JP2016023269A - 含フッ素樹脂水性分散液の製造方法 - Google Patents

含フッ素樹脂水性分散液の製造方法 Download PDF

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瑞菜 豊田
鷲見 直子
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直子 鷲見
祐二 原
Yuji Hara
祐二 原
俊 齋藤
Takashi Saito
俊 齋藤
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Abstract

【課題】長期保存しても含フッ素樹脂水性分散液のpHが6以下になることを抑制して、均一性に優れた塗膜を形成し、かつ基材に錆が発生することを抑制する。【解決手段】非フッ素系アニオン性乳化剤を含む乳化重合によってフッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を製造する工程(x)と、前記含フッ素樹脂水性分散液を陰イオン交換樹脂に接触させ、接触後の前記含フッ素樹脂水性分散液のpHを8.5以上とする工程(y)と、を有する、含フッ素樹脂水性分散液の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素樹脂水性分散液の製造方法に関する。
従来、建材用のコンクリート製品、外壁材(金属系サイディング材等)、建築用ガラス、ガードレール、橋梁等の土木用部材、タンク、プラント等は、外部の環境に曝されて使用されるため、その表面に耐候性、耐薬品性(耐酸性雨性)、耐温水性に優れた含フッ素樹脂塗料が塗装されている。
含フッ素樹脂塗料としては、たとえば、フッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液をベースとするものが知られている。具体的には、下記のものが提案されている。
(1)親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合単位を必須構成成分とする含フッ素系共重合体が水に分散されている含フッ素樹脂水性分散液を塗料ベースとして含む塗料(特許文献1)。
(2)フルオロオレフィンに基づく重合単位、プロピレンに基づく重合単位、エチレンに基づく重合単位、ブチレンに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体が水に分散されている含フッ素樹脂水性分散液を塗料ベースとして含む塗料(特許文献2)。
(3)含フッ素樹脂エマルションとアクリル共重合体の水溶液または分散体からなる塗料(特許文献3)。
特開平2−225550号公報 特開2001−164173号公報 特開2004−250637号公報
しかし、特許文献1〜3のような含フッ素樹脂水性分散液を用いる塗料では、長期保存した場合にpHが低下し、それによって塗膜を形成する際に硬化速度が速くなりすぎて塗膜の均一性が低下することがある。また、pHが低下することで、その酸成分によって基材に錆が発生することがある。例えばpHが6以下になった場合に、これらの問題が発生することがある。
本発明は、長期保存してもpHが低下することが抑制され、均一性に優れた塗膜を形成でき、かつ基材に錆が発生することを抑制できる含フッ素樹脂水性分散液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法は、下記の工程(x)および工程(y)を有する方法である。
(x)非フッ素系アニオン性乳化剤を含む乳化重合によってフッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を製造する工程。
(y)前記含フッ素樹脂水性分散液を陰イオン交換樹脂に接触させ、接触後の前記含フッ素樹脂水性分散液のpHを8.5以上とする工程。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法では、前記陰イオン交換樹脂と前記含フッ素樹脂水性分散液の比(陰イオン交換樹脂/含フッ素樹脂水性分散液)が1/10〜1/20000(質量比)であることが好ましい。
また、前記含フッ素樹脂水性分散液と前記陰イオン交換樹脂との接触時間は、10〜420分であることが好ましい。
また、前記フッ素樹脂は、下記の単量体(a)に基づく構成単位(A)と、下記の単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有する含フッ素共重合体(I)であることが好ましい。
単量体(a):フルオロオレフィン。
単量体(b):架橋性基を有し、フッ素原子を有しない単量体。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法によれば、長期保存してもpHが低下することが抑制され、均一性に優れた塗膜を形成でき、かつ基材に錆が発生することを抑制できる含フッ素樹脂水性分散液が得られる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「含フッ素樹脂水性分散液」とは、含フッ素樹脂が水性媒体に分散したものを意味する。
「非フッ素系乳化剤」とは、分子内にフッ素原子を有しない乳化剤を意味する。
「構成単位」とは、単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位を意味する。重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「単量体」とは、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「架橋性基」とは、硬化剤と反応することにより架橋構造を形成可能な基、または架橋性基同士が反応して架橋構造を形成可能な基を意味する。
「マクロモノマー」とは、片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーを意味する。
「親水性部位」とは、親水性基を有する部位、親水性の結合を有する部位、またはこれらの組み合わせからなる部位を意味する。
「強塩基性陰イオン交換樹脂」とは、第4級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換樹脂(IER)を意味する。
「弱塩基性陰イオン交換樹脂」とは、第1級、第2級または第3級アミン塩基を有する陰イオン交換樹脂(IER)を意味する。
「硬化剤」とは、「架橋性基」と反応可能な基を2個以上有し、架橋性基と反応することにより架橋構造を形成可能な化合物を意味する。
<含フッ素樹脂水性分散液の製造方法>
本発明の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法は、下記の工程(x)および工程(y)を有する。
(x)非フッ素系アニオン性乳化剤を含む乳化重合によってフッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を製造する工程。
(y)前記含フッ素樹脂水性分散液を陰イオン交換樹脂(以下、IERと記す。)に接触させ、接触後の前記含フッ素樹脂水性分散液のpHを8.5以上とする工程。
[工程(x)]
工程(x)では、非フッ素系アニオン性乳化剤を含む乳化重合を行うことで、フッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を得る。具体的には、水性媒体、非フッ素系アニオン性乳化剤および重合開始剤の存在下で、フッ素樹脂を製造するための単量体を乳化重合させて、フッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を得る。
(フッ素樹脂)
工程(x)で製造する含フッ素樹脂水性分散液に含まれるフッ素樹脂としては、後述の含フッ素共重合体(I)、含フッ素単量体に基づく構成単位と必要に応じてオレフィンに基づく構成単位を有し、前記含フッ素単量体が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロアルキルビニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、含フッ素共重合体(ただし、含フッ素共重合体(I)を除く。)等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性に優れた塗膜を形成できる点から、下記の単量体(a)に基づく構成単位(A)(以下、構成単位(A)と記す。)と、下記の単量体(b)に基づく構成単位(B)(以下、構成単位(B)と記す。)とを有し、必要に応じて下記の単量体(c)に基づく構成単位(C)を有する含フッ素共重合体(I)が好ましい。
単量体(a):フルオロオレフィン。
単量体(b):架橋性基を有し、フッ素原子を有しない単量体。
単量体(c):単量体(a)および単量体(b)以外の単量体。
すなわち、工程(x)では、単量体(a)と単量体(b)とを含み、必要に応じて単量体(c)を含む単量体混合物を乳化重合に用いることが好ましい。
単量体(a):
単量体(a)は、フルオロオレフィンである。単量体(a)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フルオロオレフィンは、オレフィン炭化水素(一般式C2n)の水素原子の1個以上がフッ素原子で置換された化合物である。フルオロオレフィンにおいては、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンにおけるフッ素原子の数は、2以上が好ましく、3〜6がより好ましく、3または4がさらに好ましい。フルオロオレフィンにおけるフッ素原子の数が2以上であれば、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい。
フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等の炭素数2〜4のフルオロオレフィン等が挙げられる。なかでも、耐候性の点から、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンが好ましく、クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
単量体(b):
単量体(b)は、架橋性基を有し、フッ素原子を有しない単量体である。単量体(b)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋性基としては、特に限定されず、たとえば、水酸基、アルコキシシリル基、カルボキシ基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のラジカル重合性不飽和基が挙げられる。
架橋性基としては、含フッ素樹脂水性分散液の機械的安定性、化学的安定性が良好となり、架橋性も優れることから、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
水酸基を有する単量体(b)としては、下記の単量体(b1)、単量体(b2)が好ましい。
単量体(b1):下式(b1)で表される水酸基含有単量体。
単量体(b2):親水性部位を有するマクロモノマー。
X−Y−Z ・・・(b1)
ただし、Xはラジカル重合性不飽和基であり、Yはn−ノニレン基またはシクロヘキサン−1,4−ジメチレン基であり、Zは水酸基である。
Xは、ラジカル重合性不飽和基と、必要に応じてラジカル重合性不飽和基とYとを連結する連結基とを有する。ラジカル重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。連結基は、エーテル結合が好ましい。
単量体(b1)としては、たとえば、下記のものが挙げられる。
(1)CH=CHOCH−cycloC10−CHOH
(2)CH=CHCHOCH−cycloC10−CHOH
(3)CH=CHOC18OH
(4)CH=CHCHOC18OH
単量体(b1)としては、単量体(a)との交互共重合性に優れ、含フッ素樹脂水性分散液により形成する塗膜の耐候性が良好になることから、ビニルエーテル型の構造を有するものが好ましい。
単量体(b2)としては、片末端にラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖にオキシエチレン単位等の構成単位を少なくとも2個有する化合物が挙げられる。構成単位の数は、重合性、耐水性等の点から、100個以下が好ましい。
親水性部位を構成する親水性基としては、イオン性、ノニオン性、両性およびこれらの組み合わせのいずれであってもよい。含フッ素樹脂水性分散液の化学的安定性の点からは、ノニオン性または両性の親水性基を有する部位とイオン性の親水性基を有する部位とを組み合わせるか、または親水性基を有する部位と親水性の結合を有する部位とを組み合わせることが好ましい。
単量体(b2)としては、たとえば、下記のマクロモノマーが挙げられる。
単量体(b21):主鎖にポリエーテル鎖またはポリエステル鎖を有し、片末端にラジカル重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
単量体(b22):親水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル重合した鎖を有し、片末端にラジカル重合性不飽和基(ビニルオキシ基またはアリルオキシ基)を有するマクロモノマー。
単量体(b21)としては、たとえば、下記のものが挙げられる。
(1)CH=CHO(CH[O(CHOR
ただし、aは1〜10の整数であり、bは1〜4の整数であり、cは2〜20の整数であり、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(以下、低級アルキル基と記す。)である。
(2)CH=CHCHO(CH[O(CHOR
ただし、dは1〜10の整数であり、eは1〜4の整数であり、fは2〜20の整数であり、Rは水素原子または低級アルキル基である。
(3)CH=CHO(CH(OCHCH(OCHCH(CH))OR
ただし、gは1〜10の整数であり、hは2〜20の整数であり、kは0〜20の整数であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、オキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位はブロック、ランダムのいずれの型で配列されていてもよい。
(4)CH=CHCHO(CH(OCHCH(OCHCH(CH))OR
(mは1〜10の整数であり、nは2〜20の整数であり、pは0〜20の整数であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダムのいずれの型で配列されていてもよい。
(5)CH=CHO(CHO(CO(CHO)H(qは1〜10の整数であり、rは1〜10の整数であり、sは1〜30の整数である。
単量体(b21)としては、単量体(a)との共重合性に優れている点から、片末端がビニルエーテル型の構造を有するものが好ましく、親水性に優れている点から、ポリエーテル鎖部分が、オキシエチレン単位からなるもの、またはオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位からなるものが特に好ましい。
単量体(b21)としては、安定性等の諸性質が良好になる点から、オキシエチレン単位を2個以上有するものが好ましい。なお、オキシアルキレン単位の数が大きすぎると、塗膜の耐水性、耐候性等が低下するおそれがある。
単量体(b21)は、水酸基を有するビニルエーテルもしくはアリルエーテルに、ホルムアルデヒドもしくはジオールを重合させる方法、またはアルキレンオキシドもしくはラクトン環を有する化合物を開環重合させる方法等により製造できる。
単量体(b22)は、たとえば、下記の方法により製造できる。
縮合可能な官能基を有する開始剤および連鎖移動剤の存在下に親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合させることにより、縮合可能な官能基を有する重合体を製造し、縮合可能な官能基にグリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等を反応させ、末端にラジカル重合性不飽和基を導入する方法(山下ら,Polym.Bull.,5.335(1981))。
親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、多価アルコールのアクリレート、多価アルコールのメタクリレート、ビニルピロリドン等が挙げられる。
単量体(c):
単量体(c)は、単量体(a)および単量体(b)以外の単量体である。
単量体(c)としては、特に限定されず、たとえば、オレフィン類(エチレン、プロピレン等)、ビニルエーテル類(エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(ブタン酸ビニルエステル、オクタン酸ビニルエステル等)、アリルエーテル類(エチルアリルエーテル等)、アリルエステル類(エチルアリルエステル等)、芳香族ビニル化合物類(スチレン、ビニルトルエン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(アクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル等)等が挙げられる。
単量体(c)としては、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類が好ましい。
オレフィン類としては、炭素数が2〜10のオレフィン類が好ましい。
ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類としては、炭素数が2〜15の直鎖状、分岐状または脂環状のアルキル基を有するものが好ましい。
構成単位の割合:
構成単位(B)のモル数に対する構成単位(A)のモル数の比(A/B)は、0.5〜800が好ましく、1.5〜300がより好ましい。A/Bが前記下限値以上であれば、塗膜の耐候性、耐水性がより良好になる。A/Bが前記上限値以下であれば、分散性がより良好になる。
構成単位(A)と構成単位(B)の総モル数に対する構成単位(C)のモル数の比(C/(A+B))は、0.01〜1が好ましい。
(水性媒体)
水性媒体としては、水、水と水溶性有機溶媒との混合物等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
水性媒体に水溶性有機溶媒が含まれると、単量体の分散性、および生成したフッ素樹脂の分散性が向上し、生産性が高まる。
水性媒体が水溶性有機溶媒を含む場合、水溶性有機溶媒の含有量は、水の100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。
(非フッ素系乳化剤)
工程(x)の乳化重合においては、モノマーとの相溶性がよく重合効率に優れる点から、乳化剤として非フッ素系アニオン性乳化剤と、必要に応じて非フッ素系ノニオン性乳化剤または非フッ素系カチオン性乳化剤を用いる。
非フッ素系アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。
非フッ素系ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー等が挙げられる。
非フッ素系カチオン性乳化剤としては、アルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
非フッ素系アニオン性乳化剤の使用量は、含フッ素樹脂水性分散液の総量100質量%に対して、0.01〜10質量%となる量が好ましい。
非フッ素系ノニオン性乳化剤を使用する場合、非フッ素系ノニオン性乳化剤の使用量は、含フッ素樹脂水性分散液の総量100質量%に対して、0.01〜10質量%となる量が好ましい。
非フッ素系カチオン性乳化剤を使用する場合、非フッ素系カチオン性乳化剤の使用量は、含フッ素樹脂水性分散液の総量100質量%に対して、0.01〜10質量%となる量が好ましい。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤が挙げられる。具体的には、たとえば、過硫酸塩(過硫酸アンモニウム塩等)、レドックス開始剤(過酸化水素と亜硫酸水素ナトリウム等との組み合わせ等)、これらに無機系開始剤(第一鉄塩、硝酸銀等)を共存させた系、二塩基酸過酸化物(ジコハク酸パーオキシド、ジグルタール酸パーオキシド等)、有機系開始剤(アゾビスブチロニトリル等)等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、特に限定されず、使用する単量体の総量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
(連鎖移動剤)
工程(x)の乳化重合では、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることにより、フッ素樹脂の重合度(分子量)を調節できる。また、水性媒体中の単量体の濃度の合計が高まる。
連鎖移動剤としては、たとえば、アルキルメルカプタン(tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等)、アミノエタンチオール、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸、3,3’−ジチオ−ジプロピオン酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸n−ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、チオグリコール酸エチル、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、四塩化炭素等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、特に限定されず、使用する単量体の総量100質量部に対して0〜2質量部が好ましい。
乳化重合の方式としては、特に限定されず、たとえば、バッチ重合、単量体滴下重合、乳化単量体滴下重合等による方式が挙げられる。
乳化重合の条件は、特に限定されない。たとえば、重合開始温度は、0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましい。また、反応圧力は、0.1〜10MPaが好ましく、0.2〜5MPaがより好ましい。
乳化重合に用いる反応器としては、ステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製)等が挙げられる。
[工程(y)]
工程(y)では、工程(x)で得た含フッ素樹脂水性分散液をIERに接触させ、接触後の該含フッ素樹脂水性分散液のpHを8.5以上とする。
接触後のpHは、接触後1時間以内に測定することが好ましく、30分以内に測定することが好ましく、接触直後に測定することがより好ましい。
含フッ素樹脂水性分散液とIERとを接触させる方法としては、たとえば、下記の方法が挙げられる。
・含フッ素樹脂水性分散液にIERを投入し、撹拌する方法(バッチ法)。
・IERを充填した充填塔に、含フッ素樹脂水性分散液を通す方法(連続法)。
含フッ素樹脂水性分散液とIERとの接触時間は、10〜420分が好ましく、10〜360分がより好ましく、30〜360分がさらに好ましい。接触時間が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂水性分散液のpHが充分に高くなる。接触時間が前記上限値以下であれば、短時間で効率良く処理が行える。
IERと含フッ素樹脂水性分散液の量の比(IER/含フッ素樹脂水性分散液)は、pH調整の点から、1/10〜1/20000が好ましく、1/100〜1/10000がより好ましく、1/100〜1/5000がさらに好ましい。
(IER)
IERとしては、強塩基性IER、弱塩基性IERが挙げられる。IERとしては、対イオンの種類がOH型のものでもよく、Cl型のものでもよい。
IERの樹脂本体としては、スチレン−ジビニルベンゼン架橋樹脂、アクリル−ジビニルベンゼン架橋樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
強塩基性IERにおける第4級アンモニウム塩基としては、トリメチルアンモニウム基、ジメチルエタノールアンモニウム基等が挙げられる。強塩基性IERとしては、イオンの漏洩が少なく、化学的安定性に優れる点から、トリメチルアンモニウム基を側鎖に有するスチレン−ジビニルベンゼン架橋樹脂が好ましい。
第1級、第2級または第3級アミン塩基を有する弱塩基性IERとしては、アクリル、スチレンポリアミン、スチレンジメチルアミン等が挙げられる。弱塩基性IERとしては、交換容量が大きく、耐汚染性が良い点から、スチレンポリアミンが好ましい。
IERのイオン交換容量は、0.6〜1.5eq/Lが好ましく、0.8〜1.3eq/Lがより好ましい。IERのイオン交換容量が前記下限値以上であれば、交換速度が速く、イオン交換が効率良く行われる。IERのイオン交換容量が前記上限値以下であれば、交換障害が起こり難い。
強塩基性IERのイオン交換容量は、以下の方法によって求められる。
基準形にした試料をメスシリンダーで10mLはかり取り、樹脂塔に移し、2N−NaOHの750mLで再生する。次に、脱塩水の1Lで洗浄した後、5%NaCl溶液の250mLを流し、メスフラスコに受け、そこから50mLはかり取りメチルレッド・メチレンブルー混合指示薬を用いて0.1N−HCl溶液で滴定し、次式によりイオン交換容量(meq/mL)を算出し、eq/Lに換算する。
イオン交換容量(meq/mL)=((0.1N−HCl滴定mL)×(HCl力価)×0.1×250/50)/10
IERの水分含有量は、40〜80質量%が好ましく、45〜75質量%がより好ましい。IERの水分含有量が前記下限値以上であれば、不純物による閉塞が起こり難い。IERの水分含有量が前記上限値以下であれば、交換速度が速く、イオン交換が効率良く行われる。
IERの水分含有量は、以下の方法によって求められる。
基準形にした試料をメスシリンダーで10mL正確にはかり取り、この樹脂を布に包み遠心分離して、付着水分を除いた後、すばやく樹脂の質量を測定する。105℃の恒温乾燥機中で4時間乾燥した後、デシケーター中で30分放冷し、乾燥後の樹脂の質量をはかり水分含有量を計算する。
水分含有量(質量%)=(乾燥前の樹脂の質量(g)−乾燥後の樹脂の質量(g))/乾燥前の樹脂の質量(g)×100
IERとしては、ポーラス型、ゲル型が挙げられる。
IERの平均粒径は、100〜1600mmが好ましく、300〜1300mmがより好ましく、300〜1000mmが特に好ましい。IERの平均粒径が前記範囲内にあれば、IERの充填塔が閉塞しにくくなる。
IERの市販品としては、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」、商品名「PUROLITE(登録商標)A300OH」(ピュロライト社製)、商品名「Lewatit(登録商標)MP−800OH」(ランクセス社製)、商品名「Lewatit(登録商標)MP−62WS」(ランクセス社製)等が挙げられる。
陰イオン交換樹脂としては、pHの調整時間、すなわち含フッ素樹脂水性分散液と陰イオン交換樹脂の接触時間が短い点から、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」(ピュロライト社製)、商品名「PUROLITE(登録商標)A300OH」(ピュロライト社製)、商品名「Lewatit(登録商標)MP−800OH」(ランクセス社製)が好ましい。
[接触後のpH]
IERと接触後の含フッ素樹脂水性分散液のpHは、8.5以上であり、9以上が好ましく、9〜13がより好ましく、9〜12がさらに好ましい。IERと接触後の含フッ素樹脂水性分散液のpHが8.5以上であれば、1年程度の長期保存後も含フッ素樹脂水性分散液のpHが低下することを抑制できるため、均一性が高い塗膜を形成でき、また基材に錆が発生することを抑制できる。含フッ素樹脂水性分散液のpHが前記上限値以下であれば、長期保存後のpHが10以下となるため、含フッ素樹脂水性分散液の安定性に優れ、また耐水性に優れた塗膜を形成しやすい。
[任意成分の添加]
本発明の製造方法では、得られる含フッ素樹脂水性分散液に、フッ素樹脂以外の他の重合体、着色剤、硬化剤、その他の添加剤を添加してもよい。これら任意成分の添加は、工程(y)の前に行ってもよく、工程(y)の後に行ってもよい。
(他の重合体)
他の重合体としては、特に限定されず、たとえば、アクリル系重合体、ポリエステル重合体等が挙げられる。
他の重合体の添加量は、特に限定されず、フッ素樹脂100質量部に対して、0〜200質量部が好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
着色剤の添加量は、特に限定されず、含フッ素樹脂水性分散液の総量100質量部に対して、0〜100質量部が好ましい。
(硬化剤)
含フッ素樹脂水性分散液には、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等をさらに向上させるために、硬化剤を添加してもよい。本発明の含フッ素樹脂水性分散液は、一液型の塗料としてもよく、二液型の塗料としてもよいが、硬化剤を含ませる場合、二液型の塗料とし、使用直前に両液を混合することが好ましい。
硬化剤としては、たとえば、ブロックイソシアネート(ヘキサメチレンイソシアネート三量体等)またはその乳化分散体、メラミン樹脂(メチル化メラミン、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン等)、尿素樹脂(メチル化尿素、ブチル化尿素等)等が挙げられる。
硬化剤の添加量は、特に限定されず、フッ素樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
その他の添加剤としては、アルカリ化合物由来の成分、可塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止剤等が挙げられる。
アルカリ化合物由来の成分とは、pHの調整に用いられるアルカリ化合物の他、該アルカリ化合物が他の成分と塩を形成した場合の該アルカリ化合物由来のイオン等も含むことを意味する。
[作用効果]
以上説明した本発明の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法によれば、得られた含フッ素樹脂水性分散液を長期保存してもpHが低下することを抑制できる。そのため、長期保存した後であっても、例えばpHが6以下となって塗膜を形成する際に硬化速度が速くなりすぎることを抑制でき、均一性が高い塗膜を形成できる。さらに含フッ素樹脂水性分散液のpHが低下することが抑制されるため、酸成分による基材の錆の発生も抑制できる。
また、本発明の製造方法で得られた含フッ素樹脂水性分散液は、IERと接触させなかった場合の含フッ素樹脂水性分散液と比べ、同等の耐水性を有する塗膜を形成できる。
また、本発明では、フッ素樹脂として構成単位(A)および構成単位(B)を有する含フッ素共重合体(I)を製造することで、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等に優れた塗膜を形成できる含フッ素樹脂水性分散液が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜4、7、8は実施例、例5、6は比較例である。
[pHの測定]
各例で得られた含フッ素樹脂水性分散液について、工程(y)の前、工程(y)の撹拌直後のpHを測定した。また、含フッ素樹脂水性分散液を保存し、1週間後と2週間後にpHを測定した。
[塗膜の均一性]
塗膜の均一性は、光沢計(20度)による測定により評価した。評価は以下の基準で行った。
○:光沢値70以上。
×:光沢値70未満。
[防錆性]
防錆性は、塩水噴霧試験(JIS K5621)を行い、目視により評価した。評価は以下の基準で行った。
○:傷の2mm以内に塗膜に膨れ、錆、はがれが出ていない。
×:傷の2mm以内に塗膜に膨れ、錆、はがれがでている。
[原料]
(単量体(a))
CTFE:クロロトリフルオロエチレン(旭硝子(株)製)。
TFE:テトラフルオロエチレン(旭硝子(株)製)。
(単量体(b))
EOVE:CH=CHOCH−cycloC10−CHO(CHCHO)H、平均分子量830(親水性マクロモノマー)(日本乳化剤(株)製)。
HCVE:CH=CHOCH−cycloC10−CHOH(水酸基含有単量体)(BASF社製)。
(単量体(c))
CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル(BASF社製)。
2−EHVE:2−エチルヘキシルビニルエーテル(BASF社製)。
(非フッ素系アニオン性乳化剤)
SLS:ラウリル硫酸ナトリウム(非フッ素系アニオン性乳化剤)(日光ケミカルズ(株)製)。
[例1]
工程(x):
内容積2500mLのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製)中に、CHVEの330g、2−EHVEの183.5g、EOVEの16.6g、HCVEの27.1g、イオン交換水の1020g、炭酸カリウム(KCO)の2.5g、過硫酸アンモニウム(APS)の0.7g、非フッ素系ノニオン性乳化剤(Newcol−1110:日本乳化剤(株)製)の51g、SLSの0.1gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを0.7MPaになるよう加圧し、脱気した。この加圧脱気を2回繰り返し、0.01MPaまで脱気して溶存空気を除去した後、CTFE、TFEの470gを仕込み、50℃で24時間、重合反応を行った。重合反応後、未反応の単量体を除去して、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
工程(y):
200mLビーカーに、強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)の1gと、含フッ素樹脂水性分散液−1の100gと、撹拌子を入れ、200rpmで1時間撹拌した。
[例2]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)を弱塩基性IER(ランクセス社製、商品名「Lewatit(登録商標)MP−62WS」)に変更した以外は、例1と同様に工程(y)を行った。
[例3]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)を強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A300OH」)に変更した以外は、例1と同様に工程(y)を行った。
[例4]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)を強塩基性IER(ランクセス社製、商品名「Lewatit(登録商標)MP−800OH」)に変更した以外は、例1と同様に工程(y)を行った。
[例5]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)を用いなかった以外は、例1と同様に工程(y)を行った。
[例6]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)の1gを弱塩基性IER(ランクセス社製、商品名「Lewatit(登録商標)MP−62WS」)の0.005gに変更した以外は、例1と同様に工程(y)を行った。
各例における工程(y)を行う前、工程(y)の撹拌後、および保存後の含フッ素樹脂水性分散液のpHの測定結果、ならびに塗膜の均一性および防錆性の評価結果を表1に示す。
なお、表1における略号は以下の意味を示す。
A200:商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」(ピュロライト社製)。
MP62:商品名「Lewatit(登録商標)MP−62WS」(ランクセス社製)。
A300OH:商品名「PUROLITE(登録商標)A300OH」(ピュロライト社製)。
MP800:商品名「Lewatit(登録商標)MP−800OH」(ランクセス社製)。
Figure 2016023269
[例7]
例1と同様に工程(x)を行い、含フッ素樹脂水性分散液−1を得た。
工程(y)において、強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A200MBOH」)を強塩基性IER(ピュロライト社製、商品名「PUROLITE(登録商標)A300OH」)に変更し、さらに強塩基性IERと含フッ素樹脂水性分散液の量を表2に示すように変更した以外は、例1と同様にして含フッ素樹脂水性分散液を得た。
撹拌後と貯蔵後の含フッ素樹脂水性分散液のpHの測定結果、塗膜の均一性および防錆性の評価結果を表2に示す。
Figure 2016023269
[例8]
工程(y)における強塩基性IERと含フッ素樹脂水性分散液の量を表3に示すように変更した以外は、例1と同様にして含フッ素樹脂水性分散液を得た。
撹拌後と貯蔵後の含フッ素樹脂水性分散液のpHの測定結果、塗膜の均一性および防錆性の評価結果を表3に示す。
Figure 2016023269

Claims (4)

  1. 下記の工程(x)および工程(y)を有する、含フッ素樹脂水性分散液の製造方法。
    (x)非フッ素系アニオン性乳化剤を含む乳化重合によってフッ素樹脂を含む含フッ素樹脂水性分散液を製造する工程。
    (y)前記含フッ素樹脂水性分散液を陰イオン交換樹脂に接触させ、接触後の前記含フッ素樹脂水性分散液のpHを8.5以上とする工程。
  2. 前記陰イオン交換樹脂と前記含フッ素樹脂水性分散液の比(陰イオン交換樹脂/含フッ素樹脂水性分散液)が1/10〜1/20000(質量比)である、請求項1に記載の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  3. 前記含フッ素樹脂水性分散液と前記陰イオン交換樹脂との接触時間が10〜420分である、請求項1または2に記載の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  4. 前記フッ素樹脂が、下記の単量体(a)に基づく構成単位(A)と、下記の単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有する含フッ素共重合体(I)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素樹脂水性分散液の製造方法。
    単量体(a):フルオロオレフィン。
    単量体(b):架橋性基を有し、フッ素原子を有しない単量体。
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