JPWO2010103654A1 - 駆動源の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

ECTトルク制御システム(9240)はトルク要求量を設定する。ECTトルク制御システム(9240)により設定されたトルク要求量は、パワートレーンマネージャ(9100)の変換部(9106)により、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換される。パワートレーンマネージャ(9100)の切替部(9104)は、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態と、変換しない状態とを切替える。エンジン制御システム(9000)は、トルク要求量を実現するように、エンジンを制御する。

Description

本発明は、駆動源の制御装置および制御方法に関し、特に、駆動源の出力値の目標値を設定し、目標値に応じて駆動源の出力値を制御する技術に関する。
従来より、スロットルバルブの開度(以下、スロットル開度とも記載する)などにより、出力トルクの値などが定まるエンジンが知られている。また、アクセルペダルとワイヤーで接続されたスロットルバルブの代わりに、モータがアクチュエータとして用いられた電子スロットルバルブを搭載したエンジンが普及している。
電子スロットルバルブを搭載した車両では、たとえば車両の挙動など、アクセルペダルの位置(以下、アクセル開度とも記載する)とは異なる要因に基づいてスロットル開度を制御し、車両の駆動力などを運転者の意思と関係なく制御することが可能である。
エンジントルクに応じて車両の挙動が変化し得る。したがって、車両の挙動などからスロットル開度を制御する際、直接スロットル開度の目標値を設定するのではなく、たとえばエンジントルクの目標値を車両の挙動などから設定し、実際のエンジントルクが設定された目標値になるようにスロットル開度の目標値を設定することが、制御上有利である。
したがって、アクセル開度からスロットル開度の目標値を設定する際にも、一旦、アクセル開度に基づいてエンジントルクの目標値が設定され、実際のエンジントルクが設定された目標値になるようにエンジンが制御される。
特開2005−155410号公報(特許文献1)は、アクセル操作量又はアクセル操作量に応じて変化する制御量の絶対値に依存する静的目標エンジントルクと、アクセル操作量又はアクセル操作量に応じて変化する制御量の時間変化率に依存する動的目標エンジントルクとをそれぞれ算出し、これら静的目標エンジントルクと動的目標エンジントルクとの和により、最終的な目標エンジントルクを定めて、エンジンのトルクを制御するエンジントルク制御装置を開示する。
この公報に記載のエンジントルク制御装置によれば、静的目標エンジントルクと動的目標エンジントルクとの和により、最終的な目標エンジントルクを定めて、エンジンのトルクを制御することにより、発進時などにドライバのアクセル操作に対応した所望の加速度を過渡遅れなく追従して実現することができる。
特開2005−155410号公報
ところで、自動変速機の変速時には、エンジン回転数の急上昇やショックの発生を回避する目的で、アクセル開度が変化しなくても、エンジントルクの目標値が増減される。たとえば、ダウンシフトが開始するとともに、エンジントルクの目標値が低減される。アクセル開度を増大したことに起因してダウンシフトが行なわれる場合には、ダウンシフトが開始する直前においてエンジントルクが急増しているので、ダウンシフトが開始した後はエンジントルクを緩やかに減少させることがショックを低減するうえで望ましい。一方、ダウンシフトが完了する直前および直後にエンジントルクを復帰させる際には、エンジントルクを速やかに増大することが望ましい。
さらに、アップシフト中のイナーシャ相におけるエンジンのトルクダウン量が小さい場合には、エンジントルクの応答性を高くすることよりも、精度を向上する方が好ましい。一方、トルクダウン量が大きい場合には、エンジントルクの応答性を向上するためにエンジントルクの変化速度を速くすることが望ましい。
したがって、エンジントルクの変化速度を種々の状況に応じて変更できる技術が望まれる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動源の出力値の変化速度を種々の状況に応じて変更することである。
ある局面に係る駆動源の制御装置は、駆動源の出力値および駆動源に連結された変速機の入力値のうちのいずれか一方の目標値を設定する設定部と、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する変換部と、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するか否かを切替える切替部と、目標値に応じて駆動源の出力値を制御する制御部とを備える。
この構成によると、駆動源の出力値および駆動源に連結された変速機の入力値のうちのいずれか一方の目標値が設定される。設定された目標値に応じて駆動源の出力値を制御する状態と、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に応じて駆動源の出力値を制御する状態とが切替えられる。これにより、駆動源の出力値の変化速度を種々の状況に応じて変更することができる。
好ましくは、切替部は、設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも小さい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態から、変換しない状態に切替える。
この構成によると、設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも大きい間は、設定された目標値に比べて遅れてする目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも小さくなってから、設定された目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。そのため、駆動源の実際の出力値が目標値まで変化する際の、駆動源の出力値の変化速度を遅くすることができる。その結果、駆動源の出力値が変化することにより発生し得るショックを低減することができる。
さらに好ましくは、切替部は、変速機のダウンシフト中のイナーシャ相において、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態から、変換しない状態に切替える。
この構成によると、ダウンシフトが開始した直後は、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。そのため、ダウンシフトが開始した直後は、駆動源の出力値の変化速度を遅くすることができる。その結果、ダウンシフトが開始する直前に駆動源の出力値が増加し、ダウンシフトが開始した直後に駆動源の出力値が低減される場合であっても、発生し得るショックを低減することができる。
さらに好ましくは、切替部は、設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも小さい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態にし、設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも大きい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換しない状態にする。
この構成によると、設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも小さい場合には、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に応じて駆動源の出力値を制御することができる。これにより、駆動源の出力値の変化速度を遅くすることができる。そのため、駆動源の出力値のオーバーシュートおよびアンダーシュートが起き難いようにすることができる。その結果、駆動源の出力値の精度を向上することができる。設定された目標値と駆動源の実際の出力値との差がしきい値よりも大きい場合には、設定された目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。これにより、駆動源の出力値の変化速度を早くすることができる。そのため、目標値に対する実際の出力値の追従性を向上することができる。
さらに好ましくは、駆動源は、スロットルバルブのスロットル開度に応じて出力値が変化する。切替部は、スロットル開度がしきい値より小さい状態で目標値が低くなるように設定される場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態にし、スロットル開度がしきい値より大きい状態で目標値が低くなるように設定される場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換しない状態にする。
この構成によると、スロットル開度がしきい値より小さい状態で目標値が低くなるように設定される場合、駆動源の実際の出力値と設定された目標値との差が小さくなり得る。スロットル開度が小さい状態、すなわち実際の出力値が小さい状態では、出力値を低減可能な範囲が狭いからである。この場合、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。これにより、駆動源の出力値の変化速度を遅くすることができる。そのため、駆動源の出力値のオーバーシュートおよびアンダーシュートが起き難いようにすることができる。その結果、駆動源の出力値の精度を向上することができる。一方、スロットル開度がしきい値より大きい状態で目標値が低くなるように設定される場合、駆動源の実際の出力値と設定された目標値との差が大きくなり得る。スロットル開度が小さい状態、すなわち実際の出力値が大きい状態では、出力値を低減可能な範囲が広いからである。この場合、設定された目標値に応じて駆動源の出力値が制御される。これにより、駆動源の出力値の変化速度を早くすることができる。そのため、目標値に対する実際の出力値の追従性を向上することができる。
さらに好ましくは、出力値は、出力トルクである。
この構成によると、駆動源の出力トルクの変化速度を種々の状況に応じて変更することができる。
車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションのプラネタリギヤユニットを示す図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションの油圧回路を示す図である。 第1の実施の形態における制御装置のシステム構成を示す図である。 静的なトルク要求量を示す図である。 1次遅れの関数で表現されたエンジンモデルを示す図である。 1次遅れの関数で表現されたエンジンモデルを示す図である。 静的なトルク要求量を制限値で制限することにより得られる動的なトルク要求量を示す図である。 ダウンシフト時にECTトルク制御システムにより設定されるトルク要求量を示す図である。 アップシフト時にECTトルク制御システムにより設定されるトルク要求量を示す図である。 エンジントルクの変化特性を示す図(その1)である。 エンジントルクの変化特性を示す図(その2)である。 設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替える時期を示す図である。 パワーオンダウンシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その1)である。 パワーオンダウンシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その2)である。 パワーオンダウンシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その3)である。 パワーオンダウンシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その4)である。 パワーオンアップシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その1)である。 パワーオンアップシフト時のエンジントルクの変化特性を示す図(その2)である。
符号の説明
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、2100 トルクコンバータ、3000 プラネタリギヤユニット、4000 油圧回路、5000 プロペラシャフト、6000 デファレンシャルギヤ、7000 後輪、8000 ECU、8016 電子スロットルバルブ、9000 エンジン制御システム、9100 パワートレーンマネージャ、9102 調停部、9104 切替部、9106 変換部、9200 パワートレーンドライバモデル、9202 静的トルク設定部、9204 変換部、9210 ドライバーズサポートシステム、9220 VDIMシステム、9230 制振制御システム、9240 ECTトルク制御システム。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
第1の実施の形態
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、FR以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ2100と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、プロペラシャフト5000と、デファレンシャルギヤ6000と、後輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。エンジン1000により、オルタネータおよびエアコンディショナーなどの補機1004が駆動される。エンジン1000の出力トルク(エンジントルクTE)は、電子スロットルバルブ8016の作動量、すなわちスロットル開度などに応じて変化する。なお、エンジン1000の代わりにもしくは加えて、駆動源にモータを用いるようにしてもよい。また、ディーゼルエンジンを用いるようにしてもよい。ディーゼルエンジンにおいては、インジェクタの開弁時間(作動量)、すなわち燃料噴射量に応じて出力トルクが変化する。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ2100を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。なお、ギヤ段を形成するオートマチックトランスミッションの代わりに、ギヤ比を無段階に変更するCVT(Continuously Variable Transmission)を搭載するようにしてもよい。さらに、油圧アクチュエータもしくは電動モータにより変速される常時噛合式歯車からなる自動変速機を搭載するようにしてもよい。
オートマチックトランスミッション2000から出力された駆動力は、プロペラシャフト5000およびデファレンシャルギヤ6000を介して、左右の後輪7000に伝達される。
ECU8000には、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、エアフローメータ8012と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024と、油温センサ8026と、水温センサ8028とがハーネスなどを介して接続されている。
シフトレバー8004の位置(ポジション)は、ポジションスイッチ8006により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。エアフローメータ8012は、エンジン1000に吸入される空気量を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量が調整される。
なお、電子スロットルバルブ8016の代わりにもしくは加えて、吸気バルブ(図示せず)や排気バルブ(図示せず)のリフト量や開閉する位相を変更する可変バルブリフトシステムにより、エンジン1000に吸入される空気量を調整するようにしてもよい。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数(以下、エンジン回転数NEとも記載する)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NI(トルクコンバータ2100のタービン回転数NT)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
油温センサ8026は、オートマチックトランスミッション2000の作動や潤滑に用いられるオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の温度(油温)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
水温センサ8028は、エンジン1000の冷却水の温度(水温)を検出し、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、エアフローメータ8012、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024、油温センサ8026、水温センサ8028などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)8002に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。なおECU8000により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであることにより、オートマチックトランスミッション2000のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は後輪7000に駆動力を伝達し得る。なおDレンジにおいて、8速ギヤ段よりも高速のギヤ段を形成可能であるようにしてもよい。形成するギヤ段は、車速とアクセル開度とをパラメータとして実験等により予め作成された変速線図に基づいて決定される。なお、ECUは複数のECUに分割するようにしてもよい。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸2102を有するトルクコンバータ2100に接続されている。
プラネタリギヤユニット3000は、フロントプラネタリ3100と、リアプラネタリ3200と、C1クラッチ3301と、C2クラッチ3302と、C3クラッチ3303と、C4クラッチ3304と、B1ブレーキ3311と、B2ブレーキ3312と、ワンウェイクラッチ(F)3320とを含む。
フロントプラネタリ3100は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構である。フロントプラネタリ3100は、第1サンギヤ(S1)3102と、1対の第1ピニオンギヤ(P1)3104と、キャリア(CA)3106と、リングギヤ(R)3108とを含む。
第1ピニオンギヤ(P1)3104は、第1サンギヤ(S1)3102および第1リングギヤ(R)3108と噛合っている。第1キャリア(CA)3106は、第1ピニオンギヤ(P1)3104が公転および自転可能であるように支持している。
第1サンギヤ(S1)3102は、回転不能であるようにギヤケース3400に固定される。第1キャリア(CA)3106は、プラネタリギヤユニット3000の入力軸3002に連結される。
リアプラネタリ3200は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。リアプラネタリ3200は、第2サンギヤ(S2)3202と、第2ピニオンギヤ(P2)3204と、リアキャリア(RCA)3206と、リアリングギヤ(RR)3208と、第3サンギヤ(S3)3210と、第3ピニオンギヤ(P3)3212とを含む。
第2ピニオンギヤ(P2)3204は、第2サンギヤ(S2)3202、リアリングギヤ(RR)3208および第3ピニオンギヤ(P3)3212と噛合っている。第3ピニオンギヤ(P3)3212は、第2ピニオンギヤ(P2)3204に加えて、第3サンギヤ(S3)3210と噛合っている。
リアキャリア(RCA)3206は、第2ピニオンギヤ(P2)3204および第3ピニオンギヤ(P3)3212が公転および自転可能であるように支持している。リアキャリア(RCA)3206は、ワンウェイクラッチ(F)3320に連結される。リアキャリア(RCA)3206は、1速ギヤ段の駆動時(エンジン1000から出力された駆動力を用いた走行時)に回転不能となる。リアリングギヤ(RR)3208は、プラネタリギヤユニット3000の出力軸3004に連結される。
ワンウェイクラッチ(F)3320は、B2ブレーキ3312と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチ(F)3320のアウターレースはギヤケース3400に固定され、インナーレースはリアキャリア(RCA)3206に連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、前進1速〜8速のギヤ段と、後進1速および2速のギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイド(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイド(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイド(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイド(以下、SL(4)と記載する)4240と、SL5リニアソレノイド(以下、SL(5)と記載する)4250と、SLTリニアソレノイド(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、C1クラッチ3301、C2クラッチ3302およびC3クラッチ3303に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3312に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3301に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3302に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、C3クラッチ3303に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、C4クラッチ3304に供給される油圧を調圧する。SL(5)4250は、B1ブレーキ3311に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検出されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、SL(5)4250およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3312に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、Rレンジ圧が供給される。
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置のシステム構成について説明する。なお、以下に説明する各構成の機能は、ハードウエアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。
図5に示すように、制御装置は、エンジン制御システム9000と、パワートレーンマネージャ(PTM: Power Train Manager)9100と、パワートレーンドライバモデル(PDRM: Power train Driver Model)9200と、ドライバーズサポートシステム(DSS: Drivers Support System)9210と、VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)システム9220と、制振制御システム9230と、ECT(Electronic controlled Transmission)トルク制御システム9240とを備える。
エンジン制御システム9000は、パワートレーンマネージャ9100から入力された動的なトルク要求量を実現するように、電子スロットルバルブ8016、点火時期、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブなど、エンジン1000の出力トルクを制御するためにエンジン1000に設けられた機器を制御する。
トルク要求量は、エンジン1000の出力トルクの目標値として設定される。なお、トルク要求量を、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクの目標値として設定するようにしてもよい。また、トルク要求量の代わりに、エンジン1000の出力パワーもしくはオートマチックトランスミッション2000の入力パワーの目標値として、パワー要求量を設定するようにしてもよい。さらに、駆動力の要求量を、エンジン1000の出力トルクもしくは出力パワーの目標値として設定したり、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクもしくは入力パワーの目標値として設定してもよい。
動的なトルク要求量とは、エンジン1000の出力トルクが変化し得る過渡状態におけるトルク要求量を意味する。静的なトルク要求量とは、エンジン1000の出力トルクが安定した状態におけるトルク要求量を意味する。
パワートレーンマネージャ9100は、パワートレーンドライバモデル9200、ドライバーズサポートシステム9210、VDIMシステム9220、制振制御システム9230およびECTトルク制御システム9240から入力される動的なトルク要求量に基づいて、最終的にエンジン1000の制御に用いられる動的なトルク要求量を設定する。
より具体的には、調停部9102において、パワートレーンマネージャ9100は、パワートレーンドライバモデル9200、ドライバーズサポートシステム9210、VDIMシステム9220、制振制御システム9230およびECTトルク制御システム9240から入力される動的なトルク要求量を調停することによって、最終的にエンジン1000の制御に用いられる動的なトルク要求量を選択する。
たとえば、最も小さいトルク要求量が選択されたり、最も大きいトルク要求量が選択されたり、特定のシステムから入力されたトルク要求量が選択されたりする。トルク要求量の調停方法は、車両の運転状態などに応じて変更される。たとえば、オートマチックトランスミッション2000の変速中は、ECTトルク制御システム9240から入力されたトルク要求量がエンジン1000の制御に用いられる。
調停部9102において調停された動的な要求駆動力は、エンジン制御システム9000に対して出力される。
パワートレーンドライバモデル9200は、ドライバの操作に基づいて、エンジン1000に対するトルク要求量を設定するために用いられるモデル(関数)である。本実施の形態においては、実験およびシミュレーションの結果などに基づいて予め定められたマップに従ってアクセル開度から、静的なトルク要求量が設定される。
より具体的には、静的トルク設定部9202において、エンジン1000に対する静的なトルク要求量が設定される。静的なトルク要求量は、図6に示すように、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性、制御時の遅れなど、時間的な影響を考慮せずに定められる。
静的トルク設定部9202において設定された静的なトルク要求量は、変換部9204において、動的なトルク要求量に変換される。動的なトルク要求量は、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性、制御時の遅れなどの時間的な影響を考慮して定められる。
たとえば、図7に示すように、1次遅れの関数で表現されたエンジンモデルC(s)を用いて電子スロットルバルブ8016などの機器の制御時(作動時)における遅れを静的なトルク要求量に加えることにより、静的なトルク要求量を動的なトルク要求量に変換する。図7に示すエンジンモデルの時定数は、エンジン回転数NEおよびエンジントルクにより変化する。なお、図8に示すように、2次遅れの関数で表現されたエンジンモデルC(s)を用いるようにしてもよい。これらのエンジンモデルは、ECU8000に実装される際にはZ変換される。
また、図9に示すように、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性に応じて定まる制限値で静的なトルク要求量を制限することにより、静的なトルク要求量を動的なトルク要求量に変換するようにしてもよい。制限値は、たとえば実験およびシミュレーションなどにより予め定められる。
図5に戻って、ドライバーズサポートシステム9210は、クルーズコントロールシステム、パーキングアシストシステムおよびプリクラッシュセーフティシステムなどにより、車両の挙動に応じて動的なトルク要求量を自動的に設定する。
VDIMシステム9220は、VSC(Vehicle Stability Control)、TRC(TRaction Control)、ABS(Anti lock Brake System)、EPS(Electric Power Steering)などを統合するシステムであって、アクセル、ステアリング、ブレーキの操作量によるドライバの走行イメージと、各種センサ情報による車両挙動との差を算出し、その差を縮めるように、車両の駆動力、ブレーキ油圧などを制御する。VDIMシステム9220は、車両の駆動力を制御するために動的なトルク要求量を自動的に設定する。
VSCは、前後輪が横滑りしそうな状態をセンサが検出して場合において、各輪のブレーキ油圧および車両の駆動力などの最適値を自動的に設定し、車両の安定性を確保する制御である。
TRCは、滑りやすい路面での発進時および加速時に、駆動輪の空転をセンサが感知すると、各輪のブレーキ油圧および車両の駆動力などの最適値を自動的に設定し、最適な駆動力を確保する制御である。
ABSは、ブレーキ油圧の最適値を自動的に設定し、車輪のロックを防止する制御システムである。EPSは、電動モータの力によってステアリングホイールの操舵をアシストする制御システムである。
制振制御システム9230は、車両の実際の駆動力、すなわちエンジントルクなどから、車両モデルを用いて算出される車両のピッチングおよびバウンシングを抑制するための動的なトルク要求量を設定する。車両のピッチングおよびバウンシングを抑制するための駆動力を設定する方法については、従来の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
ECTトルク制御システム9240は、オートマチックトランスミッション2000の変速時にエンジン1000に対して要求するトルク要求量を設定する。
ECTトルク制御システム9240は、たとえば、エンジン回転数NEの急上昇を避ける目的で、図10に示すように、ダウンシフトを開始するとともに、あるいは開始した直後に減少し、ダウンシフトが完了する直前および/または直後に増大するようにトルク要求量を設定する。
また、ECTトルク制御システム9240は、図11に示すように、変速ショックを低減するために、アップシフト中にイナーシャ相が開始するとともに減少し、アップシフトが完了する直前に増大するようにトルク要求量を設定する。
なお、ECTトルク制御システム9240が設定するトルク要求量はこれらに限らない。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量は、動的なトルク要求量もしくは静的なトルク要求量のいずれかとして扱われる。ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量が動的なトルク要求量として扱われるか、静的なトルク要求量として扱われるかは、パワートレーンマネージャ9100の切替部9104により切替えられる。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量が動的なトルク要求量として扱われる場合、たとえばオートマチックトランスミッション2000の変速中において、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量に応じてエンジン1000が制御される。より具体的には、実際のエンジントルクがECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量になるように、エンジン1000が制御される。
そのため、図12に示すように、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量がステップ的に変化した場合には、スロットル開度が急変し、エンジントルクがステップ的に変化する。
一方、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量が静的なトルク要求量として扱われる場合、設定されたトルク要求量は、パワートレーンマネージャ9100の変換部9106により、図13に示すように、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化する動的なトルク要求量に変換される。
パワートレーンマネージャ9100の変換部9106は、パワートレーンドライバモデル9200の変換部9204と同様に、1次遅れもしくは2次遅れの関数で表現されたエンジンモデルC(s)を用いたり、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性に応じて定まる制限値で静的なトルク要求量を制限することにより、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量を動的なトルク要求量に変換する。なお、トルク要求量の変換方法はこれらに限らない。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量が動的なトルク要求量に変換される場合、たとえばオートマチックトランスミッション2000の変速中において、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量から変換された動的なトルク要求量に応じてエンジン1000が制御される。より具体的には、実際のエンジントルクが、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量から変換された動的なトルク要求量になるように、エンジン1000が制御される。
そのため、図13に示すように、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量がステップ的に変化した場合であっても、スロットル開度が緩やかに変化し、エンジントルクがECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量に遅れて緩やかに変化する。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量を動的なトルク要求量として扱うか否か、すなわち、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換するか否かは、ECTトルク制御システム9240からの要求(指令)に従って、パワートレーンマネージャ9100の切替部9104が切替える。
たとえば、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さい場合、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替えられる。
より具体的には、オートマチックトランスミッション2000がダウンシフトする場合、イナーシャ相において、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さくなった後、図14の時間T1において、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替えられる。
以上のような構造に基づく、実施の形態に係る制御装置の作用について説明する。
アクセル開度が増大することに起因して行なわれるダウンシフト、すなわちパワーオンダウンシフトの実行する場合を想定する。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換しない状態では、図15に示すように、時間T2でダウンシフトが開始する直前で急増したエンジントルクが、ダウンシフトが開始した直後に急減し得る。このようなエンジントルクの挙動によりショックが発生し得る。ダウンシフトの完了直前および/または直後でトルク要求量が漸増した場合には、実際のエンジントルクがトルク要求量に精度よく追従する。
ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態では、図16に示すように、時間T2でダウンシフトが開始する直前で急増したエンジントルクが、ダウンシフトが開始した後にトルク要求量に遅れて緩やかに変化する。そのため、エンジントルクの増減により発生し得るショックを低減し得る。しかしながら、ダウンシフトの完了直前および/または直後でトルク要求量が漸増した場合には、実際のエンジントルクとトルク要求量との差が大きくなり得る。
上記の特性を鑑みて、パワーオンダウンシフトの実行中(開始から完了まで)に、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替えることが望ましい。このようにすれば、パワーオンダウンシフトの開始直後に発生し得るショックを低減することができるとともに、パワーオンダウンシフトの完了前後におけるエンジントルクの精度を向上することができる。
しかしながら、図17に示すように、パワーオンダウンシフトが完了した後で、トルク要求量と実際のエンジントルクとの差が大きい時間T3において、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替えると、切替えた時点でエンジントルクが急変し得る。
そこで、本実施の形態においては、図18に示すように、パワーオンダウンシフトが開始した時間T2から、イナーシャ相において、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さくなるまでは、ECTトルク制御システム9240により設定されたトルク要求量が、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換される。
イナーシャ相において、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さくなった後、時間T1において、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態から、変換しない状態に切替えられる。
これにより、ショックを低減するようにパワーオンダウンシフトの開始直後にエンジントルクの変化量を緩やかにするとともに、パワーオンダウンシフトの完了付近におけるエンジントルクの精度を向上することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、ECTトルク制御システムにより設定されたトルク要求量に応じてエンジントルクを制御する状態と、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に応じてエンジントルクを制御する状態とが切替えられる。これにより、エンジントルクの変化速度を種々の状況に応じて変更することができる。
第2の実施の形態
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さい場合に、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態にする点で、前述の第1の実施の形態と相違する。
また、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも大きい場合に、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換しない状態にする点で、前述の第1の実施の形態と相違する。
その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰返さない。
アクセルペダル8008が操作された状態のアップシフト、すなわちパワーオンアップシフトを行なう場合を想定する。
図19に示すように、イナーシャ相において、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも小さい場合に、設定されたトルク要求量が、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換される。すなわち、イナーシャ相におけるトルクダウン量がしきい値より小さい場合に、設定されたトルク要求量が、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換される。
これにより、エンジントルクの変化速度を遅くすることができる。そのため、エンジントルクのオーバーシュートおよびアンダーシュートが起き難いようにすることができる。その結果、エンジントルクの精度を向上することができる。
また、図20に示すように、イナーシャ相において、設定されたトルク要求量と実際のエンジントルクとの差がしきい値よりも大きい場合、設定されたトルク要求量は、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換されない。すなわち、イナーシャ相におけるトルクダウン量がしきい値より大きい場合、設定されたトルク要求量は、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換されない。これにより、エンジントルクの変化速度を速くすることができる。そのため、トルク要求量に対するエンジントルクの追従性を向上することができる。
なお、スロットル開度がしきい値より小さい状態でトルク要求量が低くなるようにECTトルク制御システム9240により設定される場合に、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換する状態にしてもよい。
たとえば、スロットル開度がしきい値より小さい状態でオートマチックトランスミッション2000のパワーオンアップシフトを実行する場合を想定する。イナーシャ相において、予め定められた値まで低くなるようにトルク要求量がECTトルク制御システム9240により設定される場合に、設定されたトルク要求量が、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換される。
スロットル開度がしきい値より小さい場合、エンジントルクが小さいために、トルクダウン量の最大値は小さい。したがって、このようにしても、イナーシャ相におけるトルクダウン量が小さい場合に、エンジントルクの変化速度を遅くすることができる。そのため、エンジントルクのオーバーシュートおよびアンダーシュートが起き難いようにすることができる。その結果、エンジントルクの精度を向上することができる。
また、スロットル開度がしきい値より大きい状態でトルク要求量が低くなるようにECTトルク制御システム9240により設定される場合に、設定されたトルク要求量を、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換しない状態にしてもよい。
たとえば、スロットル開度がしきい値より大きい状態でオートマチックトランスミッション2000のパワーオンアップシフトを実行する場合を想定する。イナーシャ相において、予め定められた値まで低くなるようにトルク要求量がECTトルク制御システム9240により設定される場合、設定されたトルク要求量は、設定されたトルク要求量に比べて遅れて変化するトルク要求量に変換されない。
スロットル開度がしきい値より大きい場合、エンジントルクが大きいために、トルクダウン量の最大値は大きい。したがって、このようにしても、イナーシャ相におけるトルクダウン量が大きい場合に、エンジントルクの変化速度を速くすることができる。そのため、トルク要求量に対するエンジントルクの追従性を向上することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. 駆動源(1000)の出力値および前記駆動源(1000)に連結された変速機(2000)の入力値のうちのいずれか一方の目標値を設定する設定部(9240)と、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する変換部(9106)と、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するか否かを切替える切替部(9104)と、
    前記目標値に応じて前記駆動源(1000)の出力値を制御する制御部(9000)とを備える、駆動源の制御装置。
  2. 前記切替部(9104)は、設定された目標値と前記駆動源(1000)の実際の出力値との差がしきい値よりも小さい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態から、変換しない状態に切替える、請求の範囲1に記載の駆動源の制御装置。
  3. 前記切替部(9104)は、前記変速機(2000)のダウンシフト中のイナーシャ相において、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態から、変換しない状態に切替える、請求の範囲1に記載の駆動源の制御装置。
  4. 前記切替部(9104)は、設定された目標値と前記駆動源(1000)の実際の出力値との差がしきい値よりも小さい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態にし、設定された目標値と前記駆動源(1000)の実際の出力値との差が前記しきい値よりも大きい場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換しない状態にする、請求の範囲1に記載の駆動源の制御装置。
  5. 前記駆動源は、スロットルバルブのスロットル開度に応じて出力値が変化し、
    前記切替部(9104)は、スロットル開度がしきい値より小さい状態で目標値が低くなるように設定される場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換する状態にし、スロットル開度が前記しきい値より大きい状態で目標値が低くなるように設定される場合に、設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換しない状態にする、請求の範囲1に記載の駆動源の制御装置。
  6. 前記出力値は、出力トルクである、請求の範囲1に記載の駆動源の制御装置。
  7. 駆動源(1000)の出力値および前記駆動源(1000)に連結された変速機(2000)の入力値のうちのいずれか一方の目標値を設定するステップと、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するステップと、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するか否かを切替えるステップと、
    前記目標値に応じて前記駆動源(1000)の出力値を制御するステップとを備える、駆動源の制御方法。
  8. 駆動源(1000)の出力値および前記駆動源(1000)に連結された変速機(2000)の入力値のうちのいずれか一方の目標値を設定するための設定手段(9240)と、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するための変換手段(9106)と、
    設定された目標値を、設定された目標値に比べて遅れて変化する目標値に変換するか否かを切替えるための切替手段(9104)と、
    前記目標値に応じて前記駆動源(1000)の出力値を制御するための制御手段(9000)とを備える、駆動源の制御装置。
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