JP2002326332A - 成形加工原紙及びそれを用いた紙製成形容器 - Google Patents

成形加工原紙及びそれを用いた紙製成形容器

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JP2002326332A
JP2002326332A JP2001130967A JP2001130967A JP2002326332A JP 2002326332 A JP2002326332 A JP 2002326332A JP 2001130967 A JP2001130967 A JP 2001130967A JP 2001130967 A JP2001130967 A JP 2001130967A JP 2002326332 A JP2002326332 A JP 2002326332A
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layer
density
pulp
molding
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JP2001130967A
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Inventor
Yoshiyuki Asayama
良行 浅山
Hideyuki Mikado
秀幸 見門
Keihachirou Nakajima
慶八郎 中嶋
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性を有しながら生分解性を有し、プレス
成形適性に優れ外観が美しく強度が十分な紙製成形容器
が得られる成形加工原紙を得る。 【解決手段】 密度0.7g/cm未満の低密度層及
び0.7g/cm以上の高密度層を有する密度0.4
〜0.7g/cmの多層紙により構成された成形加工
原紙であって、該多層紙の少なくとも片面に生分解性を
有する耐水層を積層した成形加工原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分を含有する内
容物、特に食品類、例えば食肉、野菜、鮮魚等の生鮮食
料品、又は弁当、総菜、冷凍食品、菓子類、めん類、ス
ープ類、汁物類、飲料等の各種加工食品を収容するのに
好適な、耐水性、及び生分解性を有し、しかもプレス成
形適性に優れ、外観が美しい紙製成形容器を選られる成
形加工原紙、及び紙製成形容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分を含有する内容物、特に食品
類に用いられるトレー等成形容器としては、各種樹脂を
原料とした成形容器、例えば、例えば、発泡ポリスチレ
ンビーズをモウルド成形、又は発泡ポリスチレンシート
をプレス成形したEPS(発泡スチロール)トレー、その
他、PS(スチレン)トレー、PP(ポリプロピレン)、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)トレー等が広く用
いられている。その他にも、主にアルミニウム等の薄い
金属をプレス成形したトレー容器が存在する。また、紙
を主体として構成された紙製成形容器も広く用いられて
いる。水分を含有する内容物を収容する場合、紙主体の
素材は表面に耐水層として上記したような各種樹脂を積
層した原紙を成形したものが広く用いられている。この
ような樹脂を耐水層とする紙製成形容器は、安価かつ軽
量であって、ワンウエイ用途等に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような紙
製成形容器は、耐水層として生分解性の樹脂層を有する
ため、紙素材が本来有する生分解性を阻害される。即
ち、使用後、ゴミとして埋め立て処分に付された場合、
樹脂部分がその形状を保ち減容しないため、処分場が枯
渇する等の弊害をもたらす。また、環境に放置された場
合、永年にわたって形状を保ち、美観を損なう等さまざ
まな弊害を有するものであった。また、従来の成形加工
原紙は、特にプレス成形によって紙製成形容器とした場
合、得られる容器の深さや外観の滑らかさ、及び容器の
強度が不十分であった。上記の理由から、耐水性を有し
ながら生分解性を有し、プレス成形適性に優れ外観が美
しく強度が十分な紙製成形容器が得られる成形加工原紙
が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
するため、以下の方法をとる。即ち、本発明は密度0.
7g/cm未満の低密度層、及び0.7g/cm
上の高密度層を有する密度0.4〜0.7g/cm
多層紙により構成された成形加工原紙であって、該多層
紙の少なくとも片面に生分解性を有する耐水層を積層し
た成形加工原紙である。
【0005】本発明の第2は、低密度層が機械パルプ、
カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくと
も一つから選ばれるパルプを主体として構成された本発
明第1記載の成形加工原紙である。
【0006】本発明の第3は、耐水層が熱可塑性生分解
性樹脂を溶融押出しして形成された請求項1〜2記載の
成形加工原紙である。
【0007】本発明の第4は、耐水層が生分解性脂肪族
ポリエステルで構成された本発明第1〜3記載の成形加
工原紙である。
【0008】本発明の第5は、本発明第1〜4の成形加
工原紙をプレス成形して成形された紙製成形容器であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における成形加工原紙は、
必要な剛度を得るために多層抄き合わせ抄紙によって得
る。即ち層数が少なくとも2層以上を有する多層紙より
構成されているものである。また、本発明においては、
多層紙全体の密度が0.4〜0.7g/mであること
が必要である。また、このように低密度、即ち嵩高であ
りながら、剛度の高い多層紙を得るためには、前記多層
紙は、密度0.7g/m未満、更に望ましくは0.2
〜0.6g/mの低密度層、及び密度0.7g/m
以上、更に望ましくは0.7〜0.9g/mの高密度
層を有するものとし、低密度層によるヤング率の低下
を、高密度層で補完することによって剛度の高い多層紙
を得るものである。
【0010】本発明においては、前述の多層紙が、低密
度層と高密度層を少なくとも1層ずつ有すればよいが、
嵩高でかつ剛度の高い多層紙を得るためには、高密度層
が多層紙の少なくとも片側の外層であることが望まし
い。また、多層紙の表裏の外層を共に高密度層とし、低
密度層である中層が前記外層に挟まれた構造とすること
が、更に効果的である。なお、本発明においては、多層
紙の表裏両面の最も外側の層を外層と呼び、中層とは外
層に挟まれた一層あるいは複数の層全てを指すものとす
る。
【0011】紙、板紙等のシートの剛度Sは、該シート
を片持ち梁と考えたとき、S=E・I/B・W=E・T
/12・W、(E:ヤング率MPa、I:断面二次モ
ーメントN・cm、B:試料巾mm、W:試料重量k
g、T:試料厚さmm)で示される。即ち、剛度Sはヤ
ング率とシート厚さの3乗に比例すると考えることがで
きる。
【0012】更に、板紙のような多層構造のシートの剛
度は、Tappi Nov.1963、Vol.46、
No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の
式を用い、各層のヤング率と断面二次モーメントから各
層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の和でシート全
体の剛度値が求められるとされる。この考え方に基づけ
ば、紙の厚さ中心からの距離が遠い、即ち、紙厚が厚い
ほど剛度が得られるので、中層は嵩高にすればよい。ま
た、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示されるので、
ヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果的である。
【0013】このことから、低密度層の密度は0.7g
/cm未満、更に好ましくは0.2〜0.6g/cm
、最も好ましくは0.3〜0.5g/cmである。
低密度層の密度を0.2g/cm未満にすると層間強
度の低下が激しく、また、0.6g/cmを越える
と、原紙全体の密度を0.4〜0.7g/cmとする
ことができない。
【0014】本発明においては、高密度層の密度は、
0.7g/cm以上であることが必要である。更に望
ましくは0.7〜0.9g/cmである。0.7g/
cm未満だと高密度層のヤング率が低下し、本発明の
剛度の向上が期待できない。また、密度0.9g/cm
を越えた場合は、高密度層が緊密になりすぎて、抄紙
段階でこれ以上の高密度層を得ることが困難な場合があ
る。更に、プレス成形適性が伴わなくなる場合がある。
【0015】本発明においては、前述したように、剛度
を向上させるため、低密度層を中層とし、その両側に高
密度化してヤング率を向上させた外層を形成することが
好ましいが、片方の外層をのみ高密度層とすることも可
能である。この方法により、全体の厚さを薄くすること
なく、また、抄き合わせ抄紙時に、紙層内、又は紙層間
の空気が外層を透過できず、層間はがれ現象が起きやす
くなることを回避することもできる。
【0016】外層に用いるパルプの種類には特段の制約
はないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉樹)
パルプの叩解度を高くして剛度を失わないようにしたも
のが特に望ましい。なお、本発明を効果的なものとする
ためには、高密度層とした外層の坪量は15〜100g
/mであることが好ましい。即ち15g/m未満で
は高ヤング率の紙層を得ることは困難であり、また抄紙
すること自体も困難である。一方、前記外層が100g
/mを越えると、相対的に低密度層の坪量が減るため
に多層紙全体の密度が上がり、0.4〜0.7g/cm
の範囲とすることが困難であるからである。
【0017】本発明の多層紙の製造は、一般的な板紙を
製造するのと同様に多層抄き合わせフォーマを用いて行
う。例えば、10ステーション程度の複数のワイヤーパ
ート上に数十g/mの乾燥米坪に対応するパルプスラ
リーを順次積層しウエットシートを形成する。更に具体
的に例示すると、最初に外層となる紙層を形成するワイ
ヤーパートに40g/m程度のパルプ層を形成、脱水
したのち毛布に転移させる。次に中層も別のワイヤーパ
ートで同様に紙層を形成し、前記の外層上に必要な層数
だけ積層する工程を繰り返して中層を形成する。最後に
もう一方の外層となる紙層を形成して本発明の成形加工
原紙を得る。
【0018】本発明において、低密度層の原料として用
いるパルプ原料は、JIS P 8121のカナダ標準
形に準じたフリーネスが、再離解状態で200〜650
mlの範囲となるものを用いることが好適である。フリ
ーネスが200ml未満の場合、パルプ繊維の水切れが
悪いため、搾水されたシートが緻密な構造になりやす
く、低密度な紙層構造を得にくくなる。反対にフリーネ
スが650mlを越えると、シートが低密度になりすぎ
て抄紙時にプレス工程で層間剥離を発生してバルーン状
の膨れが発生しやすくなる。なお、再離解状態で200
〜650mlのフリーネスを示す紙料は、用いられたパ
ルプ原料の如何に関わらず、カナダ標準型フリーネスで
250〜700mlとすることができる。また、使用さ
れたパルプのフリーネスを原紙を再離解して測定するこ
とは、良好な操業性を示した製品から必要なパルプ特性
を単時間で把握するのに有効である。
【0019】また、低密度層に用いるパルプ原料は、低
密度な紙層を得やすいパルプを主体とすることが好まし
い。具体的にこのようなパルプの例として機械パルプが
存在し、好適に使用される。機械パルプは通常は木材、
とりわけN材を機械力で破砕した後離解して製造したパ
ルプであり、GP、TMP、RGP等があるが、TM
P、RGPがより好ましい。その中でもラジアータパイ
ンやサザンパイン、ダグラスフアー等が、繊維が剛直で
変形しにくいという特徴を有するため、低密度な紙層を
得ることができ、またプレス成形時の密度低下も少ない
ので低密度層の原料として特に好ましい。また、ケナフ
や葦、竹、サトウキビの砂糖絞り粕であるバガスなど各
種非木材原料を使用することも可能である。なお、本発
明においては、機械破砕する際に化学薬品を添加して得
たパルプや、漂白工程を経たパルプ等、一部化学処理し
たパルプも機械パルプとして扱うものとする。
【0020】更に、マーセル化パルプやカールドファイ
バー等、化学処理により、パルプに低密度化特性を付与
したものも原料として好適に使用できる。本発明におい
ては、低密度層の原料として、低密度の紙層を得るのに
適した前述のパルプを主体として使用するが、その他、
通常用いられる各種木材、もしくは各種非木材を原料と
した化学パルプを適宜配合して使用することも可能であ
る。本発明においては、低密度層の密度が0.7g/c
未満となるように、パルプ原料を選択し、必要に応
じて、複数の種類を配合して使用することが可能であ
る。
【0021】なお、本発明においては、必要に応じて、
上記パルプ原料中に一般の抄紙に用いられる填料、顔
料、染料、サイズ剤、歩留向上剤、紙力増強剤などを任
意に添加することができる。例えば、硫酸バンド、ロジ
ン系内添サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、無水マレイン
酸系サイズ剤、スチレンアクリル酸系サイズ剤、スチレ
ンアクリル系サイズ剤、ニカワ、澱粉、CMC、PV
A、AKD等のサイズ剤、フッ素樹脂、ポリアミド系樹
脂、ワックスエマルジョン等の撥水剤、尿素−ホルムア
ルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂、
ジアルデヒド澱粉、SBR等のラテックスを内添するこ
とで本発明の多層紙の耐水性を強化することができる。
また、これらは抄造工程中に紙層間にスプレーしたり、
抄造中、もしくは抄造後に原紙表面に塗工する方法で添
加することも可能である。本発明の抄紙時pHは酸性抄
紙である4.5付近から中性抄紙の6〜8程度の間で必
要に応じて任意に選択することが可能である。また、本
発明の製造に用いられる抄紙機は、抄き合わせ抄紙、多
層抄き抄紙が可能であるものならどのようなものでも良
く、丸網式のもの、長網式のもの等が適宜使用できる。
【0022】本発明における成形加工原紙には、必要に
応じてその片面、あるいは両面に顔料と接着剤からなる
塗工層を設けることができる。このような塗工層を設け
ることにより、成形加工原紙表面に良好な印刷適性を付
与することができる。前記塗工層に用いられる顔料とし
ては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸
化チタン、プラスチックピグメント等既知のものが任意
に使用できる。前記塗工層に用いられる接着剤として
は、澱粉、カゼイン、SBRラテックス、ポリビニルア
ルコールなど既知のものが任意に使用できる。これらの
塗工層は単層、あるいは多層に形成することができる。
またその塗工量は全体で20〜30g/m程度が望ま
しい。また、このような塗工層を設ける場合は、塗工層
直下の層は、叩解度を高め、表面をより平滑にしておく
ことが更に好ましい。このような塗工層は、公知である
各種の塗工装置を適宜用いて塗工することができる。ま
た、このような塗工層の上に更に印刷層を設けることが
可能である。
【0023】本発明の成形加工原紙は、前述の多層紙の
片面、あるいは両面に、成形容器とした場合に液体の染
み込みや液漏れを防止するため、生分解性を有する耐水
層を積層するものである。この生分解性を有する耐水層
は、多層紙上に直接、もしくは前記顔料塗工層上、ある
いは印刷層上等任意の個所に設けることができる。生分
解性を有する耐水層を積層する方法としては、生分解性
樹脂のラミネートや、生分解性耐水性塗料の塗工等が存
在し、状況に応じて任意に選択できる。特に本発明に好
適な方法は、熱可塑性の生分解性樹脂を多層紙表面に積
層する方法である。上記樹脂層を多層紙に積層する方法
としては、通常用いられるウエットラミネーション、ホ
ットメルトラミネーション、押出ラミネーション、ドラ
イラミネーション、サーマルラミネーション等のいずれ
でも良く、特に限定されるものではない。
【0024】本発明で使用する生分解性樹脂としては、
紙と同等、もしくはそれ以上の生分解性を有する樹脂で
あればその種類に限定はない。即ち、3−ヒドロキシブ
チレート・3ヒドロキシバリレート共重合体、3−ヒド
ロキシブチレート重合体、ポリカプロラクトンなどの脂
肪族ポリエステル、ポリ乳酸などのポリグリコリド、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアルコールとデンプン
の複合体、セルロースアセテートなどのセルロース誘導
体等、合成あるいは天然の樹脂を単独で、あるいは任意
に混合して用いることができる。なお、生分解性樹脂の
中で、本発明に特に好適な樹脂は、脂肪族ポリエステル
である。脂肪族ポリエステルは、原紙に積層する際の加
工性に優れ、また、耐水性においても優れている。これ
らの生分解性樹脂の加工性や物性を向上させる目的で、
該樹脂に他の各種樹脂や添加剤を添加することも差し支
えない。その場合、生分解性を有さない樹脂や添加剤を
添加する場合は、その添加によって、本発明成形加工原
紙の生分解性を阻害しない範囲に留めることが必要であ
る。添加量が生分解性樹脂の重量を越えると成形加工原
紙全体の生分解性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0025】生分解性を有する耐水層の厚さは、5〜1
00μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
耐水層の厚さが5μmより薄いと十分な耐水性が発現せ
ず、膜強度も不十分なものになり、100μmより厚い
と不経済であるばかりでなく、プレス成形加工性に劣
り、また成形後の紙製成形容器の風合いが好ましくな
い。
【0026】また、生分解性を有する耐水層を設ける方
法として、生分解性を有する耐水性塗料を塗工する方法
を用いることもできる。生分解耐水性塗料としては、脂
肪族ポリエステルのエマルジョンなどを用いることがで
きる。耐水性塗料の塗工設備としては、通常用いられる
バーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、
ブレードコーター、ゲートロール、サイズプレス等のい
ずれでも良く、特に限定されるものではない。また、こ
れらの塗工量は全体で1.0〜20.0g/m程度が
好適であり、これら塗工層を単層、もしくは多層に形成
することができる。
【0027】また、本発明を紙製成形容器としての形状
に成形する方法は、成形加工原紙を罫線で底面と側面と
に区画し、該側面部を折り立てて、更に側面部のコーナ
ーを折り込むか、重ね合わせて糊付けする等して成形す
る方法がある。また、成形加工原紙に予め罫線を入れる
等して、更にプレス成形して製造する、絞り成形という
方法がある。いずれの方法によっても紙製成形容器を成
形可能である。しかし、本発明の成形加工原紙は、特
に、プレス成形による絞り成形容器の製造に特に適した
ものである。
【0028】本発明の成形加工原紙の坪量は90〜50
0g/mが好適である。90g/mに満たない場合
には、内容物を装填したときに容器が歪んだり破断する
という不都合が発生する。また500g/mを越える
場合には原紙が厚くなりすぎるため、成形時により高い
圧力と成形時間が必要になり不経済かつ、非効率になる
という不都合が発生する。
【0029】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に詳しく記
載する。本発明は下記の実施例の範囲に限定されるもの
ではない。なお、特に断りのない限り、濃度や配合量、
塗布量などを示す数値は、固型分又は有効成分の重量基
準の数値である。
【0030】<実施例1>以下の〜に示す三種類の
パルプを、熊谷理機工業製の実験用配向性抄紙機によ
り、ワイヤースピード300m/minで、この順に順
次抄き合わせ抄紙を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m ラジアータパインTMP、350mlcsf、180
g/m 市販NBKP、450mlcsf、50g/m (尚、各紙料は熊谷理機工業製のKRK高濃度ディスク
リファイナー型叩解機により所定のフリーネスに叩解し
た) なお、抄き合わせ抄紙の際は、各層の表側(フェルトサ
イド)へ澱粉(ONL510:王子コーンスターチ製)
を澱粉濃度2.0%の水分散液とし、固型分付着量が
1.0g/mとなるようにスプレーした後抄き合わせ
た。次いで、前記で得た湿紙状の抄き合わせシートをキ
ャレンダー(由利ロール機械製)で、ニップ圧10kg
/cm、速度30m/minで、モノプラスチックカン
バスシート(敷島カンバス製)に挟み加圧処理する。次
いで該シートをフエロタイプの円筒加熱ドライヤー型乾
燥機により乾燥する。次いで該シートを20℃・65%
RHで調湿し、キャレンダー(由利ロール機械製)で、
ニップ圧20kg/cm、速度20m/minでキャレ
ンダー処理した後、濃度8.0%のPVA(クラレポバ
ールPVA−KL118:クラレ製)を手塗りで2.0
g/m塗工、更にキャレンダー(由利ロール機械製)
でニップ圧40kg/cm、速度20m/min、12
0℃で熱キャレンダー処理したものを多層紙とした。該
多層紙を、20℃・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、
密度、Z強度テーバー剛度を測定する。更に、該成形加
工原紙のオモテ面に溶融押し出しにより脂肪族ポリエス
テル(昭和高分子社製、商品名ビオノーレ)を膜厚40
μmでラミネートし、成形加工原紙とした、該成形加工
原紙を小判型に打ち抜き、中心から放射状に罫線を刻印
する(図1参照)。前記で打ち抜いた成形加工原紙をテ
ストプレス成型機(第一工機製)により、雄雌の凹凸形
状の小判型の紙製トレー型で130℃、35kg/cm
で加熱加圧処理し、長径約20cm、短径約14c
m、高さ約4cmである紙製成形容器を得た(図2参
照)。
【0031】<実施例2>下記に示す三種のパルプを使
用し、また、表面に塗工する際に下記に示す塗工液を使
用して、マイヤーバーによる手塗りで乾燥後の重量を下
塗り9.0g/m 、上塗り10.0g/mになるよう
塗工し、105℃の熱風乾燥機内(アドバンテック社
製)で60秒乾燥した以外は、実施例1と同様の方法で
抄き合わせ抄紙を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m ラジアータパインTMP300mlcsf/市販NB
KP、150mlcsf品=70/30で配合、配合後
フリーネス280mlcsf、230g/m 市販NBKP450mlcsf、50g/m 〔塗料配合〕 上塗り:カオリン(ウルトラホワイト90:エンゲルハ
ード社製)/炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石
工業)/酸化チタン(トーケムプロダクツ社製TCA3
33)=50/35/15、及びラテックス(L141
0:旭化成製)/尿素リン酸エステル化澱粉(MS46
00:日本食品化工)=15/5。(固型分重量基準の
配合部数、以下同じ。) 下塗り:カオリン(カオブライト:シール社製)/炭酸
カルシウム(ソフトン2200:備北粉化)=50/5
0、及びラテックス(0668:JSR)/尿素リン酸
エステル化澱粉(MS4600:日本食品化工)=15
/5。 次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び
紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
【0032】<実施例3>下記に示す三種のパルプを使
用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙
を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m ラジアータパインTMP、350mlcsf/市販L
BKP、350mlcsf品=70/30で配合、配合
後フリーネス350mlcsf、200g/m 市販NBKP380mlcsf、50g/m 次いで、実施例1と全く同様にして多層紙を得て20℃
・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、密度、Z強度テー
バー剛度を測定した。次いで、実施例1と同様の方法
で、オモテ面にポリカプロラクトン(UCC社製)を膜
厚40μmでラミネートし、成形加工原紙とした。更に
該シートより図3に示すような箱成形トレー容器を得
て、同様に測定及び評価を行った。
【0033】<実施例4>下記に示す三種のパルプを使
用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙
を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m 市販マーセル化パルプ300mlcsf/市販NBK
P、150mlcsf品=70/30で配合、配合後フ
リーネス250mlcsf、200g/m 市販NBKP450mlcsf、50g/m 次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び
紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
【0034】<実施例5>下記に示す三種のパルプを使
用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙
を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m 市販NBKP、150mlcsf品/カールドファイ
バー(ウェアハウザー製)750mlcsf品=70/
30で配合、配合後フリーネス300mlcsf、16
0g/m 市販NBKP450mlcsf、40g/m 次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び
紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
【0035】<実施例6>下記に示す三種のパルプを使
用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙
を行った。 市販NBKP、450mlcsf、50g/m ケナフTMP、350mlcsf、185g/m 市販NBKP、380mlcsf、50g/m 次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び
紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
【0036】<比較例1>トレー用原紙のオモテ面に脂
肪族ポリエステルでなく、ポリプロピレンをラミネート
した他は、実施例1と全く同様の方法で成形加工原紙、
及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行っ
た。
【0037】以上実施例、比較例の測定結果、評価結果
を表1〜表2に示す。なお、評価方法は以下の通りであ
る。
【0038】〔各紙層の密度〕JIS P 8139の
板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載された層間剥
離方法で各層の層間を剥離し、厚さ(mm)、坪量(g/
2)を求める。なお、剥離した各層の厚さは剥離によっ
て毛羽立っており、実際の厚さより厚くなってしまうた
め、以下の方法で補正ファクター値を算出して、剥離後
の各層の厚さ値を補正し、各層の密度を算出する。 補正ファクター値=剥離前の全層厚さ/剥離後の各層厚
さの合計値 各層の剥離が上記のJIS P 8139の板紙の抄き
合わせ層の剥離強さ試験法記載の層間剥離方法で困難な
場合は、多層抄合わせシート試料を60℃の温水に1時
間含漬した上で表層と中層、裏層にそれぞれ剥ぎ分け
る。剥ぎ取ったそれぞれの層を乾燥して厚さ(mm)、坪
量(g/m2)を求める。その後、上記の補正ファクター
値を同様に算出して剥離した各層の厚さを補正して、各
層の密度を算出する。
【0039】〔生分解性〕作製した紙製成形容器を畑土
壌に埋設し、6ヶ月後に取り出して分解状態を観察し
た。紙繊維がわずかに残るが、原形をとどめないものを
◎、紙繊維とラミネート層がわずかに残るが、原形をと
どめないものを○、ラミネート層が完全に残り、紙も一
部が分解しているだけのものを×と評価した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によって、耐水性を有しながら生
分解性を有し、プレス成形適性に優れ外観が美しく強度
が十分な紙製成形容器が得られる成形加工原紙を得るこ
とが可能となった。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】紙製成形容器のブランクシートの平面図
【図2】プレス成形した紙製成形容器の斜視図
【図3】箱成形した紙製成形容器の斜視図
【符号の説明】
1:罫線
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 11/20 D21H 27/30 C 27/00 B65D 1/00 BRQB 27/30 BSG Fターム(参考) 3E033 AA10 BA10 BA17 BB08 CA09 CA20 DD01 FA01 GA03 4F100 AK41D AR00D BA04 BA07 BA10A BA10D DA01 DG10A DG10B DG10C GB16 GB23 JC00D JL00 JL01 JL05 4L055 AA02 AA03 AA07 AC01 AC03 AC06 AC10 AF46 AG11 AG12 AG19 AG27 AG47 AG48 AG63 AG76 AG89 AH02 AH37 AJ01 AJ02 AJ04 BD04 BD12 BD18 BE09 BE13 BE14 EA08 FA20 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.7g/cm未満の低密度層及
    び0.7g/cm以上の高密度層を有する密度0.4
    〜0.7g/cmの多層紙により構成された成形加工
    原紙であって、該多層紙の少なくとも片面に生分解性を
    有する耐水層を積層したことを特徴とする成形加工原
    紙。
  2. 【請求項2】 低密度層が機械パルプ、カールドファイ
    バー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ば
    れるパルプを主体として構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の成形加工原紙。
  3. 【請求項3】 耐水層が熱可塑性生分解性樹脂を溶融押
    出しして形成されたことを特徴とする請求項1〜2記載
    の成形加工原紙。
  4. 【請求項4】 耐水層が生分解性脂肪族ポリエステルで
    構成されたことを特徴とする請求項1〜3記載の成形加
    工原紙。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の成形加工原紙をプレ
    ス成形により成形したことを特徴とする紙製成形容器。
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