JPWO2010073646A1 - カテーテル - Google Patents
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Abstract
Description
押し/引きワイヤは、ガイドワイヤを挿通する主管腔よりも小径のワイヤ管腔に貫通されており、これを引っ張ることでワイヤ管腔側にカテーテルの遠位端が屈曲し、押し込むことで逆側に屈曲するとされている。
第一には、押し/引きワイヤをカテーテルに押し込んだ場合に、カテーテルの遠位端はワイヤ管腔と逆側には必ずしも屈曲しないことである。すなわち、押し/引きワイヤを引っ張った場合にはカテーテルの遠位端がワイヤ管腔側に屈曲することが予想されるものの、押し/引きワイヤを押し込んだ場合には、遠位端はもっぱら真っ直ぐ伸張されるに留まり、ワイヤ管腔の逆側には屈曲しない。かりに押し/引きワイヤの押し込みによってワイヤ管腔と逆側に遠位端が屈曲するとしても、かかる屈曲は僅かであって、ワイヤの引っ張りと押し込みとでそれぞれ得られる屈曲量は非対称である。したがって、上記発明ではカテーテルの進行方向の調整能力を十分に得ることが困難である。
第二には、上記発明の押し/引きワイヤは、これを押し込んだ場合にカテーテルの遠位端を屈曲させることができる程度に高い剛性を有している。したがって、操作者の押し込み操作によって過度の押し込み力が遠位端に生じた場合には、押し/引きワイヤがカテーテルの遠位端を突き破って体腔内に突出する恐れがある。
また、前記操作線がそれぞれ挿通された2つの前記サブルーメンが前記メインルーメンの周囲に対向して配置されていてもよい。
また、前記操作線を牽引して前記カテーテルの遠位端部を屈曲させる操作部が、前記カテーテルの近位端部に設けられていてもよい。
また、前記操作線は前記カテーテルの前記遠位端部における中間位置に固定されており、前記遠位端部には、前記操作線よりも先端側にシェイピング部が設けられていてもよい。
また、前記遠位端部における先端と前記中間位置とに、放射線不透過材料からなるマーカー部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記シェイピング部が二次元的または三次元的な屈曲形状をなしていてもよい。
また、前記カテーテルの遠位端部が屈曲形状をなし、一の前記操作線が屈曲方向の内側に設けられ、他の前記操作線が屈曲方向の外側に設けられていてもよい。
また、前記カテーテルの近位端側から遠位端側にかけて、前記カテーテルの可撓性が複数段階に増大していてもよい。
図2は、図1のII-II断面図(横断面図)である。
図3は、本実施形態のカテーテル10の動作を説明する側面図である。同図(a)は自然状態のカテーテル10を示す縦断面模式図であり、同図(b)は操作線40を僅かに牽引した状態のカテーテル10を示す縦断面模式図であり、同図(c)は操作線40をさらに牽引した状態のカテーテル10を示す縦断面模式図である。同図では、本実施形態のカテーテル10における3本の操作線40のうち、1本のみを図示している。
本実施形態のカテーテル10は、メインルーメン20と、メインルーメン20よりも小径のサブルーメン30と、を備えている。
そして、カテーテル10は、複数のサブルーメン30がメインルーメン20の周方向に分散して配置されているとともに、カテーテル10の遠位端部15に固定された操作線40が、複数のサブルーメン30にそれぞれ摺動可能に挿通されている。
本実施形態のカテーテル10において、操作線40の近位端41を牽引した場合には、カテーテル10の遠位端部15に引張力が与えられて、当該操作線40が挿通されたサブルーメン30の側に遠位端部15が屈曲する。
一方、操作線40の近位端41をカテーテル10に対して押し込んだ場合には、当該操作線40からカテーテル10の遠位端部15に対して押込力が実質的に与えられることはない。
また、カテーテル10が屈曲するとは、カテーテル10の一部または全部が、湾曲または折れ曲がって曲がることをいう。本発明では屈曲と湾曲とを区別しない。すなわち、曲率半径の大小によらず本発明では屈曲という場合がある。
そして、カテーテル10は、操作線40がそれぞれ挿通されたサブルーメン30が、外層60の内部であってブレード層50の外側に形成されている。
サブルーメン30はカテーテル10の長手方向(図1、3における左右方向)に沿って設けられ、少なくともカテーテル10の近位端部19が開口している。操作線40の近位端41は近位端部19から基端側に突出している。
そして、本実施形態のようにサブルーメン30をブレード層50の外部に設けることにより、摺動する操作線40に対して、ブレード層50の内部、すなわちメインルーメン20が保護される。このため、かりに操作線40がカテーテル10の遠位端部15から外れたとしても、操作線40がメインルーメン20の周壁を開裂してしまうことがない。
カテーテル10の遠位端部15には、X線等の放射線が不透過な材料からなるリング状のマーカー部材66が設けられている。具体的には、マーカー部材66には白金などの金属材料を用いることができる。本実施形態のマーカー部材66は、メインルーメン20の周囲であって外層60の内部に設けられている。
内層21にフッ素系樹脂を用いることにより、カテーテル10のメインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
ワイヤ52の断面形状は特に限定されず、丸線でも平線でもよい。
一方、予め成形されたシース16のサブルーメン30に対して操作線40を挿通する場合など、操作線40に耐熱性が求められない場合は、上記各材料に加えて、PVDF、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエステルなどを使用することもできる。
本実施形態のカテーテル10においては、操作線40の近位端41を基端側(図3における右方)に牽引した場合には、マーカー部材66を介してカテーテル10の遠位端部15に引張力が与えられて、当該操作線40が挿通されたサブルーメン30の側に遠位端部15が屈曲する。
カテーテル10を、サブルーメン30同士の中間方向に向かって屈曲させる場合は、当該方向を挟む2つのサブルーメン30に挿通された2本の操作線40を共に牽引すればよい。
すなわち、図3(a)に示すように、カテーテル10は長手方向に沿って遠位端部15、中間部17および近位端部19に区画されており、近位端部19よりも中間部17において可撓性が高く、さらに中間部17よりも遠位端部15において可撓性が高くなっている。
ここで、カテーテル10の可撓性とは、径方向に単位荷重を付与した場合の曲がりやすさをいう。
また、図3(c)に示すように、操作線40の牽引量を増加させた場合には、遠位端部15に加えて中間部17を屈曲させることができる。
一方、カテーテル10の自重に起因する曲げモーメントがもっとも負荷される近位端部19をリジッドとすることにより、カテーテル10のコシを強くし、形態安定性を保つことができる。
具体的には、近位端部19において、近位端PEに向かって硬度を連続的に増大させている。
これにより、図3(c)に示すようにカテーテル10を大きく屈曲させる際に、近位端部19の剛性に拘束されて中間部17の変形が阻害されることがない。言い換えると、本実施形態によれば、カテーテル10の近位端PE近傍における耐モーメント性を維持しつつ、中間部17を十分に屈曲変形させることができる。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは100〜150μm程度、ブレード層50の厚さは20〜30μmとすることができる。そして、カテーテル10の軸心からサブルーメン30の中心までの半径は300〜350μm程度、サブルーメン30の内径は40〜100μmとし、操作線40の太さを30〜60μmとすることができる。そして、カテーテル10の最外径を350〜450μm程度とすることができる。
すなわち、本実施形態のカテーテル10の外径は直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管、および肝動脈枝や内頚動脈枝などの末梢血管に挿通可能である。また、本実施形態のカテーテル10に関しては、操作線40の牽引により進行方向が自在に操作されるため、たとえば分岐する血管内においても所望の方向にカテーテル10を進入させることが可能である。
同図(a)は、血管100内に挿通されたカテーテル10の遠位端DEが、血管100の分岐部101に至った状態を示している。
ここで、分岐部101より血管枝103に向かって、図中の矢印の示す方向Xにカテーテル10を進行させることを試みる。そこで、同図(a)に示すように、カテーテル10における3本の操作線40のうちの1本または2本を牽引して、遠位端部15を方向Xに屈曲させたとする。
そこで、本実施形態のカテーテル10では、同図(c)に示すように、操作線40の近位端41をさらに牽引することにより、遠位端部15のみならず中間部17をも方向Xに向かって湾曲させることができる。
そして、カテーテル10の遠位端DEを血管枝103に十分な深さで進入させることにより、中間部17および近位端部19はこれに追随して血管枝103に進入していく。そして、中間部17や近位端部19は、遠位端部15よりも大きな曲げ剛性を有している。したがって、かりに中間部17や近位端部19がコーナー部102に接触したとしても、もはやカテーテル10が折れ曲がって主管104に進入することはない。
以上より、分岐のある血管や末梢血管に対しても、本実施形態のカテーテル10を所望の方向に進入させることができる。
図5は、第二実施形態にかかるカテーテル10の縦断面模式図である。
そして、カテーテル10は、操作線40がそれぞれ挿通されたサブルーメン30が、内層21の内部に形成されている。
本実施形態のカテーテル10においては、操作線40(40a、40b)がそれぞれ挿通された2つのサブルーメン30(30a、30b)が、メインルーメン20の周囲に対向して配置されている。
たとえば、図6においてカテーテル10の遠位端部15を図中右方に屈曲させる場合、操作線40aを牽引して遠位端部15を図中上方に屈曲させた状態で、カテーテル10の全体を同図にて時計回りに90度だけトルク回転させればよい。または、操作線40bを牽引して遠位端部15を図中下方に屈曲させた状態で、カテーテル10の全体を同図にて反時計回りに90度だけトルク回転させてもよい。
本実施形態の操作線40a、40bの軟化点温度(溶融温度)は、シース16の軟化点温度よりも高い。そして、シース16の遠位端部15をシェイピングするにあたっては、シース16の軟化点温度以上、かつ操作線40a、40bの軟化点温度(溶融温度)未満の温度にシース16の先端を加熱して、所望の方向にシース16を屈曲させ、その後に冷却するとよい。
本実施形態のカテーテル10は、操作線40(40a、40b)がカテーテル10の遠位端部15における中間位置12に固定されている。そして、カテーテル10の遠位端部15には、操作線40よりも先端(遠位端DE)側にシェイピング部11が設けられている。
マーカー部材67は、操作線40の固定端42の近傍に設けられている。操作線40の固定端42はマーカー部材67に連結されていてもよく、または僅かに離間していてもよい。言い換えると、マーカー部材67はシェイピング部11と能動部13との境界領域に設けられている。
本実施形態のカテーテル10では、シェイピング部11を3〜10mm、能動部13を10〜20mm、中間部17を20mm以上の軸長とするとよい。
このため、主管104から第一の血管枝103を経由して第二の血管枝105にカテーテル10を進入させるためには、カテーテル10を略S字状に屈曲させる必要がある。
これにより、様々な角度で分岐する血管枝103、105に対して選択的にカテーテル10を押し込んでいくことができる。
ここで、操作線40を牽引して能動部13の先端(マーカー部材67)を所定の血管枝に志向させたとしてもシェイピング部11にはこの牽引力が作用しないため、シェイピング部11はその可撓性により自由に曲げ変形することができる。このため、ループ状の血管に対応してシェイピング部11のループ部14が柔軟に追随し、当該血管に過大な負担を与えることなくカテーテル10を挿入することが可能である。
Claims (13)
- メインルーメンと、前記メインルーメンよりも小径のサブルーメンと、を備えるカテーテルであって、
複数の前記サブルーメンが前記メインルーメンの周方向に分散して配置されているとともに、
前記カテーテルの遠位端部に固定された操作線が、複数の前記サブルーメンにそれぞれ摺動可能に挿通されていることを特徴とするカテーテル。 - 前記操作線の近位端を牽引した場合には、前記カテーテルの遠位端部に引張力が与えられて、当該操作線が挿通された前記サブルーメンの側に前記遠位端部が屈曲し、
前記操作線の近位端を前記カテーテルに対して押し込んだ場合には、当該操作線から前記カテーテルの遠位端部に対して押込力が実質的に与えられない
ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。 - 前記操作線がそれぞれ挿通された3つ以上の前記サブルーメンが前記メインルーメンの周方向に分散して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテル。
- 前記操作線がそれぞれ挿通された2つの前記サブルーメンが前記メインルーメンの周囲に対向して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテル。
- 前記操作線を牽引して前記カテーテルの遠位端部を屈曲させる操作部が、前記カテーテルの近位端部に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカテーテル。
- 前記操作線は前記カテーテルの前記遠位端部における中間位置に固定されており、
前記遠位端部には、前記操作線よりも先端側にシェイピング部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。 - 前記遠位端部における先端と前記中間位置とに、放射線不透過材料からなるマーカー部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項6に記載のカテーテル。
- 前記シェイピング部が二次元的または三次元的な屈曲形状をなしている請求項6または7に記載のカテーテル。
- 前記カテーテルの前記遠位端部が屈曲形状をなし、
一の前記操作線が屈曲方向の内側に設けられ、他の前記操作線が屈曲方向の外側に設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のカテーテル。 - 前記カテーテルの近位端側から遠位端側にかけて、前記カテーテルの可撓性が複数段階に増大していることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のカテーテル。
- 前記カテーテルの少なくとも一部長さ領域において、前記カテーテルの可撓性が、前記カテーテルの近位端側から遠位端側にかけて連続的に増大していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のカテーテル。
- 樹脂材料からなり前記メインルーメンが内部に形成された管状の内層と、前記内層の周囲にワイヤを編成してなるブレード層と、前記内層と同種または異種の樹脂材料からなり前記内層の周囲に形成されて前記ブレード層を内包する外層と、を有する請求項1から11のいずれかに記載のカテーテルであって、
前記操作線がそれぞれ挿通された前記サブルーメンが、前記内層の内部に形成されていることを特徴とするカテーテル。 - 樹脂材料からなり前記メインルーメンが内部に形成された管状の内層と、前記内層の周囲にワイヤを編成してなるブレード層と、前記内層と同種または異種の樹脂材料からなり前記内層の周囲に形成されて前記ブレード層を内包する外層と、を有する請求項1から11のいずれかに記載のカテーテルであって、
前記操作線がそれぞれ挿通された前記サブルーメンが、前記外層の内部であって前記ブレード層の外側に形成されていることを特徴とするカテーテル。
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