JP2003096682A - 漂白パルプの製造方法及び該パルプ含有電子写真用転写紙 - Google Patents
漂白パルプの製造方法及び該パルプ含有電子写真用転写紙Info
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Abstract
真用紙に適した漂白パルプの製造方法を提供する。 【解決手段】ISO624−1974に準拠してジクロ
ロメタン抽出した場合未漂白パルプの全質量に対して合
計が0.15質量%以上の脂肪酸と脂肪族アルコールと
を含有する抽出成分が得られる蒸解未漂白パルプを、酸
素脱リグニンを行い、その後多段漂白処理するパルプ製
造方法あって、該多段漂白工程はオゾン処理工程を有し
ており、該オゾン処理工程では、オゾンを対パルプ0.
05〜2質量%添加し処理することを特徴とする脂肪酸
と脂肪族アルコール含有量が低減されている漂白パルプ
の製造方法。
Description
出量の多い広葉樹材から得られた漂白パルプを用いて抄
紙した電子写真用転写紙に関する。更に詳しく述べれ
ば、本発明は、複写機やプリンターで使用する際に走行
不良を起こさない電子写真用転写紙に関する。
opy=普通紙コピー)は、電子写真方式の主流となっ
ている。PPC用紙については数多くの技術が開発さ
れ、特許も数多く公開されている。これらのうち、特に
重要な技術課題の1つとして、複写機で複写およびプリ
ンターで印字する際の紙の走行不良に関する課題があ
る。
紙時に2枚もしくはそれ以上の枚数を送る現象)、紙づ
まり、紙の空送(機械内部への給紙が行われない現
象)、耳折れなどを総称するものである。これらは、紙
の剛性不足、紙のカール、摩擦係数の大小、静電気など
に起因するが、複数の要因が関係する場合がある。
くても、高温高湿、低温低湿環境下で使用される場合、
特に高温高湿の場合には包装紙を開封し、用紙を給紙ト
レイにセットし走行すると、複写および印字開始直後か
ら重送や空送が頻発するという、従来知られていなかっ
た大きな問題があることが明らかになってきた。さら
に、低温低湿環境下においては、給紙は通常に行われて
も走行途中で機内に停止するトラブルが発生するなど、
用紙の使用環境の変動にともなって様々な問題が生じる
ことが明らかになってきた。
ールする方法は、紙にシリカを付与する方法(特開昭5
8−95745号公報)等があるが、シリカは、炭酸カ
ルシウムに比べてコストが高く、実際の抄紙に使用する
ことは難しい。
広葉樹パルプの種類によって、摩擦係数が大きく異な
り、複写機やプリンターでの走行不良が発生する材種も
あることが分ってきた。
る場合、まず木材チップを蒸解工程でパルプ化し、多段
階漂白処理して漂白パルプとする必要がある。従来、蒸
解工程でパルプ化された未漂白パルプは、アルカリ酸素
脱リグニン後、最初に原子状塩素で処理し、パルプ中に
含有されるリグニンを塩素化し、リグニンに可溶性を付
加した後、次にアルカリで塩素化リグニンを溶解抽出し
て、パルプ中からリグニンを分離除去し、更に次亜塩素
酸塩、二酸化塩素等を使用し、残留する少量のリグニン
を分解除去し、白色度の高い漂白パルプを製造する方法
が採られている。しかしながら、このような一般的な漂
白手法では、摩擦係数に影響を与える木材の種類や抽出
物量等の因子を取り除くことができなかった。
写およびプリンターで印字する際の走行不良、特に空送
が起きない電子写真用転写紙を提供するものである。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原料となる広葉樹蒸
解未漂白パルプのジクロロメタン抽出物中の脂肪酸と脂
肪族アルコールの合計量と走行性不良の関係を見出し、
更に多段漂白工程でオゾンを用い、複写機やプリンター
で走行不良を起こさないことを見出すことで、本発明の
完成に至った。本発明は以下の発明を包含する。
ジクロロメタン抽出した場合、未漂白パルプの全質量に
対して合計が0.15質量%以上脂肪酸と脂肪族アルコ
ールとを含有する抽出成分が得られる蒸解未漂白パルプ
を、酸素脱リグニンを行い、その後多段漂白処理するパ
ルプ製造方法あって、該多段漂白工程はオゾン処理工程
を有しており、該オゾン処理工程では、オゾンを対パル
プ0.05〜2質量%添加し処理することを特徴とする
脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低減されている漂白
パルプの製造方法。
白工程処理から得られる漂白パルプをISO624−1
974に準拠してジクロロメタン抽出した場合の漂白パ
ルプの全質量に対して脂肪酸と脂肪族アルコールの合計
量を、該漂白パルプの質量に対して、0.2質量%未満
とする処理工程であることを特徴とする前項(1)記載
の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低減されている漂
白パルプの製造方法。
100℃であり、処理時間が5〜180分であることを特徴
とする、前項(1)または(2)記載の脂肪酸と脂肪族
アルコール含有量が低減されている漂白パルプの製造方
法
けることを特徴とする、前項(1)〜(3)記載のいず
れか1項に記載の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低
減されている漂白パルプの製造方法。
けることを特徴とする、前項(1)〜(4)記載のいず
れか1項に記載の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低
減されている漂白パルプの製造方法。
プである前項(1)〜(5)記載のいずれか1項に記載
の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低減されている漂
白パルプの製造方法
範囲にあることを特徴とする前項(6)記載の摩擦係数
低下が防止された電子写真用転写紙。
しては、ユーカリ、オーク、アカシア、ビーチ、タンオ
ーク、オルダー等、広葉樹材であればその限りではな
い。また、使用する広葉樹材に多少の針葉樹材を含んで
いても構わない。蒸解後の広葉樹未漂白パルプからの抽
出物測定方法としてはISO624−1974のジクロ
ロメタン及びジクロロメタンによる抽出、JIS P 8
205にあるエチルエーテルによる抽出、などが知られ
ている。これらの抽出法により、パルプから樹脂酸、脂
肪、脂肪酸、脂肪族アルコール、ステロール、テレピ
ン、蝋等が抽出できると考えられている。本発明は抽出
物の中でも特に電子写真用転写紙の走行性不良に関係の
深い脂肪酸、脂肪族アルコールを広葉樹漂白パルプの状
態から効率的に抽出する方法として、ジクロロメタンに
よる抽出方法を選定し、電子写真用転写紙原料となる広
葉樹漂白パルプの抽出を行った。
族アルコールは、酸素脱リグニン工程および一般的な塩
素や二酸化塩素、過酸化水素、次亜塩素酸ソーダ等を用
いた漂白工程で容易に除去されるものではなく、漂白さ
れたパルプ中の脂肪酸または脂肪族アルコール量と比較
しても大きく変化がないため、できあがった電子写真用
転写紙の走行不良、特に重送に大きく関与するものであ
る。
アルコールの合計が0.15質量%未満の場合、電子写
真用転写紙はほとんど走行不良を起こさないが、0.1
5質量%を越えた未漂白パルプを使用した場合には、電
子写真用転写紙が複写機に的確にホールドされないため
に走行不良を起こす。
めの蒸解法としては、クラフト蒸解、ポリサルファイド
蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知
の蒸解法を用いることができるが、パルプ品質、エネル
ギー効率等を考慮すると、クラフト蒸解法が好適に用い
られる。例えば、木材をクラフト蒸解する場合、クラフ
ト蒸解液の硫化度は5〜75%、好ましくは20〜35
%、有効アルカリ添加率は絶乾木材質量当たり5〜30
質量%、好ましくは10〜25質量%、蒸解温度は14
0〜170℃で、蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッ
チ蒸解法のどちらでもよく、連続蒸解釜を用いる場合
は、蒸解白液を分割で添加する蒸解法でもよく、その方
式は特に問わない。
として、公知の環状ケト化合物、例えばベンゾキノン、
ナフトキノン、アントラキノン、アントロン、フェナン
トロキノンおよび前記キノン系化合物のアルキル、アミ
ノ等の核置換体、或いは前記キノン系化合物の還元型で
あるアントラヒドロキノンのようなヒドロキノン系化合
物、さらにはディールスアルダー法によるアントラキノ
ン合成法の中間体として得られる安定な化合物である
9,10−ジケトヒドロアントラセン化合物等から選ば
れた1種或いは2種以上が添加されてもよく、その添加
率は木材チップの絶乾質量当たり0.001〜1.0質
量%である。
未漂白化学パルプは洗浄、粗選および精選工程を経て、
公知のアルカリ酸素脱リグニン法により脱リグニンされ
る。本発明に使用されるアルカリ酸素脱リグニン法は、
公知の中濃度法あるいは高濃度法がそのまま適用できる
が、現在汎用的に用いられているパルプ濃度が8〜15
質量%で行われる中濃度法が好ましい。前記中濃度法に
よるアルカリ酸素脱リグニン法において、アルカリとし
ては苛性ソーダあるいは酸化されたクラフト白液を使用
することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの
酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、V
SA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用でき
る。前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて
中濃度のパルプスラリーに添加され混合が十分に行われ
た後、加圧下でパルプ、酸素およびアルカリの混合物を
一定時間保持できる反応塔へ送られ、脱リグニンされ
る。酸素ガスの添加率は、絶乾パルプ質量当たり0.5
〜3質量%、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、反応
温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パ
ルプ濃度は8〜15質量%であり、この他の条件は公知
のものが適用できる。本発明では、アルカリ酸素脱リグ
ニン工程において、上記アルカリ酸素脱リグニンを連続
して複数回行い、できる限り脱リグニンを進めるのが好
ましい実施形態である。
法は、公知のオゾン漂白法を用いることができる。本発
明に使用されるオゾン漂白法は、公知の中濃度法あるい
は高濃度法がそのまま適用できる。中濃度漂白法の場
合、パルプ濃度は8〜15質量%で行われ、高濃度法の
場合、35〜45質量%とすることが好ましい。オゾン
の添加量は、絶乾パルプに対し、0.05〜2質量%が
好適に使用され、0.05質量%未満であれば静摩擦係
数の低下防止の効果が小さく、2質量%を超えれば、パ
ルプ繊維のダメージが大きく、経済的にも不利であるこ
とから、実用的ではない。
ーケンスであれば他に、塩素(C)、二酸化塩素
(D)、過酸化水素(P)、アルカリ抽出(E)、次亜
塩素酸ソーダ(H)等を用いることができる。オゾン漂
白工程を含むシーケンスは、Z−E−D、Z−E−P−
D、Z−E−D−P、Z/D−E−D、Z−D−E−
D、Z/D−P−D、Z−D−P−D、Z−E−D−E
−D、Z−C−E−H−D、Z−C−E−D、Z−E−
H−D等のオゾン漂白を第1段目で行うシーケンス、C
−E−Z−D、D−E−Z−E−D、D−E−Z−D、
D−E−D−Z−D、D−E−D−Z−E−D等オゾン
処理を第2段目以降で行うシーケンスがあるが、Z段が
含まれるシーケンスであればその限りではない。
に限定されるものではないが、従来から知られている酸
性または中性の上質紙や中質紙、更紙、再生紙等を使用
できる。これらに使用する填料も、特に限定されるもの
ではなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、
チョーク等の炭酸カルシウムや、カオリン、焼成クレ
ー、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ
酸類や、二酸化チタン等の無機填料、および、尿素樹
脂、スチレン等の有機顔料を使用できる。しかし、電子
写真方式における画質維持性および白色度向上の観点か
らは、炭酸カルシウムの配合が好ましい。
サイズ剤等の各種薬品は、内添または外添により使用す
ることができる。サイズ剤としては、ロジン系サイズ
剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤
等を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉
等、適当なサイズ剤、繊維および定着剤を組み合わせて
使用することができる。電子写真方式の複写機、プリン
ター等における複写および印字後の用紙保存性を考慮す
ると、中性サイズ剤、例えばアルケニル無水コハク酸系
サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コ
ハク酸、中性ロジン、石油系サイズ、オレフィン系樹
脂、スチレン・アクリル系樹脂等を挙げることができ
る。
調整する目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化
カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の
無機物や、アルキルリン酸エステル塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウ
ム塩などの有機系の材料を単独または混合して使用する
ことができる。環境を考えた場合には塩素分子を含まな
いものが好ましい。
紙条件としてパルプの叩解度、ジェットワイヤー比、プ
ロファイル、プレス、キャレンダー等の調整が行われ、
また乾燥条件も抄紙機のドライヤーでの蒸気圧および通
気方法等公知の方法が利用できる。
定するものではないが、64〜110g/m2 の範囲に
調整することが望ましい。坪量が110g/m2 を上回
るものは、定着時に熱容量が過大となるため、トナーを
均一に確実に溶融することができず、溶融むらが発生し
て高画像密度部のグロスむらや濃度むら、定着不良を発
生させたり、また、紙のこしが大きくなりすぎて、走行
不良を発生させる原因となる。また、64g/m2 未満
では、定着時にトナーが溶融しすぎるため、いかに塗工
層構造を最適化しても、トナーの浸透むらを回避するこ
とができず、粒状性を悪化させ、画像グロスが高くなり
すぎる場合がある。
0.35〜0.70が好ましい。0.35未満では複写
機およびプリンターで電子写真用転写紙が重送、空送を
起こりやすく、その理由として電子写真用転写紙が複写
機に的確にホールドされていないためと考えられる。静
摩擦係数が0.70より高い場合は、複写時において空
送が多発する。その理由として複写機での紙送りがスム
ーズに行なわれないためと考えられる。
が、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもので
はない。なお実施例中の部,%は質量部、質量%を示
す。
23に従ってパルプ白色度を測定した。 (ISO624−1974に準じたジクロロメタン抽出
による脂肪酸と脂肪族アルコールの合計量の測定)試料
10gを少なくとも3時間以上ソックスレー抽出を行
い、その際に1時間に8回、抽出管から溶媒が流れ落ち
るように調節した。溶媒を蒸発させ、103±2℃の乾
燥機に入れて16時間を超えない範囲で定量になるまで
乾燥した。加熱乾燥後デシケーターに45分入れ、0.
5mgの精度で秤量し、再度乾燥後の秤量差が0.5m
g以下になるまで続けた(紙パルプの試験法 紙パルプ
技術協会編(1995年発行)、第30〜31頁パルプ
のジクロロメタン可溶分の定量参照)。得られた秤量値
をジクロロメタンで抽出後の乾燥質量比(a)(質量
%)とした。核磁気共鳴法から直鎖CH2に起因する比
率(%)の算出は、各パルプのジクロロメタン抽出物を
溶媒に重水素置換クロロホルムを用い、基準物質にTM
S(テトラメチルシラン)を用い、核磁気共鳴装置で通
常のプロトンNMR測定を行い、得られたチャート上の
0〜4.5ppm内に現れる全ピーク面積を100と
し、主に直鎖CH2に起因する1.2〜1.4ppmの
ピーク面積比率(b)を求めた。ジクロロメタン抽出中
の脂肪酸と脂肪族アルコールの合計量は、aにbを乗じ
100で除した値(質量%)とした。
はJIS P 8147に準拠する。変更点、特記すべき
条件等を次に示す。測定用試料は試料と同種の紙を25
枚下敷きにしてその上に置いた。重りを100mm/m
inで移動させフェルト面とワイヤー面のMD方向の摩擦
を測定した。重りは試料と接する面の寸法が縦100m
m、横60mm、質量1000gの物を使用した。ま
た、ポストイットを重りの進行方向手前の紙面上に貼
り、重りを固定する滑り止めとした。
紙の走行性評価は、セイコーエプソン(株)製のモノク
ロレーザープリンタLP8600を用い、28℃、85
%RHの環境下で実施した。給紙サンプルは、包装開封
後、直ちに複写機の手差しトレイに置き、1000枚走
行させ、その時のミスフィード、紙詰まりおよび重走の
発生回数の合計を走行トラブル数としてカウントした。
D) (電子写真用転写紙の製造)木材チップとしてユーカリ
40%、オーク20%、アカシア30%、国内材(具体
的にはヒノキ、ラワンなどの建築廃材、杉、松などの間
伐材の総称)10%を用い、オートクレーブ内で液比
4、硫化度28%、有効アルカリ17%(Na 2 Oとし
て)となるように蒸解白液を加えた後、蒸解温度を16
0℃にてクラフト蒸解を行った。クラフト蒸解終了後、
黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって
解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次い
でスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカ
ッパー価19.9、ジクロロメタン抽出量が、0.28
質量%である蒸解未漂白パルプを得た。
対して、NaOHを2.0%添加し、イオン交換水を加
えてパルプ濃度が10%となるように調製した後、酸素
ガスを注入し、100℃、ゲージ圧5kg/cm2
(0.49MPa)で60分間処理を行った。洗浄・脱
水後の酸素脱リグニンパルプのカッパ価は10.5であ
った。
−E−P−Dの4段漂白処理を行った。オゾン処理
(Z)は、パルプ濃度が40%となるように調製し、オ
ゾンを0.5%添加し、40℃で処理を行った。次い
で、イオン交換水にて洗浄、脱水後、パルプ濃度を10
%に調製し、苛性ソーダを1%添加し、70℃、90分
間のアルカリ抽出処理(E)を行った。次いで、イオン
交換水にて洗浄、脱水後、パルプ濃度を10%に調製
し、過酸化水素0.5%、苛性ソーダ0.5%を順次添
加し、70℃、120分間の過酸化水素処理(P)を行
った。次いで、イオン交換水にて洗浄、脱水後、パルプ
濃度を10%に調製し、二酸化塩素0.25%を添加
し、70℃、180分間二酸化塩素処理(D)を行っ
た。最後にイオン交換水にて洗浄、脱水後、白色度8
5.1%の漂白パルプを得た。
リーをリファイナーによりフリーネスがカナダ標準ろ水
度(CSF)450mlとなるように叩解した。叩解後
のパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを
紙灰分で3%になるように添加し、さらに内添サイズ剤
としてロジンサイズ剤(商品名:サイズパインE/荒川
化学工業社)0.7%および硫酸アルミニウム2%をパ
ルプ絶乾質量に対して添加し、紙料を調成した。上記の
如く調成した紙料を用いて抄速500m/分で長網抄紙
機により抄紙した。さらに、2本ロールサイズプレス装
置で、6%濃度の酸化澱粉(商品名:エースC/王子コ
ーンスターチ社)液を両面合計で2g/m2 (固形分)
となるように塗布、乾燥し、米坪64g/m2 の電子写
真用転写紙を得た。電子写真用転写紙の静摩擦係数、動
摩擦係数、及び走行性の試験を行いそれぞれの結果を表
1に示した。
D、Z低添加) 実施例1で行った漂白シーケンスのオゾン添加率を0.
1%、二酸化塩素添加率を0.9%とした以外は、実施
例1と同様にして評価を行った。漂白後の白色度は、8
4.6%であり、電子写真用転写紙の動摩擦係数、静摩
擦係数、及び走行性の試験を行いそれぞれの結果を表1
に示した。
D) 実施例1で行った漂白シーケンスのオゾン漂白段の変わ
りに、塩素(C)段を用いた以外は、実施例1と同様に
して評価を行った。C段の漂白条件は、塩素添加率1.
3%、40℃、40分間で行った。漂白後の白色度は、
85.5%であり、電子写真用転写紙の静摩擦係数、動
摩擦係数、及び走行性の試験を行いそれぞれの結果を表
1に示した。
D) 実施例1で行った漂白シーケンスのオゾン漂白段の変わ
りに、二酸化塩素(D)段を用いた以外は、実施例1と
同様にして評価を行った。D段の漂白条件は、二酸化塩
素添加率0.45%、70℃、40分間で行った。漂白
後の白色度は、84.7%であり、電子写真用転写紙の
静摩擦係数、動摩擦係数、及び走行性の試験を行いそれ
ぞれの結果を表1に示した。
−E−P−D) 比較例1において、用いた広葉樹木材チップとしてユー
カリ40%、オーク20%、国内広葉樹材35%、国内
針葉樹材5%に変更した以外は、比較例1と同様にして
評価を行った。蒸解未漂白パルプのジクロロメタン抽出
量は、0.13質量%であり、蒸解未漂白パルプ及び酸
素脱リグニン後のカッパー価は、各々20.2、11.
0であり、C−E−P−D漂白後の白色度は、84.8
%であった。また、電子写真用転写紙の動摩擦係数、静
摩擦係数、及び走行性の試験を行いそれぞれの結果を表
1に示した。
ら明らかなように、漂白シーケンスをオゾン処理から、
塩素及び二酸化塩素処理に変更することで、静摩擦係数
は低下し、電子写真用転写紙は走行トラブル数が急増し
ている。また、比較例3よりジクロロメタン抽出量が
0.15質量%より低ければ、初段に塩素を用いても電
子写真用転写紙の走行性には影響がない。したがって、
ジクロロメタン抽出量の多い材種を用いた場合、多段漂
白シーケンスにオゾンを用いることは、明らかに有効な
手段といえる。
く含む広葉樹蒸解未漂白パルプを原料とする電子写真用
転写紙を製造する工程において、パルプの多段漂白工程
にオゾン段を用いることで走行性に優れた電子写真用転
写紙を提供すること可能となった。
Claims (7)
- 【請求項1】ISO624−1974に準拠してジクロ
ロメタン抽出した場合未漂白パルプの全質量に対して合
計が0.15質量%以上の脂肪酸と脂肪族アルコールと
を含有する抽出成分が得られる蒸解未漂白パルプを、酸
素脱リグニンを行い、その後多段漂白処理するパルプ製
造方法あって、該多段漂白工程はオゾン処理工程を有し
ており、該オゾン処理工程では、オゾンを対パルプ0.
05〜2質量%添加し処理することを特徴とする脂肪酸
と脂肪族アルコール含有量が低減されている漂白パルプ
の製造方法。 - 【請求項2】前記オゾン処理を含む該多段漂白工程処理
から得られる漂白パルプをISO624−1974に準
拠してジクロロメタン抽出した場合の漂白パルプの全質
量に対して脂肪酸と脂肪族アルコールの合計量を、該漂
白パルプの質量に対して、0.2質量%未満とする処理
工程であることを特徴とする請求項1記載の脂肪酸と脂
肪族アルコール含有量が低減されている漂白パルプの製
造方法。 - 【請求項3】オゾン処理工程の処理温度が20〜100
℃であり、処理時間が5〜180分であることを特徴とす
る、請求項1または2記載の脂肪酸と脂肪族アルコール
含有量が低減されている漂白パルプの製造方法。 - 【請求項4】オゾン処理工程の前後に洗浄段を設けるこ
とを特徴とする、請求項1〜3記載のいずれか1項に記
載の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低減されている
漂白パルプの製造方法。 - 【請求項5】オゾン処理工程の前後に洗浄段を設けるこ
とを特徴とする、請求項1〜4記載のいずれか1項に記
載の脂肪酸と脂肪族アルコール含有量が低減されている
漂白パルプの製造方法。 - 【請求項6】前記蒸解未漂白パルプが広葉樹パルプであ
る請求項1〜5記載のいずれか1項に記載の脂肪酸と脂
肪族アルコール含有量が低減されている漂白パルプの製
造方法。 - 【請求項7】静摩擦係数が0.35〜0.70の範囲に
あることを特徴とする請求項6記載の摩擦係数低下が防
止された電子写真用転写紙。
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