JPWO2010134492A1 - カセット - Google Patents

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章男 松山
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資 有光
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浩幸 島田
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貴行 湊
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Abstract

【課題】収納された基板表面への異物の付着を軽減でき、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットを提供する。【解決手段】基板(40)を収納するカセット(100)であって、内部に基板(40)が配置されるカセット本体部(10)と、カセット本体部(10)の一部に形成されたカセット開口部(20)と、カセット開口部(20)を塞ぐ閉塞板(32)を含むシャッター構造(30)とを備え、カセット本体部(10)のうちカセット開口部(20)の周縁に位置する部位(12)と、シャッター構造(30)との互いに対向する面には、それぞれ、閉塞板(32)の開閉方向(50)に沿って突起(14、34)が形成されており、カセット本体部(10)側に位置する突起(14)とシャッター構造(30)側に位置する突起(34)とは互いに離間している、カセット(100)である。

Description

本発明は、基板を収納するカセットに関し、特に、液晶パネルの製造方法に用いるガラス基板を収納するカセットに関する。



なお、本出願は2009年5月20日に出願された日本国特許出願2009−121559号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
液晶表示装置の構成部品である液晶パネルは、一対のガラス基板を所定のギャップを確保した状態で対向させた構造を有している。液晶パネルの大型化・量産化に伴って、液晶パネル用のガラス基板は年々大型化している。このような次世代の大型液晶ガラス基板を搬送する基板搬送システムでは、液晶ガラス基板を多段収納する収納カセットが用いられる(例えば、特許文献1〜3など)。
ガラス基板を収納した収納カセットは、クリーンルーム内の製造工程において液晶パネル製造装置の載置部から別の製造装置の載置部へガラス基板を搬送したり保管したりするのに用いられる。また、収納カセットは、液晶パネル製造装置の載置部とカセット保管庫の保管部との間でガラス基板を搬送・保管したりすることにも用いられる。
クリーンルーム内の雰囲気は十分な空気清浄度が確保されているが、収納カセットの搬送・保管時に作業者や床面などから飛散したゴミなどの異物が基板表面に付着したり、基板処理時の有機ガスなどのミストがクリーンルーム内を浮遊して基板表面に付着することがある。そして、異物やミストが付着したまま、基板をプロセス処理すると液晶パネルの品質が低下するおそれがある。
そのため、上板と4つの側板からなる収納カバーを収納カセットに被せた状態にして、異物などが付着しないよう搬送・保管を行うようにしている。ここで、収納カセットと収納カバーとは別個のものであるため、収納カバーの被せ作業が必要となるが、基板を出し入れする毎に被せ作業を実行するのは面倒であるとともに、その自動化も困難である。
特許文献1には、基板を出し入れできる開口部を有する箱形の収納カセットにおいて、その開口部を開放および密閉するために開閉自在に支持された扉と、その扉を開閉する開閉機構を設けたものが開示されている。特許文献2に開示された収納カセットによれば、搬送・保管の時に、収納された基板表面に異物やミストの付着を軽減することができ、また、扉の開閉の自動化をすることができる。
特開平9−115997号公報 特開2005−142480号公報 特開2005−145628号公報
特許文献1に開示された収納カセットでは、たしかに、異物等が基板表面に付着することを低減することができるが、次のような問題があることを本願発明者は見出した。この収納カセットには、扉を開閉する開閉機構が設けられており、この開閉機構によって扉を開閉する場合、開閉機構を中心にして扉を大きく回動させるため、収納カセットの周囲に大きな空きスペースを確保する必要がある。すなわち、この収納カセットの場合、開閉時の占有面積が大きく、クリーンルーム内の液晶パネルの製造工程において一般に用いるのは支障がある。特に、液晶パネル用のガラス基板は年々大型化しており、そのようなガラス基板を収納する収納カセットにおいて扉の開閉構造を採用すると、収納カセットの周囲に非常に多くの占有面積が求められ、実用性がより低下する。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、収納された基板表面に異物やミストが付着することを軽減することができるとともに、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットを提供することにある。
本発明に係るカセットは、基板を収納するカセットであり、内部に基板が配置されるカセット本体部と、前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造とを備え、前記カセット本体部のうち前記カセット開口部の周縁に位置する部位と、前記シャッター構造との互いに対向する面には、それぞれ、前記閉塞板の開閉方向に沿って突起が形成されており、前記カセット本体部側に位置する前記突起と、前記シャッター構造側に位置する前記突起とは、互いに離間している。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起は、それぞれ、前記閉塞板の開閉方向に沿って細長く延びたリブ状の突起である。

ある好適な実施形態において、前記閉塞板の開閉方向は、前記カセット本体部の高さ方向である。

ある好適な実施形態では、前記カセット本体部の高さ方向に沿って形成された突起に加えて、さらに、水平方向に沿って延びた突起が前記シャッター構造に形成されている。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起の何れか一方の突起は、複数の突起であり、前記複数の突起の間に、前記一方に対する他方の突起が位置している。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起は、それぞれ、前記開閉板の開閉方向に垂直な断面がL字状の形状を有している。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部には、前記シャッター構造を係止する係止部が設けられており、前記シャッター構造には、前記カセット本体部に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されている。

本発明の他のカセットは、基板を収納するカセットであり、内部に基板が配置されるカセット本体部と、前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造とを備え、前記カセット本体部には、前記シャッター構造を係止する係止部が設けられており、前記シャッター構造には、前記カセット本体部に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されており、前記係止部は、ローラベアリングであり、前記ガイド部には、前記ローラベアリングが配置可能な溝が形成されており、前記溝は、前記カセット本体部の高さ方向に対して斜めに延びている。

ある好適な実施形態において、前記ローラベアリングは、前記カセット本体部の最上部に設けられている。

ある好適な実施形態では、前記ローラベアリングは、前記最上部に加えて、さらに、前記最上部よりも下の位置にも設けられている。

ある好適な実施形態において、前記ローラベアリングは、前記カセット本体部の高さ方向の中央部に少なくとも一つ設けられている。

ある好適な実施形態において、前記ガイド部と前記ローラベアリングとの組み合わせは、前記カセット本体部の高さ方向に沿って複数設けられており、前記高さ方向において上方に位置する前記ガイド部の水平方向の長さは、それよりも下方に位置する前記ガイド部の水平方向の長さよりも長い。

本発明の更に他のカセットは、基板を収納するカセットであり、内部に基板が配置されるカセット本体部と、前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造とを備え、前記シャッター構造には、当該シャッター構造を前記カセット本体部に係止する係止部が設けられており、前記カセット本体部には、前記シャッター構造に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されており、前記係止部は、ローラベアリングであり、前記ガイド部には、前記ローラベアリングが配置可能な溝が形成されており、前記溝は、前記カセット本体部の高さ方向に対して斜めに延びている。

本発明の更に他のカセットは、基板を収納するカセットであり、内部に基板が配置されるカセット本体部と、前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造とを備え、前記カセット本体部には、テーパー形状を有する部位が設けられており、前記シャッター構造には、前記テーパー形状を有する部位に対応して、テーパー形状を有する部位が設けられている。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部の内部には、複数のワイヤーが配列されており、前記基板は、ガラス基板であり、前記ガラス基板は、前記ワイヤーによって支持される。

ある好適な実施形態において、前記カセット本体部は、箱形形状を有しており、前記カセット開口部は、前記箱形形状の前面および後面の少なくとも一方の面に形成されており、前記箱形形状の底面には、前記基板を搬送する搬送装置が挿入される開口部が形成されている。
本発明のカセットでは、内部に基板が配置されるカセット本体部の一部にカセット開口部が形成されており、そのカセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造を備えている。そして、カセット本体部のうちカセット開口部の周縁に位置する部位と、シャッター構造との互いに対向する面には、カセット本体部の高さ方向に沿って突起が形成され、それらの突起は互いに離間しているので、収納された基板表面に異物やミストの付着を軽減することができるとともに、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットを提供するができる。
本発明の実施形態に係るカセット100の斜視図である。 (a)及び(b)は、カセット100の側面図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の側面図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の側面図である。 (a)はシャッター構造30およびカセット本体部10の一部拡大図であり、(b)は(a)中の線VB−VBに沿った断面図である。 図2(b)中の線VI−VIに沿った断面図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の斜視図である。 (a)は突起13Aの周辺の部分拡大断面図であり、(b)は突起13E・13Fの周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の斜視図である。 比較例のカセット1000の斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ、比較例のカセット1100の斜視図および側面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、比較例のカセット1200の斜視図および側面図である。 比較例のカセット1300の斜視図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の側面図である。 図14中の線X−Xに沿った断面図である。 本発明の実施形態に係るカセット100の側面図である。 ワイヤーカセット方式のカセット100の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
まず、図1から図4を参照しながら、本発明の実施形態に係るカセット100について説明する。
図1は、本実施形態のカセット100の全体構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態のカセット100は、基板40を収納することができる。基板40は、例えば、液晶パネル用のガラス基板である。このガラス基板40は、液晶パネルの寸法に切り出す前のマザーガラスであってもよいし、切り出した後の液晶パネルのサイズのガラスであってもよい。さらに、ガラス基板40は、薄膜トランジスタ(TFT)が作製されるアレイ基板(またはその作製途中のもの)であってもよいし、カラーフィルタ(CF)が形成されるCF基板(またはその作製途中のもの)であってもよい。また、基板40は、ガラス基板の他、ウェハのような他の薄板であっても構わない。
加えて、液晶パネル用の基板40に限らず、PDP、有機ELパネル、その他フラットパネルディスプレイを製作する上での薄型の基板(ガラスに限らず、シート状のものでワイヤーカセットに保管され得るもの)であってもよい。
本実施形態のカセット100は、カセット本体部10と、カセット本体部10の一部に形成されたカセット開口部20と、カセット開口部20を塞ぐ閉塞板32を含むシャッター構造30とから構成されている。カセット本体部10の内部には、基板40を配置することができる。また、カセット開口部20からは、基板40を出し入れすることができる。
カセット本体部10およびシャッター構造30のそれぞれには、互いに対向する面に突起(14、34)が形成されている。具体的には、カセット本体部10のうち、カセット開口部20の周縁に位置する部位12に突起14が形成されており、一方、シャッター構造30のうち、周縁部位12に対向する面に突起34が形成されている。本実施形態の突起(14、34)は、閉塞板32の開閉方向に沿って延びている。また本実施形態の構成では、シャッター構造30の開閉方向は、カセット本体部10の高さ方向50であり、すなわち、重力方向(鉛直方向)である。
この例では、突起14は、カセット本体部10のうちの周縁部位12の左右の箇所に設けられている。一方、突起34は、シャッター構造30の閉塞板32の左右の縁部に設けられている。また、本実施形態の突起(14、34)は、高さ方向50に沿って細長く延びたリブ状の突起である。
シャッター構造30をカセット本体部10にセットした場合(矢印55参照)、シャッター構造30の閉塞板32によってカセット開口部20を塞いだ状態にすることができる。この状態において、本実施形態の構成では、カセット本体部10側に位置する突起14と、シャッター構造30側に位置する突起34とは、互いに離間している。閉塞板32がカセット開口部20を塞いだ際に、突起14と突起34とが互いに離間した状態の構成にしていることにより、突起14と突起34との互いの摺動を無くしたり、または、摺動を低減することができる。
本実施形態のカセット本体部10は、箱形形状を有している。例えば、カセット本体部10の辺の部分をフレーム構造で作製して、カセット本体部10の面の部分をパネル構造で作製することができる。その場合、フレーム構造の部分は、金属(例えば、アルミ、鉄、ステンレスなど)から構成され、パネル構造の部分は、樹脂板、金属板(例えば、アルミ板)などから構成され得る。
図1に示した構成例では、カセット本体部10の骨格はフレーム構造を有しており、そして、カセット本体部10の側面(左面・右面)11Aおよび上面11Bはパネル構造(例えば、金属板)によって覆われている。この例では、カセット開口部20は、カセット本体部10の前面に形成されているが、前面に加えて後面に形成してもよい。カセット本体部10の前面と後面との両方にカセット開口部20を形成した場合には、前後の両方から基板40を出し入れすることが可能となる。
なお、カセット本体部10の底面は、パネル構造で覆う形態と覆わない形態がある。カセット本体部10の底面をパネル構造で覆った場合、基板40の出し入れは、カセット開口部20に例えばロボットアームを導入して、そのロボットアームによって実行される。一方、カセット本体部10の底面をパネル構造で覆わずにそこに開口部を形成した場合、その底面の開口部に、昇降装置に備え付けられたローラーコンベアを導入して、そのローラーコンベアによってカセット開口部20から基板40を出し入れすることが可能である。
また、カセット本体部10には、シャッター構造30を係止する係止部16が設けられている。一方、シャッター構造30には、カセット本体部10に設けられた係止部16を収納するガイド部36が形成されている。本実施形態の係止部16は、ローラベアリングである。また、ガイド部36には、溝が形成されており、その溝にローラベアリング16が収納され、それにより、シャッター構造30がカセット本体部10に固定される。なお、カセット本体部10にガイド部36を設け、一方、シャッター構造30に係止部16を設けることも可能である。
カセット本体部10の下部には、シャッター構造30の下面を支持する支持部材15が設けられている。具体的には、カセット本体部10のうち、カセット開口部20の周縁に位置する部位(下部箇所)に、支持部材15が形成されている。この例では、支持部材15は、水平方向(高さ方向50に対して直角な方向)に延びた細長く延びた突起であり、シャッター構造30の閉塞板32の下面を支持している。なお、シャッター構造30の下部を支持することができれば、支持部材15は他の形態であってもよく、例えば、短い長さの突起(矩形の突起、円形の突起など)であってもよい。
図2(a)及び(b)は、本実施形態のカセット100の側面構成を模式的に示している。なお、図2に示した構成においては、図1に示したものと比較して、係止部16とガイド部36との組み合わせ(16Aと36A、16Bと36B)が高さ方向50に沿って複数設けられている点が主に異なる。ただし、図2に示した構成においても、図1に示したように、係止部16とガイド部36との組み合わせ(例えば、16Aと36A)を高さ方向50に沿って一つ設けることも可能である。
図2(a)に示した構成では、係止部16(16A、16B)は、ローラベアリングである。そして、ガイド部36(36A、36B)には、溝37が形成されており、その溝37内にローラベアリング16が配置可能となっている。また、この溝37は、カセット本体部10の高さ方向50に対して斜めに延びている。
シャッター構造30は、例えば、他の上下移動機構(ロボットアーム、昇降機など)に接続されており、高さ方向50と平行(又は実質的に平行)な上下方向52に移動可能にされている。図2(a)に示した状態から、シャッター構造30を下方(矢印52参照)に移動させると、ガイド部36の溝37内にローラベアリング16が収納されていく。
すると、図2(b)に示すように、ローラベアリング16が溝37内で少し回転するだけで、シャッター構造30の閉塞板32は矢印55のように移動して、カセット開口部20を塞ぐ。それとともに、シャッター構造30は、カセット本体部10に固定されるので、シャッター構造30に接続されていた上下移動機構とから切り離すことができる。それにより、シャッター構造30とカセット本体部10とが一体化されたカセット100を移動させることができる。この例では、シャッター構造30は、カセット本体部10のローラベアリング16(16A、16B)および支持部材15によって固定されている。
なお、本実施形態の構成では、シャッター構造30を上げ続けた際に、シャッター構造30がカセット本体部10から容易に離脱できるように、上方のガイド部36Aの長さを下方のガイド部36Bの長さよりも長くしている。また、ローラベアリング16とガイド部36との組み合わせは、図2に示した構成の2個に限らず、3個または4個以上にしてもよい。その場合にも、上方のガイド部の長さが下方のガイド部の長さよりも長くなるようにすることが好ましい。
なお、ローラベアリング16とガイド部36との組み合わせが1つの場合は、図3に示すように、ローラベアリング16は、カセット本体部10の最上部(例えば図2(b)の寸法Lの領域)に設けることができる。図3に示したローラベアリング16が最上部にある形態では、シャッター構造30は、支持部材15によって重力(鉛直)方向で支えられているものの、水平方向には固定されていない。すると、シャッター構造30は、ガイド部36を支点にして振れ易くなってしまう。そこで、図4に示すように、ローラベアリング16とガイド部36との組み合わせを、カセット本体部10の中央部に設けることも可能である。このようにすると、図3に示した構造と比較して、シャッター構造30の振れ幅を小さくすることができる。ただし、図4に示した構造では、シャッター構造30のうち、ガイド部16よりも上に位置する部位の強度の確保が要求される。
もちろん、図2に示した構成のように、ローラベアリング16とガイド部36との組み合わせを複数にすると、シャッター構造30とカセット本体部10との固定をより安定したものにすることができるので好ましい。ただし、複数の構成の場合には、カセット100を構成する部品点数が増えることになる。それゆえに、
カセット100の開閉動作および密閉性が良好なのであれば、ローラベアリング16とガイド部36との組み合わせが1つであっても、コストの側面(製造コスト、部品・材料コスト)等の利点はある。
図5(a)は、図2(a)から図2(b)へ移行する際における支持部材15の周辺の拡大図である。シャッター構造30の閉塞板32からは突起34が、カセット本体部10の方へ延びて形成されている。一方、カセット本体部10の周縁部位12からは突起14が、シャッター構造30の閉塞板32の方へ延びて形成されている。上述したように、シャッター構造30は上下方向52に沿って移動可能にされており、シャッター構造30が下方に移動して支持部材15の方へ近づくと、閉塞板32がカセット開口部20を塞ぐ。
図5(b)は、図5(a)(又は図2(b))中の線VB−VBに沿った断面模式図である。この例では、突起34が2本(34A、34B)と、突起14が1本とが設けられており、突起14は、突起34Aと突起34Bとの間に配置されている。そして、突起14と、突起34(34A、34B)とは、互いに離間しているので、シャッター構造30が上下方向52に沿って移動しても、突起14と突起34とは互いに摺動しない(又は実質的に摺動しない)構成となっている。
図5(a)及び(b)に示すように、突起14と突起34との組み合わせは、その突起の側面方向(水平方向)から見たときに、各突起の一部が重なるように配置されている。このように配置されていることにより、カセット100の周囲の外気が矢印51(図5(b)参照)のようにカセット100の内部に入り込もうとしても、その入り込みは困難となる。すなわち、突起14と突起34との間の隙間の経路が屈曲しており、それが抵抗となるために、外気がカセット100の内部に侵入することが困難となる。これにより、突起14と突起34とが互いに離間していても、カセット100周囲の外気に対して、カセット100の内部の密閉性を向上させることができる。
突起14と突起34との組み合わせは、図5(b)に示した例に限らず、他の構成例であってもよい。例えば、突起14を2本にして、突起34を1本にして、それらを噛み合わせてもよい。あるいは、突起14を複数本にし、突起34を複数本にして、それらを噛み合わせてもよい。突起(14、34)の本数が多いほど、突起14と突起34との間の隙間の経路が屈曲して抵抗が増して、外気がカセット100の内部に侵入することが困難となる(すなわち、外気に対する密閉性が高くなる)。
なお、突起14と突起34とがそれぞれ1本であっても、その突起の側面方向(水平方向)から見たときに、各突起の一部が重なるように配置されていれば、カセット100周囲の外気に対して、カセット100の内部の密閉性を向上させることができるので、そのような構成例も採用することができる。ここで、気体(エア)の通り道に一つでも屈曲の箇所があればそれは気体の進行の大きな抵抗になるので、その意味において、突起14と突起34とがそれぞれ1本であっても、外気(エアダスト)に対する密閉性を確保することが可能である。
本実施形態の突起14、突起34は、例えば、樹脂から構成されている。また、突起14、突起34は、他の材料(例えば、金属)から構成されていてもよい。液晶パネル用のガラス基板40の寸法が3m×3m程度の場合を想定したとき、図5(b)に示した構成における突起14と突起34との間隔Gは、例えば、10〜20mmである。なお、突起14および突起34の材料、寸法、配置などは適宜好適なものを採用することが可能である。
図6は、図2(b)中の線VI−VIに沿った断面模式図である。この例では、シャッター構造30の閉塞板32からガイド部36が延びており、ガイド部36に形成された溝37に係止部(ローラベアリング)16が収納されている。ローラベアリング16は支持部17を介してカセット本体部10に連結されている。なお、この例では、係止部16としてローラベアリングを採用しているが、他の構造のものを採用してもよい。
本実施形態のカセット100によれば、カセット本体部10の一部にカセット開口部20が形成されており、そのカセット開口部20を塞ぐ閉塞板32を含むシャッター構造30を備えている。そして、カセット本体部10のうちカセット開口部20の周縁に位置する部位12と、シャッター構造30との互いに対向する面には、カセット本体部10の高さ方向50に沿って突起(14、34)が形成され、それらの突起(14、34)は互いに離間している。
したがって、シャッター構造30の閉塞板32を開閉方向(又は高さ方向50)に沿って移動させて、カセット本体部10のカセット開口部20を開閉させたとしても、突起(14、34)同士が摺動することなく、閉塞板32の開閉動作をさせることができる。その結果、閉塞板32の開閉動作に伴ってゴミが発生することを抑制することができるので、カセット本体部10の内部に収納された基板40の表面にゴミが付着することを軽減することができる。
加えて、シャッター構造30は、開閉機構を中心にして扉を大きく回動させる方式ではなく、上下に移動させる方式である。したがって、扉方式の時には収納カセットの周囲に非常に多くの占有面積が求められていたが、本実施形態の構成ではその必要がなく、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセット100を実現することができる。
特に、ガイド部36において斜めに延びた溝37内に係止部16(ローラベアリング)を収納させる構造を備えているので、シャッター構造30の閉塞板32を下方に(図2(a)中の矢印52参照)移動させるだけで、カセット開口部20を塞ぐ方向に閉塞板32をスライドさせることができる(図2(b)中の)矢印55参照)。したがって、複雑な制御機構を採用しなくても、簡便な機構(機械的構造)によって、カセット開口部20の閉塞を行うことができる。また、ローラベアリング16が溝37に収納する際に僅かに回転するだけで、閉塞板32によるカセット開口部20の閉塞が完了するので、ローラベアリング16から発生するゴミの量も非常に少なく抑制することができる。したがって、係止部(ローラベアリング)16の構造の点でも、閉塞板32の開閉動作に伴うゴミが発生することを軽減することができる。
さらに、ローラベアリング16は配置されるカセット本体部10の上部の領域の寸法L(図2(b)中の寸法L)を小さなものに設計すれば、(例えば、カセットを搬送する際に振動等でシャッター構造30が外れない寸法で、かつ、ローラベアリング16が十分な強度を持つ直径を確保できる寸法として、数十mm程度)、シャッター開閉動作時にローラベアリング16が回転する角度は非常に小さくすることができる。このようにすれば、元来摺動に強い(削れによるダスト発生の少ない)ローラベアリング16の動作をさらに最小にすることができ、その結果、摺動によるダスト発生を極めて少なくすることができる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、高さ方向50に延びる突起14と突起34との組合せの構成を示したが、これに加えて、図7に示すように、水平方向に延びる突起13Aをシャッター構造30の上部に形成することもできる。図7に示した例では、シャッター構造30の閉塞板32の上部に、水平方向に延びる突起13Aを設けている。また、突起13Aに対応して、カセット本体部10の上部にも、水平方向に延びる突起13Bを形成している。加えて、図7に示すように、水平方向に延びる突起13は、カセット本体部10の側には形成せずに、シャッター構造30の側にだけ形成しても構わない。
さらに、図8(a)に示すように、水平方向に延びる突起13の形状を改変してもよい。図8(a)は、シャッター構造30の閉塞板32の上部に設けられた突起13Aの周辺の部分拡大断面図を示している。
図8(a)に示した構成では、水平方向に細長く延びた突起13Aに、同じく水平方向に延びた突起13Cが接続されている。また、カセット本体部10の上面11Bには、水平方向に延びた突起13Dが設けられている。突起13Dは、上方に延びており、その突起13Dを囲むように、突起13Cは形成されている。このように、突起13A、13C、13Dを組み合わせることによって、カセット本体部10の上部からのエアの侵入を抑制することができる。
また、図8(b)に示すように、シャッター構造30の閉塞板32の下部において、突起13Eおよび13Fを取り付けてもよい。図8(b)は、シャッター構造30の閉塞板32の下部に設けられた突起13E・13Fの周辺の部分拡大断面図を示している。突起13Eおよび突起13Fは水平方向に延びている。突起13Fは、カセット本体部10の一部(ここでは底板)に設けられて、上方に延びている。その突起13Fを囲むように、突起13Eは形成されている。突起13Eは、シャッター構造30に取り付けられている。このように、突起13E、13Fを組み合わせることによって、カセット本体部10の下部からのエアの侵入を抑制することができる。
図8(a)および(b)に示した構成は、両方(すなわち、上部および下部)とも採用してもよいし、何れか一方(すなわち、上部または下部)でも構わない。なお、 図8(a)および(b)に示した構成は、適宜好適なものに改変することは勿論可能である。例えば、図8(a)に示した構成において、突起13Aおよび突起13Cは、一体の部材で作製されていてもよいし、突起13Cを複数の部材から作製してもよい。さらに、水平方向に延びる突起13をガイド部36と連続して形成することも可能である。図9では、突起13をガイド部36と一体化した構成例を示している。
また、本実施形態では、シャッター構造30の閉塞板32の開閉方向が、カセット本体部10の高さ方向50(すなわち、鉛直方向)の例について説明したが、閉塞板32の開閉方向は、水平方向であっても構わない。その場合、突起14と突起34は、それぞれ、水平方向に延びた構成となる。
ここで、本実施形態のカセット100と、他の基板収納カセット(比較例)とを比較して検討してみる。図10は、摺動部140を備えたスライド式のカセット1000を示している。図10に示したカセット1000では、カセット本体部110に設けられたカセット開口部120の周囲にスライド構造(摺動部)140が形成されている。カセット開口部120を塞ぐカバー130は、スライド構造140で摺動しながら上下動作(矢印152)を行う。この場合、基板40を出し入れするカセット開口部120の近傍において、そのスライド構造140がダスト発生源となるがゆえに、これではクリーンルームでの使用に適さない。
図11(a)及び(b)は、引っ掛け構造150を備えた取り外し式のカセット1100を示している。図11(a)及び(b)は、それぞれ、カセット1100の斜視図及び側面図である。図11に示したカセット1100は、取り外し式のカバー130を上方から引っ掛ける構造を有している。この構造の場合、カバー130とカセット本体部110との摺動を避けてダストの発生を抑制することができるものの、カバー130とカセット本体部110との間(矢印155)の気密を確保することが難しい。ここで気密を確保しようとすると、カバー130とカセット本体部110との間にパッキン等を設けることになるが、すると、そのパッキン等にて摺動が生じ、その結果、ダストが発生してしまう。また、カバー130とカセット本体部110との間(矢印155)のマッチングが悪いと、ガタが生じやすいという欠点もある。
図12(a)及び(b)は、はめ込み構造(161、162)を備えた取り外し式のカセット1200を示している。図12(a)及び(b)は、それぞれ、
カセット1200の斜視図及び側面図である。図12に示したカセット1200は、取り外し式のカバー130を側方からはめ込む構造を有している。この構造の場合、カバー130とカセット本体部110との間の気密は比較的確保しやすい。しかしながら、カセット本体部110から基板40を出し入れする毎に、カバー130をカセット本体部110から外したり、カセット本体部110へはめ込んだりする必要があり、カバー130による開閉動作(例えば、矢印154、矢印156)のためのスペースを広くとっておく必要がある。このカセット1200は、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットにはならない。
図13は、パネル135が扉式開閉のカセット1300を示している。上述の特許文献1に開示された扉式のカセットと同様に、図13に示した扉式のカセット1300は、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットにはならない。すなわち、図13に示すように、両開き式のカセット1300であっても、パネル135の開閉において回動スペース(158)を確保しておく必要があり、それゆえに、多くの占有面積が必要なカセットとなってしまう。
以上のように、本実施形態のカセット100と比較して、カセット1000〜1300は何れも欠点があり、構造上、その欠点を解決するのが困難である。一方、本実施形態のカセット100は、そのような欠点を回避することができる。
つまり、本実施形態のカセット100によれば、カセット本体部10側に位置する突起14と、シャッター構造30側に位置する突起34とは互いに離間しており、かつ、その両者の突起14、34によって外気(エア)に対する密閉性を確保しているので、収納された基板表面に異物やミストが付着することを軽減することができるとともに、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットを実現することができる。ここで、突起14と突起34とが離間している状態とは、突起14と突起34とが摺動してゴミが発生するような形態で密着していなければよい。すなわち、突起14と突起34とが互いに離れるように設計・構成されていれば、結果的に、突起14と突起34が接触する部位が生じたとしても、突起(14、34)からゴミは発生しないか或いは実質的にゴミは発生しないので、そのような状態であってもよい。したがって、そのような結果的に接触の状態が生じていた場合でも、その状態は突起14と突起34とが離間している状態に含まれ得る。
なお、本実施形態のカセット100は、次のような改変を行うこともできる。図14は、本実施形態の改変例のカセット100である。シャッター構造30をカセット本体部10に固定する手法は、図2等に示した手法に限らず、シャッター構造30が重力で下方に移動するにしたがって、カセット本体部10のカセット開口部20の方に近づく手法であれば好適に採用することができる。
図14に示す例では、カセット本体部10の上部にテーパー形状の部位18が形成されている。それに対応して、シャッター構造30にもテーパー形状の部位38が形成されている。シャッター構造30のテーパー形状部位38は、支持部材39を介して閉塞板32に接続されている。
図14に示した構成によれば、閉塞板32が下方に移動すると(矢印52参照)、両者のテーパー形状の部位(18、38)が接触する。次いで、そのテーパー形状に従って、シャッター構造30は下方に移動しながら、カセット本体部10のカセット開口部20の方に近づき、閉塞板32がカセット開口部20を塞ぐことができる。この構成を用いても、摺動の動作を最小にしながら、 カセット開口部20の開閉を行うことができる。加えて、この構成も、複雑な機構を用いずに、簡便にカセット開口部20の開閉を行うことができる。さらに、閉塞板32が下方に移動するにつれて自動的にカセット開口部20を塞ぐことができる効果は、突起14と突起34との構成とは別に得ることができ、そして、その効果はそれ自体で技術的価値を有している。
加えて、カセット本体部10の内部へ外気(エア)が侵入し難い構造は、図5に示したような水平方向(高さ方向50に垂直な方向)の断面が矩形(又は略矩形)の突起に限らない。例えば、図15に示すように、カセット本体部10側に位置する突起14、および、シャッター構造30側に位置する突起34が、それぞれ、L字型の断面形状を有しており、両者によって鍵状の形状となっている。このような構成でも、突起14と突起34との間の隙間の経路が屈曲しており、それが抵抗となるために、外気がカセット100の内部に侵入することが困難となる。なお、図15に示した突起構造(14、34)は、図14に示した構成に適用するだけでなく、勿論、例えば図5に示した構成に採用してもよい。
また、突起14は、カセット本体部10のカセット開口部12の周縁部位12に形成されるが、外気(エア)との密閉性を確保できる構造であれば、突起14が形成される周縁部位12は、カセット本体部10の前面に限らず、側面11Aの箇所であってもよい。その場合は、その箇所に形成された突起14に対向する面をシャッター構造30に設けて、その面に突起34を設けることになる。
図16は、本実施形態の更なる改変例のカセット100である。図16に示した例では、ガイド部36(36A,36B)の溝37の形状が図2に示したものと異なる。図16に示したガイド部36は、ローラベアリング16(16A,16B)を誘い込む方式の構造となっており、その溝37は、上部が狭く底部が広くなっている形状となっている。シャッター構造30を下げた際には、溝37の底部に入ったローラベアリング16は、続いて溝37の内部に誘い込まれて、ローラベアリング16が溝37の内壁に引っかかるところで固定が行われる。
図16に示した構成では、閉塞板32とカセット本体部10との間にいくぶん隙間が発生し得る。しかし、その場合でも、図7(又は図8(a)、図9)に示したようなシャッター構造50の上部に遮蔽構造(突起13)を持った構造を採用すれば、その隙間を突起13で遮蔽することができる。加えて、図2に示した構造においてはガイド部36とローラベアリング16との組み合わせを複数にした場合に各ガイド部36(36A、36B)の長さを変更することが脱着容易のために好適であったが、図16に示した誘い込み方式の構造の場合にはそのような長さの変更の制約は特にないという利点がある。
また、ガラス基板40を支持する個片をカセット本体部10の内壁に設けた張り出し形式の収納カセットを用いる場合、ガラス基板40を支持する個片の面積が小さいがゆえに、近年のガラス基板の大型化に伴って、ガラス基板が撓んで歪みが発生するおそれが出ている。そこで、大型のガラス基板を収納・搬送する場合、そのような歪みを抑制する上で、カセット本体部10の内壁に前後並列してワイヤーを多段的に配置したワイヤーカセットを用いることが好ましい場合がある。
図17は、本実施形態のカセット100が、ワイヤーカセット方式の構成を有する場合の一例を示す模式図である。カセット本体部10の内部には、基板40を支持するワイヤー60が配列されている。具体的には、一枚の基板40を複数本のワイヤー60で支持し、その複数本のワイヤー60が多段に配列されている。ワイヤー60が多段に配列されていることによって、カセット本体部10の内部にガラス基板40を多段に収納することができる。
ここで、シャッター構造30は、例えば昇降機65の一部に接続されており、上下方向52に移動可能にされている。また、カセット本体部10の下面は開口部(下面開口部)22が形成されており、その開口部22に、昇降フレーム62に連結されたローラーコンベア61が挿入される。ローラーコンベア61は、ワイヤー60の間から基板40に接触して、そして、基板40をカセット開口部20から払い出す。カセット開口部20から払い出された基板40は、搬送装置64に移動し、その後は必要な工程に供されたり、必要な場所に保管されたりする。
また、シャッター構造30の閉塞板32によってカセット開口部20を塞ぐ場合には、昇降機65を用いて閉塞板32を下方に移動し(矢印52参照)、例えば図2(a)及び(b)に示したようにして、閉塞板32でカセット開口部20を塞いだらよい。ワイヤーカセット方式の場合でも、シャッター構造30には突起34が形成され、カセット本体部10には突起14が形成されているので、外気に対するカセット100の内部の密閉性を良好に確保することができる。
なお、図17に示した例では、ローラーコンベア61を昇降させたが、ローラーコンベア61は固定して、カセット本体部10を下降(又は昇降)させる構成にしてもよい。その場合、カセット本体部10を下げることによって、カセット本体部10の底面開口部22に、ローラーコンベア61が挿入されることになる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、本実施形態では、複数のワイヤーによって基板40を収納可能なワイヤーカセットの構成例について説明したが、本実施形態の技術はワイヤーカセットに限らず、ワイヤー以外の手段で基板40を収納する基板収納カセット(例えば、棚片の張り出し形式の収納カセット)に適用可能なものである。さらに、基板40をカセット本体部10から払い出すための基板搬送装置としては、ローラーコンベアの他、例えば、基板40を空気で浮上させて移動させることが可能な構造を有するエア浮上コンベアを用いることもできる。
本発明によれば、収納された基板表面に異物やミストが付着することを軽減できるとともに、占有面積の小さい開閉構造を有する収納カセットを提供することができる。

10 カセット本体部

12 周縁部位

13 突起

14 突起

15 支持部材

16 係止部(ローラベアリング)

17 支持部

18 テーパー形状の部位

20 カセット開口部

30 シャッター構造

32 閉塞板

34 突起

36 ガイド部

37 溝

38 テーパー形状の部位

39 支持部材

40 基板(ガラス基板)

50 高さ方向(鉛直方向)

60 ワイヤー

61 ローラーコンベア

62 昇降フレーム

64 搬送装置

65 昇降機

100 カセット

1000〜1300 カセット

Claims (16)

  1. 基板を収納するカセットであって、

    内部に基板が配置されるカセット本体部と、

    前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、

    前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造と

    を備え、

    前記カセット本体部のうち前記カセット開口部の周縁に位置する部位と、前記シャッター構造との互いに対向する面には、それぞれ、前記閉塞板の開閉方向に沿って突起が形成されており、

    前記カセット本体部側に位置する前記突起と、前記シャッター構造側に位置する前記突起とは、互いに離間している、カセット。
  2. 前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起は、それぞれ、前記閉塞板の開閉方向に沿って細長く延びたリブ状の突起である、請求項1に記載のカセット。
  3. 前記閉塞板の開閉方向は、前記カセット本体部の高さ方向であることを特徴とする、請求項1または2に記載のカセット。
  4. 前記カセット本体部の高さ方向に沿って形成された突起に加えて、さらに、水平方向に沿って延びた突起が前記シャッター構造に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のカセット。
  5. 前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起の何れか一方の突起は、複数の突起であり、

    前記複数の突起の間に、前記一方に対する他方の突起が位置している、請求項1から4の何れか一つに記載のカセット。
  6. 前記カセット本体部側に位置する前記突起、および、前記シャッター構造側に位置する前記突起は、それぞれ、前記開閉板の開閉方向に垂直な断面がL字状の形状を有している、請求項1から4の何れか一つに記載のカセット。
  7. 前記カセット本体部には、前記シャッター構造を係止する係止部が設けられており、

    前記シャッター構造には、前記カセット本体部に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されている、請求項1から6の何れか一つに記載のカセット。
  8. 基板を収納するカセットであって、

    内部に基板が配置されるカセット本体部と、

    前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、

    前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造と

    を備え、

    前記カセット本体部には、前記シャッター構造を係止する係止部が設けられており、

    前記シャッター構造には、前記カセット本体部に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されており、

    前記係止部は、ローラベアリングであり、

    前記ガイド部には、前記ローラベアリングが配置可能な溝が形成されており、

    前記溝は、前記カセット本体部の高さ方向に対して斜めに延びている、カセット。
  9. 前記ローラベアリングは、前記カセット本体部の最上部に設けられている、請求項7または8に記載のカセット。
  10. 前記ローラベアリングは、前記最上部に加えて、さらに、前記最上部よりも下の位置にも設けられている、請求項9に記載のカセット。
  11. 前記ローラベアリングは、前記カセット本体部の高さ方向の中央部に少なくとも一つ設けられている、請求項8に記載のカセット。
  12. 前記ガイド部と前記ローラベアリングとの組み合わせは、前記カセット本体部の高さ方向に沿って複数設けられており、

    前記高さ方向において上方に位置する前記ガイド部の水平方向の長さは、それよりも下方に位置する前記ガイド部の水平方向の長さよりも長いことを特徴とする、請求項8に記載のカセット。
  13. 基板を収納するカセットであって、

    内部に基板が配置されるカセット本体部と、

    前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、

    前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造と

    を備え、

    前記シャッター構造には、当該シャッター構造を前記カセット本体部に係止する係止部が設けられており、

    前記カセット本体部には、前記シャッター構造に設けられた前記係止部を収納するガイド部が形成されており、

    前記係止部は、ローラベアリングであり、

    前記ガイド部には、前記ローラベアリングが配置可能な溝が形成されており、

    前記溝は、前記カセット本体部の高さ方向に対して斜めに延びている、カセット。
  14. 基板を収納するカセットであって、

    内部に基板が配置されるカセット本体部と、

    前記カセット本体部の一部に形成され、前記基板が出し入れされるカセット開口部と、

    前記カセット開口部を塞ぐ閉塞板を含むシャッター構造と

    を備え、

    前記カセット本体部には、テーパー形状を有する部位が設けられており、

    前記シャッター構造には、前記テーパー形状を有する部位に対応して、テーパー形状を有する部位が設けられている、カセット。
  15. 前記カセット本体部の内部には、複数のワイヤーが配列されており、

    前記基板は、ガラス基板であり、

    前記ガラス基板は、前記ワイヤーによって支持される、請求項1から14の何れか一つに記載のカセット。
  16. 前記カセット本体部は、箱形形状を有しており、

    前記カセット開口部は、前記箱形形状の前面および後面の少なくとも一方の面に形成されており、

    前記箱形形状の底面には、前記基板を搬送する搬送装置が挿入される開口部が形成されている、請求項15に記載のカセット。
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