JPWO2010106881A1 - ゼオライト分離膜配設体、その製造方法、混合流体の分離方法、及び混合流体分離装置 - Google Patents
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Abstract
ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きく、適切な範囲に制御された隙間または細孔を有し、吸着性の差が小さい成分や当該細孔にくらべて分子径が小さい成分に対して、高い透過性と高い分離性の両立が可能であるゼオライト分離膜配設体、その製造方法、混合流体の分離方法、及び混合流体分離装置を提供する。室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体である。
Description
本発明は、流体を分離するゼオライト分離膜配設体、その製造方法、混合流体の分離方法、及び混合流体分離装置に関する。
従来、ゼオライト膜、炭素膜、チタニア膜等が、多孔質支持体表面に配設されて分離膜として使用されている。例えば、多孔質支持体の所定の位置に分離膜としてゼオライト膜が配設された分離膜配設体が開示されている。
ゼオライト膜による膜分離については、近年、有機溶媒やバイオマスエタノールの脱水に用いる膜が実用化されている。しかしながら、それ以外の用途、例えば、バイオマスエタノール製造プロセスでのエタノールと水の分離(エタノール濃縮)、石油化学・石油精製プロセスでの、燃料成分であるC6以上の直鎖炭化水素と側鎖炭化水素、直鎖炭化水素と芳香族炭化水素の分離、化学プロセスでの、直鎖炭化水素と無機ガスの分離等については、現在、実用化に向けた開発が進められている状況にある。
MFI型ゼオライト膜を用いた膜分離としては、エタノールと水の混合液からのエタノール分離が開示されている(特許文献1、2)。
特許文献3、非特許文献1では、パラキシレンを選択的に透過し、オルトキシレンとメタキシレンを阻止する、キシレン異性体の分離が開示されている。
特許文献4では、直鎖炭化水素と側鎖炭化水素の分離が開示され、特許文献5では直鎖炭化水素と芳香族炭化水素の分離が開示されている。
ゼオライト膜の実用化に向けた重要な課題としては、透過性と分離性の両立が挙げられる。特許文献4、5では、この課題を解決する方策の一つとして、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きいサイズの細孔や隙間を利用することが開示されている。
ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きな細孔については、非特許文献2にそのサイズは数nm程度との記載がある。また、非特許文献2、3では、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きな細孔があるゼオライト膜において、炭素数が4の炭化水素異性体である直鎖のブタン(ノルマルブタン)と側鎖のブタン(イソブタン)の分離が可能であることが開示されている。
H. Sakai, T. Tomita, T. Takahashi, Separation Purification Technology, 25 (2001) 297−306
野村 幹弘、"シリカライト膜の透過機構と粒界制御に関する研究" 東京大学工学部化学システム工学科博士論文、(1998年)
J. Coronas, R. D. Noble, J. L. Falconer, "Separation of C4 and C6 Isomers in ZSM−5 Tubular Membranes", Ind. Eng. Chem. Res., 37 (1998) 166−176
J. Coronas, J. L. Falconer, R. D. Noble, "C haracterization and Pemeation Properties of ZSM−5 Tublar Membranes", AIChE Journal, July (1997) Vol.43 No.7 1797−1812
膜によるガスまたは液体の分離は、膜の細孔による分子の篩い分け(分子篩効果)や、膜と分子の親和性の違い(吸着効果)に基づくことが知られている。このため、ガスや液体を分離するには、膜の細孔と透過する各分子の大きさの関係が重要となる。分離対象のガスや液体に対して膜の細孔が大きすぎる場合、透過性は向上するが、分子篩効果や吸着効果が失われ、分離性が低下する。一方、分離対象のガスや液体に対して膜の細孔が小さすぎる場合、何も透過しない、あるいは、分離性は向上するが、透過性が低下する。
このため、膜分離では、分離しようとする系に対して、膜の細孔を適切な範囲に制御することが重要であり、高い透過性と高い分離性を両立させるには、分離性を低下させない程度に、透過性を最大限上げられる大きさに膜の細孔を制御することが必要である。
ゼオライト膜において、透過性と分離性を両立させるための方策として、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きいサイズの隙間や細孔を利用することが特許文献4、5に開示されている。特許文献4では、1nm以下のゼオライト結晶固有の細孔以外に1nm〜10nmの細孔を有するゼオライト膜による、炭素数が4と炭素数が5の直鎖と側鎖の炭化水素の分離が開示されている。特許文献5では、ゼオライトの細孔及び/又は結晶粒界を使った炭素数が7の直鎖と芳香族炭化水素の分離が開示されている。
透過成分および非透過成分の分子径に比べて大きな径の細孔があっても、ガスや液体が分離できるのは吸着効果によるものと推定されている(非特許文献4)。ただし、吸着効果が発現する細孔の大きさは、分離対象により異なる。透過成分と非透過成分の膜に対する吸着性の差が小さい場合には、膜に比較的大きな細孔があれば分離しにくくなる。また、膜に対する吸着性の差が大きくても、透過成分と非透過成分の分子径が小さい場合には、膜に比較的大きな細孔があれば分離しにくくなる。前者の例としては、炭素数が多い、特に炭素数6以上の直鎖炭化水素と側鎖炭化水素などが挙げられ、後者の例としては、アルコールと水、直鎖炭化水素と無機ガスなどが挙げられる。
本発明の課題は、従来技術に比べて、炭素数6以上の直鎖炭化水素と側鎖炭化水素などの吸着性の差が小さい成分系や、アルコールと水、直鎖炭化水素と無機ガスなどの分子径が小さい成分系においても、高い透過性と高い分離性が得られるゼオライト分離膜配設体、その製造方法、混合流体の分離方法、及び混合流体分離装置を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ゼオライト結晶固有の細孔以外に、大きさを適切な範囲に制御した細孔を備えたゼオライト分離膜配設体によれば、吸着性の差が小さい成分系や当該細孔にくらべて分子径が小さい成分系に対しても、高い透過流束と高い分離係数が得られることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下のゼオライト分離膜配設体、その製造方法、混合流体の分離方法、及び混合流体分離装置が提供される。
[1] 室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体。
[2] ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔を0.76nm〜2nmに有するゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体。
[3] 多孔質材料である支持体表面に前記ゼオライト膜が形成されている前記[1]または[2]に記載のゼオライト分離膜配設体。
[4] 前記ゼオライト膜がMFI膜である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のゼオライト分離膜配設体。
[5] 前記ゼオライト膜がシリカライト膜である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のゼオライト分離膜配設体。
[6] 異なる2成分以上の混合流体の分離に使用される前記[1]〜[5]のいずれかに記載のゼオライト分離膜配設体。
[7] シリカ、水及び構造規定剤を含有する種付け用ゾル並びに支持体を、前記支持体が前記種付け用ゾルに浸漬された状態になるように耐圧容器内に入れ、その耐圧容器内を加熱して前記支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる種結晶生成工程と、前記ゼオライト種結晶を成長させて前記支持体の表面に前記構造規定剤を含む緻密なゼオライト膜を形成する膜形成工程と、緻密な前記ゼオライト膜から構造規定剤を除去する除去工程と、を含むゼオライト分離膜配設体の製造方法であって、前記除去工程における除去処理が加熱処理により行われ、前記加熱処理が、最高到達温度400℃〜1000℃の範囲で行われると共に、昇温速度0.1℃/min以上での昇温工程と、降温速度0.5℃/min以上での降温工程とを含むものであり、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体を製造するゼオライト分離膜配設体の製造方法。
[8] 前記ゼオライト膜がMFI膜である前記[7]に記載のゼオライト分離膜配設体の製造方法。
[9] 前記ゼオライト膜がシリカライト膜である前記[7]または[8]に記載のゼオライト分離膜配設体の製造方法。
[10] 前記[1]〜[6]のいずれかに記載のゼオライト分離膜配設体を用いて、異なる2成分以上の混合流体を分離する混合流体の分離方法。
[11] 前記[1]〜[6]のいずれかに記載のゼオライト分離膜配設体を有し、多孔質基材によって原料側空間と透過側空間とを区画する分離部と、前記原料側空間に混合流体を供給する供給部と、前記透過側空間から前記ゼオライト膜を透過した透過液および/又は透過ガスを回収する透過回収部と、を含む混合流体分離装置。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔を、0.76nm以上、約2nm以下に有している。このため、当該ゼオライト分離膜配設体では、直鎖と側鎖の炭化水素、直鎖と芳香族の炭化水素、アルコールと水、直鎖飽和炭化水素と無機ガスの分離を行った場合に、高い透過性と高い分離性の両立が可能である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
(I)ゼオライト分離膜配設体:
本発明のゼオライト分離膜配設体は、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体である。このゼオライト膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔でない細孔を0.76nm〜2nmに有する。そして、ゼオライト膜は、多孔質材料である支持体上に形成される。ゼオライト膜は、MFI膜であることが好ましく、さらにシリカライト膜であることがより好ましい。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体である。このゼオライト膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔でない細孔を0.76nm〜2nmに有する。そして、ゼオライト膜は、多孔質材料である支持体上に形成される。ゼオライト膜は、MFI膜であることが好ましく、さらにシリカライト膜であることがより好ましい。
(I−1)細孔:
本発明のゼオライト分離膜配設体は、異なる2成分以上の混合流体の分離に使用することができる。ゼオライト結晶固有の細孔(MFI膜では、0.5〜0.6nm)よりも大きい(0.76〜約2nm)隙間または細孔を有している。具体的には、ゼオライト分離膜配設体は、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上である。好ましくは、2.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上である。細孔の量は多い方が好ましく、N2ガスの透過速度が上記範囲であるのは、細孔の大きさに関わらず細孔の量が一定量よりも多いことを意味する。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、異なる2成分以上の混合流体の分離に使用することができる。ゼオライト結晶固有の細孔(MFI膜では、0.5〜0.6nm)よりも大きい(0.76〜約2nm)隙間または細孔を有している。具体的には、ゼオライト分離膜配設体は、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上である。好ましくは、2.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上である。細孔の量は多い方が好ましく、N2ガスの透過速度が上記範囲であるのは、細孔の大きさに関わらず細孔の量が一定量よりも多いことを意味する。
また、本発明のゼオライト分離膜配設体は、1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上である。好ましくは、0.20以上である。1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が上記範囲である場合、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔が多く存在することを意味する。このため、1,3,5−トリメチルベンゼン(分子径0.76nm)よりも分子径の小さい分子を通すことが可能である。
N2ガスの透過速度(A)は、全細孔量を意味し、1,3,5−トリメチルベンゼン透過速度(B)は、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔の量を意味する。このため、1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比(B/A)は、全細孔量に対する大きい隙間または細孔の量の割合を意味する。高い透過性と高い分離性の両立には、このB/Aが高いことが重要である。
さらに、本発明のゼオライト分離膜配設体は、ローダミンB(分子径2nm程度)の染み込みによる染色がなく、ローダミンBよりも分子径の大きな分子を阻止することができる。ローダミンBの染み込みによる染色がある場合には、十分な分離性能が得られない。
本発明のゼオライト分離膜配設体に形成されたゼオライト膜は、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きめの隙間(細孔)を多く持つ。孔径が小さすぎると透過流束が小さい。そこで、1,3,5−トリメチルベンゼン(分子径0.76nm)が透過する大きさの孔が必要である。一方、孔径が大きすぎると、分離性能を維持することができない。そこで、ローダミンB(分子径2nm程度)が透過しない、つまり染色しない大きさの孔が必要である。
また、本発明のゼオライト分離膜配設体に形成されたゼオライト膜は、N2吸着法による細孔分布測定において、細孔径0.76nm以下にピークを有し、且つ0.76nm〜2nmの範囲にピークを有する。好ましくは、細孔径0.76nm〜2nmの細孔容積に対する、細孔径2nm〜40nmの細孔容積の比が、1/3以下である。細孔径0.76nm〜2nmの細孔容積に対する、細孔径2nm〜40nmの細孔容積の比が、上記範囲である場合、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔を0.76nm〜2nmに有し、且つ実質的に2nmより大きい細孔を有していないと言える。
以上より、本発明のゼオライト膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔を持ち、且つ0.76nm以上、2nm以下にゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔を持つゼオライト分離膜配設体である。本願で見出した範囲の細孔径を有するゼオライト膜配設体は、直鎖炭化水素と側鎖炭化水素、直鎖炭化水素と芳香族炭化水素、アルコールと水、直鎖炭化水素と無機ガスなどの成分系の分離に好適に用いることができ、高い透過性と高い分離性の両立が可能である。
具体的な成分系の例としては、直鎖炭化水素と側鎖炭化水素の系では、直鎖体には炭素数5〜9の飽和炭化水素や不飽和炭化水素、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、2−オクテンなど、側鎖体には炭素数5〜9の飽和炭化水素や不飽和炭化水素、例えば、2−メチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、イソオクタン、2−メチルー1−ブテン、イソオクテンなどが挙げられる。直鎖炭化水素と芳香族炭化水素の系では、直鎖体には炭素数5〜9の飽和炭化水素や不飽和炭化水素、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、2−オクテンなど、芳香族にはベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。アルコールと水の系では、アルコールにはエタノール、メタノール、ブタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。直鎖炭化水素と無機ガスの系では、直鎖炭化水素にはメタン、エタン、プロパン、プロピレン、ブタン、1−ブテンなど、無機ガスにはN2、He、Arなどが挙げられる。
(I−2)膜厚:
本発明のゼオライト分離膜配設体を構成するゼオライト膜は、膜厚が1〜30μmであり、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることが特に好ましい。1μmより薄いと支持体表面を緻密な膜で完全に被覆できない恐れがあり、水とアルコールを分離するとき、直鎖炭化水素と側鎖炭化水素を分離するとき、直鎖炭化水素と芳香族炭化水素とを分離するときに、分離係数が低くなる可能性がある。30μmより厚いと、十分な透過流束が得られない可能性がある。ここで、ゼオライト膜の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって分離膜の断面を観察して得られた値とし、膜厚1〜30μmというときは、最小膜厚が1μm以上であり最大膜厚が30μm以下であることをいう。
本発明のゼオライト分離膜配設体を構成するゼオライト膜は、膜厚が1〜30μmであり、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることが特に好ましい。1μmより薄いと支持体表面を緻密な膜で完全に被覆できない恐れがあり、水とアルコールを分離するとき、直鎖炭化水素と側鎖炭化水素を分離するとき、直鎖炭化水素と芳香族炭化水素とを分離するときに、分離係数が低くなる可能性がある。30μmより厚いと、十分な透過流束が得られない可能性がある。ここで、ゼオライト膜の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって分離膜の断面を観察して得られた値とし、膜厚1〜30μmというときは、最小膜厚が1μm以上であり最大膜厚が30μm以下であることをいう。
(I−3)支持体:
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト膜が支持体の表面に配設されたものであるが、ゼオライト膜が支持体表面に配設されることにより、ゼオライト膜を薄膜としても、支持体に支えられてその形状を維持し破損等を防止することが可能となる。支持体は、ゼオライト膜の種結晶を表面に生成し、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。支持体を構成する材料としては、アルミナ(α−アルミナ、γ−アルミナ、陽極酸化アルミナ等)、ジルコニア等のセラミックスあるいはステンレスなどの金属等を挙げることができ、支持体作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。支持体は多孔質体であることが好ましい。支持体の形状としては、板状、円筒状、断面多角形の管状、モノリス形状、スパイラル形状等いずれの形状でもよいが、モノリス形状が好ましい。ここで、モノリス形状とは、図1A、図1Bに示す支持体51のような、複数の流通路(チャネル)52が軸方向53に並行に形成された柱状のものをいう。図1A、図1Bは、本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法において用いる支持体の一の実施形態(モノリス形状)を示し、図1Aは、斜視図であり、図1Bは平面図である。支持体51としては、特にモノリス形状の多孔質体54であることが好ましい。このような、モノリス形状の多孔質体からなる支持体は、公知の製造方法により形成することができ、例えば、押出成形等により形成することができる。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト膜が支持体の表面に配設されたものであるが、ゼオライト膜が支持体表面に配設されることにより、ゼオライト膜を薄膜としても、支持体に支えられてその形状を維持し破損等を防止することが可能となる。支持体は、ゼオライト膜の種結晶を表面に生成し、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。支持体を構成する材料としては、アルミナ(α−アルミナ、γ−アルミナ、陽極酸化アルミナ等)、ジルコニア等のセラミックスあるいはステンレスなどの金属等を挙げることができ、支持体作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。支持体は多孔質体であることが好ましい。支持体の形状としては、板状、円筒状、断面多角形の管状、モノリス形状、スパイラル形状等いずれの形状でもよいが、モノリス形状が好ましい。ここで、モノリス形状とは、図1A、図1Bに示す支持体51のような、複数の流通路(チャネル)52が軸方向53に並行に形成された柱状のものをいう。図1A、図1Bは、本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法において用いる支持体の一の実施形態(モノリス形状)を示し、図1Aは、斜視図であり、図1Bは平面図である。支持体51としては、特にモノリス形状の多孔質体54であることが好ましい。このような、モノリス形状の多孔質体からなる支持体は、公知の製造方法により形成することができ、例えば、押出成形等により形成することができる。
(II)製造方法:
本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法を説明する。特に、MFI型ゼオライトの例により具体的に説明する。但し、本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法は、ゼオライト種結晶を支持体に適切に付着させることを特徴とするものであるため、MFI型ゼオライト以外の型のゼオライト、例えば、MOR、AFI、BEA、FER、DDR等の従来公知のゼオライトにも当然に適用することができるものである。
本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法を説明する。特に、MFI型ゼオライトの例により具体的に説明する。但し、本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法は、ゼオライト種結晶を支持体に適切に付着させることを特徴とするものであるため、MFI型ゼオライト以外の型のゼオライト、例えば、MOR、AFI、BEA、FER、DDR等の従来公知のゼオライトにも当然に適用することができるものである。
本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法は、シリカ、水及び構造規定剤を含有する種付け用ゾル並びに支持体を、支持体が種付け用ゾルに浸漬された状態になるように、耐圧容器内に入れ、その耐圧容器内を加熱して支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる種結晶生成工程と、ゼオライト種結晶を成長させて支持体の表面にゼオライト膜を形成する膜形成工程と、所定の速度で構造規定剤を除去する除去工程と、を有するゼオライト分離膜配設体の製造方法である。
(II−1)種結晶生成工程:
(II−1−1)種付け用ゾル;
本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法に使用する種付け用ゾルは、水中にシリカ微粒子が分散したシリカゾルであり、その中に少なくとも構造規定剤を含有するものである。この種付け用ゾルは、所定濃度のシリカゾルと、濃度調整用の水と、所定濃度の構造規定剤水溶液とを、それぞれ所定量混合することにより得られる。この種付け用ゾルは、後述する水熱処理によりゼオライトへ結晶化され、構造規定剤の分子の周囲をシリカゾル由来のシリカ原子が取り囲んだような構造を形成する。そして、後述する加熱処理により、その構造から構造規定剤が除去され、構造規定剤に特異的な細孔形状を有するゼオライト結晶を形成し得るものである。
(II−1−1)種付け用ゾル;
本発明のゼオライト分離膜配設体の製造方法に使用する種付け用ゾルは、水中にシリカ微粒子が分散したシリカゾルであり、その中に少なくとも構造規定剤を含有するものである。この種付け用ゾルは、所定濃度のシリカゾルと、濃度調整用の水と、所定濃度の構造規定剤水溶液とを、それぞれ所定量混合することにより得られる。この種付け用ゾルは、後述する水熱処理によりゼオライトへ結晶化され、構造規定剤の分子の周囲をシリカゾル由来のシリカ原子が取り囲んだような構造を形成する。そして、後述する加熱処理により、その構造から構造規定剤が除去され、構造規定剤に特異的な細孔形状を有するゼオライト結晶を形成し得るものである。
シリカゾルとしては、市販のシリカゾル(例えば、商品名:スノーテックスS、日産化学株式会社製、固形分濃度30質量%)を好適に用いることができる。ここで、固形分とはシリカのことをいう。但し、シリカ微粉末を水に溶解させることにより調製したもの、或いはアルコキシシランを加水分解することにより調製したものを用いてもよい。
種付け用ゾルは、含有される水とシリカ(微粒子)とのモル比(水/シリカモル比:水のモル数をシリカのモル数で除した値)が、水/シリカ=10〜50であることが好ましく、20〜40であることが更に好ましい。このように、種付け用ゾルのシリカ濃度を高くすることにより、ゼオライト種結晶を微粒子とし、支持体表面に付着させることが可能となる。水/シリカモル比が10より小さいと、ゼオライト種結晶が支持体表面に不均質にかつ過剰に析出することがあり、50より大きいと、ゼオライト種結晶が支持体表面に析出しないことがある。ここで、ゼオライト種結晶が支持体表面に付着した状態は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、支持体表面を被覆している割合(写真上の面積割合)として定量的に示すことができ、5〜100%であることが好ましい。
MFI型ゼオライトの構造規定剤としては、テトラプロピルアンモニウムイオン(TPA)を生じ得る、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)やテトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)が用いられる。従って、構造規定剤水溶液としては、TPAOH及び/又はTPABrを含む水溶液を好適に用いることができる。
シリカゾルとして、シリカ微粒子の他、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を含有するものを用いることも好ましい。MFI型ゼオライトの構造規定剤として用いられるTPAOHは比較的高価な試薬であるが、この方法によれば、比較的安価なTPABrとアルカリ金属等の水酸化物とからTPA源とアルカリ源を得ることができる。即ち、この方法では高価なTPAOHの使用量を削減できるため、原料コストを低減させることができ、ゼオライトを安価に生産することが可能となる。
シリカゾルと構造規定剤水溶液とを混合するに際しては、シリカに対するTPAのモル比(TPA/シリカ比)が0.05〜0.5の範囲内となるように両者を混合することが好ましく、0.1〜0.3の範囲内とすることが更に好ましい。TPA/シリカ比が0.051未満であると、種結晶が析出しないことがあり、0.5を超えると過剰に支持体表面に析出することがある。
なお、構造規定剤として用いられる物質はゼオライトの型により異なるため、所望の型のゼオライトに応じた構造規定剤を適宜選択して使用する。例えば、BEA型ゼオライト(「β−ゼオライト」とも称される)の場合にはテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)やテトラエチルアンモニウムブロミド(TEABr)等を、DDR型ゼオライトの場合には1−アダマンタンアミン等を使用する。シリカに対する構造規定剤のモル比(構造規定剤/シリカ比)は、各々の型のゼオライトの従来公知の合成法に準じて決定すればよい。
また、種付け用ゾル調製時に添加する水は、不純物イオンを含まないことが好ましく、具体的には蒸留水又はイオン交換水であることが好ましい。
(II−1−2)支持体;
支持体は、ゼオライト種結晶を表面に生成し、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。支持体を構成する材料としては、支持体作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。支持体は多孔質体であることが好ましい。支持体の形状としては、モノリス形状が好ましい。
支持体は、ゼオライト種結晶を表面に生成し、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。支持体を構成する材料としては、支持体作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。支持体は多孔質体であることが好ましい。支持体の形状としては、モノリス形状が好ましい。
支持体51の両端面にガラスペーストを塗布し、所定温度で加熱することにより、図2に示すようなシール部12を形成することが好ましい。支持体のシール部12としては、ガラスシール、金属シールを挙げることができ、これらの中でも、多孔質支持体との熱膨張係数を合わせやすい点に優れることより、ガラスシールが好ましい。ガラスシールに用いるガラスの物性としては、特に限定されないが、多孔質支持体の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有することが好ましい。また、ガラスシールに用いるガラスとしては、鉛を含まない無鉛ガラス等が好ましい。
シール部12を形成するには、まず、支持体51の表面に、ガラスペーストを塗布する。ガラスペーストを塗布する部分は、特に限定されず、支持体51の表面の中で、支持体51内から外部に、又は外部から支持体51内に、ガス、液体、微粒子等が移動することを防止しようとする部分に塗布することが好ましい。本実施形態においては、支持体51の両端面4,4にガラスペーストを塗布する。
(II−1−3)ゼオライト種結晶の生成;
ゼオライト種結晶を生成させるために、まず、上記支持体と上記種付け用ゾルを耐圧容器内に入れる。このとき、支持体が、種付け用ゾルに浸漬されるように配置する。その後、耐圧容器を加熱し、水熱合成により支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる。
ゼオライト種結晶を生成させるために、まず、上記支持体と上記種付け用ゾルを耐圧容器内に入れる。このとき、支持体が、種付け用ゾルに浸漬されるように配置する。その後、耐圧容器を加熱し、水熱合成により支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる。
耐圧容器としては、特に限定されないが、フッ素樹脂製内筒付のステンレス製耐圧容器、ニッケル金属製耐圧容器、フッ素樹脂製耐圧容器等を使用することができる。支持体を種付け用ゾルに浸漬する場合は、少なくともゼオライト種結晶を析出させる箇所を種付け用ゾル内に沈めることが好ましく、支持体全体を種付け用ゾルに沈めてもよい。水熱合成を行う場合の温度は、90〜130℃であり、100〜120℃がより好ましい。90℃より低温であると、水熱合成が進行しにくく、130℃より高温であると、得られるゼオライト種結晶を微粒化することができない。特に、支持体がアルミナ粒子を焼結した多孔体である場合には、水熱合成の温度を上記範囲(90〜130℃)とすることにより、支持体表面に位置するアルミナ粒子のそれぞれの表面をゼオライト種結晶で覆うことが可能となる。また、水熱合成の合成時間は、3〜18時間であることが好ましく、6〜12時間であることがより好ましい。3時間より短いと、水熱合成が十分に進行しないことがあり、18時間より長いと、ゼオライト種結晶が大きくなり過ぎることがある。このように、水熱合成により支持体表面に直接ゼオライト種結晶を析出させると、支持体からゼオライト種結晶が剥離し難くなるため、ゼオライト膜を形成したときに、膜の欠陥や膜厚の不均一等の問題を防止することができる。
また、加熱する方法としては、耐圧容器を熱風乾燥機に入れて加熱したり、耐圧容器にヒーターを直接取り付けて加熱する等の方法が挙げられる。
得られるゼオライト種結晶の粒子径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることが特に好ましい。1μmより大きいと、膜形成工程において欠陥が少なく均一な膜厚で緻密なゼオライト膜を形成できないことがある。ここで、ゼオライト種結晶の粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって得られた値とし、1μm以下というときは、最大粒子径が1μm以下であることを示す。
支持体表面にゼオライト種結晶が析出した後は、支持体を水を使用して煮沸洗浄することが好ましい。これにより、余分なゼオライトの生成を防止することができる。洗浄時間は、種付け用ゾルが洗い流されれば特に限定されないが、0.5〜3時間の洗浄を1〜5回繰り返すことが好ましい。洗浄の後は、60〜120℃で、4〜48時間乾燥させることが好ましい。
また、支持体として図1A、図1Bに示すようなモノリス形状の多孔質体54を使用する場合には、支持体51のチャネル52の表面に、ゼオライト種結晶を生成させることが好ましい。この場合、支持体51を、種付け用ゾルに浸漬させるときには、外周面をフッ素樹脂等のテープで被覆した状態で浸漬することが好ましい。
(II−2)膜形成工程:
(II−2−1)膜形成用ゾル;
膜形成用ゾルは、原料としては、上述した種付け用ゾルに含有されるシリカゾル、構造規定剤及び水と同じものを使用し、種付け用ゾルの場合より水を多く使用して、種付け用ゾルより濃度を薄くしたものを使用することが好ましい。
(II−2−1)膜形成用ゾル;
膜形成用ゾルは、原料としては、上述した種付け用ゾルに含有されるシリカゾル、構造規定剤及び水と同じものを使用し、種付け用ゾルの場合より水を多く使用して、種付け用ゾルより濃度を薄くしたものを使用することが好ましい。
膜形成用ゾルの、含有される水とシリカ(微粒子)とのモル比(水/シリカモル比)が、水/シリカ=100〜700であることが好ましく、200〜500であることが更に好ましい。水/シリカモル比が100〜700であると、均一な厚みの欠陥の少ない緻密なゼオライト膜を形成することができる。水/シリカモル比が100より小さいと、シリカ濃度が高くなるため、膜形成用ゾル中にゼオライト結晶が析出し、ゼオライト膜表面に堆積するため、焼成等の活性化処理時にクラック等が発生し易くなることがある。また、水/シリカモル比が700より大きいと、ゼオライト膜が緻密になり難いことがある。ここで緻密とは、膜形成後にローダミンBによる染み込みがないことを指す。
膜形成用ゾルにおいて、シリカゾルと構造規定剤水溶液とを混合するに際しては、シリカに対するTPAのモル比(TPA/シリカ比)が0.01〜0.5の範囲内となるように両者を混合することが好ましく、0.02〜0.3の範囲内とすることが更に好ましい。TPA/シリカ比が0.01未満であると、膜が緻密になりにくく、0.5を超えるとゼオライト結晶が膜表面に堆積することがある。
(II−2−2)膜形成;
支持体表面に析出したゼオライト種結晶を水熱合成により成長させて、支持体表面に、膜状に成長したゼオライト結晶からなるゼオライト膜を形成する。ゼオライト膜を支持体表面に形成するために、上記ゼオライト種結晶を生成(析出)させた場合と同様にして、まず、ゼオライト種結晶が析出した支持体と上記膜形成用ゾルを耐圧容器内に入れる。このとき、支持体が、膜形成用ゾルに浸漬されるように配置する。その後、耐圧容器内を加熱して水熱合成により支持体表面にゼオライト膜を形成する。尚、水熱合成により得られたゼオライト膜は、テトラプロピルアンモニウムを含むものであるため、最終的にゼオライト膜を得るために、その後に、加熱処理を行うことが好ましい。
支持体表面に析出したゼオライト種結晶を水熱合成により成長させて、支持体表面に、膜状に成長したゼオライト結晶からなるゼオライト膜を形成する。ゼオライト膜を支持体表面に形成するために、上記ゼオライト種結晶を生成(析出)させた場合と同様にして、まず、ゼオライト種結晶が析出した支持体と上記膜形成用ゾルを耐圧容器内に入れる。このとき、支持体が、膜形成用ゾルに浸漬されるように配置する。その後、耐圧容器内を加熱して水熱合成により支持体表面にゼオライト膜を形成する。尚、水熱合成により得られたゼオライト膜は、テトラプロピルアンモニウムを含むものであるため、最終的にゼオライト膜を得るために、その後に、加熱処理を行うことが好ましい。
耐圧容器としては、上記ゼオライト種結晶の生成に使用した耐圧容器を使用することが好ましい。支持体を膜形成用ゾルに浸漬する場合は、少なくともゼオライト膜を形成させる箇所を膜形成用ゾル内に沈めることが好ましく、支持体全体を膜形成用ゾルに沈めてもよい。水熱合成を行う場合の温度は、100〜200℃まで昇温させることが好ましい。
水熱合成を行う場合の温度は、100〜200℃が好ましく、120〜180℃が更に好ましい。このような温度範囲とすることにより、均一な厚みで欠陥の少ない緻密なゼオライト膜を得ることが可能となる。そして、本発明のゼオライト膜配設体の製造方法では、このような高品質な膜を再現性よく製造することが可能であり、製造効率が高い。100℃より低温であると、水熱合成が進行し難いことがあり、200℃より高温であると、得られるゼオライト膜を均一な厚みの欠陥の少ない緻密なものとし難いことがある。
また、水熱合成の合成時間は、3〜120時間であることが好ましく、6〜90時間であることが更に好ましく、10〜72時間であることが特に好ましい。3時間より短いと、水熱合成が十分に進行しないことがあり、120時間より長いと、ゼオライト膜が、不均一な厚さで、厚くなり過ぎることがある。ここで緻密とは、膜形成後にローダミンBによる染み込みがないことを指す。また、ゼオライト膜が緻密であるときには、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した場合に、支持体表面の露出がない状態である。
水熱合成により支持体表面にゼオライト膜を形成した後には、支持体を水を使用して煮沸洗浄することが好ましい。これにより、ゼオライト膜上に余分なゼオライト結晶が付着することを防止することができる。洗浄時間は、特に限定されないが、0.5〜3時間の洗浄を1〜5回繰り返すことが好ましい。洗浄の後は、60〜120℃で、4〜48時間乾燥させることが好ましい。
(II−3)膜成長工程:
本実施形態のゼオライト分離膜配設体の製造方法は、上記「(2)膜形成工程」の後に、支持体の表面に形成されたゼオライト膜を更に成長させる、少なくとも一の膜成長工程を有することが好ましい。特に、支持体をモノリス形状とし、チャネル内の表面にゼオライト膜を形成する場合には、膜形成用ゾル中に含まれるシリカ成分がチャネル内で不足し、「(2)膜形成工程」だけでは、膜形成が十分でないことがある。そのような場合には、その後に、更に、膜成長工程によりゼオライト膜を成長させることにより、所望の厚さのゼオライト膜を形成することができる。この膜成長工程は、1回だけでなく、2回以上行ってもよい。
本実施形態のゼオライト分離膜配設体の製造方法は、上記「(2)膜形成工程」の後に、支持体の表面に形成されたゼオライト膜を更に成長させる、少なくとも一の膜成長工程を有することが好ましい。特に、支持体をモノリス形状とし、チャネル内の表面にゼオライト膜を形成する場合には、膜形成用ゾル中に含まれるシリカ成分がチャネル内で不足し、「(2)膜形成工程」だけでは、膜形成が十分でないことがある。そのような場合には、その後に、更に、膜成長工程によりゼオライト膜を成長させることにより、所望の厚さのゼオライト膜を形成することができる。この膜成長工程は、1回だけでなく、2回以上行ってもよい。
膜成長工程の操作は、上記「(II−2)膜形成工程」において、「(1)種結晶生成工程で得られた、表面にゼオライト種結晶を析出させた支持体」を用いる代わりに、「(2)膜形成工程で得られた、表面にゼオライト膜が形成された支持体」を用い、それ以外については、上記「(II−2)膜形成工程」と同様の操作とすることが好ましい。
(II−4)除去工程:
次の構造規定剤の除去工程において、上記方法により得られた、支持体表面に形成されたゼオライト膜を加熱処理(活性化処理)することにより、テトラプロピルアンモニウムを除去し、最終的にゼオライト膜を形成する。加熱温度(最高到達温度)は400〜1000℃が好ましく、500〜800℃が特に好ましい。加熱温度までの昇温工程は昇温速度0.1℃/min以上で昇温させることが好ましく、0.2℃/min以上で昇温させることが特に好ましい。上記温度範囲に維持した加熱機器にゼオライト分離膜配設体を入れることにより、上記温度範囲で昇温させる方法を用いることもできる。加熱時間は1〜60時間が好ましい。加熱処理を行った後の降温工程では、降温速度0.5℃/min以上で降温させることが好ましく、1℃/min以上で降温させることが特に好ましい。上記温度範囲に維持した加熱機器からゼオライト分離膜配設体を室温等の低温状況下に取り出すことにより、上記温度範囲で降温させることもできる。また、加熱に使用する機器としては、電気炉等を挙げることができる。
次の構造規定剤の除去工程において、上記方法により得られた、支持体表面に形成されたゼオライト膜を加熱処理(活性化処理)することにより、テトラプロピルアンモニウムを除去し、最終的にゼオライト膜を形成する。加熱温度(最高到達温度)は400〜1000℃が好ましく、500〜800℃が特に好ましい。加熱温度までの昇温工程は昇温速度0.1℃/min以上で昇温させることが好ましく、0.2℃/min以上で昇温させることが特に好ましい。上記温度範囲に維持した加熱機器にゼオライト分離膜配設体を入れることにより、上記温度範囲で昇温させる方法を用いることもできる。加熱時間は1〜60時間が好ましい。加熱処理を行った後の降温工程では、降温速度0.5℃/min以上で降温させることが好ましく、1℃/min以上で降温させることが特に好ましい。上記温度範囲に維持した加熱機器からゼオライト分離膜配設体を室温等の低温状況下に取り出すことにより、上記温度範囲で降温させることもできる。また、加熱に使用する機器としては、電気炉等を挙げることができる。
以上の工程により、支持体51上にゼオライト膜11が配設され、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がない分離膜配設体を製造することができる。
(III)液体分離方法:
本発明のゼオライト分離膜配設体を用いた、異なる2成分以上の液体の混合流体の分離方法としては、混合流体を液体で供給してガス透過させる方法(浸透気化法、パーベーパレーション法)でも良いし、混合流体を蒸気で供給してガス透過させる方法(蒸気透過法、ベーパパーミエーション法)でも良い。
本発明のゼオライト分離膜配設体を用いた、異なる2成分以上の液体の混合流体の分離方法としては、混合流体を液体で供給してガス透過させる方法(浸透気化法、パーベーパレーション法)でも良いし、混合流体を蒸気で供給してガス透過させる方法(蒸気透過法、ベーパパーミエーション法)でも良い。
具体的には、例えば図5及び図6に示すような混合流体分離装置101を用いて行うことができる。すなわち、本発明の混合流体分離装置101は、原料側空間と透過側空間とを区画する分離部と、原料側空間に混合流体を供給する供給部と、透過側空間から混合流体用分離膜を透過した透過液および/又は透過ガスを回収する透過回収部と、を含む。分離部は、上述の混合流体用ゼオライト膜11を備えてこれを支持する多孔質支持体51を有するSUS製モジュール37によって構成されている。また、供給部は、原料タンク35、循環ポンプ36によって構成され、透過回収部は、冷却装置である冷却トラップ38、真空ポンプ39によって構成されている。
以下、流体が液体の場合について説明する。原料タンク35は、タンク内に入れられた液体混合物(原料)を所定の温度(例えば50℃)に加熱保持する。
SUS製モジュール37には、原料側空間31に連通するように供給流体導入口37aと供給流体排出口37bとが形成され、透過側空間32には透過蒸気を外部に排出するための透過流体回収口37cが形成されている。原料タンク35内の液体混合物は、循環ポンプ36によって、SUS製モジュール37の原料側空間31に供給されるように構成されている。
SUS製モジュール37は、ゼオライト膜が形成されたモノリス形状基材(支持体)51を、その両端外周部にo−リング33を介して所定の位置に設置できるように構成されている。SUS製モジュール37は、o−リング33、ガラスシール(シール部12)およびゼオライト膜11により、原料側空間31と透過側空間32に区画されることになる。
SUS製モジュール37の透過流体回収口37c側には、冷却トラップ38、真空ポンプ39が設けられ、透過流体回収口37cから排出される透過蒸気を液体N2トラップ(冷却トラップ38)にて回収するように構成されている。
上記構成により、循環ポンプ36にてSUS製モジュール37の原料側空間31に、供給流体導入口37aにより原料を供給し、供給流体排出口37bから排出された原料を原料タンク35に戻すことで原料を循環させる。本発明の混合流体の分離方法では、原料としては、上述の液体混合物を用いる。あるいは、原料タンク35とSUS製モジュール37の間に気化器を設けるなどして液体混合物を気化させた気体混合物を用いる。この混合物を供給流体導入口37aより供給混合物として、ゼオライト膜11の膜供給側11aに接触させる。真空ポンプ39にてゼオライト膜の支持体側を減圧することで、ゼオライト膜11の膜透過側11bへ成分が透過し、透過流体回収口37cから排出される透過蒸気を液体N2トラップにて回収する。透過側空間32の真空度は圧力制御機により所定の減圧下(例えば約0.5Torr)に制御する。これにより、混合流体を分離することができる。
(IV)気体分離方法:
具体的には、例えば図5及び図7に示すような混合流体分離装置102を用いて行うことができる。すなわち、本発明の混合流体分離装置102は、原料側空間と透過側空間とを区画する分離部と、原料側空間に混合流体を供給する供給部と、透過側空間から混合流体用分離膜を透過した透過ガスを回収する透過回収部と、を含む。分離部は、上述の混合流体用ゼオライト膜11を備えてこれを支持する多孔質支持体51を有するSUS製モジュール37によって構成されている。
具体的には、例えば図5及び図7に示すような混合流体分離装置102を用いて行うことができる。すなわち、本発明の混合流体分離装置102は、原料側空間と透過側空間とを区画する分離部と、原料側空間に混合流体を供給する供給部と、透過側空間から混合流体用分離膜を透過した透過ガスを回収する透過回収部と、を含む。分離部は、上述の混合流体用ゼオライト膜11を備えてこれを支持する多孔質支持体51を有するSUS製モジュール37によって構成されている。
SUS製モジュール37には、原料側空間31に連通するように供給流体導入口37aと供給流体排出口37bとが形成され、透過側空間32には透過ガスを外部に排出するための透過流体回収口37cが形成されている。
SUS製モジュール37は、ゼオライト膜が形成されたモノリス形状基材(支持体)51を、その両端外周部にo−リング33を介して所定の位置に設置できるように構成されている。SUS製モジュール37は、o−リング33、ガラスシール(シール部12)およびゼオライト膜11により、原料側空間31と透過側空間32に区画されることになる。
上記構成により、SUS製モジュール37の原料側空間31に、供給流体導入口37aにより、圧力制御機によって、所定の圧力に加圧した原料であるガス混合物を供給する。この混合物を供給流体導入口37aより、供給混合物として、ゼオライト膜11の膜供給側11aに接触させる。ゼオライト膜11の膜供給側と膜透過側の圧力差を駆動力として、膜透過側11bへ特定の成分が透過し、透過流体回収口37cから排出されることにより、混合流体を分離することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(種付け用ゾルの調製)
40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)31.22gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)16.29gとを混合し、さらに蒸留水71.25g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックS、日産化学株式会社)82gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して種付け用ゾルとした。
(種付け用ゾルの調製)
40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)31.22gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)16.29gとを混合し、さらに蒸留水71.25g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックS、日産化学株式会社)82gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して種付け用ゾルとした。
(ゼオライト種結晶の生成)
得られた種付け用ゾル13aを、図3に示すように、フッ素樹脂製300ml耐圧容器10内に入れ、両端部にガラスシール(シール部12)を施した直径30mm、長さ160mm、φ3mmのストレート孔が計37開いたモノリス状の多孔質アルミナ質支持体51を、外側にフッ素樹脂製テープを被覆した後に浸漬し、110℃の熱風乾燥機中で12時間反応させた。支持体51は、フッ素樹脂製の受け治具15より耐圧容器10に固定した。反応後の支持体51は外側のフッ素樹脂製テープを除去し、5回の煮沸洗浄の後、80℃で16時間乾燥した。反応後の結晶粒子のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
得られた種付け用ゾル13aを、図3に示すように、フッ素樹脂製300ml耐圧容器10内に入れ、両端部にガラスシール(シール部12)を施した直径30mm、長さ160mm、φ3mmのストレート孔が計37開いたモノリス状の多孔質アルミナ質支持体51を、外側にフッ素樹脂製テープを被覆した後に浸漬し、110℃の熱風乾燥機中で12時間反応させた。支持体51は、フッ素樹脂製の受け治具15より耐圧容器10に固定した。反応後の支持体51は外側のフッ素樹脂製テープを除去し、5回の煮沸洗浄の後、80℃で16時間乾燥した。反応後の結晶粒子のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(膜形成用ゾルの調製)
40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)0.80gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬株式会社製)0.42gとを混合し、さらに蒸留水193.26g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックスS、日産化学株式会社製)6.3gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して膜形成用ゾルとした。
40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)0.80gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬株式会社製)0.42gとを混合し、さらに蒸留水193.26g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックスS、日産化学株式会社製)6.3gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して膜形成用ゾルとした。
(ゼオライト膜の形成)
得られた膜形成用ゾル13bを、上記「ゼオライト種結晶の生成」の場合と同様に、図3に示すような、フッ素樹脂製300ml耐圧容器10内に入れ、上記ゼオライト種結晶が析出した多孔質アルミナ質支持体51を、外側にフッ素樹脂製テープを被覆した後に浸漬し、160℃まで昇温させ、熱風乾燥機中160℃で24時間反応させ、その後降温させた。反応後の支持体51は外側のフッ素樹脂製テープを除去し、5回の煮沸洗浄の後、80℃で16時間乾燥し、ゼオライト分離膜配設体を得た。その後、ゼオライト分離膜配設体からの構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.2℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度1℃/minで行った。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
得られた膜形成用ゾル13bを、上記「ゼオライト種結晶の生成」の場合と同様に、図3に示すような、フッ素樹脂製300ml耐圧容器10内に入れ、上記ゼオライト種結晶が析出した多孔質アルミナ質支持体51を、外側にフッ素樹脂製テープを被覆した後に浸漬し、160℃まで昇温させ、熱風乾燥機中160℃で24時間反応させ、その後降温させた。反応後の支持体51は外側のフッ素樹脂製テープを除去し、5回の煮沸洗浄の後、80℃で16時間乾燥し、ゼオライト分離膜配設体を得た。その後、ゼオライト分離膜配設体からの構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.2℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度1℃/minで行った。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(実施例2)
構造規定剤の除去工程では、ゼオライト分離膜配設体を入れる前に600℃に昇温し、維持しておいた電気炉に、ゼオライト分離膜配設体を投入(昇温速度は0.2℃/minよりも速い)、静置し、24時間経過した後、電気炉から取り出した(降温速度は1℃/minよりも速い)。それ以外は実施例1と同様の工程からゼオライト分離膜配設体を得た。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
構造規定剤の除去工程では、ゼオライト分離膜配設体を入れる前に600℃に昇温し、維持しておいた電気炉に、ゼオライト分離膜配設体を投入(昇温速度は0.2℃/minよりも速い)、静置し、24時間経過した後、電気炉から取り出した(降温速度は1℃/minよりも速い)。それ以外は実施例1と同様の工程からゼオライト分離膜配設体を得た。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(実施例3)
実施例1と同様の工程から得られたゼオライト分離膜配設体を用いて、構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.1℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度0.5℃/minで行った。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
実施例1と同様の工程から得られたゼオライト分離膜配設体を用いて、構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.1℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度0.5℃/minで行った。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(比較例1)
背景技術に記載の非特許文献1(Separation Purification Technology, 25 (2001) 297−306)に準じて作製した。40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)12.69gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)6.62gとを混合し、さらに蒸留水203.05g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックS、日産化学株式会社)20gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して種付け用ゾルとした。
背景技術に記載の非特許文献1(Separation Purification Technology, 25 (2001) 297−306)に準じて作製した。40質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(SACHEM社製)12.69gと、テトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)6.62gとを混合し、さらに蒸留水203.05g、約30質量%シリカゾル(商品名:スノーテックS、日産化学株式会社)20gを加えて、室温にて30分間マグネチックスターラーで撹拌して種付け用ゾルとした。
このゾルを、フッ素樹脂製耐圧容器中に入れ、両端部にガラスシールを施した直径30mm、長さ160mm、φ3mmのストレート孔が計37開いたモノリス状の多孔質アルミナ質支持体を外側にフッ素樹脂製テープを被覆した後に浸漬し、180℃の熱風乾燥器中で30時間反応させた。反応後の支持体は、外側のフッ素樹脂製テープを除去し、5回の煮沸洗浄の後、80℃で16時間乾燥し、ゼオライト分離膜配設体を得た。その後、ゼオライト分離膜配設体からの構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.1℃/min、加熱温度500℃で4時間維持、降温速度0.1℃/minで行った。反応後のチャネル内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(比較例2)
種付け用ゾルのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液、テトラプロピルアンモニウムブロミドをいずれも実施例1の10分の1にし、膜形成用ゾルのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液、テトラプロピルアンモニウムブロミドをいずれも実施例1の10分の1にした。それ以外は実施例1と同様に行った。
種付け用ゾルのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液、テトラプロピルアンモニウムブロミドをいずれも実施例1の10分の1にし、膜形成用ゾルのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド溶液、テトラプロピルアンモニウムブロミドをいずれも実施例1の10分の1にした。それ以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
実施例1と同様の工程から得られたゼオライト分離膜配設体を用いて、構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.01℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度0.05℃/minで行った。反応後の孔内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
実施例1と同様の工程から得られたゼオライト分離膜配設体を用いて、構造規定剤の除去工程は、昇温速度0.01℃/min、加熱温度600℃で4時間維持、降温速度0.05℃/minで行った。反応後の孔内側の緻密層のX線回折によりMFI型ゼオライトであることが確認された。
(比較例4)
チタンイソプロポキシドを硝酸の存在下で加水分解し、チタニアゾル液を得た。チタニアゾル液を蒸留水で希釈して成膜のゾル液とし、基材セル内に流通、接触させることにより、セル内に膜を形成した。その後試料を乾燥し、500℃で熱処理した。
チタンイソプロポキシドを硝酸の存在下で加水分解し、チタニアゾル液を得た。チタニアゾル液を蒸留水で希釈して成膜のゾル液とし、基材セル内に流通、接触させることにより、セル内に膜を形成した。その後試料を乾燥し、500℃で熱処理した。
(N2吸着法による細孔分布測定)
実施例3、比較例4のゼオライト膜配設体におけるゼオライト膜について、細孔容積、細孔分布を測定した。測定対象は細孔径40nm以下の細孔とし、測定装置はMicromeritics社製、ASAP2020とし、窒素吸着法(−196℃)により測定した。測定結果の解析には、細孔径2nm以下の範囲にはSaito−Foley法、細孔径2nm〜40nmの範囲にはBarrett−Joyner−Halenda法を適用した。全細孔容積は、2nm以下の細孔容積と、細孔直径2nm〜40nmの範囲の細孔容積の和とした。
実施例3、比較例4のゼオライト膜配設体におけるゼオライト膜について、細孔容積、細孔分布を測定した。測定対象は細孔径40nm以下の細孔とし、測定装置はMicromeritics社製、ASAP2020とし、窒素吸着法(−196℃)により測定した。測定結果の解析には、細孔径2nm以下の範囲にはSaito−Foley法、細孔径2nm〜40nmの範囲にはBarrett−Joyner−Halenda法を適用した。全細孔容積は、2nm以下の細孔容積と、細孔直径2nm〜40nmの範囲の細孔容積の和とした。
実施例3のゼオライト膜配設体におけるゼオライト膜について、細孔分布を測定した結果を図8に示す。実施例3は、細孔径0.76nm以下にシャープなピークを有し、且つ細孔径0.76nm〜2nm近辺にブロードなピークを有していた。細孔径40nmまでの全細孔容積は0.2cc/gであり、細孔径0.76nm以下の細孔容積が0.15cc/g、細孔径0.76nm〜2nmの細孔容積が0.04cc/g、細孔径2nm〜40nmの細孔容積が0.01cc/gであった。細孔径0.76nm〜2nmの細孔容積は幅1.24nmと狭い範囲内で0.04cc/gあるのに対し、細孔径2nm〜40nmの細孔容積は幅38nmと広い範囲内に0.01cc/gであるため、実質的に2nmより大きい細孔は有していないと言える。
比較例4の細孔径を実施例1と同様の方法で測定したところ、細孔径1nm以下にピークを有すると共に、細孔径2nm〜4nmにブロードなピークを有していた。
(単成分ガス透過試験)
図4に示す装置を用い、単成分ガス(N2)の透過試験を実施した。ゼオライト分離膜配設体を、その両端外周部にo−リング133を介してSUS製ケーシングに収納したもの(SUS製モジュール137)を所定の位置に設置する。SUS製モジュール137はo−リング133、ガラスシール(シール部12)およびゼオライト膜により、ガス供給側空間131とガス透過側空間132に区画されることになる。ガス供給側空間131はSUS製モジュール137の後段にて閉塞されているため、供給側に接続した評価ガスのボンベにてSUS製モジュール137の供給側空間に、供給ガス導入口137aよりガスを供給し、供給ガス排出口137bから排出されたガスは留まり、膜に所定の圧力を与える。本実験では、ガス供給側空間131はゲージ圧力で0.1MPaとし、透過側空間132は大気圧とした。透過流量は安定したことを確認した後、一定の時間でガス回収口137c側に備えた乾式ガスメータまたは石鹸膜流量計で測定し、透過速度(nmol・m−2・s−1・Pa−1)を評価した。
図4に示す装置を用い、単成分ガス(N2)の透過試験を実施した。ゼオライト分離膜配設体を、その両端外周部にo−リング133を介してSUS製ケーシングに収納したもの(SUS製モジュール137)を所定の位置に設置する。SUS製モジュール137はo−リング133、ガラスシール(シール部12)およびゼオライト膜により、ガス供給側空間131とガス透過側空間132に区画されることになる。ガス供給側空間131はSUS製モジュール137の後段にて閉塞されているため、供給側に接続した評価ガスのボンベにてSUS製モジュール137の供給側空間に、供給ガス導入口137aよりガスを供給し、供給ガス排出口137bから排出されたガスは留まり、膜に所定の圧力を与える。本実験では、ガス供給側空間131はゲージ圧力で0.1MPaとし、透過側空間132は大気圧とした。透過流量は安定したことを確認した後、一定の時間でガス回収口137c側に備えた乾式ガスメータまたは石鹸膜流量計で測定し、透過速度(nmol・m−2・s−1・Pa−1)を評価した。
(1,3,5−トリメチルベンゼンの単成分浸透気化(パーベーパレーション:PV)試験)
パーベーパレーションは、図5及び図6に示すような混合物分離装置101を用いて行った。原料タンク35により、タンク内に入れられた、1,3,5−トリメチルベンゼンを所定の温度(約50℃)に加熱保持した。
パーベーパレーションは、図5及び図6に示すような混合物分離装置101を用いて行った。原料タンク35により、タンク内に入れられた、1,3,5−トリメチルベンゼンを所定の温度(約50℃)に加熱保持した。
図5及び図6の構成により、循環ポンプ36にてSUS製モジュール37の原料側空間31に、供給流体導入口37aより原料を供給し、供給流体排出口37bから排出された原料を原料タンク35に戻すことで原料を循環させた。真空ポンプ39にて分離膜11の支持体側を減圧することで、分離膜11の膜透過側11bへ透過し、透過流体回収口37cから排出される透過蒸気を液体N2トラップにて回収した。透過側空間32の真空度は圧力制御機により所定の減圧下(例えば約0.5Torr)に制御した。これにより、液体混合物の組成を変化させることができる。
試験は、1,3,5−トリメチルベンゼンを50℃、透過側真空度0.2torr、測定時間30minで行った。得られた液体の質量は電子天秤にて秤量し、液体の組成はガスクロマトグラフィーにて分析した。上記パーベーパレーション試験の結果得られた、透過速度を表1に示す。
(ローダミンB染色試験)
ローダミンB 0.3質量%の水溶液を作製し、膜の内側(貫通孔)に注入し、外側の基材に着色が見られるかを目視と光学顕微鏡にて確認した。結果を表1に示す。
ローダミンB 0.3質量%の水溶液を作製し、膜の内側(貫通孔)に注入し、外側の基材に着色が見られるかを目視と光学顕微鏡にて確認した。結果を表1に示す。
表1に示すように、構造規定剤の除去後、実施例1〜3は、窒素(N2)の透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上となり、1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であった。また、ローダミンBの染み込みによる染色がなかった。したがって、窒素の透過速度が大きいため、透過可能な貫通した細孔量が十分であることが分かった。また、1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比により、全細孔のうち0.76nm以上の細孔径を持つ細孔が十分に存在していることが分かった。さらに、ローダミンBの染み込みによる染色がなかったことにより、細孔径は約2nm以下であることが分かった。以上より、実施例1〜3は、ゼオライト結晶固有の細孔を持ち、且つ0.76nm以上、約2nm以下にゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔を持つゼオライト分離膜配設体であると言える。また、1,3,5−トリメチルベンゼンの透過速度は、速い順に、実施例2、実施例1、実施例3であることから、ゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔の量は、多い順に、実施例2、実施例1、実施例3であると言える。また、実施例3のN2吸着法による細孔分布測定より、細孔径0.76nm以下にシャープなピークと0.76〜2nmにブロードなピークを有し、2nm以上にピークを持たないことを確認した。
比較例1は、構造規定剤を除去する加熱処理における降温速度が0.1℃/minと遅いため、ゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔を持たず、1、3、5−トリメチルベンゼンが透過しなかった。比較例2は、構造規定剤が少なく緻密な膜が得られなかったため、ローダミンBの染み込みによる染色があった。比較例3は、構造規定剤を除去する加熱処理における昇温速度が0.01℃/minと遅いため、ゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔が少なく、1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が十分ではなかった。比較例4は、細孔が大きいため、ローダミンBの染み込みによる染色があった。
次に、エタノール/水、n−ヘキサン/ベンゼン、n−ヘプタン/トルエン、n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタンの浸透気化(PV)試験、プロピレン/アルゴンの混合ガス分離試験について述べる。これらの分離試験において、比較例2、4はいずれも分離性能が確認できなかったため、表2〜6への記載は省略した。なお、透過成分の透過流束増減、および分離係数の増減は、ゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔が少ない比較例3を基準とした場合の量比を%で示した。効果については、透過成分の透過流束は、比較例3に対して150%以上であること、分離係数の増減は、比較例3に対して50%以上であることを判定の基準とした。プロピレン/アルゴンの混合ガス分離試験では、透過流速増減でなく透過速度増減を使用した。
(エタノール(EtOH)/水の浸透気化(PV)試験)
1,3,5−トリメチルベンゼンの浸透気化試験と同様に、70℃、透過側真空度50torr、測定時間5min(開始から15〜20分の間)でエタノール/水の浸透気化試験を行った。結果を表2に示す。ここで、分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のエタノール濃度(質量%)と水濃度(質量%)との比に対する透過液中のエタノール濃度(質量%)と水濃度(質量%)との比の値をいう。また、透過流束(kg/m2/時間)とは、単位時間(時間)、単位面積(m2)当たりに、分離膜を透過した全物質の質量をいう。
1,3,5−トリメチルベンゼンの浸透気化試験と同様に、70℃、透過側真空度50torr、測定時間5min(開始から15〜20分の間)でエタノール/水の浸透気化試験を行った。結果を表2に示す。ここで、分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のエタノール濃度(質量%)と水濃度(質量%)との比に対する透過液中のエタノール濃度(質量%)と水濃度(質量%)との比の値をいう。また、透過流束(kg/m2/時間)とは、単位時間(時間)、単位面積(m2)当たりに、分離膜を透過した全物質の質量をいう。
分離係数=((透過液中のエタノール濃度)/(透過液中の水濃度))/((供給液中のエタノール濃度)/(供給液中の水濃度))
(n−ヘキサン/ベンゼンの浸透気化(PV)試験)
上記と同様に、50℃、透過側真空度0.2torr、測定時間20min(開始から20〜40分の間)で、n−ヘキサン/ベンゼンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘキサン濃度(質量%)とベンゼン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘキサン濃度(質量%)とベンゼン濃度(質量%)との比の値をいう。
上記と同様に、50℃、透過側真空度0.2torr、測定時間20min(開始から20〜40分の間)で、n−ヘキサン/ベンゼンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘキサン濃度(質量%)とベンゼン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘキサン濃度(質量%)とベンゼン濃度(質量%)との比の値をいう。
分離係数=((透過液中のn−ヘキサン濃度)/(透過液中のベンゼン濃度))/((供給液中のn−ヘキサン濃度)/(供給液中のベンゼン濃度))
結果を表3に示す。
(n−ヘプタン/トルエンの浸透気化(PV)試験)
上記と同様に、50℃、透過側真空度0.2torr、測定時間180min(開始から0〜180分の間)で、n−ヘプタン/トルエンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘプタン濃度(質量%)とトルエン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘプタン濃度(質量%)とトルエン濃度(質量%)との比の値をいう。
上記と同様に、50℃、透過側真空度0.2torr、測定時間180min(開始から0〜180分の間)で、n−ヘプタン/トルエンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘプタン濃度(質量%)とトルエン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘプタン濃度(質量%)とトルエン濃度(質量%)との比の値をいう。
分離係数=((透過液中のn−ヘプタン濃度)/(透過液中のトルエン濃度))/((供給液中のn−ヘプタン濃度)/(供給液中のトルエン濃度))
結果を表4に示す。
(n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタンの浸透気化(PV)試験)
上記と同様に、35℃、透過側真空度0.2torr、測定時間180min(開始から0〜180分の間)で、n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘキサン濃度(質量%)と2,2−ジメチルブタン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘキサン濃度(質量%)と2,2−ジメチルブタン濃度(質量%)との比の値をいう。
上記と同様に、35℃、透過側真空度0.2torr、測定時間180min(開始から0〜180分の間)で、n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタンの浸透気化(PV)試験を行った。分離係数とは、下記式で示されるように、供給液中のn−ヘキサン濃度(質量%)と2,2−ジメチルブタン濃度(質量%)との比に対する透過液中のn−ヘキサン濃度(質量%)と2,2−ジメチルブタン濃度(質量%)との比の値をいう。
分離係数=((透過液中のn−ヘキサン濃度)/(透過液中の2,2−ジメチルブタン濃度))/((供給液中のn−ヘキサン濃度)/(供給液中の2,2−ジメチルブタン濃度))
結果を表5に示す。
(プロピレン/アルゴンの混合ガス分離試験)
混合ガス分離試験は、図5及び図7に示すような混合物分離装置102を用いて行った。図6及び図7の構成により、SUS製モジュール37の原料側空間31に、供給流体導入口37aより原料を供給した。ゼオライト膜11の膜供給側と膜透過側の圧力差を駆動力として、膜透過側11bへ特定の成分が透過し、透過流体回収口37cから排出されることにより、混合流体を分離した。
混合ガス分離試験は、図5及び図7に示すような混合物分離装置102を用いて行った。図6及び図7の構成により、SUS製モジュール37の原料側空間31に、供給流体導入口37aより原料を供給した。ゼオライト膜11の膜供給側と膜透過側の圧力差を駆動力として、膜透過側11bへ特定の成分が透過し、透過流体回収口37cから排出されることにより、混合流体を分離した。
試験は、30℃、供給側圧力0.7MPa(絶対圧)、透過側圧力0.1MPa(絶対圧)で、行った。透過ガスの流量はガス回収口137c側に備えた乾式ガスメータまたは石鹸膜流量計で測定し、透過速度(nmol・m−2・s−1・Pa−1)を評価した。透過ガスの組成はガスクロマトグラフィーにて分析した。上記混合ガス分離試験の結果得られた、透過速度を表6に示す。分離係数とは、下記式で示されるように、供給ガス中のプロピレン濃度(モル%)とアルゴン濃度(モル%)との比に対する透過ガス中のプロピレン(モル%)とアルゴン(モル%)との比の値をいう。
分離係数=((透過ガス中のプロピレン濃度)/(透過ガス中のアルゴン濃度))/((供給ガス中のプロピレン濃度)/(供給ガス中のアルゴン濃度))
結果を表6に示す。
表2〜表6に示すように、実施例1〜3では、比較例1〜4に比べ、エタノール/水、n−ヘキサン/ベンゼン、n−ヘプタン/トルエン、n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタン、プロピレン/アルゴンの分離試験において、高い透過性と高い分離性の両立が可能であることを確認した。
実施例1〜3は、窒素(N2)の透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がなかったことより、ゼオライト結晶固有の細孔に加えて、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔を0.76nm〜約2nmに有していることが確認できた。また、1,3,5−トリメチルベンゼンの透過速度は、速い順に、実施例2、実施例1、実施例3であることから、ゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔の量は、多い順に、実施例2、実施例1、実施例3であると言える。また、約2nm以上には実質的に細孔を有していないことが確認できた。
表2〜表6に示すように、本願が提供するゼオライト膜配設体では、エタノール/水、n−ヘキサン/ベンゼン、n−ヘプタン/トルエン、n−ヘキサン/2,2−ジメチルブタン、プロピレン/アルゴンの分離において高い透過性と高い分離性の両立が可能であるが、これは、ゼオライト結晶固有の細孔が0.76nm以下にあり、さらにゼオライト結晶固有の細孔よりも大きい隙間または細孔が、これらの分離系において高い透過性と高い分離性の両立が可能な、0.76nm〜約2nmにあるためと推定される。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔よりも大きく、適切な範囲に制御された隙間または細孔を、0.76nm以上、約2nm以下に有しているため、直鎖と側鎖の炭化水素、直鎖と芳香族の炭化水素、アルコールと水、直鎖飽和炭化水素と無機ガスなどの分離を行った場合に、高い透過性と高い分離性の両立が可能である。
4:端面、10:耐圧容器、11:ゼオライト膜、11a:膜供給側、11b:膜透過側、12:シール部、13a:種付け用ゾル、13b:膜形成用ゾル、14:フッ素樹脂製内筒、15:受け治具、31:原料側空間、32:透過側空間、33:o−リング、35:原料タンク、36:循環ポンプ、37:SUS製モジュール、37a:供給流体導入口、37b:供給流体排出口、37c:透過流体回収口、38:冷却トラップ、39:真空ポンプ、40:圧力制御機、51:支持体、52:流通路(チャネル)、53:軸方向、54:多孔質体、101:混合流体分離装置、102:混合流体分離装置、131:ガス供給側空間、132:透過側空間、133:o−リング、137:SUS製モジュール、137a:供給ガス導入口、137b:供給ガス排出口、137c:ガス回収口。
[1] ゼオライト膜を備え、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト分離膜配設体。
[7] シリカ、水及び構造規定剤を含有する種付け用ゾル並びに支持体を、前記支持体が前記種付け用ゾルに浸漬された状態になるように耐圧容器内に入れ、その耐圧容器内を加熱して前記支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる種結晶生成工程と、前記ゼオライト種結晶を成長させて前記支持体の表面に前記構造規定剤を含む緻密なゼオライト膜を形成する膜形成工程と、緻密な前記ゼオライト膜から構造規定剤を除去する除去工程と、を含むゼオライト分離膜配設体の製造方法であって、前記除去工程における除去処理が加熱処理により行われ、前記加熱処理が、最高到達温度400℃〜1000℃の範囲で行われると共に、昇温速度0.1℃/min以上での昇温工程と、降温速度0.5℃/min以上での降温工程とを含むものであり、ゼオライト膜を備え、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト分離膜配設体を製造するゼオライト分離膜配設体の製造方法。
(I)ゼオライト分離膜配設体:
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト膜を備え、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト分離膜配設体である。このゼオライト膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔でない細孔を0.76nm〜2nmに有する。そして、ゼオライト膜は、多孔質材料である支持体上に形成される。ゼオライト膜は、MFI膜であることが好ましく、さらにシリカライト膜であることがより好ましい。
本発明のゼオライト分離膜配設体は、ゼオライト膜を備え、室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト分離膜配設体である。このゼオライト膜配設体は、ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔でない細孔を0.76nm〜2nmに有する。そして、ゼオライト膜は、多孔質材料である支持体上に形成される。ゼオライト膜は、MFI膜であることが好ましく、さらにシリカライト膜であることがより好ましい。
Claims (11)
- 室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体。
- ゼオライト結晶固有の細孔を0.76nm以下に有し、且つゼオライト結晶固有の細孔以外の細孔を0.76nm〜2nmに有するゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体。
- 多孔質材料である支持体表面に前記ゼオライト膜が形成されている請求項1または2に記載のゼオライト分離膜配設体。
- 前記ゼオライト膜がMFI膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライト分離膜配設体。
- 前記ゼオライト膜がシリカライト膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゼオライト分離膜配設体。
- 異なる2成分以上の混合流体の分離に使用される請求項1〜5のいずれか1項に記載のゼオライト分離膜配設体。
- シリカ、水及び構造規定剤を含有する種付け用ゾル並びに支持体を、前記支持体が前記種付け用ゾルに浸漬された状態になるように耐圧容器内に入れ、その耐圧容器内を加熱して前記支持体表面にゼオライト種結晶を生成させる種結晶生成工程と、前記ゼオライト種結晶を成長させて前記支持体の表面に前記構造規定剤を含む緻密なゼオライト膜を形成する膜形成工程と、緻密な前記ゼオライト膜から構造規定剤を除去する除去工程と、を含むゼオライト分離膜配設体の製造方法であって、
前記除去工程における除去処理が加熱処理により行われ、
前記加熱処理が、最高到達温度400℃〜1000℃の範囲で行われると共に、昇温速度0.1℃/min以上での昇温工程と、降温速度0.5℃/min以上での降温工程とを含むものであり、
室温でのN2ガスの透過速度が1.0×10−6mol・m−2・s−1・Pa−1以上であり、且つ室温での1,3,5−トリメチルベンゼン/N2の透過速度比が0.17以上であり、且つローダミンBの染み込みによる染色がないゼオライト膜を備えるゼオライト分離膜配設体を製造するゼオライト分離膜配設体の製造方法。 - 前記ゼオライト膜がMFI膜である請求項7に記載のゼオライト分離膜配設体の製造方法。
- 前記ゼオライト膜がシリカライト膜である請求項7または8に記載のゼオライト分離膜配設体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに1項に記載のゼオライト分離膜配設体を用いて、異なる2成分以上の混合流体を分離する混合流体の分離方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゼオライト分離膜配設体を有し、多孔質基材によって原料側空間と透過側空間とを区画する分離部と、前記原料側空間に混合流体を供給する供給部と、前記透過側空間から前記ゼオライト膜を透過した透過液および/又は透過ガスを回収する透過回収部と、を含む混合流体分離装置。
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