JPH05230788A - 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法 - Google Patents

脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法

Info

Publication number
JPH05230788A
JPH05230788A JP5920692A JP5920692A JPH05230788A JP H05230788 A JPH05230788 A JP H05230788A JP 5920692 A JP5920692 A JP 5920692A JP 5920692 A JP5920692 A JP 5920692A JP H05230788 A JPH05230788 A JP H05230788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
paper
waste paper
deinked waste
cooking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5920692A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuji Ouchi
龍二 大内
Toru Suzuki
徹 鈴木
Akira Yokoi
明 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP5920692A priority Critical patent/JPH05230788A/ja
Publication of JPH05230788A publication Critical patent/JPH05230788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙の腰、表面強度の優れた脱墨古紙パルプ入
り片づや紙の製造方法を提供する。 【構成】 修正アルカリ蒸解法により製造されたパルプ
を漂白して得られた漂白パルプとフリーネスが50〜4
00mlCSFの脱墨古紙パルプとの混合比が99:1〜
5:95からなるパルプスラリーを抄紙し、次いで鏡面
ドライヤーで乾燥する脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱墨古紙パルプ入り片づ
や紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる片面のみを鏡面ドライヤーで乾
燥して製造する片づや紙、一般にはヤンキードライヤー
を備えた抄紙機(以下、ヤンキードライヤー抄紙機とい
う。)で抄紙した片づや紙は包装用原紙、製袋用原紙と
しての用途を有し、その用途に応じた印刷を施して製品
とし、また印刷を施し次いで製袋機にかけて製袋してさ
らに製品の付加価値を高めて市場へ出荷する。印刷機や
製袋機に片づや紙を給紙する場合には片づや紙を規定寸
法に裁断した平板紙の形態で給紙する場合が多い。平板
紙で印刷機へ給紙する場合、紙の腰(こわさ)が不足す
ると紙がたれて印刷機にうまく給紙されなかったり、出
口で印刷紙が不揃いになるなど印刷機の走行性が著しく
低下し、また紙の腰が不足しているため製袋機の走行性
及び製袋後の歩留りが著しく低下するという問題が発生
する。また、片づや紙の印刷面の表面強度が不足する
と、印刷時に紙の表面がむけて版によごれが生じて印刷
不良が発生し著しく製品価値が低下するという問題も発
生する。
【0003】近年、森林資源の保護、地球環境の保全の
観点から紙の再利用がさかんになり、わが国の製紙原料
の50%は紙を再溶解しパルプに戻したいわゆる古紙か
らの古紙パルプであると言われている。古紙を大別する
と主にダンボール原紙として再利用されるダンボール古
紙、上物古紙及び雑紙古紙、さらに主に紙向けとして再
利用される新聞古紙である。新聞古紙を原料とする古紙
パルプをパルプ化するとインク分が点状に無数古紙パル
プ中に残存するため、さらにインク分を除去(脱墨)し
て製紙原料パルプとして用いられるのが一般的である。
さらに漂白される場合もある。
【0004】この脱墨された脱墨古紙パルプを製紙原料
パルプとして用いる技術は従来より研究がなされてお
り、脱墨古紙パルプを30%以上配合した電子複写用及
びフォーム用紙(特開昭57−128346号公報)、
同パルプを10%以上含有した感圧複写紙(特開平3−
199083号公報)、印刷用上級紙の紙料として用い
る方法(特開昭58−98499号公報)、電子写真圧
力定着転写紙及びその転写紙用原紙の紙料として用いる
方法(特開昭58−40556号公報)、オフセット印
刷用新聞用紙に用いる方法(特開平3−227500号
公報)、中性電子写真用転写紙に用いる方法(特開平3
−220398号公報)など多種、多岐にわたる脱墨古
紙パルプの利用技術が提案されている。
【0005】しかしながら、片づや紙に関して、片づや
紙に脱墨古紙パルプがまざると紙の腰、表面強度が低下
するという問題を有しているにもかかわらず、その低下
を抑制する技術はいまだ提案されていない。脱墨古紙パ
ルプを片づや紙の原料として配合すると紙の腰や表面強
度が低下するため、脱墨古紙パルプを片づや紙の原料と
して用いるためには紙の腰、表面強度を維持する技術が
不可欠である。従来は紙用薬品の添加又はその増量によ
って対応していたが効果は充分でなく、またコストの上
昇をまねくという問題を有していた。また、紙用薬品の
添加又はその増量は他の品質に悪影響を及ぼしかねない
ので、むやみに添加又はその増量ができないため脱墨古
紙パルプの配合率は品質上の観点から30%程度(対片
づや紙、紙料パルプ、絶乾重量当り)が上限であるとい
う問題も有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記現状に鑑み、脱墨
古紙パルプを配合した紙料パルプを使用しヤンキードラ
イヤー抄紙機で抄紙した片づや紙の性質、特に紙の腰、
表面強度の向上が要望されており、本発明の目的は前記
性質を改善した脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法は修正アル
カリ蒸解法により製造されたパルプを漂白して得られた
漂白パルプとフリーネスが50〜400mlCSFの脱墨
古紙パルプとの混合比が99:1〜5:95からなるパ
ルプスラリーを抄紙し、次いで鏡面ドライヤーで乾燥す
ることを特徴とする。
【0008】本発明で使用される漂白後のパルプは繊維
の弾性率が高く、パルプ粘度が高いことが必須であるが
このような原料パルプを得る方法について研究した結
果、所望の特性を有する原料パルプは蒸解液の分割添加
とダイジェスター内部での並流蒸解と向流蒸解から構成
されている修正アルカリ蒸解法によって得られることが
判明した。即ち、修正アルカリ蒸解法においてクラフト
蒸解液を使用する修正クラフト蒸解法からの広葉樹及び
針葉樹未晒パルプに公知の通常の多段漂白法を適用して
得られた漂白パルプと、通常のクラフト蒸解法を適用し
て得られた漂白パルプを同一のパルプ粘度水準において
シート密度0.68g/m2 の手抄シートを作成し、そ
の弾性率を測定し比較してみると修正クラフトパルプの
方が弾性率が高いことが判明した。そして紙の腰(こわ
さ)は弾性率に比例することは良く知られているので、
修正クラフト蒸解法による晒パルプの紙の腰が高いこと
も明らかである。更に、修正クラフト蒸解法によって得
られた未晒パルプと通常のクラフト蒸解法から得られた
未晒パルプのカッパー価を同一にしてさらに同一条件で
漂白した上記2種の漂白パルプのパルプ粘度を測定し比
較してみると修正クラフトパルプの方がパルプ粘度が高
い。そしてパルプ粘度と紙の表面強度の関係は比例関係
にあることが一般に知られている。
【0009】本発明で用いる脱墨古紙パルプは新聞古紙
を主たる原料とし、その内訳は新聞紙70%、中質紙、
コート紙等のちらし類30%であるが、特にこれら古紙
に限定されるものではない。これをドラムパルパーで解
繊してパルプ化し、不純物を除去後、脱墨、漂白処理し
て得られる白色度(ハンター白色度)50〜85%、好
ましくは60〜73%、及びフリーネス50〜400ml
CSF以下好ましくは、130〜350mlCSFの脱墨
古紙パルプである。脱墨古紙パルプの白色度が50%以
下では、製品である片づや紙の白色度の低下が著しく、
製品価値が低下し、白色度が85%以上では、漂白コス
トの上昇をまねき経済面より現実的でない。フリーネス
が50mlCSF以下では片づや紙を抄紙する際水切れが
悪く片づや紙の製造量の減少をまねきかねないし、また
フリーネスが400mlCSF以上では、脱墨古紙パルプ
中の微細繊維を大巾に除去する必要があり、新聞古紙の
パルプ歩留の減少による脱墨古紙パルプ生産コストの上
昇をまねき現実的でない。
【0010】本発明の目的を達成するために好適なパル
プを得るための修正アルカリ蒸解法は、次のような手法
で行なわれる。修正アルカリ蒸解法はダイジェスターの
前に浸透ベッセルが設置されており、かつダイジェスタ
ーの内部が頂部から底部にかけて上部蒸解トリムゾー
ン、上部蒸解ゾーン、下部蒸解ゾーン及び必要に応じて
洗浄ゾーンが設けられ、上部蒸解トリムゾーン及び上部
蒸解ゾーンにおいては並流蒸解が、下部蒸解ゾーンでは
向流蒸解が行なわれ、洗浄ゾーンでは向流洗浄が行なわ
れる。2ベッセル型連続ダイジェスターを用いる蒸解法
では、蒸解系に導入されるアルカリ蒸解液の50〜90
%が浸透ベッセルに、0〜45%が上部蒸解トリムゾー
ンに、5〜45%が下部蒸解ゾーンに夫々供給される。
即ち、木材チップは、蒸解液と一緒に浸透ベッセルの頂
部から導入され、底部から排出される間に蒸解液のチッ
プ内部への浸透が十分に行なわれ、該底部において蒸解
液の一部が新たに添加され、ダイジェスターの頂部へ送
られる。チップは、ダイジェスターを下降する間に前記
した如く上部蒸解トリムゾーン及び上部蒸解ゾーンにお
いてチップと一緒に下降する蒸解液により蒸解が行なわ
れ(並流蒸解)、木材中のリグニンのかなりの部分が液
中に溶出され、さらに引続いて下部蒸解ゾーンにおいて
新たに添加された上昇する蒸解液と向流的に接触して蒸
解され(向流蒸解)、残りのリグニンが所望の程度液中
に溶出除去される。このようにリグニンの除去が終了し
たチップは、最終的にダイジェスターの底部から導入さ
れた上昇する洗浄液と向流的に接触し、洗浄された後、
系外に排出される。修正アルカリ蒸解法のためのアルカ
リ性蒸解液としては、苛性ソーダ(ソーダ蒸解)、苛性
ソーダと硫化ソーダ(クラフト蒸解)、多硫化ソーダ
(ポリサルファイド蒸解)及び亜硫酸塩(アルカリ性亜
硫酸塩蒸解)等が挙げられるが、2ベッセル型連続ダイ
ジェスターが適用できるクラフト及びポリサルファイド
蒸解液が好ましく、硫化度は5〜75%、好ましくは5
〜50%、有効アルカリの添加率は、絶乾木材当たり5
〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。使
用する蒸解液に蒸解助剤として公知の環状ケト化合物を
絶乾木材チップ当たり0.001〜1.0重量%添加す
ると、本発明の効果が助長されるので好ましい。本発明
において使用される環状ケト化合物としては、ベンゾキ
ノン、ナフトキノン、アントラキノン、アントロン、フ
ェナントロンキノン、及び前記キノン系化合物のアルキ
ル、アミノ等の核置換体或は前記キノン系化合物還元型
であるアントラヒドロキノンのようなヒドロキノン系化
合物、さらにはディールスアルダー法によるアントラキ
ノン合成法の中間体として得られる安定な化合物、例え
ば9、10ジケトヒドロアントラセン系化合物等からな
る群から選ばれた1種或は2種以上の混合物等が挙げら
れる。
【0011】修正アルカリ蒸解法を実施するには種々の
リグノセルロース材料を用いることができ、例えばパル
プ製造用リグノセルロース材料としては、針葉樹チッ
プ、広葉樹チップ、並びに非木材セルロース材料、例え
ばバガス、ケナフ、ワラ、アシ及び他の一年生植物を挙
げることができる。また、前記ダイジェスターの例は浸
透ベッセルとダイジェスターからなる2塔式ダイジェス
ターであるが1塔式の修正アルカリ蒸解法が適用された
ダイジェスターから製造されるパルプであっても本発明
に好適であることは言うまでもない。
【0012】修正アルカリ蒸解法で製造されたパルプ
は、洗浄及び精選工程を経た後場合によっては酸素漂白
工程を経て、公知の多段漂白工程に導入されて漂白され
るが、この多段漂白としては、塩素処理工程(C)、苛
性ソーダ抽出工程(E)、次亜塩素酸塩処理工程
(H)、二酸化塩素処理工程(D)、過酸化水素処理工
程(P)を適宜組合せて、C−E−H−D−E−D、C
−E−H−D、C−E−D−E−D、C−E−H−P−
D等のシーケンスとしたものを挙げることができ、さら
にEに酸素(O)或は過酸化水素を併用した(EO)或
は(EP)をシーケンスの中に組入れたもの、また、塩
素フリー漂白例えばキレート処理−P−E/O−P及び
オゾンを漂白剤としたシーケンスであっても、本発明の
効果には何等悪い影響はみられない。多段漂白設備に
は、C段を3〜5%パルプ濃度で処理し、その他の漂白
工程は、10%のパルプ濃度で処理する漂白塔とドラム
型フィルターを組合せた設備及びその他のものがあり、
何れも本発明のために好適に用いられる。
【0013】本発明に用いられる原料パルプは、修正ア
ルカリ蒸解法で得られたパルプを多段漂白した広葉樹晒
パルプと針葉樹パルプを主体とする。広葉樹漂白パル
プ、針葉樹漂白パルプ及び脱墨古紙パルプの混合比率に
ついて、(広葉樹+針葉樹)漂白パルプと脱墨古紙パル
プの使用比率が99:1〜5:95、好ましくは95:
5〜10:90である。脱墨古紙パルプの比率が99:
1以下では、脱墨古紙パルプが入っていない片づや紙と
変らず、比率が5:95以上では片づや紙の腰、表面強
度の低下が著しく製品の品質が不充分になる。また広葉
樹漂白パルプと針葉樹漂白パルプの使用比率は0:10
0〜100:0の範囲で任意に選ばれる。本発明で用い
る古紙は新聞古紙の他電子写真用転写紙や他の記録用紙
などを主体とした上物古紙及び雑誌古紙よりの脱墨古紙
パルプも好適であることは言うまでもない。
【0014】本発明において使用する抄紙機は鏡面ドラ
イヤーで乾燥して紙を製造する装置でありヤンキードラ
イヤー抄紙機及びヤンキードライヤーと多筒ドライヤー
を組合せた抄紙機でありワイヤーパート等の型式はとわ
ない。抄紙原料パルプに添加する薬品は主に、ロジン、
ロジンエマルジョン、合成サイズ剤、カチオン化デンプ
ン、アニオン変性ポリアクリルアマイド、カチオン変性
ポリアクリルアマイドの他紙力増強剤であって、紙の用
途に応じて、添加薬品、添加率が決められ添加される。
【0015】
【作用】本発明は修正アルカリ蒸解法によって得られた
パルプは漂白後もパルプの弾性率が高く、紙の腰が上が
ること及びパルプ粘度が高く紙の表面強度が上がるとい
う知見に基づき、通常のアルカリ蒸解法により得られた
晒パルプの代りに修正アルカリ蒸解法により得られた晒
パルプを使用することにより脱墨古紙パルプの混合比率
を高めた片づや紙の製造を可能にしたものである。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。下記の実施例及び比較例で使用する修正クラフト
蒸解法による晒パルプ及び通常のクラフト蒸解による晒
パルプの製造例を示す。
【0017】国内広葉樹チップを原料として下記表1に
示される蒸解液の分割比率で2ベッセル型連続ダイジェ
スター(生産能力 NUKP 1200T/日)で修正クラフ
ト蒸解を行なって未晒パルプを製造し、比較例として同
じチップを原料としてシングルベッセル液相型ダイジェ
スター(生産能力 NUKP 700T/日)で通常のクラフ
ト蒸解を行なって未晒パルプを製造した。その他の夫々
の蒸解条件及び得られたパルプカッパー価及びパルプ粘
度は表1に示される通りである。
【0018】ダグラスファー15%、国内松85%の針
葉樹チップを原料として表1に示される蒸解液の分割比
率で2ベッセル型連続ダイジェスター(生産能力 NUKP
800T/日)で修正クラフト蒸解を行なって未晒パル
プを製造し、比較例として同じチップを原料としてシン
グルベッセル液相型連続ダイジェスター(生産能力 NUK
P 600T/日)で通常のクラフト蒸解を行なって未晒
パルプを製造した。その他の夫々の蒸解条件及び得られ
たパルプのカッパー価及びパルプ粘度は表1に示される
通りである。
【0019】
【表1】
【0020】これ等広葉樹未晒パルプ及び針葉樹未晒パ
ルプを表2の条件で多段漂白しハンター白色度85%の
パルプを製造した。
【0021】
【表2】
【0022】これ等のパルプのうち修正クラフト蒸解、
通常クラフト蒸解よりの広葉樹、針葉樹漂白パルプにつ
いてパルプ粘度及び未叩解手抄紙の弾性率及び伸縮率を
測定した。このパルプのパルプ粘度は15以上が好まし
い。また、未叩解手抄き紙の弾性率は4.5〜7.0GP
a の範囲好ましくは5.0GPa 以上である。測定結果を
表3に示した。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかなように修正クラフト法で
得られたパルプを多段漂白したパルプは通常のクラフト
法で得られた漂白パルプと比較して弾性率が高くパルプ
粘度が高い。尚、測定方法は以下の示す通りである。 カッパー価:TAPPI試験法T236hm−85 パルプ粘度:TAPPI試験法T230om−82 白 色 度:JIS P8123 弾 性 率:JIS P8209に従って未叩解パルプ
の手抄き紙を作成する。この紙の超音波伝播速度(S)
を市販の超音波伝播速度測定器(Sonic Sheet Tester
SST−220型 野村商事(株)製)によって測定
し、紙の密度(σ)をJIS P8118に従って測定
する。弾性率(E)を次式によって求める。 E=σ×S2
【0025】実施例及び比較例で使用した脱墨古紙パル
プの製造例を示す。新聞紙69%、ちらし類31%から
なる古紙をドラムパルパーで解繊し、異物除去後散気管
式フローテーターで脱墨し次いで対パルプ絶乾重量当り
2 2 を2.1%添加し、パルプ濃度25%,60
℃,3時間漂白しさらに散気管式フローテーターで再度
脱墨しハンター白色度69、フリーネス180mlCSF
の脱墨古紙パルプを製造した。また、上記脱墨古紙パル
プをスクリーニング処理して長繊維を分離したフリーネ
ス305mlCSFの脱墨古紙パルプを別途製造した。
【0026】実施例、比較例で実施した抄紙、片づや付
けの方法は次のとおりである。前記の漂白パルプを用い
て片づや紙の紙料を調成した。フリーネスは修正クラフ
ト法又は通常クラフト法における広葉樹漂白パルプ53
0mlCSF、針葉樹漂白パルプ610mlCSFであり、
脱墨古紙パルプは叩解しなかった。また次の抄紙薬品を
絶乾パルプ重量当りで添加して紙料とし、水分5%、米
坪60g/m2の片づや紙をヤンキードライヤー抄紙機
で製造した。 ロジンエマルジョン 1.0重量%(荒川化学社製 SPN) カチオン化デンプン 0.8 〃 (王子ナショナル社製 ケートF) アニオン変性ポリアクリル アマイド 0.3 〃 (荒川化学社製 ポリストロン) カチオン変性ポリアクリル アマイド 0.2 〃 ( 〃 〃 ) 硫酸バンド 2.0 〃 (自家製)
【0027】実施例1 修正クラフト法よりの広葉樹晒パルプ30%、針葉樹晒
パルプ60%、フリーネス180mlCSFの脱墨古紙パ
ルプを10%配合して片づや紙を製造した。
【0028】実施例2 修正クラフト法よりの広葉樹漂白パルプ10%、針葉樹
漂白パルプ60%、フリーネス180mlCSFの脱墨古
紙パルプを30%配合して片づや紙を製造した。
【0029】実施例3 修正クラフト法よりの広葉樹漂白パルプ5%、針葉樹漂
白パルプ45%、フリーネス180mlCSFの脱墨古紙
パルプを50%配合して片づや紙を製造した。
【0030】実施例4 修正クラフト法よりの針葉樹漂白パルプ25%、フリー
ネス180mlCSFの脱墨古紙パルプを75%配合して
片づや紙を製造した。
【0031】実施例5 フリーネス180mlCSFの脱墨古紙パルプの代りに、
フリーネス305mlCSFの脱墨古紙を10%配合した
以外は実施例1と同様に実施した。
【0032】実施例6 フリーネス180mlCSFの脱墨古紙パルプの代りに、
フリーネス305mlCSFの脱墨古紙を30%配合した
以外は実施例2と同様に実施した。
【0033】実施例7 フリーネス180mlCSFの脱墨古紙パルプの代りに、
フリーネス305mlCSFの脱墨古紙を50%配合した
以外は実施例3と同様に実施した。
【0034】実施例8 フリーネス180mlCSFの脱墨古紙パルプの代りに、
フリーネス305mlCSFの脱墨古紙を75%配合した
以外は実施例4と同様に実施した。
【0035】参考例1 修正クラフト法よりの広葉樹漂白パルプ50%、針葉樹
漂白パルプ50%を配合した紙料パルプより片づや紙を
抄造した。
【0036】比較例1 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例1を繰返した。
【0037】比較例2 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例2を繰返した。
【0038】比較例3 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例3を繰返した。
【0039】比較例4 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例4を繰返した。
【0040】比較例5 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例5を繰返した。
【0041】比較例6 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例6を繰返した。
【0042】比較例7 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例7を繰返した。
【0043】比較例8 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は実施
例8を繰返した。
【0044】参考例2 通常のクラフト法よりの漂白パルプを用いた以外は参考
例1を繰返した。
【0045】実施例、比較例及び参考例について得られ
た片づや紙について以下の評価方法によって紙の腰(こ
わさ)及び表面強度を測定しその測定結果を表5に示
す。 紙の腰(こわさ) 紙の自重曲げ法によるこわさ試験方法(クラーク法)J
IS P8143に従った。 表面強度 M3印刷機(宮腰鉄工所社製)及びポリブデン調合イン
キを用いて17.5×27.5cmの紙に16.5×2
0.5cm印刷し、印刷面の繊維はがれ、毛羽立ち、ふく
れ、むけをもとに評価した。評価基準は表3の通りで片
づや紙のツヤ面に印刷した。また値は各5枚の平均値と
した。評価は、表4の基準に基づく目視判定であり1〜
6級に分類し、1級が最も表面強度が高いことを示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】表5から明らかなように、本発明により
製造された片づや紙は脱墨古紙パルプを配合した片づや
紙であるにかゝわらず紙の腰、表面強度において修正ク
ラフト法により得られた晒パルプ単独の片づや紙と遜色
がなく、通常のクラフト法により得られた晒パルプ単独
の片づや紙より改善された結果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 修正アルカリ蒸解法により製造されたパ
    ルプを漂白して得られた漂白パルプとフリーネスが50
    〜400mlCSFの脱墨古紙パルプとの混合比が99:
    1〜5:95からなるパルプスラリーを抄紙し、次いで
    鏡面ドライヤーで乾燥することを特徴とする脱墨古紙パ
    ルプ入り片づや紙の製造方法。
JP5920692A 1992-02-14 1992-02-14 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法 Pending JPH05230788A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5920692A JPH05230788A (ja) 1992-02-14 1992-02-14 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5920692A JPH05230788A (ja) 1992-02-14 1992-02-14 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05230788A true JPH05230788A (ja) 1993-09-07

Family

ID=13106708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5920692A Pending JPH05230788A (ja) 1992-02-14 1992-02-14 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05230788A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002518606A (ja) * 1998-06-17 2002-06-25 アレックス−アルト・バイオマス・インコーポレイテッド アルンド・ドナクスのパルプ、紙製品、及びパーティクルボード
JP2011236515A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Daio Paper Corp クラフト紙
JPWO2010113849A1 (ja) * 2009-03-31 2012-10-11 日本製紙株式会社 紙容器用原紙及びこれを用いた紙容器用積層シート
CN105603801A (zh) * 2016-01-14 2016-05-25 河北昌泰纸业有限公司 一种由废纸纸浆生产牛卡纸的生产工艺

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002518606A (ja) * 1998-06-17 2002-06-25 アレックス−アルト・バイオマス・インコーポレイテッド アルンド・ドナクスのパルプ、紙製品、及びパーティクルボード
JPWO2010113849A1 (ja) * 2009-03-31 2012-10-11 日本製紙株式会社 紙容器用原紙及びこれを用いた紙容器用積層シート
JP5563557B2 (ja) * 2009-03-31 2014-07-30 日本製紙株式会社 紙容器用原紙及びこれを用いた紙容器用積層シート
JP2011236515A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Daio Paper Corp クラフト紙
CN105603801A (zh) * 2016-01-14 2016-05-25 河北昌泰纸业有限公司 一种由废纸纸浆生产牛卡纸的生产工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6245196B1 (en) Method and apparatus for pulp yield enhancement
EP2569481B1 (en) Freeness of paper products
US4116758A (en) Method of producing high yield chemimechanical pulps
EP0637351B1 (en) Wood-free pulp and white paper product
US5501769A (en) Pulping wood using fatty acid esters of polyoxyalkalene glycols to enhance pulping uniformity and pulp yield
JPH05230788A (ja) 脱墨古紙パルプ入り片づや紙の製造方法
JP2003096681A (ja) パルプの製造方法及び該パルプ含有電子写真用転写紙
WO2000019004A1 (en) Semi alkaline steam explosion treatment of fibrous material for the production of cellulose pulp
WO2015012167A1 (ja) クラフト紙及びクラフト紙の製造方法
JP2003096682A (ja) 漂白パルプの製造方法及び該パルプ含有電子写真用転写紙
CN101691708B (zh) 一种色相、不透明度和游离度改善且性能稳定的本色草浆
JPH05247880A (ja) 紙の製造方法
JP2008031585A (ja) 紙およびその製造方法
CN101691707B (zh) 一种改善的色相、不透明度和透气度且性能稳定的本色草浆
CN101660284B (zh) 一种改善的色相、不透明度和透气度且性能稳定的本色草浆
JP2004143629A (ja) リグノセルロース物質の蒸解助剤によるパルプ製造方法
JPH0849187A (ja) オフセット印刷用塗工紙
JP2008095220A (ja) 印刷用塗被紙
JPH05222688A (ja) 紙の製造方法
CN101691710B (zh) 一种改善的游离度、透气度和耐折度且性能稳定的本色草浆
JP2003105684A (ja) 退色性の改善された漂白パルプ
CN101691711B (zh) 一种改善的游离度、抗张指数和耐折度且性能稳定的本色草浆
CN101691705B (zh) 一种改善的色相、游离度和透气度且性能稳定的本色草浆
JPS6327477B2 (ja)
CN101684628A (zh) 一种改善的色相、松厚度和耐折度且性能稳定的本色草浆