JPWO2011046186A1 - 凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法及び凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液 - Google Patents

凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法及び凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液 Download PDF

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Abstract

PTFE微粒子の凝析性に優れた凝析加工用PTFE水性分散液を効率よく製造することが可能な凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法及び凝析加工用PTFE水性分散液を提供する。平均粒径0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤をPTFEの質量に対して2.2〜6質量%含有するPTFE水性分散液に、比表面積が100〜2000m2/gの合成吸着剤を、前記PTFE微粒子の質量に対して0.5〜15質量%の割合で添加した後に攪拌または揺動し、その後液相と固相とを分別し、平均粒径0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤をPTFEの質量に対して1.4〜2.1質量%含有する凝析加工用PTFE水性分散液を得る。

Description

本発明は、凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液及びその製造方法に関する。
水、重合開始剤、含フッ素アニオン界面活性剤およびパラフィンワックス安定剤の存在下で、テトラフルオロエチレン(以下、TFEともいう。)を重合させることにより、平均粒径が0.1〜0.5μm程度のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEともいう)の微粒子が分散したPTFEの水性乳化重合液が得られる(非特許文献1参照)。このPTFEの水性乳化重合液(以下、PTFE水性乳化重合液という)は、PTFEの重合収率とPTFEの重合安定性のバランスから、一般的にPTFE微粒子の濃度が10〜40質量%の濃度となるよう調整して重合される。
PTFE水性乳化重合液は、そのままでは凝集(ゲル化)し易く不安定であるため、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤を添加して安定化される。また、含フッ素アニオン界面活性剤は、自然界で分解され難いため、環境問題への配慮が必要である。PTFE水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を添加して安定化した後、イオン交換樹脂を充填した樹脂筒(カラム)にPTFE水性乳化重合液を通して、含フッ素アニオン界面活性剤をイオン交換樹脂に吸着させることにより、PTFE水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が低減される(特許文献1参照)。
そして、輸送効率や、PTFE微粒子の沈降を防止する目的で、PTFE水性乳化重合液に、非イオン性界面活性剤を添加した後、相分離法や電気泳動法等の公知の濃縮方法を用いて濃縮し、PTFE微粒子の濃度がおよそ45〜70質量%である高濃度PTFE水性分散液を得る。
得られた高濃度PTFE水性分散液は、そのままで、または必要に応じて水、アンモニア、その他の成分を添加した後、PTFE水性分散液として用いられている(以下、PTFE水性分散液という場合、高濃度PTFE水性分散液を含めることとする)。
PTFE水性分散液の利用方法の一つとして、PTFE水性分散液に、無機粉末、炭素質粉末、金属粉末、耐熱樹脂粉末、電池の電極材料等の粉末状充填剤を添加し、混合して、PTFE微粒子を凝析させ、軸受け等の潤滑材料、プリント基板材料、電池の電極板材料等に加工される用途がある(以下、これらの凝析加工に適するPTFE水性分散液を凝析加工用PTFE水性分散液と呼ぶこととする)。
凝析加工において、凝析加工用PTFE水性分散液に粉末状充填剤が添加された後、PTFE水性分散液は機械的に強く攪拌されて、PTFE微粒子が凝析する。しかしながら、凝析加工用PTFE水性分散液中の非イオン性界面活性剤濃度が高い場合には、水性分散液が安定過ぎて、機械的攪拌だけではPTFE微粒子を凝析させにくい問題がある。
この問題に対して、PTFE微粒子の凝析加工において、アルミニウムイオンや鉄イオンや高分子系凝集剤などの多価カチオン系凝析剤を使用する方法や、PTFE水性乳化重合液を安定化させる際に使用する非イオン性界面活性剤の使用量を低減する方法がある。
特表2002−532583号公報
ふっ素樹脂ハンドブックP28、里川孝臣編、日刊工業新聞社発行
しかしながら、アルミニウムイオンや鉄イオンや高分子系凝集剤などの多価カチオン系凝析剤を使用してPTFEの凝析を促進させた場合、多価カチオン系凝析剤は製品中に残留し易いため、最終製品の物性や、耐久性等が損なわれる問題があった。
また、非イオン性界面活性剤の使用量を低減してPTFE水性乳化重合液の安定化をする場合、その後のPTFE微粒子の濃縮工程において、非イオン性界面活性剤の濃度が低過ぎるために、十分に濃縮することができず、高濃度PTFE水性分散液を安定して得ることができない。そして、PTFE微粒子の濃度が低いと製品輸送時の効率が低い問題、低粘度であるためにPTFE微粒子が沈降し易くなり、保存安定性が劣る問題等があった。
また、上記特許文献1に記載のように、陰イオン交換樹脂が充填されたカラムにPTFE水性乳化重合液を通すと、含フッ素アニオン界面活性剤はイオン交換樹脂に吸着されるが、非イオン性界面活性剤は陰イオン交換樹脂にはほとんど吸着しないため、非イオン性界面活性剤の濃度はほとんど低減出来なかった。また、非イオン性界面活性剤濃度が低いPTFE水性分散液をカラムに通した場合、カラム内部でPTFE微粒子が凝集し、通液出来なくなる。また、頻繁にカラムを交換する必要が生じ、生産性が損なわれる問題があった。特に、PTFE微粒子の濃度の高いPTFE水性分散液をカラムに通した場合、カラムが閉塞し易かった。
したがって、本発明の目的は、PTFE微粒子の凝析性に優れた凝析加工用PTFE水性分散液を効率よく製造することが可能な凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法及び凝析加工用PTFE水性分散液を提供することを目的とする。
本発明は、以下を提供する。
[1]平均粒径0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤を前記PTFE微粒子の質量に対して2.2〜6質量%含有するPTFE水性分散液に、比表面積が100〜2000m/gの合成吸着剤を、前記PTFE微粒子の質量に対して0.5〜15質量%の割合で添加した後に攪拌または揺動し、その後液相と固相とを分別して液相を回収することを特徴とする、凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[2]前記PTFE水性分散液に前記合成吸着剤を添加した後、1〜100時間攪拌または揺動し、その後前記分別を行うことにより、非イオン性界面活性剤の濃度を、前記PTFE微粒子の質量に対して1.4〜2.1質量%とする、[1]に記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[3]前記合成吸着剤を含有するPTFE水性分散液を、50〜500メッシュのフィルタで濾別することにより前記分別を行う、[1]又は[2]に記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[4]前記非イオン性界面活性剤が、下記の一般式(1)および/または一般式(2)で示される、[1]〜[3]のいずれかに記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
−O−A−H ・・・(1)
(式(1)中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2およびオキシブチレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖である。)
−C−O−B−H ・・・(2)
(式(2)中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、Bはオキシエチレン基数5〜20より構成されるポリオキシエチレン鎖である。)
[5]TFEを、水、重合開始剤及び含フッ素アニオン界面活性剤の存在下で乳化重合して得られたPTFEの水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を添加した後、陰イオン交換樹脂と接触させて前記水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤を低減させ、次いで、濃縮処理を行い、前記PTFE水性分散液を得る、[1]〜[4]のいずれかに記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[6] 前記PTFE水性乳化重合液を前記陰イオン交換樹脂と接触させて、該PTFE水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤の含有量を、前記PTFE微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%とする、[5]に記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[7]前記含フッ素アニオン界面活性剤が、COCOCFCOONHである、[5]又は[6]に記載の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法。
[8][1]〜[7]のいずれかの方法で得られた凝析加工用PTFE水性分散液であって、平均粒径0.1〜0.5μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤を前記PTFE微粒子の質量に対して1.4〜2.1質量%含有する凝析加工用PTFE水性分散液。
[9]凝析加工用PTFE水性分散液中における含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が、前記PTFE微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%である、[8]に記載の凝析加工用PTFE水性分散液。
本発明によれば、平均粒径0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤をPTFEの質量に対して2.2〜6質量%含有するPTFE水性分散液に、比表面積が100〜2000m/gの合成吸着剤を、PTFE微粒子の質量に対して0.5〜15質量%の割合で添加した後に攪拌または揺動することにより、PTFE水性分散液に含有される非イオン性界面活性剤が合成吸着剤に吸着される。そして、液相と固相とを分別して液相を回収することにより、PTFE水性分散液に含有される非イオン性界面活性剤の少なくとも一部が合成吸着剤とともに分別されて除去されるので、液相中の非イオン性界面活性剤濃度を低減でき、PTFE微粒子の凝析加工性に優れた凝析加工用PTFE水性分散液を効率よく製造できる。
また、本発明の方法によって製造される凝析加工用PTFE水性分散液は、PTFE微粒子の濃度が高いので、PTFE微粒子が沈降分離し難く保存安定性に優れ、更に、非イオン性界面活性剤濃度が低減されているので、PTFE微粒子をより短時間で効率よく凝析できる。このため、取扱性に優れている。
本発明で使用するPTFE水性分散液は、平均粒径が0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤をPTFE微粒子の質量に対して2.2〜6質量%含有する。なお、本発明において、PTFEとは、TFEの単独重合体に加えて、実質的に溶融加工のできない程度の微量のクロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化エチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のハロゲン化プロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のフルオロビニルエーテル等の、TFEと共重合しうる共重合成分に基づく重合単位を含むPTFEである、いわゆる変性PTFEをいうものとする。
PTFE水性分散液に含まれるPTFE微粒子の平均粒径は0.10〜0.50μmであり、0.12〜0.40μmが好ましく、0.15〜0.30μmが特に好ましい。PTFE微粒子の平均粒径が0.10μm未満であると、PTFEとしての機械的物性が損なわれる傾向となる。また、PTFE微粒子の平均粒径が0.50μmを超えると、PTFE微粒子が沈降し易く保存安定性が損なわれる傾向となる。なお、本発明において、PTFE微粒子の平均粒径は、PTFE水性乳化重合液を乾燥後、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍で写真撮影し、撮影した画像からPTFE微粒子100粒を任意に選択して各PTFE微粒子の長径と短径を測定し、その平均値から求めた値を意味する。
本発明でいうPTFEの数平均分子量は任意に選ぶことができる。なかでも、10万〜3000万が好ましく、20万〜2500万がより好ましく、30万〜2000万が特に好ましい。PTFEの数平均分子量が10万未満であるとPTFEとしての機械的物性が低下する傾向にある。また、PTFEの数平均分子量が3000万を超えると、工業的に製造することが困難である。
PTFE水性分散液のPTFE微粒子の濃度は、45〜70質量%であり、好ましくは50〜68質量%であり、特に好ましくは54〜67質量%である。PTFE微粒子の濃度が45質量%未満であると、PTFE微粒子が沈降し易く、保存安定性が不十分である。また、PTFE微粒子の濃度が70質量%を超えると、濃縮してPTFE微粒子の濃度を高くする際に、収率が低下するため好ましくない。
PTFE水性分散液に含まれる非イオン性界面活性剤は、特に限定はなく、公知のものが挙げられる。例えば、下記の一般式(1)および/または一般式(2)で示されるものが好適に使用できる。一般式(1)、(2)の非イオン性界面活性剤は、1種類を単独もしくは2種以上の複数種を混合して使用することができる。
−O−A−H ・・・(1)
(式(1)中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2およびオキシブチレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖である。)
−C−O−B−H ・・・(2)
(式(2)中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、Bはオキシエチレン基数5〜20より構成されるポリオキシエチレン鎖である。)
一般式(1)において、Rのアルキル基は、炭素数が8〜18であり、10〜16が好ましく、12〜16が特に好ましい。Rのアルキル基の炭素数がこの範囲より大きいと、非イオン性界面活性剤の流動温度が高くなり、取扱い難くなる。更には、凝析加工用PTFE水性分散液を長期間放置した場合にPTFE微粒子が沈降し易く、保存安定性が損なわれ易い。また、Rのアルキル基の炭素数がこの範囲より小さいと、凝析加工用PTFE水性分散液の表面張力が高くなり、粉末状充填材との混和性が低下し易い。
一般式(1)において、親水基であるAは、オキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2およびオキシブチレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖であって、オキシエチレン基数7〜12およびオキシプロピレン基数0〜2のポリオキシアルキレン鎖が、粘度および安定性の点から好ましい。特に親水基A中にオキシプロピレン基数を0.5〜1.5有する場合には泡消え性が良好であり好ましい。
一般式(2)において、Rのアルキル基は、炭素数が4〜12であり、6〜10が好ましく、8〜9が特に好ましい。Rのアルキル基の炭素数が、この範囲よりも大きいと、長期間放置した場合にPTFE微粒子が沈降し易く、保存安定性が損なわれ易い。また、Rのアルキル基の炭素数がこの範囲より小さいと、凝析加工用PTFE水性分散液の表面張力が高くなり、粉末状充填材との混和性が低下し易い。
一般式(2)において、親水基であるBは、オキシエチレン基数5〜20から構成されるポリオキシエチレン鎖であって、オキシエチレン基数は粘度および安定性の点から6〜16が好ましく、特に好ましくは7〜12である。
一般式(1)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C1327O−(CO)10H、C1225O−(CO)10H、C1021CH(CH)CHO−(CO)H、C1327O−(CO)−CH(CH)CHOH、C1327O−CHCH(C)O−(CO)H、C1633O−(CO)10H、HC(C11)(C15)O−(CO)H、などが挙げられる。また、市販品では、ダウ社製タージトール(登録商標)15Sシリーズ、日本乳化剤社製ニューコール(登録商標)シリーズ、ライオン社製ライオノール(登録商標)TDシリーズなどが挙げられる。
一般式(2)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C17−CO−(CO)10H、C19−CO−(CO)10Hなどが挙げられる。また、市販品では、ダウ社製トライトン(登録商標)Xシリーズ、日光ケミカル社製ニッコール(登録商標)OPシリーズなどが挙げられる。
なお、市販の非イオン性界面活性剤は分子構造の異なる複数物質の混合物であるため、非イオン性界面活性剤中のアルキル基の炭素数、ポリオキシアルキレン鎖におけるオキシエチレン基やオキシプロピレン基の数を平均値で扱うものとする。したがって、各数値は整数に限らない。
PTFE水性分散液中の非イオン性界面活性剤の含有量は、PTFE微粒子の質量に対して2.2〜6質量%であり、2.2〜5質量%が好ましく、2.2〜4質量%がより好ましい。非イオン性界面活性剤の含有量がPTFE微粒子の質量に対して2.2質量%未満であると、PTFE水性分散液中のPTFE微粒子の濃度を高めることができない。その結果、PTFE微粒子の沈降が速くなって保存安定性が損なわれる。また、非イオン性界面活性剤の含有量がPTFE微粒子の質量に対して6質量%を超えると、非イオン性界面活性剤を除去するために大量の合成吸着剤が必要となるので経済的ではない。
PTFE水性分散液中の含フッ素アニオン界面活性剤の含有量は、PTFE微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%であることが好ましく、0.0005〜0.01質量%がより好ましい。含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が、PTFE微粒子の質量に対して0.00001質量%よりも少ない場合には、凝析加工用PTFE水性分散液が不安定なものになり易い。また、含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が、PTFE微粒子の質量に対して1質量%よりも多い場合には、環境への配慮の観点から好ましくない場合がある。
本発明で使用する上記PTFE水性分散液は、TFEを、水、重合開始剤及び含フッ素アニオン界面活性剤の存在下で乳化重合してPTFE水性乳化重合液を得る乳化重合工程と、乳化重合工程で得られたPTFE水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を添加して安定化する安定化工程と、安定化工程後のPTFE水性乳化重合液を陰イオン交換樹脂と接触させてPTFE水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤を低減させる含フッ素アニオン界面活性剤低減工程と、含フッ素アニオン界面活性剤低減工程後のPTFE水性乳化重合液を濃縮処理する濃縮工程とを経て製造することができる。以下、各工程について詳しく説明する。
上記乳化重合工程では、TFEを、水、重合開始剤及び含フッ素アニオン界面活性剤の存在下で乳化重合して、平均粒径が0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を含むPTFE水性乳化重合液を製造する。
乳化重合としては、水、重合開始剤、含フッ素アニオン界面活性剤及びパラフィンワックス安定剤の存在下で、TFEを2〜50気圧の加圧下で注入する乳化重合が好ましい。
また、得られるPTFE水性乳化重合液のPTFE微粒子の濃度が10〜40質量%となるように乳化重合することが好ましく、15〜37質量%がより好ましく、20〜35質量%が特に好ましい。PTFE微粒子の濃度が10質量%未満であると生産効率が低下し、40質量%を超えると重合工程中にPTFE微粒子の凝集し、ゲル状物質が生じ易くなる問題を生ずる。
乳化重合工程で使用する上記重合開始剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用できる。例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド等の水溶性有機過酸化物、塩素酸塩や臭素酸塩や過マンガン酸塩と還元剤との組み合わせによる酸化還元系重合開始剤等が好ましく使用できる。
乳化重合工程で使用する上記含フッ素アニオン界面活性剤としては、例えば、下記の一般式(3)で示されるものが好適に使用できる。
−COOX ・・・(3)
(式(3)中、Rは炭素数5〜9で、水素原子の90〜100%がフッ素原子で置換されたアルキル基(ただし、アルキル基中には1〜2個のエーテル性の酸素原子を含有してもよい。)であり、Xはアンモニウムイオンである。)
一般式(3)の含フッ素アニオン界面活性剤の具体例としては、COCFCFOCFCOONH(以下、EEAとよぶ)、C15COONH(以下、APFOとよぶ)、HC14COONH、C13COONH、HC12COONH、C17COONH、COCCOONH等が挙げられるが、EEAまたはAPFOが重合プロセスが安定し好ましい。とくに、小動物に摂取されたときの体内蓄積性の小さいEEAが好ましい。
含フッ素アニオン界面活性剤は、最終的に得られるPTFE微粒子の質量に対して0.05〜1.0質量%となるように使用することが好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましく、0.15〜0.6質量%が特に好ましい。含フッ素アニオン界面活性剤の使用量が上記範囲よりも少ないと、得られるPTFE水性乳化重合液中のPTFE微粒子が凝集し、収率が低下することがある。また、含フッ素アニオン界面活性剤の使用量が上記範囲よりも多いと、PTFEが微粒子として得られにくくなる。
乳化重合工程で使用する上記パラフィンワックス安定剤としては、融点が30〜99℃の精製ワックスがよく、さらに好ましくは融点が40〜80℃のものであり、特に好ましくは45〜70℃のものである。
安定化工程では、乳化重合工程で得られたPTFE水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を添加して安定化する。
安定化工程で使用する非イオン性界面活性剤としては、特に限定はなく、上述したものが使用できる。そして、その使用量は、PTFE微粒子の質量に対して2.2〜20質量%が好ましく、2.2〜18質量%がより好ましく、2.2〜15質量%が特に好ましい。非イオン性界面活性剤の使用量が上記範囲よりも少ないと、後の工程でPTFE水性乳化重合液中のPTFE微粒子が凝集し、収率が低下することがある。また、非イオン性界面活性剤の添加量が上記範囲よりも多いと、非イオン性界面活性剤を低減する際に要する合成吸着剤の使用量が多くなるので経済的でない。
含フッ素アニオン界面活性剤低減工程では、安定化工程後のPTFE水性乳化重合液を陰イオン交換樹脂と接触させてPTFE水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤を低減させる方法がある。含フッ素アニオン界面活性剤は、PTFE微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%となるように低減することが好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0005〜0.01質量%が特に好ましい。含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が0.00001質量%未満であると、PTFE微粒子が凝集し易く不安定な場合があり、1質量%を超える場合には環境への影響を配慮すると好ましくない。
含フッ素アニオン界面活性剤低減工程で使用する上記陰イオン交換樹脂としては、特に限定はなく、公知のアニオン交換樹脂が使用できるが、対イオンがOH型のものがよい。
例えば、三菱化学製ダイアイオン(登録商標)WA−30、ランクセス社製Lewatit(登録商標)MP−62WS、ダウ社製ダウエックスマラソン(登録商標)WBA、等の市販のものが使用できる。また、ランクセス社製Lewatit(登録商標)MP−600WSなどのCl型アニオン交換樹脂を水酸化ナトリウム水溶液によりOH型に変えて使用することも可能である。
PTFE水性乳化重合液と陰イオン交換樹脂を接触させる方法としては、特に限定はなく、公知の方法が採用できる。例えば、陰イオン交換樹脂を充填したカラムにPTFE水性乳化重合液を通す方法や、PTFE水性乳化重合液中に陰イオン交換樹脂を添加した後、攪拌または揺動を行う方法等が挙げられる。
含フッ素アニオン界面活性剤低減工程では、含フッ素アニオン界面活性剤が低減された後の不安定性を改善するために、PTFE微粒子の質量に対して0.01〜0.3質量%、好ましくは0.02〜0.25質量%の炭化水素系アニオン界面活性剤を添加してもよい。上記炭化水素系アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル酸アンモニウム、ラウリル酸エタノールアミン、ケイ皮酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、p−t−ブチル安息香酸アンモニウム等が挙げられる。
濃縮工程では、含フッ素アニオン界面活性剤を低減したPTFE水性乳化重合液を濃縮処理し、PTFE微粒子の濃度を高めてPTFE水性分散液を得る。
PTFE水性乳化重合液の濃縮方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法が採用できる。例えば、相分離法、電気泳動法等が挙げられる。
相分離法は、PTFE水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を溶解させ、アンモニア等の電解質を加え、50〜99℃の温度で数時間以上保持することにより、PTFE微粒子を多量に含有する低部の沈降液と、PTFE微粒子をほとんど含有しない上部の上澄みとに相分離したのち、上澄みを除去して高濃度PTFE水性分散液を得る方法である。
また、電気泳動法は、PTFE水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を溶解させ、垂直に配置された複数枚の半透膜を介して正負電極間に電圧を印加することにより、PTFE微粒子が正電極側に泳動し、半透膜面で濃縮されて高比重となり低部に沈降する高濃度PTFE水性分散液を捕集する方法である。
これらの方法以外にも、水分を蒸発乾燥して濃縮する方法、逆浸透膜を使って水分を除去して濃縮する方法、なども用いることができる。
本発明で使用する合成吸着剤は、細孔を有する不溶性の三次元架橋構造をもつ合成樹脂粒子である。合成吸着剤の比表面積は、100〜2000m/gであり、200〜1800m/gが好ましく、400〜1500m/gがより好ましい。合成吸着剤の比表面積が100m/g未満であると、PTFE水性分散液中の非イオン性界面活性剤の除去効率が低く、2000m/gを超えると、非イオン性界面活性剤の除去速度が低かったり、非イオン性界面活性剤の除去工程中にPTFE微粒子が凝集することがある。なお、本発明において合成吸着剤の比表面積とは、BET法で測定した値を意味する。
合成吸着剤の平均粒径は、0.1〜2.0mmが好ましく、0.2〜1.5mmがより好ましく、0.3〜1.0mmが特に好ましい。合成吸着剤の平均粒径が0.1mm未満であると、PTFE水性分散液と接触させた後に分別することが困難になる傾向にあり、2.0mmを超えると、非イオン性界面活性剤の吸着に時間がかかり、効率が低下する傾向にある。なお、本発明において合成吸着剤の平均粒径とは、篩いで分級した後の積分質量をグラフにプロットして得られる50%質量値を意味する。
合成吸着剤の細孔容積は、0.1〜2ml/gが好ましく、0.3〜1.5ml/gがより好ましく、0.5〜1.3ml/gが特に好ましい。合成吸着剤の細孔容積が0.1ml/g未満であると、非イオン性界面活性剤の吸着性が低く、2ml/gを超えると強度が低下する。なお、本発明において、合成吸着剤の細孔容積とは、窒素法で測定した値を意味する。
合成吸着剤は、水分を含有しているほうが非イオン性界面活性剤の吸着が速く、吸着も安定する。水分量は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。合成吸着剤の水分量が20質量%未満であると、非イオン性界面活性剤の吸着性が低く、80質量%を超えると秤量が不安定になる場合がある。
本発明で使用する合成吸着剤の例としては、スチレンやジビニルベンゼンやメタクリル酸エステル等の単独または複数の単量体と、アルカン等の非反応性の溶剤とを混合した後、単量体を重合し、架橋反応して得られる、大きな比表面積を有するビーズ状粒子が挙げられる。また、市販品としては、三菱化学社製ダイアイオン(登録商標)HP−20(比表面積511m/g)、SP−800(比表面積819m/g)、SP−205(比表面積507m/g)、HP1MG(比表面積333m/g)、ランクセス社製レワティット(登録商標)VPOC1163(比表面積1200m/g)、ピュロライト社製ハイパーゾル−マクロネット(登録商標)MN202(比表面積700m/g)、MN270(比表面積1400m/g)、ローム&ハース社製アンバーライト(登録商標)XAD4(比表面積750m/g)、XAD7HP(比表面積400m/g)などが挙げられる。
次に、本発明の凝析加工用PTFE水性分散液の製造方法について説明する。
本発明では、まず、上記PTFE水性分散液に合成吸着剤を、PTFE水性分散液中のPTFE微粒子の質量に対して0.5〜15質量%の割合で添加する。好ましくは1〜13質量%の割合で添加し、特に好ましくは1.2〜10質量%の割合で添加する。合成吸着剤の添加量が0.5質量%未満であると、非イオン性界面活性剤の低減効果が小さく、15質量%を超えると、非イオン性界面活性剤の濃度が低くなりすぎて、凝集(ゲル化)を生ずる場合がある。
また、合成吸着剤の添加量は、低減しようとする非イオン性界面活性剤の質量の1〜30質量倍とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜20質量倍であり、特に好ましくは2〜12質量倍である。合成吸着剤の添加量が、低減しようとする非イオン性界面活性剤の質量の1質量倍未満であると、非イオン性界面活性剤の低減効果が小さく、20質量倍を超えると、非イオン性界面活性剤の濃度が低くなりすぎて、PTFE微粒子が凝集する場合がある。
次に、合成吸着剤を添加したPTFE水性分散液を、攪拌または揺動する。不均一な状態で合成吸着剤が添加されると局部的に非イオン性界面活性剤が吸着され過ぎてPTFE微粒子が凝集する場合がある。合成吸着剤の添加後に攪拌または揺動することにより均一化し、PTFE水性分散液中に含有される非イオン性界面活性剤が均一に吸着され、PTFE微粒子が凝集する問題を防止できる。合成吸着剤を充填したカラムにPTFE水性分散液を通し、合成吸着剤に非イオン性界面活性剤を吸着させようとした場合、カラム通液時にPTFE微粒子がカラム内で凝集して閉塞し易く、安定して通液することができない。特に、PTFE水性分散液のPTFE微粒子の濃度が高かったり、非イオン性界面活性剤濃度が低かったりした場合、カラムが閉塞し易い。
攪拌または揺動する処理時間としては、1〜100時間が好ましい。処理時間は、好ましくは2〜50時間であり、より好ましくは4〜30時間である。処理時間が1時間未満であると、非イオン性界面活性剤の低減効果が小さく、100時間を超えると、攪拌しすぎることによりPTFE微粒子が凝集するおそれがある。
攪拌方法としては、攪拌羽根を挿入して、攪拌羽根を回転させて攪拌する方法が挙げられる。攪拌速度は、容器の大きさや形状により異なるが、合成吸着剤が液中に分散しゆっくりと全体が流動する速度がよい。具体的には、攪拌羽根の先端の周速が0.01〜2m/秒が好ましく、0.05〜1m/秒がより好ましく、0.1〜0.5m/秒が特に好ましい。
揺動方法としては、密栓をした容器全体を180°または360°反転させて液を攪拌する方法や、容器内部の液が旋廻するような周期で容器全体を揺動させて行う方法が挙げられる。
本発明では、攪拌または揺動を行って、PTFE水性分散液に含有される非イオン性界面活性剤を合成吸着剤に吸着させた後、液相と固相とを分別して液相を回収する。
ここで、液相とは、PTFE微粒子を含有するPTFE水性分散液の相をいい、固相とは、合成吸着剤の相をいう。液相と固相とを分別することにより、PTFE水性分散液に含まれる非イオン性界面活性剤の少なくとも一部が、合成吸着剤とともに分別されて除去されるので、PTFE水性分散液中の非イオン性界面活性剤濃度を低減できる。
本発明において、液相を分別する方法としては、50〜500メッシュのフィルタで濾別する方法が好ましく採用できる。濾別に用いるフィルタは、より好ましくは60〜300メッシュであり、特に好ましくは70〜200メッシュである。フィルタのサイズが、50メッシュ未満であると、分別が不十分になる可能性があり、500メッシュを超えると、PTFE水性分散液の通過速度が小さく、分別に時間を要する。
このようにして得られる本発明の凝析加工用PTFE水性分散液は、平均粒径0.10〜0.50μmのPTFE微粒子を45〜70質量%含有し、好ましくは50〜68質量%含有し、特に好ましくは54〜67質量%含有する。
また、非イオン性界面活性剤の含有量は、PTFE微粒子の質量に対して1.4〜2.1質量%であり、1.5〜2.0質量%が好ましく、1.6〜1.9質量%が特に好ましい。非イオン性界面活性剤の含有量が前記割合で1.4質量%未満であると、PTFE水性分散液として不安定であり、2.1質量%を超えると、凝析加工ができない場合がある。なお、非イオン性界面活性剤の含有量をより低減させるには、上記した製造方法において、PTFE水性分散液への合成吸着剤の添加量を増加させたり、比表面積の大きな合成吸着剤を使用したり、PTFE水性分散液に合成吸着剤を添加した後の攪拌または揺動時間を長くすればよい。
また、含フッ素アニオン界面活性剤の含有量は、PTFE微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%であることが好ましく、0.0005〜0.01質量%がより好ましい。含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が、PTFE微粒子の質量に対して0.00001質量%未満であると、PTFE水性分散液として不安定なものになり易く、1質量%を超えると、環境への配慮の観点から好ましくない場合がある。
本発明の凝析加工用PTFE水性分散液には、必要に応じて水、アンモニア、微量の防腐剤、その他公知の成分を加えてもよい。
本発明の凝析加工用PTFE水性分散液は、そのままで、または水で希釈したのち、所望の粉末状充填剤を添加し、強い機械的攪拌を行なうことにより凝析させて、電池の電極材料、潤滑部材等の用途に使用できる。また、使用時に、有機溶剤、微量の凝析剤、着色剤などの公知の成分を加えてもよい。粉末状充填剤の例としては、例えば潤滑部材に利用する場合、鉛粉、亜鉛粉、ガラス粉、ガラス繊維粉、石英粉、アルミナ粉などの無機粉末、グラファイト粉、コークス粉、カーボン繊維粉などの炭素質粉末、青銅粉、銅粉、ステンレス粉などの金属粉末、ポリアミド粉、ポリイミド粉、ポリエーテルケトン粉、ポリエーテルエーテルケトン粉、ポリエーテルスルホン粉などの耐熱樹脂粉末などがあげられる。また、電池の電極材料に利用する場合、二酸化マンガン粉、亜鉛粉、グラファイト粉、オキシ水酸化ニッケル粉、マンガン酸リチウム粉、コバルト酸リチウム粉、水素吸蔵合金粉末、などが挙げられる。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。
なお、実施例は、以下に示す例1〜5であり、その結果を表1に示す。また比較例は、以下に示す例6〜11であり、例6〜10の結果を表2に示す。また、各例で使用した非イオン性界面活性剤の種類を表3に示し、各例で使用した吸着剤の種類を表4に示す。
[評価方法]
(A)PTFEの数平均分子量:諏訪(Journal of Applied Polymer Science, 17, 3253(1973))の方法に従い、示差熱分析での潜熱ΔHc(cal/g)から次式により数平均分子量Mを求めた。
M=2.1×1010×ΔHc−5.16
(B)PTFE微粒子の平均粒径:PTFE水性乳化重合液を乾燥後、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍で写真撮影し、撮影した画像からPTFE微粒子100粒を任意に選択して各PTFE微粒子の長径と短径を測定し、その平均値から求めた。
(C)PTFE微粒子の濃度、界面活性剤濃度:アルミ皿(質量W)にPTFE水性分散液を約10g入れて秤量し(質量W)、120℃1時間乾燥後の質量(質量W)、および380℃35分間乾燥後の質量(質量W)から、次式によって求めた。
PTFE微粒子の濃度(質量%)=[(W−W)/(W−W)]×100
非イオン性界面活性剤濃度(質量%/PTFE)=[(W−W)/(W−W)]×100
(D)含フッ素アニオン界面活性剤濃度:GC−MS(質量分析装置付きガスクロマトグラフィー)を用い、あらかじめ濃度既知の含フッ素アニオン界面活性剤を使用して得られたフラグメントのピーク面積から検量線を作成した。次に、サンプル液10gを自然乾燥後、含フッ素アニオン界面活性剤をエタノールで抽出し、GC−MSでのピーク面積を測定し、検量線を用いてサンプル液中の含フッ素アニオン界面活性剤を求めた。
(E)pH:ガラス電極法によった。
(F)粘度:ブルックフィールド型粘度計を使用し、No.1スピンドル、60rpmで測定した。
(I)凝析テスト:凝析加工用PTFE水性分散液500gを用い、PTFE質量に対して25%のガラス繊維粉末(日東紡社製PFA001)を添加し、直径60mmで6枚のタービン翼を有する高速攪拌機を用いて2000rpmで攪拌し、凝析に要した時間が1000秒以下は良、1000秒超は不良とした。
(J)保存安定性:100ccのガラス製メスシリンダーに凝析加工用PTFE水性分散液を入れてふたをして1か月間後静置し、PTFE微粒子の沈降により生ずる上澄みの厚みを目視により測定し、この厚みが10mm未満のものを良好、10mm以上のものを不良とした。
(K)合成吸着剤の比表面積:BET吸着法から算出した。
(L)合成吸着剤の平均粒径:目開きの異なる篩いで分級後、得られた質量の積分曲線から、50質量%となる粒径を求め、平均粒径とした。
[例1]
数平均分子量が125万で、平均粒径が0.26μmのPTFE微粒子を25.0質量%含有し、含フッ素アニオン界面活性剤であるCFCFOCFCFOCFCOONH(EEA)の濃度がPTFE微粒子の質量に対して0.40%であるPTFE水性乳化重合液の50kgに、あらかじめイオン交換水で希釈した非イオン性界面活性剤(a)(表3参照)をPTFE微粒子の質量に対して3.0質量%の割合で溶解させて安定化させ、PTFE微粒子の濃度が24.1質量%である低濃度PTFE水性分散液を得た。
弱塩基性イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名「ダイアイオン(登録商標)WA−30」、平均粒径0.5mm)を、直径2.5cm、長さ80cmのイオン交換樹脂カラム(容積0.39リッター)に充填し、チューブ式ポンプを用いて、低濃度PTFE水性分散液を約26時間かけてカラムの下から上方向に通した後、ラウリン酸アンモニウム(ラウリン酸のアンモニア中和物)をPTFE微粒子の質量に対して0.05質量%加えることにより、PTFE微粒子の濃度が24.0質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して3.0質量%である精製PTFE水性分散液を得た。なお、EEA濃度は、GC−MSでの分析の結果、PTFE微粒子の質量に対して0.001質量%であった。
次に、この精製PTFE水性分散液30kgを用い、電気泳動法により濃縮し、上部の上澄みを除去し、PTFE微粒子の質量に対して0.1質量%のアンモニア水(28質量%のアンモニアを含む)を防腐剤として加えることにより、PTFE微粒子の濃度が66.1質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して2.25質量%であり、EEA濃度がPTFE微粒子の質量に対して0.001質量%である、高濃度PTFE水性分散液を得た。
この高濃度PTFE水性分散液の1kgに、PTFE微粒子の質量に対して2質量%の合成吸着剤(A)(表4参照、比表面積511m/g、細孔容積1.3ml/g、水分50%)を加えた。そして、3枚のひねり羽根を有する直径50mmの攪拌羽根を用い、120rpmで12時間攪拌した。その後、100メッシュのナイロンフィルターを通過させることにより、PTFE微粒子の濃度が66.0質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して1.71質量%である、凝析加工用PTFE水性分散液を得た。
この凝析加工用PTFE水性分散液の500gを用い、PTFE微粒子の質量に対して25質量%のガラス繊維粉末(日東紡社製、商品名「PFA001」)を添加し、高速攪拌機を用いて2000rpmで攪拌し、凝析テストを行なった。その結果、凝析に要した時間は402秒であり、ガラス繊維粉末が均一に混合された凝析物が得られた。
また、この凝析加工用PTFE水性分散液の1か月静置後の上澄みは1mmであり保存安定性は良好であった。
[例2]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の1kgに、PTFE微粒子の質量に対して1.5質量%の合成吸着剤(B)(表4参照、ランクセス社製VPOC1163、比表面積1200m/g、細孔容積0.5ml/g、水分40%)を加えた。そして、100rpmで24時間攪拌を行ない、100メッシュのナイロンフィルターを通過させることにより、PTFE微粒子の濃度が66.1%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して1.85質量%に低減された凝析加工用PTFE水性分散液を得た。
この凝析加工用PTFE水性分散液の500gを用い、例1と同様に凝析テストを行なった。その結果、凝析に要した時間は605秒であり、ガラス繊維粉末が均一に混合された凝析物が得られた。
また、この凝析加工用PTFE水性分散液の1か月静置後の上澄みは1mmであり保存安定性は良好であった。
[例3]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の1kgを水で希釈してPTFE微粒子の濃度を55.5%に調整したのち、PTFE微粒子の質量に対して5質量%の合成吸着剤(C)(表4参照、ピュロライト社製MN202、比表面積700m/g、細孔容積1.05ml/g、水分55%)を加えた。そして、100rpmで4時間の攪拌を行ない、100メッシュのナイロンフィルターを通過させることにより、PTFE微粒子の濃度が55.4%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して1.62%に低減された凝析加工用PTFE水性分散液を得た。
この凝析加工用PTFE水性分散液の500gを用い、例1と同様に凝析テストを行なった。その結果、凝析に要した時間は250秒であり、ガラス繊維粉末が均一に混合された凝析物が得られた。
また、この凝析加工用PTFE水性分散液の1か月静置後の上澄みは4mmであり保存安定性は良好であった。
[例4]
例1で得られた精製PTFE水性分散液の5kgに対して、非イオン性界面活性剤(b)(表3参照)をPTFE微粒子の質量に対して10.0質量%追加して溶解させ、アンモニア水(28質量%のアンモニアを含む)をPTFE微粒子の質量に対して0.2質量%添加し、80℃に加熱して1晩放置して相分離させた後、上部の上澄みを除去した。この操作によって、PTFE微粒子の濃度が64.5質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して3.26質量%であり、EEAの濃度がPTFE微粒子の質量に対して0.038質量%である、高濃度PTFE水性分散液を得た。
この高濃度PTFE水性分散液の1kgに、PTFE粒子の質量に対して7質量%の合成吸着剤(A)(表4参照)を加えた。そして、100rpmで24時間攪拌したのち、100メッシュのナイロンフィルターを通過させることにより、PTFE微粒子の濃度が64.5質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して1.83質量%である凝析加工用PTFE水性分散液を得た。
この凝析加工用PTFE水性分散液の500gを用い、例1と同様に凝析テストを行なった。その結果、凝析に要した時間は394秒であり、ガラス繊維粉末が均一に混合された凝析物が得られた。
また、この凝析加工用PTFE水性分散液の1か月静置後の上澄みは1mmであり保存安定性は良好であった。
[例5]
例1で得られた精製PTFE水性分散液の5kgに対して、非イオン性界面活性剤(c)(表3参照)をPTFE微粒子の質量に対して12質量%追加して溶解させ、アンモニア水をPTFE微粒子の質量に対して0.2質量%添加し、80℃に加熱して1晩放置して相分離させた後、上部の上澄みを除去した。この操作により、PTFE微粒子の濃度が64.0%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して3.82質量%であり、EEAの濃度がPTFE微粒子の質量に対して0.045質量%である、高濃度PTFE水性分散液を得た。
この高濃度PTFE水性分散液の1kgを用い、PTFE微粒子の質量に対して9質量%の合成吸着剤(A)(表4参照)を加えた。そして、150rpmで20時間攪拌したのち、100メッシュのナイロンフィルターを通過させることにより、PTFE微粒子の濃度が63.9質量%であり、非イオン性界面活性剤濃度がPTFE微粒子の質量に対して1.73質量%である凝析加工用PTFE水性分散液を得た。
この凝析加工用PTFE水性分散液の500gを用い、例1と同様に凝析テストを行なった。その結果、凝析に要した時間は515秒であり、ガラス繊維粉末が均一に混合された凝析物が得られた。
また、この凝析加工用PTFE水性分散液の1か月静置後の上澄みは1mmであり保存安定性は良好であった。
[例6]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の500gをそのまま用いて凝析テストを試みたが、非イオン性界面活性剤濃度が高すぎるために凝析させることができなかった。
[例7]
例1で得られたPTFE水性乳化重合液の1kgを用い、あらかじめイオン交換水で希釈した非イオン性界面活性剤(C)をPTFE微粒子の質量に対して1.8質量%溶解させて安定化させ、PTFE微粒子の濃度が24.6質量%である低濃度PTFE水性分散液を得た。
この低濃度PTFE水性分散液を用いて凝析テストを行ったところ、凝析させることはできたが、PTFE微粒子の濃度が低すぎるために1か月後の上澄みは25mmと大きく、保存安定性が劣った。また、この低濃度PTFE水性分散液は、含フッ素アニオン界面活性剤がPTFE質量に対して0.40%であり環境残留の点から好ましくないため、これを低減するためにイオン交換樹脂カラムを通過させようとしてチューブポンプで通液したところ、15分後にカラム内で閉塞を生じ、通液することはできなかった。
[例8]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の500gに、PTFE微粒子の質量に対して20質量%(高濃度PTFE水性分散液1Lに対して212g)の合成吸着剤(A)(表4参照)を加え、100rpmで攪拌を行なったが、合成吸着剤の使用量が多すぎたために10時間後に液の凝集(ゲル化)が生じた。
[例9]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の1kgに、PTFE微粒子の質量に対して2質量%のイオン交換樹脂(D)(表4参照)を加え、100rpmで24時間攪拌を行なったが、このイオン交換樹脂(D)は、比表面積が小さいために非イオン性界面活性剤の吸着性が低く、非イオン性界面活性剤濃度はPTFE微粒子の質量に対して2.18%にとどまった。
得られた凝析加工用PTFE水性分散液を用いて凝析テストを行ったところ、非イオン性界面活性剤濃度が高すぎるために、凝析させることができなかった。
[例10]
例1で得られた高濃度PTFE水性分散液の500gに、PTFE微粒子の質量に対して2質量%の顆粒状活性炭(E)(表4参照)を加え、100rpmで攪拌を行なったところ、活性炭に付着している炭素質微粉末の脱落のために液が灰色に変色した。そして、そのまま攪拌を続けたところ、脱落した炭素質微粉末を核として異物が発生し、20時間後に液全体が凝集(ゲル化)を生じた。
[例11]
直径2.5cm、長さ80cmのカラム(容積0.39L)に合成吸着剤(C)(表4参照)を充填し、チューブ式ポンプを用いて、例1で得られた高濃度PTFE水性分散液を通過させて非イオン性界面活性剤を低減しようと試みたが、約1分後にカラム内で凝集物による閉塞を生じ、通液することができなかった。
以上の結果を表1,2にまとめて示す。
Figure 2011046186
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Figure 2011046186
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本発明の凝析加工用PTFE水性分散液は、潤滑部材や電池の電極材料などに利用することができる。
なお、2009年10月16日に出願された日本特許出願2009−239354号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. 平均粒径0.10〜0.50μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤を前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して2.2〜6質量%含有するポリテトラフルオロエチレン水性分散液に、比表面積が100〜2000m/gの合成吸着剤を、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して0.5〜15質量%の割合で添加した後に攪拌または揺動し、その後液相と固相とを分別して液相を回収することを特徴とする、凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  2. 前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液に前記合成吸着剤を添加した後、1〜100時間攪拌または揺動し、その後前記分別を行うことにより、非イオン性界面活性剤の濃度を、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して1.4〜2.1質量%とする、請求項1に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  3. 前記合成吸着剤を含有するポリテトラフルオロエチレン水性分散液を、50〜500メッシュのフィルタで濾別することにより前記分別を行う、請求項1又は2に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  4. 前記非イオン性界面活性剤が、下記の一般式(1)および/または一般式(2)で示される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
    −O−A−H ・・・(1)
    (式(1)中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2およびオキシブチレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖である。)
    −C−O−B−H ・・・(2)
    (式(2)中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、Bはオキシエチレン基数5〜20より構成されるポリオキシエチレン鎖である。)
  5. テトラフルオロエチレンを、水、重合開始剤及び含フッ素アニオン界面活性剤の存在下で乳化重合して得られたポリテトラフルオロエチレンの水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を添加した後、陰イオン交換樹脂と接触させて前記水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤を低減させ、次いで、濃縮処理を行い、前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液を得る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  6. 前記ポリテトラフルオロエチレン水性乳化重合液を前記陰イオン交換樹脂と接触させて、該ポリテトラフルオロエチレン水性乳化重合液中の含フッ素アニオン界面活性剤の含有量を、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%とする、請求項5に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  7. 前記含フッ素アニオン界面活性剤が、COCOCFCOONH である、請求項5又は6に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかの方法で得られた凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液であって、
    平均粒径0.10〜0.50μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を45〜70質量%、非イオン性界面活性剤を前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して1.4〜2.1質量%含有する凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  9. 凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液中における含フッ素アニオン界面活性剤の含有量が、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の質量に対して0.00001〜1質量%である、請求項8に記載の凝析加工用ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
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