JPWO2010113849A1 - 紙容器用原紙及びこれを用いた紙容器用積層シート - Google Patents

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Abstract

加工適性、耐断面浸透性を有すると共に、良好な印刷適性を有する熱可塑性樹脂を積層した紙容器形成用原紙を得るために、最も外側に位置する紙層である外層と前記外層以外の紙層である内層とからなる多層抄きされた紙容器用原紙であって、パルプ原料中に針葉樹クラフトパルプを40質量%以上含む前記外層とパルプ原料中に針葉樹クラフトパルプを30質量%以下含む前記内層を備えた紙容器用原紙。

Description

本発明は、紙容器成型用の紙製シートに関する。特に、多層抄きにて得られる紙容器用原紙、及び、前記紙容器用原紙に熱可塑性樹脂層を積層してなる紙容器用積層シートに関する。
代表的な紙容器は、紙の表面へ印刷を行う等した後、必要な形状に打抜かれ、折り成形加工されて完成する。
内容物が飲料や水や油などの液体を含有する食品の場合は、紙容器に耐水性、耐油性などが必要とされるため、原紙の表裏にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層した積層シートを用い、成形加工する方法が一般的である。この場合、熱可塑性樹脂をシーラーとして用いて熱溶融させて貼り合わせて完成する。
上記の積層シートにより製造された紙容器は、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂層により表面には、耐水性、耐油性などが付与されている。しかし、貼り合わせ部においては、原紙の断面が内容物に曝露されるため、内容物中の液体が積層シートの断面から原紙に浸透するおそれがある。特に内容物が水を多く含有する場合、この現象は顕著である。さらに、果汁やヨーグルト、寿司に代表される酸性水溶液を含有する飲料・食品では、原紙断面からの溶液の浸透が促進され、内容物中の液体が漏れたり容器の破損が生じたりする事がある。
これを解決する手段として、貼り合わせ部において原紙を折り返す方法や断面を覆うようにテープを貼る方法で積層シートの断面部と液体が接触することを防止することが提案されている。しかしながら、加工工程数が増加し、コストアップとなる。
さらに、紙容器は折り曲げ加工されるため、折り部の最表層に圧縮、引張などの応力が集中して樹脂層が破壊される問題が発生することがある。また、紙容器は、内容物を充填した後、外部から落下等の衝撃が加えられると、折り部から樹脂層が破壊される場合がある。樹脂層が破壊されると、そこから内容物の漏れが生じたり、容器外部から細菌などが浸入し、内容物の腐敗が生じたりするなど、紙容器として致命的な問題が発生する。このため、紙容器は折り曲げ加工適性や落下衝撃耐性等の加工適性を有することが重要である。
一方、紙容器用原紙においては、原紙中への異物混入防止、及び、容器の変色対策のため、古紙パルプではなくバージンパルプの使用が好ましいとされている。紙容器用原紙には、通常化学パルプ(特に針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP))が用いられる。繊維強度の強いNBKPを主体とする配合した紙原紙は、原紙表面の平滑性が低下し、熱可塑性樹脂層表面へ印刷は鮮明性が低下する傾向があり、特に、ベタ部の均一性が低下して印刷された画像の鮮明性が低下する。このため、意匠性に富んだ高精細な画像の印刷が困難となり、飲料などの容器としては価値が低下する。
一方、LBKPを主体とする配合においては、原紙表面の平滑性が向上し、高精細の画像の印刷に好適であるが、繊維強度が弱く紙容器に必要な加工適性を得る事が困難となる。
一方、多層抄きは、各種の抄造装置によって低坪量のシートを調製し、これを数段重ねてプレスし乾燥し高坪量の紙を製造する方法であり、高坪量の紙を抄紙する場合、乾燥時の負荷が小さく、単層抄きより抄造速度を速く出来るなど生産性の観点から有利である。しかし、多層抄きの紙を前述した紙容器の原紙に用いた場合、紙層間強度が単層抄きより低下するため、成形加工時の紙層間剥離が課題となる。
板紙の紙層間強度対策については、特定のパルプもしくは特定の紙層間接着剤を使用することにより板紙の紙層間剥離強度を向上させる方法が一般的である。例えば、特許文献1では、多層抄きの板紙の少なくとも一層中にバクテリアセルロースを含有させることによって紙層間剥離強度を向上させる方法が提案されている。また、特許文献2では、紙層間接着剤として熱硬化性水溶性樹脂を塗布する方法、特許文献3では、アニオン性基、カチオン性基を含む2種以上の澱粉を含有する紙層間接着剤を使用する方法を提案している。更に、特許文献4では、板紙の全層に対して、特定量の硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミド系乾燥紙力剤、炭酸カルシウムもしくは炭酸水素ナトリウム、及びポリアミドエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を配合することにより、多層抄きの紙層間剥離問題の解決と耐酸性を両立可能としている。
特開平9−137400号公報 特開平6−101200号公報 特開平5−230792号公報 特開2006−219775号公報
しかしながら、特許文献1の方法においては、バクテリアセルロースを含有した特定のパルプを使用することは作業性の面で効率が悪く、コストアップとなる欠点がある。特許文献2、特許文献3の方法においては、コストアップとなる上、原紙中に耐酸性を付与するための内添サイズ剤を添加する場合、紙層間接着剤とパルプ繊維の結合性が悪くなり、期待通りの向上効果が得られない。特許文献4の方法においては紙容器に必要な加工適性が得られず、折り部の樹脂層の破壊や、外部から落下等の衝撃が加えられた時の樹脂層の破壊が生じる。
特に酸性水溶液を含有する飲料や食品用に使用するため、積層シートの原紙中に耐酸性を付与するための内添サイズ剤を添加すると強度が低下した。
従って、本発明は、多層抄き板紙を原紙とし、その表面に合成樹脂層を形成した積層シートにおいて、充分な曲げ加工耐性、落下衝撃耐性、を有し、望ましくは良好な印刷適性、内容物が果汁やヨーグルト、寿司などの酸性水溶液を含有する飲料や食品である場合に、原紙断面からの溶液の浸透を抑えることができる高い耐断面浸透性を有する、紙容器用積層シート及びその原紙を提供することである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂層を紙容器用原紙の表面に設けて形成される紙容器用積層シートに用いる紙容器用原紙であって、
該紙容器用原紙は、多層抄き手段を用いて外層と内層が形成された複数層からなる多層構造であり、
前記外層は全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が40質量%以上であり、前記内層は全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が30質量%以下であることを特徴とする紙容器用原紙である。
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の紙容器用原紙に係る発明にあって、原料パルプは、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプが配合されて構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は請求項1又は2に記載の紙容器用原紙に係る発明にあって、紙容器原紙中の全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が50質量%以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれかに記載の紙容器原紙に係る発明にあって、内添乾燥紙力増強剤として分子量が600万未満であるポリアクリルアミドを内層中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部以下含有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3または4に記載の紙容器原紙に係る発明にあって、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを紙容器用原紙中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.15質量部以上0.80質量部未満含有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された紙容器用原紙の両面に熱可塑性樹脂層を積層してなる紙容器用積層シートである。
本発明の紙容器用原紙は、成形加工での折り曲げ工程で折り部の内層が先に破壊され、折り部の最表層に圧縮、引張などの応力が集中することを緩和し、樹脂層の破壊を抑制することができ、内容物を充填した後、外部から落下等の衝撃が加えられたことによって生じる、樹脂層の破壊を抑制することができる。すなわち、表裏それぞれの外層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を40質量%以上、かつ、全ての内層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を30質量%以下とすることで、成形加工での折り曲げ工程で折り部の内層が先に破壊され、折り部の最表層に圧縮、引張などの応力が集中することを緩和し、樹脂層の破壊を抑制する。また、表裏それぞれの外層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を40質量%以上とすることで、内容物を充填した後、外部から落下等の衝撃が加えられたことによって生じる、樹脂層の破壊を抑制する。
なお、本発明においては、外層中の全原料パルプ中のNKP配合率を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上とすることで、成形加工時の折り曲げによる樹脂層の破壊及び衝撃が加えられたことによる樹脂層の破壊を効果的に抑制する。


本発明に係る紙容器用原紙に熱可塑性合成樹脂層を設けた紙容器用積層シートは、前記原紙が多層抄きで製造された紙であっても優れた加工適性を示し、さらには高精細の画像の印刷に好適な印刷適性と、高い耐断面浸透性を発揮する。
また、本発明に係る紙容器用原紙を入手した者は、適宜の熱可塑性合成樹脂を選択して、表面層を形成した紙容器用積層シートに加工することができる。さらに、この積層シートに、容器毎の印刷を施し、トリミングし、折り曲げ加工などを施して、紙容器を製造することができる。
以下、本発明に係る紙容器用原紙を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る紙容器用原紙は、多層抄きにより製造された多層構成の原紙である。最も外側に位置する紙層である外層中の全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が40質量%以上であり、かつ、外層以外の紙層である内層中の全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が30質量%以下であることの条件を満たすものとしている。なお、内層が複数設けられる場合は、複数ある内層それぞれが前述する条件を満たす。原料パルプとして、針葉樹漂白クラフトパルプ及び広葉樹漂白クラフトパルプが衛生面や変色防止の観点から主として用いられる。しかし、技術的には、これらのパルプに制限される必要はない。
<パルプについて>
上記した本発明の紙容器用原紙は、以下に詳述するように、木材パルプとサイズ剤、乾燥紙力増強剤などを主体とした製紙原料を、多層抄きすることにより製造されるものであって、多層抄きとすることにより、高い耐断面浸透性を有すると共に、単層抄きより抄造速度を速く出来るなど生産性が良好となる。
本発明における多層抄きとは、各種の抄造装置によって低坪量のシートを調製し、これを数段重ねてプレスし、乾燥する抄紙方法であり、各単層の調製方法は特に限定されるものではない。長網抄造、ツインワイヤー抄造、円網抄造など、各種抄造装置が適宜使用可能であるが、生産性が良好であるため、長網抄造及びツインワイヤー抄造が好ましい。
本発明の紙容器用原紙の各層に用いられる原料パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)を必須として含有する。針葉樹クラフトパルプ(NKP)としては、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹半漂白クラフトパルプ(NSBKP)等がある。また、本発明において、広葉樹クラフトパルプ(LKP)を併用することがコストダウンにつながるため好ましい。広葉樹クラフトパルプ(LKP)としては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹半漂白クラフトパルプ(LSBKP)等がある。なお、本発明においては、他の木材パルプ、例えば広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の亜硫酸パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、または離解・脱墨・漂白古紙パルプ等の古紙パルプ、あるいは、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造された非木材パルプ等の公知の種々のパルプを本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。
なお、本発明の紙容器を食品包装用に用いる場合は、衛生上の観点から針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)や広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)等の漂白パルプを用いることが好ましい。
<熱可塑性樹脂層の破壊耐性について>
本発明の紙容器用原紙は、表面にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層して紙容器用積層シートとし、紙容器に成形されるが、成形加工時に積層した樹脂層の破壊が発生しないことが必要である。また、内容物を充填した後、外部から落下等の実用範囲の衝撃が加えられても、前述の樹脂層が破壊されないことが必要である。
本発明の紙容器用原紙は、表裏それぞれの外層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を40質量%以上、かつ、全ての内層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を30質量%以下とすることで、成形加工での折り曲げ工程で折り部の内層が先に破壊され、折り部の最表層に圧縮、引張などの応力が集中することを緩和し、樹脂層の破壊を抑制する。また、表裏それぞれの外層において紙層中の全原料パルプ中のNKP配合率を40質量%以上とすることで、内容物を充填した後、外部から落下等の衝撃が加えられたことによって生じる、樹脂層の破壊を抑制する。
なお、本発明においては、外層中の全原料パルプ中のNKP配合率を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上とすることで、成形加工時の折り曲げによる樹脂層の破壊及び衝撃が加えられたことによる樹脂層の破壊を効果的に抑制する。
<印刷適性>
本発明の紙容器用原紙においては、繊維強度の強いNKPを多く配合することで、上記加工適性を得ることは容易となるが、原紙表面の平滑性が低下し、原紙上に熱可塑性樹脂を積層した後、表面へ印刷を行う際に、特にベタ部の均一性が低下して印刷された画像の鮮明性が低下する。そのため、意匠性に富んだ高精細な画像の印刷には不向きである。外層中の全原料パルプ中のNKP配合率を40質量%以上、かつ、内層中の全原料パルプ中のNKP配合率を30質量%以下とすることで、上記加工適性を得ると共に、高精細の画像の印刷に好適な、良好な印刷適性を有することを可能とする。
これは、NKPより柔らかく平滑性の得られやすいLKPを内層に多く配合することで、多層抄きにおいて各単層を重ね合わせ、プレスする際に、内層中のLKPがクッション作用を持ち外層中のNKPの平滑性の低さを緩和する。これにより原紙表面の平滑性が低下することを抑制し、原紙上に熱可塑性樹脂を積層した後の印刷適性が良好となるものと考えられる。なお、内層が複数設けられる場合は、複数ある内層それぞれが前述する条件を満たす必要がある。さらに、紙容器用原紙中の全原料パルプ中のNKP配合率を50質量%以下とすることで、良好な印刷適性を得ることがより容易となり好ましい。
<パルプの叩解度>
また、前述した原料パルプ中のNKPのカナダ標準濾水度(CSF)は、450ml以上600ml以下、かつLKPのCSFは400ml以上550ml以下であることが好ましい。原料パルプの叩解を進めCSFを低くすると、繊維間結合が高くなり、紙容器用原紙として必要な紙力が得られやすい。しかし、NKPのCSFが450ml未満、あるいはLKPのCSFが400ml未満であると、繊維間結合が高くなりすぎ、成形加工での折り曲げ工程で、圧縮、引張などの応力が折り部の最表層に集中して、樹脂層が破壊され易くなるため、逆に加工適性は低下する。また、NKPのCSFが600mlを超える、あるいはLKPのCSFが550mlを超えると、繊維間結合が低くなりすぎ、外部から落下等の衝撃が加えられると、樹脂層が破壊されやすくなる。さらに、後述の通り紙層構造が粗くなるため、本発明が目標としている耐断面浸透性を得ることが困難となる。
本発明においては、原料パルプ中のNKPのCSF、及びLKPのCSFを上述の範囲にすることにより、繊維間結合が適度に調整され、前述の通り紙容器用原紙として必要な紙力が得られ、成形加工での折り曲げ工程で樹脂層の破壊の発生が抑えられると共に、内容物を充填した後、外部から落下等の実用範囲の衝撃が加えられても、樹脂層の破壊を抑制することが容易となる。また、本発明が目標としている耐断面浸透性を得ることが容易となるため好ましい。
<内添乾燥紙力増強剤>
また、本発明の紙容器用原紙においては、折り曲げ応力集中により発生する歪みを脆弱な内層で吸収して、フィルム側に顕在化しないようにするため、内層はできるだけ強度が低い方が好ましいが、製造するうえで、ある程度の強度は必要となる。このため、内層には内添乾燥紙力増強剤として、分子量が600万未満、好ましくは分子量が10万〜400万であるポリアクリルアミドを、内層中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部以下含有することが好ましい。ポリアクリルアミドの例としては、アニオン性、カチオン性、及び部分カチオン性変性による両性化したものなどが挙げられる。内添乾燥紙力増強剤として、分子量が600万未満のポリアクリルアミドを配合することにより、繊維間結合が高くなり、紙容器用原紙として必要な紙力が得られやすい。しかし、繊維間結合が高すぎると、成形加工での折り曲げ工程で、圧縮、引張などの応力が折り部の最表層に集中して、樹脂層が破壊され易くなるため、逆に加工適性は低下する。
全ての内層において前記ポリアクリルアミドの含有量を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部以下とすることで、内層中の繊維間結合を適度に調整することが可能となり、成形加工での折り曲げ工程で折り部の内層が先に破壊され、折り部最表層に圧縮、引張などの応力が集中することを緩和し、樹脂層の破壊を抑制することが容易となる。
内添乾燥紙力増強剤として、カチオン化澱粉、両性澱粉、酸化澱粉などの澱粉系を用いた場合でも、繊維間結合を適度に調整する事により、ポリアクリルアミドと同様の効果が得られるが、適度に調整することが容易であるポリアクリルアミドを含有させることが好ましい。
<耐断面浸透>
本発明の紙容器用原紙は、高い耐断面浸透性が必要である。具体的には、原紙に厚さ30μmの低密度ポリエチレンを両面に貼合した、1辺の長さが10.0cmの正方形とした試験片において、23℃、pH4に調整した有機酸水溶液に5時間浸漬した際の質量増加率が、5.0質量%未満であることが必須である。ヒートシール接着部分の水の浸透距離が2.0mmを越えると重大なクレーム対象になることから、上述の試験において耐断面浸透性の本来の目標は、標準液の浸透距離を2.0mm未満とすることである。
しかしながら、浸透距離は部分的にばらつきがあり客観的評価が困難であるため、標準液の浸透に伴う試験片の質量変化から本発明の耐断面浸透性の目標値を設定する。原紙の密度を0.75g/cm3、原紙の水浸透時の膨潤率を20%と仮定すると、標準液の浸透の許容範囲を2.0mm未満とするためには、標準液の浸透による質量増加率を5.0質量%未満にすることが導き出される。また、測定条件としては、23℃の条件で5時間、試験片を浸漬し、質量増加率を測定する。前述の標準液としては、酸性食品に相当するpH4に調整した濃度1.0質量%のクエン酸水溶液を使用する。
また、本発明の紙容器用原紙は、高い耐断面浸透性が必要であるが、液体の浸透を抑えるためには、浸透可能な細孔径を小さくする、連続細孔容積を小さくする、紙基材の撥水性を高くするなどの対策が有効である。細孔径を小さくすること、あるいは連続細孔容積を小さくすることに関しては、原料パルプの濾水度が大きな支配因子となる。この点からも、本発明においては、原料パルプ中のNKPのCSFを600ml以下とし、かつLKPのCSFを550ml以下とすることが好ましい。NKPのCSFが600mlを超える、またはLKPのCSFが550mlを超える場合は、紙層構造が粗くなるため、本発明が目標としている耐断面浸透性を得ることが困難となる。
<耐断面浸透性向上用内添サイズ剤>
また、本発明の紙容器用原紙は、内添サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを紙容器用原紙中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.15質量部以上0.80質量部未満含有することが好ましい。アルキルケテンダイマーを0.15質量部以上含有することにより、前述の耐断面浸透性は良好となる。アルキルケテンダイマーの添加量が多くなるほど耐断面浸透性は良好となるが、0.80質量部以上添加しても耐断面浸透性の向上は頭打ちであり、経済的に無意味である。
内添サイズ剤としてロジンサイズを用いた場合、水溶液のpHが低い条件下ではサイズ性が低下するため、酸性水溶液に対してはサイズ効果が小さくなり、耐断面浸透性は劣る。一方、アルキルケテンダイマーは水溶液のpHが低い条件下でも十分な撥水性を示すため、酸性水溶液に対しても高度なサイズ性が期待できるため好ましい。アルキルケテンダイマー等の内添サイズ剤は、本発明の紙容器用原紙を構成する紙層のいずれの層にも含有できるが、全ての紙層に含有されることが好ましい。
さらに、カチオン化澱粉、両性澱粉、酸化澱粉などの澱粉、及び/または硫酸バンドを添加すると、アルキルケテンダイマーのパルプへの定着を向上させる効果があり、耐断面浸透性が良好となるので好ましい。
<坪量(密度)>
また、本発明の紙容器用原紙は、坪量が170g/m2以上350g/m2未満であることが好ましい。紙容器用原紙は、その用途上紙力と剛度が必要であり、坪量は170g/m2以上であることが好ましい。坪量を大きくすると紙力が高くなり、外部から落下等の衝撃が加えられても、樹脂層が破壊されにくくなる。一方、坪量を大きくすると成形加工での折り曲げ工程で原紙の厚さの分だけ折り部外側の半径が大きくなるため、樹脂層に加わる応力が大きくなり、折り曲げにより樹脂層が破壊されやすくなる。本発明の紙容器用原紙として、坪量は350g/m2未満であることが好ましい。
本発明においては、原紙の坪量はJIS P 8124「紙及び板紙―坪量測定方法」、密度はJIS P 8118「紙及び板紙―厚さ及び密度の試験方法」に準じて測定する。
<層剥離防止>
また、本発明の紙容器用原紙は、ポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂に代表される湿潤紙力増強剤を含有することが好ましい。湿潤紙力増強剤を含有することにより、液体の浸透に際して、パルプ間の繊維間結合が切断されることにより膨潤が起こり、細孔経が拡大する現象、即ち吸水による原紙の膨潤を抑えることが容易となるので好ましい。更に、ポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂はアルキルケテンダイマーのパルプへの定着を向上させる効果もあるため好ましい。湿潤紙力増強剤の含有量は、紙容器用原紙中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部以上0.5質量部以下の範囲であることが好ましい。湿潤紙力増強剤は、本発明の紙容器用原紙を構成する紙層のいずれの層にも含有できるが、全ての紙層に含有されることが好ましい。
また、本発明の紙容器用原紙は、各紙層間に接着剤を用いることが好ましい。層間接着剤は特に限定されるものではないが、カチオン化澱粉、両性澱粉、酸化澱粉などの澱粉やポリアクリルアミドなどが適宜使用可能である。
また、本発明の紙容器用原紙は、カチオン化澱粉、両性澱粉、酸化澱粉などの澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、いわゆる表面サイズ剤(スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・マレイン酸系樹脂、スチレン・メタクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂など)などにより、表面サイズ処理を行うこともできる。表面サイズ剤の塗布方法としては特に限定されるものではないが、サイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレス、カレンダーサイズプレスなどが挙げられる。
<塗工層>
また、本発明の紙容器用原紙は、表面に顔料塗工層を設けられても良い。塗工層に用いられる顔料としては炭酸カルシウムやカオリン・クレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、合成シリカ、プラスチックピグメントなどがあり、これらの顔料のうち、一種類を選択して使用することも、また二種類以上を混合して使用することもできる。顔料塗工層の接着剤(バインダー)としては特に制限はなく、公知の樹脂から適宣選択することができる。本発明においては、水溶性高分子接着剤、合成エマルジョン系接着剤等、水に溶解または分散可能なものが好ましい。水溶性高分子接着剤としては、デンプンまたはその変性物、ポリビニルアルコール及びその変性物、カゼインなどを挙げることができる。また、合成エマルジョン系接着剤としては、アクリル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンブタジエンラテックス、ウレタン樹脂系エマルジョンなど、既知のものが使用できる。またその塗工量は片面あたりで5〜30g/m2程度であり、これらを単層であるいは2層またはそれ以上で形成することができる。
(積層シート)
本発明の紙容器用積層シートは、上述の紙容器用原紙の表面上に、熱可塑性樹脂層が積層されてなる。紙容器用原紙の表面には、熱可塑性樹脂層の密着を向上する目的でアンカーコート層を設けたり、コロナ放電処理を施すことができる。工程が簡略化されることから、紙容器用原紙の表面に直接コロナ放電処理を施すことが好ましい。
樹脂層の積層方法には、押し出しラミネート法、共押し出しラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法などがあるが、熱可塑性樹脂層と紙容器用原紙との高い接着性を得るために、押し出しラミネート法、共押し出しラミネート法が好ましい。また、Tダイ共押し出し法と併用し多層フィルムを形成することも好ましい。
熱可塑性樹脂層を形成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を用いることができる。積層シートにおける樹脂層の厚さは、適宜目的に応じて適宜設定できるが、例えば、3〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
この熱可塑性合成樹脂層の形成は、具体的な内容物や表面装飾などに合わせて、紙容器用原紙に施すことができる。したがって、紙容器用原紙の供給を受けた川下側で付加加工し、紙容器ユーザーに提供することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の%は全て質量%を示す。実施例及び比較例で製造した紙容器用原紙について、下記の項目について測定し、評価した。
<成形加工での折り曲げによる樹脂層の破壊>
基材となる紙容器用原紙の両面に、押し出しラミネート法にて低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmずつ積層した。得られた紙容器用積層シートを1辺10.0cmの正方形に切断して試験片とした。MD軸方向もしくはCD軸方向を折り軸として2つ折りとした試験片を、金属ロール/金属ロールからなるニップ処理装置で、通過方向を折り軸と垂直、通過速度50m/min、ニップ圧50kN/mで加圧処理した。加圧処理後、折り軸部の両面における樹脂層の破壊を目視で観察し、以下の基準に従って評価した。
なお、MD軸方向とは抄造方向と同じ方向のことであり、CD軸方向とは抄造方向に対し直角の方向(抄造横方向)のことである。
◎:樹脂層の破壊が認められない。
○:樹脂層の破壊がわずかに認められるが、いずれか片面だけの破壊にとどまり実用上支障がない。
△:樹脂層の破壊が認められ、かつ破壊が両面に及んでいる。
×:樹脂層の大きな破壊が認められる。
<充填後の落下衝撃による樹脂層の破壊>
基材となる紙容器用原紙の両面に、押し出しラミネート法にて低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmずつ積層した。得られた紙容器用積層シートを用いて作製したゲーブルトップ型の紙容器を図1に示す。容器の底面の辺長及び高さは、底辺Aが55mm、底辺Bが55mm、高さCが70mmである。この紙容器の作製は、以下のような工程を経て行われる。
まず、紙容器用積層シートに折り罫線加工を施し、打ち抜き加工により1枚ずつのブランク板とする。そして、このブランク板についてサイドシールを行った後、紙容器充填機で容器底面の成形密封を行い、中身として200mlの水を充填し、上部を成形密封して得られるものである。
この紙容器を、以下のような試験方法にて、実用上十分な強度の有無を判定した。
100cmの高さからコンクリート表面上へ紙容器の底面側から繰り返し落下試験を行い、内容物である水の漏れが目視で観察された時点で試験を終了し、その時点の落下回数を落下強度とした。紙容器10個に対し落下試験を行い、落下強度が平均4回以上であれば、実用上十分な強度を有する。
◎:落下強度が平均8回以上
○:落下強度が平均4回以上8回未満
△:落下強度が平均2回以上4回未満
×:落下回数が平均2回未満
<有機酸水溶液に浸漬した時の質量増加率>
基材となる紙容器用原紙の坪量を測定し、紙容器用原紙の両面に、押し出しラミネート法にて低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmずつ積層した。得られた紙容器用積層シートを1辺10.0cmの正方形に切断して試験片とした。試験片の質量を測定した後、試験片を23℃、pH4に調整した濃度1.0%のクエン酸水溶液に5時間浸漬する。浸漬後、表面に付着した水溶液を十分に拭き取った後に、試験片の質量を測定する。これらの測定結果を基に、次式から質量増加率を算出した。質量増加率が5.0質量%未満であれば、成形加工後の原紙断面からの酸性水溶液の浸透を抑えることが可能である。
質量増加率={(浸漬後の試験片の質量−浸漬前の試験片の質量)/試験片中の紙容器用原紙の質量}×100
<印刷適性>
基材となる紙容器用原紙の両面に、押し出しラミネート法にて低密度ポリエチレン樹脂を厚さ30μmずつ積層した。得られた紙容器用積層シートを1辺10.0cmの正方形に切断して試験片とした。得られた試験片について、コート紙用に汎用されているオフセット印刷用インキ(東洋インキ(株)製 ハイエコー紅)を用い、RI型印刷機((株)明製作所製 RI−3)にてインキ盛り量0.5mlで印刷を行った。印刷処理後、印刷部のベタにおけるムラの発生具合(ベタムラ)を目視で観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:ベタムラがなく、均一にインキが印刷されている。
○:ベタムラがわずかに見受けられるが、高精細な画像の印刷に支障がない程度。
△:ベタムラが見受けられ、高精細な画像の印刷には適さない。
×:ベタムラが全面的に認められ、紙容器用原紙としての使用に適さない。
[実施例1]
(外層用紙料スラリーA)
カナダ標準濾水度(CSF)500mlの針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)と、CSF450mlの広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を40/60の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.5質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して外層用紙料スラリーAとした。
(内層用紙料スラリーa)
CSF500mlのNBKPと、CSF550mlのLBKPを15/85の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.5質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して内層用紙料スラリーaとした。
これらの紙料スラリーを用いて、フォードリニア式長網抄紙機で3層抄き用に外層2層、内層1層の各単層のシートを作成した。外層1及び外層2は外層用紙料スラリーAを用いて坪量は49g/m2、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量は99g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした。湿紙は内層1の両面に層間接着剤として酸化澱粉を片面あたり1.0g/m2ずつスプレーにて塗布し、図2に示すように上から外層1、内層1、外層2の順に重ねてプレスにて貼り合わせた。次いで、得られた紙匹をカレンダーサイズプレスにより、酸化澱粉の濃度4.0%の表面サイズ剤水溶液を、両面で1.0g/m2となるように塗工して、坪量200g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例2]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを50/50の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA1を用いて、坪量79g/m2で調整し、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量159g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例3]
外層1及び外層2は、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.08質量部添加した以外は、外層用紙料スラリーA1と同様に作製した外層用紙料スラリーA2を用いて坪量79g/m2で調整し、内層1は、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.08質量部添加した以外は内層用紙料スラリーaと同様にして作製した内層用紙料スラリーa1を用いて、坪量159g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例4]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーA1を用いて坪量は62g/m2、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量は123g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例5]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーA1を用いて坪量は49g/m2、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量は99g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量200g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例6]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを75/25の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA3を用いて坪量63g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量191g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例7]
外層1及び外層2は、外層用紙料スラリーA3を用いて坪量は49g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量は149g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は実施例1と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例8]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーA3を用いて坪量は63g/m2で、内層1はNBKPとLBKPを30/70の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーaと同様にして作製した内層用紙料スラリーa2を用いて坪量は191g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例9]
外層1及び外層2は、外層用紙料スラリーA3を用いて坪量は79g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーa2を用いて坪量は151g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例10]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを90/10の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA4を用いて坪量63g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量191g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例11]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーA4を用いて坪量は79g/m2、内層1は内層用紙料スラリーaを用いて坪量は159g/m2で調製した以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例12]
(外層用紙料スラリーB)
CSF500mlのNBKPと、CSF450mlのLBKPを75/25の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.5質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して外層用紙料スラリーBとした。
(内層用紙料スラリーb)
CSF550mlのNBKPと、CSF500mlのLBKPを20/80の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.5質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して内層用紙料スラリーbとした。
(内層用紙料スラリーc)
CSF550mlのLBKPを原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.5質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して内層用紙料スラリーcとした。
これらの紙料スラリーを用いて、フォードリニア式長網抄紙機で5層抄き用に外層2層、内層3層の各単層のシートを調製した。外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量は62g/m2、内層1及び内層3は内層用紙料スラリーbを用いて坪量は31g/m2、内層2は内層用紙料スラリーcを用いて坪量は127g/m2で調製し、外層1、内層1、内層2、内層3、外層2の坪量比は20:10:40:10:20とした。湿紙は内層1、内層2、内層3の両面に層間接着剤として酸化澱粉を片面あたり1.0g/m2ずつスプレーにて塗布し、図3に示すように上から外層1、内層1、内層2、内層3、外層2の順に重ねてプレスにて貼り合わせた。次いで、得られた紙匹をカレンダーサイズプレスにより、酸化澱粉の濃度4.0%の表面サイズ剤水溶液を、両面で1.0g/m2となるように塗工して、坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例13]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量49g/m2で、内層1及び内層3は内層用紙料スラリーbを用いて坪量は24g/m2で、内層2は内層用紙料スラリーcを用いて坪量は97g/m2で調製した以外は実施例12と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例14]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量は62g/m2、内層1及び内層3は、NBKPとLBKPを30/70の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーbと同様にして作製した内層用紙料スラリーb1を用いて坪量31g/m2で、内層2は、原料パルプとしてCSF600mlのNBKPと、CSF500mlのLBKPを10/90の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーcと同様にして作製した内層用紙料スラリーc1を用いて、坪量127g/m2で調製した以外は、実施例12と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例15]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量は48g/m2、内層1及び内層3は内層用紙料スラリーb1を用いて坪量は24g/m2、内層2は内層用紙料スラリーc1を用いて坪量は99g/m2で調製した以外は、実施例12と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例16]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量は94g/m2、内層1及び内層3は内層用紙料スラリーb1を用いて坪量47g/m2で、内層2は内層用紙料スラリーc1を用いて坪量は31g/m2で調製し、外層1、内層1、内層2、内層3、外層2の坪量比は30:15:10:15:30とした以外は、実施例12と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例17]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを90/10の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーBと同様にして作製した外層用紙料スラリーB1を用いて坪量は62g/m2で、内層1及び内層3は、内層用紙料スラリーbを用いて坪量は31g/m2で、内層2はNBKPとLBKPを15/85の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーc1と同様にして作製した内層用紙料スラリーc2を用いて坪量は127g/m2で調製した以外は、実施例12と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[実施例18]
(外層用紙料スラリーC)
カナダ標準濾水度(CSF)550mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)と、CSF450mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を75/25の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.08質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して外層用紙料スラリーCとした。
(内層用紙料スラリーd)
CSF550mlのLBKPを原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.08質量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して内層用紙料スラリーdとした。
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量39g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーBを用いて坪量119g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は、実施例1と同様にして坪量200g/m2、密度0.75g/cm3の原紙を得た。
この原紙の表面及び裏面に、顔料配合として、ウルトラホワイト90(クレー、エンゲルハード社製)が60質量部、ブリリアント15(軽質炭酸カルシウム、白石工業社製)が40質量部、バインダーとして、顔料100質量部当たり、Nipol LX407F(変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、日本ゼオン社製)が16質量部である顔料塗工液をバー塗工し乾燥させて、塗工量15g/m2の顔料塗工層を表面及び裏面に設け、坪量230g/m2の塗工紙タイプの紙容器原紙を作製した。
[実施例19]
(外層用紙料スラリーC1)
カナダ標準濾水度(CSF)550mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)と、CSF450mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を75/25の質量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.1質量部、内添サイズ剤としてロジンを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.75質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部、乾燥紙力増強剤として両性澱粉を全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.3質量部添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して外層用紙料スラリーCとした。
(内層用紙料スラリーd1)
CSF550mlのLBKPを原料パルプとした。原料パルプスラリーに、内添サイズ剤としてロジンを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.75質量部、硫酸バンドを全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部、添加した後、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して内層用紙料スラリーd1とした。
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーBを用いて坪量39g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーBを用いて坪量119g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は20:60:20とした以外は、実施例1と同様にして坪量200g/m2、密度0.75g/cm3の原紙を得た。
この原紙の表面及び裏面に、実施例18と同様に顔料塗工層を設け、坪量230g/m2の塗工紙タイプの紙容器原紙を作製した。
[比較例1]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを20/80の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した、外層用紙料スラリーA5を用いて坪量62g/m2で、内層1は、NBKPとLBKPを20/80の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーaと同様にして作製した内層用紙料スラリーa3を用いて坪量は123g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例2]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを15/85の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA6を用いて坪量は79g/m2、内層1は、NBKPとLBKPを50/50の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーaと同様に作製した内層用紙料スラリーa4を用いて坪量は159g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例3]
外層1及び外層2は外層用紙料スラリーA6を用いて坪量は62g/m2、内層1は内層用紙料スラリーa4を用いて坪量は123g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例4]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを30/70の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA7を用いて坪量79g/m2で、内層1は、内層用紙料スラリーa4を用いて坪量は159g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例5]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを30/70の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA7を用いて坪量は62g/m2、内層1は内層用紙料スラリーa4を用いて坪量は123g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量250g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例6]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを50/50の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーAと同様にして作製した外層用紙料スラリーA8を用いて坪量79g/m2で、内層1は内層用紙料スラリーa4を用いて坪量は159g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例7]
外層1及び外層2は、外層用紙料スラリーA3を用いて坪量79g/m2で、内層1はNBKPとLBKPを40/60の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーaと同様にして作製した内層用紙料スラリーa5を用いて坪量159g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例8]
外層1及び外層2は、外層用紙料スラリーA4を用いて坪量は79g/m2、内層1は内層用紙料スラリーa5を用いて坪量は159g/m2で調製し、外層1、内層1、外層2の坪量比は25:50:25とした以外は実施例1と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
[比較例9]
外層1及び外層2は、NBKPとLBKPを50/50の質量比で配合した以外は外層用紙料スラリーBと同様にして作製した外層用紙料スラリーB3を用いて坪量63g/m2で、内層1及び内層3は、NBKPとLBKPを50/50の質量比で配合した以外は内層用紙料スラリーbと同様にして作製した内層用紙料スラリーb2を用いて坪量62g/m2で、内層2はNBKPとLBKPの質量比を50/50で配合した以外は内層用紙料スラリーc1と同様にして作製した内層用紙料スラリーc3を用いて坪量63g/m2で調製し、外層1、内層1、内層2、内層3、外層2の坪量比は20:20:20:20:20とした以外は、実施例12と同様にして坪量320g/m2、密度0.75g/cm3の紙容器原紙を得た。
実施例及び比較例で製造した紙容器用積層シートの測定結果は以下の表1〜3に示した。
Figure 2010113849
Figure 2010113849
Figure 2010113849
実施例1〜19より明らかなように、本発明の紙容器原紙により、好適な加工適性と耐断面浸透性と共に、良好な印刷適性を有する、熱可塑性樹脂を積層した紙容器用積層シートが得られた。一方、比較例1〜9より明らかなように、成形加工での折り曲げにより樹脂層の破壊が発生(比較例1〜4)、または、内容物を充填した後、外部から落下等の衝撃が加えられると樹脂層の破壊が発生し(比較例1〜5)、加工適性が劣る。もしくは、加工適性は良好であるが印刷適性が劣り(比較例6〜9)、比較例1〜9はいずれも紙容器用原紙として十分な性能を有しなかった。
本発明の紙容器用積層シートを用いて作製したゲーブルトップ型の液体容器の模式図である。 本発明の3層抄きの紙容器用原紙を示す模式図である。 本発明の5層抄きの紙容器用原紙を示す模式図である。
1、2 外層
3、4、5 内層

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂層を紙容器用原紙の表面に設けて形成される紙容器用積層シートに用いる紙容器用原紙であって、
    該紙容器用原紙は、多層抄き手段を用いて外層と内層が形成された複数層からなる多層構造であり、
    前記外層は、全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が40質量%以上であり、
    前記内層は、全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が30質量%以下である
    ことを特徴とする紙容器用原紙。
  2. 前記内層は、内添乾燥紙力増強剤として分子量が600万未満であるポリアクリルアミドを内層中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.2質量部以下含有することを特徴とする請求項1に記載の紙容器用原紙。
  3. 原料パルプは、針葉樹クラフトパルプ以外に広葉樹クラフトパルプが配合されて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙容器用原紙。
  4. 前記紙容器用原紙中の全原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプ配合率が50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙容器用原紙。
  5. 針葉樹クラフトパルプはカナダ標準濾水度(CSF)が450〜600ml、広葉樹クラフトパルプはカナダ標準濾水度(CSF)が400ml〜550mlであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された紙容器用原紙。
  6. 前記紙容器用原紙中に、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを紙容器用原紙中の全原料パルプ100質量部(絶乾パルプ質量)に対し0.15質量部以上0.80質量部未満含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙容器用原紙。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された紙容器用原紙の両面に熱可塑性樹脂層を積層してなる紙容器用積層シート。
  8. 請求項7記載の紙容器用積層シートであって、1辺の長さが10.0cmの正方形の試験片を23℃、pH4に調整した有機酸水溶液に5時間浸漬した後の質量増加率が5.0質量%未満であることを特徴とする紙容器用積層シート。
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