JP2005263910A - (メタ)アクリル系ブロック共重合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 柔軟性に富み、機械強度、成形加工性、耐油性、耐熱性、熱分解性に優れた新規な(メタ)アクリル系ブロック共重合体、及びこれを用いた低硬度熱可塑性エラストマーを提供する。
【解決手段】 メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。また、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする熱可塑性エラストマー。
【選択図】 なし
【解決手段】 メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。また、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする熱可塑性エラストマー。
【選択図】 なし
Description
本発明は、柔軟性に富み、機械強度、成形加工性、耐油性、耐熱性、熱分解性に優れた新規な(メタ)アクリル系ブロック共重合体、及びこれを用いた低硬度熱可塑性エラストマーに関する。
一般に熱可塑性エラストマーは、エントロピー弾性を発揮するゴム成分(ソフトセグメント)と、高温では流動するが常温では塑性変形を防止してゴム成分に補強効果を与える拘束成分(ハードセグメント)からなるアロイ構造を取っている。熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントが高温で流動することにより、射出成形等、熱可塑性を利用した加工が可能であるため、近年、リサイクルが困難な加硫ゴムに替わって広く使用されるようになってきている。
メタクリル系重合体ブロックとアクリル系重合体ブロックからなる(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、熱可塑性エラストマーとして使用できることが知られている(特許文献1参照)。(メタ)アクリル系熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーに比べて、耐候性・耐油性に優れているが、加硫ゴムに比べるとゴム弾性や耐熱性がやや劣るという欠点を有する。
一方、粘性と弾性を兼ね備えた低硬度な高分子材料は、緩衝材・防振材・制振材等として、各種の工業分野だけでなく、運動靴・緩衝パッド用素材・自動車エアバッグ用衝撃緩衝材・CDプレーヤー等の防振材として広範に使用されている。このような材料としては、従来加硫ゴムが大半を占めていたが、近年その成型加工の容易さやリサイクル性から、熱可塑性エラストマーも広く使用されるようになってきている。しかしながら、従来の低硬度な高分子材料には可塑剤や軟化剤等が多量に添加されていることが多く、高温下でのブリードや耐熱性(ここでは圧縮永久歪の低下)の問題が避けられなかった。このため、可塑剤等のブリードの問題がなく、低硬度かつ耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーの開発が望まれていた。
本発明の目的は、柔軟性に富み、機械強度、成形加工性、耐油性、耐熱性、熱分解性に優れた新規な(メタ)アクリル系ブロック共重合体、及びこれを用いた低硬度熱可塑性エラストマーを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メタクリル系重合体ブロック(A)と、アクリル系重合体ブロック(B)から構成される(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)が、JIS−Aに準じた硬度が10以下である熱可塑性エラストマーとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくとも一方のブロックに、一般式(1):
メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくとも一方のブロックに、一般式(1):
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表される酸無水物基(D)、及び/又は、(メタ)アクリル酸単位(E)を少なくともひとつ有してなることを特徴とする、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
トリブロック共重合体又はジブロック共重合体である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
数平均分子量が30000〜500000である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
リビングラジカル重合により製造されたことを特徴とする、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする熱可塑性エラストマー;
に関する。
で表される酸無水物基(D)、及び/又は、(メタ)アクリル酸単位(E)を少なくともひとつ有してなることを特徴とする、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
トリブロック共重合体又はジブロック共重合体である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
数平均分子量が30000〜500000である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下である、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
リビングラジカル重合により製造されたことを特徴とする、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C);
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする熱可塑性エラストマー;
に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)>
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下のものである。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)>
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下のものである。
また、当該(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、上記メタクリル系重合体ブロック(A)と上記アクリル系重合体ブロック(B)とをそれぞれ少なくとも1つ含有するものである。
さらに、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、線状ブロック共重合体(C1)及び分岐状(星状)ブロック共重合体(C2)からなる群より選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体であることが好ましい。
線状ブロック共重合体(C1)としては、AB型のジブロック共重合体、ABA型のトリブロック共重合体、BAB型のトリブロック共重合体、(AB)n型のマルチブロック共重合体等が挙げられる。分岐状(星状)ブロック共重合体(C2)としては、前記の線状ブロック共重合体(C1)を基本構造とする分岐状(星状)ブロック共重合体である。
さらに、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、線状ブロック共重合体(C1)及び分岐状(星状)ブロック共重合体(C2)からなる群より選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体であることが好ましい。
線状ブロック共重合体(C1)としては、AB型のジブロック共重合体、ABA型のトリブロック共重合体、BAB型のトリブロック共重合体、(AB)n型のマルチブロック共重合体等が挙げられる。分岐状(星状)ブロック共重合体(C2)としては、前記の線状ブロック共重合体(C1)を基本構造とする分岐状(星状)ブロック共重合体である。
これらの中でも、機械物性、成形性の点から、ABA型のトリブロック共重合体、(AB)n型のマルチブロック共重合体、これらの混合物が好ましく、ABA型のトリブロック共重合体がより好ましい。
このようなブロック共重合体の構造は、目的とする機械物性等の必要特性に応じて使い分けられる。
このようなブロック共重合体の構造は、目的とする機械物性等の必要特性に応じて使い分けられる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の数平均分子量は特に限定されないが、30000〜500000が好ましく、更に好ましくは50000〜300000である。数平均分子量が30000より小さいと粘度が低く機械強度が低下する傾向があり、また、数平均分子量が500000より大きいと粘度が高くなる傾向があるため、製造や加工成形の容易さ、必要とする特性に応じて設定することができる。また、分子量は、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン換算によって測定される。
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)のGPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)も特に限定されないが、1.8以下であることが好ましい。Mw/Mnが1.8をこえるとブロック共重合体の均一性が低下する傾向がある。
また、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の耐熱性をさらに向上させる場合には、メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくとも一方のブロックに、一般式(1):
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表される酸無水物基(D)、及び/又は、(メタ)アクリル酸単位(E)を導入することが好ましい。
で表される酸無水物基(D)、及び/又は、(メタ)アクリル酸単位(E)を導入することが好ましい。
以下に、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)における各成分等について説明する。
メタクリル系重合体ブロック(A)
メタクリル系重合体ブロック(A)は、メタクリル系エステル重合体及び/又はそれらから誘導される重合体を主成分として含有してなるブロックであり、これと共重合可能なビニル系単量体が共重合されていてもよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)
メタクリル系重合体ブロック(A)は、メタクリル系エステル重合体及び/又はそれらから誘導される重合体を主成分として含有してなるブロックであり、これと共重合可能なビニル系単量体が共重合されていてもよい。
なお、ここでの「主成分」とは、メタクリル系重合体ブロック(A)の50重量%以上を占める成分を意味する。
つまり、共重合可能なビニル系単量体の含有量としては、メタクリル系重合体ブロック(A)全体の0〜50重量%である。
つまり、共重合可能なビニル系単量体の含有量としては、メタクリル系重合体ブロック(A)全体の0〜50重量%である。
(A)を構成するメタクリル酸エステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸3−メトキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル、メタクリル酸パーフルオロメチル、メタクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、メタクリル酸α−メチルベンジル、メタクリル酸α,α−ジメチルベンジル等を挙げることができる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、加工性、コスト及び入手しやすさの点で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
これらの中では、加工性、コスト及び入手しやすさの点で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
メタクリル酸エステル重合体から誘導される重合体としては、例えば、反応によりメタクリル酸エステル重合体を変性させた重合体等が挙げられる。つまり、後述の、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)を有するように、メタクリル酸エステル重合体を変性させた重合体等が挙げられる。
また、(A)を構成するメタクリル酸エステル単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、アクリル酸α−メチルベンジル、アクリル酸α,α−ジメチルベンジル等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等を挙げることができる。
シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。
共役ジエン系化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等を挙げることができる。
ケイ素含有不飽和化合物としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。
共役ジエン系化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等を挙げることができる。
ケイ素含有不飽和化合物としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
不飽和ジカルボン酸化合物としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル等を挙げることができる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等を挙げることができる。
マレイミド系化合物としては、例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等を挙げることができる。
マレイミド系化合物としては、例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。
これらのメタクリル酸エステル単量体及び共重合可能なビニル系単量体は、メタクリル系重合体ブロック(A)に要求されるガラス転移温度(Tg)の調整、アクリル系重合体ブロック(B)との相容性、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の硬度の観点から、好ましいものを選択することができる。
また、メタクリル酸メチルの重合体は、熱分解によりほぼ定量的に解重合するが、それを抑えるために、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルもしくはそれらの混合物、又は、スチレン等を共重合することができる。
また、メタクリル酸メチルの重合体は、熱分解によりほぼ定量的に解重合するが、それを抑えるために、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルもしくはそれらの混合物、又は、スチレン等を共重合することができる。
アクリル系重合体ブロック(B)
アクリル系重合体ブロック(B)は、アクリル酸エステル重合体及び/又はそれらから誘導される重合体を主成分として含有してなるブロックであり、これと共重合可能なビニル系単量体が共重合されていてもよい。
アクリル系重合体ブロック(B)は、アクリル酸エステル重合体及び/又はそれらから誘導される重合体を主成分として含有してなるブロックであり、これと共重合可能なビニル系単量体が共重合されていてもよい。
なお、ここでの「主成分」とは、アクリル系重合体ブロック(B)の50重量%以上を占める成分を意味する。
つまり、共重合可能なビニル系単量体の含有量としては、アクリル系重合体ブロック(B)全体の0〜50重量%である。
つまり、共重合可能なビニル系単量体の含有量としては、アクリル系重合体ブロック(B)全体の0〜50重量%である。
(B)を構成するアクリル酸エステル単量体としては、メタクリル系重合体ブロック(A)の説明で、共重合可能なビニル系単量体として挙げたアクリル酸エステルにおいて例示したものと同じものを用いることができる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、ガラス転移温度、耐油性、入手のしやすさの点から、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル等が好ましく、必要な物性バランスに応じて組み合わせて用いることができる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、ガラス転移温度、耐油性、入手のしやすさの点から、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル等が好ましく、必要な物性バランスに応じて組み合わせて用いることができる。
アクリル酸エステル重合体から誘導される重合体としては、例えば、反応によりアクリル酸エステル重合体を変性させた重合体等が挙げられる。つまり、後述の、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)を有するように、アクリル酸エステル重合体を変性させた重合体等が挙げられる。
また、(B)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、メタクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル系重合体ブロック(A)を構成するメタクリル酸エステル単量体として例示したものを用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物としては、メタクリル系重合体ブロック(A)の説明で、共重合可能なビニル系単量体において例示したものと同じものを用いることができる。
また、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物としては、メタクリル系重合体ブロック(A)の説明で、共重合可能なビニル系単量体において例示したものと同じものを用いることができる。
これらのアクリル酸エステル単量体及び共重合可能なビニル系単量体は、アクリル系重合体ブロック(B)に要求される耐油性やガラス転移温度の調整、メタクリル系重合体ブロック(A)との相容性、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の硬度等の観点から、好ましいものを選択することができる。
酸無水物基(D)
酸無水物基(D)は、上記一般式(1)で表される基である。
また、酸無水物基(D)は強い凝集力をもち、酸無水物基(D)を有する重合体は、ガラス転移温度が高く(例えば、ポリメタクリル酸無水物のTgは159℃)、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の耐熱性を向上させる効果を有する。
酸無水物基(D)は、上記一般式(1)で表される基である。
また、酸無水物基(D)は強い凝集力をもち、酸無水物基(D)を有する重合体は、ガラス転移温度が高く(例えば、ポリメタクリル酸無水物のTgは159℃)、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の耐熱性を向上させる効果を有する。
酸無水物基(D)は、メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)のどちらか一方のブロックのみに含有されていても良いし、両方のブロックに含有されていても良く、各ブロックに必要とされる凝集力やガラス転移温度、さらには(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に必要とされる物性に応じて使いわけることができる。なお、低硬度で耐熱性の高い(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を得たい場合には、酸無水物基(D)をメタクリル系重合体ブロック(A)に導入することが好ましい。
各ブロックに導入される酸無水物基(D)の量に関しては、特に限定されないが、耐熱性をより向上させる観点から、各ブロックを構成する単量体の2.5モル%以上が好ましい。
酸無水物基(D)の導入方法としては、対応する単量体を共重合させてもよいし、酸無水物基の前駆体となる単量体(F)の形で(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入し、その後に環化させてもよい。単量体の入手のしやすさ、反応の簡便さから、後者がより好ましい。
酸無水物基の前駆体となる単量体(F)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸α,α−ジメチルベンジル、アクリル酸α−メチルベンジル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸α,α−ジメチルベンジル、メタクリル酸α−メチルベンジル等が挙げられる。このなかでも、入手性や重合容易性、酸無水物基の生成容易性等の点から、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましい。
酸無水物基の前駆体となる単量体(F)から酸無水物基(D)に変換させる方法としては、特に限定されないが、高温下で隣接するエステルユニットと脱離・環化させ、酸無水物基を生成する方法が挙げられる(畑田(Hatada)ら、J.M.S.−PURE APPL.CHEM.,A30(9&10),PP.645−667(1993))。これによると、一般的に、エステルユニットが嵩高く、β−水素を有する重合体は、高温下でエステルユニットが分解してカルボキシル基が生成し、それに引き続き、環化が起こり、酸無水物基(D)が生成する。
酸無水物基の前駆体となる単量体(F)から酸無水物基(D)の形成は、酸無水物基の前駆体となる単量体(F)を有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を高温下で加熱することが好ましく、特に限定されないが、150〜300℃で溶融混練することが好ましい。150℃より低いと酸無水物基(D)の生成が不十分になる傾向があり、300℃より高くなると、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)自体が分解する傾向がある。
また、溶融混練時間としては、特に限定されないが、好ましくは5分間以上である。
また、溶融混練時間としては、特に限定されないが、好ましくは5分間以上である。
(メタ)アクリル酸単位(E)
(メタ)アクリル酸単位(E)としては、一般式(2)
(メタ)アクリル酸単位(E)としては、一般式(2)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるアクリル酸単位、メタクリル酸単位が挙げられる。また、製造の容易さからメタクリル酸単位であることが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸単位(E)は強い凝集力をもち、(メタ)アクリル酸単位(E)を有する重合体はガラス転移温度が高く(例えば、ポリメタアクリル酸のTgは228℃、ポリアクリル酸のTgは106℃)、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の耐熱性を向上させる効果を有する。
で表されるアクリル酸単位、メタクリル酸単位が挙げられる。また、製造の容易さからメタクリル酸単位であることが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸単位(E)は強い凝集力をもち、(メタ)アクリル酸単位(E)を有する重合体はガラス転移温度が高く(例えば、ポリメタアクリル酸のTgは228℃、ポリアクリル酸のTgは106℃)、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の耐熱性を向上させる効果を有する。
(メタ)アクリル酸単位(E)は、メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)のどちらか一方のブロックのみに含有されていても良いし、両方のブロックに含有されていても良く、各ブロックに必要とされる凝集力やガラス転移温度、さらには(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に必要とされる物性に応じて使いわけることができる。なお、低硬度で耐熱性の高い(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を得たい場合には、(メタ)アクリル酸単位(E)をメタクリル系重合体ブロック(A)に導入することが好ましい。
各ブロックに導入される(メタ)アクリル酸単位(E)の量に関しては、特に限定されないが、耐熱性をより向上させる観点から、各ブロックを構成する単量体の5モル%以上が好ましい。
(メタ)アクリル酸単位(E)の導入方法としては、対応する単量体(メタクリル酸・アクリル酸)を共重合させてもよいし、(メタ)アクリル酸単位(E)の前駆体となる単量体(G)の形で(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入し、その後に変換させてもよい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を後述する原子移動ラジカル重合により製造する場合には、(メタ)アクリル酸の重合が困難であるため、後者がより好ましい。
(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸α,α−ジメチルベンジル、アクリル酸α−メチルベンジル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸α,α−ジメチルベンジル、メタクリル酸α−メチルベンジル等が挙げられる。このなかでも、入手性や重合容易性、酸無水物基及び/又は(メタ)アクリル酸単位の生成容易性等の点から、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)から(メタ)アクリル酸単位(E)に変換させる方法としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)を酸無水物基(D)に変換させる過程で生成させることができる。一般的に、エステルユニットが嵩高く、β−水素を有する重合体は、高温下でエステルユニットが分解してカルボキシル基が生成し、それに引き続き、環化が起こり、酸無水物基(D)が生成するが、一部はカルボキシル基のままで存在し、(メタ)アクリル酸単位(E)として(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入される。
(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)から(メタ)アクリル酸単位(E)の形成は、(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)を有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を高温下で加熱することが好ましく、特に限定されないが、150〜300℃で溶融混練することが好ましい。150℃より低いと(メタ)アクリル酸単位(E)の生成が不十分になる傾向があり、300℃より高くなると、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)自体が分解する傾向がある。
また、溶融混練時間としては、特に限定されないが、好ましくは5分間以上である。
また、溶融混練時間としては、特に限定されないが、好ましくは5分間以上である。
酸無水物基(D)と(メタ)アクリル酸単位(E)の含有比率
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入される酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)は、それが溶融混練によって導入される場合、酸無水物基の前駆体となる単量体(F)由来であるか、(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)由来であるかは特に区別される必要は無い。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入される酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)は、それが溶融混練によって導入される場合、酸無水物基の前駆体となる単量体(F)由来であるか、(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)由来であるかは特に区別される必要は無い。
そのため、同じ前駆体(F)又は(G)から、酸無水物基(D)及び(メタ)アクリル酸単位(E)の両方が同時に生成されうる。その際の両者の含有量に関しては、特に限定されず、任意の比率を取ることができる。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に含まれる両者の量は、13C(1H)−NMRを用いて、両者のシグナルの積分値を計算することで知ることができる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)における各成分の含有比率
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)のメタクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比は特に限定されないが、好ましくは(A)が5〜50重量%、(B)が95〜50重量%であり、より好ましくは(A)が10〜40重量%、(B)が90〜60重量%である。(A)の割合が5重量%より少ないと成形時に形状が保持されにくい傾向があり、(B)の割合が50重量%より少ないと柔軟性が低下する(硬度が高くなる)傾向がある。
なお、メタクリル系重合体ブロック(A)又はアクリル系重合体ブロック(B)に、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)が導入されている場合、(A)、(B)の重量は、当該(D)及び/又は(E)を含めた重量とする。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)のメタクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比は特に限定されないが、好ましくは(A)が5〜50重量%、(B)が95〜50重量%であり、より好ましくは(A)が10〜40重量%、(B)が90〜60重量%である。(A)の割合が5重量%より少ないと成形時に形状が保持されにくい傾向があり、(B)の割合が50重量%より少ないと柔軟性が低下する(硬度が高くなる)傾向がある。
なお、メタクリル系重合体ブロック(A)又はアクリル系重合体ブロック(B)に、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)が導入されている場合、(A)、(B)の重量は、当該(D)及び/又は(E)を含めた重量とする。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の硬度
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、JIS−Aに準じた硬度が10以下のものである。
硬度は、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定したものである。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、JIS−Aに準じた硬度が10以下のものである。
硬度は、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定したものである。
なお、各重合体ブロック(A)、(B)を構成するモノマー種やその量等を適宜調整することにより、当該硬度を10以下とすることができる。
具体的には、アクリル系重合体ブロック(B)のTgを下げる、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を構成するメタクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)のうちアクリル系重合体ブロック(B)の量を増やす等により、当該硬度を10以下とすることができる。
具体的には、アクリル系重合体ブロック(B)のTgを下げる、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を構成するメタクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)のうちアクリル系重合体ブロック(B)の量を増やす等により、当該硬度を10以下とすることができる。
硬度を10以下とする他の手段としては、より具体的には例えば以下のもの等が挙げられる。
メタクリル系重合体ブロック(A)がメタクリル酸メチル(以下MMAともいう)重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がアクリル酸n−ブチル(以下BAともいう)重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=75%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、MMAと、酸無水物基及びメタアクリル酸単位の共重合体(MMAは(A)の50重量%、酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がBA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=75%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)がMMA重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がBAとアクリル酸2−エチルヘキシル(以下EHAともいう)の共重合体(BA/EHA=70/30(重量比))の場合、(B)のTgが低いため、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=70%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、MMAと、酸無水物基及びメタクリル酸単位の共重合体(MMAは(A)の50重量%、酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がBAとEHAの共重合体(BA/EHA=70/30(重量比))の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=70%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)がMMA重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がEHA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=65%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、酸無水物基及びメタクリル酸単位の共重合体(酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がEHA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=65%以上とすればよい。
なお、上記いずれの場合においても、(B)/((A)+(B))の上限は95重量%であることが好ましい。
メタクリル系重合体ブロック(A)がメタクリル酸メチル(以下MMAともいう)重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がアクリル酸n−ブチル(以下BAともいう)重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=75%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、MMAと、酸無水物基及びメタアクリル酸単位の共重合体(MMAは(A)の50重量%、酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がBA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=75%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)がMMA重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がBAとアクリル酸2−エチルヘキシル(以下EHAともいう)の共重合体(BA/EHA=70/30(重量比))の場合、(B)のTgが低いため、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=70%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、MMAと、酸無水物基及びメタクリル酸単位の共重合体(MMAは(A)の50重量%、酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がBAとEHAの共重合体(BA/EHA=70/30(重量比))の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=70%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)がMMA重合体、アクリル系重合体ブロック(B)がEHA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=65%以上とすればよい。
メタクリル系重合体ブロック(A)が、酸無水物基及びメタクリル酸単位の共重合体(酸無水物基とメタクリル酸単位の比は任意)、アクリル系重合体ブロック(B)がEHA重合体の場合、(B)の重量比を(B)/((A)+(B))=65%以上とすればよい。
なお、上記いずれの場合においても、(B)/((A)+(B))の上限は95重量%であることが好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を製造する方法
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を製造する方法としては特に限定されないが、制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビングラジカル重合が挙げられ、リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量及び構造の制御の点から好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を製造する方法としては特に限定されないが、制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビングラジカル重合が挙げられ、リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量及び構造の制御の点から好ましい。
リビングラジカル重合は、重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合である。リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、ポリスルフィド等の連鎖移動剤を用いるもの;コバルトポルフィリン錯体を用いるもの(J.Am.Chem.Soc.1994、116、7943);ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、1994、27、7228);有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)等が挙げられる。
本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さ等から原子移動ラジカル重合が好ましい。
リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、ポリスルフィド等の連鎖移動剤を用いるもの;コバルトポルフィリン錯体を用いるもの(J.Am.Chem.Soc.1994、116、7943);ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、1994、27、7228);有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)等が挙げられる。
本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さ等から原子移動ラジカル重合が好ましい。
原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合される(例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614,Macromolecules 1995,28,7901,Science 1996,272,866、あるいはSawamotoら、Macromolecules 1995,28,1721)。
これらの方法によると、一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等の停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mn=1.1〜1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤の仕込み比によって自由にコントロールすることができる。
これらの方法によると、一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等の停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mn=1.1〜1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤の仕込み比によって自由にコントロールすることができる。
原子移動ラジカル重合法において、開始剤として用いられる有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物としては、一官能性、二官能性、又は、多官能性の化合物が使用できる。これらは目的に応じて使い分ければよいが、ジブロック共重合体を製造する場合は、一官能性化合物が好ましく;ABA型のトリブロック共重合体、BAB型のトリブロック共重合体を製造する場合は、二官能性化合物を使用するのが好ましく;分岐状ブロック共重合体を製造する場合は、多官能性化合物を使用するのが好ましい。
一官能性化合物としては、例えば、式:
C6H5−CH2X、
C6H5−C(H)(X)−CH3、
C6H5−C(X)(CH3)2、
R2−C(H)(X)−COOR3、
R2−C(CH3)(X)−COOR3、
R2−C(H)(X)−CO−R3、
R2−C(CH3)(X)−CO−R3、
R2−C6H4−SO2X、
(式中、C6H4はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C6H5はフェニル基を表す。R2は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。R3は炭素数1〜20の一価の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
C6H5−CH2X、
C6H5−C(H)(X)−CH3、
C6H5−C(X)(CH3)2、
R2−C(H)(X)−COOR3、
R2−C(CH3)(X)−COOR3、
R2−C(H)(X)−CO−R3、
R2−C(CH3)(X)−CO−R3、
R2−C6H4−SO2X、
(式中、C6H4はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C6H5はフェニル基を表す。R2は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。R3は炭素数1〜20の一価の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
二官能性化合物としては、例えば、式:
X−CH2−C6H4−CH2−X、
X−CH(CH3)−C6H4−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−X、
X−CH(COOR4)−(CH2)n−CH(COOR4)−X、
X−C(CH3)(COOR4)−(CH2)n−C(CH3)(COOR4)−X、
X−CH(COR4)−(CH2)n−CH(COR4)−X、
X−C(CH3)(COR4)−(CH2)n−C(CH3)(COR4)−X、
X−CH2−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−C(CH3)2−X、
X−CH(C6H5)−CO−CH(C6H5)−X、
X−CH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
X−CH2−CO−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−CO−C(CH3)2−X、
X−CH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
X−SO2−C6H4−SO2−X、
(式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20アリール基、又は炭素数7〜20アラルキル基を表す。C6H4はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C6H5はフェニル基を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。nは0〜20の整数を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
X−CH2−C6H4−CH2−X、
X−CH(CH3)−C6H4−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−X、
X−CH(COOR4)−(CH2)n−CH(COOR4)−X、
X−C(CH3)(COOR4)−(CH2)n−C(CH3)(COOR4)−X、
X−CH(COR4)−(CH2)n−CH(COR4)−X、
X−C(CH3)(COR4)−(CH2)n−C(CH3)(COR4)−X、
X−CH2−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−C(CH3)2−X、
X−CH(C6H5)−CO−CH(C6H5)−X、
X−CH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
X−CH2−CO−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−CO−C(CH3)2−X、
X−CH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
X−SO2−C6H4−SO2−X、
(式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20アリール基、又は炭素数7〜20アラルキル基を表す。C6H4はフェニレン基(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよい)を表す。C6H5はフェニル基を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。nは0〜20の整数を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
多官能性化合物としては、例えば、式:
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
C6H3−(OCO−CH2−X)3、
C6H3−(OCO−CH(CH3)−X)3、
C6H3−(OCO−C(CH3)2−X)3、
C6H3−(SO2−X)3、
(式中、C6H3は三置換フェニル基(置換基の位置は1位〜6位のいずれでもよい)を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
C6H3−(OCO−CH2−X)3、
C6H3−(OCO−CH(CH3)−X)3、
C6H3−(OCO−C(CH3)2−X)3、
C6H3−(SO2−X)3、
(式中、C6H3は三置換フェニル基(置換基の位置は1位〜6位のいずれでもよい)を表す。Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
また、重合を開始するもの以外に官能基を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を用いると、容易に末端に官能基が導入された重合体が得られる。このような官能基としては、アルケニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シリル基等が挙げられる。
これらの開始剤として用いられうる有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物は、ハロゲンが結合している炭素がカルボニル基あるいはフェニル基等と結合しており、炭素−ハロゲン結合が活性化されて重合が開始する。使用する開始剤の量は、必要とするブロック共重合体の分子量に合わせて、単量体との比から決定すればよい。すなわち、開始剤1分子あたり、何分子の単量体を使用するかによって、ブロック共重合体の分子量を制御できる。
前記原子移動ラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属錯体としては、特に限定はないが、周期律表第8族、9族、10族又は11族元素を中心金属とする金属錯体が挙げられ、好ましいものとして、1価及び0価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、2価のニッケルを中心金属とする錯体が挙げられる。これらの中でも、コストや反応制御の点から、銅の錯体がより好ましい。
1価の銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等が挙げられる。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等を配位子として添加してもよい。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh3)3)も触媒として好ましい。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加してもよい。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh3)2)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu3)2)も、触媒として好ましい。
使用する触媒、配位子及び活性化剤の量は、特に限定されないが、使用する開始剤、単量体及び溶媒の量と必要とする反応速度の関係から適宜決定すればよい。
使用する触媒、配位子及び活性化剤の量は、特に限定されないが、使用する開始剤、単量体及び溶媒の量と必要とする反応速度の関係から適宜決定すればよい。
前記原子移動ラジカル重合は、無溶媒(塊状重合)又は各種の溶媒中で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前述したように、無溶媒で実施する場合は塊状重合となる。一方、溶媒を使用する場合、その使用量は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率の関係から適宜決定すればよい。
前述したように、無溶媒で実施する場合は塊状重合となる。一方、溶媒を使用する場合、その使用量は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率の関係から適宜決定すればよい。
また、前記重合は、室温〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、50〜150℃の範囲である。
前記重合により、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を製造するには、単量体を逐次添加する方法;あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として、次のブロックを重合する方法;別々に重合した重合体を反応により結合する方法等が挙げられる。これらの方法は目的に応じて使い分ければよいが、製造工程の簡便性の点から、単量体の逐次添加による方法が好ましい。
重合によって得られた反応液は、重合体と金属錯体の混合物を含んでおり、カルボン酸基又はスルホン酸基を含有する有機酸を添加して、金属錯体と金属塩を生成させ、生成した金属錯体の塩を濾過等により除去し、引き続き、塩基性活性アルミナ、塩基性吸着剤、固体無機酸、陰イオン交換樹脂、セルロース陰イオン交換体等を用いた吸着処理により、溶液中に残存する酸等の不純物を除去することで、ブロック共重合体溶液を得ることができる。
このようにして得られた重合体溶液は、引き続き、蒸発操作により重合溶媒及び未反応モノマーを除去して、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を単離する。蒸発方式としては、薄膜蒸発方式、フラッシュ蒸発方式、押出しスクリューを備えた横形蒸発方式等を用いることができる。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は粘着性を有するため、上記蒸発方式の中でも、押出しスクリューを備えた横形蒸発方式単独、あるいは、これと他の蒸発方式と組み合わせることにより、効率的な蒸発が可能である。
また、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)を(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)に導入する方法としては、特に限定されないが、製造の簡便さ等の点で、酸無水物基の前駆体となる単量体(F)及び/又は(メタ)アクリル酸単位の前駆体となる単量体(G)を有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)を溶融混練することが好ましい。
前記(C)を溶融混練する方法としては、加熱と混練とを同時に行い得る種々の装置中で行うことが可能であって、例えば通常のゴムの加工に用いられるバンバリー、ニーダー、単軸又は多軸の押出機等が挙げられる。特に限定されないが、酸無水物基(D)及び/又は(メタ)アクリル酸単位(E)への反応性や、製造の簡便さ等の点で、押出機が好適に用いられる。前記(C)を溶融混練する際、溶融混練時間(押出機を用いた場合は押出機中での滞留時間)は、溶融混練する温度、スクリュー構成、L/D(スクリュー有効長さLとスクリュー径Dの比)、スクリュー回転数等に応じて適宜決めれば良い。
<熱可塑性エラストマー>
本発明の熱可塑性エラストマーは、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であるものである。
硬度は、前述のように、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定したものである。
また、各重合体ブロック(A)、(B)を構成するモノマー種やその量等を適宜調整することにより、当該硬度を10以下とすることができ、その具体例も前述と同様である。
本発明の熱可塑性エラストマーは、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であるものである。
硬度は、前述のように、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定したものである。
また、各重合体ブロック(A)、(B)を構成するモノマー種やその量等を適宜調整することにより、当該硬度を10以下とすることができ、その具体例も前述と同様である。
なお、一般に、加硫ゴムや熱可塑性エラストマーといった高分子材料を低硬度化するためには、可塑剤や軟化剤等が添加されることが多い。しかしながら、高温下や加圧下ではその可塑剤や軟化剤等が表面にブリードしてくる等の問題がある。
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、それ自体が硬度10以下と十分に低いため、可塑剤や軟化剤等を配合しなくとも、低硬度の熱可塑性エラストマーとして用いることができる。しかしながら、さらに低い硬度が求められる場合には、必要に応じて、可塑剤や軟化剤を上記問題とならない程度に少量添加してもよい。
ここで、一般に用いられる可塑剤や軟化剤を以下に例示する。
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、それ自体が硬度10以下と十分に低いため、可塑剤や軟化剤等を配合しなくとも、低硬度の熱可塑性エラストマーとして用いることができる。しかしながら、さらに低い硬度が求められる場合には、必要に応じて、可塑剤や軟化剤を上記問題とならない程度に少量添加してもよい。
ここで、一般に用いられる可塑剤や軟化剤を以下に例示する。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸誘導体;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール等のアジピン酸誘導体;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸誘導体;セバシン酸ジブチル等のセバシン酸誘導体;ドデカン−2−酸誘導体;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル等のマレイン酸誘導体;フマル酸ジブチル等のフマル酸誘導体;トリメリト酸トリス−2−エチルヘキシル等のトリメリト酸誘導体;ピロメリト酸誘導体;クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸誘導体;イタコン酸誘導体;オレイン酸誘導体;リシノール酸誘導体;ステアリン酸誘導体;その他脂肪酸誘導体;スルホン酸誘導体;リン酸誘導体;グルタル酸誘導体;アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の二塩基酸とグリコール及び一価アルコール等とのポリマーであるポリエステル系可塑剤;グルコール誘導体;グリセリン誘導体;塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体;エポキシ誘導体;ポリエステル系重合型可塑剤;ポリエーテル系重合型可塑剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート誘導体等が挙げられる。可塑剤としてはこれらに限定されることなく、種々の可塑剤が挙げられ、ゴム用可塑剤として広く市販されているものも含まれる。市販されている可塑剤としては、チオコールTP(モートン社製)、アデカサイザーO−130P、C−79、UL−100、P−200、RS−735(旭電化社製)等が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、動物油・植物油等の油分、灯油・軽油・重油・ナフサ等の石油留分等が挙げられる。より具体的には、パラフィンオイル;ナフテン系プロセスオイル;芳香族系プロセスオイル等の石油系プロセスオイル等が挙げられる。植物油としては、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、パインオイル、トール油等が挙げられる。
なお、本発明の熱可塑性エラストマーは、必要に応じて他の添加剤、例えば安定剤、滑剤、難燃剤、顔料、充填剤等を含有していてもよい。
安定剤としては、トリフェニルホスファイト、ヒンダードフェノール、ジブチル錫マレエート等が挙げられる。
滑剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス等が挙げられる。
難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエーテル、三酸化アンチモン等が挙げられる。
顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウィスカー、アスベスト、ウォスラナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属粉末等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
安定剤としては、トリフェニルホスファイト、ヒンダードフェノール、ジブチル錫マレエート等が挙げられる。
滑剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス等が挙げられる。
難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエーテル、三酸化アンチモン等が挙げられる。
顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウィスカー、アスベスト、ウォスラナイト、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属粉末等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、当該熱可塑性エラストマーは、緩衝材・防振材・制振材、衝撃吸収材、シーリング材、軟質充填材、自動車材料、ロール、ホース、チューブ、ベルト、履物、包装材、舗装材、文具製品、事務機器製品、医療用材料、建築用材料、食品用材料等の低硬度な高分子材料として好適に用いることができる。
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、各重合体ブロック(A)、(B)を構成するモノマー種やその量を適宜調整することにより、JIS−Aに準じた硬度が10以下の非常に軟らかい材料となる。また、必要に応じて、酸無水物基(D)や(メタ)アクリル酸単位(E)を導入することによって、耐熱性のより良好な材料となる。また、本発明の熱可塑性エラストマーは、(メタ)アクリル系熱可塑性エラストマー本来の優れた成形加工性・耐油性を有しており、その特徴を活かして、緩衝材・防振材・制振材等の低硬度な高分子材料として好適に用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下において「部」や「%」は特に断りのない限り重量基準である。
また、BA、EHA、MMA、TBMAは、それぞれ、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチルを意味する。
さらに、coはランダム共重合を、bはブロック共重合を意味する。
なお、以下において「部」や「%」は特に断りのない限り重量基準である。
また、BA、EHA、MMA、TBMAは、それぞれ、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチルを意味する。
さらに、coはランダム共重合を、bはブロック共重合を意味する。
(実施例1):(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EHA)−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/EHA=70/30重量%、(BA−co−EHA)/(MMA−co−TBMA)=80/20重量%、以下EHB50T80と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
EHB50T80を得るために以下の操作を行った。溶剤及びモノマー類は全て事前に窒素バブリングしたものを用いた。5Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、臭化銅11.0g(77.0ミリモル)を量り取り、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.5g(15.4ミリモル)、BA622g(4.8モル)、EHA270g(1.5モル)を加えて30分間70℃で加熱攪拌した。85℃で加熱攪拌し、配位子ペンタメチルジエチレントリアミン(以下トリアミン)1.3g(7.7ミリモル)を加えて重合を開始した。
EHB50T80を得るために以下の操作を行った。溶剤及びモノマー類は全て事前に窒素バブリングしたものを用いた。5Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、臭化銅11.0g(77.0ミリモル)を量り取り、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.5g(15.4ミリモル)、BA622g(4.8モル)、EHA270g(1.5モル)を加えて30分間70℃で加熱攪拌した。85℃で加熱攪拌し、配位子ペンタメチルジエチレントリアミン(以下トリアミン)1.3g(7.7ミリモル)を加えて重合を開始した。
重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.2mLを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析により、BA、EHAの転化率を決定した。また、トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。
BAの転化率が95%、EHAの転化率が95%の時点で、トルエン304g、TBMA164g(1.2モル)、MMA116g(1.2モル)、塩化銅7.6g(77.0ミリモル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル)を加えた。上と同様にして、TBMA、MMAの転化率を決定した。
TBMAの転化率が83%、MMAの転化率が80%の時点で、トルエン1500gを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。
BAの転化率が95%、EHAの転化率が95%の時点で、トルエン304g、TBMA164g(1.2モル)、MMA116g(1.2モル)、塩化銅7.6g(77.0ミリモル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル)を加えた。上と同様にして、TBMA、MMAの転化率を決定した。
TBMAの転化率が83%、MMAの転化率が80%の時点で、トルエン1500gを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。
反応溶液にトルエンを加えて、固形分濃度約25重量%に希釈し、p−トルエンスルホン酸一水和物18gを加えて、室温で3時間撹拌し、析出した固形分を桐山漏斗で濾去した。得られたポリマー溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)を12g加えて、室温で更に3時間撹拌した。桐山漏斗で吸着剤を濾去し、無色透明のポリマー溶液を得た。この溶液を乾燥させて溶剤及び残存モノマーを除き、目的のブロック共重合体EHB50T80を得た。
得られたブロック共重合体EHB50T80のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95830、分子量分布Mw/Mnが1.34であった。
得られたブロック共重合体EHB50T80のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95830、分子量分布Mw/Mnが1.34であった。
このブロック共重合体EHB50T80を45g、イルガノックス1010(酸化防止剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150(ブレード形状:ローラー形R60、東洋精機株式会社製)を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体(以下EHB50AN80と記載する)を得た。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により確認できた。すなわち、IRでは、変換後には1800cm−1あたりに酸無水物基に由来する吸収スペクトルが見られるようになることから確認できた。13C(1H)−NMRでは、変換後には、t−ブチル基の4級炭素由来の82ppmのシグナルとメチル炭素由来の28ppmシグナルが消失し、新たに酸無水物基のカルボニル炭素由来の172〜173ppm(m)のシグナルと、カルボキシル基のカルボニル炭素由来の176〜179ppm(m)のシグナルが出現することから確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、26重量%、27重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(実施例2):(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EHA)−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/EHA=70/30重量%、(BA−co−EHA)/(MMA−co−TBMA)=85/15重量%、以下EHB50T85と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅6.2g(43.4ミリモル)、アセトニトリル94g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.2g(17.4ミリモル)、BA748g(5.8モル)、EHA321g(1.7モル)、トリアミン0.75g(4.3ミリモル);トルエン707g、MMA78g(0.78モル)、TBMA111g(0.78モル)、塩化銅4.3g(43.4ミリモル)、トリアミン0.75g(4.3ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物12g、キョーワード500SHを13gを用い、TBMAの転化率92%、MMAの転化率89%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T85を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T85のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95200、分子量分布Mw/Mnが1.28であった。
原料として、臭化銅6.2g(43.4ミリモル)、アセトニトリル94g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.2g(17.4ミリモル)、BA748g(5.8モル)、EHA321g(1.7モル)、トリアミン0.75g(4.3ミリモル);トルエン707g、MMA78g(0.78モル)、TBMA111g(0.78モル)、塩化銅4.3g(43.4ミリモル)、トリアミン0.75g(4.3ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物12g、キョーワード500SHを13gを用い、TBMAの転化率92%、MMAの転化率89%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T85を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T85のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95200、分子量分布Mw/Mnが1.28であった。
このブロック共重合体EHB50T85を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下EHB50AN85と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、25重量%、23重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、25重量%、23重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(実施例3):(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EHA)−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/EHA=70/30重量%、(BA−co−EHA)/(MMA−co−TBMA)=90/10重量%、以下EHB50T90と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅5.8g(40.8ミリモル)、アセトニトリル94g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.9g(16.3ミリモル)、BA748g(5.8モル)、EHA321g(1.7モル)、トリアミン0.71g(4.1ミリモル);トルエン435g、MMA49g(0.49モル)、TBMA70g(0.49モル)、塩化銅4.0g(40.8ミリモル)、トリアミン0.71g(4.1ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物15g、キョーワード500SHを12gを用い、TBMAの転化率90%、MMAの転化率88%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T90を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T90のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95800、分子量分布Mw/Mnが1.26であった。
原料として、臭化銅5.8g(40.8ミリモル)、アセトニトリル94g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.9g(16.3ミリモル)、BA748g(5.8モル)、EHA321g(1.7モル)、トリアミン0.71g(4.1ミリモル);トルエン435g、MMA49g(0.49モル)、TBMA70g(0.49モル)、塩化銅4.0g(40.8ミリモル)、トリアミン0.71g(4.1ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物15g、キョーワード500SHを12gを用い、TBMAの転化率90%、MMAの転化率88%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T90を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T90のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95800、分子量分布Mw/Mnが1.26であった。
このブロック共重合体EHB50T90を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下EHB50AN90と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、26重量%、27重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、26重量%、27重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(実施例4):MMA−b−(BA−co−EHA)−b−MMA型ブロック共重合体(ただし、BA/EHA=70/30重量%、(BA−co−EHA)/MMA=80/20重量%、以下EHB0T80と記載する)の合成
原料として、臭化銅11.0g(77.0ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.5g(15.4ミリモル)、BA622g(4.8モル)、EHA270g(1.5モル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル);トルエン758g、MMA279g(2.8モル)、塩化銅7.6g(77.0ミリモル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物18g、キョーワード500SHを12gを用い、MMAの転化率70%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T80を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T80のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが109184、分子量分布Mw/Mnが1.33であった。
原料として、臭化銅11.0g(77.0ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.5g(15.4ミリモル)、BA622g(4.8モル)、EHA270g(1.5モル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル);トルエン758g、MMA279g(2.8モル)、塩化銅7.6g(77.0ミリモル)、トリアミン1.3g(7.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物18g、キョーワード500SHを12gを用い、MMAの転化率70%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EHB0T80を得た。
得られたブロック共重合体EHB0T80のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが109184、分子量分布Mw/Mnが1.33であった。
このブロック共重合体EHB0T80を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、190℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて50rpmで20分間溶融混練して、塊状のブロック共重合体を得た(以下EHB0AN80と記載する)。
得られた塊状のブロック共重合体を、190℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
得られた塊状のブロック共重合体を、190℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
(実施例5):(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/(MMA−co−TBMA)=82/18重量%、以下BA50T82と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅8.2g(56.7ミリモル)、アセトニトリル116g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル4.1g(11.3ミリモル)、BA662g(5.2モル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);トルエン1002g、MMA175g(1.7モル)、TBMA248g(1.7モル)、塩化銅5.6g(56.7ミリモル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率33%、MMAの転化率33%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T82を得た。
得られたブロック共重合体BA50T82のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが86000、分子量分布Mw/Mnが1.26であった。
原料として、臭化銅8.2g(56.7ミリモル)、アセトニトリル116g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル4.1g(11.3ミリモル)、BA662g(5.2モル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);トルエン1002g、MMA175g(1.7モル)、TBMA248g(1.7モル)、塩化銅5.6g(56.7ミリモル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率33%、MMAの転化率33%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T82を得た。
得られたブロック共重合体BA50T82のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが86000、分子量分布Mw/Mnが1.26であった。
このブロック共重合体BA50T82を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下BA50AN82と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、25重量%、27重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、25重量%、27重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(実施例6):(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/(MMA−co−TBMA)=75/25重量%、以下BA50T75と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅8.2g(56.7ミリモル)、アセトニトリル116g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル4.1g(11.3ミリモル)、BA662g(5.2モル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);トルエン1002g、MMA175g(1.7モル)、TBMA248g(1.7モル)、塩化銅5.6g(56.7ミリモル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率55%、MMAの転化率44%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T75を得た。
得られたブロック共重合体BA50T75のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが92000、分子量分布Mw/Mnが1.25であった。
原料として、臭化銅8.2g(56.7ミリモル)、アセトニトリル116g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル4.1g(11.3ミリモル)、BA662g(5.2モル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);トルエン1002g、MMA175g(1.7モル)、TBMA248g(1.7モル)、塩化銅5.6g(56.7ミリモル)、トリアミン0.98g(5.7ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率55%、MMAの転化率44%の時点で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T75を得た。
得られたブロック共重合体BA50T75のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが92000、分子量分布Mw/Mnが1.25であった。
このブロック共重合体BA50T75を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下BA50AN75と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、26重量%、28重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、26重量%、28重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(比較例1):MMA−b−BA−b−MMA型ブロック共重合体(ただし、BA/MMA=70/30重量%、以下BA0T70と記載する)の合成
原料として、臭化銅11.5g(78.5ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7ミリモル)、BA805g(6.3モル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);トルエン1108g、MMA346g(3.5モル)、塩化銅7.8g(78.5ミリモル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物22g、キョーワード500SHを10gを用い、MMAの転化率82%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA0T70を得た。
得られたブロック共重合体BA0T70のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが119200、分子量分布Mw/Mnが1.51であった。
原料として、臭化銅11.5g(78.5ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7ミリモル)、BA805g(6.3モル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);トルエン1108g、MMA346g(3.5モル)、塩化銅7.8g(78.5ミリモル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物22g、キョーワード500SHを10gを用い、MMAの転化率82%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA0T70を得た。
得られたブロック共重合体BA0T70のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが119200、分子量分布Mw/Mnが1.51であった。
このブロック共重合体BA0T70を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、190℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて50rpmで20分間溶融混練して、塊状のブロック共重合体を得た(以下BA0AN70と記載する)。
得られた塊状のブロック共重合体を、190℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
得られた塊状のブロック共重合体を、190℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
(比較例2):(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)型ブロック共重合体(ただし、MMA/TBMA=50/50モル%、BA/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%、以下BA50T70と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅11.3g(78.5ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7ミリモル)、BA804g(6.3モル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);トルエン994g、MMA216g(2.2モル)、TBMA307g(2.2モル)、塩化銅7.8g(78.5ミリモル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物18g、キョーワード500SHを12gを用い、TBMAの転化率72%、MMAの転化率62%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T70を得た。
得られたブロック共重合体BA50T70のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが108240、分子量分布Mw/Mnが1.49であった。
原料として、臭化銅11.3g(78.5ミリモル)、アセトニトリル157g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7ミリモル)、BA804g(6.3モル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);トルエン994g、MMA216g(2.2モル)、TBMA307g(2.2モル)、塩化銅7.8g(78.5ミリモル)、トリアミン1.4g(7.9ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物18g、キョーワード500SHを12gを用い、TBMAの転化率72%、MMAの転化率62%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体BA50T70を得た。
得られたブロック共重合体BA50T70のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが108240、分子量分布Mw/Mnが1.49であった。
このブロック共重合体BA50T70を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下BA50AN70と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、24重量%、21重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、24重量%、21重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
(比較例3):TBMA−b−EHA−b−TBMA型ブロック共重合体(ただし、EHA/TBMA=60/40重量%、以下EH100T60と記載する)の合成、酸無水物及びメタクリル酸単位含有ブロック体への変性
原料として、臭化銅12.2g(85.0ミリモル)、アセトニトリル133g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.1g(17.0ミリモル)、EHA752g(4.1モル)、トリアミン1.5g(8.5ミリモル);トルエン1219g、TBMA650g(4.6モル)、塩化銅8.4g(85.0ミリモル)、トリアミン1.5g(8.5ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率75%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EH100T60を得た。
得られたブロック共重合体EH100T60のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが103000、分子量分布Mw/Mnが1.35であった。
原料として、臭化銅12.2g(85.0ミリモル)、アセトニトリル133g、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.1g(17.0ミリモル)、EHA752g(4.1モル)、トリアミン1.5g(8.5ミリモル);トルエン1219g、TBMA650g(4.6モル)、塩化銅8.4g(85.0ミリモル)、トリアミン1.5g(8.5ミリモル);p−トルエンスルホン酸一水和物20g、キョーワード500SHを10gを用い、TBMAの転化率75%で重合を停止した以外は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合体EH100T60を得た。
得られたブロック共重合体EH100T60のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが103000、分子量分布Mw/Mnが1.35であった。
このブロック共重合体EH100T60を45g、イルガノックス1010を0.2重量部用いて、240℃に設定したラボプラストミル50C150を用いて100rpmで20分間溶融混練して、酸無水物基及びメタクリル酸単位含有ブロック共重合体を得た(以下EH100AN60と記載する)。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、75重量%、25重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
得られた塊状の上記ブロック共重合体を、240℃で熱プレス成形し、直径30mm及び厚さ12mmで円筒状の成形体を得た。当該成形体について、硬度、圧縮永久歪を測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。当該シートにて機械強度を測定した。
t−ブチルエステル部位の酸無水物基及びカルボキシル基への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C(1H)−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により、実施例1と同様にして確認できた。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体のメタクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、75重量%、25重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
上記実施例1〜6、比較例1〜3で得られたブロック共重合体について、硬度、機械強度、圧縮永久歪を以下のようにして測定し、その結果を表1に示した。
試験方法
(硬度)
硬度は、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定した。
(硬度)
硬度は、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23±2℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定した。
(機械強度:引張特性)
破断強度(MPa)は、JIS K 7113に記載の方法に準用して、島津製作所製のオートグラフAG−10TB形を用い、23℃にて500mm/分の試験速度で測定した。測定はn=3にて行い、試験片が破断したときの強度(MPa)と伸び(%)の値の平均値を採用した。なお、試験片は2(1/3)号形の形状にて、厚さが約2mm厚のものを用い、原則として、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%で48時間以上状態調節したものを用いた。
破断強度(MPa)は、JIS K 7113に記載の方法に準用して、島津製作所製のオートグラフAG−10TB形を用い、23℃にて500mm/分の試験速度で測定した。測定はn=3にて行い、試験片が破断したときの強度(MPa)と伸び(%)の値の平均値を採用した。なお、試験片は2(1/3)号形の形状にて、厚さが約2mm厚のものを用い、原則として、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%で48時間以上状態調節したものを用いた。
(圧縮永久歪)
圧縮永久歪は、JIS K 6301に準拠し、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を圧縮率25%の条件で100℃で22時間保持し、室温で30分間放置した後、23±2℃で成形体の厚みを測定し、歪みの残留度を計算した。すなわち、圧縮永久歪0%で歪みが全部回復し、圧縮永久歪100%で歪みが全く回復しないことに相当する。
圧縮永久歪は、JIS K 6301に準拠し、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を圧縮率25%の条件で100℃で22時間保持し、室温で30分間放置した後、23±2℃で成形体の厚みを測定し、歪みの残留度を計算した。すなわち、圧縮永久歪0%で歪みが全部回復し、圧縮永久歪100%で歪みが全く回復しないことに相当する。
上記表1の結果より、本発明のブロック共重合体(実施例1〜6)は、可塑剤を含まない状態であっても、JIS−Aに準じた硬度が10以下と非常に軟質な材料であり、さらに、機械強度が比較的高く、耐熱性(ここでは圧縮永久歪)が良好であることがわかる(実施例1、2、5、6)。それに対して、比較例1〜3では、硬度が10よりも高くなっている。
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)は、各重合体ブロック(A)、(B)を構成するモノマー種やその量を適宜調整することにより、JIS−Aに準じた硬度が10以下の非常に軟らかい材料となる。また、必要に応じて、酸無水物基(D)や(メタ)アクリル酸単位(E)を導入することによって、耐熱性のより良好な材料となる。また、本発明の熱可塑性エラストマーは、(メタ)アクリル系熱可塑性エラストマー本来の優れた成形加工性・耐油性を有しており、その特徴を活かして、緩衝材・防振材・制振材等の低硬度な高分子材料として好適に用いることができる。
Claims (7)
- メタクリル系重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)を含有してなり、かつ、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。
- トリブロック共重合体又はジブロック共重合体である、請求項1又は2記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。
- 数平均分子量が30000〜500000である、請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。
- ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。
- リビングラジカル重合により製造されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)からなり、JIS−Aに準じた硬度が10以下であることを特徴とする熱可塑性エラストマー。
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2004
- 2004-03-17 JP JP2004076316A patent/JP2005263910A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009538384A (ja) * | 2006-05-25 | 2009-11-05 | アーケマ・インコーポレイテッド | 酸性官能基を有するグラジエントブロック共重合体 |
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