JP2009295634A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡単な構造で、ESRが小さく、周波数特性に優れ、ESLが低い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】弁作用金属からなる基材1の表面の所定の部位に凹部3を形成し、この凹部3に誘電体酸化皮膜層4、固体電解質層5、導電層6を順次形成する。この導電層6の上に、その表面に複数の突起状の陰極端子8が形成された金属プレート7を導電性接着剤により貼り付ける。また、凹部3の周囲の基材1に突起状の複数の陽極端子9を形成し、この陽極端子9と陰極端子8の先端部を基材1の同一面に配置する。また、陽極端子9及び陰極端子8の大きさをそれぞれ100〜500μmとし、最も近接する陰極端子8と陽極端子9間の距離を3mm以内とする。
【選択図】図1
【解決手段】弁作用金属からなる基材1の表面の所定の部位に凹部3を形成し、この凹部3に誘電体酸化皮膜層4、固体電解質層5、導電層6を順次形成する。この導電層6の上に、その表面に複数の突起状の陰極端子8が形成された金属プレート7を導電性接着剤により貼り付ける。また、凹部3の周囲の基材1に突起状の複数の陽極端子9を形成し、この陽極端子9と陰極端子8の先端部を基材1の同一面に配置する。また、陽極端子9及び陰極端子8の大きさをそれぞれ100〜500μmとし、最も近接する陰極端子8と陽極端子9間の距離を3mm以内とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、より簡単な構造で、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れ、ESL(等価直列インダクタンス)が低い固体電解コンデンサを実現すべく改良を施した固体電解コンデンサに関するものである。
現在では、さまざまな電子回路の分野において、多様なコンデンサが用いられ、その一例として、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れた固体電解コンデンサが広く利用されている。さらに近年、パーソナルコンピュータなどデジタル機器の分野においては、ESL(等価直列インダクタンス)が低いことが求められている。
このような要求のもとで、特許文献1及び特許文献2のような固体電解コンデンサが提案されている。すなわち、特許文献1には、バンプ電極を有する固体電解コンデンサであって、陽極と陰極の電流の向きを逆向きにすることにより、インダクタンスを低減させる技術が開示されている。また、特許文献2には、固体電解コンデンサの搭載面側に基材(補強用電極板)を配置して、バンプ電極で接続する技術が開示されている。
特開2001−307955号公報
特開2006−237520号公報
しかしながら、上述したような従来の固体電解コンデンサは、陽極体となるアルミニウム板あるいはアルミニウム箔を貫通する導電経路によって陽極端子と陰極端子を同一面に引き出す構成となっているため、陽極体、陽極箔の加工のための工程が必要となり、製造工程が煩雑なものとなっていた。また、陽極体となるアルミニウム板あるいはアルミニウム箔を貫通する導電経路を製造するための加工精度も必要となっていた。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解消するために提案されたものであって、その目的は、より簡単な構造で、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れ、ESL(等価直列インダクタンス)が低い固体電解コンデンサを提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、弁作用金属からなる基材の表面の一部に選択的に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、前記基材上に突起状の複数の陽極端子を備えると共に、突起状の複数の陰極端子を前記陰極引出層上に備え、前記陽極端子と陰極端子の先端部を、前記基材の同一面に配置したことを特徴とするものである。
従来のように平板の外部電極を有する固体電解コンデンサでは、外部電極の中でインダクタンスが低いところを電流が流れるようになるため、電流分布にばらつきが生じる。これに対して、上記のような構成を有する請求項1に記載の発明では、平板ではなく突起状の外部電極とすることで、電流の流れる位置を制御することができる。また、誘電体酸化皮膜層と固体電解質層の界面からなる静電容量部を大きく形成することができるので、小型で、且つ大容量の固体電解コンデンサとすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記基材に凹部を形成し、この凹部に前記誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成すると共に、前記凹部の周囲の基材に突起状の陽極端子を形成したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項2に記載の発明によれば、基材に凹部を形成して凹部に固体電解質層、陰極引出層を形成することで、基材を固体電解コンデンサの枠体として利用することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記陰極引出層が、導電層及び金属プレートからなり、この金属プレートの所定位置に突起状の複数の陰極端子を備えたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項3に記載の発明によれば、突起状の外部電極として金属プレートを配置し、その上に陰極端子を形成することにより、金属プレートを基準面として利用することで、陰極端子の高さを揃えることが容易になる。また、金属プレートに予め陰極端子を形成しておくことにより、陰極端子形成時の機械的ストレスが固体電解質層、導電層に伝わることがない。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記陽極端子及び陰極端子の大きさが、それぞれ100〜500μmであることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項4に記載の発明によれば、電流容量を大きく取れるという効果が得られる。
上記のような構成を有する請求項4に記載の発明によれば、電流容量を大きく取れるという効果が得られる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の固体電解コンデンサにおいて、最も近接する陰極端子と陽極端子間の距離を3mm以内としたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項5に記載の発明によれば、陽極端子と陰極端子を近接させた配置とすることによって、互いに逆方向の電流の流れになるため、誘導磁界が打ち消しあい、ESLを低減することができる。
上記のような構成を有する請求項5に記載の発明によれば、陽極端子と陰極端子を近接させた配置とすることによって、互いに逆方向の電流の流れになるため、誘導磁界が打ち消しあい、ESLを低減することができる。
以上のように、本発明によれば、より簡単な構造で、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れ、ESL(等価直列インダクタンス)が低い固体電解コンデンサを提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して以下に説明する。なお、背景技術や課題で既に説明した内容と共通する事項は適宜説明を省略する。
(1)構成
本実施形態においては、図1(A)(B)に示すように、弁金属すなわち弁作用金属からなる基材1の少なくとも片面に保護層2が形成され、この保護層2が形成された面に凹部3が形成されている。なお、図1(B)においては、図の明確化を図るために、保護層2を示すハッチングは省略した。
本実施形態においては、図1(A)(B)に示すように、弁金属すなわち弁作用金属からなる基材1の少なくとも片面に保護層2が形成され、この保護層2が形成された面に凹部3が形成されている。なお、図1(B)においては、図の明確化を図るために、保護層2を示すハッチングは省略した。
また、この凹部3の表面には陽極酸化により酸化皮膜層4が形成され、さらに、この酸化皮膜層4の上には固体電解質層5が形成されている。なお、この固体電解質層5としては、導電性高分子が好適である。また、前記固体電解質層5の上には、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層から成る導電層6が形成されている。
また、前記導電層6の上には、その表面に複数の突起状の陰極端子8が形成された金属プレート7が導電性接着剤により貼り付けられている。なお、この場合、基材1との絶縁を図る必要があるため、金属プレート7の大きさは、基材1に形成された凹部3よりもわずかに小さな大きさとされている。
上述したように金属プレート7に複数の突起状の陰極端子8を形成するには、いわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
また、この陰極端子8の形成位置は、金属プレート7の外周部近傍とすることが好ましい。さらに、この陰極端子8の形成個数は複数個であれば任意であり、一辺に複数個の陰極端子8を形成した場合には、複数の陰極端子が導出された多端子の電極構造となる。
また、陰極端子8の大きさとしては、その外径が100μm以上500μm以下の範囲であることが望ましい。外径が100μm以下の陰極端子は許容電流値が小さくなり、電流供給が充分確保できなくなるおそれがあるからである。一方、陰極端子の外径を500μm以上とすると、許容電流値の観点では充分であるが、固体電解コンデンサの実装面での陰極端子の占める面積が大きくなり、固体電解コンデンサの小型化を阻害するからである。
また、本実施形態においては、前記凹部3の周囲の基材1の表面に形成されている保護層2が全部または部分的に除去されて露出部10が形成され、この露出部10に陽極端子9が形成されている。この陽極端子9は、いわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
なお、この陽極端子9は、前記陰極端子8と近接していることが好ましく、その距離は3mm以内であることが好ましい。両端子間が3mm以上離れてしまうと、外部端子を流れる電流による誘導磁界を相殺する効果が小さくなるため、インダクタンスを低減する効果が小さくなるからである。
また、陽極端子9の大きさとしては、陰極端子8と同様に、外径が100μm以上500μm以下の範囲であることが望ましい。外径が100μm以下の陽極端子は許容電流値が小さくなり、電流供給が充分確保できなくなるおそれがあるからである。一方、陽極端子の外径を500μm以上とすると、許容電流値の観点では充分であるが、固体電解コンデンサの基材の上での陽極端子の占める面積が大きくなり、固体電解コンデンサの小型化を阻害するからである。
(2)固体電解コンデンサの製造方法
次に、上記の構成を有する固体電解コンデンサの製造方法について、以下のような工程A〜Jに分けて順次説明する(図2及び図3参照)。
次に、上記の構成を有する固体電解コンデンサの製造方法について、以下のような工程A〜Jに分けて順次説明する(図2及び図3参照)。
A.基材の用意
まず、弁金属すなわち弁作用金属からなる基材1を用意する(図2(1))。金属の種類はアルミニウムが望ましく、厚さは200から800ミクロン程度が一般的と考えられるが、金属の種類や厚さは適宜変更可能である。例えば、アルミニウムの他、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属を用いることができる。
まず、弁金属すなわち弁作用金属からなる基材1を用意する(図2(1))。金属の種類はアルミニウムが望ましく、厚さは200から800ミクロン程度が一般的と考えられるが、金属の種類や厚さは適宜変更可能である。例えば、アルミニウムの他、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属を用いることができる。
B.保護層の形成
次に、基材1の少なくとも片面に保護層2を形成する(図2(2))。この保護層2は、後述するように基材1に凹部を形成した後、該凹部内にエッチングによる拡面処理を施す際に、エッチング液による溶解を防止するために形成されるものである。従って、必ずしも基材1の全面を覆う必要はなく、凹部を形成する部位に対応した窓部が形成されていても良い。
次に、基材1の少なくとも片面に保護層2を形成する(図2(2))。この保護層2は、後述するように基材1に凹部を形成した後、該凹部内にエッチングによる拡面処理を施す際に、エッチング液による溶解を防止するために形成されるものである。従って、必ずしも基材1の全面を覆う必要はなく、凹部を形成する部位に対応した窓部が形成されていても良い。
また、保護層2としては、いわゆるレジストなどの樹脂被覆層のほか、陽極酸化皮膜を形成するなどでもよく、後述のエッチングによる拡面処理の際に、エッチング液により腐食されない層であれば、種類や形成の手段などは自由に選択可能である。
C.凹部の形成
続いて、保護層2が形成された面に凹部3を形成することにより、その凹部3の内面に陽極部を形成する基材1の地金を露出させる(図2(3))。ここで、凹部3を形成する手段としては、基材1の切削が好適である。
続いて、保護層2が形成された面に凹部3を形成することにより、その凹部3の内面に陽極部を形成する基材1の地金を露出させる(図2(3))。ここで、凹部3を形成する手段としては、基材1の切削が好適である。
なお、保護層2に窓部が形成されている場合には、窓部の部分をプレス加工して凹部を形成しても良く、窓部の部分にエッチング等によって凹部を形成しても良い。特に、エッチングによって凹部を形成する場合には、後述する「D.エッチングと酸化皮膜の形成」の工程のエッチング工程を同時に行うことで効率良く凹部を形成することができる。
なお、基材1を切削して凹部3を形成する、あるいはプレスにより凹部3を形成する場合には、凹部3を形成した後に、凹部3の内面を除いた部分に保護層2を形成しても良い。
D.エッチングと酸化皮膜の形成
続いて、凹部3の内面に露出した地金をエッチングで拡面処理し、さらにその拡面処理した凹部の表面に陽極酸化により酸化皮膜層4を形成する(図2(4))。なお、エッチング及び陽極酸化については公知の手段を用いることができる。
続いて、凹部3の内面に露出した地金をエッチングで拡面処理し、さらにその拡面処理した凹部の表面に陽極酸化により酸化皮膜層4を形成する(図2(4))。なお、エッチング及び陽極酸化については公知の手段を用いることができる。
E.固体電解質層の形成
次に、酸化皮膜層4の上に固体電解質層5を形成する(図3(5))。ここで、固体電解質層5としては、導電性高分子層が好適であり、このような導電性高分子層は、チオフェン、ピロール等をもとに、化学重合、電解重合など、公知の技術により形成すれば良い。
次に、酸化皮膜層4の上に固体電解質層5を形成する(図3(5))。ここで、固体電解質層5としては、導電性高分子層が好適であり、このような導電性高分子層は、チオフェン、ピロール等をもとに、化学重合、電解重合など、公知の技術により形成すれば良い。
F.導電層(グラファイト層・銀ペースト層)の形成
続いて、固体電解質層5の上に、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層から成る導電層6を形成する(図3(6))。このグラファイト(Gr)層と銀ペースト層自体の形成は、固体電解コンデンサにおける公知技術と同様で良い。
続いて、固体電解質層5の上に、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層から成る導電層6を形成する(図3(6))。このグラファイト(Gr)層と銀ペースト層自体の形成は、固体電解コンデンサにおける公知技術と同様で良い。
G.金属プレートの用意
次に、前記導電層6の上に取り付ける金属プレート7を用意する。この金属プレート7は、板状、箔状の金属からなる金属プレートであり、材質としては伝導率や銀ペースト層との接着性から特に銅が好ましい。また、この金属プレート7には、複数の突起状の陰極端子8が形成されている。
次に、前記導電層6の上に取り付ける金属プレート7を用意する。この金属プレート7は、板状、箔状の金属からなる金属プレートであり、材質としては伝導率や銀ペースト層との接着性から特に銅が好ましい。また、この金属プレート7には、複数の突起状の陰極端子8が形成されている。
この突起状の陰極端子8の形成は、いわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
また、この陰極端子8の形成位置は、金属プレート7の外周部近傍とすることが好ましい。さらに、この陰極端子8の形成個数は複数個であれば任意であり、一辺に複数個の陰極端子8を形成した場合には、複数の陰極端子が導出された多端子の電極構造となる。
また、陰極端子8の大きさとしては、その外径が100μm以上500μm以下の範囲であることが望ましい。外径が100μm以下の陰極端子は許容電流値が小さくなり、電流供給が充分確保できなくなるおそれがあるからである。一方、陰極端子の外径を500μm以上とすると、許容電流値の観点では充分であるが、固体電解コンデンサの実装面での陰極端子の占める面積が大きくなり、固体電解コンデンサの小型化を阻害するからである。
H.金属プレートの貼り付け
続いて、上記のような陰極端子8が形成された金属プレート7を、前記導電層6の上に導電性接着剤により貼り付ける(図3(7))。なお、このようにして金属プレート7を導電層6に接着する場合には、基材1との絶縁を図る必要があるため、金属プレート7の大きさを基材1に形成した凹部3よりもわずかに小さな大きさとすることが望ましい。また、基材1と金属プレート7との間に、絶縁樹脂等を注入することにより絶縁性を高めることもできる。
続いて、上記のような陰極端子8が形成された金属プレート7を、前記導電層6の上に導電性接着剤により貼り付ける(図3(7))。なお、このようにして金属プレート7を導電層6に接着する場合には、基材1との絶縁を図る必要があるため、金属プレート7の大きさを基材1に形成した凹部3よりもわずかに小さな大きさとすることが望ましい。また、基材1と金属プレート7との間に、絶縁樹脂等を注入することにより絶縁性を高めることもできる。
I.保護層の除去
次に、陽極端子9との電気的接続を図るため、凹部3の周囲の基材1に形成されている保護層2を全部または部分的に除去して基材1の地金を露出させ、陽極端子9を形成する露出部10とする(図3(8))。この際、保護層を除去し基材1の地金を露出するのみでもよいが、基材1まで切削しても良く、この後で形成する陽極端子9の高さとの関連で、切削する深さは適宜調整可能である。
次に、陽極端子9との電気的接続を図るため、凹部3の周囲の基材1に形成されている保護層2を全部または部分的に除去して基材1の地金を露出させ、陽極端子9を形成する露出部10とする(図3(8))。この際、保護層を除去し基材1の地金を露出するのみでもよいが、基材1まで切削しても良く、この後で形成する陽極端子9の高さとの関連で、切削する深さは適宜調整可能である。
J.陽極端子の形成
そして、上記のように露出した露出部10の上に陽極端子9を形成する(図3(8))。この陽極端子9は、いわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
そして、上記のように露出した露出部10の上に陽極端子9を形成する(図3(8))。この陽極端子9は、いわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
この陽極端子9は、前記陰極端子8と近接していることが好ましく、その距離は3mm以内であることが好ましい。両端子間が3mm以上離れてしまうと、外部端子を流れる電流による誘導磁界を相殺する効果が小さくなるため、インダクタンスを低減する効果が小さくなるからである。
また、陽極端子9の大きさとしては、陰極端子8と同様に、外径が100μm以上500μm以下の範囲であることが望ましい。外径が100μm以下の陽極端子は許容電流値が小さくなり、電流供給が充分確保できなくなるおそれがある。一方、陽極端子の外径を500μm以上とすると、許容電流値の観点では充分であるが、固体電解コンデンサの基材の上での陽極端子の占める面積が大きくなり、固体電解コンデンサの小型化を阻害する。
(3)作用・効果
上記のような製造方法により得られる本実施形態の固体電解コンデンサにおいては、陽極端子9と陰極端子8を同一面上に配置して、導出させた構成とすることにより、固体電解コンデンサに直接半導体部品を接続することができる。これにより、部品間の配線を大幅に短縮することができ、ESRやESLの低減が可能となる。
上記のような製造方法により得られる本実施形態の固体電解コンデンサにおいては、陽極端子9と陰極端子8を同一面上に配置して、導出させた構成とすることにより、固体電解コンデンサに直接半導体部品を接続することができる。これにより、部品間の配線を大幅に短縮することができ、ESRやESLの低減が可能となる。
さらに、図1(A)(B)に示すように、陽極端子9と陰極端子8を近接させた配置とすることによって、互いに逆方向の電流の流れになるため、誘導磁界が打ち消しあい、ESLを低減することができる。
また、本実施形態においては、コンデンサとしての容量保持部である酸化皮膜と固体電解質層の界面の近傍に陰極端子部が形成される構造であり、容量保持部と陰極端子部とを接続する回路パターンやLSI等のデバイスまでの距離が短く、コンデンサ内部の電流引回し経路が短縮されるため、電源電圧の不安定化に対する過渡応答性が改善される。
特に、基材からの陽極端子の引き出し面積は静電容量に寄与しないが、いわゆるバンプ電極を用いることによって引き出し面積を小さなものとすることができ、小型化が実現される。
また、陰極端子と陽極端子の高さを制御し、陽極と陰極の外部端子の高さを同一平面位置として、外部端子を含め全体を無駄のない同一平面形状とすることにより、固体電解コンデンサを電流供給対象であるLSIに対して、基板との間や基板の裏面など、垂直方向に積層配置したり、バンプ電極による直接配線を行うことも可能となり、過渡応答性が一層改善される。
さらに、上記のようにLSIと近接して設置することで電流経路が短縮されることと、実装される回路パターンやLSI等のデバイスの端子位置に合致するように、固体電解コンデンサの陽極端子、陰極端子の導出位置、個数を任意に設定することができるため、実装する回路パターンや接続されるLSI等のデバイスに対し最適な電極引き出し構造を実現できる。
(4)他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するもの及びそれ以外の他の実施形態も含むものである。例えば、図4に示すように、基材に凹部を形成することなく、基材1aの一面の所定部分にエッチング〜固体電解質層の形成まで行い、陽極端子9の形成時にこの基材1aに別の基材1bを貼り合わせて高さを調整し、陽極端子9と陰極端子8の先端を同一面とするようにしても良い。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するもの及びそれ以外の他の実施形態も含むものである。例えば、図4に示すように、基材に凹部を形成することなく、基材1aの一面の所定部分にエッチング〜固体電解質層の形成まで行い、陽極端子9の形成時にこの基材1aに別の基材1bを貼り合わせて高さを調整し、陽極端子9と陰極端子8の先端を同一面とするようにしても良い。
なお、図4に示した例は、金属プレートを使用することなく、導電層(銀ペースト層)の上に直接バンプ電極を形成したものであるが、このように、銀ペースト層に直接バンプ電極を形成することも可能である。
また、図5に示すように、凹部を形成することなく、基材をエッチング〜固体電解質の形成まで行い、陽極端子の形成時に陽極端子の高さを高く形成することで、陰極端子の先端と同一面とすることも可能である。陽極端子を高く形成する方法としては、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプを積み重ねることで、高さを調整することができる。
さらに、上記の実施形態では、基材の上に2つの凹部等を形成して、エッチング〜固体電解質層を形成しているが、基材の上に形成する凹部等の数は任意である。例えば、図6に示すように、1個から複数個の凹部等を設けた形態であっても良い。
1…基材
2…保護層
3…凹部
4…酸化皮膜層
5…固体電解質層
6…導電層
7…金属プレート
8…陰極端子
9…陽極端子
10…露出部
2…保護層
3…凹部
4…酸化皮膜層
5…固体電解質層
6…導電層
7…金属プレート
8…陰極端子
9…陽極端子
10…露出部
Claims (5)
- 弁作用金属からなる基材の表面の一部に選択的に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
前記基材上に突起状の複数の陽極端子を備えると共に、突起状の複数の陰極端子を前記陰極引出層上に備え、前記陽極端子と陰極端子の先端部を、前記基材の同一面に配置したことを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記基材に凹部を形成し、この凹部に前記誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成すると共に、前記凹部の周囲の基材に突起状の陽極端子を形成したことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陰極引出層が、導電層及び金属プレートからなり、この金属プレートの所定位置に突起状の複数の陰極端子を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極端子及び陰極端子の大きさが、それぞれ100〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の固体電解コンデンサ。
- 最も近接する陰極端子と陽極端子間の距離を3mm以内としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の固体電解コンデンサ。
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