JP6110373B2 - 熱安定化アクリレートエラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アミン硬化性エラストマー組成物、改良された熱老化性能を有する熱硬化性アクリレートエラストマー組成物の製造方法に、および熱硬化性エラストマー組成物から形成される物品を対象とする。
ポリアクリレートエラストマーは、アルキルアクリレートの重合によって形成される周知の合成ゴムである。ポリアクリレートエラストマーは、共重合アルキルアクリレート単位、たとえば、メチルアクリレートおよびブチルアクリレートの共重合単位のみを含有するポリアクリレートであってもよい。あるいは、それらは、エチレン、ならびにクロロビニルエーテル、カルボキシル基を含有するモノマー、および/またはエポキシド含有モノマーなどの硬化部位モノマーなどの、追加の共重合モノマーを含有するアルキルアクリレートコポリマーであってもよい。ゴムまたはゴム状物質としても知られる、原料ポリマーは、硬化部位モノマーに依存して、多種多様な硬化剤で硬化させられてもよい。幾つかのアクリレートエラストマーは、硫黄、硫黄供与体、第三級アミン、または第四級アミン塩と組み合わせて、ステアリン酸ナトリウムもしくはカリウムなどの金属石鹸で硬化させられてもよい。エポキシド、イソシアネート、およびポリオールがまた、ある種の場合には使用されてもよい。ポリアミン、特にジアミンは、アミン反応性硬化部位を含むポリアクリレート用の効果的な硬化剤である。これらの硬化剤の中で、ジアミンまたはジアミン発生剤が、生成した硬化ポリマーが改良された耐熱老化性を示すので多くの場合好ましい。それ故、ジアミン硬化性アクリレートエラストマーは、「高温」アクリレートエラストマーと呼ばれることもある。商業的に入手可能なアクリレートエラストマーの例としては、E.I.du Pont de Nemours and Companyによって製造されるVamac(登録商標)エチレンアクリルエラストマー、Zeon Chemicals L.P.によって製造される、HyTemp(登録商標)エラストマー、およびUnimatec Co.,Ltd.から入手可能なNoxtite(登録商標)ACMアクリルゴムが挙げられる。
それらの優れた耐油性を考慮して、ポリアクリレートエラストマーは、自動車ブーツ、点火ケーブル外被およびホースなどの、自動車部品の製造に幅広く使用されている。
耐熱老化性は、ボンネット下自動車用途に使用されるゴム部品、たとえば、ホース、ガスケット、およびシールにおける特に望ましい特性である。そのような部品は、定期的に数時間の期間180℃を超える温度に曝される可能性があるので、酸化脆化による物理的特性の劣化が起こり得る。アクリレートゴムにおいて、アクリレートゴム物品の伸展性の低下ならびに硬度および弾性率の増加が多くの場合生じる。そのような効果は、たとえば、Zeon Chemicals L.P.,HyTemp(登録商標)Technical Manual,Rev.2009−1,p.59−61(2009)に開示されている。ポリアクリレートゴムの耐熱老化性を高めるための方法は、モノマー比などのポリマー骨格中の共重合単位を含むモノマータイプの巧みな操作によってポリマーの酸化安定性を増加させようとする試みを伴ってきた。理論的には、そのような変更は、増加した安定性を示す変性ポリマー構造を提供することができる。より効果的な酸化防止剤がまた探し求められている。しかし、アクリレートエラストマーの耐熱性を向上させることが依然として必要とされている。
充填材の存在がアクリレートエラストマーの高温安定性に悪影響を及ぼし得ることは知られているが、エラストマー調合物(当該技術分野ではエラストマー配合物とも言われる)中の充填材の存在は一般に、硬化(すなわち、架橋)組成物および硬化組成物を含む物品における引張強度および弾性率などのある種の物理的特性の強化および発展のために必要である。カーボンブラックは、その優れた強化特性および低コストのために最も広く使用される充填材である。アクリレートエラストマーに一般に使用される充填材の他の例としては、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、カオリン粘土、およびシリカが挙げられる。すべてのこれらの充填材は、硬化アクリレートエラストマー組成物および物品の熱老化に悪影響を及ぼす。
充填材は、ポリマー−充填材界面への酸素の輸送を容易にすることによってポリアクリレートエラストマーの熱老化を加速すると仮定されている。これは、酸化反応によるそのような場所でのフリーラジカルの形成速度の増加につながる。このようにして発生したフリーラジカルは、架橋反応を促進し、それによってエラストマーの最終的脆化をもたらす。N330およびN550などのカーボンブラックの強化銘柄は、それらが空気を輸送し得る細孔を含有するので、酸素の輸送を容易にするのに特に効果的である。しかし、無孔充填材でさえも、固体充填材粒子とエラストマーとの間に界面領域を生み出す。少ないポリマー鎖がそのような界面領域に存在し、その結果として空気の拡散が高められ得る。こうして、空気へのエラストマーの暴露は、充填材を含まないポリアクリレートエラストマーと比較して充填ポリアクリレートエラストマーにおいてより大きいと考えられる。
充填材の強化力、たとえば、硬化アクリレートエラストマー組成物のShore A硬度を増加させる充填材の能力が増加するにつれて、熱風老化の有害効果に対するアクリレートエラストマーの抵抗を低くする当該充填材の傾向もまた増加する。そのような効果は、Noxtite ACM(basic)という表題の刊行物、2007年1月、pp.56−57にUnimatec Chemicals Germanyによって様々なカーボンブラック種類について開示されている。硬化した充填エラストマーにおける耐圧縮永久歪み性および引張破断伸びなどの良好な弾性特性の達成を可能にする、かつ、充填材強化(すなわち、高い引張強度、弾性率およびShore A硬度)の利点をさらに提供するが、高温(すなわち、160℃以上)で酸化劣化を促進しない代替充填材を利用可能にすることが望ましいであろう。
充填材としてのポリアミドの使用によって、優れた耐熱老化性を示す、高い硬度、強度、および弾性の硬化アクリレートエラストマー組成物を製造することが可能であることが今回見いだされた。
多数のアクリレートゴム−ポリアミドブレンド組成物が先行技術において開示されている。たとえば、未硬化アクリレートエラストマー(すなわち、ゴム)をポリアミドに加えて強靱化熱可塑性組成物を形成することは公知である。米国特許第4,174,358号明細書は、ポリアミドのための強靱化添加物として、様々な未硬化アクリレートエラストマーまたはエチレン/メチルアクリレート/モノエチルマレエート/エチレンジメタクリレートテトラポリマーもしくはエチレン/メチルアクリレート/モノエチルマレエートターポリマーのアイオノマーなどの、95モルパーセント以下のエチレンを含むエチレンベースの熱可塑性樹脂の使用を開示している。そのような組成物中のポリアミド成分は、連続ポリマーマトリックスを占め、未硬化アクリレートエラストマーは少ない添加物である。米国特許第5,070,145号明細書は、ポリアミドと、ジカルボン酸無水物および任意選択的にアルキル(メタ)アクリレートの共重合単位を含むエチレンコポリマーとの熱可塑性ブレンドを開示している。米国特許第7,544,757号明細書は、エチレン−アルキルアクリレートポリマーのブレンドが、強靱化ポリアミド組成物を製造するためにポリアミドに30重量%以下のレベルでブレンドされてもよいことを開示している。
未硬化エチレンアクリルエラストマー、ポリアミドおよび粉末金属のブレンドが特開2001−1191387号公報に開示されている。
米国特許第3,965,055号明細書は、ゴムと2重量%〜10重量%の結晶性繊維形成性熱可塑性樹脂とのブレンドから製造される加硫物であって、この熱可塑性樹脂が、2よりも大きい長さ対直径比で断面0.5ミクロン以下の粒子でのゴム成分中に分散されている加硫物を開示している。熱可塑性樹脂粒子の高いアスペクト比は、空隙形成なしに無加圧硬化を可能にする。
特開平10−251452号公報は、水素化ニトリルゴム(HNBR)マトリックス中のポリアミド粒子の分散系であって、エチレンコポリマーまたはアクリレートエラストマーであってもよい相溶化ポリマーがまた存在する分散系を開示している。相溶化ポリマーは、このアクリレートエラストマーが連続相を形成するのを防止するHNBRおよびポリアミドとの混合中に金属酸化物によってイオン架橋される。HNBR成分は次に、過酸化物でまたは硫黄で硬化させられる。
米国特許第6,133,375号明細書は、熱可塑性成分がゴム相に分散している官能化ゴムと熱可塑性樹脂とのブレンドを開示している。ゴム用の硬化剤の添加後に、組成物は、加硫品を製造するために架橋させられる。開示されている官能化ゴムの例としては、ニトリル−ブタジエンゴムなどのアクリルゴム、水素化ニトリル−ブタジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、およびカルボキシル化ニトリル−ブタジエンゴムなどの、反応基がグラフトされているゴムが挙げられる。開示されている熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエーテルまたはエステルブロックコポリマー、およびポリアミドとポリオレフィンとの混合物が挙げられる。後者の場合には、グラフトされたまたは共重合した無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、または(メタ)アクリル酸単位を含むエチレン−アルキルアクリレートコポリマーが、ポリアミド−ポリオレフィンブレンドを相溶化するために使用されてもよい。
米国特許第4,694,042号明細書は、ポリアミドと架橋エラストマーポリアクリレートコアシェルポリマーとの凝集性相を含有するエラストマー熱可塑性成形材料を開示している。
米国特許第4,275,180号明細書は、熱可塑性ポリマーのアクリレートゴムとのブレンドであって、放射線または過酸化物によって架橋させられるかまたは架橋可能であるブレンドを開示している。充填材は、組成物の40重量%以下の量で使用されてもよい。
米国特許出願公開第2006/0004147号明細書は、エラストマー、たとえば、アクリレートエラストマーの、ポリアミドなどの熱可塑性ポリマーとのブレンドであって、両ポリマーがフリーラジカルによって、たとえば、電子ビーム放射線によって結合させられ、架橋させられるブレンドを開示している。この組成物は、分散架橋エラストマー粒子とともに熱可塑性樹脂の連続相、または最初は熱可塑性であったものの分散架橋粒子とともに連続架橋エラストマー相を含んでもよい。
米国特許第8,142,316号明細書は、動力伝達ベルトでの使用のためのエラストマーと熱可塑性樹脂との硬化ブレンドを開示している。このエラストマーは、エチレンアクリルエラストマーであってもよく、この熱可塑性樹脂はポリアミドであってもよい。フリーラジカル硬化剤が硬化剤として開示されている。
ポリアミドマトリックス連続相および離散粒子の形態で存在する硬化アクリレートゴム相を有する動的硬化熱可塑性組成物を形成することもまた公知である。ポリアミドとイオン架橋エチレンアクリルゴムとのブレンドを含む熱可塑性エラストマー組成物が米国特許第4,310,638号明細書に開示されている。米国特許第5,591,798号明細書および同第5,777,033号明細書は、ポリアミド樹脂と共有結合架橋アクリレートゴムとのブレンドを含む熱可塑性エラストマー組成物を開示している。
米国特許第7,608,216号明細書および米国特許出願公開第2006/0100368号明細書は、未硬化の熱硬化性エラストマー、たとえば、アクリレートエラストマーを、熱可塑性ポリマーまたは別の未硬化(ゴム)エラストマーと混ぜることによって製造される組成物を開示している。分別硬化、部分動的加硫、または高性能強化充填材の使用などの技術が、未硬化または部分硬化配合物の生強度を増加させるために開示されている。混合組成物は、その後エラストマー成分用の硬化剤で架橋させられてもよい。
Zeon Chemicals L.P.,HyTemp(登録商標)Technical Manual,Rev.2009−1,p.46(2009)に開示されているポリアクリレートゴム−ポリアミドブレンド組成物は、プラスチックの衝撃強度を向上させると言われている。それらはまた、熱可塑性エラストマーを製造するために使用されてもよい。
意外にも、ポリアミド粒子の分散系が連続ポリアクリレートエラストマーマトリックス中の従来の微粒子強化材のすべてまたはかなりの部分と置き換わる場合に、得られた組成物は、アミン硬化システムで硬化させられるときに、熱老化中の物理的特性損失に対して高められた抵抗を示すことが今回見いだされた。さらに、そのような組成物は、従来の強化充填材を含有する組成物を特徴づける、優れた引張強度、弾性率、硬度、ならびに圧縮永久歪みおよび破断点伸びなどの弾性特性を維持する。
本発明は、
A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、Rは、HまたはC〜C10アルキルであり、Rは、C〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである)、および
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの0.3モルパーセント〜1.0モルパーセントの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
B.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって、
i)ポリマーブレンドがASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有し、ii)1つまたは複数のポリアミドがポリマーブレンド組成物中に不連続相として存在し、そしてiii)1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、ポリマーブレンド組成物中の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としているポリマーブレンド組成物
を含むポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を対象とする。
本発明はまた、
A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、Rは、HまたはC〜C10アルキルであり、Rは、C〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである)、および
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって;
ポリマーブレンド組成物の生強度がASTM D6746−10に従って測定される、約2MPa未満であり、そしてiii)1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、ポリマーブレンド組成物中の非晶質の1つまたは複数のアクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としている
ポリマーブレンド組成物と;
B.アミン硬化剤と
を含む硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を対象とする。
本発明はまた、
A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、Rは、HまたはC〜C10アルキルであり、Rは、C〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである);および
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって;
i)1つまたは複数のポリアミドがポリマーブレンド組成物中に不連続相として存在し、そしてii)1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、ポリマーブレンド組成物中の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としている
ポリマーブレンド組成物を提供する工程と;
B.ポリマーブレンド組成物を、1つまたは複数のポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で混合して1つまたは複数のポリアミドを1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマー内に分散させ、それによってポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と;
C.ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、1つまたは複数のポリアミドの結晶化ピーク温度よりも下の温度に冷却し、それによってi)連続非晶質アクリレートコポリマー相および不連続ポリアミド相を含み、そしてii)ASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有するポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と
を含む、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法を対象とする。
本発明はまた、上記方法によって製造されたポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を提供する工程と、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物にアミン硬化剤を加える工程とを含む硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法を対象とする。
本発明はさらに、
A.1.a.i)コポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、モノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、Rは、HまたはC〜C10アルキルであり、Rは、C〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである)、
およびii)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
b.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって、
1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、ポリマーブレンド中の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としている
ポリマーブレンド組成物を提供する工程と;
2.ポリマーブレンド組成物を、1つまたは複数のポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で混合して1つまたは複数のポリアミドを1つまたは複数のアクリレートコポリマー内に分散させ、それによってポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と;
3.ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、1つまたは複数のポリアミドの結晶化ピーク温度よりも下の温度に冷却し、それによってi)連続アクリレートコポリマーエラストマー相および不連続ポリアミド相を含み、そしてii)ASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有するポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と
を含む方法によって製造されたポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を提供する工程と;
B.冷却されたポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物にアミン硬化剤を加えて硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と;
C.硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を約2〜60分間約160℃〜約200℃温度に曝すことによって硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を硬化させて架橋アクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成する工程;および任意選択的に前記架橋組成物を約160℃〜約200℃の温度でのポスト硬化加熱に曝し、それによってASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定される、少なくとも40のShore A硬度を有するアクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成する工程と
を含むアクリレートコポリマーエラストマー組成物の製造方法を対象とする。
本発明はさらに、
A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、Rは、HまたはC〜C10アルキルであり、Rは、C〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである)、ならびに
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって、
i)1つまたは複数のポリアミドがポリマーブレンド組成物中に不連続相として存在し、ii)1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、ポリマーブレンド組成物中の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としており、そしてiii)ポリマーブレンド組成物が約2MPa未満の生強度を有する
ポリマーブレンド組成物と;
B.アミン硬化剤と;
C.強化充填材の不在を別にすれば同一組成のものである対照組成物のShore A硬度と比べて約20ポイント以下の硬化アクリレートコポリマー組成物のShore A硬度の増加をもたらす量で硬化性アクリレートコポリマー組成物中に存在する強化充填材と
から本質的になる硬化性アクリレートコポリマー組成物であって、i)硬化性アクリレートコポリマー組成物および対照組成物が、1mm〜2.5mm厚さの試験検体へ成形され、試験検体が少なくとも10MPaの圧力で密閉金型中で10分間175℃の温度への暴露によって硬化させられ、金型から外され、試験検体が、ポスト硬化試験検体を形成するために熱風炉中で4時間175℃の温度でのポスト硬化にかけられ、ii)ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物およびポスト硬化対照組成物のShore A硬度がASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定され、そしてiii)ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物が40よりも大きいShore A硬度を有する
硬化性アクリレートコポリマー組成物を対象とする。
本発明は、アミン硬化システムで硬化させられたときに、熱老化中の物理的特性損失に対する改良された耐性を示す、アクリレートコポリマーとポリアミドとのブレンドを含む組成物を対象とする。本発明はまた、アクリレートコポリマー/ポリアミドブレンド組成物の製造方法、硬化性アクリレートコポリマー/ポリアミドブレンド組成物の製造方法および硬化性アクリレートコポリマー/ポリアミドブレンド組成物からのエラストマーの製造方法を対象とする。
アクリレートコポリマーが連続相を形成し、そしてポリアミドが不連続相を形成するように、ポリアミド粒子が硬化性の非晶質アクリレートコポリマー(アクリレートコポリマーゴム状物質としても知られる)中のカーボンブラックおよび従来の強化無機充填材と大部分置き換わったときに、得られた組成物は、硬化させられたときに、物理的特性の意外な向上を示すことが見いだされた。すなわち、架橋または加硫とも一般に言われる、硬化プロセスは、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、カーボンブラックまたは他の強化充填材を含むアクリレートコポリマーエラストマーと比較して改良された耐熱老化性を示すアクリレートコポリマーエラストマー組成物に変換する。
用語「強化」は、同様に架橋した、しかし非充填のアクリレートコポリマーゴム状物質と比べて、硬化(すなわち、架橋)組成物の硬度および引張強度の増加を意味する。特に、40未満のShore A硬度(ASTM D2240−06、1秒読み取り)を有する架橋アクリレートコポリマーエラストマー組成物は、大多数のアクリレートコポリマーエラストマー用途にとってソフトすぎ、それ故不十分に強化されていると見なされてもよい。4MPa未満の引張強度(ASTM D412−06、ダイC)を有する架橋アクリレートコポリマー組成物は、大多数のアクリレートコポリマーエラストマー用途にとって弱すぎ、それ故不十分に強化されていると見なされてもよい。
本発明の一実施形態は、ポリマーブレンド組成物とアミン硬化剤とを含む硬化性アクリレートコポリマー組成物である。ポリマーブレンド組成物は、ASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有することで特徴づけられる。
ポリマーブレンド組成物は、2つのポリマー、アクリレートコポリマーおよびポリアミドを含む。ポリマーブレンドは本明細書では、ポリアミド充填アクリレートコポリマーと言われる。本発明の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物のアクリレートコポリマー成分は、1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーを含む。用語非晶質は、アクリレートコポリマーに関して本明細書で用いられるところでは、応力を受けない状態において室温で結晶性構造をほとんどまたはまったく示さないコポリマーを意味する。非晶質とは、アクリレートコポリマーがASTM D3418−08に従って測定される4J/g未満の融解熱を有することを意味する。用語「コポリマー」は本明細書で用いるところでは、2つ以上のコモノマーの共重合によって生じる共重合単位を含むポリマーを意味する。これに関連して、コポリマーは、その成分コモノマーにまたはその成分コモノマーの量に関して、たとえば、「エチレン、メチルアクリレートおよび3重量%のマレイン酸のモノエチルエステルを含むコポリマー」、または類似の記載で本明細書では記載されてもよい。そのような記載は、共重合単位としてのコモノマーに言及していないという点において;コポリマーについての従来の命名法、たとえば、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC))命名法を含まないという点において;それがプロダクト・バイ・プロセス専門用語を用いていないという点において;または別の理由から非公式と考えられてもよい。しかし、本明細書で用いるところでは、その成分コモノマーにまたはその成分コモノマーの量に関してのコポリマーの記載は、コポリマーが、述べられたコモノマーの共重合単位を(言及されるときには指定の量で)含有することを意味する。当然の帰結として、コポリマーは、そのようであると限定状況で明確に述べられない限り、特定の量で所与のコモノマーを含有する反応混合物の生成物ではないということになる。
本明細書に記載される本発明の実施に有用な非晶質アクリレートコポリマーは、a)プロペン酸の少なくとも1つのアルキルエステルおよび/またはアルコキシアルキルエステルとb)硬化部位モノマーとの共重合単位を含む。プロペン酸のそのような好適なアルキルおよびアルコキシアルキルエステルの例としては、アルキルアクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートならびにプロペン酸がC1〜C10アルキル基で置換されている化学種が挙げられる。そのような化学種の例としては、アルキルメタクリレート、アルキルエタクリレート、アルキルプロパクリレート、およびアルキルヘキサクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルエタクリレート、アルコキシアルキルプロパクリレートおよびアルコキシアルキルヘキサクリレートが挙げられる。さらに、プロペン酸エステルのアルキルエステル基は、シアノ基または1つまたは複数のフッ素原子で置換されていてもよい。すなわち、エステル基は、C1〜C12シアノアルキル基またはC1〜C12フルオロアルキル基であろう。アクリレートコポリマーはまた、アルキルエステルおよび/またはアルコキシアルキルエステルの2つ以上の化学種、たとえば、2つのアルキルアクリレートの共重合単位を含んでもよい。
プロペン酸および置換プロペン酸のアルキルおよびアルコキシアルキルエステルは好ましくは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のC〜C12アルキルエステルまたはアクリル酸もしくはメタクリル酸のC〜C20アルコキシアルキルエステルである。そのようなエステルの例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレートおよび3−エトキシプロピルアクリレートが挙げられる。C〜C12シアノアルキルおよびフルオロアルキル基を含有するエステルの例としては、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、1,1−ジヒドロパーフルオロエチルメタクリレート、1,1−ジヒドロパーフルオロエチルアクリレート、1,1−ジヒドロパーフルオロプロピルメタクリレート、1,1−ジヒドロパーフルオロプロピルアクリレート、ならびに1,1,5−トリヒドロパーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、および1,1,5−トリヒドロパーフルオロヘキシルメタクリレートが挙げられる。好ましくは、エステル基はC〜Cアルキル基を含むであろう。より好ましくは、エステル基はC〜Cアルキル基を含むであろう。特に有用なアルキルアクリレートエステルはメチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。特に有用なアルキルメタクリレートエステルはメチルメタクリレートである。エテニルアセテートまたは3−ブテニルアセテートなどの少量の不飽和アセテートが、本発明の範囲から逸脱することなく本ポリマーへ組み込まれてもよい。少量とは、アクリレートコポリマーの重量を基準として、1重量%未満を意味する。
アクリレートコポリマー中のコモノマー単位を構成するエステルは、式
Figure 0006110373
(式中、RはHまたはC〜C10アルキルであり、RはC〜C12アルキル、C〜C20アルコキシアルキル、C〜C12シアノアルキル、またはC〜C12フルオロアルキルである)
で一般に表されてもよい。
ある種の実施形態においては、アクリレートコポリマーは、2つ以上のアクリレートモノマー、たとえば、第1アルキルアクリレート、第2アルキルアクリレートおよび任意選択的に、1,4−ブテン二酸のモノアルキルエステルの共重合から誘導されてもよい。そのような組成物の例としては、メチルアクリレートとブチルアクリレートとのコポリマーおよびメチルアクリレートと、ブチルアクリレートと1,4−ブテン二酸のモノエチルエステルとのコポリマーが挙げられる。
これらのアクリレートコポリマー中に存在するプロペン酸エステルコモノマーの濃度は、コポリマーの重量を基準として、少なくとも50重量パーセントであろう。好ましくは、この濃度は少なくとも55重量パーセント、より好ましくは少なくとも60重量パーセントであろう。プロペン酸エステルの濃度が50重量%よりも下である場合には、たとえば、エチレンアクリレートエステルコポリマーであるポリマーでは、幾らかの結晶性が存在するであろう可能性が高い。アクリレートコポリマーにおける結晶性は、硬化組成物の弾性特性を減少させる。さらに、エチレンなどの、非極性モノマーの高い含有率は、アクリレートコポリマーのポリアミドとの相溶性を低下させ、それ故引張強度および引裂強度などの硬化組成物の物理的特性が影響を受けるであろう。
本発明の実施に有用なアクリレートコポリマーは、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポキシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される共重合硬化部位モノマー単位を含む。これらの硬化部位モノマー単位は、アミンおよび/または、カルバメートなどの、他の窒素含有化学種と反応する化学基(たとえば、カルボキシルおよびエポキシ基)を含有する。
不飽和カルボン酸としてはたとえば、アクリル酸およびメタクリル酸、1,4−ブテン二酸、シトラコン酸、ならびに1,4−ブテン二酸のモノアルキルエステルが挙げられる。1,4−ブテン二酸は、重合前に、シス−もしくはトランス−形または両方で、すなわち、マレイン酸もしくはフマル酸で存在してもよい。有用な共重合性硬化部位モノマーとしてはまた、不飽和カルボン酸の無水物、たとえば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、および無水イタコン酸が挙げられる。好ましい硬化部位モノマーとしては、マレイン酸およびその半酸エステル(モノエステル)またはジエステル、特にメチルまたはエチル半酸エステル(たとえば、モノエチルマレエート);フマル酸およびその半酸エステルまたはジエステル、特にメチル、エチルまたはブチル半酸エステル;ならびにイタコン酸のモノアルキルエステルおよびモノアリールアルキルエステルが挙げられる。これらの共重合硬化部位モノマーの存在は、硬化部位が約120℃未満の温度でゆっくりとアミンと反応するかまたはまったく反応しないが、より高い温度で速い架橋を依然として可能にすることを意味する、良好なスコーチ安全性を示す硬化性アクリレートコポリマー組成物を生成する。
有用な不飽和エポキシドの例としてはたとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル、および脂環式エポキシ含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
好ましくは、アクリレートコポリマーゴム状物質は、コポリマー中のモノマーの全モル数を基準として、少なくとも0.3モル%、より好ましくは少なくとも0.4モル%、最も好ましくは0.5モル%超のアミン反応基を有する硬化部位モノマー単位を含む。アクリレートコポリマー中の硬化部位レベルは、硬化およびポスト硬化プロセス中に架橋した網状構造を生成するのに十分でなければならないが、高レベルの硬化部位モノマーは、本発明の硬化組成物の熱硬化特性に悪影響を及ぼす傾向がある。好ましくは、アクリレートコポリマーは、1.4モル%未満、より好ましくは1.2モル%未満、最も好ましくは1.0モル%未満の硬化部位を含む。多くの実施形態について好ましい範囲は0.3モル%〜1.0モル%の硬化部位モノマー単位である。2つ以上のアクリレートコポリマーが、本発明のポリアミド充填組成物のアクリレートコポリマー成分中に存在するとき、約0.3〜1.0モル%のアミン反応性硬化部位の範囲が、個々のアクリレートコポリマー中のモルパーセント硬化部位の重量平均に適用される。これは、2つ以上のアクリレートコポリマーが存在するときには、硬化部位モノマーの他のモル%範囲に適用される。
多くの実施形態においては、本発明の実施に有用なアクリレートコポリマーはまた、追加のコモノマー、たとえば、エチレンおよび/またはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの他のオレフィンの共重合単位を含むであろう。このオレフィンは、アクリレートコポリマーの重量を基準として、50重量%未満、より好ましくは45重量%未満、最も好ましくは約40重量%以下の濃度で存在するであろう。アミン加硫性基を有するエチレンアルキルアクリレートコポリマーゴムは、本明細書に記載される組成物および方法での使用のための特に好適なアクリレートコポリマーである。そのようなゴムの例は、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な、Vamac(登録商標)エチレンアクリルエラストマーである。
本発明の実施に有用なアクリレートコポリマーは、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸無水物および/またはカルボン酸エステル部分を含有する共重合モノマー単位がポリマー鎖骨格中に存在するために、硬化性である、すなわち、架橋性である。そのような化学基は、芳香族または脂肪族ポリアミン、好ましくはジアミンの存在下で熱的に誘導される化学反応に関与することができる。
本発明の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を製造するために使用される非晶質アクリレートコポリマーは硬化性ゴムであり、すなわち、それらは、実質的に未硬化のゴムであり、ポリアミドとブレンドした後に一般にアミンおよびある種の他の窒素含有反応剤による、架橋に向けての反応性を保持している。実質的に未硬化のとは、ブレンドされていない非晶質アクリレートコポリマーが、成形または押出によって完成品へ造形されるのに十分に低い粘度を有することを意味する。好ましくは、本アクリレートコポリマーのMooney粘度(ASTM D1646、100℃でのML 1+4)は120未満、より好ましくは80未満、最も好ましくは40未満である。架橋に向けての反応性を保持するとは、成形品または押出品の製造を意図される硬化性組成物(すなわち、アクリレートコポリマー、ポリアミド、硬化剤および任意選択的に従来の充填材を含む組成物)が、177℃、24分間の条件でASTM D5289−07aによってローターなし硬化計で試験されるときに少なくとも2.5dN−m、より好ましくは少なくとも4dN−m、最も好ましくは5.5mN−m超のトルクの増加(MH−ML)を示すことを意味する。本アクリレートコポリマーは、結晶性熱可塑性樹脂よりもむしろ、非晶質ポリマーである。すなわち、本アクリレートコポリマーの融解熱は一般に、ASTM D3418−08によって測定される4J/g未満、好ましくは2J/g未満、最も好ましくは約0J/gであろう。
このタイプのアクリレートコポリマーは、たとえば、米国特許第3,904,588号明細書、同第4,520,183号明細書、同第6,156,849号明細書、および同第7,402,631号明細書に記載されている手順に従って製造されてもよい。
本明細書に記載される硬化性アクリレートコポリマー組成物の一成分を含むポリマーブレンド組成物は、ASTM D3418−08に従って測定される少なくとも約160℃、好ましくは270℃未満の溶融ピーク温度を有する1つまたは複数のポリアミドを含む。好ましくはポリアミドは、アクリレートエラストマーの硬化温度で固体であり、硬化温度が溶融ピーク温度未満であることを意味する。理論に制約されることなく、ポリアミドが硬化温度で固体ではないとき、硬化剤はポリアミド中へ容易に拡散し、ブレンドが硬化するのを困難にする。ポリアミド樹脂は、当該技術分野において周知であり、少なくとも5,000の重量平均分子量を有するそれらの半結晶性樹脂を包含し、ナイロンと一般に言われるそれらの組成物を含む。このように、本発明の実施に有用なポリアミド成分としては、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン6/6、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12、芳香族モノマーを含むポリアミド、およびコポリ(アミド−エーテル)またはコポリ(アミド−エステル)などのポリアミドブロックコポリマーなどのポリアミドおよびポリアミド樹脂が挙げられる。樹脂は、ナノ粒子などの、任意の形状またはサイズのペレットおよび粒子などの、任意の物理的形状であってもよい。
ポリアミド樹脂の粘度は、本発明の目標を満たしながら広く変わることができる。ポリアミドがアクリレートエラストマーの連続相内に分散された状態になることを確実にするために、ポリアミドは、25℃の試験温度で96重量%硫酸を溶媒として使用して、ASTM D2857−95に従って測定される、0.9dL/gよりも大きい、より好ましくは1.1dL/gよりも大きい、最も好ましくは1.3dL/gよりも大きい固有粘度を有することが望ましい。
一般に、アクリレートコポリマーブレンド中のポリアミドの濃度が増加するにつれて、より高い固有粘度のポリアミドの使用がより望ましくなる。ある種の実施形態においては、約60ミリ当量/Kg以上の、高含有率のアミン末端基のポリアミドが望ましいものであり得、かつ約0.89dL/gの固有粘度の低粘度ポリアミドの使用を可能にする。そのような高アミン末端基含有率は、ポリアミドをアクリレートゴム中に分散させるのに役立ち得るアクリレートゴムの硬化部位とポリアミドアミン末端基との間のグラフト反応をもたらす。しかし、幾つかの場合には、そのような高アミン含有率ポリアミドの使用は、ポリアミドとの溶融混合中にアクリレートゴムのゲル化をもたらし、その後の処理をより困難にし得る。アクリレートエラストマーのゲル化は、アクリレートコポリマー中のポリアミドの濃度が増加するにつれてより問題となる。
ポリアミド樹脂は、ジアミンが4〜14個の炭素原子を含有する、等モル量の、4〜12個の炭素原子を含有する飽和ジカルボン酸とジアミンとの縮重合によって製造することができる。アクリレートゴムとナイロンとの間の接着を促進するために、好ましくはポリアミドは、幾らかのアミン末端基を含有するであろう。二酸とジアミンとから重合されたポリアミド型は、2つのアミン基を有する幾らかの分子を含有し得る。そのような場合には、ポリアミドとアクリレートゴムとのある種の組み合わせは、押出加工性が危うくなった組成物を生成するようにわずかに架橋またはゲル化し得る。ナイロン6などの開環重合反応によって製造されるポリアミド型、またはナイロン7もしくは11などのアミノカルボン酸を専らベースとするものは、それらがアクリレートゴムとのブレンディング中に架橋する可能性を回避するので最も好ましい。そのようなポリアミド型は、それぞれ最大でも1つのアミノ基を持った分子を含有する。
ポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(66ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラアミド(69ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(610ナイロン)およびポリヘキサメチレンドデカノアミド(612ナイロン)、ラクタムの開環によって製造されるポリアミド、すなわち、ポリカプロラクタム、ポリラウリックラクタム、ポリ−11−アミノウンデカン酸、およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミドが挙げられる。上のポリマーの2つの共重合または上のポリマーもしくはそれらの成分の三元重合によって製造されたポリアミド、たとえば、アジピン酸イソフタル酸ヘキサメチレンジアミンコポリマーを使用することもまた可能である。
典型的には、ポリアミドは、1つまたは複数のジカルボン酸および1つまたは複数のジアミン、および/または1つまたは複数のアミノカルボン酸の縮合生成物、および/または1つまたは複数の環状ラクタムの開環重合生成物である。ポリアミドは、完全に脂肪族であっても半芳香族であってもよい。
本発明の実施に有用な完全に脂肪族のポリアミドは、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸、およびそれらの反応性等価物などの脂肪族および脂環式モノマーから形成される。好適なアミノカルボン酸は11−アミノドデカン酸である。好適なラクタムはカプロラクタムおよびラウロラクタムである。本発明との関連で、用語「完全に脂肪族のポリアミド」はまた、2つ以上のそのようなモノマーから誘導されるコポリマーおよび2つ以上の完全に脂肪族のポリアミドのブレンドを意味する。線状、分岐、および環状モノマーが使用されてもよい。
完全に脂肪族のポリアミドに含まれるカルボン酸モノマーとしては、たとえば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、およびペンタデカン二酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられるが、それらに限定されない。ジアミンは、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタ−キシリレンジアミン、および/またはそれらの混合物などの、しかしそれらに限定されない、4個またはそれ以上の炭素原子を有するジアミンから選ぶことができる。
半芳香族ポリアミドもまた、本発明での使用に好適である。そのようなポリアミドは、芳香族基を含有するモノマーから形成されるホモポリマー、ダイポリマー、テルポリマーまたはより高次のポリマーである。1つまたは複数の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸またはテレフタル酸の、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸およびナフタル酸などの、1つまたは複数の他のカルボン酸との混合物であってもよい。さらに、1つまたは複数の芳香族カルボン酸は、1つまたは複数の脂肪族ジカルボン酸と混合されてもよい。あるいは、メタ−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンを、半芳香族ポリアミドを提供するために使用することができ、その例は、メタ−キシリレンジアミンとアジピン酸とを含むホモポリマーである。
ブロックコポリ(アミド)コポリマーもまた、ポリアミドブロックの溶融ピーク温度が少なくとも160℃であるという条件で、ポリアミド成分としての使用に好適である。低軟化点材料がブロックコポリ(アミド)コポリマー、たとえば、ポリエーテルオリゴマーまたはポリアルキレンエーテル、たとえば、ポリ(エチレンオキシド)を含む場合、ブロックポリマーはコポリ(アミド−エーテル)であろう。ブロックコポリ(アミド)コポリマーの低軟化点材料がエステル、たとえば、ポリカプロラクトンなどのポリラクトンを含む場合、ブロックコポリマーはコポリ(アミド−エステル)であろう。任意のそのような低軟化点材料は、ブロックコポリ(アミド)コポリマーを形成するために使用されてもよい。任意選択的に、ブロックコポリ(アミド)コポリマーのより低い軟化点の材料は、混合物、たとえば、上述のより低い軟化点の材料のいずれかの混合物を含んでもよい。さらに、より低い軟化点の材料の前記混合物は、ランダムもしくはブロック配置で、またはそれらの混合物として存在してもよい。好ましくは、ブロックコポリ(アミド)コポリマーは、ブロックコポリ(アミド−エステル)、ブロックコポリ(アミド−エーテル)、またはそれらの混合物である。より好ましくは、ブロックコポリ(アミド)コポリマーは、少なくとも1つのブロックコポリ(アミド−エーテル)またはそれらの混合物である。好適な商業的に入手可能な熱可塑性コポリ(アミド−エーテル)としては、PEBAX(登録商標)4033および6333を含む、Elf−Atochem製のPEBAX(登録商標)ポリエーテルブロックアミドが挙げられる。最も好ましくは、ポリアミドは、ブロックコポリ(アミド−エーテル)またはブロックコポリ(アミド−エステル)以外である。他のポリアミドは、一般により高い溶融ピーク温度を有し、アクリレートエラストマーを強化するのにより効果的である。ポリ(アミド−エーテル)はまた、ポリエーテルブロックを欠く通常のポリアミドと比べてより乏しい熱風老化を示す。
好ましいポリアミドはホモポリマーまたはコポリマーであり、ここで、用語コポリマーは、2つ以上のアミドおよび/またはジアミド分子繰り返し単位を有するポリアミドを意味する。
ポリアミド成分は、少なくとも約160℃、しかし約210℃未満の溶融ピーク温度を有し、そして脂肪族もしくは半芳香族ポリアミド、たとえば、ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)、およびポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)を含むグループIポリアミド;少なくとも約210℃の溶融ピーク温度を有し、そしてポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、およびポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含むグループ(II)ポリアミド;少なくとも約210℃の溶融ピーク温度を有し、そして(i)8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する約20〜約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位と;6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;ならびに4〜20個の炭素原子を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する約65〜約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位とを含むグループ(III)ポリアミド;8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する約50〜約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位と;6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;ならびに4〜20個の炭素原子を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する約5〜約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位とを含むグループ(IV)ポリアミド;少なくとも約260℃の溶融ピーク温度を有し、8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する95モルパーセントよりも大きい半芳香族繰り返し単位と;6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;ならびに4〜20個の炭素原子を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーに由来する5モルパーセント未満の脂肪族繰り返し単位とを含むグループ(V)ポリアミドから選択される1つまたは複数のポリアミドを含んでもよい。ポリアミドはまた、2つ以上のポリアミドのブレンドであってもよい。
好ましいポリアミドとしては、ナイロン6、6/6、ならびに約270℃未満の溶融ピーク温度および60ミリ当量以下のアミン末端基濃度を有するグループIVポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、本硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマーのための用途の範囲を制限しないように十分に高い、しかしブレンドの製造がアクリレートコポリマーの有意の劣化を引き起こすほどに高くない溶融ピーク温度を有する。開環またはアミノカルボン酸の縮合によって形成されるポリアミドもまた好ましい。
本発明での使用に好適なポリアミドは、広く商業的に入手可能であり、たとえば、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware,USAから入手可能な、Zytel(登録商標)樹脂、Lanxess,Germanyから入手可能な、Durethan(登録商標)樹脂、およびBASF,USAから入手可能なUltramid(登録商標)樹脂である。
好ましくは、本充填アクリレートコポリマー組成物のポリアミド成分は、おおよそ球形粒子の形態でアクリレートコポリマー中に存在する。硬化組成物の引張強度は、粒子のほとんどが直径約1マイクロメートル以下であるときに最適になるが、粒子のサイズは比較的重要ではない。そのような組成物は、従来技術を用いて混合して、成形しておよび/または押し出して、多種多様なエラストマー物品を形成するために従来の硬化システムで架橋されてもよい硬化性組成物を製造することができる。
本発明の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の成分であるポリマーブレンド組成物は、アクリレートコポリマーおよびポリアミド成分の総重量を基準として、40〜90重量パーセントの本明細書に記載される非晶質アクリレートコポリマー成分と10〜60重量パーセントの本明細書に記載されるポリアミド成分とを含む。非晶質アクリレートコポリマー成分は、本発明の実施での使用に好適であると本明細書に記載されるタイプの1つまたは2つ以上のアクリレートコポリマーで構成されてもよい。同様に、ポリアミド成分は、本発明の実施での使用に好適であると本明細書に記載されるタイプの1つまたは2つ以上のポリアミドで構成されてもよい。好ましくは、硬化性組成物は、アクリレートコポリマーおよびポリアミド成分の総重量を基準として、50〜80重量パーセントのアクリレートコポリマー成分と20〜50重量パーセントのポリアミド成分とを含むであろう。より好ましくは、硬化性組成物は、アクリレートコポリマーおよびポリアミド成分の総重量を基準として、55〜70重量パーセントのアクリレートコポリマー成分と30〜45重量パーセントのポリアミド成分とを含むであろう。これらの比は、強化充填材が硬化組成物の硬度をさらに高めるためにほとんどまたはまったく必要とされないような十分なShore A硬度をそれから製造された硬化品が示すようなポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を提供する。さらに、ポリマーブレンドは、ASTM D6746−10に従って測定される、約2MPa未満の生強度を示し、硬化性組成鬱を形成するために硬化剤と配合されたときに良好な硬化応答、0.5°アークでおよび177℃、24分間の試験条件で動作するAlpha Technologies製のMDR 2000を用いてASTM D5289−07aに従って測定される、好ましくは少なくとも2.5dN−m、より好ましくは少なくとも4dN−mを有し、ここで、MLは、測定される最小トルク値を意味し、MHは、MLの測定後に達成される最大トルク値を意味する。
硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物のポリマーブレンド成分は、ポリアミド成分を、アクリレートコポリマーの動的硬化を生み出さない条件下に、ポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度でアクリレートコポリマー成分に混ぜ込み、引き続きこうして生成したポリマーブレンドを、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成するために冷却することによって形成されてもよい。すなわち、アミン硬化剤は、ポリアミド成分とアクリレートコポリマー成分とが混合されているときに存在しないであろう。これは、指定される混合温度が、アクリレートコポリマーの架橋および/またはゲル化が起こるであろう温度よりも上であるからである。
アクリレートコポリマー成分とポリアミド成分とを混合することによって形成された組成物の冷却は、ポリアミドが固体になり、それ故、その後の混合時に、たとえば、硬化性組成物を形成するためにアミン硬化剤と混合されたときに、合体して連続相を形成することができないようにポリアミド領域を結晶化させるのに役立つ。それよりも下にブレンドが冷却されなければならない温度は、ASTM D3418−08に従って結晶化ピーク温度を測定することによって決定することができる。ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物は、複数の結晶化ピーク温度を示す可能性がある。そのような場合には、最低の結晶化ピーク温度は、ブレンドがポリアミド成分を完全に凝固されるためにそれよりも下に冷却されなければならない温度と取られる。一般に、ブレンドは、本発明の実施に有用なポリアミドを凝固させるのに十分である、40℃以下に冷却されるであろう。
本明細書に記載される硬化性アクリレートコポリマー組成物はまた、アミン硬化剤を含む。好ましくはアミン硬化剤は、ジアミン硬化剤または、ジアミンを発生させるジアミンカルバメートなどの、ある種の他の窒素含有硬化剤である。硬化剤は典型的には、アクリレートコポリマーの百部当たり0.1〜10部、好ましくは0.3〜2部、より好ましくは0.4〜1部の量で存在するであろう。
好適な芳香族アミンの例としては、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、およびフェニレンジアミンが挙げられる。好適な脂肪族アミンおよび他の硬化剤の例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−シンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、シクロヘキサンジアミン、プロピレンジアミンおよびブチレンジアミンが挙げられる。
硬化性アクリレートコポリマー組成物において、ポリアミン硬化剤中の第一級アミン基対ポリマー中のカルボン酸またはカルボン酸無水物またはエポキシ硬化部位モノマー残基の好ましいモル比は、0.2〜2.0の範囲に、より好ましくは0.5〜1.5の範囲に、最も好ましくは0.75〜1.0の範囲にある。
ポリアミド強化アクリレートコポリマー組成物への硬化剤の添加は望ましくは、硬化剤の分解温度よりも下、および架橋反応がアクリレートコポリマーのカルボキシル、酸無水物またはエポキシ基と起こる温度よりも下の温度で行われるであろう。一般に、この添加は、140℃よりも下の温度で、好ましくは120℃以下の温度で行われるであろう。硬化剤の添加は、着色剤、通常のカーボンブラックもしくは鉱物強化剤、酸化防止剤、加工助剤、充填材および可塑剤などの、任意選択の加工原料の添加と同時に行われてもよいし、またはそれは、他の原料の添加とは別個の操作であってもよい。この添加は、2ロールゴムミルで、またはBanbury(登録商標)内部ミキサー、Haake Rheocord(登録商標)ミキサー、Brabender Plastograph(登録商標)ミキサー、Farrel Continuous Mixers(連続ミキサー)、または単軸および二軸スクリュー押出機などの、ゴム状物質組成物を配合するために好適な内部ミキサーを用いることによって行われてもよい。
硬化促進剤は、ある種の実施形態において有用である添加剤の例である。すなわち、アミン硬化の速度は、当該技術分野において一般に知られているような塩基性加硫硬化促進剤の存在によって増加させられてもよい。硬化促進剤は、グアニジン、アリールグアニジン、アルキルグアニジン、アミジン、それらの混合物および塩、または米国特許第3,883,472号明細書に開示されているような他の材料であってもよい。代表的な硬化促進剤としては、テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジ−オルトトリルグアニジンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−エン(DBU)が挙げられる。グアニジンまたはアミジン型硬化促進剤の濃度は一般に、アクリレートコポリマーの0.5〜5phr、好ましくは1〜3phrの範囲にある。好ましい硬化促進剤は、それらの低い毒性および良好な硬化促進のためにDBUおよび有機酸のDBU塩である。
たとえば、典型的な硬化プロセスは、他の原料と一緒に、アクリレートコポリマーエラストマーの100部を基準として1.0phrのヘキサメチレンジアミンカルバメートおよび1phrのDBU塩を利用してもよいであろう。ロールミルでブレンドした後に、少なくとも10MPaの圧力で175℃で10分の硬化工程が実行されてもよい。
最適の耐熱老化性を達成するために、酸化防止剤が硬化前に硬化性アクリレートコポリマー組成物に望ましくは添加される。有用な酸化防止剤としては、アリールアミン、フェノール類、イミダゾール類、およびホスファイトが挙げられるが、それらに限定されない。したがって、ある実施形態においては、酸化防止剤は、リンエステル酸化防止剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、アミン酸化防止剤、またはこれらの化合物の2つ以上の混合物であろう。組成物中の酸化防止剤化合物の割合は典型的には、0.1〜5phr、好ましくは約0.5〜2.5phrである。混合物中のフェノール系またはアミン酸化防止剤対リン化合物の重量比は、約0.5〜3であり、好ましくはこの比は約1である。
有用な酸化防止剤であり得るアリールアミン例としては、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジフェニルアミンおよびアルキル化ジフェニルアミン、(スコーチ抑制剤としても働く)4−アミノジフェニルアミン、ならびにN−フェニル−N’−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジアミンが挙げられる。フェノール系酸化防止剤の例としては、4,4’−ブチレンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、および4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。ホスファイト酸化防止剤の例としては、トリフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイトが挙げられる。イミダゾール酸化防止剤の例としては、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、および2−メルカプトベンズイミダゾールが挙げられる。酸化防止剤の組み合わせは、配合物中のアクリレートコポリマーゴムの100部を基準として一般に0.5〜5phrのレベルで、使用されてもよい。
好適なヒンダードフェノール酸化防止剤、たとえば、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾールおよび4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)であり得る。
好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)か4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンかのどちらかと混合されたトリ(混合モノ−およびジノニルフェニル)ホスフェートを含有する。好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを含有する(Chemtura Corp.からNaugard(登録商標)445として商業的に入手可能な)。特に好ましい酸化防止剤組成物は、アクリレートコポリマー(すなわち、アクリレートゴム)成分を基準として約2phr(百部ゴム当たりの部)以下のレベルで、4−アミノジフェニルアミンを含む。酸化防止剤は、アクリレートゴムがポリアミドと溶融混合されている間に、またはブレンドが冷却されてしまった後に添加されてもよい。
本発明の組成物はまた追加のポリマーを含んでもよい、ただし、そのようなポリマーの添加がポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で起こったときに、そのようなポリマーの存在が、結果として生じるポリアミド充填アクリレート組成物の生強度を約2MPaよりも上に増加させない。たとえば、本発明のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物は、ポリアミドの溶融ピーク温度よりも上か下かのどちらかで、任意の混合プロセスによって本発明組成物のポリアミド含有率を下げるためにアクリレートコポリマーとブレンドされてもよい。このブレンディングプロセスのために使用されるアクリレートコポリマーは、本発明組成物のそれと同じものであってもそれとは異なるものであってもよく、充填材、硬化剤、または他の原料をさらに含んでもよい。好ましくは、そのような希釈は、ポリアミドの溶融ピーク温度のそれよりも下、そして硬化剤が存在する場合には、硬化を開始させるために必要な温度よりも下の温度で起こる。
さらに、硬化性アクリレートコポリマー組成物は任意選択的に、可塑剤、加工助剤、ワックス、顔料、および着色剤などの追加の成分を含んでもよい。そのような任意選択の成分は一般に、アクリレートゴムの重量を基準として、約0.1phr〜約30phrの量で存在するであろう。そのような任意選択の成分の添加は、ポリアミド/アクリレートコポリマーブレンドの製造中にかまたは硬化剤とコポリマーブレンドとの混合時に行われてもよい。
一般に、アクリレートコポリマーゴムとポリアミドとを混合することによって生じる組成物は、離散した、不連続ポリアミド粒子が連続の非晶質アクリレートコポリマーマトリックス内に存在するものから、高アスペクト比ポリアミド「スレッド」が存在する組成物まで、共連続構造体を含む組成物まで、離散したアクリレートコポリマー領域をポリアミドの連続相内に含む組成物までの範囲の、広範囲のブレンドモルフォロジを含んでもよい。これらの組成物のほとんどは、ブレンドが非常に高いMooney粘度、すなわち、約120よりも大きいMooney粘度ML 1+4、100℃、および/または低い引張破断伸び、および高い圧縮永久歪みなどの乏しい弾性特性を有するので、本発明での使用に不適当であるモルフォロジを有する。しかし、成分の比が本明細書に記載されるように選ばれる場合には、約120のML 1+4、100℃よりも下のMooney粘度および良好な弾性特性を有するポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を製造することができる。本発明のそのようなポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物および本発明の方法での使用に好適なものは、ASTM D6746−10に従った測定によって測定される、約2MPa未満の生強度を有することで特徴づけられる。得られた組成物は、良好な加工性および弾性特性を有する。約2MPa未満の生強度値は、本発明の組成物の基本特性であり、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物中の連続アクリレートコポリマー相および不連続ポリアミド相の存在の確証である。「不連続ポリアミド相」とは、ポリアミドが分散粒子として本発明のポリマーブレンド組成物中か、または連続の非晶質アクリレートコポリマーマトリックスによって取り囲まれた領域中に存在することを意味する。一般に、ポリアミド領域は、連続の非晶質アクリレートコポリマーマトリックス内で互いに完全に分離されているであろう。しかし、ある種の場合には、ポリアミド領域が凝集しているかまたは互いに連結している、ポリマーブレンド組成物中の小百分率、約5%未満の局部的な部位が存在してもよい。約2MPa未満の生強度を有するそのようなポリマーブレンド組成物は、本発明の目的のための不連続ポリアミド相を含むと考えられる。好ましくは、ポリアミド充填アクリレートコポリマーの生強度は約1MPAよりも下であろう。
2MPaよりも大きい生強度は、ブレンドが、硬化後に高いMooney粘度、乏しい押出加工性、または乏しい弾性特性を有することを示唆する。これらの欠陥は、ブレンドのポリアミド相が連続であるかもしくはアクリレートコポリマーと共連続であるからか、またはポリアミドの末端基が、アクリレートポリマーがゲル化する程度にアクリレートコポリマーの硬化部位と反応してしまうからか、あるいはこの2つの任意の組み合わせから生じ得る。
別の実施形態においては、本発明は、アミン硬化剤が、硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を提供するためにその後加えられてもよいアクリレートコポリマー組成物の製造方法を対象とする。本方法は、本明細書に記載されるような40〜90重量%の非晶質アクリレートコポリマーと、ASTM D3418−08に従って測定される少なくとも約160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%のポリアミドとを含むポリマーブレンド組成物であって、非晶質アクリレートコポリマーおよびポリアミドの重量百分率が、非晶質アクリレートコポリマーおよびポリアミドの総重量を基準とするポリマーブレンド組成物を提供する第1工程を含む。第2工程においては、ポリマーブレンド組成物は、ポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で混合され、それによってポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する。ポリアミドの結晶化ピーク温度未満の温度に冷却された後に、得られたポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物は、連続アクリレートコポリマー相および不連続ポリアミド相を含み、ASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有する。冷却は一般に好ましくは、40℃未満の温度にである。約140℃よりも下の混合温度での組成物へのアミン硬化剤の添加は、硬化性組成物を提供する。
本発明の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の硬化または架橋(加硫とも言われる)は、任意の任意選択の原料(すなわち、硬化性化合物)を含有する、硬化性組成物を、アクリレートコポリマーを架橋させるのに十分な時間高温および高圧に曝すことを典型的には含む。そのような操作は一般に、硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、プレス機中の加熱されている金型へ入れることによって行われる(多くの場合プレス硬化と言われる)。あるいは、硬化性組成物は、様々な形状へ押し出されてもよい。そのような押出形材または部品は多くの場合、加圧オートクレーブで硬化させられる。プレス硬化またはオートクレーブサイクルが完了した後に、この初期硬化に、アクリレートコポリマーをさらに硬化させるための周囲圧力での任意選択のポスト硬化加熱サイクルが続いてもよい。たとえば、加硫物が形成され、約160℃〜約200℃で約2〜60分間、通常のプレス硬化手順を用いて硬化させられてもよい。ポスト硬化加熱は、約160℃〜約200℃で1〜数時間行われてもよい。いったん架橋すると、本明細書に記載される組成物は熱可塑性ではなく、熱硬化性である。好適な硬化条件は、特定の硬化性配合処方に依存するだろうし、当業者に公知である。
本発明のさらなる実施形態は、ポリアミド充填材に加えて従来の強化充填材を含む硬化性アクリレートコポリマーに関する。そのような強化充填材は当業者に公知であり、カーボンブラック、非晶質の沈澱シリカおよびヒュームドシリカ、珪藻土などの結晶性シリカ、カオリン、ベントナイト、ラポナイト、およびモンモリロナイトなどの粘土、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩鉱物、二酸化チタン、ウォラストナイト、酸化アンチモン、水和アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ならびにこれらの充填材の混合物を含む。充填材は任意選択的に、アクリレートコポリマー中の分散かアクリレートコポリマーへの接着かのどちらかを向上させるために公知の方法によって有機化合物を使用して変性されてもよい。そのような方法は、充填材をオルガノシランまたは第四級アンモニウム化合物で処理する工程を含む。従来の強化充填材は最も好ましくは、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の混合温度で、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造後に添加される。この方法は、充填材がアクリレートコポリマー相中に存在することを確実にする。
本明細書に記載されているように、本発明のポリアミド充填組成物が、強化充填材のみが存在する類似の組成物と比較して改良された耐熱性を有することは、本発明のポリアミド充填組成物の基本特性である。強化充填材の存在は一般に耐熱性に有害であるが、ある種の場合には、良好な耐熱性を有する硬化アクリレートコポリマーが、ポリアミド充填材と1つまたは複数の強化充填材との特定のブレンドが存在するときに形成され得ることが分かった。そのような強化組成物は、a)重量百分率がアクリレートコポリマーおよびポリアミドの総重量を基準とする、i)40〜90重量%の本明細書に記載されるような非晶質アクリレーコリマーを含むポリマーブレンド組成物と、ii)10〜60重量%の少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有するポリアミドとを含むポリマーブレンド組成物と、b)アミン硬化剤と、c)強化充填材とから本質的になる。存在する強化充填材の量は、硬化ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物のShore A硬度の過度の増加をもたらさない量である。強化充填材の適切な量は、次の方法によって容易に決定され得る。強化充填材の存在の点でのみ異なる、2つの硬化性アクリレートコポリマー配合物が製造される。一配合物は強化充填材をまったく含まないが、他は、ある量の強化充填材を含む。2つの配合物は、厚さ1〜2.5mmの試験検体を形成するために密閉金型中で少なくとも10MPaの圧力で10分間の175℃の温度への暴露、引き続き、熱風炉中で4時間の175℃の温度への未成形の硬化組成物の暴露によって硬化させられる。成形され、そしてポスト硬化させられた試料のShore A硬度が、ASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って21〜25℃の試験温度で測定される。充填試料のShore A硬度から非充填試料のそれを差し引くと、充填試料の充填材含量に起因するShore A硬度増加が明らかになる。存在する任意の非ポリアミド強化充填材含量が、前記の方法によって測定される約20ポイント以下のShore A硬度の増加をもたらすポリアミド充填アクリレートコポリマーを含む硬化性配合物は、本発明の組成物の特徴である耐熱性を有するであろう。
本明細書に記載されるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物から製造される加硫物は、190℃で2〜3週間の熱老化後の引張破断点伸びの低下量の減少および熱老化の結果としてのShore A硬度の増加の減少によって証明されるように、熱老化中に異常にも良好な耐脆化性を示す。さらに、これらの利点は、耐圧縮永久歪み性を犠牲にすることなく獲得される。ほとんどの場合に、本発明は、従来の配合物において用いられるものと類似の硬化剤レベルが利用されるときに、向上した耐圧縮永久歪み性を有する硬化組成物を提供する。たとえば、非常に低いレベルの共重合エチレン単位(2重量%以下)を含むアクリレートコポリマーエラストマーは、カーボンブラックの存在下で熱風老化中に激しく硬化する傾向がある。カーボンブラックを強化充填材としてのポリアミドで置き換えると、50%超だけ190℃で1週間の熱風老化後のShore A増加を低減することができる。一方、高レベルのエチレン(30〜50重量%)を含むポリアクリレートは、熱風老化中に破断点伸びを失う傾向がある。これらの場合には、ポリアミド充填材でのカーボンブラックの置換が、50%超だけ190℃での3週間老化試験中に伸びの百分率損失を減少させることができる。この程度の向上は並外れている。
本明細書に記載される方法によって製造されたポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の加硫物は、ワイヤおよびケーブル外被、スパークプラグブーツ、ホース、ベルト、種々雑多な成形ブーツ、シールおよびガスケットなどの物品の製造のために、多種多様な工業用途で使用することができる。ホース用途としては、ターボ過給機ホース、トランスミッションオイルクーラーホース、パワーステアリングホース、エアコンホース、エアダクト、燃料ラインカバー、および通気孔ホースが挙げられる。
シールの例としては、エンジンヘッドカバーガスケット、オイルパンガスケット、オイルシール、リップシールパッキング、O−リング、トランスミッションシールガスケット、クランク軸またはカム軸用のシールガスケット、バルブステムシール、パワーステアリングシール、およびベルトカバーシールが挙げられる。
自動車チュービング用途としては、車軸ベントチュービング、PCVチュービングおよび他の排出制御部品が挙げられる。本加硫物はまた、幅広い温度範囲にわたっての高い減衰が、高い圧縮および剪断歪みの下で必要とされるクランク軸ねじりバンパーの製造のためにも有用である。本加硫物はまた、グロメットなどの騒音管理部品を製造するためにも使用することができる。
本発明は、すべての部が特に明記しない限り重量による、以下の実施例によってさらに例示される。
原材料
アクリレートコポリマー
A1 55重量%(約29モル%)の共重合メチルアクリレート単位、およびおおよそ2重量%(約0.6モル%)のモノエチルマレエートの共重合単位を含むメチルアクリレートと、エチレンとモノエチルマレエートとのコポリマー;33の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。
A2 55重量%(約30モル%)のメチルアクリレートの共重合単位、およびおおよそ4重量%(約1.3モル%)のモノエチルマレエートの共重合単位を含むメチルアクリレートと、エチレンと、モノエチルマレエートとのコポリマー;17の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。
A3 約74重量%のエチルアクリレートの共重合単位、24重量%の共重合ブチルアクリレート単位およびおおよそ1.5重量%(約1モル%)のカルボン酸含有硬化部位モノマーの共重合単位を含むエチルアクリレートと、ブチルアクリレートとカルボン酸含有硬化部位モノマーとのコポリマー;42の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。Zeon Chemicals LPからNipol(登録商標)AR−212HRとして入手可能な。
A4 おおよそ67.8重量%のエチルアクリレートの共重合単位、おおよそ29.8重量%のブチルアクリレートの共重合単位、約1.5重量%(約5.5モル%)のエチレンの共重合単位、およびおおよそ0.9重量%(約0.5モル%)のカルボン酸含有硬化部位モノマーの共重合単位を含むエチルアクリレートと、ブチルアクリレートと、エチレンとカルボン酸含有硬化部位モノマーとのコポリマー、46の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。電気化学工業株式会社からER−A413として入手可能な。
A5 エチルアクリレートと、ブチルアクリレート塩素含有硬化部位モノマーと、カルボキシル含有硬化部位モノマーとのコポリマー;27の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。Zeon Chemicals LPからHyTemp(登録商標)4052EPとして入手可能な。
A6 55重量%のメチルアクリレートの共重合単位(約30モル%)、およびおおよそ2重量%(約0.6モル%)のグリシジルメタクリレート、エポキシド含有硬化部位モノマーの共重合単位を含むメチルアクリレートと、エチレンとグリシジルメタクリレートとのコポリマー;28の100℃でのMooney粘度(ML 1+4)。
A7 66重量%のメチルアクリレートの共重合単位(約40モル%)、およびおおよそ2重量%(約0.7モル%)のモノエチルマエートの共重合単位を含むメチルアクリレートと、エチレンとモノエチルマレエートとのコポリマー。
A8 55重量%のメチルアクリレートの共重合単位(約30モル%)、およびおおよそ2.5重量%(約0.8モル%)のモノエチルマレエートの共重合単位を含むメチルアクリレートと、エチレンとモノエチルマレエートとのコポリマー。
ポリアミド
P1 ポリアミド6、0.867dL/gの固有粘度、220℃の溶融ピーク温度、Ultramid(登録商標)B24としてBASFから入手可能な。
P2 ポリアミド6、0.978dL/gの固有粘度、220℃の溶融ピーク温度、Ultramid(登録商標)B27としてBASFから入手可能な。
P3 ポリアミド6、1.450dL/gの固有粘度、220℃の溶融ピーク温度、Ultramid(登録商標)B40としてBASFから入手可能な。
P4 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、およびテレフタル酸の共重合単位を含むポリアミドコポリマー、おおよそ262℃の溶融ピーク温度、約74ミリ当量/kgのアミン末端基濃度、および0.892dL/gの固有粘度。
P5 おおよそ260℃の溶融ピーク温度、約50ミリ当量/kgのアミン末端基濃度、および1.002dL/gの固有粘度を有する、ポリアミド6/6。
P6 おおよそ225℃の溶融ピーク温度、約63ミリ当量/kgのアミン末端基濃度、および1.167dL/gの固有粘度を有する、ポリアミド6/10。
P7 ポリアミド6、1.24dL/gの固有粘度、および220℃の溶融ピーク温度。Ultramid(登録商標)B33としてBASFから入手可能な。
P8 約125℃のガラス転移中点の非晶質ポリアミド。
P9 おおよそ260℃の溶融ピーク温度、約29ミリ当量/kgのアミン末端基濃度、および1.634dL/gの固有粘度を有するポリアミド6/6。
比較ポリマー
CP1 40重量%の酢酸ビニルを含むエチレン酢酸ビニルコポリマー。
CP2 LL1001.59としてExxon−Mobil Corp.から入手可能な線状低密度ポリエチレン。
CP3 ETPV 60A01L NC010としてDuPontから入手可能な、ポリブチレンテレフタレート熱可塑性樹脂中に分散された動的架橋アクリレートエラストマーを含む熱可塑性ゴム加硫物。
CP4 25のMooney粘度(ML 1+10、121℃)を有する、60重量%のフッ化ビニリデンと40%のヘキサフルオロプロピレンとを含むフルオロエラストマー。
CP5 Kynar(登録商標)461ポリフッ化ビニリデン樹脂としてArkema Inc.から入手可能な、ポリフッ化ビニリデン。
CP6 Crastin(登録商標)6219熱可塑性ポリエステル樹脂としてDuPontから入手可能な、ポリブチレンテレフタレート。
他の原料
硬化剤1:Diak(商標)1、DuPont Performance Polymersから入手可能なヘキサメチレンジアミンカルバメート硬化剤。
硬化剤2:Sigma−Aldrichから入手可能な、ステアリン酸ナトリウム。
硬化剤3:Maglite(登録商標)DとしてHallStar Corp.から入手可能な、酸化マグネシウム。
硬化剤4:Sigma−Aldrichから入手可能な、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
N550カーボンブラック:Sterling SOカーボンブラックとしてCabot Corp.から入手可能な。
N990カーボンブラック:Thermax(登録商標)N990としてCancarb Corp.から入手可能な。
シリカ:Ultrasil(登録商標)VN3としてEvonik Corp.から入手可能な。
酸化防止剤(AO−1):Chemtura Corp.から入手可能な、Naugard(登録商標)445酸化防止剤。
酸化防止剤(AO−2):Sigma−Aldrichから入手可能な、4−アミノジフェニルアミン(CAS 101−54−2)、スコーチ抑制剤としてもまた機能する。
酸化防止剤(AO−3):Sigma−Aldrichから入手可能な、N−イソプロピル−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(CAS 101−72−4)。
加工助剤:RT Vanderbiltから入手可能な、Vanfre(登録商標)VAM有機ホスフェートエステル。
スコーチ抑制剤:Armeen(登録商標)18DとしてAkzo Nobelから入手可能な、ステアリルアミン。
硬化促進剤1:Safic−Alcanから入手可能な、Vulcofac(登録商標)ACT−55、シリカキャリア上に70重量%の量で吸収された第三級アミン錯体。
硬化促進剤2:Sigma−Aldrichから入手可能な、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア。
硬化促進剤3:Sigma−Aldrichから入手可能な、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−エン。
試験方法
Mooney粘度:ASTM D1646、ML 1+4、100℃。
硬化応答:0.5°アークで動作するAlpha Technologies製のMDR 2000を用いてASTM D5289−07aによって測定される。177℃24分間の試験条件。MLは、試験中に測定される最小トルク値を意味し、一方MHは、ML後に達成される最大トルク値を意味する。T50およびT90は、MHとMLとの間の差の、それぞれ、50%および90%トルクまでの時間を意味する。
圧縮永久歪み:175℃10分間のプレス硬化条件、引き続き175℃での熱風炉中で4時間のポスト硬化を用いて調製されたタイプB成形ボタンを使用する、ISO 815−1:2008、25%圧縮。指定された通りの試験条件の時間および温度。報告されるデータは、3つの検体の中央値である。
引張特性:ASTM D412−06、ダイC。175℃で10分間硬化させ、そして熱風炉中で175℃で4時間ポスト硬化させた1.5〜2.5mm厚さの試験検体からカットした試料。報告されるデータは、3つの検体の中央値である。25%、50%、100%、および200%の伸びでの応力は、それぞれ、M25、M50、M100、およびM200としてリストされる。引張強度および伸びの破壊特性は、TbおよびEb(それぞれ、破断点引張および破断点伸び)として示される。試験温度は23℃±2℃である。
Shore A硬度:タイプ2オペレーティングスタンドを使用して、ASTM D2240−05試験方法によって、23℃および50%相対湿度の周囲条件で24時間老化させた、2mm厚さの層からなる6mm厚さの試料を使用して測定される。5つの読みの中央値が報告される。
熱老化:上記の通り調製された、引張検体が指定の時間および温度で熱風炉中に吊される。検体は、引張特性が測定される前に、23℃および50%相対湿度の周囲条件で少なくとも24時間順化させられる。
生強度:他のいずれかの原料の添加前に、アクリレートコポリマーとポリアミドとの未硬化ブレンドに関してASTM D6746−10に従って測定される。このブレンドは、約2.5mm厚さにロールミルでシート状に伸ばされ、次に2mm×76.2mm×152.4mmの寸法を有するキャビティ中で成形される。成形条件は、30トンの圧力下に100℃5分間である。プレス機から取り出した後に、成形プラークは、金属シート間で室温で30分間冷却される。ASTM D412 Die C引張検体が次に、ミルドシートの木目と平行の方向に成形プラークからカットされる。中央降伏応力が報告される。試験温度は23℃±2℃である。
ポリアミドの固有粘度:25℃の試験温度で96重量%硫酸を溶媒として使用して、ASTM D2857−95に従って測定される。試料は、試験前に80℃での真空オーブン中で12時間乾燥させた。
結晶化ピーク温度:ASTM D3418−08に従って測定される。
実施例1
一連のポリアミド充填アクリレートコポリマー、B1〜B11を、アクリレートコポリマー(A1またはA8)をポリアミド(P1、P2またはP3)と表1に示される比で混合することによって製造した。ポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンドは、表に示されるように、ブレンド方法Mかブレンド方法Eかのどちらかを用いて製造した。
ブレンド方法Mは次の工程からなった:ポリマーおよび任意の他の原料を、ポリアミドの溶融ピーク温度よりも20℃上の設定温度でおよび約30rpmのローター速度で運転される、ローラーブレードを備えたHaake Rheocord混合ボウルに装入した。混合ボウルが完全に装入されるとすぐに、ローター速度を100rpmに上げた。ポリマーブレンド溶融温度を監視し、ポリマーブレンド温度がポリアミド成分の溶融ピーク温度に達したときに、タイマーをスタートさせた。同時に、ボウル温度についての設定点を、ポリアミドの溶融ピーク温度にマッチするように下げ、ボウルの空気冷却を開始した。3分の混合後に、ローターを停止させ、その時点でポリマーブレンドの温度は、ポリアミドの溶融ピーク温度よりも20℃〜35℃上の範囲にあった。ポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンドを次に、ボウルから取り出し、さらなる加工前に室温(約25℃)に冷却した。
ブレンド方法Eは次の工程からなった:ポリアミドを、減量供給機によって250rpmのスクリュー速度で動作する、12個のバレルセクションを持った43mmのBerstorff共回転二軸スクリュー押出機の第1バレルセクションへ計量供給した。同時に、アクリレートコポリマーを、特別に配置構成された押出機および正確な供給量のための溶融ポンプによって押出機の第4セクションへ計量供給した。ポリアミド/アクリレートコポリマーブレンドの溶融温度は約280℃に達した。第12バレルセクションを出た後、得られたポリアミド充填アクリレートコポリマーをペレット化し、さらなる加工前に25℃に冷却した。
ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の生強度を表1に報告する。
硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物と追加の原料とをロールミルで配合することによって製造した。ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物B1〜B11の配合処方を表2に示す。得られた硬化性組成物を、上の試験方法セクション(引張特性)に記載されたように硬化させ、引張強度、破断点伸びおよび弾性率を上記のASTM方法に従って測定した。硬化応答および圧縮永久歪みもまた測定した。硬化組成物について報告されるデータは、未硬化ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の生強度が約2MPa未満であり、そしてポリアミド充填材のレベルが、ポリアミドおよびアクリレートコポリマーの総合重量を基準として、10〜60重量%であるときに得られる硬化ポリアミド充填アクリレートコポリマーエラストマーの物理的特性の向上を例示する。比較例硬化性組成物CE1〜CE6のそれぞれは、2MPa超の生強度を有するポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンド組成物をベースとするか、ポリアミドおよびアクリレートコポリマーの総合重量を基準として、10〜60重量%の範囲外のレベルでポリアミドを含有するポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンドをベースとするかのどちらかである。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例2
2つのポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物、B12およびB13を、ブレンド方法Mを用いて表3に示される比でアクリレートコポリマー(A5またはA6)をポリアミドP3と混合することによって製造した。A5は、アミン硬化剤で架橋することによって硬化性ではないアクリレートコポリマーである。A6はアミン硬化性であるアクリレートコポリマーである。
Figure 0006110373
表3のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、アクリレートコポリマーがポリアミドとブレンドされた後に冷却した。それらを次にロールミルで配合して、表4に示されるような、硬化性組成物CE8およびE5を形成した。比較のために、アクリレートコポリマーA5およびA6を含有する2つの従来のカーボンブラック強化配合物(CE7およびCE9)をミル混合によって製造した。E5およびCE7〜CE9組成物を、上の試験方法セクションに記載されたように硬化させ、引張強度、破断点伸びおよび弾性率を上記のASTM方法に従って測定した。硬化応答および圧縮永久歪みもまた測定した。物理的特性は表4に示される通りであった。
Figure 0006110373
A5中の塩素硬化部位は、ポリアミドを溶融混合するために必要とされる温度で分解するので、CE8は、たったの2dN−mの硬化応答(MH−ML)を有する。CE8の低い硬化応答は、同じアクリレートゴムをベースとするが、カーボンブラックで強化された、従来の配合物CE7と比較して劣ったShore A硬度、引張強度、および圧縮永久歪みをもたらす。アミン硬化性ゴム(A6)は、E5のポリアミドブレンドおよびカーボンブラックを含有する従来の配合物CE9の両方において類似の硬化応答を提供する。E5は、CE9と類似のShore A硬度および圧縮永久歪み、ならびに許容される引張強度を示す。
実施例3
実施例1に記載された、ブレンド方法Mを用いて、ポリマー成分A2およびP2が各ブレンド中に同じ比で存在するアクリレートコポリマーA2とポリアミドP2とからなる3つのブレンド組成物B14〜B16を製造した。B14〜B16ブレンド組成物は、融解ポリアミドとの混合のプロセス中に使用される硬化剤の存在または不在および硬化剤のタイプの点でのみ異なった。アクリレートコポリマー成分A2の動的硬化は、組成物B14およびB15を形成するためのA2およびP2と硬化剤3および4との混合のプロセス中に起こった。組成物B14は、アクリレートコポリマーA2とポリアミドP2とを酸化マグネシウム(硬化剤3)の存在下で混合し、それによってポリアミドマトリックス中に分散されたイオン架橋したアクリレートコポリマー(マグネシウムアイオノマー)を含む組成物を形成することによって製造した。組成物B15は、アクリレートコポリマーA2とポリアミドP2とを硬化剤4の存在下で混合し、それによってポリアミドP2中に分散された共有結合架橋したアクリレートコポリマーA2を含む組成物を形成することによって製造した。組成物B16は、A2とP2とを硬化剤の不在下に混合することによって製造した。混合および冷却後の組成物B16の生強度は0.3MPaであったが、組成物B14およびB15の生強度は、それぞれ、9.1および7.8MPaであった。B14およびB15は、160℃よりも下の温度で加工可能ではなく、Mooney粘度測定中に粉々に崩れた。B16組成物は、表6に示される原料とロールミルで混合することによってさらに処理してアミン硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成した。組成物、E6は、上の試験方法セクションに記載された条件を用いて硬化させた。硬化応答および物理的特性は、表6に示される通りであった。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例4
組成物B17、60重量%のアクリレートコポリマーA1と40重量%のポリアミドP3(ナイロン6)とからなるポリアミド充填アクリレートコポリマーを、250rpmのスクリュー速度、26ポンド/時の押出速度、および240℃の溶融温度で運転される25mmのBerstorff二軸スクリュー押出機を用いる押出によって製造した。押出物は平滑であり、輝いており、集められ、約25℃に冷却された。ブレンドB17を使用して、表7に示される原料とおおよそ50℃のバッチ温度でロールミル混合することによって組成物E7を製造した。E7の硬化応答、初期引張特性および熱風老化特性をまた表7にリストする。組成物B18、60%のアクリレートコポリマーA1と40%のポリアミドP6とのブレンドを、150rpmのスクリュー速度、20ポンド/時の押出量、および240℃の溶融温度で運転される同じ装置を用いて製造した。押出物は粗く、ゴツゴツしており、強靱であり、あたかもアクリレートエラストマーが部分的に架橋しているかまたはゲル化しているかのように機能した。溶融温度を、平滑な押出物を製造する試みで250℃に上げたが、改善はまったくなかった。ポリアミドP6の供給量を次に段階的に減らし、押出物粗さは、P6レベルがポリマーブレンド中で25%に減少したときに排除された。
Figure 0006110373
実施例5
組成物B19、60重量%のアクリレートコポリマーA8と40重量%のポリアミドP7(ナイロン6)とのブレンドを、150rpmのスクリュー速度、20ポンド/時の押出速度、および250℃の溶融温度で運転される25mmのBerstorff二軸スクリュー押出機を用いる押出によって製造した。押出物は平滑であり、輝いており、集められ、約25℃に冷却され、組成物E8を製造するために表8に示される原料とロールミル配合された。組成物E8は、優れた硬化応答、初期特性、および熱風老化特性を示した。組成物B20、60重量%のアクリレートコポリマーA8と40重量%のポリアミドP4とのブレンドを、同じスクリュー速度および押出速度で、しかし280℃の溶融温度で運転される同じ装置を用いて製造した。押出物は粗く、ゴツゴツしており、強靱であり、あたかもアクリレートエラストマーが部分的に架橋しているかまたはゲル化しているかのように機能した。
Figure 0006110373
実施例6
すべての量が重量パーセント単位である、表9に示される組成物を、Haake Rheocord(登録商標)ミキサーを用いて製造した。ポリマーブレンドB21〜B29のそれぞれについて、アクリレートコポリマーA1および第2ポリマー成分(比較ポリマーCP1〜CP6またはアクリレートコポリマーA3の1つ)を、加熱される混合ボウルに加え、50rpmで3分間処理した。ポリマーブレンドの温度を、第2ポリマーが半結晶性の熱可塑性樹脂である場合には第2ポリマー成分の溶融ピーク温度よりもおおよそ20℃高い点に、または第2ポリマーが非晶質エラストマーである場合には60℃に維持した。処理(混合)温度を表9にリストする。処理前に、ポリマーCP3、CP6、P2、およびP4を真空オーブン中で120℃で4時間乾燥させた。処理後に、ブレンド組成物を室温(約25℃)に冷却した。
Figure 0006110373
硬化性組成物CE10〜CE17、E9およびE10を、ロールミルで表10にリストされる原料を混合することによってブレンドB21〜B29から製造した。組成物CE10は、ポリアミド充填材を含有しないアクリレートコポリマー対照配合物である。硬化応答、引張特性、Shore A硬度、および圧縮永久歪みデータをまたこの表に示す。
硬化応答データは、CE11〜CE16組成物が、ある場合にはMH−ML差が2.5dN−m未満であり、すべての場合にMH−MLが4.0dN−m未満であるように、弱い硬化応答を有することを示す。CE17を除いて比較例はすべて、第2ポリマー成分を含有しないアクリレートコポリマー対照組成物(CE10)のそれよりも小さい硬化応答を示す。
本明細書の試験方法セクションに記載された条件によるプレス硬化およびポスト硬化後に、本発明の組成物である、組成物E9およびE10は、比較例組成物のいずれもがかなわないShore A硬度、耐熱老化性、および圧縮永久歪みの組み合わせを示す。特に、E9およびE10組成物は、40よりも大きいShore A硬度、100%よりも大きい190℃で3週間の熱風老化後の破断点伸び、および未老化値から50%未満の破断点伸びの変化の値を示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
Figure 0006110373
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例7
組成物B30、62.5重量%のアクリレートコポリマーA1と37.5重量%のポリアミドP3(ナイロン6)とからなるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、200rpmのスクリュー速度、11.8kg/時の押出速度および260℃の溶融温度で運転される25mmのBerstorff二軸スクリュー押出機を用いる押出によって製造した。ブレンドを、さらなる加工前に25℃に冷却した。組成物B31、55重量%のアクリレートコポリマーA1と45重量%のポリアミドP3(ナイロン6)とからなるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、実施例1に記載された、ブレンド方法Eによって製造した。ポリマーブレンド組成物B30およびB31の生強度を表11に報告する。
Figure 0006110373
組成物B30およびB31を、表12に示される原料および量とロールミルで混合して硬化性アクリレートのコポリマー組成物E11、E12、およびE13を製造した。老化前後の硬化ブレンドの硬化応答および物理的特性を表12に示す。表12に示される熱老化結果は、AO−2が、試験された硬化ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物用の3つの酸化防止剤のうちで最も有効であることを示す。
Figure 0006110373
実施例8
組成物B32およびB33は、それぞれ、60重量%のアクリレートコポリマーA1と40重量%のポリアミドP8かまたは40重量%のポリアミドP3とからなるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物である。B32は、実施例1に記載されたブレンド方法Mを用いて製造したが、B33は、実施例1のブレンド方法Eによって製造した。ポリアミドP8は、125℃のガラス転移中点温度を有する非晶質ポリアミドであるが、ポリアミドP3は、160℃よりも上の溶融ピーク温度を有する。B33は、0.4MPaの生強度および95℃の結晶化ピーク温度でさらに特徴づけられた。
硬化性アクリレートコポリマー組成物CE18およびE14を、ロールミルを用いてB32を表13にリストされる原料と混合することによって製造した。CE18は、ポリアミドP8が硬化温度で流体であるので乏しい硬化応答を示すが、E14は、E14がCE18よりも少ない硬化剤を含有するにもかかわらず、高い硬化状態を提供する。
Figure 0006110373
実施例9
一連のポリアミド充填アクリレートコポリマー、B34〜B48を、60部のアクリレートコポリマー(A1、A2またはA4)を40部のポリアミド(P1、P2、P3、P5、またはP7)と混合することによって製造した。表1からのブレンドB3が同様にうまくこのシリーズに含められる。ポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンドを、実施例1に記載されたブレンド方法Mを用いて製造した。表14は、ブレンドの生強度およびMooney粘度と一緒に、製造されたブレンド組成物をリストする。これらの結果は、アクリレートコポリマーA1が、ポリアミドが約0.9dL/gよりも大きい固有粘度を有するときに、低い生強度およびMooney粘度を有する40重量%のポリアミドを含むブレンドを形成することを示す。アクリレートコポリマーA2は、試験されたポリアミドタイプのいずれかを使用して低い生強度およびMooney粘度を有する40重量%のポリアミドを含むブレンドを形成する。アクリレートコポリマーA4は、1.3dL/gよりも大きい固有粘度を有するポリアミドを使用するとはじめて低い生強度およびMooney粘度を有する40重量%のポリアミドを含むブレンドを形成する。
表14のある種のブレンドをベースとする硬化性組成物およびそれらの特性を表15に示す(ブレンドB3についての類似の結果は、表2、配合物CE3に見いだすことができる)。これらの結果は、所与のタイプのアクリレートコポリマー内の、ポリアミド充填アクリレートコポリマーが、ブレンドの生強度が約2MPa未満であるときにEbおよび耐圧縮永久歪み性などの優れた弾性特性を示すことを示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例10
73.4重量%のアクリレートコポリマーA1と26.6重量%のポリアミド4とからなるポリマーブレンド組成物、B49を、11.8kg/時の全ポリマーアウトプットで150rpmで運転される25mmのBerstorff二軸スクリュー押出機で製造した。ブレンドの溶融温度は282℃であった。ポリマーブレンド組成物を、水冷ベルト上へ押し出し、室温(約25℃)に冷却した。B49の組成および物理的特性を表16に示す。
Figure 0006110373
表17に示されるような組成を有する、硬化性アクリレートコポリマー組成物E20、E21、およびE22を、B49をポリマーブレンド成分として使用してロールミルで製造した。硬化性アクリレートコポリマー組成物CE20を、アクリレートコポリマーA1とカーボンブラック、従来の強化充填材とを使用して同じ方法で製造した。表17の組成物はすべて良く硬化し、良好な初期物理的特性を有する。E20、E21、およびE22は、190℃で3週間の熱老化後に100%よりも大きい引張破断点伸びを保持するが、CE20は、190℃でたったの2週間の熱老化後に100%未満の引張破断点伸びを示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例11
一連の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマーを、組成物B8、実施例1に記載された60重量%のポリアミドと40重量%のアクリレートコポリマーA1とのブレンドを、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物中のポリアミド含有率を40重量%に下げるのに十分なゴム状アクリレートゴムとブレンドすることによって製造した。この混合プロセスは、160℃未満、すなわち、ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度でミル混合することによって便利に成し遂げられた。硬化剤および他の原料は、希釈が起こる間に添加した。硬化性組成物およびそれらの特性を表18に示す。組成物E23、E24、およびE25は、初期におよび190℃で2週間の熱老化後にの両方とも良好な硬化応答、耐圧縮永久歪み性および引張特性を示す。
Figure 0006110373
実施例12
表19に示されるような重量パーセント単位での組成を有する2つのポリアミド充填アクリレートコポリマーブレンド組成物、B50およびB51を、実施例1のブレンド方法Mを用いて製造した。
Figure 0006110373
硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー配合物を、B50およびB51を表20に示される原料とロールミル混合することによって製造した。組成物CE21およびCE22は、高レベル(55phr)のN550カーボンブラック充填材を含み、ポリアミドをまったく含まず、組成物CE23およびCE24は、低レベル(15phr)のN550カーボンブラック充填材を含み、ポリアミドをまったく含まず、組成物CE25およびCE26は、カーボンブラックまたはポリアミド充填材を含まず、組成物E26およびE27は、ポリアミドおよび低レベル(15phr)のN550カーボンブラック充填材を含む。硬化アクリレートコポリマー組成物中の15phrおよび55phrカーボンブラックに起因するShore A硬度への寄与は、ただカーボンブラック充填材だけを含む相当する配合物のShore A硬度からカーボンブラックを含まない配合物のShore A硬度の引き算によって計算することができる。この計算方法を用いると、組成物中のアクリレートコポリマーに依存して、アクリレートコポリマー組成物中の55phrのN550の存在が40ポイント超だけShore A硬度を増加させるが、15phrの存在が10〜11ポイントだけShore A硬度を増加させることが示される。
E26およびE27は、たった少量の強化のためにカーボンブラックを頼りにしているので、それらは、190℃で3週間の熱老化後の破断点伸びおよびShore A硬度のより低いパーセント変化によって示唆されるように、CE21およびCE22のそれよりも優れた熱老化を示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例13
一連の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー、E28〜E30およびCE27を、ロールミルで実施例7に記載されるように製造された、組成物B31を、表21に示される原料と配合することによって製造した。組成物B31は、45重量%のポリアミドP3と55重量%のアクリレートコポリマーA1とを含む。第2シリーズの硬化性アクリレートコポリマー、CE28〜CE32を、カーボンブラックをポリアミドの代わりに充填材として利用したことを除いては実質的に同じ方法で製造した。表21に示されるように、硬化性コポリマー組成物E28〜E30およびCE27については、B31のポリアミド含有率は、N550カーボンブラックの濃度が硬化組成物においてほぼ一定のShore A硬度を維持するために増える一方で、アクリレートコポリマーの量を増加させながら引き続き希釈される。CE28〜CE31は、カーボンブラックのみを強化充填材として含むが、CE32は、カーボンブラックもポリアミド充填材もどちらも含有しない非強化配合物である。CE28〜CE32のShore A硬度値は、E28についてのゼロポイントからCE28についての28ポイントまでの範囲の、N550カーボンブラックによって寄与されるShore A硬度ポイントの計算を可能にする。
190℃での2および3週間の熱風老化後に、カーボンブラックが約20ポイント未満Shore A硬度に寄与する、E28〜E30の硬化試料は、20ポイント超のShore A硬度をカーボンブラックから引き出す、CE27およびCE28の硬化試料よりも大きい引張強度および伸びを示す。E28〜E30の硬化試料はまた、CE27およびCE28の硬化試料よりも熱老化中にShore A硬度の少ない変化を示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例14
一連の硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー、E31〜E33を、ゴムミルで実施例7に記載されるように製造された、組成物B31を、表22に示される原料と配合することによって製造した。組成物B31は、45重量%のポリアミドP3と55重量%のアクリレートコポリマーA1とを含む。第2シリーズの硬化性アクリレートコポリマー、CE33〜CE36を、N990カーボンブラックをポリアミドの代わりに充填材として利用したことを除いては実質的に同じ方法で製造した。表22に示されるように、硬化性コポリマー組成物E31〜E33については、B31のポリアミド含有率は、N990カーボンブラックの濃度が硬化組成物においてほぼ一定のShore A硬度を維持するために増える一方で、アクリレートコポリマーの量を増加させながら引き続き希釈される。CE33〜CE36は、カーボンブラックのみを強化充填材として含む。CE32(実施例13を参照されたい)は、カーボンブラックもポリアミド充填材もどちらも含有しない非強化参考配合物として使用される。
N990カーボンブラックは、N550よりも強化性が少なく、それ故より多くのN990が硬化配合物のShore A硬度を増加させるために必要とされる。配合物E31〜E33は、20ポイント未満のShore A硬度をN990カーボンブラックから引き出し、それ故CE33よりも良好な、190℃で2〜3週間の熱風老化に対する耐性を示す。
Figure 0006110373
Figure 0006110373
実施例15
硬化性ポリアミド充填アクリレートコポリマー、E34、E35、およびCE40を、実施例7に記載されるように製造された、ポリアミド充填ポリアクリレートコポリマー組成物B31を、様々なレベルのシリカ充填材およびゴム状アクリレートコポリマーA1とミル混合することによって製造した。組成物B31は、45重量%のポリアミドP3と55重量%のアクリレートコポリマーA1とを含む。硬化性アクリレートコポリマー配合物CE37〜CE39は、シリカ充填材に起因するShore A硬度の増加を測定できるように、シリカが配合物中のたった1つの充填材として利用されたことを除いては同じ方法でミル混合した。硬化性組成物中の原料を表23に示す。硬化性コポリマー組成物E34〜E35およびCE40は、シリカが硬化配合物に対してそれぞれ8、15、および23ポイントのShore A硬度に寄与するように、増加するレベルのシリカ充填材を含有する。CE32(実施例13を参照されたい)を、ポリアミドもシリカも含有しない非強化参考配合物として使用した。配合物E34およびE35は、20ポイント未満のShore A硬度をシリカから引き出し、それ故CE40よりも良好な、190℃で2〜3週間の熱風老化に対する耐性を示す。
Figure 0006110373
実施例16
ポリアミドP3を、60メッシュスクリーン(0.31mm開口部)を通過するように極低温ですり潰した。すり潰したポリアミドを、3分間室温および50rpmローター速度で運転されるHaake(登録商標)Rheocord混合ボウルを用いて40重量部のポリアミド対60重量部のアクリレートコポリマーの比でアクリレートコポリマーA1と混合した。ポリマー組成物の温度は、ポリアミドが溶融しないように、混合プロセスの間ずっと50℃未満のままであった。比較のために、同じ組成物を、ポリアミドが溶融した状態になる、実施例1のブレンド方法Eによって製造した。表24は、製造されたブレンドをまとめる。
Figure 0006110373
組成物B52およびB53を使用して、表25に示されるような、それぞれ、硬化性組成物CE41およびE36を製造した。プレス硬化およびポスト硬化後に、CE41は、CE32、アクリレートコポリマーA1を含む非強化配合物のそれに等しい、低い引張強度を示した。しかし、組成物E36は、高い引張強度を示した。
Figure 0006110373
実施例17
ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物B54、B55、およびB56を、150rpmで動作する25mmのBerstorff二軸スクリュー押出機で製造した。バレル温度を、ブレンドに使用されたポリアミドの溶融ピーク温度よりも10℃上に設定した。ブレンドを集め、約25℃に冷却した。B54〜B56の組成および生強度を表26に示す。
Figure 0006110373
ブレンドB54〜B56をロールミルで混合して表27に示されるような、硬化性組成物E37〜E39を形成した。比較硬化性組成物CE42〜CE44は、E37〜E39と同じアクリレートコポリマーから製造されたが、カーボンブラックを唯一の強化充填材として含有する。硬化性組成物はすべて良く硬化し、プレス硬化およびポスト硬化後に良好な特性を示す。しかし、190℃で2週間の熱風老化後に、硬化組成物E37〜E39は、同じアクリレートコポリマーを含み、そしてカーボンブラックを充填材として組み込んでいるそれぞれの硬化比較組成物よりも大きい引張強度および伸びを示す。組成物E38およびCE43は、約1.3モル%の高レベルの共重合硬化部位モノマーを有する、アクリレートコポリマーA2を含む。結果として、A2を含む硬化組成物は、1モル%未満の共重合硬化部位モノマーを含むアクリレートコポリマーをベースとする硬化組成物よりも熱風老化中に硬くなり、脆化する大きい傾向を示す。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1.ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物であって、
A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、R 1 は、HまたはC 1 〜C 10 アルキルであり、R 2 は、C 1 〜C 12 アルキル、C 1 〜C 20 アルコキシアルキル、C 1 〜C 12 シアノアルキル、またはC 1 〜C 12 フルオロアルキルである)、および
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの0.3モルパーセント〜1.0モルパーセントの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって、
i)前記ポリマーブレンドがASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有し、ii)前記1つまたは複数のポリアミドが前記ポリマーブレンド組成物中に不連続相として存在し、そしてiii)前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、前記ポリマーブレンド組成物中の前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としているポリマーブレンド組成物
を含むポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
2.ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法であって、
A.1.a)前記非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
Figure 0006110373
(式中、R 1 は、HまたはC 1 〜C 10 アルキルであり、R 2 は、C 1 〜C 12 アルキル、C 1 〜C 20 アルコキシアルキル、C 1 〜C 12 シアノアルキル、またはC 1 〜C 12 フルオロアルキルである)
;および
b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
を含むポリマーブレンド組成物であって、
前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、前記ポリマーブレンド組成物中の前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としている
ポリマーブレンド組成物を提供する工程と;
B.前記ポリマーブレンド組成物を、前記1つまたは複数のポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で混合して前記1つまたは複数のポリアミドを前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマー内に分散させ、それによってポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と;
C.前記ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、前記1つまたは複数のポリアミドの結晶化ピーク温度よりも下の温度に冷却し、それによってi)連続非晶質アクリレートコポリマー相および不連続ポリアミド相を含み、そしてii)ASTM D6746−10に従って測定される約2MPa未満の生強度を有するポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と
を含む、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法。
3.前記2.に記載の方法によって製造されるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
4.前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーが、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルコキシアルキルアクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーの共重合単位を含む前記1.または3.に記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
5.前記アルキルアクリレートが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、およびブチルアクリレートからなる群から選択されるアルキルアクリレートである前記4.に記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
6.前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーの少なくとも1つが、1,4−ブテン二酸、不飽和カルボン酸の無水物、1,4−ブテン二酸のモノアルキルエステル、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーを含む前記1.〜5.のいずれかに記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
7.前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーの少なくとも1つが、オレフィンの共重合単位をさらに含む前記1.〜6.のいずれかに記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
8.前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーの少なくとも1つが、不飽和エポキシドである硬化部位モノマーを含む前記1.〜5.および7.のいずれかに記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
9.前記1つまたは複数のポリアミドの少なくとも1つが、i)開環またはアミノカルボン酸の縮合によって形成されるポリアミドとii)270℃未満の溶融ピーク温度および60ミリ当量/kg以下のアミン末端基濃度を有するポリアミドとからなる群から選択される前記1.〜8.のいずれかに記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
10.A.前記1.〜9.のいずれかに記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物と
B.アミン硬化剤と
を含む硬化性アクリレートコポリマー組成物。
11.A.前記10.に記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物と
B.強化充填材の不在を別にすれば同一組成のものである対照組成物のShore A硬度と比べて約20ポイント以下の前記硬化アクリレートコポリマー組成物のShore A硬度の増加をもたらす量で前記硬化性アクリレートコポリマー組成物中に存在する強化充填材と
から本質的になる硬化性アクリレートコポリマー組成物であって、i)前記硬化性アクリレートコポリマー組成物および対照組成物が、1mm〜2.5mm厚さの試験検体へ成形され、少なくとも10MPaの圧力で密閉金型中で10分間175℃の温度への暴露によって硬化させられ、金型から外され、熱風炉中で4時間175℃の温度でのポスト硬化にかけられ、ii)ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物および対照組成物のShore A硬度がASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定され、そしてiii)そして前記ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物が40よりも大きいShore A硬度を有する組成物。
12.前記アミン硬化剤が、ジアミンカルバメート、ジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される前記10.または11.に記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物。
13.酸化防止剤、硬化促進剤、可塑剤、加工助剤、ワックス、顔料、および着色剤からなる群から選択される少なくとも1つの材料をさらに含む前記10.〜12.のいずれかに記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物。
14.A.前記10.〜13.のいずれかに記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物を提供する工程と、
B.前記硬化性アクリレートコポリマー組成物を約2〜60分間約160℃〜約200℃の温度に曝すことによって前記硬化性アクリレートコポリマー組成物を硬化させて架橋したアクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成し、そして任意選択的に前記架橋した組成物を約160℃〜約200℃の温度でポスト硬化に曝し、それによってASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定される、少なくとも40のShore A硬度を有するアクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成する工程と
を含む、硬化エラストマー組成物の製造方法。
15.前記14.に記載の方法によって製造される硬化エラストマー組成物。
Figure 0006110373

Claims (7)

  1. ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物であって、
    A.1.a)非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
    Figure 0006110373
    (式中、R1は、HまたはC1〜C10アルキルであり、R2は、C1〜C12アルキル、C1〜C20アルコキシアルキル、C1〜C12シアノアルキル、またはC1〜C12フルオロアルキルである)、および
    b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの0.3モルパーセント〜1.0モルパーセントの共重合単位
    を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
    2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
    を含むポリマーブレンド組成物であって、
    i)前記ポリマーブレンドがASTM D6746−10に従って測定される2MPa未満の生強度を有し、ii)前記1つまたは複数のポリアミドが前記ポリマーブレンド組成物中に不連続相として存在し、そしてiii)前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、前記ポリマーブレンド組成物中の前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としているポリマーブレンド組成物
    を含むポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
  2. ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法であって、
    A.1.a)前記非晶質アクリレートコポリマーの総重量を基準として、少なくとも50重量%の、少なくとも1つのモノマーが下記の構造を有する重合単位
    Figure 0006110373
    (式中、R1は、HまたはC1〜C10アルキルであり、R2は、C1〜C12アルキル、C1〜C20アルコキシアルキル、C1〜C12シアノアルキル、またはC1〜C12フルオロアルキルである)
    ;および
    b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和エポシド、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位
    を含む40〜90重量%の1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーと;
    2.少なくとも160℃の溶融ピーク温度を有する10〜60重量%の1つまたは複数のポリアミドと
    を含むポリマーブレンド組成物であって、
    前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの重量百分率が、前記ポリマーブレンド組成物中の前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマーおよび1つまたは複数のポリアミドの総合重量を基準としている
    ポリマーブレンド組成物を提供する工程と;
    B.前記ポリマーブレンド組成物を、前記1つまたは複数のポリアミドの溶融ピーク温度よりも上の温度で混合して前記1つまたは複数のポリアミドを前記1つまたは複数の非晶質アクリレートコポリマー内に分散させ、それによってポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と;
    C.前記ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を、前記1つまたは複数のポリアミドの結晶化ピーク温度よりも下の温度に冷却し、それによってi)連続非晶質アクリレートコポリマー相および不連続ポリアミド相を含み、そしてii)ASTM D6746−10に従って測定される2MPa未満の生強度を有するポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物を形成する工程と
    を含む、ポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物の製造方法。
  3. 請求項2に記載の方法によって製造されるポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物。
  4. A.請求項1または3に記載のポリアミド充填アクリレートコポリマー組成物と
    B.アミン硬化剤と
    を含む硬化性アクリレートコポリマー組成物。
  5. A.請求項4に記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物と
    B.強化充填材の不在を別にすれば同一組成のものである対照組成物のShore A硬度と比べて20ポイント以下の前記硬化アクリレートコポリマー組成物のShore A硬度の増加をもたらす量で前記硬化性アクリレートコポリマー組成物中に存在する強化充填材と
    から本質的になる硬化性アクリレートコポリマー組成物であって、i)前記硬化性アクリレートコポリマー組成物および対照組成物が、1mm〜2.5mm厚さの試験検体へ成形され、少なくとも10MPaの圧力で密閉金型中で10分間175℃の温度への暴露によって硬化させられ、金型から外され、熱風炉中で4時間175℃の温度でのポスト硬化にかけられ、ii)ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物および対照組成物のShore A硬度がASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定され、そしてiii)そして前記ポスト硬化アクリレートコポリマー組成物が40よりも大きいShore A硬度を有する組成物。
  6. A.請求項4または5に記載の硬化性アクリレートコポリマー組成物を提供する工程と、
    B.前記硬化性アクリレートコポリマー組成物を2〜60分間160℃〜200℃の温度に曝すことによって前記硬化性アクリレートコポリマー組成物を硬化させて架橋したアクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成し、そして任意選択的に前記架橋した組成物を160℃〜200℃の温度でポスト硬化に曝し、それによってASTM D2240−06(1秒読み取り)に従って測定される、少なくとも40のShore A硬度を有するアクリレートコポリマーエラストマー組成物を形成する工程と
    を含む、硬化エラストマー組成物の製造方法。
  7. 請求項6に記載の方法によって製造される硬化エラストマー組成物。
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