JP4787452B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性エラストマーに関するものであり、さらに詳しくは柔軟性および圧縮永久歪みに優れ、広い温度範囲にわたる、ゴム弾性、成形加工性に優れ、かつ熱可塑性エラストマーでありながら、耐油、耐熱性に優れる新規な熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴム的な材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマーが、自動車分野、家電部品、電線被覆材、医療部品、履物、雑貨などの分野で利用されている。
【0003】
このような熱可塑性エラストマーは、例えば特開昭61−34050号公報等に開示されているように共重合体鎖中にハードセグメント及びソフトセグメントを交互に含有している種類のものがある。そして、これらは各セグメントの割合を変えることにより柔軟性に富むものから、剛性のあるものまで各種のグレードが製造されている。更に、安価でそして容易に入手できる原料物質から導かれた別種類の熱可塑性エラストマーもある。即ち、特公昭53−21021号公報等に開示されているように有機過酸化物を用いて部分架橋したモノオレフィン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂との熱可塑性ブレンドあるいはモノオレフィン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂に架橋助剤として有機過酸化物を用いて溶融混練を行い、部分架橋した組成物、すなわち動的に熱処理(動的架橋)により得られる組成物がこれに該当する。
【0004】
しかしながら、前者の共重合体鎖中にハードセグメント及びソフトセグメントを交互に含有している構造を持つ熱可塑性エラストマーの場合、柔軟性のある熱可塑性エラストマーとするためにはソフトセグメントを多量に含むことが必要となる。また、拘束成分がハードセグメントであるため、高温では流動するが、耐熱性(この場合の耐熱性は高温での物性を意味する)や圧縮永久歪みに劣るといった欠点を有する。また、ソフトセグメントは引張強度が弱く、耐熱性、耐油性が悪いことからこのようなソフトセグメントを多量に含む柔軟性のある熱可塑性エラストマー組成物はやはり、引張強度が弱く、耐熱性、耐油性が悪いといった欠点を持ち、広範囲にわたっての各種用途に用いる事が出来ない。従来のスチレン系エラストマーとして開示されている技術はこの範疇に属しているため、成形加工性は非常に良好であるが、上記欠点をも持ち合わせているため、工業用機構部品のような広範囲の用途には用いることができない。他方、耐油性に優れる熱可塑性エラストマーとして、近年、特許第2553134号公報に開示されるようにメタアクリルブロックとアクリルブロックを有するアクリル系ブロック体が開示されているが、これらもスチレン系エラストマー同様、成形加工性は非常に良好であるが、耐熱性や圧縮永久歪みに劣るといった欠点を有する。
【0005】
後者の成分中のモノオレフィン共重合体ゴムに部分架橋を施した構造の熱可塑性エラストマーの場合は、高温での良好な圧縮永久歪み等、熱可塑性エラストマー単体では充分な性能が得られない場合に性能を向上させるための手法として試みられている。しかしならが、架橋と同時に有機過酸化物に起因するラジカルによりポリマー鎖の切断が起こり機械的強度の低下がみられるという欠点を有していたり、ポリオレフィン樹脂と、ポリオレフィンゴムからなるため、耐油性に劣るという欠点があった。よって、高温での良好な圧縮永久歪み等を有しながら耐熱、耐油性に優れる材料は未だに知られておらず、その開発が強く求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性エラストマーに関するものであり、さらに詳しくは柔軟性および圧縮永久歪みに優れ、広い温度範囲にわたる、ゴム弾性、成形加工性に優れ、かつ熱可塑性エラストマーでありながら、耐油、耐熱性に優れる新規な熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に到達した。即ち本発明は、
(A)メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)を含有し、かつ分子内に不飽和二重結合を有するブロック共重合体及び(B)熱可塑性樹脂を含む組成物を動的に熱処理することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物(請求項1)、
ブロック共重合体(A)がトリブロック共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物(請求項2)、
ブロック共重合体(A)が原子移動ラジカル重合により製造されたことを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物(請求項3)、
熱可塑性樹脂(B)がポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はポリアミド系樹脂である請求項1、2、又は3記載の熱可塑性エラストマー組成物(請求項4)及び
さらに柔軟性付与剤(C)をブロック共重合体(A)100重量部に対して0〜300重量部を含むことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱可塑性エラストマー組成物(請求項5)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、分子内に不飽和二重結合を有する、(a)メタアクリル系重合体ブロックと(b)アクリル系重合体ブロックを含有するブロック共重合体(A)と、(B)熱可塑性樹脂を含む組成物を動的に熱処理することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。不飽和に二重結合を有するブロック共重合体と熱可塑性樹脂を合わせて動的に熱処理することで、物性の向上した熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
【0009】
<ブロック共重合体(A)>
本発明に使用しうるブロック共重合体(A)は、主鎖または側鎖に不飽和二重結合を有し、かつメタアクリル系単量体を主成分とする重合体ブロック(a)とアクリル系単量体を主成分とする重合体ブロック(b)とをそれぞれ少なくとも一つ含有するブロック共重合体である。ブロック共重合体(A)の構造は、線状ブロック共重合体または分岐状(星状)ブロック共重合体であり、これらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、熱可塑性樹脂組成物の加工特性や機械特性などの必要特性に応じて使い分けられるが、取り扱い容易性や加工性等の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。この場合、ブロック共重合体(A)は、a-b型のジブロック共重合体、a-b-a型のトリブロック共重合体、b-a-b型のトリブロック共重合体、(a-b)n型のマルチブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体である。これらの中でも、加工時と取扱容易性や、硬度と機械強度のバランス、圧縮永久歪み、熱可塑性樹脂(B)との相溶性等の点から、a-b型のジブロック共重合体、a-b-a型のトリブロック共重合体、または、これらの混合物が好ましく、a-b-a型のトリブロック共重合体がより好ましい。
【0010】
ブロック共重合体(A)の数平均分子量は特に限定されないが、好ましくは30000〜500000、さらに好ましくは50000〜400000である。数平均分子量が小さいと粘度が低く、また、数平均分子量が大きいと粘度が高くなる傾向があるので、必要とする加工特性に応じて設定される。
【0011】
前記ブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)も特に限定されないが、好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下である。Mw/Mnが1.8を超えるとブロック共重合体の均一性が低下する傾向がある。
【0012】
ブロック共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は特に限定がないが、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。Mw/Mnが1.8を越えるとブロック共重合体の均一性が低下する傾向がある。
【0013】
ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比は、ブロック(a)が5〜95重量%、ブロック(b)が95〜5重量%であり、得られるエラストマー組成物の圧縮永久歪みやゴム弾性の点で、好ましくは、(a)が10〜80重量%、(b)が90〜20重量%であり、さらに好ましくは、(a)が20〜70重量%、(b)が80〜30重量%である。(a)の割合が5重量%より少ないと成型時の取扱性や熱可塑性樹脂(B)との相溶性が低下する傾向があり、(b)の割合が10重量%より少ないとエラストマー組成物の圧縮永久歪みやゴム弾性が低下する傾向がある。
【0014】
ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)は、メタアクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックであり、メタアクリル酸エステル50-100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0-50重量%とからなることが好ましい。
【0015】
(a)を構成するメタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸-n-プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸-n-ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸-tert-ブチル、メタアクリル酸-n-ペンチル、メタアクリル酸-n-ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸-n-ヘプチル、メタアクリル酸-n-オクチル、メタアクリル酸-2-エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸-2-メトキシエチル、メタアクリル酸-3-メトキシブチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸グリシジル、メタアクリル酸2-アミノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタアクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロヘキサデシルエチルなどがあげられる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いられる。これらのなかでも、コストおよび入手性等の点ではメタアクリル酸メチルが好ましい。
【0016】
(a)を構成するメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-t-ブチル、アクリル酸-n-ペンチル、アクリル酸-n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-n-ヘプチル、アクリル酸-n-オクチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸-2-メトキシエチル、アクリル酸-3-メトキシブチル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2-アミノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2-トリフルオロメチルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2-パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2-パーフルオロデシルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキサデシルエチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸、アクリル酸などのカルボン酸化合物;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレンなどの芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン含有不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのケイ素含有不飽和化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステルなどの不飽和ジカルボン酸化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル化合物;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系化合物などの各種ビニル系単量体があげられる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いられる。これらのビニル系単量体は、ブロック(a)に要求されるガラス転移温度の調整、ブロック(b)との相溶性、組み合わせる熱可塑性樹脂(B)との相溶性などの点から好ましいものを選択することができる。
【0017】
(a)のガラス転移温度は、25℃以上であり、好ましくは40℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上である。ガラス転移温度が25℃より低いと、成形時の取扱性が低下したり、得られるエラストマー組成物の硬度と強度のバランスが悪くなる傾向がある。
【0018】
前記ブロック共重合体(A)を構成するアクリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックであり、アクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなることが好ましい。
【0019】
(b)を構成するアクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-t-ブチル、アクリル酸-n-ペンチル、アクリル酸-n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-n-ヘプチル、アクリル酸-n-オクチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸-2-メトキシエチル、アクリル酸-3-メトキシブチル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸-2-アミノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロエチルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2-パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロデシルエチル、アクリル酸-2-パーフルオロヘキサデシルエチルなどがあげられる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、入手性および得られる組成物の圧縮永久歪みやゴム弾性等の点ではアクリル酸−n−ブチルが好ましい、さらに低温特性が必要な場合は、アクリル酸−2−エチルヘキシルを共重合させれば良い。耐油性が必要な場合は、アクリル酸−n−エチルが好ましい。耐油性および低温特性のバランスが必要な場合は、アクリル酸−n−エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルの組み合わせが好ましい。
ブロック(b)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸-n-プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸-n-ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸-t-ブチル、メタアクリル酸-n-ペンチル、メタアクリル酸-n-ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸-n-ヘプチル、メタアクリル酸-n-オクチル、メタアクリル酸-2-エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸-2-メトキシエチル、メタアクリル酸-3-メトキシブチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸グリシジル、メタアクリル酸-2-アミノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタアクリル酸-2-トリフルオロメチルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸-2-パーフルオロヘキサデシルエチルなどのメタアクリル酸エステル;メタクリル酸、アクリル酸などのカルボン酸化合物;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレンなどの芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン含有不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのケイ素含有不飽和化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステルなどの不飽和ジカルボン酸化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル化合物;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系化合物などの各種ビニル系単量体があげられる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いられる。これらのビニル系単量体は、これらのビニル系単量体は、ブロック(b)に要求されるガラス転移温度の調整、ブロック(a)との相溶性、組み合わせる熱可塑性樹脂(B)との相溶性などの点から好ましいものを選択することができる。(b)のガラス転位温度は、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは25℃以下であり、さらに好ましくは0℃以下である。ガラス転位温度が50℃より高いと、得られる熱可塑性エラストマーの圧縮永久歪みやゴム弾性等が低下する傾向にある。
【0020】
本発明のブロック共重合体(A)は、動的に熱処理することで、一部架橋されることが好ましいことから、分子内に不飽和二重結合を有している必要がある。ブロック共重合体(A)への、不飽和二重結合の導入は、特に限定されないが、重合性のアルケニル基とそれ以外の少なくとも1つのアルケニル基を併せ持つ化合物ををブロック共重合体(A)を重合する際に共重合することや、ブロック共重合体(A)を不飽和二重結合を有する化合物により変性することにより行うことができる。
【0021】
重合性のアルケニル基とそれ以外の少なくとも1つのアルケニル基を併せ持つ化合物としては特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)や一般式(2)に示される化合物が例示される。
2C=C(R1)−R2−R3−C(R1)=CH2 (1)
(式中、R1は水素またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい、R2は−C(O)O−(エステル基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R3は直接結合または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)で示される化合物が挙げられる。R2がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R2がフェニレン基のものはスチレン系の化合物である。一般式1におけるR3としては、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;o−,m−,p−フェニレン基;ベンジル基等のアラルキル基;−CH2CH2−O−CH2−や−O−CH2−等のエーテル結合を含むアルキレン基等が例示される。
2C=C(R4)−R5−C(R4)=CH2 (2)
(式中、R4は水素またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい、R5は直接結合または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
上記(1)や(2)の化合物の中でも、入手や、重合の制御が容易であるという点から、H2C=C(H)C(O)O(CH2)n−CH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−CH=CH2(上記の各式において、nは0〜20の整数)
2C=C(H)C(O)O(CH2n−O−(CH2mCH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−O−(CH2mCH=CH2(上記の各式において、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o−、m−、p−ジビニルベンゼン、o−、m−、p−H2C=CH−C64−CH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=CH−C64−CH2−C(CH3)=CH2、o−、m−、p−H2C=CH−C64−CH2CH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=CH−C64−OCH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=CH−C64−OCH2−C(CH3)=CH2、o−、m−、p−H2C=CH−C64−OCH2CH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−C(CH3)=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−CH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−CH2C(CH3)=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−CH2CH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2CH=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2−C(CH3)=CH2、o−、m−、p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2CH2CH=CH2(ただし、上記化学式中、C64はフェニレン基を示す。)が好ましく、H2C=C(H)C(O)O(CH2n−CH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−CH=CH2(上記の各式において、nは0〜20の整数)がより好ましい。
【0022】
ブロック共重合体(A)を不飽和二重結合を有する化合物により変性する方法としては特に限定されないが、例えば、アリルアルコール等の不飽和二重結合とヒドロキシル基を分子内に有する化合物を、ブロック共重合体(A)中の(メタ)アクリル酸エステルとエステル交換反応により導入することで行うことができる。
【0023】
不飽和二重結合の数は、ブロック共重合体(A)が部分的に架橋する必要があることから、ブロック共重合体(A)1分子あたり2.0以上含むことが好ましい。含有数の上限は、得られる硬化物の特性に応じて適宜設定することができる。不飽和二重結合はメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の両方に含まれていても良いし、どちらか一方の重合体ブロックに含まれていても良いが、(a)または(b)のどちらか一方に含まれる方が、熱可塑性樹脂(B)との相溶性や、得られる組成物の物性等の点で好ましい。
【0024】
ブロック共重合体(A)は、ブロック(a)とブロック(b)との組み合わせにより種々のブロック体を得る事ができる、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。得られる熱可塑性エラストマーの特性等に応じて適宜選択することができる。
【0025】
ブロック共重合体(A)を製造する方法としては特に限定されないが、制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビングラジカル重合があげられ、リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量および構造の制御の点から好ましい。
【0026】
リビングラジカル重合は、重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合である。リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(J.Am.Chem.Soc.1994、116、7943)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、1994、27、7228)、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどから原子移動ラジカル重合が好ましい。
【0027】
原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合される。(例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614,Macromolecules 1995,28,7901,Science 1996,272,866、あるいはSawamotoら、Macromolecules 1995,28,1721)。これらの方法によると一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどの停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mn=1.1-1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤の仕込み比によって自由にコントロールすることができる。
【0028】
原子移動ラジカル重合法において、開始剤として用いられる有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物としては、一官能性、二官能性、または、多官能性の化合物が使用できる。これらは目的に応じて使い分ければよいが、ジブロック共重合体を製造する場合は、一官能性化合物が好ましく、a-b-a型のトリブロック共重合体、b-a-b型のトリブロック共重合体を製造する場合は二官能性化合物を使用するのが好ましく、分岐状ブロック共重合体を製造する場合は多官能性化合物を使用するのが好ましい。
【0029】
一官能性化合物としては、たとえば、式:
65-CH2X、
65-C(H)(X)-CH3
65-C(X)(CH32
1-C(H)(X)-COOR2
1-C(CH3)(X)-COOR2
1-C(H)(X)-CO-R2
1-C(CH3)(X)-CO-R2
1-C64-SO2X、
(式中、C64はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。R1は水素原子または炭素数1-20のアルキル基、炭素数6-20のアリール基、または炭素数7-20のアラルキル基を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。R2は炭素数1-20の一価の有機基を表す。)で示される化合物などがあげられる。
【0030】
二官能性化合物としては、たとえば、式:
X-CH2-C64-CH2-X、
X-CH(CH3)-C64-CH(CH3)-X、
X-C(CH32-C64-C(CH32-X、
X-CH(COOR3)-(CH2n-CH(COOR3)-X、
X-C(CH3)(COOR3)-(CH2n-C(CH3)(COOR3)-X、
X-CH(COR3)-(CH2n-CH(COR3)-X、
X-C(CH3)(COR3)-(CH2n-C(CH3)(COR3)-X、
X-CH2-CO-CH2-X、
X-CH(CH3)-CO-CH(CH3)-X、
X-C(CH32-CO-C(CH32-X、
X-CH(C65)-CO-CH(C65)-X、
X-CH2-COO-(CH2n-OCO-CH2-X、
X-CH(CH3)-COO-(CH2n-OCO-CH(CH3)-X、
X-C(CH32-COO-(CH2n-OCO-C(CH32-X、
X-CH2-CO-CO-CH2-X、
X-CH(CH3)-CO-CO-CH(CH3)-X、
X-C(CH32-CO-CO-C(CH32-X、
X-CH2-COO-C64-OCO-CH2-X、
X-CH(CH3)-COO-C64-OCO-CH(CH3)-X、
X-C(CH32-COO-C64-OCO-C(CH32-X、
X-SO2-C64-SO2-X、
(式中、R3は炭素数1-20のアルキル基、炭素数6-20アリール基、または炭素数7-20アラルキル基を表す。C64はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C65はフェニル基を表す。nは0-20の整数を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。)で示される化合物などがあげられる。
【0031】
多官能性化合物としては、たとえば、式:
63-(CH2-X)3
63-(CH(CH3)-X)3
63-(C(CH32-X)3
63-(OCO-CH2-X)3
63-(OCO-CH(CH3)-X)3
63-(OCO-C(CH32-X)3
63-(SO2-X)3
(式中、C63は三置換フェニル基(置換基の位置は1位-6位のいずれでもよい)を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。)で示される化合物などがあげられる。
また、重合を開始するもの以外に官能基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を用いると、容易に末端に官能基が導入された重合体が得られる。このような官能基としては、アルケニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シリル基などがあげられる。
【0032】
これらの開始剤として用いられうる有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物は、ハロゲンが結合している炭素がカルボニル基あるいはフェニル基などと結合しており、炭素-ハロゲン結合が活性化されて重合が開始する。使用する開始剤の量は、必要とするブロック共重合体の分子量に合わせて、単量体との比から決定すればよい。すなわち、開始剤1分子あたり、何分子の単量体を使用するかによって、ブロック共重合体の分子量を制御できる。
【0033】
前記原子移動ラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定はないが、好ましいものとして、1価および0価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄または2価のニッケルの錯体があげられる。これらの中でも、コストや反応制御の点から銅の錯体がより好ましい。
【0034】
1価の銅化合物としては、たとえば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅などがあげられる。銅化合物をもちいる場合、触媒活性を高めるために2,2′-ビピリジルおよびその誘導体、1,10-フェナントロリンおよびその誘導体、テトラメチルエチレントリアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2-アミノエチル)アミンなどのポリアミンなどを配位子として添加してもよい。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好ましい。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加してもよい。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として好ましい。使用する触媒、配位子および活性化剤の量は、特に限定されないが、使用する開始剤、単量体および溶媒の量と必要とする反応速度の関係から適宜決定すればよい。
【0035】
前記原子移動ラジカル重合は、無溶媒(塊状重合)または各種の溶媒中で行うことができる。前記溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒などがあげられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。前述したように、無溶媒で実施する場合は塊状重合となる。一方、溶媒を使用する場合、その使用量は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率(すなわち、反応速度)の関係から適宜決定すればよい。また、前記重合は、室温〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、50〜150℃の範囲である。
【0036】
前記重合により、ブロック共重合体を製造するには、単量体を逐次添加する方法、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次のブロックを重合する方法、別々に重合した重合体を反応による結合する方法などがあげられる。これらの方法は目的に応じて使い分ければよいが、製造工程の簡便性の点から、単量体の逐次添加による方法が好ましい。
【0037】
<熱可塑性樹脂(B)>
本発明に使用しうる熱可塑性樹脂(B)としては、特に限定されないが、たとえば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状オレフィン共重合樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂;芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体70〜100重量%と、これらのビニル系単量体と共重合可能な、たとえば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどの他のビニル系単量体0〜30重量%とを重合して得られる単独重合体または共重合体;ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、およびポリアミドイミド樹脂などがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。より具体的には、ポリ塩化ビニル系樹脂としては、たとえば、様々な重合度のポリ塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体などのポリ塩化ビニル共重合体;ポリ塩化ビニルとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのアロイ、ポリ塩化ビニルと塩素化ポリエチレンとのアロイ、ポリ塩化ビニルとアクリル系共重合体とのアロイ、ポリ塩化ビニルとポリウレタンとのアロイなどのポリ塩化ビニル系アロイ;ポリ塩化ビニル/フィラー複合体、後塩素化ポリ塩化ビニルなどの機能化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン単独重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体などのポリ塩化ビニリデン共重合体などがあげられる。また、ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンとアクリル酸またはメタアクリル酸の金属塩との共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ジメチルアミノメチルメタアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレンオキサイド付加物などのエチレンと極性単量体との共重合体をあげることができる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、たとえば、ホモイソタクチックポリプロピレン、エチレンまたは1−ブテンを含むイソタクチックポリプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンを含むイソタクチックポリプロピレンブロック共重合体、チーグラーナッタ触媒系イソタクチックポリプロピレン、メタロセン触媒系イソタクチックポリプロピレン、メタロセン触媒系シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン;ポリプロピレン/フィラー複合体、塩素化ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレンなどの機能化ポリプロピレンがあげられる。また、環状オレフィン共重合樹脂としては、環状オレフィン、たとえばシクロペンタジエンなどを含有する樹脂であればとくに制限されないが、たとえば、ARTON(ジェイエスアール株式会社製)、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、環状オレフィンとエチレンまたはプロピレンとの共重合体であることができる。また、ポリメチルメタクリレート系樹脂としては、メタアクリル酸メチルを主成分とする樹脂であればとくに制限されず、α−メチルスチレンや無水マレイン酸などが共重合されたポリメチルメタクリレート樹脂であることができる。また、ポリスチレン系樹脂としては、たとえば、ポリスチレン単独重合体、シンジオタクチックポリスチレンなどがあげられる。また、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体70〜100重量%と、これらのビニル系単量体と共重合可能な、たとえば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどの他のビニル系単量体0〜30重量%とを重合して得られる単独重合体または共重合体としては、たとえば、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体などのアクリロニトリル−スチレン系共重合樹脂;メタアクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂などがあげられる。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、ポリフェニレンエーテル単独重合体;ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリアミドとのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリブチレンテレフタレートとのアロイなどのポリフェニレンエーテル系アロイがあげられる。また、ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールAタイプ芳香族ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとのアロイ、ポリカーボネートとポリアリレートとのアロイ、ポリカーボネートとポリメチルメタクリレートとのアロイなどのポリカーボネート系アロイがあげられる。また、ポリエステル系樹脂としては、たとえば、ポリグルコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート共重合体、サーモトロピック液晶重合体2型などの半芳香族ポリエステル;非晶性ポリアリレート、サーモトロピック液晶重合体1型、サーモトロピック液晶重合体2型などの全芳香族ポリエステルがあげられる。また、ポリアミド系樹脂としては、たとえば、PA6(ポリカプロアミド)、PA12(ポリドデカンアミド)などの開環重合系脂肪族ポリアミド;PA66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、PA46(ポリテトラメチレンアジパミド)、PA610、PA612、PA11などの重縮合系ポリアミド;MXD6、PA6T、PA9T、PA6T/66、PA6T/6、アモルファスPAなどの半芳香族ポリアミド;ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)などの全芳香族ポリアミドなどがあげられる。また、ポリアセタール樹脂としては、たとえば、ポリアセタール単独重合体、ホルムアルデヒドとトリオキサンとの共重合体があげられる。本発明において、熱可塑性樹脂(B)は、これらに限定されることがなく、種々の熱可塑性樹脂を広く用いることができ、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。これら各種の熱可塑性樹脂のうち、軟化温度が100℃以上で、かつ溶融温度が300℃以下のものが好ましく、なかでもポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましく、ブロック共(A)との相溶性や、得られる熱可塑性エラストマーの耐油性、耐熱性等の点で、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂がより好ましい。
【0038】
これらの熱可塑性樹脂(B)の配合量はブロック共重合体(A)100重量部に対して、5〜150重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。熱可塑性樹脂(B)の配合量が150重量部より大きいと得られる熱可塑性エラストマーの圧縮永久歪みやゴム弾性が低下する傾向にある。熱可塑性樹脂(B)が5重量部より少なくなると得られる熱可塑性エラストマーの成型性や機械強度が低下する傾向にある。
【0039】
<柔軟性付与剤(C)>
柔軟性付与剤(C)は製造される熱可塑性エラストマー組成物に柔軟性を付与し、その弾性率を低下するために添加される低分子量化合物であり。得られる熱可塑性エラストマー組成物の特性に応じて添加することができる。特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂に通常配合される可塑剤;プロセスオイル等の軟化剤;オリゴマー;動物油、植物油等の油分;灯油、軽油、重油、ナフサ等の石油留分などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0040】
軟化剤としては、プロセスオイルが挙げられ、より具体的には、パラフィンオイル;ナフテン系プロセスオイル;芳香族系プロセスオイル等の石油系プロセスオイル等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレートのようなイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタル酸のようなテトラヒドロフタル酸誘導体;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール等のアジピン酸誘導体;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸誘導体;セバシン酸ジブチル等のセバシン酸誘導体;ドデカン−2−酸誘導体;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル等のマレイン酸誘導体;フマル酸ジブチル等のフマル酸誘導体;トリメリト酸トリス−2−エチルヘキシル等のトリメリト酸誘導体;ピロメリト酸誘導体;クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸誘導体;イタコン酸誘導体;オレイン酸誘導体;リシノール酸誘導体;ステアリン酸誘導体;その他脂肪酸誘導体;スルホン酸誘導体;リン酸誘導体;グルタル酸誘導体;アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの二塩基酸とグリコールおよび一価アルコールなどとのポリマーであるポリエステル系可塑剤、グルコール誘導体、グリセリン誘導体、塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体、エポキシ誘導体ポリエステル系重合型可塑剤、ポリエーテル系重合型可塑剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート誘導体等が挙げられる。本発明において可塑剤はこれらに限定されるいことがなく、種々の可塑剤を用いることができ、ゴム用可塑剤として広く市販されているものも用いることができる。市販されている可塑剤としては、チオコールTP(モートン社製)、アデカサイザーO−130P、C−79、UL−100、P−200、RS−735(旭電化社製)などが挙げられる。
【0041】
植物油としては、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、パインオイル、トール油等が挙げられる。
【0042】
上記において、ブロック共重合体(A)や熱可塑性樹脂(B)との親和性に優れたものを用いるのが好ましい。特に限定されないが、このなかでも低揮発性で加熱減量の少ない可塑剤であるアジピン酸誘導体、フタル酸誘導体、グルタル酸誘導体、トリメリト酸誘導体、ピロメリト酸誘導体、ポリエステル系可塑剤、グリセリン誘導体、エポキシ誘導体ポリエステル系重合型可塑剤、ポリエーテル系重合型可塑剤などが好適に使用される。
【0043】
上記柔軟性付与剤(C)の配合量は、ブロック共重合体(A)100重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、0〜200重量部がより好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて、上記のブロック共重合体(A)、熱可塑性樹脂(B)および柔軟性付与剤(C)の他に、安定剤や滑剤、難燃剤、顔料、充填剤、補強剤、粘着性付与剤等を適宜配合することができる。具体的には、ヒンダードフェノール、ヒンダートアミン、ジブチル錫マレエートなどの安定剤;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックスなどの滑剤;デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエーテルなどの難燃剤;酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛などの顔料;カーボンブラック、シリカ、ガラス繊維、アスベスト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤;クマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、ハイスチレン樹脂、石油系炭化水素(例えばジシクロペンタジエン樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、不飽和炭化水素樹脂など)、ポリブテン、ロジン誘導体などの粘着性付与剤などがあげられる。
【0044】
さらにブロック共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との相溶性を良好にするために、相溶化剤として種々のグラフトポリマーやブロックポリマーを添加してもよい。相溶化剤としてクレイトンシリーズ(シェルジャパン製)、タフテックシリーズ(旭化成工業製)、ダイナロン(日本合成ゴム製)、エポフレンド(ダイセル化学工業製)、セプトン(クラレ製)、ノフアロイ(日本油脂製)、レクスパール(日本ポリオレフィン製)、ボンドファースト(住友化学工業製)、ボンダイン(住友化学工業製)、アドマー(三井化学)、ユーメックス(三洋化成工業製)、VMX(三菱化学製)、モディーパー(日本油脂製)、スタフィロイド(武田薬品工業製)、カネエース(鐘淵化学工業製)、レゼタ(東亜合成製)などの市販品をあげることができる。これらは、用いるブロック共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)に応じて適宜選択することができる。
【0045】
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、(a)メタアクリル系重合体ブロックと(b)アクリル系重合体ブロックを含有し、かつ分子内に不飽和二重結合を有するブロック共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含む組成物を動的に熱処理することにより製造される。動的な熱処理の操作は特に限定されないが、熱可塑性樹脂(B)をマトリクスとし、ブロック共重合体(A)が分散相(ドメイン)として分散し、かつ、ブロック共重合体(A)の一部が架橋された構成を有することが好ましい。さらに詳しくは、(A)および(B)を含む組成物を高温下で溶融、混練しながら架橋剤を添加し、ブロック共重合体(A)を混練中に架橋(動的架橋)させることによって製造される。必要に応じて柔軟性付与剤(C)、安定剤、滑剤、難燃剤、顔料、充填剤、補強材、滑剤、粘着性付与剤等の他の成分を添加して行うこともできる。
【0046】
架橋剤の種類や動的な架橋条件(温度、時間)等は、ブロック共重合体(A)に応じて適宜決定すればよく、特に限定はない。架橋剤としては、一般的なゴム架橋剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系架橋剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が例示され、例えば、0.5〜10phr(ブロック共重合体(A)100重量部あたりの重量部)程度を用いればよい。また、有機過酸化物系の架橋剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜25phr程度を用いればよい。有機過酸化物系の架橋剤を使用する場合には、必要に応じて、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモノマー、又はエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマーを架橋助剤として0.1〜30部程度添加しても良い。このような化合物により、均一かつ効率的な架橋反応が期待できる。さらに、フェノール樹脂系の架橋剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示され、例えば1〜25phr程度を用いればよい。また、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系化合物を架橋剤として用いることもできる。この架橋法はSiH基のゴム成分中の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイドロシリル化)を利用するものであり、架橋剤となり得るためには2分子以上のゴムに付加することが必要条件であるから分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要がある。分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系化合物は、下記に示すような環状ポリシロキサン類、線状ポリシロキサン類、四面体シロキサン類の構造を持つ化合物や、該化合物から誘導された化合物及びまたはポリマーが例示され、例えば0.5〜30phr程度を用いればよい。
環状ポリシロキサン類:
【0047】
【化1】
Figure 0004787452
線状ポリシロキサン類:
【0048】
【化2】
Figure 0004787452
四面体シロキサン類:
【0049】
【化3】
Figure 0004787452
(式中mは3〜30の整数、nは0から200までの整数、Rは、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基であり、かつ珪素原子に結合している少なくとも1個のRが水素である珪素原子が分子中に2個以上存在する)
分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系化合物類を架橋剤として用いる場合、ハイドロシリル化反応を促進するために、パラジウム、ロジウム、白金などの族遷移金属あるいはそれらの化合物、錯体、過酸化物、アミン、ホスフィンなどのハイドロシリル化触媒や、有機過酸化物を助触媒のビスマレイミド化合物と併用した系を触媒として用いることができ、例えば、0.001〜20phr程度を用いればよい。
【0050】
その他の架橋剤として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr程度)、メチレンジアニリン(0.2〜10phr程度)が例示される。
【0051】
また、必要に応じて、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な架橋促進剤を、例えば0.5〜5phr程度用いればよい。
【0052】
具体的には、アルデヒド・アンモニア系架橋促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グアニジン系架橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン等が;チアゾール系架橋促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が;スルフェンアミド系架橋促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアマイドCBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアゾリル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等が;チウラム系架橋促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系架橋促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等が;チオウレア系架橋促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等が; それぞれ開示される。
また、架橋促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩(2〜4phr程度)等を用いればよい。
【0053】
本発明において、必要な架橋剤等は、動的な架橋条件(温度、時間)や、製造される熱可塑性エラストマーの物性に応じて適宜選択すればよいが、製造される熱可塑性エラストマーに耐熱性が要求される場合等は、有機過酸化物系の架橋剤を用いることが好ましい。
【0054】
前記組成物の製造に使用する混練機としては、加熱と混練とを同時に行い得る種々の装置が使用可能であって、例えば通常のゴムの加工に用いられるバンバリー、ニーダー、単軸または多軸の押出機等が挙げられる。さらに必要に応じて、プレス機や射出成型機などを用いて該組成物を成型することができる。
前記組成物製造の混練温度は100〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。
【0055】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の記載における略号BA、MMA、AMAはそれぞれアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸アリルを表す。
【0056】
本実施例に示す重合体の分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウォーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
1H−NMRにより、重合体のメタアクリル酸エステルとアクリル酸エステルの重量分率をもとめた。
【0057】
本実施例に示す資料の硬度は、JIS K6301に準拠し、23℃における硬度を測定した。
【0058】
本実施例に示す資料の圧縮永久歪みは、JIS K6301に準拠し、円柱型成形体を圧縮率25%の条件で70℃で22時間保持し、室温で30分放置した後、成形体の厚みを測定し、歪みの残留度を計算した。すなわち圧縮永久歪み0%で歪みが全部回復し、圧縮永久歪み100%で歪みが全く回復しないことに相当する。
【0059】
本実施例に示す、耐油性はASTM D638に準拠し、組成物の成形体を150℃に保持したASTMオイルNo.3中に72時間浸し、重量変化率(wt%)を求めた。
【0060】
本実施例に示す、耐熱性は流動開始温度を比較することにより行った。流動開始温度は島津製作所製の高化式フローテスターCFT−500C型を用いて5℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重60Kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押出したときに、フローテスターの樹脂押出ピストンが明らかに降下し始める温度(本測定器においてはTfbと表示される)とした。
本実施例に示す、資料の不溶分率(重量%)は資料1g(Wu)を100メッシュ金網に包み、80℃のトルエン中で24時間浸積した後、トルエン可溶分を分別し、残留固形分を60℃で真空乾燥し、乾燥後の残留固形分の重量g(Wc)を測定して、資料1g(Wu)に対するの残留固形分(Wc)の重量から求めた。不溶分率(重量%)から、(メタ)アクリル系重合体(A)の架橋反応の進行を確認することができる。
【0061】
製造例1:(MMA−AMA)−BA−(MMA−AMA)型ブロック共重合体(以下AMBAMと略称する)の合成
AMBAMを得るために以下の操作を行った。
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、臭化銅4.50g(31.4ミリモル)を量り取り、アセトニトリル(窒素バブリングしたもの)72.0mLを加えた。30分間70℃で加熱攪拌したのち、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル2.26g(6.28ミリモル)およびBA360ml(2.51モル)を加えた。85℃で加熱攪拌し、配位子ジエチレントリアミン0.66ml(3.14ミリモル)を加えて重合を開始した。
【0062】
重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.2mLを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析によりBAの転化率を決定した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が94%の時点で、MMA134.3ml(1.26モル)、AMA8.48ml(62.8ミリモル)、塩化銅3.11g(31.4ミリモル)、ジエチレントリアミン0.66ml(3.14ミリモル)およびトルエン(窒素バブリングしたもの)635mlを加えた。同様にして、MMAの転化率を決定した。MMAの転化率が56%、BAの転化率が96%の時点で、トルエン635mlを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。反応溶液をトルエン2.1Lで希釈し、p−トルエンスルホン酸一水和物7.80gを加えて室温で3時間撹拌した。析出した不溶部を桐山漏斗で濾過して除いた後、ポリマー溶液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学製)を8.00g加えて室温で更に3時間撹拌した。桐山漏斗で吸着剤を濾過し、無色透明のポリマー溶液を得た。この溶液を乾燥させて溶剤および残存モノマーを除き、目的のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体のGPC分析を行なったところ、数平均分子量Mn114600が、分子量分布Mw/Mn1.74がであった。1H−NMRで測定した組成比は、BA/MMA/AMA=74.3/24.1/1.6(重量%)であった。
製造例2:MMA−BA−MMA型ブロック共重合体(以下MBAMと略称する)の合成
MBAMを得るために以下の操作を行った。
5Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、臭化銅11.3g(78.5mモル)を量り取り、アセトニトリル(モレキュラーシーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)180mLを加えた。5分間70℃で加熱攪拌した後、再び室温に冷却し、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7mモル)、BA804.6g(900.0ml)を加えた。80℃で加熱攪拌し、配位子ジエチレントリアミン1.6ml(7.9mモル)を加えて重合を開始した。重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.2mlを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析によりアクリル酸ブチルの転化率を決定した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が95%の時点で、MMA345.7g(369.3ml)、塩化銅7.8g(78.5mモル)、ジエチレントリアミン1.6ml(7.9mモル)、トルエン(モレキュラーシーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)1107.9mlを加えた。同様にして、MMAの転化率を決定した。メタアクリル酸メチルの転化率が85%、BAの転化率が98%の時点で、トルエン1500mlを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。反応中常に重合溶液は緑色であった。反応溶液をトルエン4000mLで希釈し、p−トルエンスルホン酸一水和物22.1gを加えて室温で3時間撹拌した。析出した不溶部を桐山漏斗で濾過して除いた後、ポリマー溶液に吸着剤キョーワード500SHを9.7g加えて室温で更に3時間撹拌した。桐山漏斗で吸着剤を濾過し、無色透明のポリマー溶液を得た。この溶液を乾燥させて溶剤および残存モノマーを除き、目的のMBAMを得た。得られたMBAMのGPC分析を行なったところ、数平均分子量Mnが119200、分子量分布Mw/Mnが1.51であった。またNMRによる組成分析を行なったところ、BA/MMA=72/28(重量%)であった。
【0063】
実施例1
製造例1で製造したAMBAMおよびポリアミド;PA(UBEナイロン1013B:宇部興産製)、安定剤;イルガノックス1010(チバガイギー製)を表1に示した割合で230℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)を用いて溶融混練した。さらに、スクリュー回転数100rpmにて230℃で溶融混練しながら、有機過酸化物;パーヘキサ25B(日本油脂製)および架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート(以下EDMA)(東京化成工業製)を添加し反応を進行させて(動的架橋)、サンプルを得た。得られたサンプルを設定温度230℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度230℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性、耐熱性および不溶分率を測定した。
【0064】
比較例1
製造例2で製造したMBAMおよび安定剤;イルガノックス1010(チバガイギー製)を表1に示した割合でスクリュー回転数50rpmにて190℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。得られたサンプルを設定温度190℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度190℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性、耐熱性および不溶分率を測定した。MBAM単品では耐油性および耐熱性が不十分である。
【0065】
比較例2
製造例2で製造したMBAMおよびポリアミド;PA(UBEナイロン1013B:宇部興産製)、安定剤;イルガノックス1010(チバガイギー製)を表1に示した割合でスクリュー回転数100rpmにて230℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。得られたサンプルを設定温度230℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度230℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性、耐熱性および不溶分率を測定した。MBAMとPAを溶融混練のみによって得たサンプルは圧縮永久歪みが悪化するとともに、耐油性および耐熱性が不十分であることがわかる。
【0066】
比較例3
エステル系エラストマーであるペルプレンP30B(東洋紡績製)をスクリュー回転数50rpmにて190℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。得られたサンプルを設定温度190℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度190℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性および耐熱性を測定した。ポリエステル系エラストマーでは、耐熱性は優れるものの、耐油性や圧縮永久歪みが不十分であることがわかる。
【0067】
比較例4
オレフィン系エラストマーであるサントプレーン211−55(エーイーエス・ジャパン製)をスクリュー回転数100rpmにて170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。得られたサンプルを設定温度170℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度および圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度170℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性および耐熱性を測定した。オレフィン系エラストマーでは圧縮永久歪みおよび耐熱性が良好であるものの、耐油性のレベルが不十分であることがわかる。
【0068】
【表1】
Figure 0004787452
上記表1、実施例1および比較例1〜4から明らかなように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、圧縮永久歪み特性や耐油性、耐熱性が優れることがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性および圧縮永久歪みに優れ、広い温度範囲にわたる、ゴム弾性、成形加工性に優れ、かつ熱可塑性エラストマーでありながら、耐油、耐熱性に優れることから、各種密封容器、ガスケット、耐油性ホースおよび被覆シート等として好適に広く使用することができる。

Claims (6)

  1. (A)メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)を含有し、かつ分子内に不飽和二重結合を有するブロック共重合体、(B)熱可塑性樹脂、および架橋剤を含む組成物であって、ブロック共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶融混練して、ブロック共重合体(A)を溶融混練中に動的架橋することにより得られ、当該架橋剤が、イオウ系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、フェノール樹脂系架橋剤、又は分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン化合物であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(B)をマトリクスとし、熱可塑性樹脂(B)中にブロック共重合体(A)がドメインとして分散され、かつ、ブロック共重合体(A)が架橋された構成を有する請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. ブロック共重合体(A)がトリブロック共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. ブロック共重合体(A)が原子移動ラジカル重合により製造されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(B)がポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はポリアミド系樹脂である請求項1、2、3又は4記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 熱可塑性樹脂(B)をブロック共重合体(A)100重量部に対して5〜150重量部含み、さらに柔軟性付与剤(C)をブロック共重合体(A)100重量部に対して0〜300重量部含むことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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