JP5445464B2 - コンデンサ用電極体およびコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用電極体およびコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP5445464B2
JP5445464B2 JP2010539139A JP2010539139A JP5445464B2 JP 5445464 B2 JP5445464 B2 JP 5445464B2 JP 2010539139 A JP2010539139 A JP 2010539139A JP 2010539139 A JP2010539139 A JP 2010539139A JP 5445464 B2 JP5445464 B2 JP 5445464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacitor
layer
dielectric constant
electrode body
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010539139A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010058552A1 (ja
Inventor
英明 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2010539139A priority Critical patent/JP5445464B2/ja
Publication of JPWO2010058552A1 publication Critical patent/JPWO2010058552A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5445464B2 publication Critical patent/JP5445464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/048Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by their structure
    • H01G9/052Sintered electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • H01G9/0032Processes of manufacture formation of the dielectric layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/042Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by the material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/07Dielectric layers

Description

本発明は、大容量のコンデンサに使用するのに適したコンデンサ用電極体およびこれを用いたコンデンサに関する。
パソコン、携帯電話等に代表される電子機器の小型化、高性能化に伴い、これらの電子機器に搭載される電子回路には、年々、小型化、高速化および高集積化が求められている。このことは、電子回路を形成する受動部品に関しても同様である。例えば、コンデンサについても、可能な限り低背であり、かつ、大容量であることが求められている。
一般に、体積当たりの静電容量が大きなコンデンサとして、整流作用を有する陽極酸化が可能なアルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)等の弁作用金属の粉末を加圧成形し焼成して得られた多孔質ペレットを陽極体とし、この陽極体の表面にこれらの金属酸化物からなる誘電体層を形成した電解コンデンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような陽極体では、使用される粉末にサブミクロンレベルの粉末を利用することにより、表面積の非常に大きな陽極体が得られ、これによりコンデンサの大容量化を図ることができる。
特開2003−257787号公報
従来のように、弁作用金属としてTiやTaを用いる場合には、表面に形成される金属酸化膜は、比誘電率が高い(酸化タンタルの比誘電率:20〜30、酸化タンタルの比誘電率:83〜183)高誘電率絶縁膜である。高誘電率絶縁膜の電子親和力は、誘電率が高くなるにつれて大きくなる傾向がある。このため、代表的な誘電体である酸化シリコンと比較すると誘電体層として高誘電率絶縁膜が形成されている場合には、高誘電率絶縁膜の電子親和力とこれを挟む電極の仕事関数もしくは電子親和力が近い値となり、リーク電流が発生する可能性が高まり、コンデンサの大容量化の妨げとなっていた。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘電体層を構成する高誘電率絶縁膜に起因するリーク電流を抑制しつつ、コンデンサの大容量化を実現することができるコンデンサ用電極体の提供にある。
本発明のある態様は、コンデンサ用電極体である。当該コンデンサ用電極体は、ニッケルを含むコア部と、コア部の周囲を被覆する高誘電体絶縁膜と、を備えることを特徴とする。
この態様によれば、高誘電率絶縁膜の内側に仕事関数が大きいニッケルを含むコア部が存在することにより、電子親和力が大きい高誘電率絶縁膜を用いた場合であっても、コア部から高誘電率絶縁膜へのリーク電流の発生を抑制しつつ、容量密度の大きいコンデンサを実現することができる。
本発明の他の態様は、コンデンサである。当該コンデンサは、上述した態様のコンデンサ用電極体が陽極側に用いられ、高誘電体絶縁膜を挟んでコア部と反対側に形成された陰極体とを備えることを特徴とする。
この態様によれば、電子親和力の大きい高誘電体絶縁膜に起因してリーク電流が生じることを抑制することがきる。
本発明のさらに他の態様は、コンデンサである。当該コンデンサは、上述した態様のコンデンサ用電極体が陰極側に用いられ、高誘電体絶縁膜を挟んでコア部と反対側に形成された陽極体とを備えることを特徴とする。
この態様によれば、陰極体の実効仕事関数が大きい場合に、電子親和力の大きい高誘電体絶縁膜に起因してリーク電流が生じることを抑制することがきる。
本発明によれば、リーク電流を抑制しつつ、コンデンサの大容量化を実現することができる。
実施の形態1に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。 二酸化ケイ素基板上に設けられたNiTi(合金)層の表面を酸化したサンプルのラザフォード後方散乱スペクトルである。 実施の形態2に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。 実施の形態3に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。コンデンサ10は、陽極用基材20、誘電体層22、陽極体30、誘電体層32、陰極体40および陰極用基材50を備える。
陽極用基材20は、陽極体30とともに、コンデンサ10の陽極を構成する。陽極用基材20には、外部引き出し用の陽極端子(図示せず)が連結されている。陽極用基材20の形態は特に限定されないが、陽極用基材20にはたとえば薄膜(箔)、リード線などが用いられる。陽極用基材20が薄膜の場合には、陽極用基材20の厚さは、例えば約50〜100μmである。
陽極体30は、陽極用基材20の上に形成されており、陽極体30の一部は陽極用基材20と接触している。陽極体30は、多数の金属粒子が結合することにより形成されており、結合した金属粒子が網目状のネットワークを形成している。
陽極用基材20および陽極体30は実施の形態1に係るコンデンサ用電極体の「コア部」に相当する。本実施の形態では、陽極用基材20および陽極体30は、仕事関数が大きい(5.2eV程度)Niを含むNiTi合金で形成されている。なお、Niに代わる仕事関数が大きい材料として、Ru、Pt、Irなどの金属を用いてもよい。
陽極用基材20および陽極体30の表面には、それぞれ、誘電体層22、32が形成されている。誘電体層22、32の膜厚は、それぞれ10nmである。本実施の形態では、誘電体層22、32は、酸化チタンで形成されている。酸化チタンの比誘電率は100程度であり、酸化チタンは高誘電率酸化物である。すなわち、誘電体層22、32は、実施の形態1に係るコンデンサ用電極体の「高誘電率絶縁膜」に相当する。なお、誘電体層22、32を構成する高誘電率酸化物として、Hf、Zr、Ta、Nbなどの金属酸化物を用いてもよい。陽極体30および誘電体層32からなる複合材は、多孔質であり、比表面積が極めて大きい。
高誘電率絶縁膜とコア部との界面には、Ni原子層が少なくとも1層形成されていることが好ましい。Ni原子層は、当該界面全体に形成されていることがより好ましいが、当該界面に部分的に形成されていてもよい。また、高誘電率絶縁膜とコア部との界面には、コア部に比べてNiリッチなNiTi合金の層が形成されていてもよい。
陰極体40は、陰極用基材50とともに、コンデンサ10の陰極を構成する。陰極体40は、電解質層として機能し、陰極体40としては、たとえば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマーや、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等の導電性高分子が用いられる。陰極体40は、陽極用基材20と陰極用基材50との間を埋めるように設けられており、陽極体30および誘電体層32からなる複合材によって形成される隙間部分にも充填されている。
陰極用基材50は、たとえば、陰極体40の上に積層されたカーボンペースト層52と、カーボンペースト層52の上に積層された銀ペースト層54からなる。陰極用基材50には、外部引き出し用の陰極端子(図示せず)が連結されている。
(コンデンサ用電極体の製造方法)
ここで、実施の形態1で用いられるコンデンサ用電極体の製造方法について説明する。まず、10nmから1μmの粒径のNiTi合金をNiTi薄膜(陽極用基材20に相当)の上にコールドスプレー法を用いて堆積する。これにより、NiTi合金同士が連結し、多孔質で高表面積のネットワーク構造が形成され、空隙率(気孔率)の大きなNiTi合金層(陽極体30に相当)が形成される。なお、コールドスプレー法とは、材料粒子あるいは材料粉末を所定の高温・高速の流れにして被覆対象物の表面に吹き付けて、被覆対象物の表面に材料粒子を堆積させて、被覆対象物をコーティングする加工法である。コールドスプレー法は、焼結法に比べると表面積の大きい多孔質層を形成することができるため、コンデンサの容量密度の増加を図ることができる。
次に、酸素分圧の低い環境(たとえば、O 20%、N 80%の雰囲気下)で高温酸化処理を施すことにより、NiTi合金層およびNiTi薄膜の表面を酸化する。このとき、Niに比較してTiが圧倒的に酸化されやすいため、NiTi合金層およびNiTi薄膜の表面には、酸化チタンからなる被覆層、すなわち高誘電率絶縁膜が形成される。合金を形成していたNiは、酸化チタンからなる高誘電率絶縁膜の内側へ追いやられ、NiTi合金層およびNiTi薄膜の表面がNiリッチとなり、高誘電率絶縁膜とコア部(NiTi合金層およびNiTi薄膜)との界面におけるニッケル濃度が上昇する。望ましくは、Ni原子層が少なくとも1層形成される。なお、Ni原子層は、高誘電率絶縁膜とコア部との界面全体に形成されてもよいが、高誘電率絶縁膜とコア部との界面の一部に形成されてもよい。
以上の工程により、実施の形態1で用いられるコンデンサ用電極体が製造される。
(Niリッチ層の確認)
図2は、二酸化ケイ素基板上に設けられたNiTi(合金)層の表面を酸化したサンプルのラザフォード後方散乱スペクトルである。なお、NiTi層は、実施の形態1のNiTi合金層またはNiTi薄膜に相当する。ラザフォード後方散乱スペクトルは、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry)測定装置を用いて測定された。主な測定条件を以下に示す。
エネルギー分解能:20keV、入射イオン:He++、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:0deg、試料電流:20nA、入射ビーム径:2mm、試料回転:0deg、照射量:240μC、チャンバー真空度:5.1×10−5Pa、検出器の散乱角:160deg、検出器のアパーチャ径:8mm
図2における領域A−Eの各領域の成分を下記に示す。
領域A:酸化チタン層
領域B:酸化チタン層からNiTi層へ変化する中間層
領域C:NiTi層
領域D:NiTi層から二酸化ケイ素層へ変化する中間層
領域E:二酸化ケイ素層(二酸化ケイ素基板)
二酸化ケイ素基板上のNiTi層は、NiTi層を酸化する前は、深さ方向で同一の組成である。これに対して、NiTi層を酸化した後は、図2に示すように、NiTi層(領域C)の表面に中間層(領域B)を介して酸化チタン層(領域A)が形成され、酸化チタン層(領域A)内および中間層(領域B)内のNiが二酸化ケイ素基板側へ移動し、NiTi層(領域C)内で濃縮している。このため、NiTi層(領域C)の最表面では、NiTi層(領域C)の最深部に比べてNi濃度が高くなっている。このように、NiTi層を酸化することにより、NiTi層の表面(酸化チタン層側)にNiリッチな領域が形成されていることが確認された。
以上説明した実施の形態1に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサによれば、陽極となるコア部と高誘電率絶縁膜との界面に、仕事関数が大きいNi層、またはNiリッチなNiTi合金が存在している。これにより、電子親和力が大きい高誘電率絶縁膜を用いた場合であっても、リーク電流の発生を抑制しつつ、容量密度の大きいコンデンサを実現することができる。
また、コア部に用いられる材料が、従来の固体電解コンデンサで使用されていたTaに代えて、より安価なNiTi合金であるため、大容量のコンデンサをより低コストで製造することができる。
また、コア部となるNiTi合金の組成は変えず表面を酸化させて得られる高誘電率絶縁膜の膜厚を変えることにより、コンデンサに要求される様々な耐圧にリーク電流を抑制しつつ容易に対応することができる。
なお、上述した実施の形態に係るコンデンサ用電極体では、コア部と高誘電率絶縁膜との界面において、NiまたはNiリッチNiTi合金のフェルミレベルと高誘電率絶縁膜の伝導帯とのエネルギー差がおよそ1eV以上ある。このため、陰極体40(導電性高分子)の実効仕事関数が大きい場合には、コア部と高誘電率絶縁膜からなるコンデンサ用電極体側を陰極として用い、陰極体40を「陽極体」として用いることにより、リーク電流を抑制することができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。実施の形態2に係るコンデンサ用電極体では、コア部、すなわち、陽極用基材20および陽極体30の材料としてNiが用いられている。より詳しくは、陽極体30は多数のNi粒子が結合することにより形成されている。なお、Niに代わる仕事関数が大きい材料として、Ru、Pt、Irなどの金属を用いてもよい。
Ni粒子同士の結合部分には、Taを含むTa層31が介在しており、Ta層31が陽極体30の一部となっている。同様に、陽極用基材20と陽極体30との接続部分にTa層31が介在している。より詳しくは、Ta層31は、Ta層、NiTa合金層、またはTa層およびNiTa合金層からなる混合層によって形成されている。
本実施の形態では、高誘電率絶縁膜、すなわち、誘電体層22、32は、酸化タンタルで形成されている。酸化タンタルの比誘電率は28程度であり、酸化タンタルは高誘電率酸化物である。なお、誘電体層22、32を構成する高誘電率酸化物として、Hf、Zr、Ti、Nbなどの金属酸化物を用いてもよい。
(コンデンサ用電極体の製造方法)
ここで、実施の形態2で用いられるコンデンサ用電極体の製造方法について説明する。まず、CVD法などを用いてNi薄膜(陽極用基材20に相当)上にTa層を成膜する。続いて、10nmから1μmの粒径のTa被膜(厚さ:たとえば10nm)で覆われたNi粒子をTa層の上にコールドスプレー法を用いて堆積する。これにより、Ta被膜を介してNi粒子同士が連結し、多孔質で高表面積のネットワーク構造が形成され、空隙率の大きなNi金層(陽極体30に相当)が形成される。このとき、Ni粒子同士の間に介在するTa被膜は、Ni粒子同士が衝突する際の圧力により、堆積前に比べて薄膜化する。同様に、Ni粒子とNi薄膜とは、Ta被膜およびTa層を介して接続される。
次に、陽極酸化処理を施すことにより、Ta被膜およびTa層のうち露出した部分が酸化され、酸化タンタルからなる被覆層、すなわち高誘電率絶縁膜が形成される。ただし、Ni粒子同士の間に介在するTa被膜、およびNi粒子とNi薄膜との間に介在するTa層(以下、まとめて残存Ta層という)は、酸化されずに金属として残る。さらに、残存Ta層には、熱酸化によりNi粒子またはNi薄膜からNiが拡散する。このため、残存Ta層は、Niを含有する。すなわち、残存Ta層(図3のTa層31)は、Ta層、NiTa合金層、またはTa層およびNiTa合金層からなる混合層によって形成される。
以上の工程により、実施の形態2で用いられるコンデンサ用電極体が製造される。
以上説明した実施の形態2に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサによれば、高誘電率絶縁膜の内側に仕事関数が大きいNiからなるコア部が存在している。これにより、電子親和力が大きい高誘電率絶縁膜を用いた場合であっても、コア部から高誘電率絶縁膜へのリーク電流の発生を抑制しつつ、容量密度の大きいコンデンサを実現することができる。
また、コア部に用いられる材料が、従来の固体電解コンデンサで使用されていたTaに代えて、より安価なNiであり、Taが使用される部分がTa被膜だけとなる。これにより、従来に比べてTaの使用量が削減されるので、大容量のコンデンサをより低コストで製造することができる。
また、Ta被膜の酸化は、従来の固体電解コンデンサの製造に用いられていた陽極酸化により実施可能である。このため、特殊な製造を要せず、コンデンサの製造コストを低減することができる。
なお、上述した実施の形態に係るコンデンサ用電極体では、コア部と高誘電率絶縁膜との界面において、Niのフェルミレベルと高誘電率絶縁膜の伝導帯とのエネルギー差がおよそ1eV以上ある。このため、陰極体40(導電性高分子)の実効仕事関数が大きくない場合には、コア部と高誘電率絶縁膜からなるコンデンサ用電極体側を陰極として使うことにより、リーク電流を抑制することができる。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサの構造を示す断面図である。実施の形態3に係るコンデンサ用電極体では、コア部、すなわち、陽極用基材20および陽極体30の材料としてNiが用いられている。より詳しくは、陽極体30は多数のNi粒子が結合することにより形成されている。なお、Niに代わる仕事関数が大きい材料として、Ru、Pt、Irなどの金属を用いてもよい。
一方、本実施の形態では、高誘電率絶縁膜、すなわち、誘電体層22、32は、酸化チタンで形成されている。なお、誘電体層22、32を構成する高誘電率酸化物として、Hf、Zr、Ta、Nbなどの金属酸化物を用いてもよい。
まとめると、酸化チタンからなる高誘電率絶縁膜の内側にNiからなるコア部が形成されている。コア部の最外層は酸化されて酸化ニッケル層となる場合があるが、この場合にも、Ni電極の実効仕事関数は大きく、リーク電流を効果的に抑制することができる。
(コンデンサ用電極体の製造方法)
ここで、実施の形態3で用いられるコンデンサ用電極体の製造方法について説明する。まず、10nmから1μmの粒径のNi粒子をNi薄膜(陽極用基材20に相当)の上にコールドスプレー法を用いて堆積する。これにより、Ni粒子同士が連結し、多孔質で高表面積のネットワーク構造が形成され、気孔率の大きなNi層(陽極体30に相当)が形成される。
次に、めっき法、イオンプレーティング法などを用いて、Ni層およびNi薄膜の表面に、TiからなるTi被膜を形成する。Ti被膜の膜厚は、たとえば、10nmである。
次に、酸素分圧の低い環境(たとえば、O 20%、N 80%の雰囲気下)で高温酸化処理を施すことにより、Ti被膜を急速に酸化する。これにより、Ni層およびNi薄膜が酸化チタンからなる高誘電率絶縁膜により被覆される。なお、酸化条件によっては、コア部の最外層が酸化されて酸化ニッケル層となる場合があるが、この場合にも、Ni電極の実効仕事関数は大きく、リーク電流を効果的に抑制することができる。
以上の工程により、実施の形態3で用いられるコンデンサ用電極体が製造される。
以上説明した実施の形態3に係るコンデンサ用電極体を含むコンデンサによれば、高誘電率絶縁膜の内側に仕事関数が大きいNiからなるコア部が存在している。これにより、電子親和力が大きい高誘電率絶縁膜を用いた場合であっても、コア部から高誘電率絶縁膜へのリーク電流の発生を抑制しつつ、容量密度の大きいコンデンサを実現することができる。
また、コア部に用いられる材料が、従来の固体電解コンデンサで使用されていたTaに代えて、より安価なNiであるため、大容量のコンデンサをより低コストで製造することができる。
また、コア部となるNiの表面に形成されるTi被膜の厚さを変えることいより、酸化によって得られる高誘電率絶縁膜の膜厚を変えることができる。このように、高誘電率絶縁膜の膜厚を変えることにより、コンデンサに要求される様々な耐圧に容易に対応することができる。
なお、上述した実施の形態に係るコンデンサ用電極体では、コア部と高誘電率絶縁膜との界面において、Niのフェルミレベルと高誘電率絶縁膜の伝導帯とのエネルギー差がおよそ1eV以上ある。このため、陰極体40(導電性高分子)の実効仕事関数が大きくない場合には、コア部と高誘電率絶縁膜からなるコンデンサ用電極体側を陰極として用い、陰極体40を「陽極体」として用いることにより、リーク電流を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態1乃至3では、Niを含む粒子の堆積にコールドスプレー法が用いられているが、Niを含む粒子を堆積するプロセスとしては、焼結法、エアロゾルデポジション法、パウダージェット法、CVD法などの他の手法を用いてもよい。
10 コンデンサ、20 陽極用基材、22 誘電体層、30 陽極体、32 誘電体層、40 陰極体、50 陰極用基材
本発明は、大容量のコンデンサに使用するのに適したコンデンサ用電極体およびこれを用いたコンデンサ分野において産業上の利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. ニッケルとチタンの合金を含むコア部と、
    前記コア部の周囲を被覆する酸化チタンを含む誘電体膜と、
    を備え、
    前記コア部と前記誘電体膜との界面の一部または全部に、ニッケル層または前記コア部よりニッケルの濃度が高いニッケルチタン合金層が形成されていることを特徴とするコンデンサ用電極体。
  2. 前記コア部と前記誘電体膜とが多孔質層を形成している請求項1に記載のコンデンサ用電極体。
  3. 請求項1又は2に記載の前記コンデンサ用電極体が陽極側に用いられ、
    前記誘電体膜を挟んで前記コア部と反対側に形成された陰極体とを備えることを特徴とするコンデンサ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記コンデンサ用電極体が陰極側に用いられ、
    前記誘電体膜を挟んで前記コア部と反対側に形成された陽極体とを備えることを特徴とするコンデンサ。
  5. 前記陰極体が、導電性ポリマーを含むことを特徴とする請求項3に記載のコンデンサ。
JP2010539139A 2008-11-19 2009-11-17 コンデンサ用電極体およびコンデンサ Active JP5445464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010539139A JP5445464B2 (ja) 2008-11-19 2009-11-17 コンデンサ用電極体およびコンデンサ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008296069 2008-11-19
JP2008296069 2008-11-19
PCT/JP2009/006151 WO2010058552A1 (ja) 2008-11-19 2009-11-17 コンデンサ用電極体およびコンデンサ
JP2010539139A JP5445464B2 (ja) 2008-11-19 2009-11-17 コンデンサ用電極体およびコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010058552A1 JPWO2010058552A1 (ja) 2012-04-19
JP5445464B2 true JP5445464B2 (ja) 2014-03-19

Family

ID=42197995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010539139A Active JP5445464B2 (ja) 2008-11-19 2009-11-17 コンデンサ用電極体およびコンデンサ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8587928B2 (ja)
JP (1) JP5445464B2 (ja)
WO (1) WO2010058552A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102822919B (zh) * 2010-04-07 2015-08-19 东洋铝株式会社 电极结构体的制造方法、电极结构体以及电容器
CN107924763B (zh) * 2015-08-12 2020-04-17 株式会社村田制作所 电容器及其制造方法、基板和电容器集合基板
CN113195032A (zh) * 2019-02-06 2021-07-30 朝日英达科株式会社 导丝
TWI801222B (zh) * 2022-04-26 2023-05-01 國立成功大學 多元合金材料層、其製造方法及半導體裝置的電容結構

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070127189A1 (en) * 2005-12-02 2007-06-07 Vishay Sprague, Inc. Surface mount chip capacitor
JP2007317784A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Tdk Corp 固体電解コンデンサ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003257787A (ja) 2002-03-01 2003-09-12 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサ及びその製法
US7190016B2 (en) * 2004-10-08 2007-03-13 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Capacitor structure

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070127189A1 (en) * 2005-12-02 2007-06-07 Vishay Sprague, Inc. Surface mount chip capacitor
JP2007317784A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Tdk Corp 固体電解コンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010058552A1 (ja) 2012-04-19
US20110222210A1 (en) 2011-09-15
WO2010058552A1 (ja) 2010-05-27
US8587928B2 (en) 2013-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2018074407A1 (ja) 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法
JP4940362B1 (ja) 固体電解コンデンサ用電極箔
JP5445464B2 (ja) コンデンサ用電極体およびコンデンサ
KR102166157B1 (ko) 2차 전지
US8493712B2 (en) Solid electrolytic capacitor and method of manufacturing the same
JP4553770B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
TWI746518B (zh) 電容器
US10998139B2 (en) Solid electrolytic capacitor element, solid electrolytic capacitor, and manufacturing method of solid electrolytic capacitor element
US20120261162A1 (en) Method for manufacturing electrode structure, electrode structure, and capacitor
KR101240788B1 (ko) 콘덴서 소자 및 그 제조방법
US20180114647A1 (en) Capacitor and method for manufacturing the capacitor
JP2010098163A (ja) 固体電解コンデンサ
TW529049B (en) Electrode and capacitor with the electrode
JP2006278789A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2017103412A (ja) 固体電解コンデンサ
WO2020179170A1 (ja) 電解コンデンサ
JP5573362B2 (ja) 電極箔とこの電極箔を用いたコンデンサおよび電極箔の製造方法
JP4665854B2 (ja) バルブ金属複合電極箔およびその製造方法
WO2023090141A1 (ja) 電解コンデンサ素子
JP2013168526A (ja) 積層型電子部品及びその製造方法
JP6907876B2 (ja) 成膜方法
JP4566077B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
WO2011013569A1 (ja) コンデンサ用電極体およびその製造方法、ならびにコンデンサ
JP2011192886A (ja) 電極箔およびコンデンサ
JP2011109043A (ja) コンデンサおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121105

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20130628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131209

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5445464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151