JP5371770B2 - アミンオキシド界面活性剤で安定化された水性フルオロポリマー分散系および凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法 - Google Patents

アミンオキシド界面活性剤で安定化された水性フルオロポリマー分散系および凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水性フルオロポリマー分散系に関し、より具体的にはアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系と、かかる分散系からの凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法とに関する。
フルオロポリマー分散系は多種多様な最終用途を有する。コーティング最終用途向けに、フルオロポリマー分散系を含有するコーティング組成物は、耐剥離性、耐化学薬品性および耐熱性、腐食保護、クリーニング可能性、低燃焼性、ならびに耐候性を与えるために、様々な基材のいずれかに塗布される。コーティング用途向けのフルオロポリマー分散系は通常は濃縮形態にあり、典型的には、Marksらに付与された特許文献1、Miuraらに付与された特許文献2、およびCavanaughらへの特許文献3に教示されているようにアルキルフェノールエトキシレートまたは脂肪族アルコールエトキシレートなどのかなりの量の非イオン性界面活性剤で安定化される。
幾つかの特殊なフルオロポリマー分散系については、アルキルフェノールエトキシレートまたは脂肪族アルコールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤の存在は望ましくない。かかる一タイプの分散系は一般に、重合に使用されたフルオロ界面活性剤以外の界面活性剤が全く添加されないので、「生の」分散系と呼ばれる(また、「非安定化」分散系とも呼ばれる)。幾つかの方法では、生の分散系は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フルオロポリマーの場合には、細粉と呼ばれる凝固フルオロポリマー樹脂を得るために凝固させられる。他の方法では、水性フルオロポリマー分散系は、粒子ポリマー、フィラー、顔料、固体滑剤などの、多くの場合に分散系かまたはスラリー形態の、他の材料と混合され、次にフルオロポリマーは、他の材料と一緒に共凝固させられる。アルキルフェノールエトキシレートまたは脂肪族アルコールエトキシレートなどの従来の非イオン性界面活性剤は、それらが高い安定性を分散系に一般に与え、凝固を妨げるかまたは困難にするので、凝固プロセスに使用されない。凝固が成功しない幾つかの方法では、その結果は、最終品へ加工することが困難である望ましくない粘着性のまたは微小繊維化した生成物である。
フルオロポリマー分散系の製造では、陰イオン性フルオロ界面活性剤が典型的には、分散重合法で重合助剤として使用され、陰イオン性フルオロ界面活性剤は非テロゲン分散剤として機能する。例えば、分散重合での陰イオン性フルオロ界面活性剤のこの使用の先行する記載は、Berryに付与された特許文献4に見いだされる。環境上の懸念のために、および陰イオン性フルオロ界面活性剤が高価であるために、水性フルオロポリマー分散系からの陰イオン性フルオロ界面活性剤の低減および回収方法が開発されてきた。
陰イオン性フルオロ界面活性剤を低減するための一慣用法は、特許文献5、6、7および8に教示されているように、イオン交換樹脂上への吸着による。フルオロ界面活性剤低減のために、フルオロポリマー分散系は一般に、コーティング最終用途向けに用いられる同じ非イオン性界面活性剤、すなわち、アルキルフェノールエトキシレートまたは脂肪族アルコールエトキシレートで安定化される。しかしながら、生のフルオロポリマー分散系のフルオロ界面活性剤低減のためにアニオン交換法を用いることが試みられる場合、分散系の早期の凝固が起こるであろう。生の分散系のかかる早期の凝固は、アニオン交換法で除去されている陰イオン性フルオロ界面活性剤の存在によってのみ分散系が安定化されるので起こる。
最終使用用途向けに特に好適である、凝固フルオロポリマー樹脂を分散系から製造する改良された水性フルオロポリマー分散系が望まれる。
米国特許第3,037,953号明細書 米国特許第6,153,688号明細書 米国特許出願公開第2003/0130393号明細書 米国特許第2,559,752号明細書 米国特許第3,536,643号明細書(Stryker) 米国特許第3,882,153号明細書(Sekiら) 米国特許第4,282,162号明細書(Kuhls) 米国特許第6,833,403号明細書(Bladelら)
本発明は、アミンオキシド界面活性剤がフルオロポリマー分散系に良好な安定化を提供し、かつ、酸性試薬が分散系に添加されたときに分散系安定性を低下させ、そしてフルオロポリマー分散系を凝固できるようにするという発見に基づく。
本発明に従って、水性媒体、フルオロポリマー粒子、および式:
(R)(R)(R)N→O
(式中、Rは式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNRであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
の基であり、
式中、RおよびRは独立して、場合によりハロゲンで置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
式中、当該RおよびRは、化学結合によって結合して環を形成してもよい)
のアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系が提供される。
本発明はまた、水性媒体、フルオロポリマー粒子、およびアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系を提供する工程を含む凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法を提供する。酸性試薬は、フルオロポリマー粒子を凝固させて凝固フルオロポリマー樹脂を生成するのに十分な量で分散系に添加される。凝固フルオロポリマー樹脂は次に、水性媒体から分離される。本発明の方法の好ましい形態では、方法は、分散系を攪拌する工程をさらに含む。好ましくは、本方法は、前記凝固フルオロポリマー樹脂を乾燥させる工程をさらに含む。
本発明の別の好ましい形態に従って、本方法は、酸性試薬を添加する前に、粒子ポリマー、フィラー、顔料、固体滑剤などの粒子成分を水性分散系に添加する工程をさらに含む。本発明のこの形態では、酸性試薬は、フルオロポリマー粒子と粒子成分との共凝固をもたらす。好ましくは、粒子成分は、水性媒体中の分散系かまたはスラリーとして分散系に添加される。
フルオロポリマー
本発明に従って用いられる水性フルオロポリマー分散系は、分散重合(乳化重合としても知られる)によって製造される。フルオロポリマー分散系は、モノマーの少なくとも1つがフッ素を含有するモノマー、すなわち、フッ素化モノマー、好ましくは少なくとも1個のフッ素またはパーフルオロアルキル基が二重結合炭素に結合したオレフィン系モノマーから製造されたポリマーの粒子から構成される。本発明の方法に使用されるフッ素化モノマーは好ましくは、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、パーフルオロアルキルエチレン、フルオロビニルエーテル、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VF2)、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)およびパーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)からなる群から選択される。好ましいパーフルオロアルキルエチレンモノマーは、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)である。好ましいフルオロビニルエーテルには、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、およびパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)モノマー(PAVE)が含まれる。エチレンおよびプロピレンなどの非フッ素化オレフィン系コモノマーをフッ素化モノマーと共重合させることができる。好ましいクラスのフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)のホモポリマーおよびコポリマーである。
本発明に用いられる分散系における好ましいフルオロポリマー粒子は、溶融加工できない変性PTFEを含むポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の溶融加工できない粒子である。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、いかなる有意なコモノマーも存在せずに重合したテトラフルオロエチレンそのものを意味する。変性PTFEは、TFEと得られたポリマーの融点がPTFEのそれより下に実質的に低下しないような低濃度のコモノマーとのコポリマーを意味する。かかるコモノマーの濃度は好ましくは約1質量%未満、より好ましくは約0.5質量%未満である。少なくとも約0.05質量%の最小量が顕著な効果を有するために好ましくは使用される。変性PTFEは好ましくは、パーフルオロオレフィン、特にヘキサフルオロプロピレン(HFP)またはパーフルオロ(エチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルが好ましい、アルキル基が1〜5個の炭素原子を含有する、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテル(PAVE)などの、ベーキング(融解)中のフィルム形成能力を向上させるコモノマー変性剤を含有する。クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、または嵩高い側基を分子中へ導入する他のモノマーもまた含められる。本発明のこの好ましい形態では、PTFEまたは変性PTFEは典型的には少なくとも1×10Pa・sの溶融クリープ粘度を有する。本発明のこの形態に使用される分散系中の樹脂は、凝固され、そして乾燥されたときに、このように溶融加工できない。
溶融加工できないとは、溶融加工可能なポリマーについての標準的な溶融粘度測定手順によって試験されるときにメルトフローが全く検出されないことを意味する。この試験は次の通り修正されたASTM(米国材料試験協会)D−1238−00による:シリンダー、オリフィスおよびピストン先端は、耐食性合金、ハイネス・ステライト社(Haynes Stellite Co.)によって製造された、ハイネス・ステライト(Haynes Stellite)19でできている。5.0gのサンプルが372℃に維持される9.53mm(0.375インチ)内径シリンダーに装入される。サンプルがシリンダーに装入された5分後に、それは、5000グラムの負荷(ピストン・プラス重り)下に2.10mm(0.0825インチ直径)、8.00mm(0.315インチ)長さの平方形エッジオリフィスを通して押し出される。これは、44.8KPa(平方インチ当たり6.5ポンド)の剪断応力に相当する。溶融押出物は全く観察されない。
本発明の好ましい一実施態様では、フルオロポリマー粒子は、非焼結状態で迅速に延伸させられて高引張強度PTFE繊維または発泡PTFEシートもしくは膜を形成することができるペースト押出賦形物の製造のために、細粉形態で、有用である高分子量のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または変性ポリテトラフルオロエチレンのものである。このタイプのPTFEまたは変性PTFEを含有する分散系の製造方法は、Malhotra、米国特許第4,576,869号明細書、およびJones、米国特許第6,177,533 B1号明細書に開示されている。
好ましい溶融加工できないPTFEまたは変性PTFEは、約2.13〜約2.50の標準比重(SSG)を有する。好ましくは、SSGは約2.40未満、より好ましくは約2.30未満、最も好ましくは約2.25未満である。SSGは一般に、PTFEまたは変性PTFEの分子量に反比例する。
本発明に使用される分散系中のフルオロポリマー粒子は、約10nm〜約400nm、好ましくは、約100nm〜約350nmの数平均粒度を有する。
本発明はまた、溶融加工可能なフルオロポリマーの分散系のためにも有用である。溶融加工可能とは、ポリマーが溶融状態で加工できる(すなわち、それらの意図される目的のために有用であるのに十分な強度および靱性を示すフィルム、繊維、およびチューブなどの成形品へ溶融物から二次加工できる)ことを意味する。かかる溶融加工可能なフルオロポリマーの例には、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのホモポリマーまたはテトラフルオロエチレン(TFE)と、通常、コポリマーの融点をTFEホモポリマー、ポリテトラフルオロエチレンの融点より実質的に下に、例えば、315℃以下の溶融温度に下げるのに十分な量でポリマー中に存在する少なくとも1つのフッ素化共重合性モノマー(コモノマー)とのコポリマーが挙げられる。
溶融加工可能なTFEコポリマーは典型的には、特異的コポリマーにとって標準的である温度でASTM D−1238に従って測定されるように約1〜100g/10分のメルトフローレイト(MFR)を有するコポリマーを提供するために、ある量のコモノマーをコポリマー中へ組み込む。好ましくは、溶融粘度は、米国特許第4,380,618号明細書に記載されているように修正されたASTM D−1238の方法によって372℃で測定される少なくとも約10Pa・sであり、より好ましくは、約10Pa・s〜約10Pa・s、最も好ましくは約10〜約10Pa・sの範囲であろう。追加の溶融加工可能なフルオロポリマーは、エチレンまたはプロピレンとTFEまたはCTFEとのコポリマー、特にETFE、ECTFEおよびPCTFEである。
本発明の実施に使用するための好ましい溶融加工可能なコポリマーは、少なくとも約40〜98モル%のテトラフルオロエチレン単位と約2〜60モル%の少なくとも1つの他のモノマーとを含む。好ましくは、他のモノマーは過フッ素化モノマーである。TFEとの好ましいコモノマーは、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などの、3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィン、および/または線状もしくは分岐アルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)である。好ましいPAVEモノマーは、アルキル基が1、2、3または4個の炭素原子を含有するものであり、コポリマーは、幾つかのPAVEモノマーを使用して製造することができる。好ましいTFEコポリマーには、FEP(TFE/HFPコポリマー)、PAVEがPEVEおよび/またはPPVEであるPFA(TFE/PAVEコポリマー)、TFE/HFP/PAVE、MFA(PAVEのアルキル基が少なくとも2個の炭素原子を有するTFE/PMVE/PAVE)ならびにTHV(TFE/HFP/VF2)が含まれる。
好ましいPTFEポリマーの典型的な水性分散重合法は、TFE蒸気がフルオロ界面活性剤、パラフィンワックスおよび脱イオン水を含有する加熱された反応器にフィードされる方法である。連鎖移動剤もまた、PTFEの分子量を下げることが望まれる場合には添加されてもよい。フリーラジカル開始剤溶液が添加され、重合が進行するにつれて、追加のTFEが圧力を維持するために添加される。反応の発熱は、反応器外套を通して冷却水を循環させることによって除去される。数時間後に、フィードは停止され、反応器はガス抜きされ、窒素でパージされ、容器中の生の分散系は冷却容器に移される。パラフィンワックスは除去され、分散系は単離され、分散剤で安定化される。
分散系の製造に使用されるフルオロ界面活性剤は、非テロゲンのアニオン性分散剤で、水に可溶であり、アニオン性の親水性基および疎水性部分を含む。好ましくは、疎水性部分は、少なくとも4個の炭素原子を含有し、フッ素原子を持ち、そして親水性基に隣接したフッ素原子を持たない2個以下の炭素原子を有する脂肪族フルオロアルキル基である。これらのフルオロ界面活性剤は分散させるための重合助剤として使用され、それらが連鎖移動しないので、それらは望ましくない短鎖長のポリマーの形成を引き起こさない。好適なフルオロ界面活性剤の広範囲に及ぶリストは、ベリーに付与された米国特許第2,559,752号明細書に開示されている。好ましくは、フルオロ界面活性剤は、6〜10個の炭素原子を有する過フッ素化カルボン酸またはスルホン酸であり、典型的には塩形態で使用される。好適なフルオロ界面活性剤は、パーフルオロカルボン酸アンモニウム塩、例えば、パーフルオロカプリル酸アンモニウムまたはパーフルオロオクタン産アンモニウムである。フルオロ界面活性剤は通常、形成されるポリマーの量に関して0.02〜1質量%の量で存在する。フッ素化界面活性剤は重合プロセスを助けるために使用されるが、分散系中に残る量は下に説明されるようにかなり下げられる。
本発明の分散系を製造するために好ましくは使用される開始剤はフリーラジカル開始剤である。それらは、比較的長い半減期を有するもの、好ましくは過硫酸塩、例えば、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸カリウムであってもよい。過硫酸塩開始剤の半減期を短くするために、Fe(III)などの金属触媒作用塩ありまたはなしで、亜硫酸水素アンモニウムまたはメタ亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を使用することができる。あるいはまた、過マンガン酸カリウム/シュウ酸などの短い半減期の開始剤を使用することができる。
長い半減期の過硫酸塩開始剤に加えて、コハク酸などの少量の短鎖ジカルボン酸またはジコハク酸パーオキシド(DSP)などのコハク酸を生成する開始剤もまた凝塊を減らすために添加されてもよい。
溶融加工可能なコポリマーの分散重合は、かなりの量のコモノマーが最初にバッチに添加されるおよび/または重合中に導入されることを除いて同様である。連鎖移動剤は典型的には、分子量を下げてメルトフローレイトを上げるためにかなりの量で使用される。
アミンオキシド界面活性剤
アミンオキシド界面活性剤は、安定化を水性フルオロポリマー分散系に提供するために、かつ、酸性試薬の添加によって選択的に不安定化させられるために本発明に従って用いられる。本発明に従ったおよび本発明の方法での使用のための好ましいアミンオキシド界面活性剤に従った水性フルオロポリマー分散系組成物には、式:
(R)(R)(R)N→O
(式中、Rは式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNRであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
の基であり、
式中、RおよびRは独立して、場合によりハロゲンで置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
式中、当該RおよびRは、化学結合によって結合して環を形成してもよい)
のアミンオキシド界面活性剤が用いられる。
、R、RおよびRがハロゲン置換を有する場合、好ましくは、ハロゲン置換は、基の炭素原子に結合した原子の約70%以下がハロゲン原子であり、より好ましくは約50%以下がハロゲン原子であるように制限される。最も好ましくは、R、R、RおよびRはハロゲン置換されていない。
がN−オキシルアミノ基で置換されている場合、窒素原子に結合した基は好ましくは1〜10個の炭素原子を有する。
好ましい界面活性剤では、Rは式
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、nは2〜4である)
の基である。
より好ましい界面活性剤では、Rは式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、5〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、nは3である)
の基である。
好ましい界面活性剤では、上記式中のRおよびRは独立して、1〜4個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される。
より好ましい界面活性剤では、上記式中のRおよびRはそれぞれ独立して、1〜2個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される。
本発明の実施に有用な好ましい界面活性剤は、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシド、2−エチルヘキシルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、およびオクチルアミドプロピルジメチルアミンオキシドである。
分散系
本発明に従って分散系を製造するために、上記のようなアミンオキシド界面活性剤が、意図される処理のために分散系を安定化させるのに十分な量で重合後の分散系に添加される。好ましくは、提供される安定性は、本明細書で以下に説明されるようなアニオン交換によるなど、フルオロ界面活性剤含有率を低減するために分散系を処理できるようにする。加えて、本発明の方法に従った使用のために、アミンオキシド界面活性剤の量およびタイプは、酸性試薬の添加によって分散系を凝固できるように選択される。
アミンオキシド界面活性剤は、重合後にいつでも分散系に添加することができるが、本明細書で以下により詳細に説明されるようにフルオロ界面活性剤低減の前に分散系に添加することができる。通常、アミンオキシド界面活性剤は、濃縮が行われるべきである場合には濃縮の前に添加される。濃縮は下にさらに説明される。
本発明に従った水性分散系は好ましくは、約10〜約70質量%、より好ましくは25〜約70質量%のフルオロポリマー固形分含有率の範囲にある。アミンオキシド界面活性剤の量は好ましくは、フルオロポリマー固形分の量に基づいて選択される。本発明に従った水性フルオロポリマー分散系は好ましくは、フルオロポリマー固形分の質量を基準として約0.05〜約15質量%の量でアミンオキシド界面活性剤を含有する。より好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、フルオロポリマー固形分の質量を基準として、約0.1〜約10質量%、最も好ましくは0.5〜約5質量%の量で存在する。凝固最終用途向けには、特定の分散系中のアミンオキシド界面活性剤の正確な量は、処理中に安定性を提供するように、しかし必要に応じて凝固できるように選択されるべきである。本明細書で以下により詳細に説明されるように、アミンオキシド界面活性剤の量は、粒子成分がフルオロポリマーと一緒に共凝固されるべきである最終用途向けに調節される必要があるかもしれない。
水性フルオロポリマー分散系でのフルオロポリマー粒子のサイズは、分散系を製造するために用いられる重合手順によって決定される。好ましい分散系は、約10〜約400nmの数平均粒度を有する。
本発明に従った分散系は、好ましくは約300ppm以下、より好ましくは約100ppm以下、最も好ましくは約50ppm以下のレベルの、低減陰イオン性フルオロ界面活性剤含有率を好ましくは有する。
分散系剪断安定性−ゲル化時間
分散系は、好ましくは、本出願の試験方法に記載されるゲル化時間試験によって測定されるように少なくとも100秒のゲル化時間を有する。ゲル化時間は、高い剪断条件下の凝固に対する分散系の抵抗の測定であり、従って分散系を剪断にかける処理中の分散系の安定性の指標である。固形分含有率、pH、ポリマーの分子量、ポリマー粒子モルホロジー、分散系中の他の物質などをはじめとする様々な因子によって影響を受けるが、少なくとも100秒のゲル化時間は、アミンオキシド界面活性剤が通常のハンドリングおよび処理のために十分にポリマーを安定化させる働きをしていることを示唆し、例えば、アニオン交換カラムでのフルオロ界面活性剤除去のために十分に安定化されている。より好ましくは、ゲル化時間は少なくとも約300秒、さらにより好ましくは少なくとも約500秒、さらにより好ましくは少なくとも約1000秒、最も好ましくは少なくとも約1500秒である。本発明によって提供されるゲル化時間の好ましい範囲は約100秒〜約2000秒である。本発明の好ましい形態によれば、分散系は、分散系の質量を基準として約300ppm未満のフルオロ界面活性剤を含有し、また上述のようなゲル化時間を有する。好ましくは、上記のゲル化時間は、フルオロ界面活性剤含有率が約100ppm未満、最も好ましくは約50ppm未満であるときに観察される。
本発明に従って好ましい分散系はまた、長い貯蔵安定性を有し、いかなる有意の凝固または分解もなく少なくとも約2週間貯蔵することができる。より好ましくは、本分散系は、少なくとも約2ヶ月の貯蔵に安定である。
フルオロ界面活性剤低減
本発明の実施では、水性フルオロポリマー分散系の陰イオン性フルオロ界面活性剤含有率は所定のレベル、好ましくは約300ppm以下、より好ましくは約100ppm以下、最も好ましくは約50ppm以下のレベルに下げられることが好ましい。
フルオロ界面活性剤含有率は、当該技術分野で知られるような様々な手順のいずれかによって下げることができる。安定化がアミンオキシド界面活性剤によって提供される状態では、フルオロ界面活性剤は有利には、分散系の凝固が起こることなくアニオン交換樹脂上への吸着によって除去することができる。分散系をアニオン交換樹脂と接触させる様々な技法のいずれかを用いて本方法のイオン交換を実施することができる。例えば、本方法は、分散系と樹脂とのスラリーが形成される、撹拌タンク中の分散系へのイオン交換樹脂ビーズの添加、引き続く濾過によるアニオン交換樹脂からの分散系の分離によって実施することができる。別の好適な方法は、撹拌タンクを用いる代わりにアニオン交換樹脂の固定床に分散系を通すことである。流れは床を通って上向きまたは下向きであることができ、樹脂が固定床中に留まっているので、別個の分離工程は全く必要とされない。
分散系の接触は、イオン交換の速度を促進するのに、かつ、分散系の粘度を下げるのに十分に高いが、樹脂がひどく高い速度で分解するかまたは粘度上昇が観察される温度より下である温度で行われる。上の処理温度は、ポリマーのタイプおよび用いられるアミンオキシド界面活性剤で変わるであろう。典型的には、温度は20℃〜80℃であろう。
フルオロ界面活性剤は、必要ならばアニオン交換樹脂から回収することができか、またはフルオロ界面活性剤付き樹脂は環境上受け入れられる方法で、例えば、焼却によって処分することができる。フルオロ界面活性剤を回収することが望まれる場合、フルオロ界面活性剤は溶出によって樹脂から取り去られてもよい。アニオン交換樹脂上に吸着されたフルオロ界面活性剤の溶出は、米国特許第3,882,153号明細書にSekiによって実証されているようにアンモニア溶液を用いて、米国特許第4,282,162号明細書にKuhlsによって実証されているように希鉱酸と有機溶剤との混合物(例えば、HCl/エタノール)によって、または硫酸および硝酸などの強い鉱酸によって容易に達成され、吸着されたフッ素化カルボン酸を溶出液に移す。高濃度での溶出液中のフルオロ界面活性剤は、酸析、塩析、および濃縮の他の方法などのような慣用法によって純粋な酸の形態で、または塩の形態で容易に回収することができる。
イオン交換樹脂
本発明に使用される水性分散系のフルオロ界面活性剤含有率の低減に関して用いるためのイオン交換樹脂は、陰イオン性樹脂を含むが、例えば、混合床での、陽イオン性樹脂などの他の樹脂タイプもまた含むことができる。用いられる陰イオン性樹脂は、強塩基性または弱塩基性であることができる。好適な弱塩基性アニオン交換樹脂は第一級、第二級、または第三級アミン基を含有する。好適な強塩基性アニオン交換樹脂は第四級アンモニウム基を含有する。弱塩基性樹脂は、それらをより容易に再生できるので有用であるが、フルオロ界面活性剤を非常に低いレベルに、かつ、樹脂の高い利用度で低減することが望まれるときには、強塩基性樹脂が好ましい。強塩基性イオン交換樹脂はまた、媒体のpHへ感受性が少ないという利点を有する。強塩基アニオン交換樹脂は同伴対イオンを有し、典型的には塩化物または水酸化物形態で入手可能であるが、必要ならば他の形態に容易に変換される。水酸化物、塩化物、サルフェート、およびナイトレートのアニオン交換樹脂をフルオロ界面活性剤の除去に使用することができるが、水酸化物の形態でのアニオン交換樹脂が、追加アニオンの導入を防ぐために、かつ、アニオン交換中にpHを上げるために好ましい。なぜなら、高い、すなわち、9より大きいpHが、細菌増殖を抑制するために発送前の製品に望ましいからである。トリメチルアミン部分を持った第四級アンモニウム基の好適な商業的に入手可能な強塩基アニオン交換樹脂の例には、DOWEX(登録商標)550A、US Filter A464−OH、SYBRON M−500−OH、SYBRON ASB1−OH、PUROLITE A−500−OH、伊藤忠TSA1200、AMBERLITE(登録商標)IR402が挙げられる。ジメチルエタノールアミン部分を持った第四級アンモニウム基の好適な商業的に入手可能な強塩基アニオン交換樹脂の例には、US Filter A244−OH、AMBERLITE(登録商標)410、DOWEX(登録商標)MARATHON A2、およびDOWEX(登録商標)UPCORE Mono A2が挙げられる。
本発明の方法に用いるためのフルオロ界面活性剤を低減するために使用されるイオン交換樹脂は好ましくは単分散である。好ましくは、イオン交換樹脂ビーズは、ビーズの95%が数平均ビーズ径のプラスまたはマイナス100μm内の直径を有する数平均サイズ分布を有する。
濃縮
本発明の分散系の濃縮が望まれる場合、様々な公知の方法のいずれかを用いることができる。濃縮のための実用的な温度範囲、すなわち、約30℃〜約90℃に曇点を有するアミンオキシド界面活性剤が用いられる場合、濃縮は、Marksら、米国特許第3,037,953号明細書に教示されているように行うことができる。他の公知の方法は、必要ならば実施することができ、アミンオキシド界面活性剤が好適な曇点を有さないときに用いることができる。Kuhls、米国特許第4,369,266号明細書に教示されているような限外濾過を用いることができる、別の好適な方法は、Jonesに付与された米国特許第5,272,186号明細書に記載されているような高い酸含有率のアクリルポリマーを使用する濃縮である。
凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法
本発明の方法は、アミンオキシド界面活性剤を含有する水性フルオロポリマー分散系から凝固フルオロポリマー樹脂を製造する。酸性試薬、好ましくは鉱酸または強い有機酸が、フルオロポリマー粒子を凝固させて凝固フルオロポリマー樹脂を生成するのに十分な量で分散系に添加される。凝固フルオロポリマー樹脂は次に、水性媒体から分離される。本発明の方法の好ましい形態では、方法は分散系を攪拌する工程をさらに含む。好ましくは、本方法は、前記凝固フルオロポリマー樹脂を乾燥させる工程をさらに含む。
本発明に従ったフルオロポリマー分散系の凝固は好ましくは、混合しそして凝固を助けるために分散系に好適な剪断を提供するのに好適な攪拌機を備えた容器中へ分散系を導入することによって行われる。タービン攪拌機は、この目的のために好適であり、上下の鉛直変位を分散系に与える傾斜羽根を有してもよい。空気同伴が最小限にされる場合、上方への鉛直変位が一般に望ましい。アミンオキシド界面活性剤で、特に好ましいアミンオキシド界面活性剤で、分散系の安定性は、pHを下げると共に低下する。pHが混合に好適な攪拌と一緒に下げられることが好ましい。加えて、酸の良好な分散を可能にするために酸が時間をかけて添加されることが好ましく、かつ、分散系のpHが徐々に下げられることが通常望ましい。好ましくは、pHは、酸性、すなわち、約7〜約0の範囲のpHであるように調整される。好ましくは、pHは約7未満、より好ましくは約5未満、最も好ましくは約3未満に調整される。所望のpHが達成されたとき、場合により連続的にまたはアリコートによってより多くの酸を添加して、攪拌速度を上げて分散系の凝固を達成することができる。通常凝固すると、分散系は浮遊するポリマー層と比較的無色透明な水層とに分離するであろう。水性媒体を排水する、吸い上げる、または別の方法でポリマーから分離することができる。追加の酸性化水かまたは低級アルコールなどのフルオロポリマー表面湿潤溶剤を、必要ならば、吸着した一層多くのアミンオキシド界面活性剤を除去するために1回以上ポリマーと接触させることができる。好適量のアミンオキシド界面活性剤が除去されたら、ポリマーは、水および/または溶剤の大部分から分離され、ポリマーは乾燥させられ、望み通り使用することができる。
本発明の別の好ましい形態に従って、本方法は、酸性試薬を添加する前に、粒子ポリマー、フィラー、顔料、固体滑剤などの粒子成分を水性分散系に添加する工程をさらに含む。本発明のこの形態では、酸性試薬は、フルオロポリマー粒子と粒子成分との共凝固をもたらす。本発明のこの形態は、フルオロポリマーと粒子成分との均質混合物を有することが望まれるときに有利に用いられる。かかる均質混合物では、粒子成分は好ましくは、混合物が均一であるように凝固フルオロポリマー樹脂中に一様に分配される。本方法で製造された好ましい共凝固材料は、例えば、添加剤なしの細粉樹脂と類似のペースト押出法で加工することができる。
粒子ポリマー、フィラー、顔料、固体滑剤などの別の粒子成分との分散系の共凝固のために、選択された粒子成分が水、好ましくは界面活性剤を含有する水での分散系としてまたはスラリーとして提供されることが通常望ましい。溶剤もまた存在してもよいし、また望ましい。粒子成分は多くの場合に、界面活性剤を吸収し、そして分散系を不安定化させ得る大きな、吸着性の表面積を有し、早期の、すなわち、均質混合が達成される前の共凝固を引き起こす。従って、フルオロポリマー分散系中に含有されるものと同じまたは異なる界面活性剤、すなわち、アミンオキシドと粒子成分を接触させることによるなど、粒子成分を処理して早期の共凝固を防ぐことが望ましいかもしれない。これを達成する一方法は、フルオロポリマー分散系のそれとほとんど同じかまたはそれより低い表面張力を有する粒子成分スラリーまたは分散系を提供することである。フルオロポリマー単独の凝固について上述されたように、粒子成分との共凝固は、酸性試薬の添加によって、本発明に従って、達成することができる。好ましくは、酸性試薬の添加方法および用いられるpH範囲は、フルオロポリマー樹脂単独の凝固について上述されたものと同じである。好ましくは、攪拌もまた、上述されたように用いられる。結局、必要ならば洗浄後に、共凝固混合物は乾燥させられるか、またはさもなければ所望通り使用される。
試験方法
生の(重合したままの)フルオロポリマー分散系の固定分含有率は、秤量されたアリコートの分散系を蒸発乾固し、そして乾燥固形分を秤量することによって質量測定法で測定される。固形分含有率は、PTFEと水との総合質量を基準として質量%単位で記載される。あるいはまた、固形分含有率は、分散系の比重を測定するための浮き秤を用いることによって、そして次に比重を固形分含有率に関係付ける表の参照によって測定することができる。(この表は、水の密度と重合したままのPTFEの密度とから誘導される代数式から構成される。)
生の分散系に関する数平均分散系粒度は、光子相間分光法によって測定される。
PTFE樹脂の標準比重(SSG)は、ASTM D−4895の方法によって測定される。界面活性剤が存在する場合、それはASTM D−4895によってSSGを測定する前にASTM−D−4441での抽出手順によって除去することができる。
界面活性剤含有率は、分散系に添加されたアミンオキシド界面活性剤の量に基づいて計算され、フルオロポリマー固形分を基準とする質量%として報告される。
フルオロ界面活性剤含有率は、フルオロ界面活性剤が酸性メタノールでエステル化されるGC技法によって測定される。パーフルオロヘプタン酸が内部標準として使用される。電解質およびヘキサンを添加すると、エステルは上方ヘキサン層へ抽出される。ヘキサン層は、120℃に保持された、70/80メッシュのChromosorb W.AW.DMCS上の10%OV−210で充填された20フィート×2mm内径のガラスGCカラムへの注入によって分析される。検出器はECDであり、95%アルゴン/5%メタンのキャリアガスは20〜30ml/分の流量を有する。フルオロ界面活性剤含有率は、分散系質量を基準とする質量%として報告される。
ゲル化時間は、分散系がブレンダー中で完全にゲル化するのに要する時間として測定される。200mlの分散系が、Waring市販耐爆ブレンダー(New Hartford、ConnecticutのWaringから入手可能な、モデル707SB、1クオートサイズ、高速、空気必要量−10psiで10scfmで運転される)に入れられる。このブレンダーは1リットルの容量を有し、モーター用の空気パージを有する。分散系は、分散系がゲル化するまで最高速度で撹拌される。ゲル化時間は秒単位で記録される。分散系が1/2時間(1800秒)でゲル化しない場合、ブレンダーへの損傷を回避するために試験は打ち切られる。ブレンダーは次に、各測定後に完全に解体され、きれいにされる。
実施例1
本実施例は、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系とアニオン交換手順を用いる分散系からのフルオロ界面活性剤の低減とを例示する。
5インチ(12.5cm)の内径を有するカバー付き2リットルのガラス樹脂反応釜に、1328ppmのフルオロ界面活性剤含有率および270nmの粒度を有する40質量%フルオロポリマー固形分の高分子量樹脂の540mlのPTFE分散系を添加する。1420mlの水、20mlの濃水酸化アンモニウム(NHとして30質量%)および約30質量%の活性成分を有するJeechem 1770としてJeen Internationalによって供給された6gのココアミドジメチルアミンオキシドをまた反応釜に添加する。アミンオキシド界面活性剤の含有率は、フルオロポリマー固形分を基準として0.83質量%である。4枚羽根攪拌機に取り付けられた、それぞれU.S.Filter Corporationによって供給された15gのA−244 OH Ion Exchange樹脂を含有する2つの小さなイオンナイロンメッシュ袋を液体表面より下に吊す。水浴を用いて混合物を50℃に保持し、混合物を20rpmで撹拌した。2日後に分散系混合物を反応釜から取り出し、49.5ppmのフルオロ界面活性剤含有率を有し、凝塊が本質的に全くないことが分かった。
実施例2
本実施例は、2−エチルヘキシルアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系とアニオン交換手順を用いる分散系からのフルオロ界面活性剤の低減とを例示する。
40mlの濃水酸化アンモニウム(NHとして30質量%)を添加し、そしてIsotet Chemical,LLCによって供給された15gの2−エチルヘキシルアミドプロピルジメチルアミンオキシドを42.6質量%の活性成分を有する界面活性剤として使用することを除いて実施例1と同じ条件を用いる。アミンオキシド界面活性剤の含有率は、フルオロポリマー固形分を基準として2.95質量%である。31時間後に分散系は40.5ppmのフルオロ界面活性剤含有率を含有し、凝塊が本質的に全くないことが分かる。
実施例3
本実施例は、オクチルアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系とアニオン交換手順を用いる分散系からのフルオロ界面活性剤の低減とを例示する。
44.3質量%の活性成分を有するIsotet Chemical,LLCによって供給された15gのオクチルアミドプロピルジメチルアミンオキシドを界面活性剤として使用し(フルオロポリマー固形分を基準として3.1質量%)、そして温度を60℃に保持することを除いて実施例2と同じ条件を用いる。2日後に分散系は18.2ppmのフルオロ界面活性剤を含有し、凝塊が本質的に全くないことが分かる。
実施例4
本実施例は、2−エチルヘキシルアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系と硫酸での分散系からのPTFE樹脂の凝固とを例示する。
実施例2と同様に調製した800mlの分散系(フルオロ界面活性剤低減後)を、ステンレススチール邪魔板を備えた2リットルのガラス樹脂反応釜に入れる。この装置は、蓋、邪魔板、シャフトに取り付けられた4枚羽根タービン攪拌機、および蓋を通過するシャフトを回転させるモーターを備えた、13cmの内径の2リットルのガラス樹脂反応釜からなる。邪魔板は、反応釜に滑り込む、12.7cmの外径を有する構成単位である。この構成単位は、ワイヤリングの周囲に等間隔で配置された高さ12.7cmおよび幅1.25cmの4枚の邪魔板羽根からなる。攪拌機は7.5cmの直径を有し、羽根は1.4cm幅である。羽根は45度のピッチを有し、シャフトは、攪拌機が上方へ送液するように回転させる。攪拌機速度を250rpmにセットし、3mlの濃硫酸を添加してpHを約3未満に下げ、分散系は凝固し始める。攪拌機速度を750rpmに上げて凝固を終わらせる。液体をデカンテーションし、凝固ポリマーを迅速濾過紙付きの大きなブフナー漏斗に移し、ポリマーを硫酸で酸性化した水ですすぐ。ポリマーを取り出し、2−プロパノール中で粉砕し、混合物を再びブフナー漏斗に移して溶剤を除去する。これを繰り返す。ポリマーを風乾させ、次に150℃の温度で乾燥させる。SSG試験は、暗色のチップおよび2.1605の測定SSGをもたらす。
実施例5
本実施例は、2−エチルヘキシルアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系と硝酸およびリン酸での分散系からのPTFE樹脂の凝固とを例示する。
実施例2と同様に調製した分散系(フルオロ界面活性剤低減後)を、硫酸の代わりに7mlの硝酸を使用することを除いて実施例4と同じ技法によって凝固させる。硝酸の添加は、pH表示細片を用いて測定された1〜2のpHをもたらす。SSGチップは依然として若干の色を有するが実施例4未満であり、SSGは2.1612と測定される。
実施例2の分散系(フルオロ界面活性剤低減後)を使用するが、5mlのリン酸を使用して1〜2のpHに酸性化すると、2.1581のSSGのポリマーをもたらす。
実施例6
本実施例は、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系とアニオン交換手順を用いる分散系からのフルオロ界面活性剤の低減とを大規模で例示する。
スチーム加熱外套付き蓋付きの50ガロンのステンレススチールタンクに、高分子量樹脂の212.7kgの23.5質量%分散系、1Lの濃水酸化アンモニウム(NHとして30質量%)、1.5kgのJeechem 1770(ココアミドプロピルジメチルアミンオキシド、30質量%)および2kgの水を添加する。アミンオキシド界面活性剤の含有率は、フルオロポリマー固形分を基準として0.9質量%である。攪拌機に、合計4400gのA−244イオン交換樹脂を含有する28ナイロンメッシュ袋を取り付ける。攪拌機を10rpmで回転させ、タンクを50℃で2日間保持した。分散系をサイホンによってタンクから排出させる。生じた分散系は、50ppmのフルオロ界面活性剤含有率を有する。
実施例7
本実施例は、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシドで安定化された分散系と様々なアミンオキシド界面活性剤レベルで硝酸での分散系からのPTFE樹脂の凝固とを例示する。
様々な使用量のココアミドプロピルジメチルアミンオキシド(AO)で約11.5質量%のPTFE固形分の分散系から細粉に凝固させる能力を、細粉分散系を凝固させるための実施例4で用いたのと同じ装置を用いて、実施例6と同様に調製した分散系を使用して試験する。硝酸添加はpHを3未満に下げる。
下の表1は、分散系の調製および凝固条件を示す。
Figure 0005371770
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.水性媒体、フルオロポリマー粒子、および式:
(R)(R)(R)N→O
[式中、Rは式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNRであり、aおよびbは0または1であり、た
だし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
の基であり、
式中、RおよびRは独立して、場合によりハロゲンで置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
式中、当該RおよびRは、化学結合によって結合して環を形成してもよい]
のアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系。
2.Rが式
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜4である)
の基である上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
3.Rが式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、5〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは3である)
の基である上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
4.RおよびRが独立して、1〜4個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
5.RおよびRがそれぞれ独立して、1〜2個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
6.フルオロポリマー固形分が約10〜約70質量%である上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
7.アミンオキシド界面活性剤が、フルオロポリマー固形物の質量を基準として約0.05〜約15質量%の量で存在する上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
8.アミンオキシド界面活性剤が、フルオロポリマー固形物の質量を基準として約0.1〜約10質量%の量で存在する上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
9.アミンオキシド界面活性剤が、フルオロポリマー固形物の質量を基準として約0.5〜約5質量%の量で存在する上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
10.フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーから選択されるポリマーを含む上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
11.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレンおよび改質ポリテトラフルオロエチレンから選択される上記10に記載の水性フルオロポリマー分散系。
12.フルオロポリマーが、少なくとも約40〜98モル%のテトラフルオロエチレン単位と約2〜60モル%の少なくとも1つの他のモノマーとを含む溶融加工可能なコポリマーである上記10に記載の水性フルオロポリマー分散系。
13.少なくとも1つの他のモノマーが、少なくとも1つのパーフルオロ化モノマーを含む上記12に記載の水性フルオロポリマー分散系。
14.フルオロポリマー粒子が、約10〜約400nmの数平均粒子径を有する上記1に記載の水性フルオロポリマー分散系。
15.水性媒体、フルオロポリマー粒子、およびアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系を備えること、
該分散系に、酸性試薬を、上記フルオロポリマー粒子を凝固させて凝固フルオロポリマー樹脂を生成させるのに十分な量で添加すること、
凝固フルオロポリマー樹脂を上記水性媒体から分離すること
を含む凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法。
16.酸性試薬を、pHを約7未満に下げるのに十分な量で分散系に添加する上記15に記載の方法。
17.分散系を攪拌することをさらに含む上記15に記載の方法。
18.凝固フルオロポリマー樹脂を乾燥させることをさらに含む上記15に記載の方法。19.酸性試薬を添加する前に粒子成分を水性分散系に添加して、該酸性試薬により、フルオロポリマー粒子と上記粒子成分とを共凝固させることをさらに含む上記15に記載の方法。
20.粒子成分を、水性媒体に分散系またはスラリーとして前記分散系に添加する上記15に記載の方法。
21.アミンオキシド界面活性剤が式:
(R)(R)(R)N→O
[式中、Rは式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNRであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
の基であり、
式中、RおよびRは独立して、場合によりハロゲン置換基を有する、1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
式中、当該RおよびRは、化学結合によって結合して環を形成してもよい]
のものである上記15に記載の方法。
22.Rが式
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜4である)
の基である上記21に記載の方法。
23.Rが式:
−(C=O)−X−(C=O)−(CH
(ここで、Rは、5〜20個の炭素原子を有するアルキルを含み、XはNHであり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは3である)
の基である上記21に記載の方法。
24.RおよびRが独立して、1〜4個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される上記21に記載の方法。
25.RおよびRがそれぞれ独立して、1〜2個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基から選択される上記21に記載の方法。
26.水性フルオロポリマー分散系中のフルオロポリマー固形物含有率が約10〜約70質量%である上記15に記載の方法。
27.アミンオキシド界面活性剤が、フルオロポリマー固形物の質量を基準として約0.05〜約15質量%の量で前記フルオロポリマー分散系中に存在する上記15に記載の方法。
28.水性フルオロポリマー分散系のフルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーから選択されるポリマーを含む上記15に記載の方法。
29.水性フルオロポリマー分散系のフルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレンおよび改質ポリテトラフルオロエチレンから選択される上記15に記載の方法。
30.水性フルオロポリマー分散系のフルオロポリマーが、少なくとも約40〜98モル%のテトラフルオロエチレン単位と約2〜60モル%の少なくとも1つの他のモノマーとを含む溶融加工可能なコポリマーである上記15に記載の方法。
31.少なくとも1つの他のモノマーが、少なくとも1つのパーフルオロ化モノマーを含む上記30に記載の方法。
32.水性フルオロポリマー分散系のフルオロポリマー粒子が、約10〜約400nmの数平均粒子径を有する上記15に記載の方法。

Claims (2)

  1. 水性媒体、フルオロポリマー粒子、および式:
    (R1)(R2)(R3)N→O
    [式中、R1は式:
    4−(C=O)a−X−(C=O)b−(CH2n
    (ここで、R4は、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNR5であり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
    の基であり、
    式中、R2およびR3は独立して、場合によりハロゲンで置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
    5は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
    式中、当該R2およびR3は、化学結合によって結合して環を形成してもよく、
    式中、R 2 、R 3 、R 4 およびR 5 がハロゲン置換を有する場合、ハロゲン置換は、基の炭素原子に結合した原子の70%以下がハロゲン原子であるように制限される
    のアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系であって、
    ここで、水性フルオロポリマー分散系の陰イオン性フルオロ界面活性剤含有率は、300ppm以下である水性フルオロポリマー分散系
  2. 水性媒体、フルオロポリマー粒子、および式:
    (R 1 )(R 2 )(R 3 )N→O
    [式中、R 1 は式:
    4 −(C=O) a −X−(C=O) b −(CH 2 n
    (ここで、R 4 は、1〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基であり、XはO、NHまたはNR 5 であり、aおよびbは0または1であり、ただし、a+b=1であり、そしてnは2〜6である)
    の基であり、
    式中、R 2 およびR 3 は独立して、場合によりハロゲンで置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
    5 は、場合によりハロゲンまたはN−オキシルアミノ基で置換された1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、分岐または非分岐の、環状または非環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテルまたはヒドロキシエーテル基から選択され、
    式中、当該R 2 およびR 3 は、化学結合によって結合して環を形成してもよく、
    式中、R 2 、R 3 、R 4 およびR 5 がハロゲン置換を有する場合、ハロゲン置換は、基の炭素原子に結合した原子の70%以下がハロゲン原子であるように制限される]のアミンオキシド界面活性剤を含む水性フルオロポリマー分散系であって、
    ここで、水性フルオロポリマー分散系の陰イオン性フルオロ界面活性剤含有率は、300ppm以下である水性フルオロポリマー分散系を備えること、
    該分散系に、酸性試薬を、上記フルオロポリマー粒子を凝固させて凝固フルオロポリマー樹脂を生成させるのに十分な量で添加すること、
    凝固フルオロポリマー樹脂を上記水性媒体から分離すること
    を含む凝固フルオロポリマー樹脂の製造方法。
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