JPH10311413A - 自動変速機付車両の出力制御装置 - Google Patents

自動変速機付車両の出力制御装置

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JPH10311413A
JPH10311413A JP9137671A JP13767197A JPH10311413A JP H10311413 A JPH10311413 A JP H10311413A JP 9137671 A JP9137671 A JP 9137671A JP 13767197 A JP13767197 A JP 13767197A JP H10311413 A JPH10311413 A JP H10311413A
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automatic transmission
power source
shift
control
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JP9137671A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Nozaki
和俊 野崎
Koji Taniguchi
浩司 谷口
Shinji Kasuga
慎司 春日
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Yasuhiko Higashiyama
康彦 東山
Hideo Tomomatsu
秀夫 友松
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速機による変速中に動力源の出力変更
操作が行われた場合のショックや変速の遅延を防止す
る。 【解決手段】 摩擦係合装置の係合・解放を油圧によっ
て制御することにより走行状態に基づいた変速を実行す
る自動変速機と、その自動変速機が連結された動力源
と、その動力源の出力の増減を操作する出力操作機構
と、その出力操作機構の操作量に対する前記動力源の出
力を変更可能な出力制御機構とを備えた自動変速機付車
両の出力制御装置において、前記自動変速機での変速が
実行されていることを検出する変速検出手段(ステップ
1)と、変速中に出力増大操作が行われた場合に、前記
出力操作機構の操作量に対する前記出力制御機構による
前記動力源の出力制御量をなまし制御する手段(ステッ
プ3,4)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行状態に基づ
いて変速が実行される自動変速機を搭載した車両におい
てエンジンなどの動力源の出力を制御する装置に関し、
特にアクセルペダルなどの出力操作機構の操作量に対す
る動力源の出力の制御量を変更することのできる車両の
出力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に使用されている車両用の自動
変速機は、多板クラッチや多板ブレーキなどの摩擦係合
装置を油圧によって係合もしくは解放させ、それに伴う
歯車変速機構でのトルクの伝達経路を変更して変速を実
行するように構成されている。したがって摩擦係合装置
がトルクを伝達し、また反力トルクを負担するから、そ
の摩擦係合装置を係合させるための油圧は、そのトルク
に充分耐え得る圧力に設定している。具体的には、自動
変速機の元圧となるライン圧を、エンジンなどの動力源
の出力と直接関係しているアクセル開度(アクセルペダ
ルの踏み込み量)やスロットル開度(スロットルバルブ
の開度)に応じて制御している。
【0003】また自動変速機での変速は、エンジンを含
む各種の回転要素の回転変化を伴うから、変速に関与す
る摩擦係合装置の油圧を制御することによって回転変化
を滑らかに生じさせ、出力トルクの急変やそれに起因す
るショックを緩和している。これに反する要求として変
速時間を可及的に短くする要求がある。すなわち摩擦係
合装置をゆっくり係合・解放させれば、回転変化が滑ら
かになるので、変速ショックの改善には有効であるが、
目的とする変速段が達成されるまでの時間が長くなるの
で、違和感が生じる場合があり、これを解消するために
変速時間を可及的に短くする必要がある。
【0004】変速時の回転変化は、摩擦係合装置の係合
・解放の過渡的な滑りによって吸収するから、摩擦係合
装置に掛かるトルクが小さければ、吸収するべきエネル
ギ量が少なくなって短時間で回転変化を終了させること
ができる。すなわち変速時間を短くでき、また同時に摩
擦係合装置の耐久性も良好になる。このような目的で、
例えば特開平5−270298号公報に記載された発明
では、自動変速機での変速中に、電子制御されるスロッ
トルバルブの開度を減少させ、これにより変速中のエン
ジン出力トルクを低下させて変速ショックを低下させる
ように制御装置を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両用の自動変速機で
の変速は、車速やスロットル開度などの走行状態に基づ
いて実行される。また当然、アクセルペダルの踏み込み
などの出力操作は、自動変速機での変速とは関係なく任
意に実行される。したがって、例えば、アクセルペダル
をある程度踏み込んで加速し、その結果、車速が増大し
てアップシフトが生じ、さらにその変速中にアクセルペ
ダルが踏み込まれることがある。このような場合、エン
ジン出力は、アクセルペダルの踏み込みに伴うスロット
ル開度の増大によって直ちに増大する。これに対して自
動変速機のライン圧の増大には、プライマリーレギュレ
ータバルブの調圧レベルの変更や油圧の漏れ量の変化な
どが伴うために、不可避的な遅れがある。
【0006】その結果、変速中にエンジン出力が急激に
増大した場合には、自動変速機に入力されるトルクと摩
擦係合装置を係合させる油圧とのバランスが崩れ、入力
トルクが油圧に対して相対的大きすぎる状態が生じる。
このような状況は、変速中に電子スロットルバルブの開
度を減少させる上記公報の発明による制御装置であって
も同様である。すなわちこの公報に記載された発明の装
置は、アクセル開度の増大に応じてエンジン出力が増大
するからである。そのため、油圧が相対的に低い状態の
摩擦係合装置に大きいトルクが作用することになるか
ら、摩擦係合装置のトルク容量の不足によって回転変化
が所期どおりには進行せず、変速時間が長くなってしま
う。また変速時間が長くなることにより、例えば摩擦係
合装置の油圧を制御しているアキュームレータのピスト
ンがその変速途中でストロークエンドまで移動してしま
い、その結果、摩擦係合装置に供給される油圧が急激に
増大してしまうことが生じる。このような場合、摩擦係
合装置が急激に係合するから、出力トルクが急激に変化
し、これが変速ショックなる可能性が多分にある。
【0007】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、変速中に動力源の出力変更操作がなさ
れた場合であっても、変速時間が長くなったり、変速シ
ョックが悪化したりすることのない自動変速機付車両の
出力制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、摩擦係合装置の係合
・解放を油圧によって制御することにより走行状態に基
づいた変速を実行する自動変速機と、その自動変速機が
連結された動力源と、その動力源の出力の増減を操作す
る出力操作機構と、その出力操作機構の操作量に対する
前記動力源の出力を変更可能な出力制御機構とを備えた
自動変速機付車両の出力制御装置において、前記自動変
速機での変速が実行されていることを検出する変速検出
手段と、変速中に前記出力操作機構による出力変更操作
が行われた場合に、前記出力操作機構の操作量に対する
前記出力制御機構による前記動力源の出力制御量をなま
し制御する手段とを備えていることを特徴とするもので
ある。
【0009】したがってこの発明の出力制御装置では、
動力源の出力が出力操作機構の操作量に対して所定の関
係となるように出力制御機構が動作し、その出力によっ
て車両が走行する。そして動力源の出力や車両の速度な
どの走行状態に基づいて自動変速機の変速が実行され
る。その変速の途中で出力操作機構が操作された場合、
その操作量に基づいて出力制御機構が動作するが、その
動作量すなわち動力源の出力の変化量は、出力操作機構
の操作量に対してなまし制御された量となる。ここで、
なまし制御は、動力源の現在の出力量あるいは出力制御
機構による制御量と、出力操作機構を操作することによ
り要求されている動力源の出力量もしくは出力制御機構
による制御量との間の値となるように動力源の出力量も
しくは出力制御機構の制御量を制限する制御である。し
たがってなまし制御を行うことにより、動力源の出力量
の変化量は、出力操作機構の操作量に対して制限された
変化量になる。その結果、自動変速機での変速を実行す
る油圧の変化と動力源の出力の変化とに顕著な差が生じ
ることがなく、摩擦係合装置の油圧とその摩擦係合装置
に掛かるトルクとがバランスし、変速の遅れや、アキュ
ームレータのいわゆるエンドあたりによるショックなど
を未然に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。図3はこの発明の一実施例を示
す全体的な制御系統図であって、自動変速機1を連結し
てある動力源としてのエンジン2は、その出力を電気的
に制御するように構成されており、サーボモータ(スロ
ットルアクチュエータ)3によって駆動される電子スロ
ットルバルブ4が吸気管路5に設けられている。このサ
ーボモータ3およびエンジン2での点火時期や燃料噴射
量などを制御するためにエンジ用電子制御装置(E−E
CU)6が設けられている。そしてこの電子制御装置6
には、制御のためのデータとして、エンジン(E/G)
回転数、吸入空気量、吸入空気温度、アクセル開度、車
速、エンジン水温、ブレーキスイッチからの信号などの
各種の信号が入力されている。
【0011】その電子スロットルバルブ4の制御につい
て説明する。この電子スロットルバルブ4は、アクセル
ペダル(図示せず)の踏み込み操作に伴ってエンジン用
電子制御装置6がサーボモータ3を駆動することによっ
て制御されるが、アクセルペダルの踏み込み量(アクセ
ル開度)に対応させたスロットル開度(スロットル基本
開度)は、アクセルペダルの操作性などの観点から非線
形化されている。その一例を図4に示してある。すなわ
ちアクセル開度が小さい状態では、スロットル基本開度
が相対的に小さくなるように設定されている。したがっ
てアクセルペダルがこの発明の出力操作機構に相当し、
またサーボモータ3および電子スロットルバルブ4がこ
の発明の出力制御機構に相当する。
【0012】自動変速機1は、油圧制御装置7によって
変速およびロックアップクラッチやライン圧あるいは所
定の摩擦係合装置の係合圧が制御される。その油圧制御
装置7は、電気的に制御されるように構成されており、
また変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレ
ノイドバルブS1 ,〜S3 、エンジンブレーキ状態を制
御するための第4ソレノイドバルブS4 、ライン圧を制
御するためのリニアソレノイドバルブSLT、アキューム
レータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブS
LN、ロックアップクラッチや所定の摩擦係合装置の係合
圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUが設け
られている。
【0013】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)8が
設けられている。この自動変速機用電子制御装置8は、
中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、
ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とする
ものであって、この電子制御装置8には、制御のための
データとしてアクセル開度、車速、エンジン水温、ブレ
ーキスイッチからの信号、シフトポジション、パターン
セレクトスイッチからの信号、オーバードライブスイッ
チからの信号、後述するクラッチC0 の回転速度を検出
するC0 センサからの信号、自動変速機1の油温、マニ
ュアルシフトスイッチからの信号などが入力されてい
る。
【0014】またこの自動変速機用電子制御装置8とエ
ンジン用電子制御装置6とは、相互にデータ通信可能に
接続されており、エンジン用電子制御装置6から自動変
速機用電子制御装置8に対しては、1回転当たりの吸入
空気量などの信号が送信され、また自動変速機用電子制
御装置8からエンジン用電子制御装置6に対しては、各
ソレノイドバルブに対する指示信号と同等の信号および
変速段を指示する信号などが送信されている。
【0015】すなわち自動変速機用電子制御装置8は、
入力されたデータおよび予め記憶しているマップに基づ
いて変速段やロックアップクラッチのON/OFF、あ
るいはライン圧や係合圧の調圧レベルなどを判断し、そ
の判断結果に基づいて所定のソレノイドバルブに指示信
号を出力し、さらにフェールの判断やそれに基づく制御
を行うようになっている。またエンジン用電子制御装置
6は、入力されたデータに基づいて燃料噴射量や点火時
期あるいは電子スロットルバルブ4の開度などを制御す
ることに加え、自動変速機1での変速時に燃料噴射量を
削減し、あるいは点火時期を変え、もしくは電子スロッ
トルバルブ4の開度を絞ることにより、出力トルクを一
時的に低下させるようになっている。
【0016】図5は上記の自動変速機1の歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ20
と、副変速部21と、主変速部22とを備えている。そ
のトルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ23
を有しており、このロックアップクラッチ23は、ポン
プインペラ24に一体化させてあるフロントカバー25
とタービンランナ26を一体に取付けた部材(ハブ)2
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー25に連結さ
れ、またタービンランナ26を連結してある入力軸28
は、副変速部21を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構29のキャリヤ30に連結されている。
【0017】この遊星歯車機構29におけるキャリヤ3
0とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相
対的に正回転(入力軸28の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ31の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部21の出力要素であるリングギヤ3
2が、主変速部22の入力要素である中間軸33に接続
されている。
【0018】したがって副変速部21は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中
間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ31の回転
を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0019】他方、主変速部22は三組の遊星歯車機構
40,50,60を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ
51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャ
リヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三
者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸65が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギ
ヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結さ
れている。
【0020】この主変速部22の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3
遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車
機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0021】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41,5
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ41,51(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング66との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構4
0のキャリヤ42とケーシング66との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構60のリングギヤ63の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング6
6との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ63が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。なお、上記の各クラッ
チおよびブレーキは、油圧によって係合するように構成
されている。
【0022】上記の自動変速機1では、各クラッチやブ
レーキを図6の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図6において○印は係合状態、●印はエン
ジンブレーキ時に係合状態、△印は係合・解放のいずれ
でもよいこと、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0023】上述した自動変速機1での変速は、一例と
して、前述したアクセル開度もしくはスロットル基本開
度と車速とをパラメータとしたマップに基づいて判断さ
れ、所定のシフトソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を
動作させることにより実行される。またこの発明の出力
操作機構に相当するアクセルペダルを操作することによ
り、エンジン出力トルクが変化するので、これに併せて
自動変速機1の油圧を制御するために、アクセル開度に
応じて前記ライン圧用のリニアソレノイドバルブSLTが
制御される。その結果、例えばエンジン出力トルクが増
大する場合には、リニアソレノイドバルブSLTの出力信
号が増大させられて、油圧制御装置7における図示しな
いプライマリーレギュレータバルブの調圧レベルが高く
なってライン圧がエンジン出力トルクに適した圧力に昇
圧される。
【0024】アクセルペダルを操作することによるエン
ジン出力の制御は、アクセルペダルの踏み込み量に応じ
て前記サーボモータ3が制御されて電子スロットルバル
ブ4の開度が変化することによって実行される。これに
対して自動変速機1のライン圧の制御は、上記のよう
に、リニアソレノイドバルブSLTの出力する信号圧の変
更、それに伴うプライマリーレギュレータバルブの調圧
レベルの変更、さらには油圧の変化に伴う各種のバルブ
やアキュームレータなどの僅かな挙動の変化、あるいは
オイルの漏れ量の変化などを伴って実行される。そのた
めライン圧制御の不可避的な遅れが、エンジン出力の制
御の際の遅れより大きくなる。したがって自動変速機1
での変速途中でアクセルペダルが操作されると、自動変
速機1に入力されるトルクと自動変速機1の摩擦係合装
置の油圧とのバランスが崩れてしまう。そこでこの発明
に係る上記の制御装置は、変速中でのエンジン出力の制
御を図1に示すようにして実行する。
【0025】図1は、変速中のアクセル操作に対するエ
ンジン出力のなまし制御を実行するためのフローチャー
トであって、先ず変速中か否かが判断される(ステップ
1)。このステップ1がこの発明の変速検出手段に相当
し、これは、変速のためのシフトソレノイドバルブS1
,S2 ,S3 に信号を出力してからの経過時間や自動
変速機1での所定の回転要素の回転数あるいは変速時の
油圧制御のためのリニアソレノイドバルブに対する信号
の出力の状態などに基づいて判断することができる。
【0026】変速が実行されていることによりステップ
1で肯定判断された場合には、変速中でのトルク制御が
実行されているか否かが判断される(ステップ2)。こ
のトルク制御は、変速時に摩擦係合装置に掛かるトルク
を低下させて変速を迅速かつ滑らかに実行するための制
御であって、例えばエンジン2での点火時期の遅角制御
あるいは燃料噴射量の低減などによって実行される。
【0027】変速時のトルク制御が実行されていないこ
とによりステップ2で否定判断された場合には、このル
ーチンから抜ける。これとは反対に変速時のトルク制御
が実行されていてステップ2で肯定判断された場合に
は、電子スロットルバルブ4の要求開度を算出する(ス
テップ3)。その演算式の一例を示せば、 TTA(i)={(k−1)・TTA(i-1)+TA}/k ここで、TTAはスロットル開き要求値、iは演算の実行
回数、TA はなまし前のスロットル開度、kは定数であ
る。
【0028】すなわちこの演算式は、アクセルペダルの
踏み込み量に対するスロットル開度をなまし制御するた
めの式であり、上述した図4に示すアクセルペダルの踏
み込み量に基づいて決まるスロットル基本開度よりも低
い開度にスロットル開度を制限する制御である。このス
テップ3の制御は、換言すれば、エンジン出力トルクの
制御時定数と自動変速機1のライン圧の制御時定数とを
可及的に一致させるための制御である。したがってステ
ップ3がこの発明のなまし制御を行う手段に相当する。
【0029】またなましの程度すなわちエンジン出力の
変化の制限程度は、定数kが大きくなるほど増大するの
で、油圧制御装置7の構成あるいはその油圧制御の特性
に応じて、定数kを適宜に設定すればよい。さらにステ
ップ3の制御は、エンジン出力トルクと自動変速機1の
油圧との乖離を抑制するための制御であるから、アクセ
ルペダルが急激に踏み込まれた場合のように、エンジン
出力トルクが急激に変化する場合には、アクセル開度の
変化率に応じて定数kの値を大きくすることとしてもよ
い。
【0030】つぎに電子スロットルバルブ4への要求制
御を実行する(ステップ4)。すなわちステップ3で求
めたスロットル開度となるように、エンジン用電子制御
装置6からサーボモータ3に対して信号を出力し、その
サーボモータ3によって電子スロットルバルブ4の開度
を制御する。
【0031】そしてスロットル基本開度と要求開度との
差が、予め設定した値α以下になったか否かを判断する
(ステップ5)。上記のように変速中にアクセルペダル
が踏み込まれると、ステップ3のなまし制御によってス
ロットル開度が遅れて変化するが、アクセルペダルの踏
み込み量が所定量に維持されることにより、実際のスロ
ットル開度すなわち要求開度が、そのアクセル開度に対
応するスロットル基本開度に次第に接近する。その結
果、両者の開度の偏差がある程度まで小さくなれば、な
まし制御を中止して図5に示すスロットル基本開度に復
帰しても、制御の変更に伴うエンジン出力トルクの急激
な変化が生じず、ショックのおそれはない。ステップ5
では、このような状態を判断する。
【0032】したがってスロットル基本開度とステップ
3で求まる要求開度との偏差が設定値αより大きいこと
によりステップ5で否定判断された場合には、このルー
チンを抜け、なまし制御を継続する。これとは反対に上
記の偏差が設定値α以下となってステップ5で肯定判断
された場合には、要求開度の算出を終了する(ステップ
6)。すなわちアクセル開度に対するスロットル開度の
なまし制御を終了する。
【0033】一方、変速中ではないことによりステップ
1で否定判断された場合には、ステップ7に進んで電子
スロットルバルブ4の要求開度の算出を行っているか否
かを判断する。このステップ7で否定判断された場合に
は、このルーチンを抜け、また要求開度の算出を行って
いることによりステップ7で肯定判断された場合には、
その要求開度を達成するように電子スロットルバルブ4
をサーボモータ3によって制御する(ステップ8)。そ
してスロットル基本開度と要求開度との偏差が設定値α
以下か否かを判断し(ステップ9)、否定判断されれば
このルーチンを抜け、また肯定判断された場合には、要
求開度の算出を終了する(ステップ10)。
【0034】上記のなまし制御を、アキュームレータの
付設された摩擦係合装置を係合させて変速を実行する場
合に実施した例におけるアクセル開度、スロットル開
度、係合圧、出力トルクの変化を模式的に示せば、図2
のとおりである。なお、図2には上記のなまし制御を実
行しない従来例を併せて示してある。図2の(A)がこ
の発明によるなまし制御を実行した例であり、変速途中
のt0 時点にアクセルペダルが踏み増しされた場合、上
記のな増し制御が実施されることにより、スロットル開
度の変化(増大)が抑制される。またこれと併せて、ア
クセル開度が増大することにより自動変速機1のライン
圧が、通常の制御によって昇圧させられる。したがって
自動変速機1への入力トルクと油圧とがバランスし、ア
キュームレータの作動領域中に変速が完了する。
【0035】これに対して図2の(B)に示すように、
なまし制御を実行しない場合には、スロットル開度がア
クセル開度の増大に併せて増大し、摩擦係合装置の油圧
に対して入力トルクが大きくなるので、アキュームレー
タの作動領域中に変速が完了しない。その結果、アキュ
ームレータのピストンがストロークエンドまで移動し、
その時点で係合圧が急激に増大し、これが出力トルクの
一時的な増大として現れ、ショックが生じる。
【0036】なお、上記のこの発明を具体化した説明で
は、電子スロットルバルブによってエンジンの出力を制
御する車両を例に採ったが、この発明は、上記の例に限
定されないのであって、アクセルペダルに連動するメイ
ンスロットルバルブの上流側に設けたサブスロットルバ
ルブを制御して出力を増減するエンジンを対象として実
施することもできる。またこの発明は、エンジン以外に
モータあるいはモータジェネレータを動力源とした電気
自動車あるいはエンジンとモータジェネレータとを動力
源としたハイブリット車を対象として実施することがで
きる。さらにこの発明は変速中での入力トルクの変化を
抑制するから、一方の摩擦係合装置を開放すると同時に
他方の摩擦係合装置を係合させるいわゆるクラッチ・ツ
ウ・クラッチ変速の場合に実施すれば、変速の遅れを防
止できると同時に、出力トルクの急変によるショックの
ない変速が可能になる。そしてこの発明におけるなまし
制御の演算式は、上述した式に限定されず、必要に応じ
て適宜に変更することかできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、変速中にアクセルペダルを踏み込むなどの出力の変
更操作が実行された場合、その操作量に対する出力の変
更制御量をなまし制御によって制限するようにしたの
で、自動変速機における摩擦係合装置の係合油圧とその
摩擦係合装置に作用するトルクとがバランスし、アクセ
ルペダルを踏み込むなどの出力の増大操作を行っても、
変速時間が長くなったり、あるいはアキュームレータの
いわゆるエンド当たりによってショックが発生したりす
ることを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による制御例を説明するた
めのフローチャートである。
【図2】図1に示す制御を実行した場合のアクセル開
度、スロットル開度、係合圧、出力トルクの変化を模式
的に示す線図である。
【図3】この発明に係る車両の全体的な制御系統を示す
ブロック図である。
【図4】アクセル開度とスロットル基本開度との関係を
示す線図である。
【図5】この発明で対象とする自動変速機のギヤトレー
ンの一例を示すスケルトン図である。
【図6】その自動変速機の各変速段を設定するための摩
擦係合装置の係合作動表を示す図表である。
【符号の説明】
1 自動変速機 2 エンジン 3 サーボモータ 4 電子スロットルバルブ 6 エンジン用電子制御装置 7 油圧制御装置 8 自動変速機用電子制御装置
フロントページの続き (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 東山 康彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 友松 秀夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦係合装置の係合・解放を油圧によっ
    て制御することにより走行状態に基づいた変速を実行す
    る自動変速機と、その自動変速機が連結された動力源
    と、その動力源の出力の増減を操作する出力操作機構
    と、その出力操作機構の操作量に対する前記動力源の出
    力を変更可能な出力制御機構とを備えた自動変速機付車
    両の出力制御装置において、 前記自動変速機での変速が実行されていることを検出す
    る変速検出手段と、 変速中に前記出力操作機構による出力変更操作が行われ
    た場合に、前記出力操作機構の操作量に対する前記出力
    制御機構による前記動力源の出力制御量をなまし制御す
    る手段とを備えていることを特徴とする自動変速機付車
    両の出力制御装置。
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