JPWO2010125778A1 - コンデンサ用電極体、コンデンサ用電極体の製造方法、コンデンサ、およびコンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサ用電極体、コンデンサ用電極体の製造方法、コンデンサ、およびコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

陽極体2は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる陽極用基材4と、陽極用基材4上に設けられ、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子7の2次粒子8が複数個結合して形成された多孔質層6とを備え、多孔質層6は、2次粒子8内に形成された散在領域Xと、散在領域Xよりも低い空隙率を有するとともに、陽極用基材4と2次粒子8との間および各2次粒子8間に形成された緻密領域Yとを含む。

Description

本発明は、コンデンサ用電極体、コンデンサ用電極体の製造方法、コンデンサ、およびコンデンサの製造方法に関する。
パソコン、携帯電話等に代表される電子機器の小型化、高性能化に伴い、これらの電子機器に搭載される電子回路には、年々、小型化、高速化および高集積化が求められている。このことは、電子回路を形成する受動部品に関しても同様である。例えば、コンデンサについても、可能な限り低背であり、かつ、大容量であることが求められている。
特許文献1および非特許文献1には、体積当たりの静電容量が大きなコンデンサの製造方法が記載されている。
具体的には、特許文献1に記載された電解コンデンサの製造方法では、整流作用を有する陽極酸化が可能なアルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)等の弁作用金属の粉末を加圧成形し焼成して多孔質の陽極体を形成している。
また、非特許文献1に記載された電解コンデンサの製造方法では、タンタル(Ta)と銅(Cu)とを同時スパッタして、Ta−Cu合金膜を成膜し、成膜材料を所定の温度で真空熱処理して粒成長させた後、硝酸によりCuを選択的に溶解して多孔質の陽極体を形成している。
特開2003−257787号公報
電気化学会第73回大会講演要旨「多孔質タンタル箔電極の作製およびその陽極体特性」、住友金属鉱山(株)市川研究所、小向 哲史、大迫 敏行
特許文献1および非特許文献1に記載された電解コンデンサの製造方法では、陽極体の表面積を大きくするため、陽極体に多数の空孔が形成される。その結果、この空孔により各金属粒子間の電気的な繋がりが悪くなるため、陽極体の中を電流が流れにくくなり、陽極体の抵抗が大きくなってしまうという問題があった。すなわち、従来の電解コンデンサでは、陽極体の表面積を確保しつつ、コンデンサを低ESR化することは困難であった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、陽極体の表面積を確保しつつ、コンデンサのESRをさらに低減させることが可能な技術を提供することにある。
本発明に係るコンデンサ用電極体は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材と、前記基材上に設けられ、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子が複数個結合して形成された多孔質層とを備え、前記多孔質層は、第1の領域と、前記第1の領域を取り囲むように形成され、前記第1の領域よりも低い空隙率を有する第2の領域とを含むことをを特徴としている。
また、本発明に係るコンデンサは、上記コンデンサ用電極体からなる陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の表面を覆うように形成された陰極体とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係るコンデンサ用電極体の製造方法は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材に、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子の2次粒子を、第1の領域と、前記第1の領域を取り囲むように形成され、前記第1の領域よりも低い空隙率を有する第2の領域を形成するように吹き付けることにより多孔質層を形成する多孔質層形成工程を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るコンデンサの製造方法は、上記製造方法によって形成されたコンデンサ用電極体を陽極体として用意する工程と、前記陽極体の表面を酸化させて誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層の表面を覆うように陰極体を形成する陰極体形成工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明に係るコンデンサ用電極体の製造方法は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材に、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子と、所定の処理により前記第1金属粒子よりも優先的に除去される第2金属粒子とを、各粒子間に第1の隙間を有するように吹き付けることにより複合体を形成する第1の工程と、前記所定の処理により前記複合体から前記第2金属粒子を除去する第2の工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明に係るコンデンサの製造方法は、上述の態様の製造方法によって形成されたコンデンサ用電極体を陽極体として用意する工程と、前記陽極体の表面を酸化させて誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層の表面を覆うように陰極体を形成する陰極体形成工程とを含むことを特徴としている。
本発明によれば、陽極体の表面積を確保しつつ、コンデンサのESRをさらに低減させることが可能なコンデンサ用電極体およびコンデンサを得ることができる。また、本発明によれば、さらなる大容量化が可能なコンデンサ用電極体およびコンデンサを得ることができる。
(A)は本発明の第1実施形態に係るコンデンサの構成を示す概略断面図であり、(B)は(A)の破線で囲まれた領域の拡大図である。 (A)、(B)は、上記コンデンサの陽極体の製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態で用いるコールドスプレー装置の概略図である。 (A)〜(C)は、上記コンデンサの陰極体の製造方法を説明するための断面図である。 コールドスプレー装置を用いて形成した多孔質層のSEM写真である。 図5のSEM写真の一部を拡大した写真である。 (A)は本発明の第2実施形態に係るコンデンサの構成を示す概略断面図であり、(B)は(A)の破線で囲まれた領域の拡大図である。 (A)〜(C)は、上記コンデンサの陽極体の製造方法を説明するための断面図である。 第2実施形態で用いるコールドスプレー装置の概略図である。 本発明に係るコンデンサの製造方法によって製造されたコンデンサの構成を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、上記コンデンサの陽極体の製造方法を説明するための断面図である。 (A)〜(C)は、上記コンデンサの陰極体の製造方法を説明するための断面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るコンデンサ1の構成およびコンデンサ1の製造方法について、図1〜図4を参照して説明する。
(コンデンサ1の構成)
図1(A)はコンデンサ1の構成を説明するための概略断面図であり、図1(B)は図1(A)の破線で囲まれた領域の拡大図である。
コンデンサ1は、陽極体2と、陽極体2の表面に形成された誘電体層11と、誘電体層11を挟んで陽極体2と反対側に形成された陰極体12とを備えている。
陽極体2は、弁作用金属(valve metal)およびその合金の少なくとも一方からなる陽極用基材4(本発明の基材に相当)と、陽極用基材4上に設けられた多孔質層6とを含む。
多孔質層6は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子7の2次粒子8が複数個結合して形成された層である。2次粒子8間には、約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間9が形成されている。この隙間9は、2次粒子8同士が接触することにより、2次粒子8の形状や大きさに依存して生じたものである。多孔質層6の厚さは、例えば約500μmである。
2次粒子8は、図1(B)に示すように、直径約1μm以下の第1金属粒子7が複数個集合して形成された、直径約10μm〜約100μmの多孔質の集合体である。2次粒子8の内部には、各第1金属粒子7間に約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間10が形成されている。この隙間10は、第1金属粒子7同士が接触することにより、第1金属粒子7の形状や大きさに依存して生じたものである。すなわち、2次粒子8内部には、空隙率の高い散在領域Xが形成されている。また、陽極用基材4と2次粒子8との間および各2次粒子8間には、散在領域Xの空隙率よりも低い空隙率を有する緻密領域Yが形成されている。
陽極用基材4は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方から構成された板状の部材である。陽極用基材4には、薄膜(箔)やリード線が含まれており、外部引き出し用の陽極端子(図示せず)が連結されている。また、陽極用基材4の一部には、複数の第1金属粒子7が結合して膜状構造となったものも含まれる。陽極用基材4の厚さは、陽極用基材4が金属の薄膜であった場合、例えば約100μmである。
ここで、弁作用金属とは、電解酸化処理(陽極酸化)等により極めて緻密で耐久性を有する誘電体酸化皮膜を表面に形成し得る金属をいう。弁作用金属としては、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。また、弁作用金属の合金としては、上述の弁作用金属同士の合金や、上述の弁作用金属と他の金属との合金等が挙げられる。本実施形態では、陽極用基材4および第1金属粒子7を構成する金属としてTaを用いている。なお、陽極用基材4および第1金属粒子7は、異なる金属で構成されていてもよい。
誘電体層11は、陽極体2の表面に形成された酸化被膜であり、例えば電解化成処理により形成される。誘電体層11は、陽極用基材4および多孔質層6の露出している表面、すなわち、第1金属粒子7同士が接する領域および第1金属粒子7と陽極用基材4とが接する領域以外の領域に形成されている。
陰極体12は、導電性高分子層14と、導電性高分子層14上に積層された陰極用基材16とを含む。
導電性高分子層14は、誘電体層11の表面を覆うように、すなわち陽極体2の隙間9および隙間10を埋めるようにして、所定の厚みを有するように形成されている。ここで、多孔質層6の散在領域Xには、導電性高分子層14が隙間10に回り込んで形成されている。また、散在領域Xよりも低い空隙率を有する緻密領域Yには、導電性高分子層14はほとんど形成されていない。導電性高分子層14としては、導電性を有する高分子材料を含むものであれば特に限定されないが、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマーや、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等の材料を含むものが好適に用いられる。
陰極用基材16は、例えば導電性高分子層14上に積層されたカーボンペースト層16aと、カーボンペースト層16a上に積層された銀ペースト層16bからなる。陰極用基材16には、外部引き出し用の陰極端子(図示せず)が連結されている。
(コンデンサ1の製造方法)
次に、コンデンサ1の製造方法について図2〜4を参照して説明する。図2(A)、(B)は、コンデンサ1の陽極体の製造方法を説明するための断面図である。
図2(A)に示すように、弁作用金属であるTa箔からなる陽極用基材4の表面に、Taからなる第1金属粒子7の2次粒子8を吹き付ける。2次粒子8の内部には、各第1金属粒子7間に形成された隙間10を含んだ空隙率の高い散在領域Xが形成されている。
陽極用基材4に吹き付けられた2次粒子8は、図2(B)に示すように、陽極用基材4に衝突した場合は、陽極用基材4の表面に結合する。また、2次粒子8が、陽極用基材4に結合している2次粒子8に衝突した場合には、その衝突した2次粒子8に結合して金属粒塊を形成する。その結果、2次粒子8からなる多孔質層6が陽極用基材4の表面に形成される。多孔質層6には、陽極用基材4に吹き付けられた2次粒子8内部の隙間10が維持されている。
このとき、陽極用基材4と2次粒子8との間および各2次粒子8間には、2次粒子8が衝突した際に力が加わることにより、2次粒子8を構成する第1金属粒子7が互いに密着した空隙率の低い緻密領域Yが形成される。したがって、緻密領域Yの空隙率は、2次粒子8内部に形成された散在領域Xの空隙率よりも低くなる。
ここで、陽極用基材4に2次粒子8を吹き付ける方法としては、コールドスプレー法が好適に用いられる。コールドスプレー法とは、材料粒子あるいは材料粉末を所定の高温・高速の流れにして被覆対象物の表面に吹き付けて、被覆対象物の表面に材料粒子を堆積させて、被覆対象物をコーティングする加工法である。
コールドスプレー法は、吹き付ける際の材料粒子の温度が材料粒子の融点および軟化点以下の低い温度であることと、流れの速度が音速から超音速と非常に高速であるという特徴を有する。また、コールドスプレー法により吹き付けられた材料粒子は、固体の状態のまま溶けることなく皮膜になるため、酸化や熱による変質が少ない。
そのため、コールドスプレー法を用いた場合には、陽極用基材4と2次粒子8との間および各2次粒子8間において、高い密着強度を有する多孔質層6を形成することができる。
図3は、コールドスプレー装置100の概略図である。コールドスプレー装置100は、基材把持部101と、第1ノズル102と、第1材料供給部104と、ガス供給部106と、第1ヒータ108とを備える。コールドスプレー装置100は、大気中に設置されている。
基材把持部101は、陽極用基材4を把持するものであり、陽極用基材4を加熱しながら第1ノズル102に対して相対移動させることができる。
第1材料供給部104は、第1ノズル102に2次粒子8を供給する。ガス供給部106は、第1ヒータ108を介して加圧された気体を第1ノズル102に供給する。ガス供給部106から第1ノズル102に向けて送り出された気体は、第1ヒータ108にて加熱されて第1ノズル102に送られる。第1ノズル102に供給された2次粒子8は、ガス供給部106から供給された気体の圧力により第1ノズル102から噴射される。
コールドスプレー装置100を用いて、陽極用基材4に対し、第1ノズル102から2次粒子8を吹き付けながら、基材把持部101が陽極用基材4を第1ノズル102に対して相対移動させることにより、陽極用基材4の所定領域全面に2次粒子8を吹き付けることができる。
なお、多孔質層6の空隙率(空孔率)は、第1金属粒子7および2次粒子8の粒径や、第1ノズル102からの噴射速度(噴射ガス圧)、噴射ガス温度等を調整することによって調整可能である。例えば、第1金属粒子7および2次粒子8の粒径を小さくし、粒子の噴射速度を下げることで、より多孔質(ポーラス)な多孔質層6を形成することができる。また、噴射ガス温度を下げることで、より多孔質な多孔質層6を形成することができる。
本実施形態において、多孔質層6の空隙率は水銀ポロシメータを用いた水銀圧入法により算出している。具体的には、陽極体2を入れた容器を真空排気し、容器内に水銀を満たす。水銀は物質を濡らさない性質があるために、そのままの状態では多孔質層6の細孔に水銀は入ってこない。しかし、水銀に圧力をかけ、その圧力を増大させていくことにより、多孔質層6の大きい孔から小さい孔に順番に水銀が入り込んでくる。このようにして、多孔質層6の細孔の大きさと体積を測定し、多孔質層6の空隙率を算出している。
また、多孔質層6の空隙率は、透過型電子顕微鏡(TEM)等で撮影した多孔質層6の断面画像等において、例えば100個程度の2次粒子8を含む領域を定め、当該領域における誘電体層11を含む2次粒子8部分と、それ以外の部分、すなわち隙間9および隙間10(コンデンサ1の完成後では導電性高分子層14部分)との面積比から算出することも可能である。
次に、コンデンサ1の誘電体および陰極体の製造方法について、図4を参照して説明する。図4(A)〜(C)は、コンデンサ1の陰極体の製造方法を説明するための断面図である。
図4(A)に示すように、陽極体2の表面を酸化して誘電体層11を形成する。陽極用基材4および第1金属粒子7はTaからなるため、誘電体層11は、酸化タンタル(Ta)からなる酸化皮膜である。本実施形態では、陽極体2を電解化成処理して誘電体層11を形成する。具体的には、陽極体2を0.01〜1.0質量%のリン酸水溶液の電解液中において定電圧で陽極酸化し、その表面に酸化タンタルからなる酸化皮膜を形成することによって、陽極用基材4および多孔質層6の露出している表面、すなわち、第1金属粒子7同士が接する領域および第1金属粒子7と陽極用基材4とが接する領域以外の領域に誘電体層11を形成する。
次に、図4(B)に示すように、誘電体層11上に、誘電体層11の表面を覆うように、すなわち陽極体2の隙間9および隙間10を埋めるようにして、化学酸化重合により導電性高分子層14を形成する。具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン、P−トルエンスルホン酸鉄(III)、1−ブタノールからなる化学重合液に陽極体2を浸漬した後、大気中で熱処理し、誘電体層11上にポリチオフェン層を形成することによって、導電性高分子層14を形成する。化学重合液による陽極体2の浸漬、熱処理工程は複数回繰り返して行われる。
このとき、多孔質層6の散在領域Xには、空隙率が高いため化学重合液が浸透し、導電性高分子層14が陽極体2近傍まで回り込んで形成される。これに対し、緻密領域Yは空隙率が低いため、化学重合液が浸透せず、導電性高分子層14はほとんど形成されない。
次に、図4(C)に示すように、導電性高分子層14上に、カーボンペースト層16aと、銀ペースト層16bとがこの順に積層されて陰極用基材16が形成される。これにより、導電性高分子層14と陰極用基材16とを含む陰極体12が形成される。
そして、陽極用基材4に陽極端子(図示せず)が例えば導電性接着剤を介して連結され、陰極用基材16に陰極端子(図示せず)が例えば導電性接着剤を介して連結されることにより、コンデンサ1を製造することができる。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態のコンデンサ1は、2次粒子8内に形成された散在領域Xと、散在領域Xよりも低い空隙率を有するとともに、陽極用基材4と2次粒子8との間および各2次粒子8間に形成された緻密領域Yとを含む多孔質層6を備えている。
このように、コンデンサ1は、2次粒子8内部に空隙率の高い散在領域Xが形成されているため、陽極体2の単位体積当たりの表面積をほとんど減少させることがなく、容量を確保することができる。
また、散在領域Xと緻密領域Yとは空隙率が異なるため、導電性高分子層14を形成する際に、空隙率の高い散在領域Xには導電性高分子層14が回り込んで形成され、空隙率の低い緻密領域Yには導電性高分子層14がほとんど形成されないことになる。このように、散在領域Xに導電性高分子層14が回り込んで形成されるため、陽極体2内部における導電性高分子層14の体積が増大し、陽極体2内部における陰極体12の抵抗を低減することが可能となる。また、緻密領域Yには導電性高分子層14がほとんど形成されないため、陽極体2を構成する第1金属粒子7間の電気的な繋がりが向上し、陽極体2の抵抗を低減することが可能となる。
特に、緻密領域Yを2次粒子8間に形成することにより、多孔質層6内部に抵抗の低い領域が形成されるため、コンデンサの大容量と陽極体2の低抵抗とを両立することができるといった優れた効果を有する。また、緻密領域Yを陽極用基材4と多孔質層6との間にも形成することにより、陽極用基材4と多孔質層6との間の接触面積を増大させ、さらに陽極体2の抵抗を低減することができる。
したがって、本実施形態のコンデンサ1は、従来の電解コンデンサと比較して、陽極体2の表面積を確保しつつ、陽極体2および陰極体12の抵抗を低減することができ、コンデンサ1の低ESR化が可能となる。
ここで、上述した効果を奏するためには、散在領域Xの空隙率が、約50%〜約80%であることが好ましく、特に約60%〜約70%であることが望ましい。また、緻密領域Yの空隙率は、約20%〜約40%であることが好ましく、特に約25%〜約35%であることが好ましい。
また、本実施形態では、特許文献1に記載された方法と異なり、多孔質層6を形成した後に焼成等の熱処理工程を行う必要がないため、多孔質層6の隙間9および隙間10が熱処理工程により小径化することを防止することができる。そのため、導電性高分子層14に誘電体層11を介して接する陽極体2の面積および陽極体2に回り込む導電性高分子層14の体積の減少を防止でき、容量引き出し率を増大させるとともに、コンデンサ1を低ESR化することが可能となる。
(多孔質層の観察例)
上述したコンデンサ1の製造方法に従って、実際に多孔質層を作製し、観察を行った。
具体的には、図3に示したコールドスプレー装置100を用いて、Ta箔からなる陽極用基材にTaからなる第1金属粒子の2次粒子を吹き付けた。2次粒子を陽極用基材に吹き付ける際の、陽極用基材の加熱温度は、25℃、2次粒子の噴射ガス圧、噴射ガス温度は、ぞれぞれ1MPa、500℃とした。
得られた多孔質層について、研磨加工や機械加工により破断面を出し、この破断面を化学研磨加工により成形した。得られた破断面について、SEM(走査型電子顕微鏡、1kV、3000倍、)を用いて断面観察を行った。SEM観察では、1視野の領域を30×40μm程度とし、合計12視野を撮像した。得られたSEM写真を合成し、コントラストを上げるなどのデジタル処理を適宜施すことにより、図5に示すような120μm×120μmのSEM写真を作製した。図6は、図5の一部を拡大したSEM写真である。図5、6に示すように、比較的大きな空孔(黒い部分B)で囲まれた領域に散在領域Xが観察され、緻密領域が散在領域Yの周辺に白くなっている部分として形成されていることが観察された。なお、散在領域は、2次粒子本来の空孔を持つ粗密な膜の部分であると考えられる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るコンデンサ21の構成およびコンデンサ21の製造方法について、図7〜図9を参照して説明する。なお、第1実施形態のコンデンサ1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明は省略する。
(コンデンサ21の構成)
図7(A)はコンデンサ21の構成を説明するための概略断面図であり、図7(B)は図7(A)の破線で囲まれた領域の拡大図である。
コンデンサ21は、陽極体22と、陽極体22の表面に形成された誘電体層11と、誘電体層11を挟んで陽極体22と反対側に形成された陰極体12とを備えている。陽極体22は、陽極用基材4と、多孔質層26とから構成されている。
多孔質層26は、図7(B)に示すように、第1実施形態の多孔質層6と比較して、2次粒子8内部に形成された隙間10に加え、約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間29および約1μm〜約50μmの大きさの隙間30が形成されている。また、緻密領域Yは、第1実施形態で形成されていた陽極用基材4と2次粒子8との間および2次粒子8間に加え、隙間30の周囲にも形成されている。なお、コンデンサ21のその他の構成については、第1実施形態のコンデンサ1と同一であるので説明は省略する。
(コンデンサ21の製造方法)
次に、コンデンサ21の製造方法について図8を参照して説明する。図8(A)〜(C)は、コンデンサ21の陽極体の製造方法を説明するための断面図である。
図8(A)に示すように、弁作用金属であるTa箔からなる陽極用基材4の表面に、Taからなる第1金属粒子7の2次粒子8と、Cuからなる第2金属粒子18とを吹き付ける。
ここで吹き付ける第2金属粒子18は、第1金属粒子7よりもイオン化傾向の高い金属およびその合金の少なくとも一方からなり、直径約1μm〜約50μmの大きさを有する粒子である。第2金属粒子18としては、上述した銅(Cu)の他にも、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。
第1金属粒子7と第2金属粒子18との組み合わせとしては、例えば、以下の(1)〜(3)が挙げられる。(1)第1金属粒子7がTaのとき、第2金属粒子18はCu,Ni,Al,Feのいずれか。(2)第1金属粒子7がAlのとき、第2金属粒子18はCu。(3)第1金属粒子7がTiのとき、第2金属粒子18はCu,Niのいずれか。なお、第2金属粒子18は、球形状であってもよいし、楕円体形状であってもよい。
陽極用基材4に吹き付けられた2次粒子8および第2金属粒子18は、図8(B)に示すように、陽極用基材4に衝突した場合は、陽極用基材4の表面に結合する。また、2次粒子8および第2金属粒子18が、陽極用基材4に結合している2次粒子8または第2金属粒子18に衝突した場合には、その衝突した2次粒子8または第2金属粒子18に結合して金属粒塊を形成する。その結果、2次粒子8と第2金属粒子18とからなる複合層25が陽極用基材4の表面に形成される。複合層25には、陽極用基材4に吹き付けられた2次粒子8の内部に形成された隙間10が維持されている。
このとき、陽極用基材4と2次粒子8との間、2次粒子8と第2金属粒子18との間および各2次粒子8間には、2次粒子8が衝突した際に力が加わることにより、2次粒子8を構成する第1金属粒子7が互いに密着した空隙率の低い緻密領域Yが形成される。緻密領域Yの空隙率は、2次粒子8内部に形成された散在領域Xの空隙率よりも低くなる。
さらに、複合層25には、2次粒子8と第2金属粒子18とが陽極用基材4に吹き付けられることにより、2次粒子8と2次粒子8または第2金属粒子18との間に、約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間29が形成されている。この隙間29は、2次粒子8と2次粒子8または第2金属粒子18とが接触することにより、これらの粒子の形状や大きさに依存して生じるものである。
次に、図8(C)に示すように、複合層25が形成された陽極用基材4を、酸性の溶液で処理することにより第2金属粒子18を溶出させる。第2金属粒子18は、第1金属粒子7よりもイオン化傾向が高いため、酸性の溶液により陽極用基材4を処理した場合には、第1金属粒子7よりも優先的に溶出する。ここで用いられる酸性の溶液としては、第2金属粒子18としてCuを用いた場合には、硝酸や熱濃硫酸が用いられる。また、第2金属粒子18としてNi,Fe,Alを用いた場合には、塩酸や希硝酸が用いられる。なお、第1金属粒子7としてAlを、第2金属粒子18としてCuを用いた場合には、濃硫酸を用いることによりCuのみを溶出することができる。
これにより、第2金属粒子18が存在していた部分が約1μm〜約50μmの大きさの隙間30となる。その結果、陽極用基材4の表面に、隙間10、隙間29および隙間30を有するとともに、2次粒子8内部の第1金属粒子7が網目状に結合した多孔質層26が形成される。
なお、陽極用基材4に2次粒子8と第2金属粒子18とを吹き付けることにより、第1金属粒子7と第2金属粒子18との接合面には合金が形成されている場合がある。この合金は、粒子の表層に形成された非常に小さい領域であるために、第2金属粒子18を酸性の溶解液により溶出させた後に残っていたとしても、コンデンサ21の性能には何ら影響を与えない。
このように、陽極用基材4の表面に2次粒子8および第2金属粒子18を吹きつけ、第2金属粒子18のみを除去することにより、陽極用基材4および多孔質層26からなる陽極体22が形成される。
図9は、コールドスプレー装置200の概略図である。コールドスプレー装置200は、第1実施形態で用いたコールドスプレー装置100の構成に加え、第2ノズル112と、第2材料供給部114と、第2ヒータ118とを更に備える。
第2材料供給部114は、第2ノズル112に第2金属粒子18を供給する。ガス供給部106は、第2ヒータ118を介して加圧された気体を第2ノズル112に供給する。ガス供給部106から第2ノズル112に向けて送り出された空気は、第2ヒータ118にて加熱されて第2ノズル112に送られる。第2ノズル112に供給された第2金属粒子18は、ガス供給部106から供給された気体の圧力により第2ノズル112から噴射される。
コールドスプレー装置200を用いて、陽極用基材4に対し、第1ノズル102から2次粒子8を、第2ノズル112から第2金属粒子18を吹き付けながら、基材把持部101が陽極用基材4を第1ノズル102および第2ノズル112に対して相対移動させることにより、陽極用基材4の所定領域全面に2次粒子8および第2金属粒子18を吹き付けることができる。
なお、多孔質層26の空隙率は、複合層25における2次粒子8および第2金属粒子18の比率を調整することにより、容易に調整することができる。ここで、複合層25における2次粒子8および第2金属粒子18の比率は、第1材料供給部104から第1ノズル102への2次粒子8の供給量、第2材料供給部114から第2ノズル112への第2金属粒子18の供給量を調整することで調整可能である。
以下、図4(A)〜(C)に示す工程と同様に、陽極体22の表面が酸化されて誘電体層11が形成され、誘電体層11上に導電性高分子層14が形成される。そして、導電性高分子層14上に、陰極用基材16が積層されて、陰極体12が形成される。その後、陽極用基材に陽極端子(図示せず)が連結され、陰極用基材16に陰極端子(図示せず)が連結されて、コンデンサ21が完成する。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極用基材4にコールドスプレー法により2次粒子8と第2金属粒子18とを吹き付けた後、第2金属粒子18を除去して多孔質の陽極体22を形成している。そのため、簡単に多孔質な陽極体を形成することができ、陽極体の単位体積当たりの表面積を飛躍的に増大させることができる。
その結果、特許文献1に記載された従来の電解コンデンサの製造方法と比較して、同じ厚さであれば大容量化が可能であり、同じ容量を得ようとするならば小型化が可能である。また、非特許文献1に記載された従来の電解コンデンサの製造方法と比較して、熱処理工程を行わなくても、コールドスプレー法により2次粒子8および第2金属粒子18を吹き付け、第2金属粒子18を溶出させるだけで、非常に大きな表面積を有する陽極体を形成することが可能である。したがって、コンデンサの製造工程を簡略化することができ、低コストでコンデンサを製造することができる。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極用基材4に隙間10を有する2次粒子8および第2金属粒子18を吹き付けることにより、隙間10および隙間29を有する複合層25を形成している。これに対し、非特許文献1に記載された方法では、微小な粒子をスパッタすることによりTa−Cu合金膜を成膜しているために、各粒子間には格子欠陥レベルの空間しかなく、隙間は無いに等しい状態である。
したがって、本実施形態では、第2金属粒子18を溶解するための溶液が、隙間10および隙間29を介して複合層25の表層から離れた内深部にある第2金属粒子18にまで届きやすくなり、複合層25の内深部の第2金属粒子18を容易に溶出することが可能である。その結果、陽極体22の表面積を大きくすることができ、コンデンサ21の大容量化が可能となる。さらに、複合層25の膜厚を厚くしても、内深部の第2金属粒子18を溶出することができるため、陽極体22を厚膜化することが可能である。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極体22の多孔質層26に、約0.01μm〜約1μmの大きさを有する隙間10および隙間29に加え、約1μm〜約50μmの大きさを有する隙間30が形成される。サイズの小さい隙間10および隙間29は、第1金属粒子7により閉じられ閉空間となる可能性が高い。しかし、サイズの大きい隙間30が形成されることにより、隙間10および隙間29が閉空間となる可能性は著しく低下する。そのため、多孔質層26のほとんどの隙間10、隙間29および隙間30に、導電性高分子層14を形成することが可能となる。その結果、導電性高分子層14に誘電体層11を介して接する陽極体22の面積が増大するため、容量引き出し率を増大させることができる。さらに、陽極体22に回り込む導電性高分子層14の体積が増大するため、コンデンサ21を低ESR化することが可能となる。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、多孔質層26は第1金属粒子7間に互いに押し付けられるような力が加わることにより形成されている。そのため、多孔質層26が形成された陽極用基材4には、第1金属粒子7が押し付けられた状態を戻そうとする力が働く。すなわち、陽極用基材4には、多孔質層26が形成されている面が凸状に反り返る方向に力が働く。しかし、多孔質層26に隙間10、隙間29および隙間30が形成されていることにより、各粒子間に隙間が無い場合と比較して、その応力を隙間10、隙間29および隙間30で緩和することが可能である。その結果、コンデンサ21の破損等を抑制することができ、コンデンサ21の信頼性を高めることが可能である。
なお、本実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同一である。ただし、本実施形態のコンデンサ21では、緻密領域Yが隙間30の周囲にも形成されていることにより、第1実施形態のコンデンサ1よりもさらに陽極体22の抵抗を低減することが可能となる。
(第3実施形態)
特許文献1に記載された電解コンデンサの製造方法では、コンデンサの大容量化のために陽極体の表面積を確保しつつ、低背化のために陽極体を薄くすることは製法上の限界があった。すなわち、弁作用金属の粉末を加圧成形するためには、粉末の集合体がある程度の厚さを有する必要があった。また、コンデンサの低背化を図るために、弁作用金属の粉末をより高い圧力で加圧成形すると、粒子同士の隙間が詰まって陽極体の表面積が小さくなってしまうという問題があった。
また、非特許文献1に記載された電解コンデンサの製造方法では、非常に微細なTa、Cu粒子を用いてTa−Cu合金膜を成膜しているために、熱処理によりTa,Cu粒子を粒成長させた後、Cu粒子を溶出させなければ陽極体の表面積を十分に確保することができないという問題があった。本発明の第3実施形態では、このような課題を鑑みてなされた。
本発明の第3実施形態に係るコンデンサの製造方法および当該製造方法によって製造されたコンデンサ1について、図10〜図12を参照して説明する。本実施形態について、第1実施形態と同様な構成については第1実施形態と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
(コンデンサ1の構成)
図10は、コンデンサ1の構成を説明するための概略断面図である。
コンデンサ1は、陽極体2と、陽極体2の表面に形成された誘電体層11と、誘電体層11を挟んで陽極体2と反対側に形成された陰極体12とを備えている。
多孔質層6は、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子7が多数結合した金属粒塊から構成された層である。第1金属粒子7は直径約1μm以下の粒子であり、各第1金属粒子7間には約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間107、隙間109および約1μm〜約50μmの隙間110が形成されている。そのため、結合した第1金属粒子7は網目状のネットワークを形成している。
導電性高分子層14は、誘電体層11の表面を覆うように、すなわち陽極体2の隙間107、隙間109および隙間110を埋めるようにして、所定の厚みを有するように形成されている。
(コンデンサ1の製造方法)
次に、コンデンサ1の製造方法について図11〜13を参照して説明する。図11(A)〜(C)は、コンデンサ1の陽極体の製造方法を説明するための断面図である。
図11(A)に示すように、弁作用金属であるTa箔からなる陽極用基材4の表面に、Taからなる第1金属粒子7と、Cuからなる第2金属粒子18とを吹き付ける。
ここで吹き付ける第1金属粒子7は、複数個が集合して約10μm〜約100μmの多孔質の集合体を形成している。この集合体は、第1金属粒子7間に約0.01μm〜約1μmの隙間107を有している。この隙間107は、第1金属粒子7同士が接触することにより、第1金属粒子7の径に依存して生じるものである。
陽極用基材4に吹き付けられた第1金属粒子7および第2金属粒子18は、図11(B)に示すように、陽極用基材4に衝突した場合は、陽極用基材4の表面に結合する。また、第1金属粒子7および第2金属粒子18が、陽極用基材4に結合している第1金属粒子7または第2金属粒子18に衝突した場合には、その衝突した第1金属粒子7または第2金属粒子18に結合して金属粒塊を形成する。
その結果、第1金属粒子7と第2金属粒子18とからなる複合層5が陽極用基材4の表面に形成される。複合層5には、陽極用基材4に吹き付けられた第1金属粒子7の集合体の隙間107が維持されている。さらに、複合層5には、第1金属粒子7の集合体と第2金属粒子18とが陽極用基材4に吹き付けられることにより、第1金属粒子7の集合体と第1金属粒子7の集合体または第2金属粒子18との間に、約0.01μm〜約1μmの大きさの隙間109が形成されている。この隙間109は、第1金属粒子7と第1金属粒子7または第2金属粒子18とが接触することにより、これらの粒子の径に依存して生じるものである。
次に、図11(C)に示すように、複合層5が形成された陽極用基材4を、酸性の溶液で処理することにより第2金属粒子18を溶出させる。第2金属粒子18は、第1金属粒子7よりもイオン化傾向が高いため、酸性の溶液により陽極用基材4を処理した場合には、第1金属粒子7よりも優先的に溶出する。
これにより、第2金属粒子18が存在していた部分が約1μm〜約50μmの大きさの隙間110となる。その結果、陽極用基材4の表面に、隙間107、隙間109および隙間110を有し、第1金属粒子7が網目状に結合した多孔質層6が形成される。
このように、陽極用基材4の表面に第1金属粒子7および第2金属粒子18を吹きつけ、第2金属粒子18のみを除去することにより、陽極用基材4および多孔質層6からなる陽極体2が形成される。
ここで、陽極用基材4に第1金属粒子7および第2金属粒子18を吹き付ける方法としては、コールドスプレー法が好適に用いられる。コールドスプレー法を用いた場合には、陽極用基材4と第1金属粒子7との間、陽極用基材4と第2金属粒子18との間、第1金属粒子7同士間、第2金属粒子18同士間、第1金属粒子7と第2金属粒子18との間において、高い密着強度を有する複合層5を形成することができる。
図9に示したコールドスプレー装置200を用いて、陽極用基材4に対し、第1ノズル102から第1金属粒子7を、第2ノズル112から第2金属粒子18を吹き付けながら、基材把持部101が陽極用基材4を第1ノズル102および第2ノズル112に対して相対移動させることにより、陽極用基材4の所定領域全面に第1金属粒子7および第2金属粒子18を吹き付けることができる。
なお、多孔質層6の空隙率(空孔率)は、複合層5における第1金属粒子7および第2金属粒子18の比率を調整することにより、容易に調整することができる。ここで、複合層5における第1金属粒子7および第2金属粒子18の比率は、第1材料供給部104から第1ノズル102への第1金属粒子7の供給量、第2材料供給部114から第2ノズル112への第2金属粒子18の供給量を調整することで調整可能である。
また、多孔質層6の空隙率は、第1金属粒子7および第2金属粒子18の粒径や、各ノズルからの噴射速度(噴射ガス圧)、噴射ガス温度等を調整することによっても調整可能である。例えば、第1金属粒子7の粒径が小さく、粒子の噴射速度を下げることで、より多孔質(ポーラス)な多孔質層6を形成することができる。また、噴射ガス温度を下げることで、より多孔質な多孔質層6を形成することができる。
また、多孔質層6の空隙率は、上述した水銀ポロシメータを用いた水銀圧入法の他、透過型電子顕微鏡(TEM)等で撮影した多孔質層6の断面画像等において、例えば100個程度の第1金属粒子7を含む領域を定め、当該領域における誘電体層11を含む第1金属粒子7部分と、それ以外の部分、すなわち隙間107、隙間109および隙間110(コンデンサ1の完成後では導電性高分子層14部分)との面積比から算出することも可能である。
次に、コンデンサ1の陰極体の製造方法について、図12を参照して説明する。図12(A)〜(C)は、コンデンサ1の陰極体の製造方法を説明するための断面図である。
図12(A)に示すように、陽極体2の表面を酸化して誘電体層11を形成する。陽極用基材4および第1金属粒子7はTaからなるため、誘電体層11は、酸化タンタル(Ta)からなる酸化皮膜である。本実施形態では、陽極体2を電解化成処理して誘電体層11を形成する。具体的には、陽極体2を0.01〜1.0質量%のリン酸水溶液の電解液中において定電圧で陽極酸化し、その表面に酸化タンタルからなる酸化皮膜を形成することによって、陽極用基材4の露出する表面および第1金属粒子7が結合してなる金属粒塊の表面に誘電体層11を形成する。
次に、図12(B)に示すように、誘電体層11上に、誘電体層11の表面を覆うように、すなわち陽極体2の隙間7、隙間109および隙間110を埋めるようにして、化学酸化重合により導電性高分子層14を形成する。
次に、図12(C)に示すように、導電性高分子層14上に、カーボンペースト層16aと、銀ペースト層16bとがこの順に積層されて陰極用基材16が形成される。これにより、導電性高分子層14と陰極用基材16とを含む陰極体12が形成される。
そして、陽極用基材4に陽極端子(図示せず)が例えば導電性接着剤を介して連結され、陰極用基材16に陰極端子(図示せず)が例えば導電性接着剤を介して連結されることにより、コンデンサ1を製造することができる。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極用基材4にコールドスプレー法により第1金属粒子7と第2金属粒子17とを吹き付けた後、第2金属粒子18を除去して多孔質の陽極体2を形成している。そのため、簡単に多孔質な陽極体を形成することができ、陽極体の単位体積当たりの表面積を飛躍的に増大させることができる。
その結果、特許文献1に記載された従来の電解コンデンサの製造方法と比較して、同じ厚さであれば大容量化が可能であり、同じ容量を得ようとするならば小型化が可能である。また、非特許文献1に記載された従来の電解コンデンサの製造方法と比較して、熱処理工程を行わなくても、コールドスプレー法により第1金属粒子7および第2金属粒子18を吹き付け、第2金属粒子18を溶出させるだけで、非常に大きな表面積を有する陽極体を形成することが可能である。したがって、コンデンサの製造工程を簡略化することができ、低コストでコンデンサを製造することができる。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極用基材4に隙間107を有する第1金属粒子7の集合体および第2金属粒子18を吹き付けることにより、隙間107および隙間109を有する複合層5を形成している。これに対し、非特許文献1に記載された方法では、微小な粒子をスパッタすることによりTa−Cu合金膜を成膜しているために、各粒子間には格子欠陥レベルの空間しかなく、隙間は無いに等しい状態である。
したがって、本実施形態では、第2金属粒子18を溶解するための溶液が、隙間107および隙間109を介して複合層5の表層から離れた内深部にある第2金属粒子18にまで届きやすくなり、複合層5の内深部の第2金属粒子18を容易に溶出することが可能である。その結果、陽極体2の表面積を大きくすることができ、コンデンサ1の大容量化が可能となる。さらに、複合層5の膜厚を厚くしても、内深部の第2金属粒子18を溶出することができるため、陽極体2を厚膜化することが可能である。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、陽極体2の多孔質層6に、約0.01μm〜約1μmの大きさを有する隙間107および隙間109に加え、約1μm〜約50μmの大きさを有する隙間110が形成される。サイズの小さい隙間107および隙間109は、第1金属粒子7により閉じられ閉空間となる可能性が高い。しかし、サイズの大きい隙間110が形成されることにより、隙間107および隙間109が閉空間となる可能性は著しく低下する。そのため、多孔質層6のほとんどの隙間107、隙間109および隙間110に、導電性高分子層14を形成することが可能となる。その結果、誘電体層11を介して導電性高分子層14に接する陽極体2の面積が増大するため、容量引き出し率を増大させることができる。さらに、陽極体2に回り込む導電性高分子層14の体積が増大するため、コンデンサ1を低ESR化することが可能となる。
また、本実施形態では、特許文献1に記載された方法と異なり、多孔質層6を形成した後に焼成等の熱処理工程を行う必要がないため、多孔質層6の隙間107、隙間109および隙間110が熱処理工程により小径化することを防止することができる。そのため、誘電体層11を介して導電性高分子層14に接する陽極体2の面積および陽極体2に回り込む導電性高分子層14の体積の減少を防止でき、容量引き出し率を増大させるとともに、コンデンサ1を低ESR化することが可能となる。
また、本実施形態のコンデンサ用電極体の製造方法では、多孔質層6は第1金属粒子7間に互いに押し付けられるような力が加わることにより形成されている。そのため、多孔質層6が形成された陽極用基材4には、第1金属粒子7が押し付けられた状態を戻そうとする力が働く。すなわち、陽極用基材4には、多孔質層6が形成されている面が凸状に反り返る方向に力が働く。しかし、多孔質層6に隙間107、隙間109および隙間110が形成されていることにより、各粒子間に隙間が無い場合と比較して、その応力を隙間107、隙間109および隙間110で緩和することが可能である。その結果、コンデンサ1の破損等を抑制することができ、コンデンサ1の信頼性を高めることが可能である。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、第1、第2実施形態では、陽極用基材4と2次粒子8との間および2次粒子8間に空隙率の低い緻密領域Yが形成されているが、本発明はこれに限られず、陽極用基材4と2次粒子8との間および2次粒子8間の少なくとも一部において緻密領域Yが形成されていればよい。多孔質層6の少なくとも一部に緻密領域Yが形成されているだけで、従来の電解コンデンサと比較して、陽極体2の抵抗を低減することが可能であり、コンデンサ1を低ESR化することができる。
特に、第2実施形態では、陽極用基材4と2次粒子8との間、2次粒子8と第2金属粒子18との間および2次粒子8間の少なくとも一部において緻密領域Yが形成されていればよい。
また、上述した各実施形態では、コールドスプレー法を用いて多孔質な陽極体を形成したが、周知のエアロゾルデポジション法やパウダージェット法等の非溶融状態の粒子を高速で吹き付けることで膜を形成する技術を用いて陽極体を形成してもよい。これらの方法によっても、多孔質な陽極体を形成することができる。
また、上述した各実施形態では、コールドスプレー法を大気中で行っているが、真空チャンバ内で行ってもよい。
また、上述した各実施形態では、陽極用基材4としてTa箔を用いたが、陽極用基材4として複数の第1金属粒子7が結合して膜状構造となったものを用いてもよい。その場合、陽極用基材4は以下のようにして形成することができる。すなわち、コールドスプレー法により板部材上に第1金属粒子7を吹き付けて当該板部材の表面に第1金属粒子7の膜を成膜し、その後、板部材を除去することで第1金属粒子7からなる陽極用基材4を形成することができる。
また、第2、第3実施形態では、酸性の溶液を用いて第2金属粒子18を溶出しているが、RIE装置を用いて反応ガスにより第2金属粒子18をエッチングしてもよい。
また、第2、第3実施形態では、第2金属粒子18として第1金属粒子7よりもイオン化傾向の高い金属およびその合金の少なくとも一方からなる材料を用いたが、第1金属粒子7よりも所定の溶液に対して優先的に溶解する材料であればよい。
また、第2実施形態では、コールドスプレー装置200を用いて陽極用基材4に2次粒子8および第2金属粒子18を吹き付ける際に、第1ノズル102からの2次粒子8の噴射と、第2ノズル112からの第2金属粒子18の噴射とは同時に行ってもよい。これによれば、コンデンサ用電極体の製造工程にかかる時間を短縮できる。
また、第2実施形態では、2次粒子8と第2金属粒子18の噴射は、交互に行うようにしてもよい。これによれば、2次粒子8と第2金属粒子18の比率を場所に応じてより自由に調整することができる。
さらに、第2実施形態では、2次粒子8と第2金属粒子18とを予め混合して、同一のノズルから噴射するようにしてもよい。これによれば、コールドスプレー装置の構成を簡単にすることができ、その結果、コンデンサ21の製造コストを低減することができる。
また、第3実施形態では、複数個の第1金属粒子7が集合した集合体を陽極用基材4に吹き付けているが、第1金属粒子7単体で吹き付けてもよい。また、第1金属粒子7の集合体には隙間107が形成されているが、隙間107は形成されていない状態であってもかまわない。
また、第3実施形態では、コールドスプレー装置200を用いて陽極用基材4に第1金属粒子7および第2金属粒子18を吹き付ける際に、第1ノズル102からの第1金属粒子7の噴射と、第2ノズル112からの第2金属粒子18の噴射とは同時に行ってもよい。これによれば、コンデンサ用電極体の製造工程にかかる時間を短縮できる。
また、第3実施形態では、第1金属粒子7と第2金属粒子18の噴射は、交互に行うようにしてもよい。これによれば、第1金属粒子7と第2金属粒子18の比率を場所に応じてより自由に調整することができる。
さらに、第3実施形態では、第1金属粒子7と第2金属粒子18とを予め混合して、同一のノズルから噴射するようにしてもよい。これによれば、コールドスプレー装置の構成を簡単にすることができ、その結果、コンデンサ1の製造コストを低減することができる。
また、第2、第3実施形態では、第1金属粒子7とともに、Cuからなる第2金属粒子18が陽極用基材4の表面に吹き付けられているが、第2金属粒子18に代えて、SiOやZiOのような絶縁粒子を用いてもよい。絶縁粒子としてSiO粒子やZiO粒子を用いた場合には、第1金属粒子7と絶縁粒子を陽極用基材4の表面に形成した後、フッ酸やフッ化アンモニウムなどの溶液で処理を行うことにより、絶縁粒子のみを溶出させることができる。
1、21 コンデンサ
2、22 陽極体
4 陽極用基材
5、25 複合層
6、26 多孔質層
7 第1金属粒子
8 2次粒子
9、10、29、30 隙間
11 誘電体層
12 陰極体
14 導電性高分子層、
16 陰極用基材
16a カーボンペースト層
16b 銀ペースト層
18 第2金属粒子
100、200 コールドスプレー装置
101 基材把持部
102 第1ノズル
104 第1材料供給部
106 ガス供給部
108 第1ヒータ
112 第2ノズル
114 第2材料供給部
118 第2ヒータ
107、109、110 隙間
本発明は、コンデンサ用電極体の製造方法およびコンデンサの製造方法に関する。

Claims (19)

  1. 弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材と、
    前記基材上に設けられ、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子が複数個結合して形成された多孔質層とを備え、
    前記多孔質層は、第1の領域と、前記第1の領域を取り囲むように形成され、前記第1の領域よりも低い空隙率を有する第2の領域とを含むことを特徴とするコンデンサ用電極体。
  2. 前記多孔質層は、前記第1金属粒子で形成された2次粒子が複数個結合して構成され、
    前記第2の領域において、前記2次粒子を構成する第1金属粒子が前記第1の領域に比べて互いに密着している請求項1に記載のコンデンサ用電極体。
  3. 前記多孔質層は、前記第1金属粒子で形成された2次粒子が複数個結合して構成され、前記第1の領域は前記2次粒子内に形成されている請求項1または2に記載のコンデンサ用電極体。
  4. 前記第2の領域は、隣接する前記2次粒子の前記第1の領域間に形成されている請求項3に記載のコンデンサ用電極体。
  5. 前記第2の領域は、前記基材と前記第1の領域との間に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のコンデンサ用電極体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極体からなる陽極体と、
    前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層の表面を覆うように形成された陰極体とを備えることを特徴とするコンデンサ。
  7. 弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材に、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子の2次粒子を、第1の領域と、前記第1の領域を取り囲むように形成され、前記第1の領域よりも低い空隙率を有する第2の領域を形成するように吹き付けることにより多孔質層を形成する多孔質層形成工程を含むことを特徴とするコンデンサ用電極体の製造方法。
  8. 前記第2の領域において、前記2次粒子を構成する第1金属粒子が前記第1の領域に比べて互いに密着している請求項7に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  9. 前記多孔質層は、前記第1金属粒子で形成された2次粒子が複数個結合して構成され、前記第1の領域は前記2次粒子内に形成されている請求項7または8に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  10. 前記第2の領域は、前記基材と前記第1の領域との間に形成されることを特徴とする請求項9に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  11. 前記多孔質層形成工程は、
    前記2次粒子とともに、所定の処理により前記第1金属粒子よりも優先的に除去される第2金属粒子を前記基材に吹き付けることにより複合体を形成する第1の工程と、
    前記所定の処理により前記複合体から前記第2金属粒子を除去し、前記多孔質層を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載の製造方法によって形成されたコンデンサ用電極体を陽極体として用意する工程と、
    前記陽極体の表面を酸化させて誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
    前記誘電体層の表面を覆うように陰極体を形成する陰極体形成工程とを含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
  13. 弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる基材に、弁作用金属およびその合金の少なくとも一方からなる第1金属粒子と、所定の処理により前記第1金属粒子よりも優先的に除去される第2金属粒子とを、各粒子間に第1の隙間を有するように吹き付けることにより複合体を形成する第1の工程と、
    前記所定の処理により前記複合体から前記第2金属粒子を除去する第2の工程とを含むことを特徴とするコンデンサ用電極体の製造方法。
  14. 前記第1の隙間は、前記第1金属粒子と前記第2金属粒子とが接触することにより生じるものであることを特徴とする請求項13に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  15. 前記第2金属粒子は、前記第1金属粒子よりも所定の溶液に対して優先的に溶解する材料からなり、
    前記第2の工程では、前記複合体を前記所定の溶液で処理することにより、前記複合体から前記第2金属粒子を溶出させることを特徴とする請求項13または14に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  16. 前記第2金属粒子は、前記第1金属粒子よりもイオン化傾向の高い金属およびその合金の少なくとも一方からなることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  17. 前記第1の工程において、前記第1金属粒子は、複数個の前記第1金属粒子が集合した集合体として前記基材に吹き付けられ、
    前記集合体は、前記各第1金属粒子間に第2の隙間が形成された多孔質の粒子であることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  18. 前記第2の隙間は、前記第1金属粒子同士が接触することにより生じるものであることを特徴とする請求項17に記載のコンデンサ用電極体の製造方法。
  19. 請求項13乃至18のいずれか1項に記載の製造方法によって形成されたコンデンサ用電極体を陽極体として用意する工程と、
    前記陽極体の表面を酸化させて誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
    前記誘電体層の表面を覆うように陰極体を形成する陰極体形成工程とを含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
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