JP6452251B2 - 白板紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白板紙およびその製造方法に関するものであり、より詳細には、特に絵本、雑誌等出版物の表紙および本文、カタログ、ポスター、パンフレット、カレンダー等の印刷用板紙、並びに、絞り成形用シート、食品用紙器、カップ麺容器、紙カップ、菓子箱、たばこのカートン等の紙器用板紙に使用される嵩高の白板紙およびその製造方法に関するものである。
従来、本発明に係る白板紙と同様の用途、即ち、印刷用板紙、紙器包装用板紙、あるいは、段ボール用ライナー、絞り成形用シート、食品用紙器、カップ麺容器等に使用される板紙に関する発明として、従来品に比較して紙器、包装、印刷において素材の軽量化が図れる嵩高板紙に関する特許文献1(特許第3714124号公報)がある。
この特許文献1には、「中層の両側に外層を有する3層以上の構成で、坪量が90〜600g/m2の板紙において、板紙全体の密度が0.50〜0.75g/cm3であり、少なくとも片側の外層は、坪量が15〜100g/m2、密度が0.60〜0.90g/cm3である最外層を有し、中層が機械パルプ、カールドファイバーおよびマーセル化パルプからなる群から選択される一種以上のパルプを主体として構成され、中層の密度が0.20〜0.60g/cm3であることを特徴とする嵩高板紙」が開示されている。
また、特にコロッケ、カツ、天ぷら、フライドポテト、シューマイ、餃子、たこ焼き、たい焼き等の油分と水分を有する食品などを収容する紙製容器に用いられる多層抄き板紙、および、この多層抄き板紙により製函される紙製容器に関する発明を開示するものとして、特許文献2(特許第4302124号公報)がある。
この特許文献2には、「少なくとも表層、裏層、および前記表層と前記裏層の間に配置される中間層からなり、油分と水分を有する食品を収容するための坪量が200〜530g/m2の多層抄き板紙であって、前記中間層に少なくとも10%の機械パルプを含有させることにより当該中間層の剛性および通気性を向上させ、当該中間層の色調における明度(L値)を70〜85、色相(a値)を−3〜3、色相(b値)を10〜16とすることにより当該板紙の外観の見映えを良化させ、且つ、前記表層、裏層、中間層の濾水度を350〜450ccとすると共に当該板紙の透気度を10〜150秒に調整することにより前記食品のクリスピーな食感を得るようにしたことを特徴とする多層抄き板紙」が開示されている。
しかるに、上記特許文献1に記載の発明においては、多層抄きの中層にラジアータパイン、サザンパイン、ダグラスファーなどの針葉樹(N材)の機械パルプを配合することが推奨されており、特許文献2に記載の発明においては、機械パルプとしてTMPを使用することが明記されている。
特許第3714124号公報 特許第4302124号公報
上記従来の多層抄き板紙ないし嵩高板紙は、嵩高でクッション性が高く印刷用板紙としての印刷適性が良好で、紙器用板紙としては紙加工適性が良好という諸効果をすべて満たすことはできない。そこで本発明は、これらの諸効果をすべて満たし得る嵩高の白板紙およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記嵩高白板紙の中層に特定のバルク(比容積)の広葉樹晒ケミサーモメカニカルパルプ(L Bleached Chemi-Thermo Mechanical Pulp:以降LBCTMPと略することがある)を配合することで、嵩高でクッション性が高く印刷用板紙としての印刷適性が良好で、紙器用板紙としては紙加工適性が良好な嵩高白板紙を得ることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、3層以上から成る多層抄きされた白板紙であって、バルクが3.0〜3.8cm/gである広葉樹晒ケミサーモメカニカルパルプ(LBCTMP)を、中層のみに、中層の全パルプ原料に対して25〜50重量%配合して、表層と中層と裏層を抄合わせたものであり、密度が0.70〜1.00g/cm であることを特徴とする白板紙である。
一実施形態においては、前記LBCTMPとして、Maple属から得られるLBCTMPが配合される。また、顔料と接着剤とを含有する塗工層を片面もしくは両面に一層以上有する。また、一実施形態においては、前記塗工層のうち、原紙に接する最内塗工層が、顔料として炭酸カルシウムを含み、前記炭酸カルシウムを顔料100重量部あたり50重量部以上含有するものとされ、また、前記塗工層のうち、最外塗工層が扁平な顔料を含み、前記扁平な顔料を顔料100重量部あたり50重量部以上含有するものとされる。
また、上記課題を解決するための請求項に係る発明は、3層以上から成る多層抄きされた白板紙の製造方法であって、バルクが3.0〜3.8cm/gである広葉樹晒ケミサーモメカニカルパルプ(LBCTMP)を、中層のみに、中層の全パルプ原料に対して25〜50重量%配合して、表層と中層と裏層を抄合わせ、密度を0.70〜1.00g/cm とすることを特徴とする白板紙の製造方法。
一実施形態においては、前記白板紙の片面もしくは両面に顔料と接着剤を含有する塗工層を一層以上設けることとし、前記塗工層のうち少なくとも1層をブレードコータで塗工する工程を含む。
本発明は上述した通りであって、本発明に係る白板紙においては、LBCTMPが中層のみに配合されるために、表面強度の低下が防止され、また、紙の表裏面からLBCTMP由来の紙粉が発生することがないため、抄紙工程および塗工工程において紙粉に起因して汚れが発生するおそれがなく、印刷適性が良好な白板紙が得られるという効果がある。
また、従来の白板紙より嵩高となるため、同じ厚さの高級白板紙より軽量となり、絵本の表紙・本文、カタログ、ポスター、パンフレット、カレンダー等の印刷用白板紙として好適なクッション性の高いものとなり、また、手触り感が柔らかく、幼児が頁をめくる際にケガをすることもなく、安全性に優れた白板紙が得られ、更に、紙器用板紙としても、クッション性が高く、成形加工適性が良好な嵩高白板紙となる効果がある。
本発明に係る白板紙は、3層以上から成る多層抄きされた白板紙であって、バルクが3.0〜3.8cm3/gであるLBCTMPを、中層のみに、中層の全原料中に対して10〜50重量%配合して、表層と中層と裏層を抄合わせたものである。本発明に係る白板紙は、これを原紙(以下、本明細書において、「基紙」ということがある)として、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層(以下、本明細書において、「顔料塗工層」ということがある)が設けられた白板紙とすることができる。この顔料塗工層は、原紙の片面あるいは両面に少なくとも一層以上を有する。
本発明においては、白板紙の中層に、バルクが3.0〜3.8cm3/gであるパルプを配合するものであるが、前記パルプは、バルクが上記範囲内のものであれば、特に限定されることはないが、BCTMPが好ましく、さらに好ましくは、広葉樹材から得られるLBCTMP、最も好ましくは、Maple属から得られるLBCTMPが用いられる。広葉樹の中でもMaple属は、本発明に適したバルク値を有する。本発明において、LBCTMPとは、「L Bleached chemi thermomechanical pulp」の略称であり、機械パルプの1種であるBCTMPのうち、広葉樹を原料とするL材を用いたパルプである。CTMPは、TMP(Thermomechanical pulp)と化学薬品処理を組合せたもので、BCTMPは、CTMPを漂白したパルプである。BCTMPは、TMPと比較して、柔軟性に優れ、シート密度、引張強さ、破裂強さが良好である。また、CTMPは繊維形態がフレキシブルなチューブ状であるためパルプが嵩高で不透明度が高いという特徴を有する。
そして、本発明において企図する嵩高な白板紙を得るためには、LBCTMPのバルクが3.0〜3.8cm3/gであることが望ましい。ここにいうバルクとは、パルプをJIS P8222:1998に準拠して手抄紙を作成し、手抄紙のバルクをISO534:1988に準拠して測定したもので、バルクが3.0〜3.8cm3/gのLBCTMPを使用することで、所望の嵩高白板紙の密度が得られる。
本発明に係る白板紙においては、上記バルクのLBCTMPを中層のみに配合する。このようにLBCTMPの配合を中層のみに限定することとするのは、LBCTMPを表層と裏層に配合した場合には、表面強度が低下し、紙の表裏面からLBCTMP由来の紙粉が発生して、抄紙工程および塗工工程において汚れ発生の原因となるからである。また、表面強度低下により印刷適性も低下する傾向にある。
また、本発明者らは、中層に配合する上記BCTMPの材料を広葉樹パルプとしたLBCTMPとした場合には、中層の地合が他のBCTMPを配合する場合より良好であることを見出した。その理由は、上記LBCTMPは、他のBCTMPよりパルパーでの離解性が良好であるからと推測される。地合は、その層構成を形成するために重要であり、中層の地合が悪くなると全体の地合も悪くなり、また、中層と接する表層および裏層の平滑度や印刷適性、成形加工適性に悪影響が及ぶと考えられる。なお、ここでいう中層の地合とは、表層と裏層を剥いで中層の地合を目視により観察したものである。
本発明において、LBCTMPの中層への配合率は、LBCTMPが多すぎると密度の低下が大きくなり、印刷適性や成形加工適性が悪化するため、中層パルプ全体の10〜50重量%(絶乾重量)、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜40重量%とすることにより、所望の密度とすることが可能となる。白板紙全体の密度としては、0.70〜1.00g/cm3であることが望ましい。特に、顔料塗工層を有さない場合は、0.70〜0.74g/cm3であることが望ましく、顔料塗工層を有する場合は、0.75〜1.00g/cm3(好ましくは、0.77〜0.96g/cm3)であることが望ましい。
本発明で用いられるLBCTMP以外のパルプとしては、特に限定されず、用途に応じて適宜選択することが可能である。例えば、比較的高価な絵本の表紙・本文、カタログ、ポスター、パンフレット、カレンダー等の印刷用板紙および紙器食品容器として使用する場合は、N−BKP、L−BKP、機械パルプ等のバージンパルプを配合することができる。また、食品用途に使用する場合は、無蛍光のパルプを配合することが望ましい。食品用途の場合は、古紙パルプを配合すると、強度を含む品質および外観が悪化するので、古紙パルプは配合しないことが望ましい。
本発明に係る嵩高白板紙の中層以外の紙層に用いられる原料パルプは特に限定されず、用途に応じて通常用いられる原料パルプを用いることができる。例えば、NBKPやLBKP等を用いることができる。NBKPを用いる場合、全パルプ絶乾重量の20%以下とすることが好ましい。本発明の嵩高白板紙は、3層以上から成るが、中層とその他の層のパルプ重量比は、中層が全層のパルプ重量の33重量%〜50重量%とすることが好ましく、その他の層は全層の合計から中層を除いた重量を総数で除した重量とすることが好ましい。
本発明の嵩高白板紙には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルクなどの無機填料を配合してもよい。また、必要に応じて、紙力増強剤、内添サイズ剤、歩留剤、凝結剤、硫酸バンド、染料、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤等の各種の製紙用薬品を配合してもよい。
本発明に係る白板紙の用途について一実施態様を挙げると、例えば、顔料塗工層を有する白板紙を紙器として使用する場合、白板紙の密度が0.75g/cm3を下回ると、白板紙自体の腰がなくなり、加工適性が悪化する。また、その密度が1.00g/cm3を超えると、白板紙自体が固くなって、例えば折り曲げ加工を行う場合、紙の割れが生じ、加工適性が悪化する。
本発明に係る白板紙を印刷用白板紙として使用する場合、原紙上に顔料塗工層を有することが好ましい。顔料塗工層を有する場合、白板紙の密度が0.75g/cm3を下回ると、表面および裏面の平滑性が低下して印刷適性が悪化する。逆に、密度が1.00g/cm3を超えると、紙が固くなり過ぎて印刷製本時に背割れ等の不具合が生じやすくなるので、好ましくない。
本発明において、白板紙全体の密度を調整するためには、LBCTMPを含む中層および表層、裏層の叩解フリーネスを300〜500ccに調整し、中層の坪量割合を表層、中層、裏層を含む全坪量(絶乾重量)に対して10〜60重量%(好ましくは、20〜50重量%)に調整する。本発明に係る方法は、3層抄きの多層板紙のほかに、4層以上の多層抄きの場合にも適用できる。
本発明では、上記白板紙を長網、円網、ウルトラフォーマー等の多層抄合わせマシンで抄造する。本発明における白板紙は、LBCTMPを含有しない白板紙に比べて、嵩高でクッション性があり、印刷適性や成形加工適性に優れる。また、用途や所望の品質に応じて、本発明の白板紙を原紙として、片面または両面に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工することにより、より鮮明な印刷物と良好な成形加工適性を得ることができるため好ましい。顔料塗工層は1層以上であれば特に限定されないが、2層以上設ける方が、平滑性や白色度の向上のためには好ましい。
前記顔料塗工層に用いられる顔料としては、特に限定されないが、顔料塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明においては、顔料塗工層を2層以上設けることが好ましく、下塗り層には、塗工層に白色度を付与するため、重質炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウムを含有することが好ましい。嵩高な塗工層構造は光を効率的に散乱するためである。軽質炭酸カルシウムもしくは重質炭酸カルシウム、またはその両方をあわせた含有量は、顔料100重量部あたり50重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましく、80重量以上がさらに好ましい。
また、上塗り層には、平滑性を向上させるため、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレーなどの扁平な顔料を1種以上含有することが好ましい。前記扁平な顔料の含有量は、顔料100重量部あたり50重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましい。
本発明で使用する接着剤(バインダー)については、特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用することができる。例えば、好ましい接着剤として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用することができる。
本発明に使用する各塗工層中の接着剤の量は、印刷適性、塗工適性の点から、顔料100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましく、10〜20重量部であることがより好ましい。
塗工方式は特に限定されず、通常用いられるコータであれば、いずれを用いても良い。オンマシンコータでもオフマシンコータでも良く、オンマシンコータであれば、サイズプレスコータ、ゲートロールコータなどのロールコータ、ブレードコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、エアナイフコーター、カーテンコータなどのコータを使用できる。本発明においては、平滑性を付与するため顔料塗工層のうち1層以上をブレードコータにて塗布することが好ましい。
顔料塗工液の塗工量は、片面あたり乾燥重量で10〜40g/m2が好ましく、10〜20g/m2がより好ましい。顔料塗工層が複数である場合、前記塗工量は各層の合計量である。顔料塗工層が複数である場合、各層の塗工量はその用途に応じて適宜調整すればよい。
本発明の嵩高白板紙は、抄造後、あるいは原紙上に塗工層を設け通常の乾燥工程を経て製造後、必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理してもよい。好ましい態様においては、抄造後あるいは顔料塗工層を設けて製造後の嵩高白板紙の水分が3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整して仕上げられる。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。
本発明の嵩高白板紙はまた、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ等の公知のコータを使用して、本発明の効果を阻害しない範囲で、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤等を塗工することも可能であり、これらを塗工した後に顔料塗工層を設けてもよい。
本発明に係る嵩高白板紙の米坪は、90〜600g/m2であり、一般的には、150〜450g/m2程度が用いられる。本発明の嵩高白板紙は、紙厚が高く、軽量なため、印刷用紙として用いる場合は、書籍、雑誌等の全体の重量を軽くできる。また、ノートなどの筆記用紙にも好適である。紙器用としては、柔軟性を生かした各種成形用シート、食品用紙器、または断熱性を利用するカップめん容器、紙カップなどの原紙としても好適に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明について更に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。以下に示す実施例2〜6、参考例1(表1)および比較例1〜6(表2)は、いずれも3層抄きのものである。なお、配合を示す数値は、固形分の重量基準の数値である。
[参考例1]
<原紙>
表層と裏層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP90%とし(CSF400cc)、中層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP80%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)10%とし、表1の層比(各層の坪量の割合)で、各層を多層抄き板紙抄紙機で抄合わせを行い、サイズプレスを用いて両面に塗工量が1〜2g/mとなるようにデンプンを塗工し、原紙を得た。
<下塗り塗工液>
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT90−HS)100重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス7重量部、リン酸エステル化デンプン(松谷化学社製、二―ルガムT55)4.5重量部を添加し、保水剤を0.08重量部添加して、固形分濃度62重量%の下塗り塗工液を得た。
<上塗り塗工液>
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT100)15重量部、微粒カオリン(カダム社製、アマゾンプラス)57重量部、エンジニアードカオリン(イメリス社製、カピムDG)28重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス16.5重量部、リン酸エステル化デンプン(松谷化学社製、二―ルガムT55)2重量部を添加し、固形分濃度50%の上塗り塗工液を得た。
<塗工>
ブレード塗工装置を用いて、上記下塗り塗工液を原紙の両面に乾燥後の固形分重量で片面あたり7.5g/mとなるように塗工して最内塗工層を形成した後、乾燥工程を経て、エアーナイフ塗工装置を用いて、上塗り塗工液を原紙の両面に乾燥後の固形分重量で片面あたり7.5g/mとなるように塗工して最外塗工層を形成し、坪量190g/mの白板紙を得た。
[実施例2]
中層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP40%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)50%とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[実施例3]
中層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP65%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)25%とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[実施例4]
<原紙>
表層と裏層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP90%とし(CSF425cc)、中層の配合をN−BKP3%、L−BKP57%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)40%とし、表1の層比で、各層を多層抄き板紙抄紙機で抄合わせを行い、サイズプレスを用いて両面に塗工量が1〜2g/mとなるようにデンプンを塗工し、原紙を得た。
<塗工>
参考例1と同様の下塗り塗工液および上塗り塗工液を使用して、ブレード塗工装置を用いて、上記下塗り塗工液を原紙の両面に乾燥後の固形分重量で片面あたり8g/mとなるように塗工した後、乾燥工程を経て、エアーナイフ塗工装置を用いて、上塗り塗工液を原紙の両面に乾燥後の固形分重量で片面あたり8g/mとなるように塗工し、坪量248g/mの白板紙を得た。
[実施例5]
裏面に塗工を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、坪量242g/m2の白板紙を得た。
[実施例6]
両面に塗工を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、坪量223g/m2の白板紙を得た。
[比較例1]
参考例1の中層のパルプ配合をN−BKP10%、L−BKP85%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)5%とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[比較例2]
参考例1の中層のパルプ配合をL−BKP45%、LBCTMP(Tenbec社製、TEMCEL400/80、バルク3.4cm/g、Maple)55%とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[比較例3]
参考例1のLBCTMPをLBCTMP(Tenbec社製、ASPEN325/85、バルク2.3cm/g)とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[比較例4]
実施例2のLBCTMPをLBCTMP((Tenbec社製、ASPEN325/85、バルク2.3cm3/g)とした以外は、実施例2と同様にして白板紙を得た。
[比較例5]
参考例1のLBCTMPをN・L混合のBCTMP(Millar Western Forest 社製、Blended BCTMP、N材25%、L材75%混合、バルク2.4cm/g)とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
[比較例6]
参考例1のLBCTMPを全く配合せず、L−BKPを90%とした以外は、参考例1と同様にして白板紙を得た。
<評価・試験方法>
坪量: JIS P 8124:2011
厚さ・密度: JIS P 8118:1998
平滑度: JIS P 8155:2010
印刷適性(表):嵩高白板紙の表面に、ローランド平判印刷機(4色)にて印刷し、印刷部の印刷面感(印刷物の精細性、着肉ムラ、光沢度ムラなど)を目視で相対評価した。評価基準は以下の通りである。
○=良好、△=やや劣る、×=劣る
成形加工適性:トレー容器への成形加工時の罫線割れ・破れの総合評価
○=良好、△=やや劣る、×不良
Figure 0006452251
<表2>
Figure 0006452251
表1に示される、本願請求項において特定される事項の範囲内である実施例〜6においては、坪量が190g/m程度、240g/m程度のいずれの場合も、印刷適性(表)および成形加工適性について、良好な評価が得られた。なお、実施例6は、顔料塗工層を設けていない例であり、顔料塗工層を設けた他の実施例や比較例と比べると結果は劣って見えるものの、顔料塗工層を設けていない白板紙として実用上優れたレベルの評価が得られた。
一方、比較例1は、参考例1と同じLBCTMPを使用しているが、中層への配合率が5%と少ないために白板紙の密度が高くなり、成形加工適性が悪化した。比較例2も同様に、参考例1と同じLBCTMPを使用しているが、中層への配合率が55%と高いために、中層の地合がやや悪化するとともに白板紙の密度も低く、印刷適性において劣り、成形加工適性がやや悪化した。
比較例3は、バルクが2.3cm3/gであるLBCTMPを10%配合したものであり、LBCTMPのバルクが低いために、白板紙の密度が高くなり、成形加工適性が悪化した。比較例4は、比較例3と同じバルクの低いLBCTMPを使用し中層に対して50%配合したもので、嵩高にはなったものの、印刷適性、成形加工適性がやや悪化した。
比較例5は、バルクが2.4cm3/gであるN・L混合のBCTMPを10%配合したものであるが、白板紙の密度が高く、印刷適性にやや劣り、成形加工適性が悪化した。
比較例6は、中層に全くLBCTMPを配合しないために、白板紙の密度が高く、印刷適性にやや劣り、成形加工適性が悪化した。

Claims (8)

  1. 3層以上から成る多層抄きされた白板紙であって、バルクが3.0〜3.8cm/gである広葉樹晒ケミサーモメカニカルパルプ(LBCTMP)を、中層のみに、中層の全パルプ原料に対して25〜50重量%配合して、表層と中層と裏層を抄合わせたものであり、密度が0.70〜1.00g/cmであることを特徴とする白板紙。
  2. 前記LBCTMPとして、Maple属から得られるLBCTMPを配合する、請求項1に記載の白板紙。
  3. 前記白板紙の片面もしくは両面に顔料と接着剤とを含有する塗工層を一層以上有する、請求項1または2に記載の白板紙。
  4. 前記塗工層のうち、原紙に接する最内塗工層が、顔料として炭酸カルシウムを含み、前記炭酸カルシウムを顔料100重量部あたり50重量部以上含有する、請求項に記載の白板紙。
  5. 前記塗工層のうち、最外塗工層が、扁平な顔料を含み、前記扁平な顔料を顔料100重量部あたり50重量部以上含有する、請求項またはに記載の白板紙。
  6. 3層以上から成る多層抄きされた白板紙の製造方法であって、バルクが3.0〜3.8cm/gである広葉樹晒ケミサーモメカニカルパルプ(LBCTMP)を、中層のみに、中層の全パルプ原料に対して25〜50重量%配合して、表層と中層と裏層を抄合わせ、密度を0.70〜1.00g/cmとすることを特徴とする白板紙の製造方法。
  7. 前記白板紙の片面もしくは両面に顔料と接着剤とを含有する塗工層を一層以上設けることを特徴とする請求項に記載の白板紙の製造方法。
  8. 前記塗工層のうち少なくとも1層をブレードコーターで塗工する工程を含む、請求項に記載の白板紙の製造方法。
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