JP2008198794A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Kazuaki Kurihara
和明 栗原
Kenji Shioga
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Abstract

【課題】比較的低温で多孔質の弁金属を得て、低い製造コストで大面積化を可能とする信頼性の高い固体電解コンデンサを実現する。
【解決手段】第1の導電層を形成するには、チャンバ内に、プリント基板11a上に銅箔11bが設けられてなる銅張りプリント基板11を設置し、チャンバ内を還元性雰囲気、例えばArとH2との混合雰囲気として、粉末供給ノズル2から放出した酸化タンタルの粒子3に溶射トーチ1からプラズマ4を照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路の近傍に実装し、半導体集積回路の高周波領域における安定動作に寄与するデカップリングキャパシタに適用して好適な固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
高周波電圧で駆動するLSIにおいては、同時スイッチングにより発生する電源電圧の変動(同時スイッチングノイズ)による誤動作を防止するため、ノイズを吸収するいわゆるデカップリングコンデンサを電源系に並列に挿入し、電源系のインピーダンスを低下させる方法が用いられている。
電源系のインピーダンスZは、以下の(1) 式で表される。
Z∝V/n・i・f ・・・(1)

Z:電源系のインピーダンス
V:駆動電圧
n:LSI当たりの素子数
i:スイッチング電流
f:駆動周波数
LSIの低電圧化、素子の高集積化、高周波数化の進展により、要求されるインピーダンスは、急激に低下している。また、デカップリングコンデンサのインピーダンスは以下の(2)式で表される。
Z=2πfL+(1/2πfC)+R ・・・(2)
L:コンデンサのインダクタンス
C:コンデンサの容量
R:コンデンサの直流抵抗
特開平11−97289号公報
低インピーダンスを得るには、デカップリングコンデンサの低インダクタンス化と大容量化が必要である。インピーダンスの急激な低下、更にはデバイスの高周波化により、デカップリングキャパシタの大幅な大容量及び低インダクタンスが要求されている。特に、例えば100MHz以上の高周波で駆動するデカップリングコンデンサについて、深刻な状況となりつつある。通常、デカップリングコンデンサは、LSIの周辺に積層セラミックコンデンサを配置する方法が一般的に用いられている。しかしながら、動作周波数が数百MHz程度まで高くなると、積層セラミックコンデンサではインダクタンスが大きく、対応しきれなくなる。
バイパスコンデンサの低インダクタンス化を狙い、高誘電率のセラミック薄膜を絶縁基板上に形成したコンデンサが提案されている (特許文献1を参照。)。薄膜コンデンサは、半導体プロセスが利用でき、ハンダバンプによる表面実装が可能であるため、バンプピッチを短くして、低インダクタンス化を図ることができる。しかしながら、薄膜コンデンサでは、積層セラミックコンデンサ並みの容量を得ることは困難である。
このような背景の下、平面状の固体電解コンデンサに複数のバンプを狭ピッチで形成することで、低インダクタンスと大容量を両立するコンデンサが案出されている。固体電解コンデンサとしては、弁金属としてアルミニウム(Al)を用い、電解エッチングによる粗面化処理により大きな比表面積を得る手法と、弁金属としてタンタル(Ta)やニオブ(Nb)の粉末の多孔質焼結体を用い、大きな比表面積を得る手法とがある。前者の手法では、低温プロセスで大面積のコンデンサ形成が可能であり、製造コストを抑えることができる。一方、後者の手法では、前者の手法に比べて耐水性が高く信頼性に優れている反面、弁金属の焼結に高温を要し、固体電解コンデンサを大面積に形成することが困難であり、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、比較的低温で多孔質の弁金属を得て、低い製造コストで大面積化を可能とする信頼性の高い固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の固体電解コンデンサは、弁金属からなる第1の導電層と、前記第1の導電層上及び前記第1の導電層内に形成された空孔を埋め込むように設けられた導電物からなる第2の導電層と、前記第1の導電層が陽極酸化されてなり、前記第1の導電層の前記弁金属と前記第2の導電層の前記導電物との界面部位を覆う誘電体膜とを含み、前記第1の導電層と前記第2の導電層とが前記誘電体膜を介して容量結合する。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、基板の上方に、溶射により弁金属からなる多孔質の第1の導電層を形成する工程と、前記第1の導電層の露出表面を陽極酸化して誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜上に、当該誘電体膜を介して前記第1の導電層と容量結合する第2の導電層を形成する工程とを含む。
本発明によれば、比較的低温で多孔質の弁金属を得て、低い製造コストで大面積化を可能とする信頼性の高い固体電解コンデンサが実現する。
−本発明の基本骨子−
本発明者は、焼結法のような高温を要せず、比較的低温で多孔質の弁金属を得て、低い製造コストで大面積化を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に想到した。
本発明では、溶射法を用いて弁金属を堆積し、多孔質の陽極層(第1の導電層)を形成する。
本発明によれば、耐熱性の乏しい基板、例えばプリント基板等に対しても、その表面に弁金属を堆積し、多孔質の第1の導電層を形成することができる。弁金属としては、アルミニウム(Al)等よりも高融点の金属であるタンタル(Ta)又はニオブ(Nb)を用いる。
耐熱性の乏しいプリント基板の表面に多孔質の第1の導電層を形成するには、タンタル又はニオブの酸化物の粒子を用い、還元雰囲気中で溶射法を行う。ここでは、基板として、プリント基板の表面にタンタル又はニオブよりも融点の低い金属、例えば銅(Cu)の下地膜が形成された銅張りプリント基板を用いる場合について例示する。また、弁金属としてタンタルを用い、酸化タンタルの粒子を供給する場合について例示するが、弁金属としてニオブを用い、酸化ニオブの粒子を供給する場合でも同様である。
図1は、本発明における溶射法を説明するための概要図であり、図2は、本発明による固体電解コンデンサの構成を示す模式図である。図2において、(a)が断面図、(b)が平面図であり、(a)の右側にはキャパシタ部の拡大図を示し、(b)の破線I−Iに沿った断面が(a)に相当する。
本発明で用いる溶射装置は、図1に示すように、不図示のチャンバ内に、プラズマを照射する溶射トーチ1と、照射されたプラズマに粉末状の酸化タンタル粒子を供給する粉末供給ノズル2とを備えた、例えば減圧プラズマ溶射装置である。
第1の導電層を形成するには、チャンバ内に、プリント基板11a上に銅箔11bが設けられてなる銅張りプリント基板11を設置し、チャンバ内を還元性雰囲気、例えばArとH2との混合雰囲気として、粉末供給ノズル2から放出した酸化タンタルの粒子3に溶射トーチ1からプラズマ4を照射する。このとき、プラズマ4中で粒子3の表層が還元され、溶融状態のタンタル層3aが生成される。
この状態で銅箔11bの表面に到達すると、各粒子3の酸化タンタルの芯がさほど変形することなく略球状を保った状態でタンタル層3aが結合する。これにより、結合した粒子3間に空孔5が形成された状態でタンタルが銅箔11b上に堆積し、第1の導電層10が形成されてゆく。
ここで、上記の溶射において、その初期には後期よりも還元性雰囲気の還元性の度合いを高く設定、具体的にはArとH2との混合雰囲気において初期には後期よりもH2の割合を多く設定し、粒子3を銅箔11b上に堆積することが望ましい。タンタル層3aは、混合雰囲気におけるH2の割合が多いほど厚く形成されるため、第1の導電層10内の下方部位において上方部位よりも粒子3の酸化タンタル部分3bの粒径が小さくなる。ここでは、第1の導電層100の最下部において粒子3の酸化タンタル部分3bが存しない、タンタルのみからなる弁金属領域10aを形成する。即ち第1の導電層10は、空孔5が存しない(最下層までは空孔5が繋がらない)弁金属領域10aを最下層に有する構造に形成されることになる。
このように、溶射法を適用することにより、焼結法のような高温を要することなく、耐熱性の乏しい基板上でも(当該基板の表面に弁金属よりも融点の低い下地金属が設けられている場合であっても)、容易且つ確実に表面積の極めて大きい多孔質の第1の導電層を形成することができる。
ここで、溶射条件を適宜調整することにより、銅張りプリント基板11の温度上昇を抑えることができる。
また、多孔質の第1の導電層を形成する方法としては、上記の如く酸化タンタル粒子を溶射する手法が有効であるが、酸化タンタル粒子の代わりに、例えばArガスの雰囲気で粉末のTa粒子を溶射しても良い。この手法により形成される第1の導電層10の様子を図3に示す。図3は、図2(a)の拡大図に対応したものであり、第1の導電層10は、図2(a)の第1の導電層10における酸化タンタル部分3bが存しない構成とされる。
但しこの場合、酸化タンタル粒子を用いる場合に比べると、形成される第1の導電層の比表面積は小さくなる。
下地の基板については、プリント基板以外にも、セラミック基板、ガラス基板等が利用可能である。また、下地金属としては、銅以外にも、Ni、Au、Al等の他の金属を用いることができる。更に、銅箔のみを下地金属とし、当該銅箔表面に第1の導電層を形成した後、基板上に接着させることも可能である。この場合、溶射の下地としては熱伝導率が高く冷却効果の高い銅箔のみであるため、熱流入量の許容値が高く、高速に第1の導電層を形成することができる。
上記のように第1の導電層10を形成した後、第1の導電層10の表面、即ち、第1の導電層10の入り組んだ形状で一体化した空孔5で露出する部分を陽極酸化することにより、当該表面に酸化タンタルからなる誘電体膜6を形成する。そして、誘電体膜6上に導電性高分子材料を堆積し、陰極層である第2の導電層7を形成する。第2の導電層7は、導電性高分子材料が第1の導電層10上及び第1の導電層10内に形成された空孔を埋め込むように堆積され、第1の導電層10上及び第1の導電層10内における酸化タンタル部分3b間の空孔5を導電性高分子材料で埋め込むように形成される。更に、例えば銀ペーストを第2の導電層7上に塗布して銀層8を形成する。
本発明による固体電解コンデンサでは、銀層8、第2の導電層7、誘電体膜6、及び第1の導電層10からなる積層構造には、陽極電極となる第1の電極パッド13を形成するための複数の開孔21が形成され、キャパシタ部20が構成される。
キャパシタ部20では、入り組んだ形状の空孔5の内壁面にこれに倣った形状に誘電体膜6が形成されており、第1の導電層10と第2の導電層7との実質的な対向面積は極めて大きく、大容量が得られる。
更に、銅張りプリント基板11上に上記のように作製されたキャパシタ部20を覆うように絶縁物の保護層12が形成される。そして、保護層12に形成された接続孔22,23を介して、第1の導電層10と銅箔11bを介して電気的に導通する複数の第1の電極パッド13と、第2の導電層7と電気的に導通する複数の第2の電極パッド14とが、保護層12の表面である同一平面上に形成される。第1の電極パッド13は開孔21に設けられ、隣接する第1の電極パッド13間に第2の電極パッド14が設けられており、各電極パッド13,14は、言わばマトリクス状に配設される。各電極パッド13,14上には、外部接続用のハンダバンプ15がそれぞれ設けられる。
−本発明を適用した好適な諸実施形態−
以下、上記した本発明の基本骨子を踏まえ、本発明を適用した好適な諸実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、固体電解コンデンサの製造方法及び作製された固体電解コンデンサの評価結果について述べる。なお、本発明の基本骨子で説明したものと同一部材等については、同符号を付す。
(第1の実施形態)
図4は、本実施形態による固体電解コンデンサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
初めに、図4(a)に示すように、銅張りプリント基板11上に、本発明の基本骨子で説明した溶射法により多孔質の第1の導電層10を形成したあと、誘電体膜6を形成する。
詳細には、先ず、厚み0.3mm程度の銅張りプリント基板11を、減圧プラズマ溶射装置の水冷基板ホルダ(不図示)に設置し、粉末状のTa25粒子を溶射する。溶射条件としては、チャンバ内の圧力を0.1気圧とし、還元性雰囲気としてAr+H2の混合ガスを導入し、溶射出力を50kW、Ta25粒子の平均粒径を2μmとし、溶射初期にはAr:H2を7:3、その後は徐々に9:1にまで水素濃度を低下させる。これにより、厚みが30μm程度の第1の導電層10を形成する。なお、水素濃度を徐々に低下させる代わりに、水素濃度を段階的に低下させるようにしても良い。
次に、第1の導電層10の露出表面を陽極酸化し、第1の導電層10の露出表面にTa25の誘電体膜6を形成する。
続いて、図4(b)に示すように、第1の導電層10上に誘電体膜6を介して第2の導電層7を形成した後、銀層8を形成する。
詳細には、誘電体膜6上に、ピロールモノマーを含む水溶液の塗布、重合、乾燥を数回繰り返し、ポリピロールからなる導電性高分子層である第2の導電層7を形成する。
第2の導電層7の導電性高分子材料としては、固体電解コンデンサに使用される各種材料が適用可能であり、例えばポリピロール以外にも、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)、ポリチオフェン、ポリアニリン等が適用可能である。
次に、第2の導電層7上に銀ペーストと塗布し、銀層8を形成する。
ここで、銀ペースト以外にも、カーボンペースト、Cu,Ni,Au等の金属メッキ膜、蒸着膜やスパッタリング膜も適用可能である。
続いて、図4(c)に示すように、開孔21を形成してキャパシタ部10を形成する。
詳細には、陽極電極となる第1の電極パッド13を形成するため、銀層8、第2の導電層7、誘電体膜6、及び第1の導電層10からなる積層構造の陽極電極形成部位に開孔21を形成し、キャパシタ部10を形成する。開孔21は、例えば400μm程度のピッチで200μm径に、銅箔11bの表面に達するように、所定の機械加工により形成される。
続いて、図4(d)に示すように、キャパシタ部10を覆う保護層12を形成する。
詳細には、絶縁物としてポリイミド樹脂を用い、このポリイミド樹脂をキャパシタ部10を覆うように塗布形成する。
続いて、図4(e)に示すように、保護層12に、陽極用の接続孔22及び陰極用の接続孔23を形成した後、第1及び第2の電極パッド13,14、及びハンダバンプ15を形成する。
詳細には、先ず、保護層12に、所定のレーザを用いて、陽極用の接続孔22及び陰極用の接続孔23を形成する。接続孔22は、保護層12の開孔21に位置整合した部位に、銅箔11bの表面の一部を露出させるように形成される。一方、接続孔23は、保護層12の隣接する開孔21間に位置整合した部位に、銀層8の表面の一部を露出させるように形成される。
次に、接続孔22,23を埋め込むように、例えばニッケル(Ni)メッキにより第1及び第2の電極パッド13,14を形成する。そして、各電極パッド13,14上に、外部接続用のハンダバンプ15をそれぞれ形成する。
以上により、本実施形態の固体電解コンデンサが完成する。
このようにして完成した固体電解コンデンサ(キャパシタ部10:約20mm角)を、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。ここで、ESRは等価直列抵抗、ESLは等価直列インダクタンスである。
静電容量:400μF
ESR :0.2mΩ
ESL :0.2pH
なお、第1の導電層10に相当する多孔質の陽極層を、タンタル焼結体として形成し、これを切断してプリント基板に張付して、同様な形状の固体電解コンデンサを製造する方法では、20mm角のサイズにキャパシタ部を作製しようとすると、タンタル焼結体の厚みだけで1mm以上必要となる。また、接続孔22,23に相当する引き出し電極用の孔加工が困難であり、本実施形態の固体電解コンデンサに比べて厚みが3倍以上、製造コストは10倍以上と試算された。
(第2の実施形態)
ここでは、第1の実施形態と同様に、図4の各工程を経て固体電解コンデンサを形成するが、図4(a)における溶射工程において、酸化タンタル粒子の代わりにタンタル粒子を用いる点で相違する。
本実施形態では、図4(a)における溶射工程において、厚み0.3mm程度の銅張りプリント基板11を、減圧プラズマ溶射装置の水冷基板ホルダ(不図示)に設置し、粉末状のタンタル粒子を溶射する。溶射条件としては、チャンバ内の圧力を0.1気圧とし、雰囲気としてArガスを導入し、溶射出力を30kW、Ta粒子の平均粒径を2μmとする。これにより、厚みが30μm程度の第1の導電層を形成する。
その他の工程は、第1の実施形態と同様である。
このようにして完成した固体電解コンデンサ(キャパシタ部10:約20mm角)を、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。ここで、ESRは等価直列抵抗、ESLは等価直列インダクタンスである。
静電容量:150μF
ESR :0.2mΩ
ESL :0.2pH
粉末状のTa粒子の溶射では、第1の実施形態における粉末状のTa25粒子の溶射に比べて比表面積が小さく、その分、容量は低い。しかしながら、ESR及びESLについては、コンデンサとして充分優れた特性を示す。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)弁金属からなる第1の導電層と、
前記第1の導電層上及び前記第1の導電層内に形成された空孔を埋め込むように設けられた導電物からなる第2の導電層と、
前記第1の導電層が陽極酸化されてなり、前記第1の導電層の前記弁金属と前記第2の導電層の前記導電物との界面部位を覆う誘電体膜と
を含み、
前記第1の導電層と前記第2の導電層とが前記誘電体膜を介して容量結合することを特徴とする固体電解コンデンサ。
(付記2)前記第1の導電層は、内部に前記弁金属の酸化物からなる複数の粒子が散在してなるものであることを特徴とする付記1に記載の固体電解コンデンサ。
(付記3)前記第1の導電層と電気的に導通する複数の第1の電極パッドと、
前記第2の導電層と電気的に導通する複数の第2の電極パッドと
を更に含み、
前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドが同一平面上に形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
(付記4)前記粒子は、前記第1の導電層内の下方部位において上方部位よりも粒径が小さいことを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
(付記5)前記第1の導電層は、その最下部において前記粒子の前記酸化物が存しない弁金属領域を有することを特徴とする付記4に記載の固体電解コンデンサ。
(付記6)前記弁金属よりも融点の低い金属からなり、前記第1の導電層下に形成された金属層を更に含むことを特徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
(付記7)前記弁金属がタンタル(Ta)又はニオブ(Nb)であることを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
(付記8)基板の上方に、溶射により弁金属からなる多孔質の第1の導電層を形成する工程と、
前記第1の導電層の露出表面を陽極酸化して誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜上に、当該誘電体膜を介して前記第1の導電層と容量結合する第2の導電層を形成する工程と
を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
(付記9)前記第1の導電層を形成する工程において、前記弁金属の酸化物からなる複数の粒子に還元性雰囲気中で前記溶射を行うことにより、前記粒子の表層を還元して金属状態として、前記粒子を前記基板の上方に堆積させることを特徴とする付記8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記10)前記第1の導電層を形成する工程において、前記弁金属からなる複数の粒子に前記溶射を行うことにより、前記粒子を前記基板の上方に堆積させることを特徴とする付記8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記11)前記溶射において、その初期には後期よりも前記還元性雰囲気の還元性の度合いを高く設定し、前記粒子を前記第1の導電層内の下方部位において上方部位よりも粒径が小さくなるように形成することを特徴とする付記8又は9に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記12)前記溶射において、前記第1の導電層の最下部において前記粒子の前記酸化物が存しない弁金属領域を形成することを特徴とする付記11に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記13)前記第2の導電層を形成した後、前記第1の導電層と電気的に導通する第1の電極パッドと、前記第2の導電層と電気的に導通する第2の電極パッドとを、同一平面上に形成する工程を更に含むことを特徴とする付記8〜12のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記14)表面に、前記弁金属よりも融点の低い金属からなる金属層が設けられた前記基板を用い、前記金属層上に前記第1の導電層を形成することを特徴とする付記8〜13のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(付記15)前記弁金属がタンタル(Ta)又はニオブ(Nb)であることを特徴とする付記8〜14のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
本発明における溶射法を説明するための概要図である。 本発明による固体電解コンデンサの構成を示す模式図である。 他の溶射法により形成された第1の導電層の様子を示す概略断面図である。 本実施形態による固体電解コンデンサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
符号の説明
1 溶射トーチ
2 粉末供給ノズル
3 粒子
3a タンタル層
4 プラズマ
5 空孔
6 誘電体膜
7 第2の導電層
8 銀層
10 第1の導電層
10a 弁金属領域
3b 酸化タンタル部分
11 銅張りプリント基板
11a プリント基板
11b 銅箔
12 保護層
13 第1の電極パッド
14 第2の電極パッド
15 ハンダバンプ
20 キャパシタ部
21 開孔
22,23 接続孔

Claims (6)

  1. 弁金属からなる第1の導電層と、
    前記第1の導電層上及び前記第1の導電層内に形成された空孔を埋め込むように設けられた導電物からなる第2の導電層と、
    前記第1の導電層が陽極酸化されてなり、前記第1の導電層の前記弁金属と前記第2の導電層の前記導電物との界面部位を覆う誘電体膜と
    を含み、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層とが前記誘電体膜を介して容量結合することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1の導電層は、内部に前記弁金属の酸化物からなる複数の粒子が散在してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記第1の導電層と電気的に導通する複数の第1の電極パッドと、
    前記第2の導電層と電気的に導通する複数の第2の電極パッドと
    を更に含み、
    前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドが同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記弁金属よりも融点の低い金属からなり、前記第1の導電層下に形成された金属層を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 基板の上方に、溶射により弁金属からなる多孔質の第1の導電層を形成する工程と、
    前記第1の導電層の露出表面を陽極酸化して誘電体膜を形成する工程と、
    前記誘電体膜上に、当該誘電体膜を介して前記第1の導電層と容量結合する第2の導電層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第1の導電層を形成する工程において、前記弁金属の酸化物からなる複数の粒子に還元性雰囲気中で前記溶射を行うことにより、前記粒子の表層を還元して金属状態として、前記粒子を前記基板の上方に堆積させることを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010125778A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 三洋電機株式会社 コンデンサ用電極体、コンデンサ用電極体の製造方法、コンデンサ、およびコンデンサの製造方法
WO2017212900A1 (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社村田製作所 電圧変換器、電圧変換器の製造方法および半導体装置

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