JPWO2011027703A1 - ポリエーテルポリアミドエラストマー及びポリアミド積層体 - Google Patents
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Abstract
ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムからなる、接着力の高いポリアミド積層体を与えることのできるポリエーテルポリアミドエラストマー、及び接着力の高いポリアミド積層体を提供する。[1]架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むポリエーテルポリアミドエラストマー、及び[2]ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、特定のアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又はラクタム化合物(X2)、特定のトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに特定のジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有するポリアミド積層体である。
Description
本発明は、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムからなる、接着力の高いポリアミド積層体を与えることのできるポリエーテルポリアミドエラストマー、及びポリアミド積層体に関するものである。
ポリアミドエラストマーとゴムとの積層体は、自動車用部品、靴用部品、スポーツ用部品,ベルト用部品等として有用である。
例えば、特許文献1には、接地部、意匠部、ベース部からなるアウトソールにおいて、前記ベース部の接地部側にはラバーが配置され、接着面側はポリアミドエラストマーが配置され、ラバーと熱可塑性エラストマーとが溶融一体化して接合された構造を有するアウトソールが開示されている。
特許文献2には、ポリアミドエラストマーを、加熱下で、加硫ゴム部材と接触させて得られる樹脂部材と加硫ゴム部材とが直接接合した樹脂/ゴム複合体が開示されている。
特許文献3には、ポリアミド6をベースとしたブロックを有するエラストマーと、カルボン酸基又は無水ジカルボン酸基を有するエラストマーと架橋系とからなる組成物を金型内で加硫する複合材料の製造方法が記載されている。
しかしながら、これらの技術においては、ポリアミドエラストマーとゴムとの接着力(接着強度)が満足できるものではない。
例えば、特許文献1には、接地部、意匠部、ベース部からなるアウトソールにおいて、前記ベース部の接地部側にはラバーが配置され、接着面側はポリアミドエラストマーが配置され、ラバーと熱可塑性エラストマーとが溶融一体化して接合された構造を有するアウトソールが開示されている。
特許文献2には、ポリアミドエラストマーを、加熱下で、加硫ゴム部材と接触させて得られる樹脂部材と加硫ゴム部材とが直接接合した樹脂/ゴム複合体が開示されている。
特許文献3には、ポリアミド6をベースとしたブロックを有するエラストマーと、カルボン酸基又は無水ジカルボン酸基を有するエラストマーと架橋系とからなる組成物を金型内で加硫する複合材料の製造方法が記載されている。
しかしながら、これらの技術においては、ポリアミドエラストマーとゴムとの接着力(接着強度)が満足できるものではない。
本発明は、前記問題を解決し、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムからなる、接着力の高いポリアミド積層体を与えることのできるポリエーテルポリアミドエラストマー、及び接着力の高いポリアミド積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構造を有するポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとを積層することにより、上記課題を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]を提供するものである。
[1]架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むことを特徴とするポリエーテルポリアミドエラストマー。
[2]ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、
該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有することを特徴とするポリアミド積層体。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]を提供するものである。
[1]架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むことを特徴とするポリエーテルポリアミドエラストマー。
[2]ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、
該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有することを特徴とするポリアミド積層体。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。]
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。]
本発明によれば、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムからなる、接着力の高いポリアミド積層体を与えることのできるポリエーテルポリアミドエラストマー、及び接着力の高いポリアミド積層体を提供することができる。
[ポリエーテルポリアミドエラストマー]
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むことを特徴とする。
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであることが好ましい。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むことを特徴とする。
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであることが好ましい。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。]
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。]
前記のポリエーテルポリアミドエラストマーにおいて、ポリアミド形成性モノマー[即ち、アミノカルボン酸化合物(X1)及び/又はラクタム化合物(X2)]、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、及びジカルボン酸化合物(Z)に含まれる末端のカルボン酸又はカルボキシ基と、末端のアミノ基とがほぼ等モルになるような割合が好ましい。
特に、ポリアミド形成性モノマーの一方の末端がアミノ基で、他方の末端がカルボン酸又はカルボキシ基の場合、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)は、ポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシ基がほぼ等モルになるような割合とするのが好ましい。
特に、ポリアミド形成性モノマーの一方の末端がアミノ基で、他方の末端がカルボン酸又はカルボキシ基の場合、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)は、ポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシ基がほぼ等モルになるような割合とするのが好ましい。
(アミノカルボン酸化合物(X1)及びラクタム化合物(X2))
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するアミノカルボン酸化合物(X1)は、下記式(1)で表される化合物である。
H2N−R1−COOH (1)
ここで、R1は炭化水素鎖を含む連結基を示し、炭素数2〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましい。R1は、より好ましくは炭素数3〜18の上記炭化水素基又は炭素数3〜18のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数4〜15の上記炭化水素基又は炭素数4〜15のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の上記炭化水素基又は炭素数10〜15のアルキレン基である。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するアミノカルボン酸化合物(X1)は、下記式(1)で表される化合物である。
H2N−R1−COOH (1)
ここで、R1は炭化水素鎖を含む連結基を示し、炭素数2〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましい。R1は、より好ましくは炭素数3〜18の上記炭化水素基又は炭素数3〜18のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数4〜15の上記炭化水素基又は炭素数4〜15のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の上記炭化水素基又は炭素数10〜15のアルキレン基である。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するラクタム化合物(X2)は、下記式(2)で表される化合物である。
ここで、R2は炭化水素鎖を含む連結基を示し、炭素数3〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数3〜20のアルキレン基であることが好ましい。R2は、より好ましくは炭素数3〜18の上記炭化水素基又は炭素数3〜18のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数4〜15の上記炭化水素基又は炭素数4〜15のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の上記炭化水素基又は炭素数10〜15のアルキレン基である。
アミノカルボン酸化合物(X1)及びラクタム化合物(X2)としては、ω−アミノカルボン酸、ラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種の脂肪族、脂環族及び/又は芳香族を含むポリアミド形成性モノマーが使用される。
ジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩において、ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミン、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジアミン化合物等を挙げることができる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸化合物等を挙げることができる。特に、脂肪族ジアミン化合物と脂肪族ジカルボン酸化合物との組合せを使用することにより、低比重で、引張り伸びが大きく、耐衝撃性に優れ、溶融成形性が良好なポリエーテルポリアミドエラストマーを得ることができる。
ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は、0.9〜1.1の範囲が好ましく、0.93〜1.07の範囲がより好ましく、0.95〜1.05の範囲が更に好ましく、0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。このモル比が上記範囲内にあれば、高分子量化が容易となる。
ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は、0.9〜1.1の範囲が好ましく、0.93〜1.07の範囲がより好ましく、0.95〜1.05の範囲が更に好ましく、0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。このモル比が上記範囲内にあれば、高分子量化が容易となる。
上記のジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン等の炭素数2〜20の脂肪族ジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸のような炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドン等の炭素数5〜20の脂肪族ラクタム等が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸の具体例としては、6-アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸のような炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドン等の炭素数5〜20の脂肪族ラクタム等が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸の具体例としては、6-アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸等が挙げられる。
(トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y))
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)は、下記式(3)で表される化合物である。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)は、下記式(3)で表される化合物である。
[但し、xは1〜20の範囲、yは4〜50の範囲、zは1〜20の範囲である。]
トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)としては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等の両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニア等を反応させることによって製造されるXYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物等を用いることができる。
トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)としては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等の両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニア等を反応させることによって製造されるXYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物等を用いることができる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)の具体例としては、米国HUNTSMAN社製のXTJ−533(式(5)において、xが約12、yが約11、zが約11)、XTJ−536(式(5)において、xが約8.5、yが約17、zが約7.5)、そしてXTJ−542(式(5)において、xが約3、yが約9、zが約2)等が挙げられる。
また、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)として、XYX−1(式(5)において、xが約3、yが約14、zが約2)、XYX−2(式(5)において、xが約5、yが約14、zが約4)、そしてXYX−3(式(5)において、xが約3、yが約19、zが約2)等も用いることができる。
また、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)として、XYX−1(式(5)において、xが約3、yが約14、zが約2)、XYX−2(式(5)において、xが約5、yが約14、zが約4)、そしてXYX−3(式(5)において、xが約3、yが約19、zが約2)等も用いることができる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)において、x及びzは、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜14、特に好ましいのは1〜12である。yは、好ましくは4〜50、より好ましくは5〜45、より好ましくは6〜40、更に好ましくは7〜35、特に好ましいのは8〜30である。また、x、y及びzの組合せとしては、xが2〜6の範囲、yが6〜12の範囲、zが1〜5の範囲の組合せ、又はxが2〜10の範囲、yが13〜28の範囲、zが1〜9の範囲の組合せ等を好ましく例示することができる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)において、x及びzがそれぞれ上記の範囲より小さい場合には、得られるエラストマーの透明性が劣る場合があるため好ましくなく、yが上記範囲より小さい場合には、ゴム弾性が低くなる場合があるため好ましくない。また、x及びzが上記範囲より大きい場合又は、yが上記範囲より大きい場合ポリアミド成分との相溶性が低くなり強靭なエラストマーが得られにくいため好ましくない。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)において、x及びzがそれぞれ上記の範囲より小さい場合には、得られるエラストマーの透明性が劣る場合があるため好ましくなく、yが上記範囲より小さい場合には、ゴム弾性が低くなる場合があるため好ましくない。また、x及びzが上記範囲より大きい場合又は、yが上記範囲より大きい場合ポリアミド成分との相溶性が低くなり強靭なエラストマーが得られにくいため好ましくない。
(ジカルボン酸化合物(Z))
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するジカルボン酸化合物(Z)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R3)m−COOH (4)
ここで、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。R3は、より好ましくは炭素数1〜15の上記炭化水素基又は炭素数1〜15のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数2〜12の上記炭化水素基又は炭素数2〜12のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の上記炭化水素基又は炭素数4〜10のアルキレン基である。また、mは0又は1を示す。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に使用するジカルボン酸化合物(Z)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R3)m−COOH (4)
ここで、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。R3は、より好ましくは炭素数1〜15の上記炭化水素基又は炭素数1〜15のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数2〜12の上記炭化水素基又は炭素数2〜12のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の上記炭化水素基又は炭素数4〜10のアルキレン基である。また、mは0又は1を示す。
ジカルボン酸化合物(Z)としては、脂肪族、脂環族及び芳香族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸又はこれらの誘導体を用いることができる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の炭素数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、又は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、及び、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。
市販のダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」等を用いることができる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の炭素数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、又は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、及び、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。
市販のダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」等を用いることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対する、ポリアミド形成性モノマー[アミノカルボン酸化合物(X1)及び/又はラクタム化合物(X2)]の割合は、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは15〜90質量%、更に好ましくは15〜85質量%、特に好ましくは15〜80質量%、最も好ましくは15〜70質量である。ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、10質量%以上であれば、ポリアミド成分の結晶性を向上させることができ、強度、弾性率等の機械的物性を向上させることができる。また、前記割合が95質量%以下であれば、ゴム弾性や柔軟性等のエラストマーとしての機能、性能を発現させることができる。
また、ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)とジカルボン酸化合物(Z)との合計量の割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜85質量%、更に好ましくは15〜85質量%、特に好ましくは20〜85質量%、最も好ましくは30〜85質量である。
また、ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)とジカルボン酸化合物(Z)との合計量の割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜85質量%、更に好ましくは15〜85質量%、特に好ましくは20〜85質量%、最も好ましくは30〜85質量である。
(ポリエーテルポリアミドエラストマーの性状)
ポリエーテルポリアミドエラストマーの硬度(ショアD)は、好ましくは15〜70の範囲、より好ましくは18〜70の範囲、更に好ましくは20〜70の範囲、特に好ましいのは25〜70の範囲のものである。なお、硬度(ショアD)は、ASTM D2240に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの硬度(ショアD)は、好ましくは15〜70の範囲、より好ましくは18〜70の範囲、更に好ましくは20〜70の範囲、特に好ましいのは25〜70の範囲のものである。なお、硬度(ショアD)は、ASTM D2240に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ弾性率は、好ましくは20〜450MPa、より好ましくは20〜400MPa、更に好ましくは20〜350MPa、特に好ましくは20〜300MPaである。弾性率が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。なお、曲げ弾性率は、ASTM D790に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さは、好ましくは0.8〜15MPa、より好ましくは1〜13MPa、更に好ましくは1.1〜10MPa、特に好ましくは1.2〜9MPaである。ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さが、上記範囲内では、曲げ強さ等の強靭性とゴム弾性とのバランスの優れるエラストマーが得られるために好ましい。なお、曲げ強さは、ASTM D790に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さは、好ましくは0.8〜15MPa、より好ましくは1〜13MPa、更に好ましくは1.1〜10MPa、特に好ましくは1.2〜9MPaである。ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さが、上記範囲内では、曲げ強さ等の強靭性とゴム弾性とのバランスの優れるエラストマーが得られるために好ましい。なお、曲げ強さは、ASTM D790に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの引張り降伏点強度は、好ましくは3〜25MPaの範囲、より好ましくは3〜22MPaの範囲、更に好ましくは3〜20MPaの範囲、特に好ましくは3〜18MPaの範囲である。引張り降伏点強度が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。なお、引張り降伏点強度は、ASTM D638に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの引張り破断伸びは、300%以上が好ましく、600%以上がより好ましい。この範囲よりも少ないと、強靭性、ゴム弾性等のエラストマーとしての性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。なお、引張り破断伸びは、ASTM D638に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの引張り破断伸びは、300%以上が好ましく、600%以上がより好ましい。この範囲よりも少ないと、強靭性、ゴム弾性等のエラストマーとしての性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。なお、引張り破断伸びは、ASTM D638に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、23℃におけるアイゾットノッチ付き衝撃強さの測定において破壊しないこと(NBと略す)が、特に耐衝撃性に優れるために好ましい。なお、アイゾットノッチ付き衝撃強さは、ASTM D256に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの荷重たわみ温度は、50℃以上が好ましい。上記範囲内であると使用時に材料が変形しにくくなるために好ましい。なお、荷重たわみ温度は、ASTM D648に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの相対粘度(ηr)は、1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲にあることが好ましい。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの荷重たわみ温度は、50℃以上が好ましい。上記範囲内であると使用時に材料が変形しにくくなるために好ましい。なお、荷重たわみ温度は、ASTM D648に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの相対粘度(ηr)は、1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲にあることが好ましい。
(ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法)
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法に特に制限はない。例えば、ポリアミド形成性モノマー、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じ更に減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。更に、ポリアミド形成性モノマー、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じ更に減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸化合物(Z)の二成分を先に重合させ、ついで、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)を重合させる方法も利用できる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法に特に制限はない。例えば、ポリアミド形成性モノマー、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じ更に減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。更に、ポリアミド形成性モノマー、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じ更に減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸化合物(Z)の二成分を先に重合させ、ついで、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)を重合させる方法も利用できる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に当たり、原料の仕込み方法に特に制限はないが、ポリアミド形成性モノマー、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)及びジカルボン酸化合物(Z)の仕込み割合は、全成分に対してポリアミド形成性モノマーが好ましくは10〜95質量%、より好ましくは15〜90質量%の範囲、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)が好ましくは3〜88質量%、より好ましくは8〜79質量%の範囲である。原料のうち、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)とジカルボン酸化合物(Z)は、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)のアミノ基とジカルボン酸化合物(Z)のカルボキシ基がほぼ等モルになるように仕込むことが好ましい。
重合温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは160〜280℃、更に好ましくは180〜250℃である。重合温度が150℃以上であれば、重合反応が良好に進行し、300℃以下であれば、熱分解が抑えられ、良好な物性のポリマーを得ることができる。
重合温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは160〜280℃、更に好ましくは180〜250℃である。重合温度が150℃以上であれば、重合反応が良好に進行し、300℃以下であれば、熱分解が抑えられ、良好な物性のポリマーを得ることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、ポリアミド形成性モノマーとしてω−アミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合又は常圧溶融重合とそれに続く減圧溶融重合での工程からなる方法で製造することができる。
一方、ポリアミド形成性モノマーとしてラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及び/又はそれらの塩を用いる場合には、適量の水を共存させ、通常0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
重合時間は、通常0.5〜30時間である。重合時間が0.5時間以上であれば、分子量を上昇させることができ、30時間以下であれば、熱分解による着色等が抑えられ、所望の物性を有するポリエーテルポリアミドエラストマーが得ることができる。
一方、ポリアミド形成性モノマーとしてラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及び/又はそれらの塩を用いる場合には、適量の水を共存させ、通常0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
重合時間は、通常0.5〜30時間である。重合時間が0.5時間以上であれば、分子量を上昇させることができ、30時間以下であれば、熱分解による着色等が抑えられ、所望の物性を有するポリエーテルポリアミドエラストマーが得ることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造は、回分式でも、連続式でも実施することができ、またバッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置等を単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造の際に、必要に応じて分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定のために、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のモノアミン及びジアミン、酢酸、安息香酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等のモノカルボン酸、又はジカルボン酸等を添加することができる。
上記のモノアミン及びジアミン、モノカルボン酸及びジカルボン酸等の添加量は、得られるポリエーテルポリアミドエラストマーの特性が阻害されない範囲とするのが好ましく、最終的に得られるエラストマーの相対粘度が1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲になるように適宜添加することが好ましい。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造の際に、必要に応じて分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定のために、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のモノアミン及びジアミン、酢酸、安息香酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等のモノカルボン酸、又はジカルボン酸等を添加することができる。
上記のモノアミン及びジアミン、モノカルボン酸及びジカルボン酸等の添加量は、得られるポリエーテルポリアミドエラストマーの特性が阻害されない範囲とするのが好ましく、最終的に得られるエラストマーの相対粘度が1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲になるように適宜添加することが好ましい。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造の際に、必要に応じて、触媒としてリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等を添加することができる。また、触媒と耐熱剤の両方の効果をねらって、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機系リン化合物を添加することができる。添加量は、通常、仕込み原料に対して50〜3000ppmである。
(シランカップリング剤)
本発明で用いられるポリエーテルポリアミドエラストマーにおいては、接着強度向上の観点から、シランカップリング剤をポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し0.01〜7質量部含有させる。
シランカップリング剤としては、硫黄含有シランカップリング剤やアミノ基含有シランカップリング剤を用いることができる。
硫黄含有シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらの中で、市販品としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド[デグサ・ジャパン株式会社製、商品名「Si69」、Sの平均数3.8]や、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド混合物[デグサ・ジャパン株式会社製、商品名「Si75」、Sの平均数2.4]が好適である。
本発明で用いられるポリエーテルポリアミドエラストマーにおいては、接着強度向上の観点から、シランカップリング剤をポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し0.01〜7質量部含有させる。
シランカップリング剤としては、硫黄含有シランカップリング剤やアミノ基含有シランカップリング剤を用いることができる。
硫黄含有シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらの中で、市販品としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド[デグサ・ジャパン株式会社製、商品名「Si69」、Sの平均数3.8]や、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド混合物[デグサ・ジャパン株式会社製、商品名「Si75」、Sの平均数2.4]が好適である。
一方、アミノ基含有シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記のシランカップリング剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記のシランカップリング剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤の添加量は、前記ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対して、0.01質量部以上であれば、十分な溶着強度が発揮される。添加量は多ければよいというわけではなく、ある一定量を越えるとそれ以上熱溶着強度は向上しない。また、シランカップリング剤を多量に添加すると自己架橋により粘度上昇を引き起こすので好ましくはない。粘度上昇は射出成形において流動性を低下させ、成形性を悪化させ、接着強度に悪影響を及ぼしたり、ショートショットを引き起こしたり、残留応力が残るために変形や、物性低下を起こすため好ましくない。その配合量が7質量部以下であれば、ポリエーテルポリアミドエラストマーの粘度を安定に維持することができる。
以上の観点から、シランカップリング剤の配合量は、ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対して、0.01〜7質量部であり、0.05〜7質量部が好ましく、0.08〜6質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
シランカップリング剤の添加方法は、特に制限されない。ポリエーテルポリアミドエラストマーを重合するときに、重合の終盤に重合槽に入れてもよいし、混練しても、ペレットにドライブレンドしてもマスターバッチとしてブレンドして用いてもよい。
以上の観点から、シランカップリング剤の配合量は、ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対して、0.01〜7質量部であり、0.05〜7質量部が好ましく、0.08〜6質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
シランカップリング剤の添加方法は、特に制限されない。ポリエーテルポリアミドエラストマーを重合するときに、重合の終盤に重合槽に入れてもよいし、混練しても、ペレットにドライブレンドしてもマスターバッチとしてブレンドして用いてもよい。
以上のようにして得られたポリエーテルポリアミドエラストマーは、その特性が阻害されない範囲で、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、香料、難燃剤、補強材等を添加することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性が低く、溶融成形性、成形加工性、強靭性、耐加水分解性、耐屈曲疲労性、反発弾性、低比重性、低温柔軟性、低温耐衝撃性、伸長回復性、消音特性、ゴム的な性質及び透明性等に優れている。
本発明に用いられるポリエーテルポリアミドエラストマーの市販品として、宇部興産株式会社製の「UBESTA XPA 9040X1、同9040F1、同9048X1、同9048F1、同9055X1、同9055F1、同9063X1、同9063F1、同9068X1、同9068F1、同9040X2、同9048X2、同9040F2、同9048F2」等を使用することもできる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性が低く、溶融成形性、成形加工性、強靭性、耐加水分解性、耐屈曲疲労性、反発弾性、低比重性、低温柔軟性、低温耐衝撃性、伸長回復性、消音特性、ゴム的な性質及び透明性等に優れている。
本発明に用いられるポリエーテルポリアミドエラストマーの市販品として、宇部興産株式会社製の「UBESTA XPA 9040X1、同9040F1、同9048X1、同9048F1、同9055X1、同9055F1、同9063X1、同9063F1、同9068X1、同9068F1、同9040X2、同9048X2、同9040F2、同9048F2」等を使用することもできる。
[ポリアミド積層体]
本発明のポリアミド積層体は、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、前記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は前記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、前記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに前記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有することを特徴とする。
本発明のポリアミド積層体は、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、前記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は前記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、前記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに前記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有することを特徴とする。
(架橋ゴム)
架橋ゴムの材料として用いられるゴム組成物は、ゴム成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムを含有することが好ましい。
前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限なく、公知のものを使用することができる。例えば、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴム等のアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム,エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。
これらの中では、ポリエーテルポリアミドエラストマーと、ゴム組成物から得られた架橋ゴムとの積層体における層間接着強度(以下、単に「接着強度」という)の観点から、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムが好ましく、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムがより好ましく、ブタジエンゴムが更に好ましい。
架橋ゴムの材料として用いられるゴム組成物は、ゴム成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムを含有することが好ましい。
前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限なく、公知のものを使用することができる。例えば、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴム等のアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム,エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。
これらの中では、ポリエーテルポリアミドエラストマーと、ゴム組成物から得られた架橋ゴムとの積層体における層間接着強度(以下、単に「接着強度」という)の観点から、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムが好ましく、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムがより好ましく、ブタジエンゴムが更に好ましい。
本発明においては、ゴム成分として、天然ゴム及び前記ジエン系合成ゴムの中から、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、ゴム成分としての総合的な性能発現の観点から、ポリブタジエンゴム、又はポリブタジエンゴムと天然ゴムとの併用系が好ましい。
この併用系の場合、ポリブタジエンゴムと天然ゴムとの使用割合は、質量比で80:20〜20:80であることが好ましく、70:30〜30:70であることがより好ましい。
更に、ブタジエンゴムとしては、接着強度の観点から、シス−1,4結合を90%以上含むものが好ましい。
この併用系の場合、ポリブタジエンゴムと天然ゴムとの使用割合は、質量比で80:20〜20:80であることが好ましく、70:30〜30:70であることがより好ましい。
更に、ブタジエンゴムとしては、接着強度の観点から、シス−1,4結合を90%以上含むものが好ましい。
(架橋剤)
架橋ゴムの製造に使用できる架橋剤としては、従来公知の化合物、例えば有機過酸化物や硫黄等が挙げられるが、これらの中では有機過酸化物が好適である。
天然ゴムやジエン系合成ゴムに対する架橋剤として用いることのできる有機過酸化物としては、例えばt−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、p−クロルベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボナート、t−ブチルペルベンゾエート等が挙げられる。
これらの中ではジクミルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが、架橋性や接着強度の観点から好適である。
上記の有機過酸化物は一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
架橋剤の使用量は、架橋の促進、接着強度向上、架橋ゴムの柔軟性の観点から、前記(A)ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.5〜2質量部である。
架橋ゴムの製造に使用できる架橋剤としては、従来公知の化合物、例えば有機過酸化物や硫黄等が挙げられるが、これらの中では有機過酸化物が好適である。
天然ゴムやジエン系合成ゴムに対する架橋剤として用いることのできる有機過酸化物としては、例えばt−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、p−クロルベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボナート、t−ブチルペルベンゾエート等が挙げられる。
これらの中ではジクミルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが、架橋性や接着強度の観点から好適である。
上記の有機過酸化物は一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
架橋剤の使用量は、架橋の促進、接着強度向上、架橋ゴムの柔軟性の観点から、前記(A)ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.5〜2質量部である。
架橋ゴムの材料として用いられるゴム組成物は、接着強度を向上させる観点から、シリカ、可塑剤、シランカップリング剤等を含有することが好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)及び乾式シリカ(無水ケイ酸)があるが、接着強度の観点から湿式シリカが好ましい。
湿式シリカは、接着強度の観点から、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜280m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。好適な湿式シリカとしては、例えば東ソー・シリカ株式会社製のAQ、VN3、LP、NA等、デグサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)等が挙げられる。
シリカの配合量は、前記のゴム成分100質量部に対し、35〜80質量部の範囲が好ましい。この含有量が35質量部未満では、充分な接着強度が得られず、一方、80質量部を超えると、逆に接着強度が低下する。以上の観点から、シリカの配合量は、40〜70質量部の範囲であることが好ましい。また、カーボンブラックを前記シリカと併用することができる。
(シリカ)
シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)及び乾式シリカ(無水ケイ酸)があるが、接着強度の観点から湿式シリカが好ましい。
湿式シリカは、接着強度の観点から、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜280m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。好適な湿式シリカとしては、例えば東ソー・シリカ株式会社製のAQ、VN3、LP、NA等、デグサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)等が挙げられる。
シリカの配合量は、前記のゴム成分100質量部に対し、35〜80質量部の範囲が好ましい。この含有量が35質量部未満では、充分な接着強度が得られず、一方、80質量部を超えると、逆に接着強度が低下する。以上の観点から、シリカの配合量は、40〜70質量部の範囲であることが好ましい。また、カーボンブラックを前記シリカと併用することができる。
(可塑剤)
可塑剤としては、公知のアリールスルホン酸アミド誘導体、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体等を用いることができる。
アリールスルホン酸アミド誘導体の具体例としては、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド及びベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のベンゼンスルホン酸アルキルアミド類、N−エチル−o−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−o−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のトルエンスルホン酸アルキルアミド類等が挙げられる。
また、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体の具体例としては、炭素数1〜18のアルキル基を有するヒドロキシ安息香酸アルキルエステル等が挙げられる。
可塑剤の配合量は、接着強度向上の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部、更に好ましくは1.5〜6質量部である。
可塑剤としては、公知のアリールスルホン酸アミド誘導体、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体等を用いることができる。
アリールスルホン酸アミド誘導体の具体例としては、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド及びベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のベンゼンスルホン酸アルキルアミド類、N−エチル−o−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−o−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のトルエンスルホン酸アルキルアミド類等が挙げられる。
また、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体の具体例としては、炭素数1〜18のアルキル基を有するヒドロキシ安息香酸アルキルエステル等が挙げられる。
可塑剤の配合量は、接着強度向上の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部、更に好ましくは1.5〜6質量部である。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、前記の硫黄含有シランカップリング剤やアミノ基含有シランカップリング剤を用いることができる。その好適例も前記と同じである。
シランカップリング剤の添加量は、添加効果とゴム成分のゲル化抑制の観点から、前記シリカに対して、1〜10質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることがより好ましい。
シランカップリング剤としては、前記の硫黄含有シランカップリング剤やアミノ基含有シランカップリング剤を用いることができる。その好適例も前記と同じである。
シランカップリング剤の添加量は、添加効果とゴム成分のゲル化抑制の観点から、前記シリカに対して、1〜10質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることがより好ましい。
(ゴム組成物の調製)
本発明のゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば架橋剤として硫黄(加硫剤)を用いる場合には加硫促進剤を、更には老化防止剤、ポリエチレングリコール、亜鉛華、ステアリン酸等を含有させることができる。
前記加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、例えば、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、前述したゴム成分、架橋剤の他、必要に応じて、シリカ、可塑剤、シランカップリング剤やその他各種薬品を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
このようにして得られた架橋ゴム組成物は、架橋ゴムとして、ポリエーテルポリアミドエラストマーとの積層体の材料として用いることにより、層間接着力の高いポリアミド積層体を与えることができる。
本発明において、架橋ゴムは、原料であるゴム組成物を射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の公知の方法にてシート状に成形することができる。更に、必要に応じて後工程で更に架橋処理を行ってもよい。
本発明のゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば架橋剤として硫黄(加硫剤)を用いる場合には加硫促進剤を、更には老化防止剤、ポリエチレングリコール、亜鉛華、ステアリン酸等を含有させることができる。
前記加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、例えば、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、前述したゴム成分、架橋剤の他、必要に応じて、シリカ、可塑剤、シランカップリング剤やその他各種薬品を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
このようにして得られた架橋ゴム組成物は、架橋ゴムとして、ポリエーテルポリアミドエラストマーとの積層体の材料として用いることにより、層間接着力の高いポリアミド積層体を与えることができる。
本発明において、架橋ゴムは、原料であるゴム組成物を射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の公知の方法にてシート状に成形することができる。更に、必要に応じて後工程で更に架橋処理を行ってもよい。
(ポリアミド積層体の製造)
本発明のポリアミド積層体は、ポリエーテルポリアミドエラストマーからなる層と、架橋ゴム層を1層又は2層以上有する。各層の厚さは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、積層体における全体の層数、用途等に応じて調節することができる。
また、積層体の層数は2層以上であるが、積層体における全体の層数は特に制限されず、いずれでもよい。積層体製造装置の機構から判断して、好ましくは7層以下、更に好ましくは2層〜5層である。
また、本発明のポリアミド積層体は、任意の基材、例えば、熱可塑性樹脂、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等を積層することも可能である。
本発明のポリアミド積層体は、ポリエーテルポリアミドエラストマーからなる層と、架橋ゴム層を1層又は2層以上有する。各層の厚さは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、積層体における全体の層数、用途等に応じて調節することができる。
また、積層体の層数は2層以上であるが、積層体における全体の層数は特に制限されず、いずれでもよい。積層体製造装置の機構から判断して、好ましくは7層以下、更に好ましくは2層〜5層である。
また、本発明のポリアミド積層体は、任意の基材、例えば、熱可塑性樹脂、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等を積層することも可能である。
本発明のポリアミド積層体は(1)各層を同時に成形する方法、(2)各層を成形して貼り合わせる方法、(3)層の上に更に層を成形しながら積層する方法(タンデム法)、(4)金型の中にゴムをインサートしてポリエーテルポリアミドエラストマーを射出成形して積層する方法、(5)任意の方法で成形されたポリエーテルポリアミドエラストマーをゴムの架橋工程の金型にインサートして積層する方法等により、又はこれらを組み合わせた方法により得ることができる。
成形温度としては、ポリエーテルポリアミドエラストマーを射出成形する場合は、160〜300℃が好ましく、190〜270℃が更に好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーをインサートしてゴムの架橋を行う場合は、ポリエーテルポリアミドエラストマーの融点を超える温度で行うことが望ましく、一般的には160〜170℃で5〜15分程度で行う。温度が低い場合や、時間が短い場合は、ゴムの架橋が進まなかったり、熱溶着強度が十分出なかったりすることがあり、また温度が高い場合や時間が長すぎるとゴムが劣化するおそれがあるため好ましくない。
成形温度としては、ポリエーテルポリアミドエラストマーを射出成形する場合は、160〜300℃が好ましく、190〜270℃が更に好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーをインサートしてゴムの架橋を行う場合は、ポリエーテルポリアミドエラストマーの融点を超える温度で行うことが望ましく、一般的には160〜170℃で5〜15分程度で行う。温度が低い場合や、時間が短い場合は、ゴムの架橋が進まなかったり、熱溶着強度が十分出なかったりすることがあり、また温度が高い場合や時間が長すぎるとゴムが劣化するおそれがあるため好ましくない。
本発明のポリアミド積層体における、ポリエーテルポリアミドエラストマー層(X層)と、架橋ゴム層(Y層)の積層構成の例としては、X層/Y層、X層/Y層/X層、Y層/X層/Y層、X層/Y層/基材層、基材層/X層/Y層、X層/Y層/X層/基材層、Y層/X層/Y層/基材層、Y層/X層/接着層/基材層、X層/Y層/接着層/基材層、基材層/接着層/X層/Y層/X層/接着層/基材層、基材層/接着層/Y層/X層/Y層/接着層/基材層等を挙げることができる。
基材層は、X層及びY層のポリマーを除く、他のポリマー材料から得られるフィルム、シート、膜及び成形物等;天然・合成繊維、ガラス・セラミックス等を原料とする無機繊維から得られる織物、編物、組み物及び不織布等;ガラス、金属、セラミックス、塗膜、紙等;皮革等を用いることができる。
接着層は、公知の各接着成分、接着性を有するシートやフィルム等を用いることができ、本発明の特性を損なわないものを用いることが好ましい。
基材層は、X層及びY層のポリマーを除く、他のポリマー材料から得られるフィルム、シート、膜及び成形物等;天然・合成繊維、ガラス・セラミックス等を原料とする無機繊維から得られる織物、編物、組み物及び不織布等;ガラス、金属、セラミックス、塗膜、紙等;皮革等を用いることができる。
接着層は、公知の各接着成分、接着性を有するシートやフィルム等を用いることができ、本発明の特性を損なわないものを用いることが好ましい。
本発明のポリアミド積層体のX層とY層との剥離強さは、好ましくは10N/mm以上、より好ましくは15N/mm以上、更に好ましくは20N/mm以上である。剥離強さは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のポリアミド積層体は、架橋ゴムの材料として、ポリエーテルポリアミドエラストマーに対して高い接着力を有するゴム組成物を用いているために、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの強固な接着強度を有し、タイヤ部材、各種振動吸収部材、ドアロック部材、ラジエターマウント等の自動車部品、スポーツシューズ,作業用靴、靴底等の靴用部品、防振ゴム等の各種産業用部材等に有利に使用することができる。
本発明のポリアミド積層体は、架橋ゴムの材料として、ポリエーテルポリアミドエラストマーに対して高い接着力を有するゴム組成物を用いているために、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの強固な接着強度を有し、タイヤ部材、各種振動吸収部材、ドアロック部材、ラジエターマウント等の自動車部品、スポーツシューズ,作業用靴、靴底等の靴用部品、防振ゴム等の各種産業用部材等に有利に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ポリエーテルポリアミドエラストマーの相対粘度は、以下の方法で測定した。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
製造例1(ポリエーテルポリアミドエラストマー(PAE)の製造)
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積70リットル反応容器に宇部興産株式会社製12−アミノドデカン酸(ADA)11.231kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542、アミン価:1.94meq/g)7.680kg及びアジピン酸(AA)1.089kg、次亜リン酸ナトリウム1水和物6g及び耐熱剤(吉富製薬製トミノックス917)60gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速186リットル/時間で供給しながら、容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら3.5時間かけて230℃に昇温し、更に容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら230℃で4時間重合を行い、重合体を得た。重合終了後、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約15kgのペレットを得た。得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、相対粘度(ηr)は1.98であった。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積70リットル反応容器に宇部興産株式会社製12−アミノドデカン酸(ADA)11.231kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542、アミン価:1.94meq/g)7.680kg及びアジピン酸(AA)1.089kg、次亜リン酸ナトリウム1水和物6g及び耐熱剤(吉富製薬製トミノックス917)60gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速186リットル/時間で供給しながら、容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら3.5時間かけて230℃に昇温し、更に容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら230℃で4時間重合を行い、重合体を得た。重合終了後、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約15kgのペレットを得た。得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、相対粘度(ηr)は1.98であった。
実施例1〜12及び比較例1〜4
(1)ポリエーテルポリアミドエラストマーの調製
製造例1で得られたポリエーテルポリアミドエラストマーのペレットに、表1に示す配合量でシランカップリング剤(B)を、ドライブレンドした。
(2)架橋ゴムシートの作成
表1に示した架橋ゴム組成物成分のうち架橋剤と加硫促進剤以外の成分を、バンバリーミキサーを用いて、混練温度90℃で、時間4.5分間混練した。得られた混練物をロールにかけて、90℃で1分間ロール混練した後、架橋剤と、必要に応じて加硫促進剤を投入し、1分間ロール混練した。
次に、得られた混練物をプレス機中で、165℃、10MPa、8分間の条件で硬化させ、150mm×150mm×2mmの架橋ゴムシートを作製した。
(3)架橋ゴムシートとポリエーテルポリアミドエラストマーの射出溶着による積層体の製造
上記(2)で得られた架橋ゴムシートを、カッターナイフで切り、図1のように幅10mm、長さ30mm、厚さ2mmの熱溶着評価用のテストピースを作成した。また、T剥離試験を行うときに確実に熱溶着面に応力が加わるようにするために、図2のようにアルミ箔を貼り付けた。
これを厚さ4mmの短冊成形用の金型に両面テープを用いて貼り付けた後、射出成形によって図3のテストピースを得た。さらに、これを厚さ6mmの短冊成形用の金型に両面テープを用いて貼り付けた後、射出成形によって図4のテストピースを得た。それぞれの成形では不要な部分に樹脂が入らないようにスペーサーを適宜用いた。
(4)剥離強度試験
オリエンテック株式会社製、T剥離試験装置「テンシロン2500」を用い、引張速度50mm/分で行った。方法としては、図4の積層体テストピースにおいて、図中右側の上下の突き出た部分を、チャックで保持してT剥離試験を行った。T剥離試験は、はじめにアルミ箔で溶着させなかったところから選択的にはがれ確実に溶着面に応力が加わるようにして行った。結果を表1に示す。
(1)ポリエーテルポリアミドエラストマーの調製
製造例1で得られたポリエーテルポリアミドエラストマーのペレットに、表1に示す配合量でシランカップリング剤(B)を、ドライブレンドした。
(2)架橋ゴムシートの作成
表1に示した架橋ゴム組成物成分のうち架橋剤と加硫促進剤以外の成分を、バンバリーミキサーを用いて、混練温度90℃で、時間4.5分間混練した。得られた混練物をロールにかけて、90℃で1分間ロール混練した後、架橋剤と、必要に応じて加硫促進剤を投入し、1分間ロール混練した。
次に、得られた混練物をプレス機中で、165℃、10MPa、8分間の条件で硬化させ、150mm×150mm×2mmの架橋ゴムシートを作製した。
(3)架橋ゴムシートとポリエーテルポリアミドエラストマーの射出溶着による積層体の製造
上記(2)で得られた架橋ゴムシートを、カッターナイフで切り、図1のように幅10mm、長さ30mm、厚さ2mmの熱溶着評価用のテストピースを作成した。また、T剥離試験を行うときに確実に熱溶着面に応力が加わるようにするために、図2のようにアルミ箔を貼り付けた。
これを厚さ4mmの短冊成形用の金型に両面テープを用いて貼り付けた後、射出成形によって図3のテストピースを得た。さらに、これを厚さ6mmの短冊成形用の金型に両面テープを用いて貼り付けた後、射出成形によって図4のテストピースを得た。それぞれの成形では不要な部分に樹脂が入らないようにスペーサーを適宜用いた。
(4)剥離強度試験
オリエンテック株式会社製、T剥離試験装置「テンシロン2500」を用い、引張速度50mm/分で行った。方法としては、図4の積層体テストピースにおいて、図中右側の上下の突き出た部分を、チャックで保持してT剥離試験を行った。T剥離試験は、はじめにアルミ箔で溶着させなかったところから選択的にはがれ確実に溶着面に応力が加わるようにして行った。結果を表1に示す。
(1)シランカップリング剤(B):デグサ・ジャパン社製、商品名「Si69」
(2)BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製、商品名「UBEPOL−BR130B」(シス1,4−結合含有量96%)
(3)NR:標準マレーシア産天然ゴム
(4)NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム、JSR株式会社製、商品名「N230SV」
(5)シリカ:湿式シリカ、東ソー・シリカ株式会社製、商品名「Nipsil AQ」
(6)DCP:ジクミルパーオキシド、日油株式会社製、商品名「パークミルD」
(7)3M:1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、日油株式会社製、商品名「パーヘキサ3M」
(8)硫黄:粉末硫黄、鶴見化学工業株式会社製
(9)加硫促進剤:ノクセラーNS(大内新興化学工業株式会社製)(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
(10)シランカップリング剤(C):デグサ・ジャパン社製、商品名「Si69」
(11)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
(2)BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製、商品名「UBEPOL−BR130B」(シス1,4−結合含有量96%)
(3)NR:標準マレーシア産天然ゴム
(4)NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム、JSR株式会社製、商品名「N230SV」
(5)シリカ:湿式シリカ、東ソー・シリカ株式会社製、商品名「Nipsil AQ」
(6)DCP:ジクミルパーオキシド、日油株式会社製、商品名「パークミルD」
(7)3M:1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、日油株式会社製、商品名「パーヘキサ3M」
(8)硫黄:粉末硫黄、鶴見化学工業株式会社製
(9)加硫促進剤:ノクセラーNS(大内新興化学工業株式会社製)(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
(10)シランカップリング剤(C):デグサ・ジャパン社製、商品名「Si69」
(11)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
実施例1〜12のポリアミド積層体は、T剥離強度が比較例3、4よりも高い。また、破壊形態についても、実施例1〜12のポリアミド積層体では、ポリエーテルポリアミドエラストマー表層にゴム層が残る凝集破壊であったのに対し、比較例においては、サンプルの中で一部凝集破壊も見られるものの、その他は界面剥離又はゴム層の母材破壊であった。なお、比較例2は溶着強度は得られるものの、粘度が高すぎて成形性が非常に悪く、射出成形用材料としての実使用には適さない。
本発明のポリアミド積層体は、ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの強固な接着強度を有するため、タイヤ部材、各種振動吸収部材、ドアロック部材、エンジンマウント、ラジエターマウント等の自動車部品、スポーツシューズ、作業用靴、靴底等の靴用部品、防振ゴム等の各種産業用部材、さらにゴムだけでは強度が足りず大きな変形をしてしまう部分、例えば滑り止めのゴム、ゴムチューブ・スポーツ用品・電気製品のグリップ等の用途に好適に利用することができる。
Claims (11)
- 架橋ゴムとの積層体に用いるポリエーテルポリアミドエラストマーであって、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対し、シランカップリング剤を0.01〜7質量部含むことを特徴とするポリエーテルポリアミドエラストマー。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものである請求項1に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。] - ポリエーテルポリアミドエラストマーと架橋ゴムとの積層体であって、ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(X1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(X2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)を重合して得られるものであり、該ポリエーテルポリアミドエラストマー100質量部に対してシランカップリング剤を0.01〜7質量部含有することを特徴とするポリアミド積層体。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を示す。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を示し、mは0又は1である。] - アミノカルボン酸化合物(X1)、ラクタム化合物(X2)、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)、及びジカルボン酸化合物(Z)の総量に対する、アミノカルボン酸化合物(X1)及び/又はラクタム化合物(X2)の量が10〜95質量%である、請求項3に記載のポリアミド積層体。
- アミノカルボン酸化合物(X1)及び/又はラクタム化合物(X2)が15〜70質量%、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(Y)とジカルボン酸化合物(Z)との合計量が30〜85質量%である、請求項3又は4に記載のポリアミド積層体。
- 式(1)において、R1が炭素原子数2〜20のアルキレン基である、請求項3〜5のいずれかに記載のポリアミド積層体。
- 式(2)において、R2が炭素原子数3〜20のアルキレン基である、請求項3〜6のいずれかに記載のポリアミド積層体。
- 式(3)において、xが2〜6の範囲、yが6〜12の範囲、zが1〜5の範囲である、請求項3〜7のいずれかに記載のポリアミド積層体。
- 式(3)において、xが2〜10の範囲、yが13〜28の範囲、zが1〜9の範囲である、請求項3〜8のいずれかに記載のポリアミド積層体。
- 式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(Z)が脂肪族ジカルボン酸又は脂環族ジカルボン酸である、請求項3〜9のいずれかに記載のポリアミド積層体。
- 式(4)において、mが1で、R3が炭素原子数1〜20のアルキレン基である、請求項3〜10のいずれかに記載のポリアミド積層体。
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