の充電容量が330mAh/gを越えると、負極材料であるカーボンの理論容量を超えるため、負極の表面にリチウムが析出するので、電池のサイクル特性の急激な劣化を招く。
このことから判るように、負極活物質の充電容量は340mAh/g未満(330mAh/g以下)であることが好ましい。
(電池1と電池Dとの比較)
電池1は、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Dは、負極活物質の充電容量が280mAh/gである。電池1は、電池Dに比べて、電池容量が高い。
一方、電池1は、電池Cと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Dと容量比が同じである。電池1は、電池Dと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池1,Dは、何れも、容量維持率が高い。
電池Dは、電池1と同様に、容量比が50%以上で且つ85%以下であるため、電池Dは、電池1と同様に、容量維持率が高い。しかしながら、電池Dは、負極活物質の充電容量が280mAh/g(300mAh/g未満)であるため、電池Dは、電池1に比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、負極活物質の充電容量は280mAh/g越(300mAh/g以上)であることが好ましい。
以上から判るように、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下であることが好ましい。
(電池Aと電池Eとの比較)
電池Aは、負極活物質の充電容量が320mAh/gである。これに対し、電池Eは、負極活物質の充電容量が280mAh/gである。電池Aは、電池Eに比べて、電池容量が高い。電池Aは、電池Eに比べて、容量維持率が低い。
一方、電池Aは、電池Eと電池の内部抵抗が同じである。電池Aは、電池Eと容量比が同じである。電池Aは、電池Eと電極の単位面積当りの容量が同じである。
電池Eは、電池Aと同様に、容量比が90%(85%越)であるものの、電池Eは、電池Aに比べて、容量維持率が高い。しかしながら、電池Eは、負極活物質の充電容量が280mAh/g(300mAh/g未満)であるため、電池Eは、電池Aに比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電池容量の高い電池Aの場合、容量比を90%(85%越)にすると、電池のサイクル特性の劣化を招く。一方、電池容量の低い電池Eの場合、容量比を90%(85%越)にしても、電池のサイクル特性の劣化を招かない。言い換えれば、電池容量の高い電池の場合、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることが重要である。
以下に、本発明に係る電池において、負極活物質の充電容量と電池のサイクル特性との関係、及び負極活物質の充電容量と電池容量との関係について、電池1,7及び電池A,F〜Iを参照しながら説明する。
<実施例3>
(電池7)
電池7の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を27mΩとし、部品抵抗を18mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池7を、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池7を、25℃の環境下で、0.7Cで定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は3.3Ahであった。
電池7の作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を18mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池7と称する。
<比較例3>
(電池F)
電池Fの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を22mΩとし、部品抵抗を13mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Fを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Fを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は3.3Ahであった。
電池Fの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池Aと同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を13mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Fと称する。
(電池G)
電池の内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を28mΩとし、部品抵抗を17mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Gを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は7.5mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Gを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は、3.35Ahであった。
電池Gの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を増やした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を17mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Gと称する。
(電池H)
電池Hの内部抵抗を45mΩとし、電極群の抵抗を24mΩとし、部品抵抗を21mΩとした。
正極の抵抗値は0.2Ω・cm2であった。
電池Hを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Hを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の75%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.7Ahであった。
電池Hの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を21mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Hと称する。
(電池I)
電池Iの内部抵抗を35mΩとし、電極群の抵抗を19mΩとし、部品抵抗を16mΩとした。
正極の抵抗値は0.05Ω・cm2であった。
電池Iを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は3.0mAh/cm2であり、負極活物質の充電容量は320mAh/gであった。電池Iを、25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の90%で、電圧値が4.2Vに到達した。
電池容量は2.7Ahであった。
電池Iの作製方法を以下に示す。
(正極の作製)
正極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池Aと同様にして正極を作製した。
(負極の作製)
負極の単位面積当たりの活物質量を減らした点以外は、電池1と同様にして負極を作製した。
(非水電解液の調製)
非水電解液を、電池1と同様にして調製した。
(電池の作製)
PTCの抵抗をコントロールし部品抵抗を16mΩとした点以外は、電池1と同様にして電池を作製し、作製した電池を、電池Iと称する。
電池1,7,A,F〜Iについて、電池の内部抵抗、電極群の抵抗、部品抵抗、正極の抵抗値、導電剤の量、電極の単位面積当りの容量、負極活物質の充電容量、容量比、容量維持率及び電池容量を表3に示す。
Figure 2011070748
−比較−
(電池7と電池Gとの比較)
電池7は、電極の単位面積当りの容量が7.0mAh/cm2である。これに対し、電池Gは、電極の単位面積当りの容量が7.5mAh/cm2である。電池7は、電池Gに比べて、電池容量が低い。電池7は、電池Gに比べて、容量維持率が高い。
一方、電池7は、電池Gと電池の内部抵抗が同じである。電池7は、電池Gと容量比が同じである。電池7は、電池Gと負極活物質の充電容量が同じである。
電池Gは、電池7に比べて、容量維持率が低い。これは、次のような理由による。電池Gは、電池7に比べて、電極の単位面積当りの容量が高い。電極の単位面積当りの容量が高くなるに従い、電極の厚み方向の充電斑が大きくなるため、電池のサイクル特性が劣化する。ここで、「充電斑」とは、正極又は負極において、場所に応じて容量が異なっていることをいう。
このことから判るように、電極の単位面積当りの容量は、7.5mAh/cm2未満(7.0mAh/cm2以下)であることが好ましい。
(電池1と電池Hとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2である。これに対し、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2である。電池1は、電池Hに比べて、電池容量が高い。
一方、電池1は、電池Hと電池の内部抵抗が同じである。電池1は、電池Hと容量比が同じである。電池1は、電池Hと負極活物質の充電容量が同じである。電池1は、電池Hと容量維持率が同じである。
電池Hは、電池1と同様に、容量比が50%以上で且つ85%以下であるため、電池Hは、電池1と同様に、容量維持率が高い。しかしながら、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2(3.5mAh/cm2未満)であるため、電池Hは、電池1に比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量は、3.0mAh/cm2越(3.5mAh/cm2以上)であることが好ましい。
以上から判るように、電極の単位面積当たりの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であることが好ましい。
(電池Aと電池Iとの比較)
電池Aは、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2である。これに対し、電池Iは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2である。電池Aは、電池Iに比べて、電池容量が高い。電池Aは、電池Iに比べて、容量維持率が低い。
一方、電池Aは、電池Iと電池の内部抵抗が同じである。電池Aは、電池Iと容量比が同じである。電池Aは、電池Iと負極活物質の充電容量が同じである。
電池Iは、電池Aと同様に、容量比が90%(85%越)であるものの、電池Iは、電池Aに比べて、容量維持率が高い。しかしながら、電池Iは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2(3.5mAh/cm2未満)であるため、電池Iは、電池Aに比べて、電池容量が低く、高い電池容量を得ることができない。
このことから判るように、電池容量の高い電池Aの場合、容量比を90%(85%越)にすると、電池のサイクル特性の劣化を招く。一方、電池容量の低い電池Iの場合、容量比を90%(85%越)にしても、電池のサイクル特性の劣化を招かない。言い換えれば、電池容量の高い電池の場合、電池のサイクル特性の劣化を抑制するには、容量比を50%以上で且つ85%以下にすることが重要である。
(電池A,F)
電池A,Fは、何れも、電極の単位面積当たりの容量が、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下である。言い換えれば、電池A,Fは、何れも、高い電池容量の電池である。しかしながら、電池A,Fは、高い電池容量の電池であるにも拘わらず、容量比が90%(85%超)であるため、容量維持率が低く、電池のサイクル特性が劣化する。
(電池1と電池7,Gとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が25mΩである。これに対し、電池7は、電極の単位面積当たりの容量が7.0mAh/cm2であり、電極群の抵抗が27mΩである。また、電池Gは、電極の単位面積当たりの容量が7.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が28mΩである。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量が増加することで、電極群の抵抗が増加する。
(電池1と電池Hとの比較)
電池1は、電極の単位面積当たりの容量が3.5mAh/cm2であり、電極群の抵抗が25mΩである。これに対し、電池Hは、電極の単位面積当たりの容量が3.0mAh/cm2であり、電極群の抵抗が24mΩである。
このことから判るように、電極の単位面積当たりの容量が減少することで、電極群の抵抗が減少する。
本発明は、高い電池容量の非水電解質二次電池において、充電を急速に行っても、電池のサイクル特性が劣化することを抑制することができるため、非水電解質二次電池及びその充電方法に有用である。
1 正極
2 負極
3 多孔質絶縁層
4 電極群
5 上部絶縁板
6 下部絶縁板
7 ガスケット
8 封口板
9 電池ケース
10 第1の測定用正極
20 第2の測定用正極
10a,20a 正極集電体
10b,20b 正極合剤層

Claims (8)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体の表面に設けられ且つ正極活物質を含む正極合剤層とを有する正極と、
    負極集電体と、前記負極集電体の表面に設けられた負極合剤層とを有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置された多孔質絶縁層と、
    非水電解液とを備え、
    25℃の環境下で、0.7Cの定電流で電圧値が4.2Vに到達するまで充電を行った後に、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cに衰退するまで充電を行った時の電極の単位面積当りの容量は、3.5mAh/cm2以上で且つ7.0mAh/cm2以下であり、負極活物質の充電容量は、300mAh/g以上で且つ330mAh/g以下であり、
    25℃の環境下で、0.7Cの定電流で充電を行った際に、標準容量の50%以上で且つ標準容量の85%以下で、電圧値が4.2Vに到達するように、電池の内部抵抗が制御されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記電池の内部抵抗は、40mΩ以上で且つ55mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非水電解質二次電池を充電した後、前記非水電解質二次電池から前記正極を取り出して、第1の測定用正極及び第2の測定用正極を作製し、前記第1の測定用正極における正極合剤層と前記第2の測定用正極における正極合剤層とを互いに接触させ、前記第1の測定用正極における正極集電体と前記第2の測定用正極における正極集電体とにそれぞれ端子を設けて、前記端子間の抵抗値を測定した時に、前記抵抗値が0.2Ω・cm2以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記抵抗値は、0.2Ω・cm2以上で且つ4.0Ω・cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記正極は、100質量部の前記正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の炭素とを含むことを特徴とする請求項4記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極合剤層は、前記正極活物質と、導電剤とを含み、
    前記導電剤は、前記炭素を含み、
    前記正極は、100質量部の前記正極活物質と、0.2質量部以上で且つ1.25質量部以下の前記導電剤とを含むことを特徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記正極活物質は、LiNi0.82Co0.15Al0.032からなり、
    前記導電剤は、アセチレンブラックからなることを特徴とする請求項6に記載の非水電解質二次電池。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の充電方式は、定電流/定電圧充電方式であり、
    定電流充電の際の定電流値は、0.7C以上であり、
    定電圧充電の際の定電圧値は、4.1V以上であることを特徴とする非水電解質二次電池の充電方法。
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