JPWO2010116844A1 - ベローズ型メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】使用材料を制約されることなく、リテーナ、ベローズ及びカラーが一体的に溶接固定されたベローズ組立体の耐食性を高め得るベローズ型メカニカルシールを提供する。【解決手段】シールリング30と、メイティングリング40と、を備え、シールリング30及びメイティングリング40の一方がハウジング50に支持され、他方が回転軸60に支持されて回転軸60とともに回転する構成で、シールリング30はベローズ21を介して支持され、ベローズ21は、その一端にシールリング30を保持するためのリテーナ22が溶接固定され、他端にカラー23が溶接固定された一体構造のベローズ組立体20として構成されるベローズ型メカニカルシールにおいて、前記ベローズ21、リテーナ22及びカラー23が溶接された後のベローズ組立体20の全表面が、イオンプレーティング等の物理的蒸着法により生成された耐食被膜によって被覆されていることを特徴とする。

Description

本発明は、石油精製、石油化学、製鉄化学、ケミカル、食品、一般産業機械の各種分野に広く適用可能なメカニカルシールに関し、特に二次シールとしてベローズを用いたベローズ型メカニカルシールに関する。
従来のこの種のベローズ型メカニカルシールは、静止形を例にとると、ベローズに保持されたシールリングと、シールリングに対向摺接するメイティングリングと、を備え、シールリングがハウジングに支持され、メイティングリングが回転軸に支持され回転軸とともに回転する構成となっている(特許文献1参照)。
ベローズは、その一端にシールリングを保持するためのリテーナが溶接固定され、他端にハウジングに固定されるカラーが溶接固定された一体構造物となっている。
シールリングはカーボンなどの摺動材で作られ、リテーナに密封的に焼嵌めまたは圧入されている。リテーナ材としては、カーボン等の熱膨張係数と近似する、5×10−6 1/℃前後の低熱膨張係数の金属材料、たとえば42%Ni−Fe等が用いられている。シールリングとリテーナの熱膨張係数を近似させることにより、高温になっても焼嵌め代の変化を少なくし、焼嵌め応力の変化を少なくしてシール端面の平面度を保持している。
一方、ベローズにはインコネル718やインコネル625(インコネルは登録商標)、AM350等のばね性のある金属が使用されている。
特開2000−97349号公報
しかしながら、好適なリテーナ材である42%Ni−Feは、硫黄や硫化水素などの腐食因子が混入している密封液の場合、ベローズ材であるインコネル等に比較して腐食が著しい。腐食を防止するためには、リテーナの表面および溶接部に耐食メッキを施せばよいが、メッキ後にベローズに溶接すると、溶接部のメッキが剥がれたり、巣などのメッキ不良部が発生したりして溶接部が腐食するおそれがある。
一方、溶接後にリテーナおよび溶接部にメッキする場合、ベローズにメッキされると特性が変化するために、マスキングしなければならないが、マスキング作業は大変であり、またマスキングが不十分でベローズまでメッキされてしまったり、溶接部がメッキされなかったりして、十分な耐食効果が得られない。そのため、腐食性の高い環境下ではリテーナ材として42%Ni−Feは使用できず、使用材料が制約されてしまう。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、使用材料を制約されることなく、リテーナ、ベローズ及びカラーが一体的に溶接固定されたベローズ組立体の耐食性を高め得るベローズ型メカニカルシールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、回転軸とハウジングとの間をシールするメカニカルシールであって、
シールリングと、該シールリングに対向摺接するメイティングリングと、を備え、前記シールリング及びメイティングリングの一方がハウジングに支持され、他方が回転軸に支持され回転軸とともに回転する構成で、
前記シールリングはベローズを介して支持されるもので、前記ベローズは、その一端にシールリングを保持するためのリテーナが溶接固定され、他端に回転軸に固定されるカラーが溶接固定された一体構造のベローズ組立体として構成されているベローズ型メカニカルシールにおいて、
前記ベローズ、リテーナ及びカラーが溶接された後のベローズ組立体の全表面が、物理的蒸着法(PVD処理)により生成された耐食被膜によって被覆されていることを特徴とする。
耐食被膜は、耐食性を有する窒化金属系の材料によって構成することが好適で、その厚みは10μm以下とすることが好ましい。
シールリングを保持するリテーナの材料は、シールリングと熱膨張係数が近似しているかそれよりも低い材料とする。
またシールリングがリテーナと遊離し、上記シールリングのリテーナ側端面とリテーナのシールリング側の端面が、互いに円周方向に摺動自在に密接する連結構造となっていてもよい。
本発明によれば、リテーナ、ベローズおよびカラーを互いに溶接した後のベローズ組立体の全表面に、物理的蒸着法による耐食被膜を形成しているので、ベローズ組立体全表面が均一な耐食性を持つことになる。したがって、リテーナ、ベローズおよびカラーの材料は、耐食性を考慮することなく、熱膨張係数等を考慮して最適な材料を選定することができる。
耐食被膜を窒化クロム等の窒化金属系の材料によって構成すれば、耐食性に優れた被膜を形成することができる。
たとえば、石油精製の200℃以上の高温のボトム液には、硫黄や硫化水素が含まれており、リテーナ材として42%Ni−Feを用いている場合には著しく腐食する。また、ベローズに用いられる耐食性の高いインコネル718でも孔食が発生する場合がある。しかし、窒化クロムなどの耐食イオンプレ-ティングを施行しておけば、均一で、かつ全表面に、ステンレスの酸化被膜のような窒化クロム等の耐食被膜を成膜することができ、ベローズ組立体全部がインコネル718以上の耐食性を得ることができる。
また、耐食被膜によってベローズの荷重は上昇するものの、厚みを10μm以下とすることにより、荷重増大を可及的に抑えることができ、また、シール性能や耐久性にも影響しない。
シールリングを保持するリテーナの材料を、42%Ni−Feのようなシールリングと熱膨張係数が近似しているかそれよりも低い材料としておけば、シールリングとリテーナの嵌合部の応力変化は小さく、シール端面の平面度が保持され、シール性を維持しつつ耐食性を高めることができる。
シールリングをリテーナと遊離するような構成としておけば、リテーナのシール端面には、シールリングとメイティングリング間の摺動トルクはほとんど作用しない。作用したとしても、シールリングのシール端面が滑ることにより、摺動トルクを極小に押さえることができる。また、シールリングが回転しないので、スティックスリップによる円周方向の微小な振動による微小変位分だけ摺動するのみで、ほとんど静止状態に近い。したがって、摺動による発熱も無いので、シール端面間の潤滑膜が安定し、優れた密封性を保持できる。
図1は本発明の実施例1に係るベローズ型メカニカルシールの断面図である。 図2は図1のX方向から見た隙間の状態を誇張して示す図である。 図3は本発明の実施例2に係るベローズ型メカニカルシールの断面図である。
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明の実施例1に係るベローズ型メカニカルシールを示すもので、10はベローズ型メカニカルシール全体を示している。
すなわち、このベローズ型メカニカルシール10は、回転軸60とハウジング50との間をシールするもので、シールリング30と、シールリング30に対向摺接するメイティングリング40と、を備えている。この実施例では、静止形メカニカルシールで、シールリング30がシールカバー52を介してハウジング50に支持され、メイティングリング40が回転軸60に支持され回転軸60と共に回転する構成となっている。また、回転軸60には固定スリーブ80が嵌合固定され、この固定スリーブ80にメイティングリング40を保持するリテーナ41が固定されている。図において、機外側をA、密封対象となる機内側Fとすると、シールリング30が機外側A、メイティングリング40が機内側Fに配置されている。また、シールカバー52はハウジング50の機外側の端面に固定されている。
シールリング30はベローズ21を介してシールカバー52に支持される構成で、ベローズ21は、その一端にシールリング30を保持するためのリテーナ22が溶接固定され、他端にシールカバー52に固定されるカラー23が溶接固定された一体構造のベローズ組立体20として構成されている。
シールリング30は、カーボン等の摺動材から構成される環状部材で、メイティングリング40に摺接する凸部31を有し、互いのシール端面30a,40aである摺動面は回転軸60の中心軸に対して直交する直交面となっている。
密封流体が、タールやピッチなどのように、高温時は流動性があり、温度が下がると固化する性状の液体の場合は、ポンプ停止後、シールリング30とメイティングリング40のシール端面30a,40aが固着し、起動と同時に過大なトルクが作用し、それがベローズ21に伝播して過大なねじりトルクが作用するおそれがある。このようなタールやピッチ、アスファルトなどの熱溶融流体の場合や、固形分を多く含んだ高温流体の場合には、摺動材の組み合わせは、シリコンカーバイドや超硬合金などのカーボンよりも硬い材質同士にするのが有効である。
ベローズ21は金属製で、軸方向に伸縮自在の蛇腹部を有する。蛇腹部の形状構造は特に限定されない。リテーナ22は金属製の円筒状部材で、内周が段付き形状となっており、小径の内周面に、シールリング30の外周が、圧入あるいは焼嵌めによって固定されている。一方、カラー23も金属製の円筒状部材で、その一端にベローズ21の一端が溶接にて固定され、他端部外周がシールカバー52に固定されている。
シールリング30、リテーナ22、ベローズ21及びカラー23の内周側には、回転軸60との間隙に円筒状のバッフルスリーブ70が挿入されている。バッフルスリーブ70は、その一端がシールカバー52にボルト72で固定され、他端がリテーナ22の内周部まで延びている。バッフルスリーブ70は、シールカバー52に設けられたクエンチング穴51から供給されるクエンチング液をシールリング30とメイティングリング40との摺動面に案内している。
シールリング30を保持するリテーナ22の内周部には、図2に誇張して示すように、バッフルスリーブ70の外周に向けて突出してバッフルスリーブ70との隙間を微小に絞る絞り部22aが設けられている。また、絞り部22aには、周方向に1個又は複数の切欠き22bが設けられ、クエンチング液の通路を形成している。
本発明は、上記した溶接一体構造のベローズ組立体20の全表面を、物理的蒸着法(PVD)としてのイオンプレーティングによる耐食被膜によって被覆したものである。すなわち、リテーナ22、ベローズ21およびカラー23が一体的に溶接された後に、イオンプレーティングが施される。物理的蒸着法としては、イオンプレーティングに限らず、真空蒸着、スパッタリング等の他の方法を採用してもよい。
本実施例では、メイティングリング40を保持するリテーナ41の全表面についても、イオンプレーティングによる耐食被膜によって被覆されている。バッフルスリーブ70については、SUS630などの硬質材料か硬質クロムメッキを施してもよいし、ベローズ組立体20と同様に、耐食、耐磨耗性のイオンプレーティングを施してもよい。
イオンプレーティングで成膜される耐食被膜は、耐食性を有する特殊窒化クロムや窒化チタンなどの窒化金属系の材料によって構成される。耐食被膜の厚みは、10μm以下、特に5〜6μm前後が好適である。ベローズ21の荷重は増大するものの、荷重増大分は10%程度に抑えることができ、設計面で配慮することで、シール性能や耐久性には影響しないようにできる。
シールリング30やメイティングリング40を保持するリテーナ22、41の材料は、42%Ni−Feのように、シールリング30やメイティングリング40を構成するカーボンやシリコンカーバイドなどの摺動材の熱膨張係数と近似しているか、それよりも低い材料とする。
一方、ベローズ21の材料としては、従来と同様、インコネル718やインコネル625、AM350などのばね性のある金属が使用される。特に、AM350は、インコネル718と比較して耐食性は無いものの、同等の高温時のばね特性と機械的強度を有し、溶接性に優れている。したがって、AM350をベローズ材に使用することでコストを大幅に低減できる。
ここで、ベローズ21とリテーナ22間の熱膨張係数の差が大きい場合、高温になると、ベローズ21の熱膨張量が大きくなってリテーナ22を引っ張ることになり、リテーナ22が微小変形するおそれがある。リテーナ22が微小変形すると、リテーナ22に焼嵌め又は圧入されているシールリング30も微小変形し、摺動面の平面度の保持ができなくなるおそれがある。
そこで、ベローズ21とリテーナ22について、同一材料か、ほぼ近似した熱膨張係数を有する異種金属で構成することが好ましい。材料の選定は、使用温度条件、各部の寸法によって適宜選定すればよい。たとえば、リテーナ22としては、42%Ni−Feまたはインコネル625、ベローズ21の材料としては、インコネル625が好適である。
次に、本発明の実施例2について説明する。
図3は本発明の実施例2に係るベローズ型メカニカルシールを示している。以下の説明では、異なる点についてのみ説明するものとし、実施例1と同一の構成部分については同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
この実施例2では、シールリング30がリテーナ22に嵌合する構成ではなく、シールリング30がリテーナ22と遊離し、シールリング30のリテーナ側端面とリテーナ22のシールリング側の端面が、円周方向に互いに摺動自在に密接する連結構造となっている。以下、この連結部をラップジョイント部90という。
すなわち、シールリング30のリテーナ側端面には円環状のノーズ32が突設され、このノーズ32の端面がメイティングリング40側のシール端面30aと同等の表面粗さの平面度までラッピング仕上げされたシール端面32aとなっており、対向するリテーナ22のシールリング側の端面であるシール端面22dに摺動自在に密接している。
シールリング30のノーズ32のシール端面32aの面幅は、メイティングリング40と接するシール端面30aの面幅とほぼ同じとするかそれよりもやや狭くする。シールリング30の反メイティングリング側の外周には段部33が設けられると共に、リテーナ22のシールリング側の外周にも段部22cが設けられ、両段部33,22cにまたがるように、円筒状のアダプター91が、径方向に微小隙間をもって嵌められており、リテーナ22とシールリング30の芯出しがなされている。
本実施例2では、シール端面22dが形成されたリテーナ22、ベローズ21およびカラー23が、互いに溶接固定された一体構造のベローズ組立体20となっており、このベローズ組立体20の全表面が、イオンプレーティングによる耐食被膜によって被覆されている。したがって、シールリング30が摺接するシールリング側のシール端面22dも、イオンプレーティングによる耐食被膜で被覆されている。
また、シールリング30の内周側には、1個又は複数の切欠き34が設けられている。一方、バッフルスリーブ70の先端には、シールリング30の切欠き34と互いに微小隙間を持ち、シールリング30が軸方向に移動自在な状態で噛み合う突起部71が設けられ、この切欠き34と突起部71の噛み合いによって、シールリング30の回転を規制している。バッフルスリーブ70の突起部71の側縁とシールリング22の切欠き34側縁は、互いにトルクを受けて摩擦し合い、摩耗しやすいので、バッフルスリーブ70はSUS630のような硬質材か、硬質クロムメッキや耐摩耗性イオンプレーティングなどの表面硬化処理を施工して、摩耗を抑えることが好ましい。
シールリング30のメイティングリング40と摺接するシール端面30aは、ベローズ21のばね荷重+流体圧力による押し付け力で互いに密封的に接触する。一方、リテーナ側のシール端面32aは、シールリング30が回転しないので、回転による摺動はしないほぼ静止状態の密封面となる。
シールリング30とメイティングリング40のシール端面30a,40aは潤滑性がよいときは摩擦係数が小さくなるので、シール端面間の摺動トルクは小さく、潤滑が悪くなるとブレーキがかかって摺動トルクが大きくなる。シール端面間の潤滑が不安定な条件の場合、たとえば、密封液が低沸点液や揮発性液の場合、高負荷条件でシール端面間の潤滑膜が破断して潤滑性が乏しい場合、温度や圧力変化がある使用条件では、シールリング30のシール端面30aが高サイクルで円周方向に微振動し(スティックスリップ)、摺動トルクも高サイクルで変動する。この高サイクルの円周方向に微振動がリテーナ22を経由してベローズ21に伝播し、ベローズ21が高サイクルで振動(ねじり−戻り)するおそれがある。
これに対して、本実施例2のように、ラップジョイント部90により、シールリング30をリテーナ22と遊離するような構成としておけば、リテーナ22のシール端面22dには、シールリング30とメイティングリング40間の摺動トルクはほとんど作用しない。作用したとしても、シールリング30のシール端面32aが滑ることにより、摺動トルクを極小に押さえることができる。
また、ラップジョイント部90はシールリング30が回転しないので、スティックスリップによる円周方向の微小な振動による微小変位分だけ摺動するのみで、ほとんど静止状態に近い。したがって、摺動による発熱も無いので、シール端面間の潤滑膜が安定し、優れた密封性を保持できる。
また、ベローズ21についても、メイティングリング40との摺動トルクは作用しないノントルクのベローズ21とすることができ、スティックスリップによる高サイクルの微振動は発生せず、ベローズ21が疲労破損をするおそれがない。また、修理の際にもベローズ組立体20の再使用率を大幅に向上できる。
仮に、メイティングリング40と摺接するシールリング30のシール端面が損傷しても、ベローズ組立体20は分離しているので、交換するのはシールリング30だけでよく、交換部品コストの削減を図ることができる。
また、シール端面32a,22d間が固着してスティックスリップによる微振動がベローズ21に伝播したり、バッフルスリーブ70の突起部71の摩耗でトルクを受けられなくなって、摺動トルクがベローズ21に作用し、ベローズ21に振動が起きたとしても、リテーナ22内周部に設けた絞り部22aによってベローズ21の振れ止めがなされるので、ベローズ21の疲労を先延ばしでき、耐久性を確保できる。
なお、上記した各実施例では、静止形のベローズ型メカニカルシールについて説明したが、ベローズ組立体によって保持されるシールリングが回転軸に取り付けられ、回転軸と共に一体回転する回転形について適用可能であることはもちろんである。
10 ベローズ型メカニカルシール
20 ベローズ組立体
21 ベローズ
22 リテーナ
22a 絞り部
22b 切欠き
22c 段部
22d シール端面
23 カラー
30 シールリング
31 凸部
32 ノーズ
32 シール端面
33 段部
34 切欠き
40 メイティングリング
41 リテーナ
50 ハウジング
51 クエンチング穴
52 シールカバー
60 回転軸
70 バッフルスリーブ
72 ボルト
80 固定スリーブ
90 ラップジョイント部
91 アダプター
A 機外側
F 機内側

Claims (5)

  1. 回転軸とハウジングとの間をシールするメカニカルシールであって、
    シールリングと、該シールリングに対向摺接するメイティングリングと、を備え、前記シールリング及びメイティングリングの一方がハウジングに支持され、他方が回転軸に支持され回転軸と共に回転する構成で、
    前記シールリングはベローズを介して支持され、前記ベローズは、その一端にシールリングを保持するためのリテーナが溶接固定され、他端にカラーが溶接固定された一体構造のベローズ組立体として構成されているベローズ型メカニカルシールにおいて、
    前記ベローズ、リテーナ及びカラーが溶接された後のベローズ組立体の全表面が、物理的蒸着法により生成された耐食被膜によって被覆されていることを特徴とするベローズ型メカニカルシール。
  2. 耐食被膜が耐食性を有する窒化金属系の材料によって構成されている請求項1に記載のべローズ型メカニカルシール。
  3. 耐食被膜の厚みが10μm以下である請求項1または2に記載のベローズ型メカニカルシール。
  4. シールリングを保持するリテーナの材料は、シールリングと熱膨張係数が近似しているかそれよりも低い材料である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のベローズ型メカニカルシール。
  5. シールリングがリテーナと遊離し、上記シールリングのリテーナ側端面とリテーナのシールリング側の端面が、互いに円周方向に摺動自在に密接する連結構造となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のベローズ型メカニカルシール。
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