JP2009295645A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弁金属からなる基材1の両面を拡面処理し、容量形成部を形成する誘電体酸化皮膜層4を設け、この誘電体酸化皮膜層4の上に、固体電解質層5、陰極層6を順次形成する。そして、前記基材の一方の面に形成された容量形成部に突起状の第1の陽極端子を形成すると共に、該容量形成部側の陰極層に突起状の第1の陰極端子を形成して過渡応答用の容量形成部とする。一方、前記基材の他方の面に形成された容量形成部を電力供給用の容量形成部とし、第1の陰極端子よりも第2の陰極端子の許容電流を大きくする。
【選択図】図1
Description
上記のような構成を有する請求項3に記載の発明によれば、コンデンサ搭載面と反対側の面に形成された電力供給用の外部電極においては、許容電流値が大きい端子により電力を供給することができる。
本実施形態の固体電解コンデンサにおいては、図1(A)(B)に示すように、弁作用金属からなる基材1の上下両面に保護層2a、2bが形成され、この保護層2が形成された基材1の上下両面のそれぞれに凹部3a、3bが形成されている。また、この凹部3a、3bの表面には陽極酸化により酸化皮膜層4a、4bが形成され、さらに、この酸化皮膜層4a、4bの上には固体電解質層5a、5bが形成され、さらに、前記固体電解質層5a、5bの上には、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層から成る陰極層6a、6bが形成されている。
次に、上記の構成を有する固体電解コンデンサの製造方法について、以下のような工程A〜Jに分けて順次説明する(図2〜図4参照)。
まず、弁金属すなわち弁作用金属からなる基材1を用意する(図2(1))。金属の種類はアルミニウムが望ましく、厚さは200から800ミクロン程度が一般的と考えられるが、金属の種類や厚さは適宜変更可能である。例えば、アルミニウムの他、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属を用いることができる。
次に、基材1の上下両面に保護層2a、2bを形成する(図2(2))。この保護層2は、後述するように基材1に凹部を形成した後、凹部内にエッチングによる拡面処理を施す際に、エッチング液による溶解を防止するために形成されるものである。従って、必ずしも基材1の全面を覆う必要はなく、凹部を形成する部位に対応した窓部が形成されていても良い。
続いて、保護層2が形成された基材1の上下両面に所定間隔で凹部3a、3bを形成することにより、その凹部3の内面において陽極部を形成する基材1の地金を露出させる(図2(3))。ここで、凹部3を形成する手段としては、基材1の切削が好適である。
続いて、凹部3の内面に露出した地金をエッチングで拡面処理し、さらにその拡面処理した凹部の表面に陽極酸化により酸化皮膜層4a、4bを形成する(図3(4))。なお、エッチング及び陽極酸化については公知の手段を用いることができる。
次に、酸化皮膜層4の上に固体電解質層5a、5bを形成する(図3(5))。ここで、固体電解質層5としては、導電性高分子層が好適であり、このような導電性高分子層は、チオフェン、ピロール等をもとに、化学重合、電解重合など、公知の技術により形成すればよい。この結果、図6に示すように、固体電解コンデンサの側面部分にも固体電解質層5が形成される。
続いて、固体電解質層5の上に、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層から成る陰極層6a、6bを形成する(図3(6))。このグラファイト(Gr)層と銀ペースト層自体の形成は、固体電解コンデンサにおける公知技術と同様で良い。この結果、図6に示すように、固体電解コンデンサの側面部分にも陰極層6が形成される。
次に、コンデンサ搭載面側の陰極層6bの上に、第1の陰極端子7を形成する(図4(7))。この陰極端子7は突起状の端子で、その形成にはいわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。なお、上記突起状の陰極端子としては、平板状の陰極板の上に予め突起部を設けたものを用いても良い。この場合、この突起部を陰極端子とすることができる。
また、陽極端子との電気的接続を図るため、コンデンサ搭載面側の凹部3bの周囲の基材1に形成された保護層2bを部分的に除去して基材1の地金を露出させ、陽極引き出し手段を形成する露出部8とする(図4(8))。この際、基材1の地金を露出するのみでもよいが、基材1まで切削しても良く、この後で形成する陽極端子の高さとの関連で、切削する深さは適宜調整可能である。
また、必要に応じて、凹部3bの内部に形成した陰極層6b、固体電解質層5b及び酸化皮膜層4bを除去して、凹部3bに基材1の地金を露出させ、露出部8とする(図4(8))。この陰極層6b、固体電解質層5b、酸化皮膜層4bの除去は、治具を押し当てて機械的に除去する方法や、レーザー光により除去することが可能である。
必要に応じて、コンデンサ搭載面と反対側の面の凹部3aに形成された陰極層6aと電気的に接続される第2の陰極端子10を形成する。この第2の陰極端子10は、例えばリードフレーム等で形成する。また、第2の陽極端子11も基材1に接続する。この第2の陽極端子11の接続は、超音波溶接、レーザー溶接等の手段で接続する。これらの第2の陽極端子11、第2の陰極端子10は、許容電流値が大きなものとなっている。そして、基材を樹脂モールド等によって外装を形成し、固体電解コンデンサとする。
上記のような製造方法により得られる本実施形態の固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ搭載面側において、コンデンサとしての容量形成部である酸化皮膜と固体電解質層の界面の近傍に陰極端子部が形成される構造であるため、容量形成部と陰極端子部とを接続する回路パターンやLSI等のデバイスまでの距離が短く、コンデンサ内部の電流引回し経路が短縮されるため、電源電圧の不安定化に対する過渡応答性が改善される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するもの及びそれ以外の他の実施形態も含むものである。例えば、図7に示すように、基材1のコンデンサ搭載面側に複数の凹部3を形成して、その凹部3の中に前述した方法で第1の陰極端子7を形成し、また、コンデンサ搭載面と反対側の面には、凹部を形成せずに、酸化皮膜層4、固体電解質層5及び陰極層6を順次積層することもできる。
2…保護層
3…凹部
4…酸化皮膜層
5…固体電解質層
6…陰極層
7…第1の陰極端子
8…露出部
9…第1の陽極端子
10…第2の陰極端子
11…第2の陽極端子
12…樹脂モールド
Claims (3)
- 弁金属からなる基材の両面を拡面処理し、容量形成部を形成する誘電体酸化皮膜層を設け、この誘電体酸化皮膜層の上に、固体電解質層、陰極層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
前記基材の一方の面に形成された容量形成部を過渡応答用の容量形成部とし、
前記基材の他方の面に形成された容量形成部を電力供給用の容量形成部としたことを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記過渡応答用の容量形成部に突起状の第1の陽極端子を形成すると共に、前記過渡応答用の容量形成部側の陰極層に突起状の第1の陰極端子を形成し、
前記電力供給用の容量形成部側の陰極層に第2の陰極端子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記第1の陰極端子よりも第2の陰極端子の許容電流を大きくしたことを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
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2008
- 2008-06-02 JP JP2008145198A patent/JP2009295645A/ja active Pending
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