JP7358827B2 - ゼオライト膜複合体の再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス分離に用いるゼオライト膜複合体の再生方法であって、具体的には特定のガスをゼオライト膜複合体に接触させることにより再生する方法に関する。
従来、有機化合物、無機化合物を含有する気体または液体の混合物の分離、濃縮は、対象となる物質の性質に応じて、吸着分離法、吸収分離法、蒸留分離法、深冷分離法、蒸留法、共沸蒸留法、溶媒抽出/蒸留法、吸着剤などにより行われている。しかしながら、これらの方法は、多くのエネルギーを必要とする、あるいは分離、濃縮対象の適用範囲が限定的であるといった欠点がある。
これらの方法に代わる分離方法として、膜を用いた膜分離法が提案されている。膜分離法は分離の途中での相変化を殆ど伴わず、圧力差を駆動エネルギーとする手法である。膜分離法は、他のガス分離・精製法に比べて取り扱いも容易で設備規模も比較的小さいため低コスト・省エネルギーで、目的とするガスの分離や濃縮を行うことができる。
膜によるガス分離の方法としては、1970年代から高分子膜を用いた方法が提案されている。しかし、高分子膜は加工性に優れる特徴をもつ一方で、熱や化学物質、圧力により劣化して性能が低下するものが多く、分離、濃縮対象の適用範囲が限定的である。
近年、これらの問題を解決すべく耐薬品性、耐酸化性、耐熱安定性、耐圧性が良好な種々の無機膜が提案されている。その中でもゼオライト膜は、サブナノメートルの規則的な細孔を有し、分子ふるいとしての働きをもつため選択的に特定の分子を透過させることができ、高い分離性能を示すことがきる(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。
Shiguang Li et al., "Improved SAPO-34 Membranes for CO2/CH4 Separation", AIChE Journal. 2004, Vol. 50, No. 1, 127-135 Xuehong Gu et al., " Synthesis of Defect-Free FAU-Type Zeolite Membranes and Separation for Dry and Moist CO2/N2 Mixtures", Ind. Eng. Chem. Res. 2005, 44, 937-944
ゼオライト膜でガス分離を行うと、分離対象ガスや不純物などが膜表面や細孔内に吸着し、ガスの透過を阻害することがある。
また、天然ガスの分離などを行う場合には、多数のゼオライト膜又は分離膜モジュールを使用する。そのため、再生自体を出来る限り低コストで実施できることが望ましい。
本発明は、ガス分離実施後にゼオライト膜に吸着した成分を取り除き、低コストで再生することができるゼオライト膜複合体の再生方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、メタン及び/又はエタンと二酸化炭素とを含む混合ガスをゼオライト膜複合体に接触させることで、上記課題を解決できることが分かり本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1) 多孔質支持体上に形成されたゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体に、複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、一部の気体成分を透過させた後のゼオライト膜複合体を再生する方法であって、
メタンまたはエタン含有ガスと、ゼオライト膜複合体とを接触させることにより再生することを特徴とする、ゼオライト膜複合体の再生方法。
(2) 該メタンまたはエタン含有ガスの温度が40℃以上500℃以下である(1)に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
(3) メタンまたはエタン含有ガスの供給圧力は、大気圧以上、1.0MPaG以下である(1)または(2)に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
(4) メタンまたはエタン含有ガスの線速度は、1cm/s以上である、(1)~(3)のいずれかに記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
本発明によると、ガス分離実施後にゼオライト膜に吸着した成分を低コストで取り除き、ゼオライト膜を再生することができる。また再生中に気密が失われた場合であっても、安全に再生することができる。
ガス透過試験の装置模式図である。 円筒型分離膜モジュールの一例を示す断面図である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明は、多孔質支持体上に形成されたゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体に、複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から透過性の高い気体成分を透過させて分離したゼオライト膜複合体から吸着成分を除去することにより再生する方法に関する。本発明では、該ゼオライト膜複合体に、メタン又はエタン含有ガスを接触させて、ゼオライト膜複合体を再生する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
1.ゼオライト膜複合体
ゼオライト膜を分離に用いる場合、通常は、多孔質支持体上にゼオライト膜を形成したゼオライト膜複合体として使用される。
1.1.多孔質支持体
多孔質支持体としては、その表面などにゼオライトを膜状に結晶化できるような化学的安定性があり、無機の多孔質よりなる支持体(無機多孔質支持体)であれば如何なるものであってもよい。無機多孔質支持体を構成する材料としては、例えば、シリカ、α-アルミナ、γ-アルミナなどのアルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体(セラッミクス支持体);鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属;ガラス;カーボン成型体などが挙げられる。これらの中で、ゼオライトとの結合による密着性の点から、セラミックス支持体が好ましく、セラミックスの中でも、アルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む無機多孔質支持体が好ましい。これらの材料を含む支持体を用いれば、部分的なゼオライト化が容易であるため、支持体とゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなる。
多孔質支持体の形状は、ゼオライト膜を有することで混合気体を有効に分離、濃縮できるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、平板状;管状;円筒状、円柱状、または角柱状の孔が多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられる。
本発明で用いるゼオライト膜複合体においては、かかる多孔質支持体上、すなわち支持体の表面などにゼオライトを膜状に形成させる。多孔質支持体の表面は、必要に応じて表面をやすり等で研磨してもよい。
なお、多孔質支持体の表面とはゼオライトを結晶化させる表面部分を意味し、支持体の形状に応じて、どの表面であってもよく、複数の面であってもよい。例えば、管状の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってもよい。
多孔質支持体表面の平均細孔径は特に制限されないが、細孔径が制御されているものが好ましい。支持体表面の平均細孔径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。平均細孔径が下限以上であることにより、分離成分の透過量が大きくなる場合があり、上限以下であることにより支持体自体の強度の問題が少なく、支持体表面の細孔の割合が少なく緻密なゼオライト膜が形成されやすい場合がある。
多孔質支持体の平均厚さ(肉厚)は、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、通常7mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体の平均厚さが下限以上であることによりゼオライト膜複合体が十分な強度を持ちゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に強くなる場合がある。支持体の平均厚さが上限以下であることにより、透過した物質の拡散が良好で透過度が高くなる場合がある。
多孔質支持体の気孔率は、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、通常70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。支持体の気孔率は、気体を分離する際の透過流量を左右し、下限以上では透過物の拡散を阻害しにくい場合があり、上限以下であることにより支持体の強度が向上する場合がある。
1.2.ゼオライト膜
ゼオライト膜を構成する成分としては、実質的にゼオライトのみ(例えば99wt%以上がゼオライト)であっても、ゼオライト以外にシリカ、アルミナなどの無機化合物、ポリマーなどの有機化合物、あるいは下記詳述するようなゼオライト表面を修飾するSi原子を含む材料またはその反応物などを必要に応じ含んでいてもよい。また、本発明におけるゼオライト膜は、一部アモルファス成分などを含んでいてもよい。
尚、ゼオライトとしては、アルミノ珪酸塩(アルミノシリケート)であるものが好ましい。
ゼオライト膜の厚さは特に制限されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは12μm以下、特に好ましくは8μm以下の範囲である。膜厚が大きすぎると透過量が低下する場合があり、小さすぎると選択性が低下したり、膜の強度が低下したりする場合がある。
ゼオライトの粒子径は特に限定されないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる場合がある。通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下である。さらに、ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合が特に好ましい。
粒子径の測定方法については特に限定されないが、一例をあげれば、SEMによるゼオライト膜表面の観察やSEMによるゼオライト膜断面の観察、TEMによるゼオライト膜の観察などによって測定することができる。
ゼオライト膜のSiO/Alモル比は、通常5以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは25以上、特に好ましくは30以上であり、通常2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは70以下、最も好ましくは50以下である。ゼオライト膜のSiO/Alモル比がこの範囲にあるとき、耐久性や分離性能に優れる傾向にある。
上記ゼオライト膜のSiO/Alモル比は、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)により得られた数値である。SEM-EDXにおいて、X線の加速電圧を10kV程度として測定することにより、数ミクロンの膜のみの情報を得ることができる。ゼオライト膜は均一に形成されているので、この測定により、膜自体のSiO/Alモル比を求めることができる。
ゼオライト膜は、酸素12員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含むものが好ましく、酸素10員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含むものがより好ましく、酸素8員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含むものがさらに好ましく、酸素6~8員環の細孔構造を有するゼオライトを含むものが特に好ましく、酸素8員環の細孔構造を有するゼオライトを含むものが最も好ましい。ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素(骨格を構成する酸素以外の元素)で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
酸素12員環以下の細孔構造を有するゼオライトとしては、例えば、AEI、AEL、AFI、AFG、ANA、ATO、BEA、BRE、CAS、CDO、CHA、CON、DDR、DOH、EAB、EPI、ERI、ESV、EUO、FAR、FAU、FER、FRA、HEU、GIS、GIU、GME、GOO、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTL、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTW、MWW、NON、NES、OFF、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STI、STT、TOL、TON、TSC、UFI、VNI、WEI、YUGなどが挙げられる。
これらのうち、酸素10員環以下の細孔構造を有するゼオライトとしては、例えば、AEI、AEL、AFG、ANA、BRE、CAS、CDO、CHA、DDR、DOH、EAB、EPI、ERI、ESV、EUO、FAR、FER、FRA、HEU、GIS、GIU、GOO、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MON、MSO、MTF、MTN、MWW、NON、NES、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STI、STT、TOL、TON、TSC、UFI、VNI、WEI、YUGなどが挙げられる。
さらに、酸素8員環以下の細孔構造を有するゼオライトとしては、例えば、AEI、AFG、ANA、BRE、CAS、CDO、CHA、DDR、DOH、EAB、EPI、ERI、ESV、FAR、FRA、GIS、GIU、GOO、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MAR、MEP、MER、MON、MSO、MTF、MTN、NON、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、TOL、TSC、UFI、VNI、YUGなどが挙げられる。
このうち、酸素6~8員環構造を有するゼオライトとしては、例えば、AEI、AFG、ANA、CHA、EAB、ERI、ESV、FAR、FRA、GIS、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MAR、PAU、RHO、RTH、SOD、TOL、UFIなどが挙げられる。
本発明で用いるゼオライト膜複合体において、ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトの好ましい構造は、AEI、AFG、CHA、EAB、ERI、ESV、FAR、FRA、GIS、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTN、MAR、PAU、RHO、RTH、SOD、TOL、UFIであり、より好ましい構造は、AEI、CHA、ERI、KFI、LEV、MFI、PAU、RHO、RTH、UFIであり、さらに好ましい構造は、CHA、RHO、MFIであり、特に好ましい構造はCHA又はMFIであり、最も好ましい構造はCHAである。
なお、本明細書において、ゼオライトの構造は、上記のとおり、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードで示す。
また、ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトのフレームワーク密度(T/1000Å)は特に制限されないが、通常17以下、好ましくは16以下、より好ましくは15.5以下、特に好ましくは15以下であり、通常10以上、好ましくは11以上、より好ましくは12以上である。
フレームワーク密度とは、ゼオライトの1000Åあたりの、骨格を構成する酸素以外の元素(T元素)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まる。なおフレームワーク密度とゼオライトとの構造の関係はATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Sixth Revised Edition 2007 ELSEVIERに示されている。
フレームワーク密度が、上記下限以上であることにより、ゼオライトの構造が脆弱となることを避け、ゼオライト膜の耐久性が高くなり、種々の用途に適用しやすくなる。また、フレームワーク密度が上記上限以下であることにより、ゼオライト中の物質の拡散が妨げられることなく、ゼオライト膜の透過流束が高くなる傾向にあり、経済的に有利となりやすい。
1.3 ゼオライト膜の製法
ゼオライト膜は従来公知の方法で製造することができるが、特に水熱合成によって製造されることが均一な膜を製造する上で好ましい。
例えば、ゼオライト膜は、組成を調整して均一化した水熱合成用の反応混合物(以下これを「水性反応混合物」ということがある。)を、多孔質支持体を内部に緩やかに固定した、オートクレーブなどの耐熱耐圧容器に入れて密閉して、一定時間加熱することにより調製できる。
水性反応混合物としては、Si元素源、Al元素源、アルカリ源、および水を含み、さらに必要に応じて有機テンプレートを含んでいてもよい。
水性反応混合物に用いるSi元素源としては、例えば、無定形シリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル、ケイ酸ナトリウム、無定形アルミのシリケートゲル、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリメチルエトキシシラン等を用いることができる。
Al元素源としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、無定形アルミノシリケートゲル等を用いることができる。なお、Al元素源以外に他の元素源、例えばGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、Znなどの元素源を含んでいてもよい。
ゼオライトの結晶化において、必要に応じて有機テンプレート(構造規定剤)を用いることができる。有機テンプレートを用いて合成することにより、結晶化したゼオライトのアルミニウム原子に対するケイ素原子の割合が高くなり、耐酸性、耐水蒸気性が向上する。
有機テンプレートとしては、所望のゼオライト膜を形成し得るものであれば種類は問わず、如何なるものであってもよい。また、テンプレートは1種類でも、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ゼオライトがCHA型の場合、有機テンプレートとしては、通常、アミン類、4級アンモニウム塩が用いられる。例えば、米国特許第4544538号明細書、米国特許公開第2008/0075656号明細書に記載の有機テンプレートが好ましいものとして挙げられる。
水性反応混合物に用いるアルカリ源としては、有機テンプレートのカウンターアニオンの水酸化物イオン、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Ca(OH)などのアルカリ土類金属水酸化物などを用いることができる。アルカリの種類は特に限定されず、通常、Na、K、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、Baなどが用いられる。これらの中で、Li、Na、Kが好ましく、Kがより好ましい。また、アルカリは2種類以上を使用してもよく、具体的には、NaとK、LiとKを併用するのが好ましい。
水性反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比は、通常、それぞれの元素の酸化物のモル比、すなわちSiO/Alモル比として表わされる。SiO/Alモル比は特に限定されないが、通常5以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは25以上、特に好ましくは30以上であり、通常2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは70以下、最も好ましくは50以下である。
SiO/Alモル比がこの範囲内にあるときゼオライト膜が緻密に生成し、分離性能が高い膜となりやすい。更に生成したゼオライトに適度にAl原子が存在するため、Alに対して吸着性を示す気体成分では分離能が向上する傾向にある。またAlがこの範囲にある場合には耐酸性、耐水蒸気が高いゼオライト膜が得られる傾向にある。
水性反応混合物中のSi元素源と有機テンプレートの比は、SiOに対する有機テンプレートのモル比(有機テンプレート/SiOモル比)で、通常0.005以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上であり、通常1以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下である。
有機テンプレート/SiOモル比が上記範囲にあるとき、緻密なゼオライト膜が生成し得ることに加えて、生成したゼオライトが耐酸性、耐水蒸気性に強くなる傾向がある。
Si元素源とアルカリ源の比は、M(2/n)O/SiO(ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)モル比で、通常0.02以上、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.05以上であり、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。
Si元素源と水の比は、SiOに対する水のモル比(HO/SiOモル比)で、通常10以上、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、特に好ましくは50以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、特に好ましくは150以下である。
水性反応混合物中の物質のモル比がこれらの範囲にあるとき、緻密なゼオライト膜が生成しやすい。水の量は緻密なゼオライト膜の生成においてとくに重要であり、粉末合成法の一般的な条件よりも水がシリカに対して多い条件のほうが緻密な膜ができやすい傾向にある。
さらに、水熱合成に際して、必ずしも反応系内に種結晶を存在させる必要は無いが、種結晶を加えることで、支持体上にゼオライトの結晶化を促進できる。種結晶を加える方法としては特に限定されず、粉末のゼオライトの合成時のように、水性反応混合物中に種結晶を加える方法や、支持体上に種結晶を付着させておく方法などを用いることができる。特に、支持体上に種結晶を付着させておくことが好ましく、支持体上に予め種結晶を付着させておくことで緻密で分離性能良好なゼオライト膜が生成しやすくなる。
使用する種結晶としては、結晶化を促進するゼオライトであれば種類は問わないが、効率よく結晶化させるためには形成するゼオライト膜と同じ結晶型であることが好ましい。種結晶の粒子径は、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上であり、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。
支持体上に種結晶を付着させる方法は特に限定されず、例えば、種結晶を水などの溶媒に分散させてその分散液に支持体を浸けて種結晶を付着させるディップ法や、種結晶を水などの溶媒と混合して分散液にしたものや、種結晶そのものを支持体上に塗りこむ方法などを用いることができる。種結晶の付着量を制御し、再現性よく膜複合体を製造するにはディップ法が好ましい。
分散液を用いる場合、分散させる種結晶の量は特に限定されず、分散液の全質量に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
分散させる種結晶の量が少なすぎると、支持体上に付着する種結晶の量が少ないため、水熱合成時に支持体上に部分的にゼオライトが生成しない箇所ができ、欠陥のある膜となる可能性がある。ディップ法によって支持体上に付着する種結晶の量は分散液中の種結晶の量がある程度以上でほぼ一定となるため、分散液中の種結晶の量が多すぎると、種結晶の無駄が多くなりコスト面で不利である場合がある。
支持体にディップ法あるいはスラリーの塗りこみによって種結晶を付着させ、乾燥した後にゼオライト膜の形成を行うことが望ましい。
支持体上に予め付着させておく種結晶の量は特に限定されず、基材1mあたりの質量で、通常0.01g以上、好ましくは0.05g以上、より好ましくは0.1g以上であり、通常100g以下、好ましくは50g以下、より好ましくは10g以下、更に好ましくは8g以下である。
種結晶の量が下限未満の場合には、結晶ができにくくなり、膜の成長が不十分になる場合や、膜の成長が不均一になったりする傾向がある。また、種結晶の量が上限を超える場合には、表面の凹凸が種結晶によって増長されたり、支持体から落ちた種結晶によって自発核が成長しやすくなって支持体上の膜成長が阻害されたりする場合がある。何れの場合も、緻密なゼオライト膜が生成しにくくなる傾向となる。
水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する場合、支持体の固定化方法に特に制限はなく、縦置き、横置きなどあらゆる形態をとることができる。この場合、静置法でゼオライト膜を形成させてもよいし、水性反応混合物を攪拌させてゼオライト膜を形成させてもよい。
ゼオライト膜を形成させる際の温度は特に限定されないが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。反応温度が低すぎると、ゼオライトが結晶化し難くなることがある。また、反応温度が高すぎると、求めるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
加熱時間は特に限定されないが、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上であり、通常10日間以下、好ましくは5日間以下、より好ましくは3日間以下、さらに好ましくは2日間以下である。反応時間が短すぎるとゼオライトが結晶化し難くなることがある。反応時間が長すぎると、求めるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
ゼオライト膜形成時の圧力は特に限定されず、密閉容器中に入れた水性反応混合物を、この温度範囲に加熱したときに生じる自生圧力で十分である。さらに必要に応じて、窒素などの不活性気体を加えても差し支えない。
水熱合成により得られたゼオライト膜複合体は、水洗した後に、加熱処理して、乾燥させる。ここで、加熱処理とは、熱をかけてゼオライト膜複合体を乾燥又はテンプレートを使用した場合にテンプレートを焼成することを意味する。
ゼオライト膜は、必要に応じてイオン交換してもよい。イオン交換は、テンプレートを用いて合成した場合は、通常、テンプレートを除去した後に行う。イオン交換するイオンとしては、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオン、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+などの第2族元素イオン、Fe、Cuなどの遷移金属のイオン、Al、Ga、Znなどのその他の金属のイオンなどが挙げられる。これらの中で、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオン、Fe、Al、Gaのイオンが好ましい。尚、イオン交換により導入される金属イオンと、後述の二酸化炭素吸着性能を高めるためにゼオライト膜表面に付着される金属とでは、その作用効果が異なる。
イオン交換は、焼成後(テンプレートを使用した場合など)のゼオライト膜を、NHNO、NaNOなどアンモニウム塩あるいは交換するイオンを含む水溶液、場合によっては塩酸などの酸で、通常、室温から100℃の温度で処理後、水洗する方法などにより行えばよい。さらに、必要に応じて200℃~500℃で焼成してもよい。
本発明に用いられるゼオライト膜複合体(加熱処理後のゼオライト膜複合体)の空気透過量[L/(m・h)]は、通常1400L/(m・h)以下、好ましくは1000L/(m・h)以下、より好ましくは700L/(m・h)以下、より好ましくは600L/(m・h)以下、さらに好ましくは500L/(m・h)以下、特に好ましくは300L/(m・h)以下、もっとも好ましくは200L/(m・h)以下である。透過量の下限は特に限定されないが、通常0.01L/(m・h)以上、好ましくは0.1L/(m・h)以上、より好ましくは1L/(m・h)以上である。
ここで、空気透過量とは、後述するとおり、ゼオライト膜複合体を絶対圧5kPaの真空ラインに接続した時の空気の透過量[L/(m・h)]である。
尚、得られたゼオライト膜は、さらにケイ素を含む化合物などで表面処理を施してもよい。
2.気体混合物の分離
2.1 気体混合物
ゼオライト膜複合体に、複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から透過性の高い気体成分を透過させて分離させる。
分離または濃縮の対象となる気体混合物としては、例えば、酸素、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、六フッ化硫黄、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、一酸化窒素、水などから選ばれる少なくとも2種の成分を含むものが挙げられる。2種の成分としては、パーミエンスの高い成分とパーミエンスの低い成分との組合せが好ましい。パーミエンスの高い気体成分は、ゼオライト膜複合体を透過し分離され、パーミエンスの低い気体成分は供給気体側に濃縮される。
ここで、パーミエンス(Permeance、「透過度」ともいう)とは透過する物質量を、膜面積と時間と透過する物質の供給側と透過側の分圧差の積で割ったものであり、単位は、[mol・(m・s・Pa)-1]である。
また、特に気体混合物としては、kinetic直径が4Å以下の気体分子を少なくとも1種類含有することが好ましい。
気体混合物として具体的には、二酸化炭素、メタン及びヘリウムを含有する気体混合物、窒素を含有する気体混合物などが好適であり、空気、天然ガス、燃焼気体、コークスオーブンガス、ごみ埋め立て場から発生するランドフィルガスなどのバイオガス、石油化学工業で生成、排出されるメタンの水蒸気改質ガスなどの分離または濃縮にゼオライト膜複合体を使用することができる。
ゼオライト膜複合体が高い二酸化炭素透過性を有する場合、このゼオライト膜は、二酸化炭素を含有する気体混合物から二酸化炭素を分離する用途に用いることができる。例えば燃焼排ガスから二酸化炭素を分離して排ガス中の二酸化炭素の濃度を低減する用途に用いることができる。
これら混合気体の分離や濃縮の条件は、対象とする気体成分や組成等に応じて、それ自体既知の条件を採用すればよい。
酸素を含有する混合気体を用いる場合は、該混合気体から酸素を分離する、または、該混合気体から酸素を透過させるために使用されることが好ましい。酸素を含有する混合気体としては空気などが挙げられる。
メタン及びヘリウムを含有する混合気体を用いる場合は、該混合気体から、ヘリウムを分離する、または、該混合気体からヘリウムを透過させるために使用されることが好ましい。メタン及びヘリウムを含有する混合気体としては、天然ガスなどが挙げられる。
二酸化炭素及び窒素を含有する混合気体を用いる場合は、該混合気体から、二酸化炭素を分離する、または、該混合気体から二酸化炭素を透過させるために使用されることが好ましい。二酸化炭素及び窒素を含有する混合気体としては、燃焼気体などが挙げられる。
本発明で用いるゼオライト膜に対して、酸素は高い透過性を有する。そのため、このゼオライト膜に酸素を含有する混合気体を接触させ分離させることにより、酸素を含有する混合気体、例えば空気中の酸素濃度を高めることができ、高酸素濃度の混合気体を製造することができる。
例えば、混合気体として空気を用いた場合、酸素濃度を30%以上、さらには35%以上とすることが可能である。
また、本発明で用いるゼオライト膜に対して、ヘリウムは高い透過性を有する。そのため、このゼオライト膜に、例えばヘリウムやメタンを含有する天然ガスを接触させることにより、ヘリウムを分離することができる。
2.2 分離方法
分離または濃縮方法は、複数の気体成分を含有する気体混合物を上記詳述したゼオライト膜複合体に接触させて、該気体混合物のうち透過性の高い成分を透過させることにより、該透過性の高い成分を分離する、または、該気体混合物から透過性の高い成分を透過させることにより、透過性の低い成分を濃縮する。
分離または濃縮方法において、ゼオライト膜複合体の、支持体側又はゼオライト膜側の一方の側に複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、その逆側を気体混合物が接触している側よりも低い圧力とすることによって気体混合物から、ゼオライト膜に透過性が高い成分(透過性が相対的に高い混合物中の物質)を選択的に、すなわち透過物質の主成分として透過させる。これにより、気体混合物から透過性の高い物質を分離することができる。その結果、気体混合物中の特定の成分(透過性が相対的に低い気体混合物中の成分)の濃度を高めることで、特定の成分を分離回収、あるいは濃縮することができる。
分離または濃縮においては、通常、ゼオライト膜複合体を搭載する分離膜モジュールを使用する。分離膜モジュールの形態としては、平膜型、スパイラル型、ホロウファーバー型、円筒型、ハニカム型等があり、適用対象に合わせて最適な形態が選ばれる。
一例として、円筒型の分離膜モジュールを図2に示す。
分離膜モジュール1は、筒軸心方向を上下方向とした円筒状ハウジング2と、ハウジング2の軸心線と平行方向に配置された複数のゼオライト膜複合体(管状分離膜3)と、ハウジング2内の下部に設けられた支持板5と、ハウジング2の下端に取り付けられたボトムカバー6A及び上端に取り付けられたトップカバー6Bと、支持板5と平行にハウジング2内の下部及び上部にそれぞれ配置された第1のバッフル(整流板)7及び第2のバッフル(整流板)8等を有する。この実施の形態では、ハウジング2の下端及び上端側とボトムカバー6A及びトップカバー6Bの外周縁にそれぞれ外向きのフランジ2a,2b,6b,6cが設けられ、ボルト(図示略)によってこれらが固定されている。支持板5の周縁部は、ハウジング2の内周面に周設された支持座2tに支持されている。支持板5の下面外周部と支持座2tの上面との間にシール部材が介在されている。
支持板5から複数のロッド14が立設され、該ロッド14にバッフル8が支持されている。
この実施の形態では、管状分離膜3の下端にエンド管4が連結され、管状分離膜3の上端にエンドプラグ20が連結されている。
支持板5の上面側には、エンド管4の下端が差し込まれた差込穴5aが設けられている。差込穴5aは、支持板5の上面から厚み方向の途中まで延在している。差込穴5aの穴底は、孔5cを介して支持板5の下側の流出室16に臨んでいる。
なお、図2では、管状分離膜は数本のみ示されているが、単管式でも多管式でもよく、通常1~3000本、特に50~850本配置され、管状分離膜同士の最短距離は、2mm~10mmとなるように配置されることが好ましい。
ハウジング2の下部の外周面に被処理流体の流入口9が設けられ、上部の外周面に非透過流体の流出口10が設けられている。バッフル7,8間は膜分離を行うための主室13となっている。
このように構成された分離膜モジュール1において、被処理流体(気体混合物)は流入口9からハウジング2の室11内に導入され、バッフル7の挿通孔7aの内周面とエンド管4の外周面との間の間隙を通って主室13に流入し、主室13を通った後、バッフル8の挿通孔8aとエンドプラグ20との間隙を通って室12に流出する。主室13を流れる間に被処理流体の一部の成分が管状分離膜3を透過して管状分離膜3内から流出室16及び取出口6aを介して取り出される。透過しなかった流体は、流出口10から分離膜モジュール1外に流出する。
分離膜モジュールは、流体量、あるいは目的の分離度、濃縮度によって連結するなどして分離装置に使用することができる。流体量が多い場合または目的の分離度・濃縮度が高く1つのモジュールでは処理が十分できない場合には出口から出た流体をさらにもう一つのモジュールの入口に入るように配管を接続して使用することが好ましい。
分離膜モジュールを並列に設置した分離装置とし、流体を分岐してガスを供給してもよい。この時さらに並列したそれぞれのモジュールに直列でモジュールを設置することもできる。並列としたモジュールを直列とする場合、供給ガス量が直列方向に低下し線速が低下するので、適宜線速を保つように並列の設置数を減少させることが好ましい。
モジュールを直列に配置する場合の透過した成分はモジュール毎に排出してもよいし、モジュール間を連結して集合して排出してもよい。モジュール間を連結させる場合には下流側のモジュールの透過成分を上流側のモジュールの透過成分に流す方が好ましい。このような流れを作ることによって供給ガスと透過ガスは交流接触となり性能が優れた分離・濃縮ができる。
気体混合物を分離膜モジュールへ供給する場合、線速度1.0m/s以上で分離膜モジュールに供給することが好ましく、1.5m/s以上で供給することがより好ましく、2.0m/s以上で供給することがさらに好ましい。線速度を高くすることで、分離膜モジュールに物理的な負荷がかかり破損する恐れがあるため、通常15m/s以下であり、好ましくは12m/s以下、より好ましくは10m/s以下、さらに好ましくは8.0m/s以下、特に好ましくは7.0m/s以下である。
なお、本明細書における線速度とは、分離膜モジュール内の非透過ガス流量、非透過ガスの圧力、非透過ガスの温度、及び分離膜モジュール内の空隙断面積から決定される値であり、分離膜外側部分の非透過ガスの線速度を意味する。ここで分離膜モジュール内の空隙とは、分離膜モジュール内の非透過ガスが存在可能な空間を言う(ゼオライト膜の内側は除く)。
また、高い分離性能を維持する観点から、供給される混合ガスの供給圧力は1MPaG以上であることが好ましく、2MPaG以上であることがより好ましく、3MPaG以上であることが更に好ましい。供給圧力の上限は特段限定されないが、圧力を高くすることで、分離膜モジュールに物理的な負荷がかかり破損する恐れがあるため、通常20MPaG以下である。
また、気体分離温度としては、0から500℃の範囲内で行なわれることが好ましく、膜の分離特性から考えると室温(例えば20℃)から100℃の範囲内が望ましい。
3 ゼオライト膜複合体の再生方法
上記の分離膜モジュールなどを利用して、ゼオライト膜複合体によりガス分離を行うと分離対象ガスや不純物などがゼオライト膜表面や細孔内に吸着することにより、ガスの透過を阻害するようになることがある。この吸着した成分を除去し、ゼオライト膜複合体を再生することにより、再度高い効率で分離を実施できるようになる。
ゼオライト膜複合体から吸着成分を除去するために、本発明では、メタンまたはエタン含有ガスとゼオライト膜複合体とを接触させる。これにより細孔内に吸着した不純物が拡散し除去される。また再生中に気密が失われた場合には透過した側のメタンまたはエタンの濃度が上昇し、それを検知することにより安全に再生できる。尚、再生ガスとしては、少なくともメタンを含むガスが好ましい。
メタンまたはエタン含有ガスは、メタンを、通常0.1体積%以上、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上、特に好ましくは20体積%以上、最も好ましくは30体積%以上、通常100体積%以下、好ましくは80体積%以下、より好ましくは60体積%以下含む。メタンまたはエタン含有ガスは、エタンを、通常0.1体積%以上、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上、特に好ましくは20体積%以上、最も好ましくは30体積%以上、通常100体積%以下、好ましくは80体積%以下、より好ましくは60体積%以下含む。
気体混合物の分離の際、ゼオライト膜を透過したガスに、メタンまたはエタンを含む場合には、透過ガスを再生用混合ガスとして用いてもよい。この場合、透過側の配管の一部を再生用に供給側へ接続可能なように配置しておくことが好ましい。
通常は、ゼオライト膜複合体を搭載する分離膜モジュールにメタンまたはエタン含有ガスを供給する。
メタンまたはエタン含有ガスには、メタン、エタン以外のガスが含まれていてもよく、水、窒素、水素、酸素、ヘリウム、二酸化炭素が含まれていてもよい。
メタンまたはエタン含有ガスには、これら成分の他、その他の炭化水素化合物、硫化水素、二酸化硫黄、シロキサン、アンモニアなどが含まれていてもよいが、その含有量は通常1%以下、好ましくは0.1%以下である。
メタンまたはエタン含有ガスは、40℃以上でゼオライト膜複合体に接触させることが好ましい。この温度は好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは140℃以上、最も好ましくは180℃以上である。500℃超えるとゼオライト膜複合体などの耐久性が低下することがある。温度は、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、より好ましくは270℃以下、より好ましくは250℃である。
メタンまたはエタン含有ガスをヒーターなどを用いて40℃以上に加熱してから分離膜モジュールに供給してもよく、また、分離膜モジュールのハウジング自体を加熱して、内部に供給されたメタンまたはエタン含有ガスが40℃以上となるようにしてもよい。
ゼオライト膜複合体を有する分離膜モジュールへのメタンまたはエタン含有ガスの供給圧力は通常大気圧以上、好ましくは0.1MPaG以上、通常1.0MPaG以下である。
ゼオライト膜複合体が管状である場合、管状ゼオライト膜複合体外側にメタンまたはエタン含有ガスを供給してもよい。この場合、管状ゼオライト膜複合体の内側は常圧でもよく、また場合によっては真空に減圧されてもよい。
ゼオライト膜複合体が性能低下前の90%以上の性能を有するようになるまでメタンまたはエタン含有ガスをゼオライト膜複合体に接触させることが好ましい。
メタンまたはエタン含有ガスを分離膜モジュールへの供給する際、線速度に限定はないが、例えば、1cm/s以上で分離膜モジュールに供給することが好ましく、5cm/s以上で供給することがより好ましく、8cm/s以上で供給することがさらに好ましい。ただし、本発明はこれに限定されない。
ゼオライト膜複合体の性能が回復するまで連続してメタンまたはエタン含有ガスをゼオライト膜複合体と接触させてもよい。再生途中のゼオライト膜複合体へのメタンまたはエタン含有ガスへの供給を停止し、ゼオライト膜複合体からメタンまたはエタン含有ガスを除去した後に、再度、メタンまたはエタン含有ガスを供給するなど複数回の供給をしてもよい。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
1.ゼオライト膜複合体の製造
1mol/L-NaOH水溶液26.7g、1mol/L-KOH水溶液107.0gに水酸化アルミニウム(Al 53.5質量%含有、アルドリッチ社製)3.62gを加えて撹拌し溶解させ、さらに脱塩水を2117g加えて撹拌し透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N-トリメチル-1-アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TMADAOH」と称する。)水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)45.1gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック-40)200.6gを加えて30分間以上撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.014/0.02/0.08/100/0.04、SiO/Al=70である。
無機多孔質支持体として、管状の多孔質アルミナ(アルミナチューブ)(外径12mm、内径8mm、長さ1000mm)を脱塩水で洗浄したのち乾燥させたものを用いた。
種結晶として、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07のゲル組成(モル比)で160℃、2日間水熱合成して結晶化させたCHA型ゼオライトを用いた。この種結晶を1質量%水中に分散させた分散液に、上記支持体を所定時間浸漬してディップ法で種結晶を付着させ、支持体表面をこすった。
種結晶を付着させた支持体4本を、上記水性反応混合物の入った反応缶に垂直方向に浸漬して、反応缶を密閉し、180℃で15時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後にゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、120℃で1時間以上乾燥させた。
硝酸カルシウム四水和物35.4gを脱塩水1500gに溶解させた0.1Mの硝酸カルシウム水溶液を調製し、得られたCHA型ゼオライト膜複合体の上下端に栓をして、内側に硝酸カルシウム水溶液が入らないようにした状態で1分間浸漬した後に引き上げた。その後、風乾した後に、100℃で1時間乾燥した。さらに空気中において250℃で48時間の加熱をして試験体としてのゼオライト膜複合体を得た。
2.単成分ガス透過試験
得られた試験体について、単成分ガス透過試験を行った。単成分ガス透過試験は、図1に模式的に示す装置を用いて、以下のとおり行った。用いた試料ガスは、二酸化炭素(液化炭酸ガス、東邦酸素工業社製)である。
図1において、ゼオライト膜複合体31は、ステンレス製の耐圧容器32に格納された状態で恒温槽(図示せず)に設置されている。恒温槽には、気体の温度調整が可能なように、温度制御装置が付設されている。
ゼオライト膜複合体31の一端は、円柱状のエンドピン33で密封されている。他端は接続部34で接続され、接続部34の他端は、耐圧容器32と接続されている。ゼオライト膜複合体31の内側と、透過気体を排出する配管41が、接続部34を介して接続されている。配管41は、耐圧容器32の外側に伸びている。耐圧容器32には、試料気体の供給側の圧力を測る圧力計35が接続されている。各接続部は気密性よく接続されている。
図1において、ゼオライト膜複合体31は、ステンレス製の耐圧容器32に格納された状態で、恒温槽(図示せず)に設置されている。恒温槽には、試料気体の温度調整が可能なように、温度制御装置が付設されている。
耐圧容器32に通ずるいずれかの箇所には、試料気体(混合気体)の供給側の圧力を測る圧力計35、供給側の圧力を調整する背圧弁36が接続されている。各接続部は気密性よく接続されている。
試料気体(供給気体)を、一定の流量で耐圧容器32とゼオライト膜複合体31の間に供給し、背圧弁36により供給側の圧力を一定とする。気体はゼオライト膜複合体31の内外の分圧差に応じてゼオライト膜複合体31を透過し、配管41を通じて排出される。
図1の装置において、試料ガス(供給ガス)を、一定の圧力で耐圧容器32と試験体31の間に供給し、試験体を透過した透過ガス流量を、配管40に接続されている流量計(図示せず)にて測定する。
具体的には、供給ガスとして40℃の二酸化炭素を耐圧容器2と試験体1との円筒の間に導入して、圧力を約0.1MPaGに保ち、試験体1の円筒の内側を0.1MPaA(大気圧)として、二酸化炭素の透過量が安定した状態で、透過量を測定しパーミエンス(P1)[mol・(m・s・Pa)-1]を算出した。その結果、パーミアンスは3.0×10-6mol・(m・s・Pa)-1であった。パーミエンスを計算する際の圧力は、供給ガスの供給側と透過側の圧力差(差圧)を用いた。
3.混合ガス分離試験
図1に示す装置を用いて、以下のとおり混合ガス分離試験を行った。用いた試料ガスは、二酸化炭素(液化炭酸ガス、東邦酸素工業社製)とLNGとの混合ガスである。
図1の装置において、水分や空気などの成分を除去するため、40℃で供給ガス7として二酸化炭素を耐圧容器32と試験体31との円筒の間に導入して、圧力を約4.0MPaGに保ち、試験体1の円筒の内側を0.1MPaA(大気圧)として、二酸化炭素の透過量が安定するまで乾燥した。次にCO/LNG=20/80(体積比)の混合ガスを耐圧容器32と試験体31との円筒の間に導入した。供給側の圧力を4.0MPaG、耐圧容器32と試験体31との円筒の間のガスの平均線速が1.4m/sとなるように循環ガス量を750Nm/minに設定し約160時間保持した。
混合ガス分離試験後に再度、混合ガス分離試験前と同様に単成分ガス透過試験を行った。その結果、パーミアンスは25%性能低下し2.0×10-6mol・(m・s・Pa)-1であった。
4.ゼオライト膜複合体の再生
混合ガス分離試験後のゼオライト膜複合体から一部分を80mmに切断し、これを再生試験体とした。再生は、図1に模式的に示す装置を用いて、以下のとおり行った。用いた試料ガスは、メタン(圧縮メタン、ジャパンファインプロダクツ社製)、プロパン(液化プロパン、住友精化社製)二酸化炭素(液化炭酸ガス、東邦酸素工業社製)、である。具体的には、メタン/プロパン/二酸化炭素=20/0.2/79.8(体積比)の混合ガスを耐圧容器32と再生試験体41との円筒の間に導入した。
供給側の圧力を0.3MPaG、供給ガス温度を200℃に保ち、耐圧容器32と試験体31との円筒の間のガスの平均線速が10cm/sとなるように供給ガス量を0.56NL/minに設定した。
再生は28時間行った。再生後と再生1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、24時間の時点で再生を中断し、これまでと同様に単成分ガス透過試験によってパーミエンスを算出し、性能低下前のパーミアンスに対する割合で定義する回復率(%)を求めた。結果を下記表1に示す。本実施例では性能低下した試験体が十分に再生された。
Figure 0007358827000001
1 分離膜モジュール
2 ハウジング
3 管状分離膜
4 エンド管
5 支持板
5a 差込穴
5c 大孔
6A ボトムカバー
6B トップカバー
6a 取出口
7,8 バッフル
7a,8a 挿通孔
9 流入口
10 流出口
11,12 室
13 主室
14 ロッド
16 流出室
20 エンドプラグ
31 試験体
32 耐圧容器
33 エンドピン
34 接続部
35 圧力計
36 背圧弁
40 配管
41 再生試験体

Claims (5)

  1. 多孔質支持体上に形成されたゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体に、複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、一部の気体成分を透過させた後のゼオライト膜複合体を再生する方法であって、
    該ゼオライト膜複合体が、該気体混合物の一部の気体成分を透過させた後に性能が低下したものであり、
    温度が40℃以上500℃以下であるメタン及び/またはエタンと二酸化炭素を含有するスを、線速度1cm/s以上で該ゼオライト膜複合体と接触させることにより再生することを特徴とする、
    ゼオライト膜複合体の再生方法。
  2. 前記メタン及び/またはエタンと二酸化炭素を含有するガスの供給圧力は、大気圧以上、1.0MPaG以下である請求項に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
  3. 前記ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトのフレームワーク密度が、17(T/1000Å )以下、10(T/1000Å )以上である、請求項1または2に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
  4. 前記ゼオライト膜のSiO /Al モル比が、5以上、2000以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
  5. 前記ゼオライト膜が酸素8員環以下の細孔構造を有するゼオライトを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のゼオライト膜複合体の再生方法。
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