JP2010120488A - 駆動源の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力トルク制御の安定性を向上させる。
【解決手段】ECUは、パワートレーンドライブモデル9300と、パワートレーンマネージャ9100と、エンジン制御部9000とを含む。パワートレーンマネージャ9100は、エンジン回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、動的な目標エンジントルクおよび推定トルクのうちのいずれか一方のトルクとに基づいて先読み時間経過後のエンジン回転数を予測する。エンジン制御部9000は、予測された回転数と動的な目標エンジントルクとに基づいてエンジン1000を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動源の制御装置に関し、特に、駆動源の出力軸の回転数を予測して、予測された回転数を用いて駆動源を制御することにより、制御の安定性を向上する技術に関する。
従来より、スロットルバルブの開度(以下、スロットル開度とも記載する)などにより、出力トルクの値などが定まるエンジンが知られている。一般的に、スロットル開度は、アクセルペダルの位置(以下、アクセル開度とも記載する)と一義的に対応するように作動する。しかしながら、スロットル開度とアクセル開度とが常に一義的に対応していると、たとえば車両の挙動が乱れた場合などにおいて、車両の駆動力などを運転者の意思と関係なく制御することが困難である。そこで、アクセル開度に依存せずに出力トルクなどを制御することが可能であるように、アクチュエータにより作動する電子スロットルバルブがエンジンに設けられた車両がある。電子スロットルバルブが設けられた車両においては、アクセル開度の他、車両の挙動などに基づいて目標エンジントルクを設定し、実際のエンジントルクが設定された目標エンジントルクになるようにエンジンを制御することが可能である。このような制御により、たとえば、車両の定速走行等が実現される。
車両を定速走行させる技術としては、たとえば、特開2002−331852号公報(特許文献1)は、定速走行時における車速を目標車速で安定させる定速走行装置を開示する。この定速走行装置は、内燃機関からの動力を無段変速機で変速して走行する自動車の定速走行装置であって、車速を検出する車速検出手段と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、目標車速を設定する目標車速設定手段と、設定された目標車速と車速検出手段により検出された車速と回転数検出手段により検出された内燃機関の回転数とに基づいて自動車が目標車速で走行するよう内燃機関と無段変速機とを運転制御する定速制御手段とを備える。
この定速走行装置によると、設定された目標車速と検出された車速と検出された内燃機関の回転数とに基づいて自動車が目標車速で走行するよう内燃機関と無段変速機とを運転制御することにより、自動車を目標車速で安定して走行させることができる。
特開2002−331852号公報
しかしながら、実際のエンジントルクが設定された目標エンジントルクになるようにエンジンを制御をする場合においては、制御に遅れや無駄時間が存在するという問題がある。特に、エンジントルクが回転数に変化する際には、センサの出力値を回転数として表現する処理を含めて、遅れや無駄時間が存在するという問題がある。
また、上述のようなエンジンのトルク制御は閉ループ制御であるといえ、遅れや無駄時間の存在により制御が不安定になりやすく、ハンチングや振動が発生する可能性がある。
上述した公報に開示された定速走行装置においては、エンジン回転数の変化量(微分項)を考慮して要求動力を計算している。しかしながら、エンジン回転数の微分項を考慮しただけでは、精度高くエンジン回転数の変化を予測することはできない。そのため、エンジンのトルク制御における遅れや無駄時間の影響を十分に排除することができず、制御の安定性の向上が図れない場合がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、出力トルク制御の安定性を向上させる駆動源の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る駆動源の制御装置は、変速機に連結された駆動源の制御装置である。この制御装置は、駆動源の出力軸の回転数を検出するための検出手段と、駆動源の出力トルクの目標値を設定するための手段と、出力軸の回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、目標値および駆動源の状態に基づく出力トルクの推定値のうちのいずれか一方の値とに基づいて駆動源の状態に応じて設定される設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測するための予測手段と、予測された回転数と目標値とに基づいて駆動源を制御するための手段とを含む。
第1の発明によると、出力軸の回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、目標値または推定値とに基づいて設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測することにより、出力トルクの変化による回転数の変化を考慮することができるため、設定時間の経過後の出力軸の回転数を精度高く予測することができる。そのため、予測された回転数と目標値とに基づいて最終目標値を設定することにより、無駄時間や遅れ分を考慮した駆動源の制御を行なうことができる。すなわち、駆動源の出力トルクの制御における遅れや無駄時間の影響を有効に排除して、駆動源の制御の安定性を向上させることができる。そのため、駆動源の制御時のハンチングや振動の発生を抑制することができる。したがって、出力トルク制御の安定性を向上させる駆動源の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、予測手段は、目標値および推定値のうちのいずれか一方の値の変化により発生する駆動源の回転数の変化量に基づいて設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測する。
第2の発明によると、出力軸の回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、目標値または推定値により発生する駆動源の回転数の変化量とに基づいて設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測することにより、設定時間の経過後の出力軸の回転数を精度高く予測することができる。
第3の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、予測手段は、目標値および推定値のうちのいずれか一方の値の履歴に基づく変化量に基づいて設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測する。
第3の発明によると、出力軸の回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、目標値または推定値の履歴に基づくトルクの変化量にと基づいて設定時間の経過後の出力軸の回転数を予測することにより、設定時間の経過後の出力軸の回転数を精度高く予測することができる。
第4の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、設定時間は、駆動源の出力トルクの制御における遅れおよび無駄時間のうちの少なくともいずれか一方に基づいて設定される。
第4の発明によると、設定時間を駆動源の出力トルクの制御における遅れや無駄時間に基づいて設定して、設定時間後に予測される出力軸の回転数を駆動源の出力トルクの制御に用いることにより、制御の遅れや無駄時間の影響を有効に排除することができる。そのため、駆動源の制御の安定性を向上させて、駆動源の制御時におけるハンチングや振動の発生を抑制することができる。
第5の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、設定時間は、検出手段による検出結果に基づいて設定される。
第5の発明によると、設定時間を駆動源の状態に対応して設定することにより、設定時間の経過後の回転数を精度高く予測することができる。そのため、駆動源の制御において、遅れや無駄時間の影響を有効に排除することができる。
第6の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、駆動源は、エンジンである。出力軸の回転数は、エンジン回転数である。
第6の発明によると、本発明をエンジン回転数に基づくエンジンの出力トルクの制御に適用することにより制御の安定性を向上させることができる。
第7の発明に係る駆動源の制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、駆動源は、エンジンと、エンジンに連結されるトルクコンバータとを含む。出力軸の回転数は、トルクコンバータのタービン回転数である。
第7の発明によると、本発明をタービン回転数に基づくエンジンの出力トルクの制御に適用することにより制御の安定性を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<車両のハードウェア構成について>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、FR以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ2100と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、プロペラシャフト5000と、デファレンシャルギヤ6000と、後輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。エンジン1000により、オルタネータおよびエアコンディショナーなどの補機1004が駆動される。エンジン1000の出力トルク(エンジントルクTE)は、電子スロットルバルブ8016の作動量、すなわちスロットル開度などに応じて変化する。なお、エンジン1000の代わりにもしくは加えて、駆動源にモータを用いるようにしてもよい。また、ディーゼルエンジンを用いるようにしてもよい。ディーゼルエンジンにおいては、インジェクタの開弁時間(作動量)、すなわち燃料噴射量に応じて出力トルクが変化する。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ2100を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。なお、ギヤ段を形成するオートマチックトランスミッションの代わりに、ギヤ比を無段階に変更するCVT(Continuously Variable Transmission)を搭載するようにしてもよい。さらに、油圧アクチュエータもしくは電動モータにより変速される常時噛合式歯車からなる自動変速機を搭載するようにしてもよい。
オートマチックトランスミッション2000から出力された駆動力は、プロペラシャフト5000およびデファレンシャルギヤ6000を介して、左右の後輪7000に伝達される。
ECU8000には、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、エアフローメータ8012と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024と、油温センサ8026と、水温センサ8028とがハーネスなどを介して接続されている。
シフトレバー8004の位置(ポジション)は、ポジションスイッチ8006により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。エアフローメータ8012は、エンジン1000に吸入される空気量を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量が調整される。
なお、電子スロットルバルブ8016の代わりにもしくは加えて、吸気バルブ(図示せず)や排気バルブ(図示せず)のリフト量や開閉する位相を変更する可変バルブリフトシステムにより、エンジン1000に吸入される空気量を調整するようにしてもよい。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数(以下、エンジン回転数NEとも記載する)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NI(トルクコンバータ2100のタービン回転数NT)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
油温センサ8026は、オートマチックトランスミッション2000の作動や潤滑に用いられるオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の温度(油温)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
水温センサ8028は、エンジン1000の冷却水の温度(水温)を検出し、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、エアフローメータ8012、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024、油温センサ8026、水温センサ8028などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)8002に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。なおECU8000により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであることにより、オートマチックトランスミッション2000のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は後輪7000に駆動力を伝達し得る。なおDレンジにおいて、8速ギヤ段よりも高速のギヤ段を形成可能であるようにしてもよい。形成するギヤ段は、車速とアクセル開度とをパラメータとして実験等により予め作成された変速線図に基づいて決定される。なお、ECUは複数のECUに分割するようにしてもよい。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸2102を有するトルクコンバータ2100に接続されている。
プラネタリギヤユニット3000は、フロントプラネタリ3100と、リアプラネタリ3200と、C1クラッチ3301と、C2クラッチ3302と、C3クラッチ3303と、C4クラッチ3304と、B1ブレーキ3311と、B2ブレーキ3312と、ワンウェイクラッチ(F)3320とを含む。
フロントプラネタリ3100は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構である。フロントプラネタリ3100は、第1サンギヤ(S1)3102と、1対の第1ピニオンギヤ(P1)3104と、キャリア(CA)3106と、リングギヤ(R)3108とを含む。
第1ピニオンギヤ(P1)3104は、第1サンギヤ(S1)3102および第1リングギヤ(R)3108と噛合っている。第1キャリア(CA)3106は、第1ピニオンギヤ(P1)3104が公転および自転可能であるように支持している。
第1サンギヤ(S1)3102は、回転不能であるようにギヤケース3400に固定される。第1キャリア(CA)3106は、プラネタリギヤユニット3000の入力軸3002に連結される。
リアプラネタリ3200は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。リアプラネタリ3200は、第2サンギヤ(S2)3202と、第2ピニオンギヤ(P2)3204と、リアキャリア(RCA)3206と、リアリングギヤ(RR)3208と、第3サンギヤ(S3)3210と、第3ピニオンギヤ(P3)3212とを含む。
第2ピニオンギヤ(P2)3204は、第2サンギヤ(S2)3202、リアリングギヤ(RR)3208および第3ピニオンギヤ(P3)3212と噛合っている。第3ピニオンギヤ(P3)3212は、第2ピニオンギヤ(P2)3204に加えて、第3サンギヤ(S3)3210と噛合っている。
リアキャリア(RCA)3206は、第2ピニオンギヤ(P2)3204および第3ピニオンギヤ(P3)3212が公転および自転可能であるように支持している。リアキャリア(RCA)3206は、ワンウェイクラッチ(F)3320に連結される。リアキャリア(RCA)3206は、1速ギヤ段の駆動時(エンジン1000から出力された駆動力を用いた走行時)に回転不能となる。リアリングギヤ(RR)3208は、プラネタリギヤユニット3000の出力軸3004に連結される。
ワンウェイクラッチ(F)3320は、B2ブレーキ3312と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチ(F)3320のアウターレースはギヤケース3400に固定され、インナーレースはリアキャリア(RCA)3206に連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、前進1速〜8速のギヤ段と、後進1速および2速のギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイド(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイド(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイド(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイド(以下、SL(4)と記載する)4240と、SL5リニアソレノイド(以下、SL(5)と記載する)4250と、SLTリニアソレノイド(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、C1クラッチ3301、C2クラッチ3302およびC3クラッチ3303に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3312に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3301に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3302に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、C3クラッチ3303に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、C4クラッチ3304に供給される油圧を調圧する。SL(5)4250は、B1ブレーキ3311に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検出されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、SL(5)4250およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3312に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、Rレンジ圧が供給される。
<ECUにより実現される機能について>
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置のシステム構成について説明する。図5中の「F」は駆動力を、「TE」はエンジントルクを、「NE」はエンジン回転数を示す。なお、以下に説明する各構成の機能は、ハードウェアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。
図5に示すように、制御装置は、パワートレーンドライバモデル(PDRM: Power train Driver Model)9300と、目標駆動力を設定するその他のシステム9200と、パワートレーンマネージャ(PTM: Power Train Manager)9100と、エンジン制御部9000とを備える。
パワートレーンドライバモデル9300は、ドライバの操作に基づく車両に対してドライバが要求する駆動力(以下、目標駆動力と記載する)を設定するために用いられるモデル(関数)である。本実施の形態においては、実験およびシミュレーションの結果などに基づいて予め定められたエンジントルクマップに従って、アクセル開度から目標駆動力が設定される。
より具体的には、目標駆動力設定部9310は、アクセル開度およびオートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数(すなわち、車両の速度)に基づく車両に対して要求される駆動力と、エンジン1000が出力すべき最小限のエンジントルクに相当する駆動力(以下、最小限駆動力と記載する)との和に基づいて静的な目標駆動力を設定する。静的な目標駆動力は、過渡的な状態を経て所定の時間の経過後に実現される目標駆動力を意味する。静的な目標駆動力は、図6に示すように、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性、制御時の遅れなど、時間的な影響を考慮せずに定められる。
最小限駆動力は、最小限駆動力設定部9314において設定されて、目標駆動力設定部9310に入力される。たとえば、最小限駆動力設定部9314は、ISC(Idle Speed Control)に基づく最小限のエンジントルクを算出し、算出されたエンジントルクを駆動力に変換することにより最小限駆動力を設定する。
すなわち、最小限駆動力設定部9314は、エンジン1000のアイドル時において、エンジン回転数NEが予め定められた目標アイドル回転数より高くなると、エンジン回転数NEが予め定められた目標アイドル回転数以下である場合の最小限駆動力よりも予め定められた補正量だけ小さくなるように最小限駆動力を設定する。
さらに、最小限駆動力設定部9314は、エンジン1000のアイドル時において、エンジン回転数NEが予め定められた目標アイドル回転数以下になると、エンジン回転数NEが予め定められた目標アイドル回転数よりも高い場合の最小限駆動力よりも予め定められた補正量だけ大きくなるように最小限駆動力を設定する。
なお、本実施の形態においては、最小限駆動力設定部9314は、後述する回転数予測部9114から入力されるエンジン回転数NEの予測値に基づいて最小限駆動力を設定するとして説明するが、現在のエンジン回転数NEに基づいて最小限駆動力を設定するようにしてもよい。本実施の形態において、エンジン回転数NEの「予測値」とは、現在からエンジン1000の状態に応じて設定される設定時間経過後のエンジン回転数NEをいう。
最小限駆動力を設定する方法は、上述した方法に特に限定されるものではなく、その他、周知のISCと同様にしてエンジン1000のアイドル時のスロットル開度を設定し、ISCにより設定されたスロットル開度から最小限駆動力を算出するようにしてもよい。
エンジン1000の出力トルクを駆動力に変換する方法としては、たとえば、エンジン1000の出力トルクにオートマチックトランスミッション2000の現在のギヤ比およびデファレンシャルギヤ6000のギヤ比を乗じ、後輪7000の半径で除算する方法を用いてもよい。なお、出力トルクを駆動力に変換する方法は、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は行なわない。
動的化処理部9312は、目標駆動力設定部9310から入力される静的な目標駆動力を動的な目標駆動力に変換する。動的な目標駆動力とは、目標駆動力が変化し得る過渡状態における目標駆動力であって、速やかに実現される目標駆動力を意味する。動的な目標駆動力は、電子スロットルバルブ8016などの機器の応答性、制御時の遅れなどの時間的な影響を考慮して定められる。
たとえば、図7に示すように、1次遅れの関数で表現されたエンジンモデルC(s)を用いて電子スロットルバルブ8016などの機器の制御時(作動時)における遅れを静的な目標駆動力に加えることにより、静的な目標駆動力を動的な目標駆動力に変換する。なお、時定数Tは、たとえば、静的な目標駆動力と動的な目標駆動力との和をパラメータに有するマップに従って算出されるものとするが、特に、時定数Tを算出する方法はこれに限定されるものではない。
パワートレーンマネージャ9100は、パワートレーンドライバモデル9300およびその他のシステム9200から入力される動的な目標駆動力に基づいて、最終的にエンジン制御部9000に入力される動的な目標駆動力を設定する。
その他のシステム9200は、たとえば、VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)システムと、制振制御システムと、最高車速制限システムとを含む。
VDIMシステムは、VSC(Vehicle Stability Control)、TRC(TRaction Control)、ABS(Anti lock Brake System)、EPS(Electric Power Steering)などを統合するシステムであって、アクセル、ステアリング、ブレーキの操作量によるドライバの走行イメージと、各種センサ情報による車両挙動との差を算出し、その差を縮めるように車両の駆動力、ブレーキ油圧などを制御する。
VSCは、前後輪が横滑りしそうな状態をセンサが検出して場合において、各輪のブレーキ油圧および車両の動的な目標駆動力などの最適値を自動的に設定し、車両の安定性を確保する制御である。
TRCは、滑りやすい路面での発進時および加速時に、駆動輪の空転をセンサが感知すると、各輪のブレーキ油圧および車両の動的な目標駆動力などの最適値を自動的に設定し、最適な駆動力を確保する制御である。
ABSは、ブレーキ油圧の最適値を自動的に設定し、車輪のロックを防止する制御システムである。EPSは、電動モータの力によってステアリングホイールの操舵をアシストする制御システムである。
制振制御システムは、車両の実際の駆動力などから、車両モデルを用いて算出される車両のピッチングおよびバウンシングを抑制するための動的な目標駆動力を設定するシステムである。車両のピッチングおよびバウンシングを抑制するための駆動力を設定する方法については、従来の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は行なわない。
最高車速制限システムは、車速を予め定められた最高車速以下に制限するための静的な目標駆動力を、たとえば現在の加速度および車速などに応じて設定するシステムである。
調停部9110は、パワートレーンドライバモデル9300およびその他のシステム9200から入力される動的な目標駆動力を調停する。本実施の形態においては、最も小さい目標駆動力が選択され、トルク変換部9112に対して出力される。調停部9110において調停された動的な目標駆動力は、トルク変換部9112において動的な目標エンジントルクに変換される。
トルク変換部9112において動的な目標駆動力から変換された動的な目標エンジントルクは、エンジン制御部9000に入力される。
<本実施の形態におけるECUの機能の特徴部分について>
本実施の形態においては、回転数予測部9114が、エンジン回転数NEの履歴に基づく回転数の変化量と、エンジン1000の推定トルクおよびトルク変換部9112において変換された動的な目標エンジントルクのうちのいずれか一方のトルクとに基づいてエンジン1000の状態に応じて設定される設定時間(以下の説明においては、先読み時間ともいう)の経過後のエンジン回転数NEを予測する点に特徴を有する。
回転数予測部9114には、エンジン回転数センサ8020により検出された実際のエンジン回転数NEが入力される。回転数予測部9114は、入力された実際のエンジン回転数NEを、エンジン回転数NEの履歴としてメモリ等に蓄積する。
本実施の形態において、回転数予測部9114は、図8に示すように、メモリ等に蓄積されたエンジン回転数NEの履歴のうちの時間Taだけ遡った時間T(0)における過去の回転数NE(0)を読み出す。
回転数予測部9114は、読み出された回転数NE(0)と現在の時間T(1)における回転数NE(1)とに基づいて時間Taが経過するまでの間におけるエンジン回転数NEの回転変化量を算出する。本実施の形態においては、回転数予測部9114は、回転数NE(1)とNE(0)との差を時間Taで除算することにより、単位時間当たりのエンジン回転数NEの回転変化量ΔNEを算出する。
なお、時間Taは、予め定められた時間であってもよいし、エンジン1000の状態に応じて設定される時間であってもよい。エンジン1000の状態とは、たとえば、エンジン回転数NE、タービン回転数NT、出力軸回転数NOあるいはエンジン1000の出力トルクあるいはそれらの変化量等である。
回転数予測部9114は、回転変化量ΔNEに基づいて現在の時間T(1)から先読み時間Tbが経過する時間T(2)における回転数NE(2)を予測する。たとえば、回転数予測部9114は、回転変化量ΔNEに先読み時間Tbを乗じた値を現在の時間T(1)における回転数NE(1)に加算することにより、時間Tbが経過する時点における回転数NE(2)を暫定的な予測値として算出する。
なお、先読み時間Tbは、エンジン1000の状態に応じて設定される時間である。エンジン1000の状態とは、たとえば、エンジン回転数NE、タービン回転数NTあるいはエンジン1000の出力トルク等である。本実施の形態においては、回転数予測部9114は、現在の時点におけるエンジン回転数NEに基づいて先読み時間Tbを設定するものとする。
たとえば、回転数予測部9114は、エンジン回転数NEと先読み時間Tbとの関係を示すマップ、表あるいは数式等に基づいて先読み時間Tbを設定する。エンジン回転数NEと先読み時間Tbとの関係は、実験等により適合すればよいが、少なくともエンジン1000のトルク制御に存在する遅れや無駄時間に基づいて設定されることが望ましい。少なくとも遅れや無駄時間を考慮してエンジン回転数NEを先読みすることにより、制御精度の向上が図れ、制御の安定性が向上する。
さらに、回転数予測部9114は、先読み時間Tb経過後のエンジン回転数NEの予測値として算出された回転数NE(2)を、動的な目標エンジントルクおよびエンジン1000の推定トルクETEのうちのいずれか一方のトルクに基づいて補正する。なお、本実施の形態において、回転数予測部9114は、上述のように予測値として算出された回転数NE(2)を推定トルクETEに基づいて補正するものとして説明するが、特に推定トルクETEおよび目標エンジントルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクに基づいて補正するようにすればよく、特に推定トルクETEに基づく補正に限定されるものではない。
回転数予測部9114は、エアフローメータ8012により検出された吸入空気量が入力される。回転数予測部9114は、入力された吸入空気量に基づいてエンジン1000の負荷、すなわち、エンジントルクを推定する。なお、エンジントルクの推定方法としては、吸入空気量に基づく推定に限定されるものではなく、周知の技術を用いた推定方法であってもよい。回転数予測部9114は、推定されたエンジントルクを、推定トルクETEの履歴としてメモリ等に蓄積する。
なお、回転数予測部9114は、推定トルクETEに代えて、ひずみゲージ等のトルク検出センサにより検出されたエンジントルクをメモリ等に蓄積するようにしてもよい。
本実施の形態において、回転数予測部9114は、図9に示すように、メモリ等に蓄積された推定トルクETEの履歴のうちの時間Taだけ遡った時間T(0)における過去の推定トルクETE(0)を読み出す。
回転数予測部9114は、読み出された推定トルクETE(0)と現在の時間T(1)における推定トルクETE(1)との差により時間Taが経過するまでの間における推定トルクETEのトルク変化量ΔETEを算出する。回転数予測部9114は、算出されたトルク変化量ΔETEに基づいて予測値の補正量Aを算出する。回転数予測部9114は、算出された補正量Aを回転数NE(2)に加算して回転数NE(3)をエンジン回転数NEの最終的な予測値として算出する。回転数予測部9114において算出された回転数NE(3)は、エンジン制御部9000および最小限駆動力設定部9314に入力される。
たとえば、メモリ等に、トルク変化量ΔETEと補正量Aとの関係がマップ、表あるいは数式として予め記憶される。トルク変化量ΔETEと補正量Aとの関係は、実験等により適合すればよい。なお、トルク変化量ΔETEが負の値の場合は、トルク変化量ΔETEがゼロである場合と比べてエンジン回転数NEの増加の程度が小さいため、補正量Aは負の値となる。また、トルク変化量ΔETEが正の値の場合は、トルク変化量ΔETEがゼロである場合と比べてエンジン回転数NEの増加の程度が大きいため、補正量Aは正の値となる。なお、トルク変化量ΔETEがゼロである場合は、トルク変化による回転数の変動が生じないため補正量Aはゼロである。なお、図9においては、トルク変化量ΔETEは、負の値であるため、補正量Aも負の値となる。そのため、回転数NE(3)は、回転数NE(2)よりも低い値となる。
本実施の形態においては、推定トルクETEの履歴、すなわち、トルク変化量ΔETEに基づいて補正量Aを算出するようにしたが、特に限定されるものではなく、たとえば、現在の時点(時間T(0))におけるエンジン1000の推定トルクあるいは目標エンジントルクに基づいて補正量Aを算出するようにしてもよい。
エンジン制御部9000は、トルク変換部9112から入力される動的な目標エンジントルクと、回転数予測部9114から入力される現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEとに基づいて、電子スロットルバルブ8016、点火時期、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブなど、エンジン1000の出力トルクを制御するためにエンジン1000に設けられた機器を制御する。
具体的には、エンジン制御部9000は、動的な目標エンジントルクと、現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEとに基づいて最終的な目標エンジントルクTefを設定する。エンジン制御部9000は、設定された最終的な目標エンジントルクTefに基づいて、電子スロットルバルブ8016、点火時期、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブなど、エンジン1000の出力トルクを制御するためにエンジン1000に設けられた機器を制御する。
たとえば、図10に示すような、動的な目標エンジントルクTEと、現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEとのマップがメモリ等に予め記憶される。図10の横軸は、現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEを示し、縦軸は、動的な目標エンジントルクTEを示す。エンジン回転数NEが増加するほど、あるいは動的な目標エンジントルクTEが増加するほど、最終的な目標エンジントルクTefが増加するように、Tef(0)〜Tef(3)の等トルク線がそれぞれ設定される。
エンジン制御部9000は、設定された動的な目標エンジントルクTEがTE(0)であって、現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEがNE(4)である場合、Tef(2)およびTef(3)を用いて補間することにより最終的な目標エンジントルクTef’を算出する。エンジン制御部9000は最終的な目標エンジントルクTef’に基づいて各機器を制御する。なお、動的な目標エンジントルクTEと現在の時点から先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEとの関係を示すマップは、図10に示されるマップに特に限定されるものではない。また、マップに代えて、表あるいは数式等を用いるようにしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態に係る駆動源の制御装置によると、エンジン回転数の履歴に基づく回転変化量ΔNEと、推定トルクETEのトルク変化量ΔETEとに基づいて先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEを予測することにより、出力トルクの変化による回転数の変化を考慮することができるため、先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEを精度高く予測することができる。そのため、予測されたエンジン回転数NEと動的な目標エンジントルクTEとに基づいて最終的な目標エンジントルクTefを設定することにより、無駄時間や遅れ分を考慮したエンジンの出力トルクの制御を行なうことができる。すなわち、エンジンの出力トルクの制御における遅れや無駄時間の影響を有効に排除して、エンジンの出力トルクの制御の安定性を向上させることができる。そのため、エンジンの制御時のハンチングや振動の発生を抑制することができる。したがって、出力トルク制御の安定性を向上させる駆動源の制御装置を提供することができる。
さらに、推定トルクETEの履歴に基づくトルク変化量ΔETEに基づいて先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数NEを精度高く予測することができる。
また、先読み時間Tbをエンジンの出力トルクの制御における遅れや無駄時間を考慮して設定することにより、エンジンの出力トルクの制御において、遅れや無駄時間の影響を有効に排除することができる。そのため、エンジンの出力トルクの制御の安定性を向上させて、エンジンの制御時におけるハンチングや振動の発生を抑制することができる。
また、先読み時間Tbをエンジンの状態に対応して設定することにより、精度高く先読み時間Tb経過後のエンジン回転数NEを予測することができる。そのため、エンジンの出力トルクの制御において、遅れや無駄時間の影響を有効に排除することができる。
なお、エンジン回転数に代えてタービン回転数に基づいてエンジンを制御するようにしてもよい。すなわち、エンジンとトルクコンバータとにより駆動源が構成されるとみなしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションのプラネタリギヤユニットを示すスケルトン図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションの油圧回路を示す図である。 ECUの機能ブロック図である。 アクセル開度と静的な目標駆動力との関係を示す図である。 1次遅れの関数で表現されたエンジンモデルを示す図である。 先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数の予測回転数(補正前)を示す図である。 先読み時間Tbの経過後のエンジン回転数の予測回転数(補正後)を示す図である。 予測されたエンジン回転数NE’と、動的な目標エンジントルクと、最終的な目標エンジントルクとの関係を示すマップである。
符号の説明
1000 エンジン、1004 補機、2000 オートマチックトランスミッション、2100 トルクコンバータ、4000 油圧回路、5000 プロペラシャフト、6000 デファレンシャルギヤ、7000 後輪、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 エアフローメータ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ、8026 油温センサ、8028 水温センサ、9000 エンジン制御部、9100 パワートレーンマネージャ、9110 調停部、9112 トルク変換部、9114 回転数予測部、9200 その他のシステム、9300 パワートレーンドライバモデル、9310 目標駆動力設定部、9312 動的化処理部、9314 最小限駆動力設定部。

Claims (7)

  1. 変速機に連結された駆動源の制御装置であって、
    前記駆動源の出力軸の回転数を検出するための検出手段と、
    前記駆動源の出力トルクの目標値を設定するための手段と、
    前記出力軸の回転数の履歴に基づく回転数の変化量と、前記目標値および前記駆動源の状態に基づく出力トルクの推定値のうちのいずれか一方の値とに基づいて前記駆動源の状態に応じて設定される設定時間の経過後の前記出力軸の回転数を予測するための予測手段と、
    前記予測された回転数と前記目標値とに基づいて前記駆動源を制御するための手段とを含む、駆動源の制御装置。
  2. 前記予測手段は、前記目標値および前記推定値のうちのいずれか一方の値により発生する前記駆動源の回転数の変化量に基づいて前記設定時間の経過後の前記出力軸の回転数を予測する、請求項1に記載の駆動源の制御装置。
  3. 前記予測手段は、前記目標値および前記推定値のうちのいずれか一方の値の履歴に基づく変化量に基づいて前記設定時間の経過後の前記出力軸の回転数を予測する、請求項1または2に記載の駆動源の制御装置。
  4. 前記設定時間は、前記駆動源の出力トルクの制御における遅れおよび無駄時間のうちの少なくともいずれか一方に基づいて設定される、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動源の制御装置。
  5. 前記設定時間は、前記検出手段による検出結果に基づいて設定される、請求項1〜4のいずれかに記載の駆動源の制御装置。
  6. 前記駆動源は、エンジンであって、
    前記出力軸の回転数は、エンジン回転数である、請求項1〜5のいずれかに記載の駆動源の制御装置。
  7. 前記駆動源は、エンジンと、前記エンジンに連結されるトルクコンバータとを含み、
    前記出力軸の回転数は、前記トルクコンバータのタービン回転数である、請求項1〜5のいずれかに記載の駆動源の制御装置。
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