JP2013002559A - 排気ターボ過給機のスラスト軸受装置 - Google Patents
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- F16C2360/23—Gas turbine engines
- F16C2360/24—Turbochargers
Abstract
【課題】タービン側スラストカラ−及びコンプレッサ側スラストカラーと、スラスト軸受との摺接面の接合部での摩擦抵抗及び磨耗の低減による耐久性向上、摩擦抵抗低減によるエンジン側排ガス出口の排圧を低減等を改善することを目的とする。
【解決手段】排気ターボ過給機の排気タービン1とコンプレッサ2との間に作用するスラスト荷重をタービン軸3に固定されたタービン側スラストカラー6及び、コンプレッサ側スラストカラー5を介して、2つのスラストカラー5,6に挟持され外周を固定されたスラスト軸受7で支承し、該スラスト軸受7は、2つのスラストカラー5,6とを摺接面にて摺接させた、排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、スラスト軸受7の両側面71、71と2つのスラストカラー5,6とがDLC皮膜処理層を介して夫々摺接し、該摺接する夫々の対向した面の少なくとも何れか一方にDLC皮膜処理が施されたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】排気ターボ過給機の排気タービン1とコンプレッサ2との間に作用するスラスト荷重をタービン軸3に固定されたタービン側スラストカラー6及び、コンプレッサ側スラストカラー5を介して、2つのスラストカラー5,6に挟持され外周を固定されたスラスト軸受7で支承し、該スラスト軸受7は、2つのスラストカラー5,6とを摺接面にて摺接させた、排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、スラスト軸受7の両側面71、71と2つのスラストカラー5,6とがDLC皮膜処理層を介して夫々摺接し、該摺接する夫々の対向した面の少なくとも何れか一方にDLC皮膜処理が施されたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの排気マニホールドから排出される排ガスにより駆動される排気ターボ過給機の排気タービンとコンプレッサとを連結するタービン軸に作用するスラスト荷重を、スラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機のスラスト軸受装置に関する。
図4は、一般的な排気ターボ過給機の主要部の軸線方向断面図である。
図4において、1は排気タービン、2はコンプレッサで該排気タービン1とコンプレッサ2とはタービン軸3にて一体的に結合されている。タービン軸3は中央よりの2箇所をジャーナル軸受4,4で過給機ボディー8に支承されている。
排気ターボ過給機においては、タービン軸3に排気タービン1の軸方向力とコンプレッサ2の軸方向力との差であるスラスト荷重Sが図の右方向(排気タービン1の方向)に向けて作用する
図4において、1は排気タービン、2はコンプレッサで該排気タービン1とコンプレッサ2とはタービン軸3にて一体的に結合されている。タービン軸3は中央よりの2箇所をジャーナル軸受4,4で過給機ボディー8に支承されている。
排気ターボ過給機においては、タービン軸3に排気タービン1の軸方向力とコンプレッサ2の軸方向力との差であるスラスト荷重Sが図の右方向(排気タービン1の方向)に向けて作用する
このスラスト荷重Sは、内周をタービン軸3に固定されたコンプレッサ側スラストカラー5と、内周をタービン軸3に固定されたタービン側スラストカラー6とで受圧し、このスラスト荷重Sを、前記2つのスラストカラー5,6に挟持され外周を過給機ボディー8に固定されたスラスト軸受7で支承している。
そして、該スラスト荷重Sは、コンプレッサ側スラストカラー5とスラスト軸受7との摺接面(半径方向面)、及びタービン側スラストカラー6とスラスト軸受7との摺接面にて受け、外周部を過給機ボディー8に固定されたスラスト軸受7で支承している。
L1はタービン軸3の中心である。
一般に、高速摺動部品では、銅合金と鋼の組合せで潤滑して使うことがよく知られている。排気ターボ過給機のような機械では、スラスト軸受に銅合金、スラストカラーに鋼を使用して高速の摺動を行っている場合がある。
そして、該スラスト荷重Sは、コンプレッサ側スラストカラー5とスラスト軸受7との摺接面(半径方向面)、及びタービン側スラストカラー6とスラスト軸受7との摺接面にて受け、外周部を過給機ボディー8に固定されたスラスト軸受7で支承している。
L1はタービン軸3の中心である。
一般に、高速摺動部品では、銅合金と鋼の組合せで潤滑して使うことがよく知られている。排気ターボ過給機のような機械では、スラスト軸受に銅合金、スラストカラーに鋼を使用して高速の摺動を行っている場合がある。
また、特開2004−250746号公報(特許文献1)にはスラスト軸受の摩擦係数の低減、磨耗しにくく、焼付き難い摺動部材を得るため、硬くて脆いダイヤモンドライクカーボン(以後「DLC皮膜」と略称記載する)膜と基材との密着性を良くするために、DLC皮膜と基材との間に形成する下地層の形成方法についての技術開示が成されている。
一方で、排気ターボ過給機の使用環境は、排ガス規制および高出力化に伴ってより高速回転が要求されるようになっており、それに伴いスラスト荷重Sが増加する傾向にある。
これにより、スラスト軸受7に掛かる荷重が増加して、スラスト軸受7の耐久性が低下する傾向にある。
また、排気ターボ過給機の排気圧力が高くなると、スラスト荷重が大きくなり、銅合金製の軸受を用いた例では強度的に成立しなくなる場合があり、鋼を適用される例もある。
このような条件では、スラストカラーと軸受が共に鋼材を用いることで同種材となるため、焼付きなどのリスクが生じやすくなる。
また、特許文献1は脆いDLC皮膜が基材から剥がれないようにするため、下地層の形成方法と、その下地層の硬度およびコーティングするDLC皮膜の膜厚及び、硬度についての比較試験の結果を開示したものであり、摺動部、特にスラスト軸受に対してどの部位にどの範囲にわたって、どの程度の硬度のDLC皮膜を形成することが製造コスト、性能上適切かまでは開示されていない。
これにより、スラスト軸受7に掛かる荷重が増加して、スラスト軸受7の耐久性が低下する傾向にある。
また、排気ターボ過給機の排気圧力が高くなると、スラスト荷重が大きくなり、銅合金製の軸受を用いた例では強度的に成立しなくなる場合があり、鋼を適用される例もある。
このような条件では、スラストカラーと軸受が共に鋼材を用いることで同種材となるため、焼付きなどのリスクが生じやすくなる。
また、特許文献1は脆いDLC皮膜が基材から剥がれないようにするため、下地層の形成方法と、その下地層の硬度およびコーティングするDLC皮膜の膜厚及び、硬度についての比較試験の結果を開示したものであり、摺動部、特にスラスト軸受に対してどの部位にどの範囲にわたって、どの程度の硬度のDLC皮膜を形成することが製造コスト、性能上適切かまでは開示されていない。
そこで、本発明はこのような不具合に鑑み成されたもので、タービン側スラストカラー及びコンプレッサ側スラストカラーの2つのスラストカラーに挟持され外周を過給機ボディー側に固定されたスラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、スラストカラーとスラスト軸受との摺接部分にDLC皮膜コーティングを施して摩擦抵抗及び摩耗の低減による耐久性向上、摩擦抵抗低減を図ると共に、生産性に優れた排気ターボ過給機のスラスト軸受装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、排気ターボ過給機の排気タービンとコンプレッサとを連結するタービン軸に作用するスラスト荷重を、内周をタービン軸に固定されたタービン側スラストカラー及び、コンプレッサ側スラストカラーを介して、前記2つのスラストカラーに挟持され外周を過給機ボディー側に固定されたスラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、
前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとの夫々の摺動部分はダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理層を介して摺接することを特徴とする。
前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとの夫々の摺動部分はダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理層を介して摺接することを特徴とする。
かかる発明において、DLC皮膜を高速回転(数十万rpm)で回転するタービン軸のスラスト軸受部に施したので、タービン軸の回転摩擦及び、摩耗の低減効果が得られ排気ターボ過給機の性能、耐久性及び、信頼性向上が得られる。
また、本願発明において好ましくは、前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の摺動部分において、対向する面の何れか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施されるとよい。
具体的には、前記スラスト軸受と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の面の前記スラスト軸受の両側面のみに前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施すとよい。
このような構成にすることにより、スラスト軸受の2つのスラストカラーとの摺接面にのみDLC皮膜処理を施しただけなので、製造工数、製造コスト低減効果を得ることができ、生産性が向上する。
このような構成にすることにより、スラスト軸受の2つのスラストカラーとの摺接面にのみDLC皮膜処理を施しただけなので、製造工数、製造コスト低減効果を得ることができ、生産性が向上する。
また、前記スラスト軸受と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の面の前記タービン側スラストカラー及び、前記コンプレッサ側スラストカラーの面のみに前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施すとよい。
このような構成にすることにより、タービン側スラストカラー及び、コンプレッサ側スラストカラーは、スラスト軸受より小さい部品なので、DLC皮膜処理時の一括処理数が多くすることが可能であり、生産性が向上すると共に、コスト低減が可能となる。
このような構成にすることにより、タービン側スラストカラー及び、コンプレッサ側スラストカラーは、スラスト軸受より小さい部品なので、DLC皮膜処理時の一括処理数が多くすることが可能であり、生産性が向上すると共に、コスト低減が可能となる。
また、本願発明において好ましくは、前記スラスト軸受又は前記2つのスラストカラーとのいずれか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施し、いずれか他方が鋼製の組合せからなり、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC皮膜)硬度HVはHV≦2500とするが、望ましくは1800≦HV≦2500とするとよい。
このようにDLC皮膜硬度HVをHV≦2500とすることで実用上よい効果が得られ、スラスト軸受と2つのスラストカラーとで優れた耐摩耗性効果が得られる。
また、DLC皮膜硬度HVを1800≦HV≦2500とすることで、DLC皮膜硬度HVが低い場合には、DLC皮膜自体の摩耗が生じて期待する効果が得られなく、また、硬度HVが高すぎると、相手側部材の摩耗が進むのを防止できる。
また、DLC皮膜硬度HVを1800≦HV≦2500とすることで、DLC皮膜硬度HVが低い場合には、DLC皮膜自体の摩耗が生じて期待する効果が得られなく、また、硬度HVが高すぎると、相手側部材の摩耗が進むのを防止できる。
また、本願発明において好ましくは、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)はWC(炭化タングステン)、Si(珪素)を含有した金属含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は、H2(水素)を含有した水素含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC)にするとよい。
このような構成にすることにより、炭化タングステン(WC)、珪素(Si)を含有した金属含有DLC皮膜又は、水素(H2)を含有した水素含有DLC皮膜は相手側接触面に対し、なじみ易い物性を有しているので、相手側の耐摩耗性を保持することができ、スラスト軸受装置としての耐久性向上が図れる。
また、本願発明において好ましくは、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)と、該ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施される基材との間に下地層が形成され、該下地層がクロム(Cr)、窒化クロム(CrN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、窒化鉄(FeN)、珪素(Si)及び、炭化シリコン(SiC)のうち少なくとも何れか1成分を含む下地材とするとよい。
このような構成にすることにより、DLC皮膜は物性が脆く密着性が弱いので、クロム(Cr)、窒化クロム(CrN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、窒化鉄(FeN)、珪素(Si)及び、炭化シリコン(SiC)等を単層もしくは複数層含んだ下地層を基材表面に生成させてDLC皮膜を施すことにより、基材とDLC皮膜との密着性がよくなり、スラスト軸受部の耐久性及び品質の信頼性を向上させることができる。また基材自体を窒化して下地材として用いても良い。
また、本願発明において好ましくは、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施した表面に表面粗さを減少させる仕上げ研磨を実施するとよい。
このような構成にすることにより、表面の仕上げ研磨により、表面の凸部を除くことができ、凸部による軸受装置各部材の磨耗増大を防止し、耐久性向上を図る。
本発明によれば、排気ターボ過給機の排気タービンとコンプレッサとを連結するタービン軸に作用するスラスト荷重を、内周をタービン軸に固定されたタービン側スラストカラー及び、コンプレッサ側スラストカラーを介して、前記2つのスラストカラーに挟持され外周を過給機ボディー側に固定されたスラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとの夫々の摺動部分はダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理層を介して摺接するようにしたので、高速回転(数十万rpm)で回転するタービン軸であっても、スラスト軸受けの摺動面の回転摩擦及び、摩耗の低減効果が得られ排気ターボ過給機の性能、耐久性及び、信頼性向上効果が得られる。
また、前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の摺動部分において、対向する面の何れか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施すことによって、製造工数、製造コスト低減効果を得ることができ、生産性を向上できる。
また、前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の摺動部分において、対向する面の何れか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施すことによって、製造工数、製造コスト低減効果を得ることができ、生産性を向上できる。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下、本発明の実施形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図4は本発明が適用される排気ターボ過給機の主要部の軸線方向断面図である。
図4において、1は排気タービン、2はコンプレッサで該排気タービン1とコンプレッサ2とはタービン軸3にて一体的に結合されている。タービン軸3は中央よりの2箇所をジャーナル軸受4,4で過給機ボディー8に支承されている。
排気ターボ過給機においては、タービン軸3に排気タービン1の軸方向力とコンプレッサ2の軸方向力との差であるスラスト荷重Sがタービン軸3の軸線L1に沿って図の右方向(排気タービン1の方向)に向けて作用する。
図4において、1は排気タービン、2はコンプレッサで該排気タービン1とコンプレッサ2とはタービン軸3にて一体的に結合されている。タービン軸3は中央よりの2箇所をジャーナル軸受4,4で過給機ボディー8に支承されている。
排気ターボ過給機においては、タービン軸3に排気タービン1の軸方向力とコンプレッサ2の軸方向力との差であるスラスト荷重Sがタービン軸3の軸線L1に沿って図の右方向(排気タービン1の方向)に向けて作用する。
このスラスト荷重Sは、内周をタービン軸3に強固に固定されたコンプレッサ側スラストカラー5と、内周をタービン軸3に強固に固定されたタービン側スレストカラー6にて受圧し、このスラスト荷重Sを、前記2つのスラストカラー5,6に挟持され外周を過給機ボディー8に固定されたスラスト軸受7で支承している。
そして、該スラスト荷重Sは、コンプレッサ側スラストカラー5の摺接面(半径方向面)5cとスラスト軸受7の摺接面(半径方向面)71、及びタービン側スラストカラー6の摺接面(半径方向面)6tとスラスト軸受7の摺接面(半径方向面)71にて過給機ボディー8で支承している。
そして、該スラスト荷重Sは、コンプレッサ側スラストカラー5の摺接面(半径方向面)5cとスラスト軸受7の摺接面(半径方向面)71、及びタービン側スラストカラー6の摺接面(半径方向面)6tとスラスト軸受7の摺接面(半径方向面)71にて過給機ボディー8で支承している。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるタービン側スラストカラー6及びコンプレッサ側スラストカラー5と、スラスト軸受7との接触部近傍の拡大断面図である。
図1において、スラスト軸受7は、該スラスト軸受7とコンプレッサ側スラストカラー5及び、タービン側スラストカラー6の摺接面と摺接させてスラスト荷重Sを支承するように構成されている。
図1において、スラスト軸受7は、該スラスト軸受7とコンプレッサ側スラストカラー5及び、タービン側スラストカラー6の摺接面と摺接させてスラスト荷重Sを支承するように構成されている。
タービン軸3は、コンプレッサ2と排気タービン1との中央よりの太い軸部32の2箇所をジャーナル軸受4,4で支承され、ジャーナル軸受4のコンプレッサ側で一段細くなった細い軸部31との接続部に段差部31を有している。
そして、コンプレッサ側スラストカラー5は、タービン軸3に外嵌した内周が、タービン軸3に強く固着した円筒部51と、該円筒部51の排気タービン1側端縁に半径方向に拡開したフランジ部52とで構成されたSUM43(硫黄快削鋼)にて成形されている。
該フランジ部52の排気タービン1側端面53の摺接面5cにはダイヤモンドライクカーボン(以後「DLC」と略称記載する)皮膜が施されている。
一方、タービン側スラストカラー6は、タービン軸3に内周が外嵌して、タービン軸3に強く固着した円筒部61と、該円筒部61の排気タービン側端縁に半径方向に拡開したフランジ部62とで構成されたSUM43(硫黄快削鋼)にて成形されている。
そして、フランジ部62はスラスト軸受7の段差部33に当接して、スラスト方向の位置決めとなっている。
また、フランジ部62のコンプレッサ2側端縁の摺接面(半径方向面)にはDLC皮膜6t施されている。
スラスト軸受7にはDLC皮膜のコーティング処理が施されていない状態の組合せになっている。
そして、スラスト軸受7は材料がSPCCにて形成され、コンプレッサ側スラストカラー5のフランジ部52とタービン側スラストカラー6のフランジ部62との間に位置し、タービン側スラストカラー6の円筒部61に外嵌した状態でタービン軸3を支承している。
そして、コンプレッサ側スラストカラー5は、タービン軸3に外嵌した内周が、タービン軸3に強く固着した円筒部51と、該円筒部51の排気タービン1側端縁に半径方向に拡開したフランジ部52とで構成されたSUM43(硫黄快削鋼)にて成形されている。
該フランジ部52の排気タービン1側端面53の摺接面5cにはダイヤモンドライクカーボン(以後「DLC」と略称記載する)皮膜が施されている。
一方、タービン側スラストカラー6は、タービン軸3に内周が外嵌して、タービン軸3に強く固着した円筒部61と、該円筒部61の排気タービン側端縁に半径方向に拡開したフランジ部62とで構成されたSUM43(硫黄快削鋼)にて成形されている。
そして、フランジ部62はスラスト軸受7の段差部33に当接して、スラスト方向の位置決めとなっている。
また、フランジ部62のコンプレッサ2側端縁の摺接面(半径方向面)にはDLC皮膜6t施されている。
スラスト軸受7にはDLC皮膜のコーティング処理が施されていない状態の組合せになっている。
そして、スラスト軸受7は材料がSPCCにて形成され、コンプレッサ側スラストカラー5のフランジ部52とタービン側スラストカラー6のフランジ部62との間に位置し、タービン側スラストカラー6の円筒部61に外嵌した状態でタービン軸3を支承している。
尚、使用されるDLCとしては、金属含有DLC(WC;炭化タングステンや、Si;珪素)、又は、水素含有DLCなどを使用すると良い。
また、DLC皮膜は硬く脆いため、基材との密着性をよくするために、基材とDLC皮膜の間に下地材としてクロム(Cr)、窒化クロム(CrN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、窒化鉄(FeN)、珪素(Si)及び、炭化シリコン(SiC)などを単層もしくは複数層組合せて用いるとよい。また基材自体を窒化して下地材として用いても良い。
DLC皮膜は、摺動性が優れる上、硬いため、摩擦及び摩耗の低減効果を得ることができる。
また、本実施形態では、DLC皮膜処理を板厚が厚く、形状の剛性が高い既述の2つのスラストカラー5、6に施すことにより、スラスト軸受7より小形状のため、DLC皮膜処理の1回の処理個数が多くコスト低減が可能となる。
更に、DLC皮膜の生膜処理方法には種々の方法があるが、生膜処理方法によっては成膜処理温度が200度近くになる場合がある。
従って、タービン側スラストカラー6及び、コンプレッサ側スラストカラー5は、スラスト軸受7に対し、円筒状部51,61夫々にフランジ部52、62が形成された構造を成し、剛性が高いので平板状のスラスト軸受7に比べて部品の熱による変形リスクが小さく品質が安定する効果が得られる。
また、DLC皮膜は硬く脆いため、基材との密着性をよくするために、基材とDLC皮膜の間に下地材としてクロム(Cr)、窒化クロム(CrN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、窒化鉄(FeN)、珪素(Si)及び、炭化シリコン(SiC)などを単層もしくは複数層組合せて用いるとよい。また基材自体を窒化して下地材として用いても良い。
DLC皮膜は、摺動性が優れる上、硬いため、摩擦及び摩耗の低減効果を得ることができる。
また、本実施形態では、DLC皮膜処理を板厚が厚く、形状の剛性が高い既述の2つのスラストカラー5、6に施すことにより、スラスト軸受7より小形状のため、DLC皮膜処理の1回の処理個数が多くコスト低減が可能となる。
更に、DLC皮膜の生膜処理方法には種々の方法があるが、生膜処理方法によっては成膜処理温度が200度近くになる場合がある。
従って、タービン側スラストカラー6及び、コンプレッサ側スラストカラー5は、スラスト軸受7に対し、円筒状部51,61夫々にフランジ部52、62が形成された構造を成し、剛性が高いので平板状のスラスト軸受7に比べて部品の熱による変形リスクが小さく品質が安定する効果が得られる。
図3(A)は本発明の実施形態にかかるDLC皮膜の硬度と摩耗量との関係の試験条件、(B)は現行との試験結果を示す。
試験条件として、DLC皮膜を施した組合せは、図1に示す構造と同じで、コンプレッサ側スラストカラー5のスラスト軸受7と摺接する摺接面53にはDLC皮膜処理5cが施されている。
一方、タービン側スラストカラー6のスラスト軸受7と摺接する摺接面63にも同様のDLC皮膜処理6tが施されている。
鋼製のスラスト軸受7にはDLC皮膜処理が施されていない状態で実施されている。
そして、スラスト軸受7の材質(基材)は、現(従来品)が鉛青銅バイメタルに対し、新(発明品)はSPCC、コンプレッサ側スラストカラー5及び、タービン側スラストカラー6は新現共にSUM43(硫黄快削鋼)である。
DLC皮膜の種類として、サンプルAは皮膜硬度1800HV、サンプルBは皮膜硬度2500HV、サンプルCは皮膜硬度1500HVの3種類を実施した。
摩耗試験条件としては、
1、すべり速度:10m/s〜150m/s
2、接触面圧:0.5〜10MPa、 にて実施した。
試験条件として、DLC皮膜を施した組合せは、図1に示す構造と同じで、コンプレッサ側スラストカラー5のスラスト軸受7と摺接する摺接面53にはDLC皮膜処理5cが施されている。
一方、タービン側スラストカラー6のスラスト軸受7と摺接する摺接面63にも同様のDLC皮膜処理6tが施されている。
鋼製のスラスト軸受7にはDLC皮膜処理が施されていない状態で実施されている。
そして、スラスト軸受7の材質(基材)は、現(従来品)が鉛青銅バイメタルに対し、新(発明品)はSPCC、コンプレッサ側スラストカラー5及び、タービン側スラストカラー6は新現共にSUM43(硫黄快削鋼)である。
DLC皮膜の種類として、サンプルAは皮膜硬度1800HV、サンプルBは皮膜硬度2500HV、サンプルCは皮膜硬度1500HVの3種類を実施した。
摩耗試験条件としては、
1、すべり速度:10m/s〜150m/s
2、接触面圧:0.5〜10MPa、 にて実施した。
試験結果は、横軸に各サンプルで、現行のDLC皮膜なし、Aサンプル、Bサンプル及びCサンプルの順に表示してある。
縦軸に、現行を100(基準)として、現行に対する摩耗比率を棒グラフにて表示してある。
結果として、サンプルA皮膜硬度1800HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約30%、スラストカラー5,6が20%になっている。
サンプルB皮膜硬度2500HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約80%、スラストカラー5,6が10%になっている。
サンプルC皮膜硬度1500HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約140%、スラストカラー5,6が270%になっている。
縦軸に、現行を100(基準)として、現行に対する摩耗比率を棒グラフにて表示してある。
結果として、サンプルA皮膜硬度1800HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約30%、スラストカラー5,6が20%になっている。
サンプルB皮膜硬度2500HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約80%、スラストカラー5,6が10%になっている。
サンプルC皮膜硬度1500HVの場合の摩耗量は、現行に対してスラスト軸受7が約140%、スラストカラー5,6が270%になっている。
これらの結果から、DLC皮膜硬度が低いサンプルC場合は、DLC皮膜側(スラストカラー側)が大きく磨耗し、それにつれてスラスト軸受7も現行よりも大きく摩耗しておりDLC皮膜硬度が1500HVでは実用性なしと判断できる。
更に、サンプルAのDLC皮膜硬度が1800HVの場合にはDLC皮膜側(スラストカラー側)及び、スラスト軸受(DLC皮膜なし)共に同程度の磨耗量となっており、現状品に比べ3〜5倍近い耐摩耗性を有することが判明した。
一方、DLC皮膜硬度2500HVの高いサンプルBの場合は、DLC皮膜側(スラストカラー側)によってスラスト軸受(DLC皮膜なし)を摩耗させ、スラストカラー側はほとんど磨耗量が無い状態になっている。
従って、摺接する相手側にDLC皮膜が施されていない(一側はDLC皮膜処理が施され、他側は鋼製の組合せ)場合には、2500HVが実用上上限と判断する。
結果として、図3(A)に示したように、現状に対し、サンプルA、Bは○、サンプルCは×となり、摺接する一側はDLC皮膜処理が施され、他側は鋼製の組合せの場合には、DLC皮膜硬度が1800HV〜2500HVにおいて使用することが効果的な耐久性向上、駆動抵抗低減等が得られる。
本実施形態では、排気ターボ過給機のスラスト軸受7の基材を鋼にして、スラストカラー部材をSUM材(硫黄快削鋼)にDLC皮膜処理を行うことにより、排気ターボ過給機の圧力が大きくなるときにも強度的に成立し、潤滑油の供給が不十分になった際の摩擦低減及び、焼付き防止の効果を得ることができる。
更に、サンプルAのDLC皮膜硬度が1800HVの場合にはDLC皮膜側(スラストカラー側)及び、スラスト軸受(DLC皮膜なし)共に同程度の磨耗量となっており、現状品に比べ3〜5倍近い耐摩耗性を有することが判明した。
一方、DLC皮膜硬度2500HVの高いサンプルBの場合は、DLC皮膜側(スラストカラー側)によってスラスト軸受(DLC皮膜なし)を摩耗させ、スラストカラー側はほとんど磨耗量が無い状態になっている。
従って、摺接する相手側にDLC皮膜が施されていない(一側はDLC皮膜処理が施され、他側は鋼製の組合せ)場合には、2500HVが実用上上限と判断する。
結果として、図3(A)に示したように、現状に対し、サンプルA、Bは○、サンプルCは×となり、摺接する一側はDLC皮膜処理が施され、他側は鋼製の組合せの場合には、DLC皮膜硬度が1800HV〜2500HVにおいて使用することが効果的な耐久性向上、駆動抵抗低減等が得られる。
本実施形態では、排気ターボ過給機のスラスト軸受7の基材を鋼にして、スラストカラー部材をSUM材(硫黄快削鋼)にDLC皮膜処理を行うことにより、排気ターボ過給機の圧力が大きくなるときにも強度的に成立し、潤滑油の供給が不十分になった際の摩擦低減及び、焼付き防止の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態にかかるタービン側スラストカラー11及びコンプレッサ側スラストカラー10と、スラスト軸12との接触部近傍の拡大断面図である。
図2に基づいて、第2実施形態を説明する。
尚、第1実施形態と同じ形状、作用をする部品については、同じ符号を付して、説明を省略する。
図2は本発明の第2実施形態にかかるタービン側スラストカラー11及びコンプレッサ側スラストカラー10と、スラスト軸12との接触部近傍の拡大断面図である。
図2に基づいて、第2実施形態を説明する。
尚、第1実施形態と同じ形状、作用をする部品については、同じ符号を付して、説明を省略する。
図2において、スラスト軸受12は、該スラスト軸受12とコンプレッサ側スラストカラー10及び、タービン側スラストカラー11と半径方向に摺接させてスラスト荷重Sを支承するように構成されている。
そして、スラスト軸受12、コンプレッサ側スラストカラー10及び、タービン側スラストカラー11は、第1実施形態に対しDLC皮膜処理を施した箇所のみが異なる以外は同一形状である。
従って、スラスト軸受12、コンプレッサ側スラストカラー10及び、タービン側スラストカラー11の形状説明は省略する。
そして、スラスト軸受12、コンプレッサ側スラストカラー10及び、タービン側スラストカラー11は、第1実施形態に対しDLC皮膜処理を施した箇所のみが異なる以外は同一形状である。
従って、スラスト軸受12、コンプレッサ側スラストカラー10及び、タービン側スラストカラー11の形状説明は省略する。
また、スラスト軸受12のコンプレッサ側スラストカラー10と摺接する摺接面121にはDLC皮膜12cの処理が施されている。
一方、スラスト軸受12のタービン側スラストカラー11と摺接する摺接面122にも同様のDLC皮膜12tの処理が施されている。
そして、コンプレッサ側スラストカラー10のスラスト軸受12と摺接する摺接面101及び、タービン側スラストカラー11のスラスト軸受12と摺接する摺接面111にはDLC皮膜処理が施されていない状態の組合せになっている。
DLCの金属含有DLC、水素含有DLC及びDLC皮膜と基材との間に形成される下地材も第1実施形態と同じである。
但し、この場合、コンプレッサ側スラストカラー10、タービン側スラストカラー11及びスラスト軸受12の基材は鋼製となる。
一方、スラスト軸受12のタービン側スラストカラー11と摺接する摺接面122にも同様のDLC皮膜12tの処理が施されている。
そして、コンプレッサ側スラストカラー10のスラスト軸受12と摺接する摺接面101及び、タービン側スラストカラー11のスラスト軸受12と摺接する摺接面111にはDLC皮膜処理が施されていない状態の組合せになっている。
DLCの金属含有DLC、水素含有DLC及びDLC皮膜と基材との間に形成される下地材も第1実施形態と同じである。
但し、この場合、コンプレッサ側スラストカラー10、タービン側スラストカラー11及びスラスト軸受12の基材は鋼製となる。
上述の通り、第2実施形態は第1実施形態に対して、スラスト軸受装置摺動部の対向する面に施されるDLC皮膜が2つのスラストカラー10,11からスラスト軸受12側に変わっているが、摺接する対向した2つの面の一方がDLC皮膜で、他方が鋼製の関係は、前記第1実施形態と同じ状態(組合せ)になっている。
従って、試験結果も図2に同じとなるので、効果の説明は省略する。
第2実施形態の場合、スラスト軸受12と2つのスラストカラー10,11との摺接面のうち、スラスト軸受12の両側の摺接面(半径方向面)121、122にのみDLC皮膜処理を施しただけなので、部品管理上のコスト低減効果を得ることができる。
従って、試験結果も図2に同じとなるので、効果の説明は省略する。
第2実施形態の場合、スラスト軸受12と2つのスラストカラー10,11との摺接面のうち、スラスト軸受12の両側の摺接面(半径方向面)121、122にのみDLC皮膜処理を施しただけなので、部品管理上のコスト低減効果を得ることができる。
さらに、第1及び第2実施形態において、DLC皮膜施し部表面を仕上げ研磨であるバフ研磨を施すと、DLC皮膜表面の凸部を除くことができるので、凸部による軸受装置各部材の摩耗増大を防止し、更なる耐久性向上が図れる。
尚、本実施形態では、摺接する対向した2つの面の一方がDLC皮膜処理を施し、他方が鋼製の関係について説明したが、摺接する対抗した2つの面両方にDLC皮膜処理を施してもよい。
本願では、コスト上昇を抑え、排気ターボ過給機のスラスト軸受装置として実用上の耐久性能を得たので、本願実施形態のみを開示した。
尚、本実施形態では、摺接する対向した2つの面の一方がDLC皮膜処理を施し、他方が鋼製の関係について説明したが、摺接する対抗した2つの面両方にDLC皮膜処理を施してもよい。
本願では、コスト上昇を抑え、排気ターボ過給機のスラスト軸受装置として実用上の耐久性能を得たので、本願実施形態のみを開示した。
エンジンの排気マニホールドから排出される排ガスにより駆動される排気ターボ過給機の排気タービンとコンプレッサとの間に作用するスラスト荷重を、スラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機に適用できる。
1 排気タービン
2 コンプレッサ
3 タービン軸
5、10 コンプレッサ側スラストカラー
6、11 タービン側スラストカラー
7、12 スラスト軸受
8 過給機ボディー
2 コンプレッサ
3 タービン軸
5、10 コンプレッサ側スラストカラー
6、11 タービン側スラストカラー
7、12 スラスト軸受
8 過給機ボディー
Claims (9)
- 排気ターボ過給機の排気タービンとコンプレッサとを連結するタービン軸に作用するスラスト荷重を、内周をタービン軸に固定されたタービン側スラストカラー及び、コンプレッサ側スラストカラーを介して、前記2つのスラストカラーに挟持され外周を過給機ボディー側に固定されたスラスト軸受で支承するように構成された排気ターボ過給機のスラスト軸受装置において、
前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとの夫々の摺動部分はダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理層を介して摺接することを特徴とする排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。 - 前記スラスト軸受の両側面と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の摺動部分において、対向する面の何れか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施されたことを特徴とする請求項1記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記スラスト軸受と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の面の前記スラスト軸受側の両側面のみに前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施したことを特徴とする請求項2記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記スラスト軸受と前記2つのスラストカラーとが摺接する夫々の面の前記タービン側スラストカラー及び、前記コンプレッサ側スラストカラーの面のみに前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施したことを特徴とする請求項2記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記スラスト軸受又は前記2つのスラストカラーとのいずれか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施し、いずれか他方が鋼製の組合せからなり、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)硬度HVはHV≦2500としたことを特徴とする請求項2乃至4記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記スラスト軸受又は前記2つのスラストカラーとのいずれか一方に前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施し、いずれか他方が鋼製の組合せからなり、前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)硬度HVは1800≦HV≦2500としたことを特徴とする請求項2乃至4記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)はWC(炭化タングステン)、Si(珪素)を含有した金属含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は、H2(水素)を含有した水素含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC)であることを特徴とする請求項1乃至5記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)と、該ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理が施される基材との間に下地層が形成され、該下地層がクロム(Cr)、窒化クロム(CrN)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、または珪素(Si)のうち少なくとも何れか1成分を含む下地材としたことを特徴とする請求項1乃至6記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理を施した表面に表面粗さを減少させる仕上げ研磨を実施することを特徴とする請求項1乃至7記載の排気ターボ過給機のスラスト軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011134364A JP2013002559A (ja) | 2011-06-16 | 2011-06-16 | 排気ターボ過給機のスラスト軸受装置 |
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JP2011134364A Withdrawn JP2013002559A (ja) | 2011-06-16 | 2011-06-16 | 排気ターボ過給機のスラスト軸受装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-06-16 JP JP2011134364A patent/JP2013002559A/ja not_active Withdrawn
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