JPWO2010074246A1 - 予備発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、電気絶縁性が高いゆえに、摩擦によって容易に帯電するため、その外観は、ほこりの付着によって見劣りするという問題があった。また、発泡成形体からなる包装材は、包装された内容物に集塵による汚染や静電破壊を生じさせるという問題があった。
上記方法による発泡性樹脂粒子でも帯電防止性の十分な発泡成形体を得ることができる。しかし、例えば、電子部品の梱包材等の用途では、更なる帯電防止性の改善、特に1つの発泡成形体中の複数の部位の帯電防止性のばらつきを抑制することが望まれていた。また、上記方法を高倍の発泡体に用いると、良好な帯電防止性能を得にくいという問題があった。
前記発泡性樹脂粒子100重量部を、消泡剤の存在下で、0.1〜2.0重量部の第2の帯電防止剤と接触させた後、予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程を含み、
前記第2の帯電防止剤と前記消泡剤とが、1:0.04〜1.50の重量比で使用される予備発泡粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記方法により得られた予備発泡粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記予備発泡粒子を型内成形した発泡成形体が提供される。
第1の帯電防止剤が、非イオン系界面活性剤であり、第2の帯電防止剤が、カチオン系界面活性剤である場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
消泡剤が、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルである場合、第2の帯電防止剤の使用による泡立ちを抑制できると共に、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
発泡性樹脂粒子を得る工程が、
(1)密閉耐圧容器内でポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を流動させるか、又は
(2)密閉耐圧容器内でポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を水性媒体に懸濁させ、
次いで流動又は懸濁させたポリスチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させる工程である場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
予備発泡粒子を得る工程が、発泡性樹脂粒子を、消泡剤の存在下で、液状の第2の帯電防止剤又は第2の帯電防止剤の溶液と接触させた後、予備発泡させる工程である場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
揮発性発泡剤が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタンから選択される場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
揮発性発泡剤が、発泡性樹脂粒子中に、6〜12重量%の割合で含まれる場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
ポリスチレン系樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部との複合樹脂粒子からなる場合、更に良好な帯電防止性を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明では、発泡性樹脂粒子の製造工程で第1の帯電防止剤が、予備発泡粒子の製造工程で第2の帯電防止剤と消泡剤が使用される。第1の帯電防止剤、第2の帯電防止剤及び消泡剤は、下記するが種々の剤を使用でき、所望の帯電防止性能に応じて使用する剤を適宜組み合わせることができる。例えば、第1の帯電防止剤及び第2の帯電防止剤の限定されない一例として、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、消泡剤の限定されない一例として非イオン系界面活性剤が挙げられる。ここで、第2の帯電防止剤と消泡剤の両方に非イオン系界面活性剤が例示されているが、前者は帯電防止性に優れた剤が選択され、後者は消泡性に優れた剤が選択されるため、両者に同じ剤が使用されることはない。
(1)まず、ポリスチレン系樹脂粒子に、特定量の第1の帯電防止剤の存在下で、揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る。
本発明におけるポリスチレン系樹脂粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリスチレンとポリエチレンもしくはポリプロピレンの架橋樹脂等からなる粒子が挙げられる。これらの樹脂は混合されていてもよく、ポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を混合してもよい。他の樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合樹脂(複合樹脂)が好ましく、ポリエチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂との複合樹脂がより好ましい。
ここで、複合樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂粒子が分散保持された水性媒体中にスチレン系モノマーを加えて重合させることで得られる。複合樹脂粒子の製造方法を以下で説明する。
また、連鎖移動剤としては、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
ラジカル捕捉剤の使用量としては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量部であることが好ましい。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。スチレン系モノマーには、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジイソブチルアジペート等の溶剤(可塑剤)を添加してもよい。
好ましいスチレン系モノマーの使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して120〜560重量部である。より好ましくは140〜450重量部、更に好ましくは150〜400重量部である。
含有割合を0〜35重量%に維持するために、スチレン系モノマーを重合容器内の水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加できる。特に、スチレン系モノマーを水性媒体中に徐々に添加していくのが好ましい。
(a)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内に供給する方法、
(b)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内に同時に供給する方法、
(c)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用割合は、通常スチレン系モノマーの使用総量の0.02〜2.0重量%であることが好ましい。
上記水溶性のラジカル重合禁止剤の使用量としては、水性媒体の水100重量部に対して0.001〜0.04重量部が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
第2の帯電防止剤としては、特に限定されず、公知の界面活性剤を帯電防止剤としていずれも使用できる。具体的な界面活性剤としては、アルキルモノエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、ポリアルキレングリコール誘導体等の非イオン系界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。なお、界面活性剤の種類により異なるが、全炭素数が5〜20個の範囲の界面活性剤を帯電防止剤として使用することが好ましい。これらの界面活性剤は2種以上を用いてもよい。
第2の帯電防止剤は、発泡性樹脂粒子に対して所定の重量部を含む溶液状又は液状で発泡性樹脂粒子と接触させることができる。溶液状とは、固体又は液体の帯電防止剤を水性媒体又は有機溶剤中に溶解又は分散させた状態を意味し、液状とは、帯電防止剤自身が液体であることを意味する。
第2の帯電防止剤と発泡性樹脂粒子との接触は、30〜90℃の雰囲気温度下で、5〜90秒間行うことが好ましい。これら温度及び時間の範囲外では、帯電防止性の不足や、生産性の低下、発泡性複合樹脂粒子等のべとつきが生じることがある。なお、帯電防止剤の接触は、必要に応じて加圧下で行ってもよい。
予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍(嵩密度0.016〜0.2g/cm3)を有していることが好ましい。より好ましい嵩倍数は10〜55倍である。嵩倍数が60倍より大きいと、発泡粒子の独立気泡率が低下して、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の強度が低下することがある。一方、5倍より小さいと、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の重量が増加することがある。
消泡剤は、第2の帯電防止剤に混合して使用してもよく、予め発泡性樹脂粒子と混合していてもよい。この内、前者が簡便である。
上記予備発泡粒子を成形機の型内に充填し、加熱して二次発泡させ、予備発泡粒子同士を融着一体化させることによって所望形状を有する発泡成形体を得ることができる。上記成形機としては、当該技術分野で用いられるEPS成形機等を用いることができる。
得られた発泡成形体は、良好な帯電防止性を有する。そのため、発泡成形体は、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器(梱包材)等の用途に使用できる。また、車輛用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材としても使用できる。
<予備発泡粒子の嵩倍数>
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れる。これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取る。式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定する。式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に記載の方法により測定する。即ち、試験装置(アドバンテスト社製デジタル長高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試料サンプルに、約30Nの荷重で電極を圧着させ、500V1分間充電後の抵抗値を測定する。測定値から次式より表面抵抗率を算出する。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面抵抗率(MΩ)
D:表面の環状電極の内径(cm)
d:表面電極の内円の外形(cm)
Rs:表面抵抗(MΩ)
試料サンプルは、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有し、同一の発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、20℃、湿度65%の環境下に24時間程度保存した後、10個の試料サンプルの抵抗値を測定する。平均表面抵抗率は、10個の表面抵抗率の平均値である。
10個の表面抵抗率をそれぞれ対数(log10)で返し、得られた対数を用いて標準偏差を得る。
<帯電防止性の評価>
平均表面抵抗率が1011未満かつ標準偏差が1.0以下の場合、その発泡成形体は優れた帯電防止性を有する良品(○)であると評価する。
得られた発泡成形体表面を純水にて直径1cmの蛇口より毎秒100mlの水量で1分間水洗し、その後、発泡成形体表面の付着水分をタオルペーパーで除去する。この後、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有する試料サンプルを、同一発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、温度20℃、湿度65%の環境下にて24時間以上保存した後に表面抵抗率測定を行い、平均表面抵抗率を求める。
(樹脂粒子の製造)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ポリエチレン社製LV−211、メルトフローレート0.3g/10分、酢酸ビニル含量6.2重量%)100重量部に、気泡調整剤としての珪酸カルシウム0.3重量部とステアリン酸カルシウム0.1重量部とを加えて、押出機にて均一に混練し、水中カット方式により造粒ペレットを得た(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。
内容積100リットルの攪拌機付き耐圧容器に、上記ペレット40重量部、純水120重量部、ピロリン酸マグネシウム0.45重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.02重量部を加え、攪拌して純水中に懸濁させた。
次いで、この懸濁液に、ラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.03重量部を20重量部のスチレンモノマーに溶解させた混合液を30分かけて滴下した。滴下後30分間保持した後、反応系の温度を135℃まで上昇させ、2時間保持した後、常温まで冷却した。
内容積100リットルの攪拌機付き耐圧容器に、樹脂粒子100重量部、第1の帯電防止剤として、非水溶性のアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201:N−ヒドロキシエチルラウリルアミン)0.3重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04重量部、水100重量部とを投入し、密閉し攪拌しながら60℃まで昇温した。60℃の昇温を確認後、発泡剤としてイソペンタンを13重量部添加し、60℃で3時間半保持した後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。
上記発泡性樹脂粒子100重量部をバッチ式発泡機(積水工機製作所社製SKK−70)に投入し、第2の帯電防止剤としての脂肪族第4級アンモニウム塩(第一工業製薬社製カチオーゲンES−OW:脂肪族基の炭素数は約6〜10)0.36重量部と、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール(第一工業製薬社製エパン710)0.04重量部とからなる混合液を攪拌下に添加した。30秒保持した後、ゲージ圧約0.05MPaの設定でスチームを導入しつつ、加熱を開始し、嵩倍数約40倍の予備発泡粒子を得た。第2の帯電防止剤及び消泡剤からなる混合液の添加位置は、バッチ式発泡機の上面(投入した発泡性樹脂粒子の上面の約80cm上部)とした。ゲージ圧は、大気圧を基準とする圧力を意味する。
得られた予備発泡粒子を、400mm(長さ)×300mm(幅)×30mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、ゲージ圧0.06MPaの水蒸気を25秒間導入して加熱し、120秒間冷却することで、倍数約40倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体を40℃の乾燥室で、8時間程度乾燥させた。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.06重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのアルキルモノエタノールアミンの添加量を0.6重量部とし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、第2の帯電防止剤としての脂肪族第4級アンモニウム塩の添加量を0.38重量部、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、第2の帯電防止剤としての脂肪族第4級アンモニウム塩の添加量を1.24重量部、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールの添加量を0.16重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、消泡剤をポリオキシアルキレンアルキルエーテル(第一工業製薬社製DKS NL−Dash400)とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてポリオキシエチレンアルキルアミン(日油社製エレガンS−100)を用いること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、第2の帯電防止剤として脂肪族第4級アンモニウム塩の添加量を0.27重量部、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールの添加量を0.13重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、第2の帯電防止剤として脂肪族第4級アンモニウム塩の添加量を0.20重量部、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールの添加量を0.20重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
予備発泡工程において、第2の帯電防止剤としての脂肪族第4級アンモニウム塩の添加量を0.399重量部、消泡剤としてのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールの添加量を0.001重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得ようとしたが、泡立ちが激しく予備発泡できなかった。
比較例2
予備発泡工程において、消泡剤をシリコーン液体(信越化学工業社製KS−512)とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得ようとしたが、シリコーン液体を第2の帯電防止剤の溶液に混合することができないため、予備発泡できなかった。
予備発泡工程において、消泡剤をシリコーンエマルジョン溶液(信越化学工業社製KM−73)とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
比較例4
予備発泡工程において、消泡剤を使用せず、第2の帯電防止剤としてポリオキシエチレンアルキルアミン(日油社製エレガンS−100:オキシエチレン単位の繰り返し数約1〜4:アルキルの炭素数は約10〜14)を0.6重量部使用すること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例及び比較例2〜4から、特定の種類の消泡剤を使用することで、良好な帯電防止性を有する発泡成形体が得られることが分かる。
更に、実施例では、水洗後も帯電防止性が持続していることが分かる。
Claims (10)
- ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に、0.1〜2.0重量部の第1の帯電防止剤の存在下で、揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る工程、
前記発泡性樹脂粒子100重量部を、消泡剤の存在下で、0.1〜2.0重量部の第2の帯電防止剤と接触させた後、予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程を含み、
前記第2の帯電防止剤と前記消泡剤とが、1:0.04〜1.50の重量比で使用される予備発泡粒子の製造方法。 - 前記第1の帯電防止剤が、非イオン系界面活性剤であり、前記第2の帯電防止剤が、カチオン系界面活性剤である請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記消泡剤が、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルである請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記発泡性樹脂粒子を得る工程が、
(1)密閉耐圧容器内で前記ポリスチレン系樹脂粒子と前記第1の帯電防止剤を流動させるか、又は
(2)密閉耐圧容器内で前記ポリスチレン系樹脂粒子と前記第1の帯電防止剤を水性媒体に懸濁させ、
次いで流動又は懸濁させたポリスチレン系樹脂粒子に前記揮発性発泡剤を含浸させる工程である請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。 - 前記予備発泡粒子を得る工程が、前記発泡性樹脂粒子を、前記消泡剤の存在下で、液状の前記第2の帯電防止剤又は前記第2の帯電防止剤の溶液と接触させた後、予備発泡させる工程である請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記揮発性発泡剤が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタンから選択される請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記揮発性発泡剤が、前記発泡性樹脂粒子中に、6〜12重量%の割合で含まれる請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100重量部とポリスチレン系樹脂120〜560重量部との複合樹脂粒子である請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の方法により得られた予備発泡粒子。
- 請求項9に記載の予備発泡粒子を型内成形した発泡成形体。
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