JPWO2010122860A1 - レーダ装置およびアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

垂直方向に等間隔に配置され、水平方向に所定の間隔で配置されたリニアアレイの右側4列が送信CHを構成し、残りの12列が受信CH群を構成する。受信CH群を構成するリニアアレイのうち、中央4列のリニアアレイは、各1列をCH単位として受信CH5〜8を構成し、両側8列(片側4列ずつ)のリニアアレイは2列ずつをCH単位として受信CH1〜4を構成する。受信CH5〜8にて受信第1アレイが構成され、受信CH1〜8にて受信第2アレイが構成される。広角ミドル検知処理では、受信第1アレイを用いて信号合成し、ロング検知処理では受信第2アレイを用いて信号合成する。送信アレイによる放射パターンは、送信アレイの第2ナルと受信第2アレイの第1ナルとを一致させ、且つ、送信アレイの第1ナルと送信アレイの第1サイドローブとの間の利得差が所定値以内となるように、送信アレイの第1ナルが埋められる。

Description

本発明は、連続波を送受信して、少なくとも物標が存在する方位を検出するレーダ装置および、当該レーダ装置に用いて好適なアンテナ装置に関する。
従来より、連続波(レーダ波)を送受信することで、物標を検出するレーダ装置が、自動車に搭載されている。そして、この種のレーダ装置(車載用レーダ装置)では、物標(例えば、ガードレール等の路側物や、先行車両)が存在している方位を検出して、物標の位置を正確に特定するために、複数のアンテナ素子を予め規定された等間隔に配置することで構成したアレイアンテナを受信アンテナとして用いることがなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−181537号公報
ところで、車載用レーダ装置では、検出対象の一つである車両までの距離に比して、車両の走行速度が速いため、車両から離れた位置(例えば、100mから200m程度まで)に存在している物標の方位を検出する必要があり、ビーム幅を細く絞る、すなわち、アレイアンテナのメインローブを鋭くすることが可能となるようにアンテナ素子が配置されている。
このため、一般的な車載用レーダ装置では、物標が存在している方位を検出可能な角度範囲が狭くなり(以下、この角度範囲については狭いものの、車両から離れた位置に存在する物標を検知可能な検知エリアを「通常検知エリア」と称する)、自車両の側方から前方に割り込んでくるような他車両を早期に検出することが困難であった。
つまり、従来の車載用レーダ装置では、車両から離れた位置に存在する物標の検出を可能とした状態を維持したまま(すなわち、通常検知エリアにおける探知能力を維持したまま)、より広い角度範囲(以下「広角角度範囲」と称する)にて、物標の方位を検出可能な能力が求められている。
そこで、通常検知エリアに加え、広角角度範囲での方位検出を可能とするため、例えば第1配置間隔にて複数のアンテナ素子を配置した第1アレイアンテナと、第1配置間隔よりも狭く設定された第2配置間隔にて複数のアンテナ素子を配置した第2アレイアンテナとを設けた受信アンテナを用いる手法が考えられる。実際、この手法を用いれば、通常検知エリアに加えて、広角角度範囲での方位検出が可能となる。
しかしながら、この手法では、受信アンテナの面積が大きくなり、コストが増加するという問題があった。特に、車載用レーダ装置では、設置場所に対する制約が非常に大きいため、受信アンテナの面積を大きくすることは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、受信アンテナの面積を増大させること無く、通常検知エリアに加えて、より広い角度範囲にて、物標の存在する方位を検出可能なレーダ装置および、当該レーダ装置に適用可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるレーダ装置は、連続波からなる探査波を生成する送信部と、前記探査波を空間に放射する送信アンテナおよび当該探査波の物標からの反射波を受信する受信アンテナを具備するアンテナ部と、前記受信アンテナからの受信信号を所定の周波数帯にダウンコンバートした信号を出力する受信部と、前記受信部から出力された信号に対して所定の周波数解析を行って前記物標までの距離、前記物標との相対速度、前記物標が存在する方位のうちの1つ以上の情報を出力する信号処理部と、を備え、前記物標の検知エリアとして、予め設定された設定距離よりも近距離、且つ、予め設定された設定角よりも広角のエリアである第1の検知エリアと、前記設定距離よりも遠距離、且つ、前記設定角の内側のエリアである第2の検知エリアとに区分されるとき、前記受信アンテナは、アレイアンテナとして受信用の複数のアンテナを具備するとともに、前記受信用の複数のアンテナのうちの隣接する所定数のアンテナを用いて前記第1の検知エリアを探査する受信第1アレイと、前記複数のアンテナの全てを用いて前記第2の検知エリアを探査する受信第2アレイと、が構成され、前記送信アンテナは、前記第1、第2の検知エリアの探査用として共用され、前記送信アンテナの放射パターンは、前記送信アンテナによる放射パターンの第2ナルと前記受信第2アレイによる受信パターンの第1ナルとが概略一致しており、前記送信アンテナの放射パターンの第1サイドローブと、当該放射パターンの第1ナルとのレベル差が所定値以内にあることを特徴とする。
本発明にかかるレーダ装置によれば、受信アンテナの面積を増大させること無く、通常検知エリアに加えて、より広い角度範囲にて、物標の存在する方位を検出可能なレーダ装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、本実施の形態のレーダ装置におけるアンテナ基板の概観を示す図である。 図3は、本実施の形態にかかるレーダ装置の一断面構造を示す模式図である。 図4は、送信アンテナおよび受信アンテナによる各アンテナ利得を示す図である。 図5は、ナルフィリングの概念を示す図である。 図6は、ロング用および広角ミドル用の各アンテナ利得の一例を示す図である。 図7は、送受合成利得下限値、ナル幅およびナルの最小幅を説明する図である。 図8は、検知距離と許容ナル幅との関係を示すグラフである。 図9は、本実施の形態における物標検出処理の処理手順を示したフローチャートである。 図10は、ロング検出処理のサブフローを示す図である。 図11は、広角ミドル検出処理のサブフローを示す図である。 図12は、周波数変調幅の延伸の概念を説明する図である。 図13は、フィルタ帯域の狭帯域化の概念を説明する図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるレーダ装置およびアンテナ装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態にかかるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図1において、本実施の形態にかかるレーダ装置は、FM−CW方式のレーダ装置であり、アンテナ部10、送信部20、ローカル信号(以下「LO信号」と表記)増幅部30、受信部40、および信号処理部50を備えて構成されている。送信部20、LO信号増幅部30、および受信部40は、送受信回路を構成し、この送受信回路の前段部にアンテナ部10が配置され、後段部に信号処理部50が配置されている。
つぎに、図1に示すレーダ装置の各構成部の詳細について説明する。図1において、アンテナ部10は、アンテナ系の送信チャネル(CH)を構成する送信アンテナ12および、アンテナ系の受信チャネル群(CH1,CH2,…,CH8)を構成する受信アンテナ14を備えている。ここで、受信チャネルCH1はアンテナ14,14、受信チャネルCH2はアンテナ14,14、受信チャネルCH3はアンテナ14,1410、受信チャネルCH4はアンテナ1411,1412でそれぞれ構成されている。一方、受信チャネルCH5〜CH8は、それぞれアンテナ14〜14で構成されている。ただし、図1のアンテナ部10の構成は、その一例を示すものであり、それらの構成に限定されるものではない。また、図1において、送信アンテナ12および受信アンテナ14を構成するアンテナ14〜1412は、それぞれが単一のアンテナである必要はなく、複数のアンテナ素子を具備するアレイアンテナであっても構わない。
送信部20は、レーダ装置として必要な所定の変調信号を出力する発振器21、発振器21の出力を増幅する増幅器22、増幅器22の出力を分配する分配器23および、出力端が送信アンテナ12に接続され、分配器23の出力を増幅する増幅器24を備えている。なお、増幅器24は、例えば周波数逓倍機能を有する高周波増幅器(図1では2逓倍増幅器を例示)である。周波数逓倍機能を有する高周波増幅器を用いるようにすれば、送信アンテナ12を通じて空間に放射される探査波(以下「レーダ波」という)の周波数に対して、送受信回路部の設計周波数を、例えば1/2(2逓倍増幅器の場合)に低下させることができるので、送受信回路部の設計が容易になるという利点が得られる。
LO信号増幅部30は、送信部20の分配器23を介して供給されたLO信号を増幅する増幅器32を備えている。
受信部40は、受信アンテナ14に接続され、送信部20の分配器23を介して入力されたLO信号に基づき、受信アンテナ14の受信信号をダウンコンバートするミクサ42を備えている。なお、ミクサ42は、各受信CH毎に設けられる構成である。また、受信部40では、ミクサ42に対するLO信号の供給(分配)回路であるLO信号分配回路44が構成され、アンテナ部10と信号処理部50とを結ぶ信号線路46におけるミクサ42の配置位置が調整されて、ミクサ42に対するLO信号の供給経路長(LO信号=L1,L2…に相当)およびミクサ42に対するRF信号の供給経路長(RF信号=D1,D2…に相当)が各受信CH間で等距離となるようにしている(以下必要に応じて「受信CHの等長配線化」と称する)。
ここで、受信CHの等長配線化の概念について説明する。図1に示すように、LO信号増幅部30の増幅器32とミクサ42,42との間の信号電気長をそれぞれL1,L2とし、受信CH1,CH2に対応する各受信アンテナとミクサ42,42との間の信号電気長をそれぞれD1,D2とすると、ミクサ42,42は、LO信号に対しては「L1=L2」、RF信号に対しては「D1=D2」の関係を満足するように配置されている。その他のミクサについても同様である。このような等長配線化の概念に基づいて各ミクサを配置するようにすれば、各CH間の利得偏差および振幅偏差を低減することが可能となる。
なお、図1では、受信CH5〜8からの信号を伝送する信号線路46を中央に配置し、受信CH1,2および受信CH3,4からの信号を伝送する信号線路46を両側に配置するようにしているが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。ただし、図示のように構成した場合、受信CH1,2と受信CH3,4とは対称形に構成される一方で、受信CH5〜8に対しては受信信号に関する位相関係が逆の関係にあるので、受信CH1,2および受信CH3,4の信号が受信CH5〜8に漏れ込む場合には、その漏れ込み信号がキャンセルされるように作用する。したがって、図示のように、受信CH5〜8を中央に配置し、その両側に受信CH1,2および受信CH3,4を配置する構成が好ましい構成となる。
信号処理部50は、ミクサ42に接続されてダウンコンバート後の信号を増幅するビデオ増幅器(AMP)51、ビデオ増幅器51を通過した各受信CHに対応する信号を順次切り替えてADコンバータ53に出力するマルチプレクサ(MUltipleXer:MUX)52、マルチプレクサ52の出力をアナログ−ディジタル変換するADコンバータ(ADC)53および、ADコンバータ53の出力に基づき、物標に関する一つ以上の情報を生成して出力するマイコン54を備えている。ここで、ビデオ増幅器51には、ミクサ42によってダウンコンバートされた信号を増幅する増幅回路56(56,56,…)および、増幅回路56の出力信号に帯域制限を行ってマルチプレクサ52に出力するフィルタ58(58,58,…)が設けられている。また、マイコン54には、ROM、RAM、CPUなどの基本的な要素に加え、ADコンバータ53を介して取り込んだデータに対して、高速フーリエ変換(FFT)処理等を実行可能な処理手段(例えば、DSP)などが設けられる。
なお、図1に示す構成は概略の構成図であり、例えば受信部40のミクサ42と信号処理部50のビデオ増幅器51との間に挿入されるフィルタなどの構成要素や、マイコン54と発振器21との間に挿入され、発振器21の制御を行う制御回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)などの構成要素を省略している。
また、図1に示す構成では、ビデオ増幅器51、マルチプレクサ52およびADコンバータ53を信号処理部50に備える構成としているが、これらのうちの一つずつを信号処理部50から追い出して受信部40に備える構成としても構わない。
つぎに、図1のように構成されたレーダ装置の概略の動作について図1を参照して説明する。発振器21で生成され、増幅器23で増幅したミリ波帯またはマイクロ波帯の高周波信号は、分配器23によって分配され、増幅器24およびLO信号増幅部の増幅器32に入力される。増幅器24は、分配器23からの高周波信号を用いて送信信号を生成し、送信アンテナ12を介してレーダ波として送信する。
送信アンテナ12から送出され、物標にて反射されたレーダ波(すなわち、反射波)は、受信アンテナ14で受信され、ミクサ42に入力される。受信CH毎に設けられている各ミクサ42は、受信アンテナ14から入力された受信信号に増幅器32からのLO信号を混合することによりビート信号を生成する。これらのビート信号は、各受信CH毎、ビデオ増幅器51に並列に入力され、ビデオ増幅器51にて増幅および帯域制限された後、マルチプレクサ52にて順次切り替えられ、さらにA/Dコンバータ53にてサンプリングされ、マイコン54に入力される。ここで、A/Dコンバータ53は、レーダ波の一変調周期の間、すなわちレーダ波の上り区間および下り区間毎に受信CH1〜CH8の中から選択された所定CHの合成出力に対してサンプリング処理を実行する。マイコン54は、A/Dコンバータ53からのサンプリングデータを用いて、例えば物標の方位情報、自車両と物標との間の相対距離情報、自車両と物標との相対速度情報などを演算し、当該情報を図示しない車両制御器などに出力する。
図2は、本実施の形態のレーダ装置におけるアンテナ基板の概観を示す図である。図2において、アンテナ基板64には、矩形状に形成された複数個のアンテナ素子(パッチアンテナ)が所定のパターンで配置されている。これらのアンテナ素子は、図示を省略したストリップ線路で接続される。また、それらのストリップ線路は、図示を省略した送信アンテナおよび受信アンテナの各給電点で合成されるように導かれる。なお、図2では、各アンテナ素子の形状を矩形状としているが多角形状、円形、楕円形状等の任意の形状のものを用いることができる。
また、本実施の形態のアンテナ基板64では、空間に対する垂直方向(第1の方向:紙面上下方向)に等間隔に配置されたアンテナ素子群(以下「リニアアレイ」という)を水平方向(第2の方向:紙面左右方向)に所定の間隔(同図の例では0.7λ:λは送信信号の波長)で配置している。これらのリニアアレイのうち、紙面右側の4列が送信CHを構成し、残りの12列が受信CH(受信CH群)を構成する。さらに、受信CH群を構成するリニアアレイのうち、中央4列のリニアアレイは、各1列をCH単位として受信CH群における受信CH5〜8を構成する。一方、受信CH群を構成するリニアアレイのうち、両側8列(片側4列ずつ)のリニアアレイは、2列ずつをCH単位として受信CH群における受信CH1〜4を構成する。すなわち、紙面最左側2列のリニアアレイの出力が2アレイ合成されて受信CH1を構成し、受信CH1に隣接する2列のリニアアレイ(受信CH1とCH5の間のリニアアレイ)の出力が2アレイ合成されて受信CH2を構成する。また、受信CH8の右側に隣接する2列のリニアアレイの出力が2アレイ合成されて受信CH3を構成し、受信CH3の右側に隣接する2列のリニアアレイの出力が2アレイ合成されて受信CH4を構成する。なお、受信CH1〜4での2アレイ合成は、アンテナ基板64上において実現される。2アレイ合成をアンテナ基板64にて実現することにより、アンテナ基板64と、後述する送信部回路基板および受信部回路基板との接続が容易となる。特に、送信部回路基板および受信部回路基板との接続には、導波管構造の穴(後述する導波管穴)が必要であるため、2アレイ合成をアンテナ基板64にて実現することにより、導波管穴を複数設ける必要がないという利点が得られる。
なお、図2では、本実施の形態の一例として水平方向の素子間隔を0.7λとして示しているが、素子間隔が0.7λである必要はない。ただし、素子間隔を広くすると、利得の面では有利になるが、第1ナルの位置が内側(0°方向)に移動して正面方向の検知距離に影響が及ぶので、広すぎる素子間隔は好ましくない。逆に、素子間隔を狭くすると、アンテナ開口面積が小さくなり、アンテナ利得が小さくなる。特に、素子間隔を0.5λ以下にするとアレイファクタによるナルは生じないので、ナルフィリングを行う必要はないという利点はあるが、正面方向のアンテナ利得が小さく、アンテナ素子数の増加が不可避となるので、狭すぎる素子間隔は好ましくない。よって、水平方向の素子間隔は、0.7λを基準として±20%(0.56λ〜0.84λ)の範囲内にあることが好ましく、さらに±10%の(0.63λ〜0.77λ)の範囲内にあればより好ましい。
上記のように構成された受信CHにおいて、本実施の形態のレーダ装置では、受信CH5〜CH8(第1の受信CH)を用いて信号合成するアレイ構成を受信第1アレイと定義し、受信CH1〜CH8の全て(第2の受信CH)を用いて信号合成するアレイ構成を受信第2アレイと定義する。なお、詳細は後述するが、本実施の形態のレーダ装置では、近距離(例えば10m以内)もしくは中距離(例えば60m以内)の物標を広角に検知する処理(以下「広角ミドル検知処理」もしくは略して「広角ミドル」という)と、遠距離(例えば60m以上)の物標を検知する処理(以下「ロング検知処理」もしくは略して「ロング」という)とを定義し、広角ミドル検知処理では受信第1アレイを使用し、ロング検知処理では受信第2アレイを用いる。すなわち、本実施の形態のレーダ装置に適用されるアンテナ装置は、遠近兼用のアレイアンテナを構成すると共に、物標の探知距離に応じて受信用の2つの受信パターンを切り替えて使用し、且つ、一部のアレイアンテナは物標の探知距離に依らず共用して使用する構成としている。
なお、受信第2アレイを使用する際は、信号処理部50において、受信CH5とCH6の出力をアナログ信号処理またはディジタル信号処理にて2アレイ合成する(この合成した受信CHを便宜上、受信CH9と呼ぶ)ことで、アンテナ14とアンテナ14からなる2列のリニアアレイを構成すると共に、受信CH7とCH8の出力を合成する(この合成した受信CHを便宜上、受信CH10と呼ぶ)ことで、アンテナ14とアンテナ14の2列からなるリニアアレイを構成する。すなわち、2つのアンテナの出力をそれぞれ2アレイ合成したリニアアレイからなる、CH1、CH2、CH9、CH10、CH3、CH4の6つの受信CHの信号を用いて、受信第2アレイを構成する。信号処理部50は、2アレイ合成した6つの受信CHからの受信信号(ビート信号)を用いて後述の周波数解析によるロング検出処理を行う。
図3は、本実施の形態にかかるレーダ装置の一断面構造を示す模式図であり、詳細には、回路基板に搭載されたアンテナ部、送信部、LO信号増幅部、受信部を含む断面構造の一例を示している。図3において、送信アンテナおよび受信アンテナが形成されたアンテナ基板64(図2参照)は、例えば接着剤88を用いてマザー基板62と固着される。固着されたマザー基板62では、アンテナ基板64側を下面側とするとき、その上面側において、送信部20、LO信号増幅部30、受信部40がBGAボール(半田ボール)76を介して接合され配置される。
送信部20では、送信部20を構成する各構成要素(図3では増幅器24を図示)が送信部回路基板66の上部側に配置される。LO信号増幅部30では、LO信号増幅部30を構成する増幅器32がLO信号増幅部回路基板68の上部側に配置される。また、送信部回路基板66および信号増幅部回路基板68には、送信部20およびLO信号増幅部30の各構成要素を覆うようにそれぞれ蓋体(リッド)72,74が設けられており、これら蓋体72,74により、高周波回路部品の気密封止が可能となると共に、不要な高周波信号の出射および入射の抑止が可能となる。
受信部40では、受信部40を構成する各構成要素(図3ではミクサ42に加え、チップ抵抗84,86などの受信回路部品を図示)が受信部回路基板70の下面側(マザー基板62側)に配置される。また、BGAボール76は、受信部40で処理される高周波信号について誘電体基板内実効波長λの1/4以下の所定の間隔で配置され、受信部回路基板70の接地導体およびマザー基板62の接地導体と接続されて、受信回路部品の周囲を、BGAボール76と受信部回路基板70およびマザー基板62の接地導体とで取り囲む構造をなしている。その結果、ミクサ42は、受信部回路基板70およびBGAボール76に覆われた構成となり、蓋体を用いずに受信回路部品の封止が可能となると共に、受信回路部品の電磁遮蔽(シールド)がなされ、送信部20あるいはLO信号増幅部30から出射して受信部40に入射する可能性のある不要波の影響を小さくできるという効果も得られる。
なお、受信部40においても、送信部20およびLO信号増幅部30と同様に、受信部回路基板70の上面側に各構成要素を配置し、その上部に蓋体(リッド)を設けるように構成してもよい。
また、送信部20の増幅器24と送信アンテナとの電気的接続は、アンテナ基板64に設けられた送信アンテナ用給電パッド90、アンテナ基板64内に設けられ、送信アンテナ用給電パッド90に接続される同軸信号線94、および同軸信号線94の直上に設けられた導波管穴80によって実現している。この構成により、送信アンテナ用給電パッド90と送信部20とは、同軸構造の伝送線と導波管構造の穴とを介して概略直線上に並ぶ配置となり、配線構造が容易になると共に、伝送損失の低減にも効果がある。
また、受信部40のミクサ42と受信アンテナとの電気的接続は、アンテナ基板64に設けられた受信アンテナ用給電パッド92、アンテナ基板64内に設けられ、受信アンテナ用給電パッド92に接続される同軸信号線96、同軸信号線96の直上に設けられた導波管穴81および、受信部回路基板70内に配設され、ミクサ42の一端と電気的に接続される信号線路98によって実現している。この構成により、受信アンテナ用給電パッド92と信号線路98の一端とは、同軸構造の信号伝送部と導波管構造の信号伝送部とを介して概略直線上に並ぶ配置となり、アンテナ部と送信部との接続構造が容易になると共に、伝送損失の低減にも効果がある。
さらに、受信部40のミクサ42とLO信号増幅部30の増幅器32との電気的接続は、受信部回路基板70内に配設され、ミクサ42の他端と電気的に接続される信号線路83ならびに、マザー基板62内に配設され、BGAボール76を介して増幅器32およびミクサ42と電気的に接続される信号線路82によって実現している。上述したように、送信アンテナと送信部20との接続および受信アンテナと受信部40との電気的接続をマザー基板62の両端側で実現しているので、マザー基板62の中央部には大きな領域(誘電体領域)が生じている。したがって、ミクサ42と増幅器32との電気的接続は、この領域を利用して行うことができるので、自由度の高い配線設計を行うことができる。
なお、マザー基板62、アンテナ基板64、送信部回路基板66、LO信号増幅部回路基板68、および受信部回路基板70としては、高周波伝送特性に優れた樹脂基板やセラミック基板など種々の基板を用いることができるが、特に、送信部回路基板66、LO信号増幅部回路基板68など高出力の高周波回路部品を搭載する基板においては、高周波回路の設計に容易で且つ小型化が容易なセラミック基板が好適である。また、マザー基板62においては、セラミック基板に比べて安価な樹脂基板を用いると共に、アンテナ基板64、受信部回路基板70においては、マザー基板62よりも高周波信号について低損失な樹脂基板を用いるのが好適である。なお、マザー基板62、アンテナ基板64、および受信部回路基板70を樹脂基板で構成し、一体的に接合することにより、各基板間を接合する際の線膨張係数を近いものとすることができるので、自動車が使用される熱環境下での熱応力に対する接合信頼性が脆性材料であるセラミック基板に比べて向上する。これにより、受信部回路基板70のパッケージサイズを大きくすることができるので、受信CHが6CH以上となる受信部を、一体化された高周波(特に、60GHz以上のミリ波)パッケージにて構成することができる。
つぎに、本実施の形態のレーダ装置におけるアンテナ利得(送信系および受信系)について説明する。図4は、送信アンテナ(送信アレイ)によるアンテナ利得および受信アンテナ(受信第1アレイおよび受信第2アレイ)によるアンテナ利得を示す図である。図4において、実線で示した波形は送信アレイによるアンテナ利得であり、一点鎖線で示した波形は受信第1アレイ(第1の受信CH)によるアンテナ利得であり、破線で示した波形は受信第2アレイ(第2の受信CH)によるアンテナ利得である。
上述したように、受信第1アレイによるアンテナ利得は、受信CH5〜8(中央4列のリニアアレイ)によって形成され、広角ミドル検知処理において用いられるアンテナ利得であるため、より広角な指向性を有している。一方、受信第2アレイによるアンテナ利得は、受信CH1〜8(各アンテナを2アレイ合成した全12列のリニアアレイ)によって形成され、ロング検知処理において用いられるアンテナ利得であるため、受信第1アレイに比べて狭い指向性(利得が大きく、受信ビーム幅が狭い)を有している。
また、送信アレイによるアンテナ利得は、送信CH(送信側全4列のリニアアレイ)によって形成されるアンテナ利得であり、図示のように受信第2アレイのアンテナ利得よりも狭い指向性を有している。また、送信アレイによるアンテナ利得では、送信アレイの第2ナルと受信第2アレイの第1ナルとを一致させ、且つ、送信アレイの第1ナルと送信アレイの第1サイドローブとの間の利得差が所定値(例えば5dB)以内となるように、送信アレイの第1ナルを埋めるようにしている。
ここで、送信アレイの第2ナルと受信第2アレイの第1ナルとを一致させている第1の理由は、ロング検知処理における送受合成利得を確保するためであり、第2の理由は、ロング検知処理におけるD/U比を確保するためである。
ロング検知処理においては、検知エリアは広角である必要がないため、受信ビーム幅の狭い受信第2アレイを用いている。その一方で、物標の検知距離は送信アレイの利得と受信アレイ(受信第2アレイ)との利得との積(以下「送受合成利得」という)で決まるため、検知範囲外の送受合成利得は可能な限り低減させることが好ましい。このため、検知範囲外にある送信アレイの第2ナルと受信第2アレイの第1ナルとを一致させることで、逆に、検知範囲内にある送受合成利得を高めるようにしている。
また、ロング検知処理の検知エリアを例えば±20°と仮定し、また、送信アレイの第2ナルおよび受信第2アレイの第1ナルの角度(方位)を±30°と仮定する。一方、検知エリアを例えば±20°に設定した場合、信号処理の性質上、例えば30°の物標からの反射信号が約−10°の角度位置に受信信号となって現れる(30°の反射信号が20°の位置を基準に折り返される)。したがって、この30°の送受合成利得が大きい場合には、D/U比(Desire to Undesire ratio)となって信号処理に悪影響を与える。そこで、上述のように、送信アレイの第2ナルと受信第2アレイの第1ナルとを一致させるようにしている。
また、送信アレイの第1ナルと送信アレイの第1サイドローブとの間の利得差が所定値(例えば5dB)以内となるように、送信アレイの第1ナルを埋めるようにしている第1の理由は、広角ミドル検知処理における送受合成利得を確保するためであり、第2の理由は、広角ミドル検知処理における広角化(ブラインド領域の解消)のためである。
本実施の形態のレーダ装置では、広角ミドル検知処理においては、送信アレイのサイドローブ(第1サイドローブ)を利用することを一つの要旨としている。この理由は、送信アレイを共用するロング検知処理において、0°方向の検知距離を確保するためである(送信アレイのメインローブのみを利用した場合、0°方向の利得が低下し、0°方向の検知距離が短くなる)。その一方で、送信アレイの第1サイドローブを利用する場合、第1サイドローブ近傍のナル(第1サイドローブよりもメインローブ側にある)の角度における検知距離が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、送信アレイの第1ナルを埋めるように送信アンテナの利得制御(以下「ナルフィリング」という)を行うこととしている。
図5は、ナルフィリングの概念を示す図である。図5において、左図はナルフィリングを行わない場合の放射パターンであり、右図はナルフィリングを行った場合の放射パターンである。図示のように、±20°付近にあるナル(第1ナル)が埋められ、±20°〜±30°強の利得が概略フラットになっている。その結果、広角ミドル検知処理における送受合成利得が確保され、ブラインド領域が解消されて広角化の実現が可能となる。
なお、ナルフィリングの技術は公知技術であり、例えば特開昭58−118971号公報において開示されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
図6は、上述した概念に基づいて形成されたアンテナ利得の一例を示す図である。図6において、左方図に示す波形は送信アレイのアンテナ利得(広角ミドル・ロング共用)であり、中央上段図に示す波形は受信第2アレイのアンテナ利得(ロングモード用)であり、中央下段図に示す波形は受信第1アレイのアンテナ利得(広角ミドル用)である。したがって、ロング用の送受合成利得は左方図および中央上段図に示す各波形の利得和(右方上段図)となり、広角ミドル用の送受合成利得は左方図および中央下段図に示す各波形の利得和(右方下段図)となる。これらの各図から明らかなように、ロング検知処理および広角ミドル検知処理の利得切替は、アレイ利得が適切に設定された受信第1アレイと受信第2アレイとを適宜切り替えることで実現している。
また、図7は、送受合成利得下限値、ナル幅およびナルの最小幅を説明する図である。まず、送受合成利得下限値について説明する。同図(a)の上段部には、広角ミドル検知処理における送受合成利得の一例を示している。ここで、同図中に示す破線は送受合成利得の下限値(送受合成利得下限値)を示している。この送受合成利得下限値は、送受合成利得がこれ以上低下すると物標の検知が不可能となる利得レベルを意味している。なお、受信部で受信される信号は、遠方の物標ほど小さくなるので、ここでいう送受合成利得下限値は、広角ミドル検知処理の最大検知距離における送受合成利得として定義することができる。
つぎに、ナル幅について説明する。同図(a)の下段部では、上段部で示した送受合成利得波形に生じているナルの部分を拡大して示している。同図に示すように、ナル幅は、送受合成利得波形上に引いた送受合成利得下限値との交点間の角度(角度幅)として定義することができる。なお、ここでは、ナル幅を規定する2つの交点のうち、内側(0°方向側)にある交点を「ナル内側角度」としてさらに定義しておく。このナル内側角度は、後述する「許容ナル幅」を決める際に必要となるパラメータである。
つぎに、ナルの最小幅について説明する。同図(b)には、ナルの最小幅の概念を示している。上述したように、本実施の形態のレーダ装置では、送信アレイの第1ナルを埋めるナルフィリングを行うことにより、広角ミドル検知処理における広角部分(例えば±20°〜±30°強)の検知距離を確保することとしている。一方、第1ナルを完全に埋めるナルフィリングを行うことは困難である。また、ナルフィリングによって、ロング検知処理の0°方位における検知距離が犠牲になる。その一方で、ナルの幅は小幅な物標(例えばバイク、自転車等)が検知可能であれば、それ以下にする必要はない。そこで、広角ミドル用の送受合成利得におけるナル幅は、バイク、自転車等の小幅物標がナル幅内に完全に含まれてしまうことはないような最小幅以下のナルは許容することとする。このような最小幅(許容ナル幅)を規定することで、ロング検知処理の0°方位における検知距離の低下を抑制することができる。
図8は、検知距離と許容ナル幅との関係を示すグラフである。図8において、横軸は距離(検知距離)、縦軸は前述した許容ナル幅を示し、ナル内側角度をパラメータとしてその変化の様子を示している。同図からつぎの2点が明らかとなる。
(1)検知距離が大きく(遠く)なるほど許容ナル幅が小さくなる。
(2)ナル内側角度の絶対値が小さくなるほど許容ナル幅が小さくなる。
これらのことから、許容ナル幅は、広角ミドル検知処理における最大探知距離と、送信アレイの第1ナルにおける内側の角度位置(ナル内側角度)とによって決定することが可能となる。
つぎに、信号処理部50が実行する物標検出処理の詳細について図9〜図11の各図面を参照して説明する。ここで、図9は、本実施の形態における物標検出処理の処理手順を示したフローチャートである。また、図10および図11は、図9のフローから読み出されるサブフロー(サブルーチン)を示す図である。なお、この物標検出処理は、レーダ装置の起動後、予め規定された時間間隔毎に起動される。
図9において、物標検出処理が起動されると、ステップS10にて、発振器21が起動してレーダ波の送信を開始する。ステップS11では、ADコンバータ53を介してビート信号をサンプリングしたサンプリング値を取得する。続く、ステップS12では、所望数のサンプリング値を取得すると、発振器21を停止することにより、レーダ波の送信を停止する。
そして、ステップS13では、所定の周波数解析(例えばFFT処理)を実行し、上り区間および下り区間毎にビート信号のパワースペクトル(周波数スペクトル)を求める。
続く、ステップS14では、上述したロング検出処理を実行する。このロング検出処理では、受信第2アレイ(受信CH1〜CH8)による受信信号を周波数解析した結果に相当するスペクトルを生成し、そのスペクトルに基づいて、物標を検出する処理が実行される。
具体的に、このロング検出処理では、図10に示すように、ステップS140では、受信CH1〜CH8の信号を用いて求めたスペクトル上に存在するピーク周波数成分(以下「周波数ピーク」という)を検出する。なお、このステップS140で検出される周波数ピークは、レーダ波を反射した物標候補(すなわち、物標である可能性があるもの)までの距離を表す(すなわち、レーダ波を反射した物標候補を検出する)。
そして、ステップS141では、ステップS13にて求めた特定スペクトルに基づき、ステップS140にて検出した物標候補が存在する方位を推定する方位解析を実行する。ただし、本実施形態では、半値角の狭い受信第2アレイのナルを利用し、特定スペクトルからMUSIC(Multiple Signal Classification)スペクトル(MUSICスペクトルのピーク点が物標候補の存在する方位を表す指標となる)を求める周知のMUSIC法を用いて方位解析を実行する。
さらに、ステップS142では、ステップS140にて、上り区間のビート信号から求めた周波数ピークと、下り区間のビート信号から求めた周波数ピークとの両ピークの電力差、および角度差が予め規定された許容範囲内であるか否かを判定し、その判定の結果、両ピークとも許容範囲内であれば、その両ピークを確からしい物標候補(以下「仮物標」という)として認識するペアマッチングを実行する。なお、このペアマッチングでは、認識した仮物標に対してのみ、FM−CW方式のレーダ装置における周知の手法により、例えば仮物標までの距離,仮物標と自車両との相対速度、仮物標が存在する方位に従って、物標情報を生成して、物標検出処理へと戻る。
ここで、物標検出処理(すなわち、図9)へと戻ると、ステップS15では、上述した広角ミドル検出処理を実行する。この広角ミドル検出処理では、受信第1アレイ(受信CH5〜CH8)による受信信号を周波数解析した結果に相当するスペクトルを生成し、そのスペクトルに基づいて、物標を検出する処理が実行される。
具体的に、図11に示すように、広角ミドル検出処理では、ステップS150では、受信CH5〜CH8の信号を用いて求めたスペクトル(広角用スペクトル)上に存在する周波数ピークを検出する(すなわち、物標候補を検出する)。
続く、ステップS151では、ステップS150にて検出した物標候補が存在する方位を推定する方位解析を実行する。なお、本実施形態では、ロング検出処理と同様にMUSIC法を用いて方位解析を実行する。
さらに、ステップS152では、ステップS150にて、上り区間のビート信号から求められた周波数ピークと、下り区間のビート信号から求められた周波数ピークとの両ピークの電力差、および角度差が予め規定された許容範囲内であるか否かを判定し、その判定の結果、両ピークとも許容範囲内であれば、その両ピークを仮物標として認識するペアマッチングを実行する。
そして、この広角ミドル検出処理では、予め規定された条件に従って、広角エリア内に存在している同一物標からの反射波に基づく周波数ピークの組合せを抽出し、その周波数ピークの組合せを仮物標として認識し、仮物標毎に物標情報を生成する。
ここで、物標検出処理(すなわち、図9)へと戻り、ステップS16では、ステップS14でのロング検出処理で検出した結果と、ステップS15での広角ミドル検出処理で検出した結果とを重畳する検出結果重畳処理を実行する。
続く、ステップS17では、今回の測定サイクルで検出された仮物標(以下「今回サイクル物標」という)が、前回以前の測定サイクルで検出された仮物標(以下「前回サイクル物標」という)と、予め規定された規定回数以上連続して履歴を接続可能であるか否かを判定し、履歴を接続可能であれば、その履歴接続可能な仮物標を確定物標(すなわち、物標として確からしいもの)として認識する周知の物標特定処理を実行する。
具体的に、本実施形態の物標特定処理では、今回サイクル物標と前回サイクル物標との組合せを推定し、その組み合わせた物標(以下「対応候補」とする)のいずれか一つを抽出し、その抽出した対応候補中の前回サイクル物標に対応する物標情報に基づいて、その前回サイクル物標に対応する今回サイクル物標の予測位置、および予測速度(以下、これらを「予測値」とする)を算出する。さらに、予測値と、対応候補中の今回サイクル物標から求めた位置、および速度とに基づき、両者の位置差分、および速度差分を求め、その位置差分が予め設定されている上限位置差より小さく、かつ速度差分が予め設定されている上限速度差分よりも小さい場合にのみ、その対応候補は、履歴接続があるものとする。
さらに、この物標特定処理では、履歴接続できた回数等に従って、確定物標に対して物標である可能性を示す確率を付与したり、確定物標との相対速度および確定物標の位置に基づいて、先行車両や路側物(例えば、ガードレール等)を特定しセグメント化する処理が実行される。
そして、ステップS18では、ステップS17にて認識された確定物標の物標情報を、所定の車両制御器に送信して、本物標検出処理を終了する(すなわち、今回サイクルを終了する)。
以上、本実施の形態のレーダ装置の構成および動作を説明し、さらに本実施の形態のレーダ装置の要部である物標検出処理の詳細について説明した。なお、本実施の形態のレーダ装置では、上述したように、各受信CH毎にミクサを設けるようにして、各サブアレイ(各CH)を切り替えることなく所要CHの同時受信(以下「ダイレクト同時受信」という)が可能となる構成(以下「ダイレクト同時受信方式」という)を採用している。このため、本実施の形態のレーダ装置では、周波数分解能および高周波ノイズに関して、更なる性能改善が可能である。
図12は、本実施の形態のレーダ装置における性能改善手法の一つである周波数変調幅の延伸の概念を説明する図である。従来のレーダ装置における典型的な周波数変調幅は、同図の左側に示すように例えば0.5msである。一方、本実施の形態のレーダ装置の周波数変調幅は、例えば1.5msであり、3倍の時間となっている。このような周波数変動幅の延伸を行うことにより、二つの効果が得られるが、一つはビート信号のサンプリング点数を多く取得でき、周波数分解能が向上、つまり探知距離の分解能が上がるという効果が得られる。もう一つは、分解能帯域幅が小さくなり高周波ノイズの低減に効果的である。
図13は、本実施の形態のレーダ装置にかかる性能改善手法の他の一つであるフィルタ帯域の狭帯域化の概念を説明する図である。ダイレクト同時受信方式を採用しない従来のレーダ装置では、一つのミクサが複数のCHの信号をダウンコンバートするため、典型的なレーダ装置のアナログフィルタの特性として、例えば200kHz×CH数分のフィルタ特性のものが必要となる。一方、本実施の形態のレーダ装置では、ダイレクト同時受信方式を採用しているため、各CH毎に設けたフィルタ(図1参照)の帯域を絞る(狭帯域化)ことが可能となる。すなわち、本実施の形態のレーダ装置では、各CH毎のフィルタの帯域を、例えば200kHzとすることが可能となる。その結果、本実施の形態のレーダ装置では、高周波ノイズを低減することができ、SN比が向上するという効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態のレーダ装置によれば、送信アンテナにおいては、物標の探知距離に関わらず、一の送信アレイを共用すると共に、受信アンテナにおいては、物標の探知距離に応じて受信用の2つの受信アレイ(受信第1アレイおよび受信第2アレイ)を切り替えて使用するように構成されている。その一方で、これら2つの受信アレイは、一部のアンテナ(サブアレイ)を共用して使用する構成であり、且つ、受信第1アレイと受信第2アレイとの切替にスイッチ等を用いていないので、受信第1アレイと受信第2アレイとの切替は瞬時に行われる。また、受信第1アレイおよび受信第2アレイの双方共に、2つの受信アレイを形成する各サブアレイ(各CH)を切り替えることなく所要CHの同時受信が可能となるように構成されている。
したがって、本実施の形態のレーダ装置によれば、車両から離れた位置に存在する物標検出を可能としたまま(即ち、遠距離エリアでの物標検出性能を維持したまま(ロング検知処理での実現))、通常角度範囲よりも、より広い角度範囲である広角エリアにて物標検出を迅速に行うことが可能となる(広角ミドル検知処理での実現)。この結果、本実施の形態のレーダ装置によれば、例えば自車両の前方に急に現れた割込車両をより早期に検出することと、遠距離に存在する物標の正確な位置を検出することとを両立することが可能となる。
しかも、本実施の形態のレーダ装置では、アレイアンテナを構成するアンテナ素子の配置間隔を変更したり、アンテナ素子を追加したりすることなく、アンテナ素子あるいはサブアレイの組合せを規定することにより実現している。
このため、本実施の形態のレーダ装置に適用されるアンテナ部では、従来のレーダ装置に適用されるアンテナ部と比較して、アンテナ面積(開口面積)を増大させることなく、上述した機能の実現が可能となる。
また、本実施の形態のレーダ装置によれば、送信アレイによる放射パターンの第2ナルと受信第2アレイによる受信パターンの第1ナルとを一致(完全に一致している必要はない)させているので、ロング検知処理における送受合成利得が確保されるとともに、ロング検知処理におけるD/U比の確保が可能となる。
また、本実施の形態のレーダ装置によれば、広角ミドル検知処理の広角化のため、送信アレイによる放射パターンの第1サイドローブを利用する形態を採用しているが、その際に、ナルフィリングの手法を用いて送信アレイの第1ナルを埋めるようにしているので、広角ミドル検知処理における送受合成利得を確保しつつ、広角ミドル検知処理におけるブラインド領域の解消が可能となる。
また、本実施の形態のレーダ装置によれば、送信アレイの第1ナルを埋めるナルフィリングを行う際に、送信アレイの第1ナルと送信アレイの第1サイドローブとの間の利得差が所定値以内(例えば5dB以内)となるようにしているので、ロング検知処理の検知性能に大きな影響を与えることなく、広角ミドル検知処理での広角化が可能となる。
また、本実施の形態のレーダ装置によれば、アンテナ基板と送信回路基板との接続に関し、アンテナ基板側は同軸構造、送信回路基板側は導波管構造とし、且つ、これらの構造部が概略直線上に並ぶように配置しているので、アンテナ部と送信部との接続構造が容易になり、アンテナ部と送信部との結合損失も低減されるという効果が得られる。
また、本実施の形態のレーダ装置によれば、アンテナ基板と受信回路基板との接続に関しても、アンテナ基板側は同軸構造、受信回路基板側は導波管構造とし、且つ、これらの構造部が概略直線上に並ぶように配置しているので、アンテナ部と受信部との接続構造が容易になり、アンテナ部と受信部との結合損失も低減されるという効果が得られる。
また、本実施の形態のレーダ装置に適用される送信部では、回路部品を個別の回路基板に実装後、リッド、ボール付けして、パッケージ化しているので、マザー基板への搭載が容易になるとともに、アンテナ基板との接続も容易になるという効果が得られる。
また、本実施の形態のレーダ装置に適用される受信部では、回路部品を個別の回路基板の下面側に実装後、ボール付けして、パッケージ化しているので、マザー基板への搭載が容易になり、且つ、アンテナ基板との接続が容易になるとともに、リッドを設けずに気密封止することができるという効果が得られる。なお、受信部においても、送信部と同様に、受信部回路基板の上面側に各構成要素を配置し、その上部にリッドを設けるように構成してもよく、同様な効果が得られる。
また、本実施の形態のレーダ装置では、送信系の回路部品のうち、LO信号を受信部のミクサに分配するLO信号増幅部を他の送信部の回路備品とは別の回路基板に実装後、リッド、ボール付けしてパッケージ化しているので、アンテナ回路基板との制約で配置の自由度の小さい送信パッケージと受信パッケージとを配置した後であっても、受信パッケージのミクサとの接続に関し、マザー基板の空きスペースを利用して容易に行うことができるという効果が得られる。
また、本実施の形態のレーダ装置では、各サブアレイ(各CH)を切り替えることなく所要CHの同時受信を可能とするダイレクト同時受信方式を採用しているので、周波数分解能が向上し、高周波ノイズが低減されるという効果が得られる。
また、本実施形態のレーダ装置では、ダイレクト同時受信方式を採用により、フィルタの帯域を狭帯域化することができるので、高周波ノイズを低減することができ、SN比を向上させることができという効果が得られる。
以上、本発明のレーダ装置にかかる一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態によるアンテナ素子の配列では、垂直方向に等間隔に配置されたリニアアレイとしているが、等間隔に配列されたリニアアレイに限定されるものではなく、不等間隔に配列しても構わない。
例えば、上記実施の形態による受信アレイの配列では、中央4列のリニアアレイを用いて受信第1アレイ(広角ミドル、ロング共用)を構成しているが、中央4列に限定されるものではなく、中央3列であっても、中央5列であっても構わない。また、必ずしも中央部にある必要はなく、左側の4列、あるいは右側の4列を用いて構成しても構わない。また、各1列のリニアアレイは、アレイ構成でなくてもよく、単一のアンテナ素子として構成されていても構わない。
また、上記実施の形態では、近距離もしくは中距離の物標を広角に検知する処理を広角ミドル検知処理とし、遠距離の物標を検知する処理をロング検知処理として、それぞれ区分しているが、これらの区分は一例を示したものに過ぎない。本発明は、予め設定された設定距離よりも近距離であり、且つ、予め設定された設定角よりも広角のエリア(第1の検知エリア)に存在する物標を検出する処理を広角ミドル検知処理とし、予め設定された設定距離よりも遠距離であり、且つ、予め設定された設定角の内側のエリア(第2の検知エリア)に存在する物標を検出する処理をロング検知処理として、区分されていればよい。
また、上記実施の形態の物標検出処理では、方位解析の手法として、MUSICを用いたが、方位解析の手法は、これに限るものではなく、例えば、DBF(Digital Beam Forming)を用いて方位解析を行ってもよい。
なお、本発明は、プリクラッシュセーフティシステム(いわゆるPCS)、アダプティブクルーズコントロールシステム(いわゆるACC)、フォワードコリジョンウォーニング(いわゆるFCW)、レーンチェンジウォーニング(いわゆるLCW)など、種々のレーダ装置への適用が可能である。
以上のように、本発明は、受信アンテナの面積を増大させること無く、通常検知エリアに加えて、より広い角度範囲にて、物標の存在する方位を検出可能とするレーダ装置およびアンテナ装置として有用である。
10 アンテナ部
12 送信アンテナ
14 受信アンテナ
20 送信部
21 発振器
22,24,32 増幅器
23 分配器
30 LO信号増幅部
40 受信部
42 ミクサ
44 LO信号分配回路
46,82,83,98 信号線路
50 信号処理部
51 ビデオ増幅器
52 マルチプレクサ
53 ADコンバータ
54 マイコン
62 マザー基板
64 アンテナ基板
66 送信部回路基板
68 LO信号増幅部回路基板
70 受信部回路基板
72,74 蓋体
76 BGAボール
80,81 導波管穴
84,86 チップ抵抗
88 接着剤
90 送信アンテナ用給電パッド
92 受信アンテナ用給電パッド
94,96 同軸信号線

Claims (15)

  1. 連続波からなる探査波を生成する送信部と、
    前記探査波を空間に放射する送信アンテナおよび当該探査波の物標からの反射波を受信する受信アンテナを具備するアンテナ部と、
    前記受信アンテナからの受信信号を所定の周波数帯にダウンコンバートした信号を出力する受信部と、
    前記受信部から出力された信号に対して所定の周波数解析を行って前記物標までの距離、前記物標との相対速度、前記物標が存在する方位のうちの1つ以上の情報を出力する信号処理部と、
    を備え、
    前記物標の検知エリアとして、予め設定された設定距離よりも近距離、且つ、予め設定された設定角よりも広角のエリアである第1の検知エリアと、前記設定距離よりも遠距離、且つ、前記設定角の内側のエリアである第2の検知エリアとに区分されるとき、
    前記受信アンテナは、アレイアンテナとして受信用の複数のアンテナを具備するとともに、前記受信用の複数のアンテナのうちの隣接する所定数のアンテナを用いて前記第1の検知エリアを探査する受信第1アレイと、前記複数のアンテナの全てを用いて前記第2の検知エリアを探査する受信第2アレイと、が構成され、
    前記送信アンテナは、前記第1、第2の検知エリアの探査用として共用され、
    前記送信アンテナの放射パターンは、前記送信アンテナによる放射パターンの第2ナルと前記受信第2アレイによる受信パターンの第1ナルとが概略一致しており、
    前記送信アンテナの放射パターンの第1サイドローブと、当該放射パターンの第1ナルとのレベル差が所定値以内にあることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記送信アンテナの放射パターンの第1サイドローブは、前記第1の検知エリアには含まれ、且つ、前記第2の検知エリアには含まれないことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記送信アンテナは、アレイアンテナとして送信用の複数のアンテナを具備し、前記送信用の複数のアンテナの全てを用いて前記第1および第2の検知エリアに前記探査波を照射する送信アレイが構成されるとともに、
    前記受信アンテナと共に、同一のアンテナ基板に搭載されていることを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記送信部は、当該送信部を構成する回路部品を個別の送信回路基板に実装後、リッド、ボール付けされてパッケージ化され、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが搭載されたアンテナ基板を接合したマザー基板に搭載されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレーダ装置。
  5. 前記受信部は、当該受信部を構成する回路部品を個別の受信回路基板に実装後、リッド、ボール付されてパッケージ化され、前記マザー基板に搭載されていることを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
  6. 前記受信部は、当該受信部を構成する回路部品を個別の回路基板に実装後、当該回路部品側にボール付されてパッケージ化され、前記マザー基板に搭載されていることを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
  7. 前記アンテナ基板側は同軸構造、前記送信回路基板側は導波管構造とされ、且つ、これらの構造部が前記マザー基板に設けられた導波管穴を介して概略直線上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載のレーダ装置。
  8. 前記アンテナ基板側は同軸構造、前記受信回路基板側は導波管構造とされ、且つ、これらの構造部が前記マザー基板に設けられた導波管穴を介して概略直線上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のレーダ装置。
  9. 前記受信部では、前記受信アンテナを構成する各アンテナ毎に一つの受信チャネルが構成され、当該受信チャネル毎にミクサが配置されていると共に、前記各ミクサに給電するローカル信号を増幅する増幅器と対応する前記ミクサとの間の信号電気長と、前記受信アンテナと対応する前記ミクサとの間の信号電気長との和が概略同一となるように前記ミクサが配置されていること特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のレーダ装置。
  10. 前記受信第2アレイを構成するアンテナ間の水平方向の間隔は前記探査波の波長の0.56倍から0.84倍の間に設定されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のレーダ装置。
  11. 前記第1ナルと前記第1サイドローブとのレベル差が5dB以内であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のレーダ装置。
  12. 前記第1ナルの最小幅は、検知対象である物標のうちの小幅な物標に基づいて定められていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のレーダ装置。
  13. 前記送信アレイを構成するアンテナ間の水平方向の間隔は前記受信第2アレイを構成するアンテナ間の水平方向の間隔と同程度に設定されていることを特徴とする請求項3〜12の何れか1項に記載のレーダ装置。
  14. 前記送信アレイおよび前記受信アレイを構成する各アンテナは、垂直方向に等間隔に配置されているリニアアレイであることを特徴とする請求項3〜13の何れか1項に記載のレーダ装置。
  15. 第1の方向に配列された複数の送信用アンテナ素子を有するアンテナ素子群を前記第1の方向に直交する第2の方向に複数配列してなる送信アンテナと、前記第1の方向に配列された複数の受信用アンテナ素子を有するアンテナ素子群を前記第2の方向に複数配列してなる受信アンテナと、を具備し、前記送信アンテナから空間に放射された探査波の物標からの反射波を受信した前記受信アンテナの受信信号に基づいて前記物標の検知処理を行うレーダ装置に適用されるアンテナ装置において、
    前記受信アンテナは、
    前記受信用の複数のアンテナ素子群のうち、隣接する所定数のアンテナ素子群を用いて、予め設定された設定距離よりも近距離、且つ、予め設定された設定角よりも広角のエリアである第1の検知エリアを探査する受信第1アレイと、
    前記複数のアンテナ素子群の全てを用いて、前記設定距離よりも遠距離、且つ、前記設定角の内側のエリアである第2の検知エリアを探査する受信第2アレイと、
    が構成され、
    前記送信アンテナは、前記第1、第2の検知エリアの探査用として共用され、
    前記送信アンテナの放射パターンは、前記送信アンテナによる放射パターンの第2ナルと前記受信第2アレイによる受信パターンの第1ナルとが概略一致し、前記送信アンテナの放射パターンの第1サイドローブと、当該放射パターンの第1ナルとのレベル差が所定値以内にあるように給電されることを特徴とするアンテナ装置。
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