JP2007180160A - コンデンサチップ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンデンサ素子積層体を樹脂封止してなるコンデンサチップにおいて、封止体の厚さをSH(mm)、最大幅をSW(mm)とし、長さをSL(mm)、SH×SW×SLをV(mm3)で表わしたときに、封止時の樹脂注入速度を(V/60)×0.5〜(V/60)×1.8(但し、単位はmm/s)の範囲としたことを特徴とするコンデンサチップの製造方法。
【選択図】なし
Description
一般に、エッチング処理された比表面積の大きな金属箔や薄板からなる陽極基体(1)表面に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、通常はさらにマスキング層(5)を設けた後、前記酸化皮膜層(2)の外側に陰極部として機能する固体の半導体層(以下、固体電解質という。)や導電ペーストなどの導電体層(3)を順次形成してコンデンサ素子(6)を作製する。こうして形成した複数個のコンデンサ素子(6)を方向を揃えて積層し、適宜、導体層(4)を設け、さらに電極リード部(7,8)を付加し、全体を樹脂(9)で封止して積層型固体電解コンデンサとする。
1.コンデンサ素子積層体を樹脂封止してなるコンデンサチップにおいて、封止体の厚さをSH(mm)、最大幅をSW(mm)とし、長さをSL(mm)、SH×SW×SLをV(mm3)で表わしたときに、封止時の樹脂注入速度を(V/60)×0.5〜(V/60)×1.8(但し、単位はmm/s)の範囲としたことを特徴とするコンデンサチップの製造方法。
2.SH(mm)が1.7〜2.5の範囲内の値である前記1に記載のコンデンサチップの製造方法。
3.コンデンサ素子がリードフレームの一方または両面に積層されたものである前記1または2に記載のコンデンサチップの製造方法。
4.コンデンサ素子がリードフレームの一方または両面に積層されたコンデンサチップにおいて、樹脂注入部近傍におけるリードフレームの片側に積層されるコンデンサ素子の最大枚数をp枚、他方の側に積層されるコンデンサ素子の枚数をq枚、|p−q|/pをrとしたときに、封止時の樹脂注入速度を
r≦0.5では (V/60)×1.0〜(V/60)×1.8
r>0.5では (V/60)×0.5〜(V/60)×1.3
の範囲とする前記1〜3のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
5.SL(mmが10以下の値である前記1〜4のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
6.SW(mm)が6以下の値である前記1〜5のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
7.注入圧力を2〜4MPaの範囲内とする前記1〜6のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
8.前記1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造される積層型コンデンサチップ。
9.前記8に記載のコンデンサチップにおいて、コンデンサ素子が弁作用金属からなる陽極基体を含み、前記弁作用金属表面の一部に誘電体層である酸化皮膜層と陰極層である固体電解質層を形成してなる固体電解コンデンサ素子である固体電解コンデンサ。
10.弁作用金属がマグネシウム、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、ニオブ、ハフニウムの何れかを主成分とする金属およびそれらの合金から選択される前記9に記載の固体電解コンデンサ。
本発明のコンデンサチップは、コンデンサ素子積層体を樹脂封止してなるコンデンサチップにおいて、封止体の厚さをSH(mm)、最大幅をSW(mm)とし、長さをSL(mm)、SH×SW×SLをV(mm3)で表わしたときに、封止時の樹脂注入速度を(V/60)×0.5〜(V/60)×1.8(但し、単位はmm/s)の範囲としたことを特徴とする。なお、図ではSHとSLのみ示すが、SWは図の紙面と垂直な方向におけるチップの最大幅である。なお、SH、SW及びSLはいずれも樹脂層の厚さであり、コンデンサチップの厚みのうち、上記のグルーパッドその他の実装補助部材(図2中10)や実装用電極(同図中の陽極リード部7、陰極リード部8)は含まない。また、図2では導体層(4)によって陰陽両極の厚みを均等にしているが、陽極側の導体層(4)は素子を接続可能な程度であればよく、従って、積層体は陽極側で薄く、陰極側で厚い扇型(図1参照)であってもよい。
この場合、積層枚数は特に限定されず、製造可能な素子の厚みにより決定される。図2では積層体の間にリード部を設けているが、陰極、陽極のいずれもリード部分を積層体の上もしくは下に設ける(すなわち、リード部分の片側にそれぞれ1または複数の固体電解コンデンサ素子(6)を設ける)ことも可能である。
(a) r≦0.5では (V/60)×1.0〜(V/60)×1.8
(b) r>0.5では (V/60)×0.5〜(V/60)×1.3
の範囲とすることが好ましい。
例えば、リードフレームの両面に2枚ずつ積層する場合は、p=q=2、従って、r=0であるので上記の条件(a)が好ましく、リードフレームの片面に3枚のみ積層する場合はp=3、q=0、従って、r=1であるので、上記の条件(b)が好ましい。
陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層であってもよく、あるいは、弁作用金属箔の表面上に設けられた他の誘電体層であってもよいが、特に弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが望ましい。
本発明の好ましい実施態様における積層型固体電解コンデンサは、リードフレーム(11)(陰極部及び陽極部下面に段差を設けてもよい)上に固体電解コンデンサ素子(6)を積層するか、固体電解コンデンサ素子(6)の積層体をリードフレーム(11)上に固定した後、前記リードフレーム(11)の陰極リード部(8)及び陽極リード部(7)のそれぞれ少なくとも一部を露出させて樹脂封止する工程を含む方法によって製造できる。
この場合、陽極積層部は陽極リード部(7)と電気的に接続され、陰極積層部は陰極リード部(8)と電気的に接続される。図2に示すように、陽極端面に導体層/部材(4)を設けてもよい。
陰極部分を他のコンデンサ素子の陰極部分に積層するにはそれぞれを電気的に接続する任意の方法が用いられるが、例えば、導電性ペーストを用いた積層法、ハンダ付け、溶接等が挙げられる。また、固体電解コンデンサ素子積層体のリードフレーム(11)への固定もこれに準じて行なうことができる。
アルミニウムをエッチングにより多孔質化し、その表面を陽極酸化処理による酸化アルミニウムで被覆した厚さ0.1mmの箔に、陰極となる導電性高分子、カーボンペースト、銀ペーストを被覆し、最大厚さ0.25mmのコンデンサ素子を作製した。
作製したコンデンサ素子を厚さ0.1mmの金属製リードフレームの上面に2枚、下面に2枚積層し、コンデンサ素子積層体を作製した。
これをマルチプランジャー式のトランスファー成形装置によってエポキシ樹脂封止し、封止体の厚さSH(mm)が1.9、最大幅SW(mm)が4.3、長さSL(mm)が7.3となるように樹脂封止し、1000個のコンデンサチップを製造した。樹脂の注入速度は1.5mm/s、封止圧力は2.2MPaとした。
封止後に外観検査を行い、0.05mm以上の穴、積層素子の露出、あるいは封止樹脂に0.05mm以上のひび割れが生じたものは外観不良とした。結果を表1に示す。
実施例1において封止圧力を3MPaとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において作製したコンデンサ素子を厚さ0.1mmの金属製リードフレームの上面にのみ3枚積層し(下面は0枚)、コンデンサ素子積層体を作製した。以下、実施例1と同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例3において注入速度を0.8mm/sとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例4において封止圧力を3MPaとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において注入速度を2.0mm/sとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例3において注入速度を2.0mm/sとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
実施例3において注入速度を0.5mm/sとした他は同様にして1000個のコンデンサチップを製造した。封止後に同様にして外観検査を行なった。結果を表1に示す。
2.酸化被膜層
3.固体電解質層
4.導電層
5.マスキング
6.コンデンサ素子
7.陽極リード部
8.陰極リード部
9.封止樹脂
10.グルーパッド
11.金属リードフレーム
Claims (10)
- コンデンサ素子積層体を樹脂封止してなるコンデンサチップにおいて、封止体の厚さをSH(mm)、最大幅をSW(mm)とし、長さをSL(mm)、SH×SW×SLをV(mm3)で表わしたときに、封止時の樹脂注入速度を(V/60)×0.5〜(V/60)×1.8(但し、単位はmm/s)の範囲としたことを特徴とするコンデンサチップの製造方法。
- SH(mm)が1.7〜2.5の範囲内の値である請求項1に記載のコンデンサチップの製造方法。
- コンデンサ素子がリードフレームの一方または両面に積層されたものである請求項1または2に記載のコンデンサチップの製造方法。
- コンデンサ素子がリードフレームの一方または両面に積層されたコンデンサチップにおいて、樹脂注入部近傍におけるリードフレームの片側に積層されるコンデンサ素子の最大枚数をp枚、他方の側に積層されるコンデンサ素子の枚数をq枚、|p−q|/pをrとしたときに、封止時の樹脂注入速度を
r≦0.5では (V/60)×1.0〜(V/60)×1.8
r>0.5では (V/60)×0.5〜(V/60)×1.3
の範囲とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。 - SL(mm)が10mm以下の値である請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
- SW(mm)が6mm以下の値である請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
- 注入圧力を2〜4MPaの範囲内とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサチップの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造される積層型コンデンサチップ。
- 請求項8に記載のコンデンサチップにおいて、コンデンサ素子が弁作用金属からなる陽極基体を含み、前記弁作用金属表面の一部に誘電体層である酸化皮膜層と陰極層である固体電解質層を形成してなる固体電解コンデンサ素子である固体電解コンデンサ。
- 弁作用金属がマグネシウム、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、ニオブ、ハフニウムの何れかを主成分とする金属およびそれらの合金から選択される請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
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2005
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