JPWO2010041739A1 - 光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体及び光学活性ビニルシクプロパンアミノ酸誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体及び光学活性ビニルシクプロパンアミノ酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本願発明は、安価に入手し易く安全な原料を用いて、高収率及び高光学純度にて光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を得る方法を提供することを課題とする。更には高光学純度のビニルシクロプロパンアミノ酸を安価且つ安全に得られる方法を提供することを課題とする。これらの課題は、ラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体に光学活性アミンを作用させ、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩とする工程を含む方法で光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を得ることにより、解決される。また、このようにして得られた光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩を、ビニルシクロプロパンアミノ酸へと誘導することにより、ビニルシクロプロパンアミノ酸を得ることができる。

Description

本発明は医薬品、特にC型肝炎薬中間体として有用な光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体及び光学活性ビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体の製造方法に関する。
光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体の製造方法としては、
1)マロン酸ジエステルと1,4−ジブロモ−2−ブテンとの反応によりラセミ体のビニルシクロプロパンマロン酸ジエステルを合成した後、これをリパーゼにより分割する方法(非特許文献1)
2)ラセミ体のビニルシクロプロパンジカルボン酸を光学活性アミンと反応させ、ジアステレオマー塩とすることで光学分割を行う方法(特許文献1)
等が知られている。
しかしながら、1)の方法においては、酵素分割の際の選択性が低く、また反応活性も低いため、大量の酵素を使用しなければならない。さらには豚由来の酵素を必要とするなど、工業的な製法として好ましくない。また2)の方法は、ビニルシクロプロパンジカルボン酸が水溶性の高い化合物であるため、抽出操作時に多量の有機溶媒を必要とし、生産性が低いという問題がある。また、ラセミ体のビニルシクロプロパンジカルボン酸を光学分割する際の分割効率が78%ee以下と低く、一般に光学純度の高い品質が要求される医薬品中間体規格を満たすために後工程の精製負荷が高くなるという問題点を有している。
またアミン分割剤として、アミノ酸誘導体やアミノアルコール誘導体を用いているが、この合成が繁雑で非効率である。さらにはこれら分割剤の原料となるアミノ酸類の中で、天然型の立体配置を有する化合物は比較的入手し易いものの、反対の立体配置を有する化合物の入手は困難で、且つ高価であるため、所望するビニルシクロプロパンジカルボン酸の立体によっては分割剤の製造コストが非常に高くなるという欠点を有していた。
また、ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を使用し、これをビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体へと変換する方法としては、Curtius転位を用いる方法が知られているが、本反応は爆発の危険を伴うアジド化合物を用いなければならず、また、反応中に発生する窒素量のコントロールが困難であるため、工業生産には適していない(特許文献1、非特許文献1)。
WO2007/088571
Synthetic Communications, 1994, 24, 2873
本発明の課題は、高光学純度の光学活性なビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を安価且つ安全に取得する方法を提供することにある。更には、高光学純度のビニルシクロプロパンアミノ酸を安価且つ安全に提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行った結果、容易に合成可能なラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を用いて、効率よく分割を行うことにより、光学活性なビニルシクロプロパンカルボン酸類を効率よく合成することができる方法を見出した。
即ち、本発明は、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体の製造方法であって、一般式(1):
Figure 2010041739
(式中、RはNH2、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールオキシ基、又は炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキルオキシ基を表す。Mは水素又は金属を表す。*1、*2は不斉炭素を表す。)で表されるラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体に、光学活性アミン類を反応させて、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩とする工程を含むことを特徴とする方法に関する。
また、本発明は、一般式(3):
Figure 2010041739
(式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R2は炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は水素を表す。Arは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基を表す。R、*1、*2、は前記に同じ。*3は不斉炭素を表す。)で表される光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩に関する。
さらに、本発明者らは、ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を使用し、ビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体へと変換する方法について鋭意検討を行った結果、工業生産に適さないCurtius転位を使用することなく、目的化合物が得られることを見出した。
即ち本発明は、一般式(6):
Figure 2010041739
(式中、*6、*7は不斉炭素を表す。)で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸の製造方法であって、一般式(5):
Figure 2010041739
(式中、R5は水素、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、炭素数数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は金属を表す。式中、*4、*5は不斉炭素を表す。)で表されるビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体またはその塩を、塩基存在下で、ハロゲン化剤と反応させることを特徴とする方法に関する。
また、本発明は、一般式(4):
Figure 2010041739
(式中、R4は炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数2〜12の置換又は無置換のアシル基、又は水素を表す。*6、*7は不斉炭素を表す。)で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体の製造方法であって、上記の方法により製造したビニルシクロプロパンアミノ酸(6)のアミノ基を保護することを特徴とする方法に関する。
本発明にかかる方法より、安価に高光学純度のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を得ることができる。また、容易かつ安価に高光学純度の光学活性ビニルシクロプロパンアミノ酸を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本願においては、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体とアミンとのジアステレオマー塩を、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩と記載することがある。
まず、一般式(1):
Figure 2010041739
で表されるラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体(以下、化合物(1)とも称する)に光学活性アミン類を反応させて光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩とする工程を含む光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体の製造方法について説明する。
前記式(1)中、Mは水素又は金属を表す。金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。中でも好ましくはナトリウム、カリウム、水素であり、さらに好ましくは水素である。
Mが水素、即ちカルボン酸である場合、アミン塩の形態であっても良い。アミン塩を形成する際に用いられるアミンとしては、特に限定されないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N.N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、N,N,N,N−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン等の第三級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第二級アミン;ブチルアミン、ベンジルアミン、シクロへキシルアミン等の第一級アミンが挙げられる。
前記式(1)中、RはNH2、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールオキシ基、又は炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキルオキシ基を表す。
炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基等が挙げられる。炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキルオキシ基としては例えば、ベンジルオキシ基、p−メトキシベンジルオキシ基等が挙げられる。置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基、ニトロ基、スルホニル基、ハロゲン原子、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。
中でも好ましくは、NH2、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基であり、さらに好ましくはNH2、メトキシ基であり、最も好ましくはNH2である。
前記式(1)中、*1、*2は不斉炭素を表す。*1、*2はいずれも、(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。化合物(1)はラセミ体であるので、(1R,2R)、(1R,2S),(1S,2R)、(1S,2S)の4種の光学異性体が均等に混入していて良いし、(1R,2R)、(1S,2S)の鏡像体が過剰であっても良いし、(1R,2S),(1S,2R)の鏡像体が過剰であっても良い。中でも医薬品中間体として有用な(1R,2R)、(1S,2S)の鏡像体が過剰である場合が好ましい。
前記式(1)で表されるラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体の合成方法としては、例えば、Rがアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基のものについては、ラセミ体のビニルシクロプロパンマロン酸ジエステルを加水分解する方法があり、これにより、簡便且つ、高収率に当該化合物を合成することができる。
また、ラセミ体のビニルシクロプロパンマロン酸ジエステルを例えばSynthetic Communications, 1994, 24, 1477に従いアンモニアを用いてアミド化したのち、続いて加水分解することで、RがNH2基のものを、簡便且つ、高収率にて合成することができる。
また、ラセミ体のビニルシクロプロパンマロン酸ジエステルは、例えばJournal of Organic Chemistry, 2004, 69, 2427に従いマロン酸ジエステルを塩基存在下、1,4−ジハロ−2−ブテンを反応させることで、簡便且つ高収率にて合成することができる。
用いる光学活性アミンとしては、例えば一般式(2):
Figure 2010041739
で表される光学活性1−アリールエチルアミン誘導体の他、シンコニジン、シンコニン、キニン、キニジン等の天然物由来の光学活性アミン誘導体;リジン、プロリンアミド誘導体、プロリンベンジルエステル、アラニノール、フェニルグリシノール等のアミノ酸誘導体;2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、2−アミノ−1,2−ジフェニルアミン等が挙げられる。中でも、(R)−体、(S)−体の両立体ともに工業的に大量に入手可能であることから、好ましくは前記式(2)で表される光学活性1−アリールエチルアミン誘導体である。
前記式(2)中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。炭素数1〜3のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。中でも、安価に入手できる点から、好ましくはメチル基である。
前記式(2)中、Rは炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は水素を表す。置換基としては、Rにおいて記載したものと同様のものが挙げられる。
炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、o−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、3,5−ジクロロベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、2,3−ジメチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−ヒドロキシベンジル基等が挙げられる。
中でも好ましくはベンジル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、2,3−ジメチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、3,5−ジクロロベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、水素であり、さらに好ましくはベンジル基、o−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、水素である。
前記式(2)中、Arは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基を表す。置換基としては、Rにおいて記載したものと同様のものが挙げられる。
炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基としては例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−ブロモフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−ブロモフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−ヒドロキシフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。中でも、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。さらに好ましくはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基である。
これらR、R、Arの組み合わせの中で好ましくは、Rがメチル基であり、且つRがベンジル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、2,3−ジメチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、3,5−ジクロロベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、水素のいずれかであり、且つArがフェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基のいずれかである組み合わせである。
さらに好ましくはRがメチル基であり、且つRがベンジル基、o−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、水素のいずれかであり、且つArがフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基のいずれかである組み合わせである。
最も好ましくは
がメチル基、Rがベンジル基、Arがフェニル基の組み合わせ、
がメチル基、Rがp−クロロベンジル基、Arがフェニル基の組み合わせ、
がメチル基、Rがm−クロロベンジル基、Arがフェニル基の組み合わせ、
がメチル基、Rがo−クロロベンジル基、Arがフェニル基の組み合わせ、
がメチル基、Rが水素、Arがフェニル基の組み合わせ、
がメチル基、Rが水素、Arが1−ナフチル基の組み合わせ、
である。
前記式(2)中、*3は不斉炭素を表す。*3は(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。
用いる光学活性アミンとしては、遊離アミンの形態であっても良いし、アミン塩の形態であっても良い。アミン塩の形態としては特に限定されず、例えば、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩等が挙げられる。中でも好ましくは遊離アミンの形態、塩酸塩の形態であり、さらに好ましくは遊離アミンの形態である。
光学活性アミンの使用量は、通常、ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体(1)に対して0.1当量以上使用すればよく、好ましくは0.3〜2.0当量であり、より好ましくは0.3〜1.5当量であり、さらに好ましくは0.4〜1.5当量であり、特に好ましくは0.5〜1.1当量であり、最も好ましくは0.6〜1.0当量である。
反応の際に用いる溶媒としては、特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキシド(DMSO),N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ヘキサメチルベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF),ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒;水などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
中でも、アセトン、トルエン、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、さらに好ましくは、アセトン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、イソプロパノールである。
用いる溶媒の量としては化合物(1)に対して1〜200倍重量であり、好ましくは1〜50倍重量である。
反応温度は、通常、0〜120℃の範囲内で行えばよい。好ましくは10〜100℃の範囲内であり、更に好ましくは10〜80℃の範囲内である。
以上のようにして得られたビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩は、更に結晶化工程に付し、光学分割を行う。
結晶化の際の温度は、通常−50〜70℃の範囲内であり、好ましくは−20〜50℃である。さらに好ましくは−10〜50℃である。
結晶化の際の単位容積当たりの攪拌所要動力として、通常約0.01kW/m以上、好ましくは0.1kW/m以上、より好ましくは0.2kW/m以上の流動が好ましい。上記流動性が得られれば必ずしも攪拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
結晶化の方法としては特に限定されず、どのような方法でも良い。例えば、化合物(1)に適当な溶媒及び光学活性アミンを添加した後、均一溶液となるまで加熱したのち、冷却し、結晶化させる方法でも良いし、化合物(1)を適当な溶媒に溶解もしくは分散させ、これに光学活性アミンを添加し、結晶化させる方法でも良い。また、光学活性アミンを適当な溶媒に溶解または分散させ、これに化合物(1)を添加し、結晶化させる方法でも良い。さらに上述した方法に種晶添加等の操作を適宜組み合わせることができる。
このようにして得られた光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩の結晶は、例えば、遠心分離、加圧ろ過、減圧ろ過等により固液分離、更に、必要に応じてケーキ洗浄を行い、湿体として取得することができる。また、さらに減圧乾燥を行うことで、乾燥晶を取得することができる。
取得した結晶を次工程の反応に用いる場合、乾燥晶として使用しても良いし、湿体のまま用いても良い。
単離した光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩は、解塩処理することで光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体として得ることができる。
解塩処理の方法としては、例えば、酸又は塩基存在下、水及び有機溶媒を用いて抽出操作を行えば良い。光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩を酸存在下、有機溶媒−水混合液を用いて抽出することで、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を有機層側に、光学活性アミンを水層側に分配させ、取得することができる。また、塩基存在下、有機溶媒−水混合液を用いて抽出することで、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体を水層側に、光学活性アミンを有機層側に分配させ、取得することができる。
抽出時に用いる溶媒としては、特に限定されず、反応溶媒として前述した溶媒等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。中でも、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒が好ましく、さらに好ましくはトルエン、メチルtert−ブチルエーテル、クロロベンゼン、塩化メチレン、酢酸エチルである。
用いる溶媒の量としては光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩に対して1〜200倍重量であり、好ましくは1〜50倍重量である。
用いる水の量としては光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩に対して0.5〜200倍重量であり、好ましくは0.5〜50倍重量である。
用いる酸としては特に限定せず、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が挙げられる。これらの酸は単独で用いても良いし、複数を同時に使用しても良い。中でも好ましくは塩酸、硫酸である。
酸は光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩に対して当量以上使用すればよく、好ましくは0.5〜200当量であり、より好ましくは0.5〜50当量、さらに好ましくは1〜10当量であり、特に好ましくは1〜5当量である。
用いる塩基は、無機塩基であっても良いし、有機塩基であっても良い。無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等が挙げられる。
有機塩基としては特に限定されないが、第三級アミンが好ましい。第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンなど炭素数1〜12のトリアルキルアミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N.N−ジメチルアミノピリジンなどの炭素数1〜4のアルキル基とフェニル基からなる第三級アミン;ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの含窒素有機塩基;N,N,N,N−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンなど炭素数1〜10のN,N,N,N−テトラメチルα,ω−アルキルジアミンなどが挙げられる。
これらの塩基は単独で用いても良いし、複数を同時に使用しても良い。中でも、安価で入手が容易である点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
塩基は、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩に対して1当量以上使用すれば良く、好ましくは1〜200当量であり、より好ましくは1〜50当量であり、さらに好ましくは1〜10当量であり、特に好ましくは1〜5当量である。
抽出操作時の温度は、通常−20〜120℃の範囲内であり、好ましくは−20〜90℃である。さらに好ましくは−20〜70℃である。
以上の方法により、従来の方法に比べて容易に、高い光学純度で光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体が得られる。
なお、一般式(3):
Figure 2010041739
で表される光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩は、本発明者らによる検討の結果見出され、医薬品中間体としての用途が開発された、文献未記載の新規化合物である。
前記式(3)中、R、Mは前記式(1)に同じである。
前記式(3)中、R1、R2、Ar、は前記式(2)に同じである。
前記式(3)中、*1,*2は不斉炭素を表す。*1、*2はともに(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩は光学活性体であるので、(1R,2R)、(1R,2S),(1S,2R)、(1S,2S)のいずれかの立体が過剰に存在するが、中でも好ましくは(1S,2S)が過剰のものである。
前記式(3)中、*3は不斉炭素を表す。*3は(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。
次に、一般式(5):
Figure 2010041739
で表されるビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体(以下、化合物(5)とする)またはその塩に、塩基存在下、ハロゲン化剤を反応させ、一般式(6):
Figure 2010041739
で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸(以下、化合物(6)とする)を製造する方法について述べる。
前記式(5)中、R5は水素、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は金属を表す。置換基としては、Rにおいて記載したものと同様のものが挙げられる。
炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられる。
炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基としては例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基等が挙げられる。
金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。
中でもR5として好ましくは、水素、メチル基、エチル基、ナトリウム、カリウムであり、特に好ましくは水素である。
が水素、即ちカルボン酸である場合は、アミン塩の形態であっても良い。アミン塩を形成するアミンとしては、特に限定されないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N.N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、N,N,N,N−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン等の第三級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第二級アミン;ブチルアミン、ベンジルアミン、シクロへキシルアミン等の第一級アミンが挙げられる。
さらには、光学活性アミンであっても良く、例えば前記式(2)記載の光学活性1−アリールエチルアミン誘導体、シンコニジン、シンコニン、キニン、キニジン等の天然物由来の光学活性アミン誘導体;リジン、プロリンアミド誘導体、プロリンベンジルエステル、アラニノール、フェニルグリシノール等のアミノ酸誘導体;2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、2−アミノ−1,2−ジフェニルアミン等が挙げられる。中でも好ましくは、前記式(2)に示す光学活性アミン塩の形態である。
前記式(5)中、*4、*5は不斉炭素を表す。*4、*5はいずれも(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。
化合物(5)としては、ラセミ体を用いても良いし、光学活性体を用いても良いが、好ましくは光学活性体である。光学活性体としては、特に限定されず、(1R,2R)、(1R,2S),(1S,2R)、(1S,2S)のいずれの立体が過剰であるものを用いても良いが、中でも好ましくは(1S,2S)が過剰のものである。
光学活性体を用いる場合、前述した方法で製造できる光学活性シクロプロパンアミドカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩を用いても良いし、解塩処理を施して光学活性ビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体を取得し、これを用いても良い。更には、他の方法によって得られたものを用いてもよい。
前記式(6)中、*6、*7は不斉炭素を表す。*6、*7はいずれも(R)−体であって良いし、(S)−体であっても良い。
本反応は、立体保持で進行する。CIP表示法の順位則により、生成する化合物(6)の立体は、1−位の表示がビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体(化合物(5))と比較して反対となる。即ち、(1R,2R)の化合物(5)からは(1S,2R)の化合物(6)が生成し、(1R,2S)の化合物(5)からは(1S,2S)の化合物(6)が生成し、(1S,2R)の化合物(5)からは(1R,2R)の化合物(6)が生成し、(1S,2S)の化合物(5)からは(1R,2S)の化合物(6)が生成する。化合物(6)の好ましい立体は(1R,2S)である。
本反応に用いる塩基は、無機塩基であっても良いし、有機塩基であっても良い。無機塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等が挙げられる。
有機塩基としては特に限定されないが、第三級アミンが好ましい。第三級アミンとしては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンなど炭素数1〜12のトリアルキルアミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N.N−ジメチルアミノピリジンなどの炭素数1〜4のアルキル基とフェニル基からなる第三級アミン;ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの含窒素有機塩基;N,N,N,N−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N,N−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンなど炭素数1〜10のN,N,N,N−テトラメチルα,ω−アルキルジアミンなどが挙げられる。
これらの塩基は単独で用いても良いし、複数を同時に使用しても良い。中でも、安価で入手が容易である点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
塩基としては、化合物(5)に対して1当量以上使用すれば良く、好ましくは1〜20当量であり、さらに好ましくは1〜10当量である。
本反応に用いられる塩基は、水や有機溶媒に希釈することなく用いても良いし、希釈して用いても良い。
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、N−クロロイソシアヌル酸等が挙げられる。中でも好ましくは次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウムであり、さらに好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。
これらハロゲン化剤は、そのまま用いても良いし、水又は有機溶媒に希釈されたものを用いても良い。特に次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合は、通常、水溶液のものが用いられる。
また、ハロゲン化剤は系内で調製する方法をとっても良い。例えば、メタノール溶媒中、臭素とナトリムメトキシドを反応させることで、次亜臭素酸ナトリウムのメタノール溶液を調製することができる。
本反応には、ハロゲン化剤を、化合物(5)に対して1当量以上使用すれば良く、好ましくは1〜20当量であり、さらに好ましくは1〜10当量である。
用いる水の量は、化合物(5)に対して1〜200倍重量であり、好ましくは1〜50倍重量である。
本反応において、有機溶媒を共存させると反応が促進されることがあり、好ましい。
用いる溶媒としては、特に限定されず、前記化合物(1)と光学活性アミン類との反応の説明において、反応応溶媒として例示した溶媒等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。中でも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、水が好ましく、さらに好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、水である。
反応温度は、通常−30〜120℃の範囲内であり、好ましくは−20〜100℃である。さらに好ましくは−20〜80℃である。
反応終了後、反応液から粗生成物を取得するためには、一般的な後処理を行えばよい。例えば、一般的な抽出溶媒、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から、減圧加熱等の操作により反応溶媒および抽出溶媒を留去すると、目的化合物が得られる。また、反応液に塩酸や硫酸等の酸を添加し、系内pHを該アミノ酸の等電点とすることで結晶化させ、ろ過操作により、生成物を取得しても良い。さらに、反応終了後、減圧加熱等の操作により反応溶媒を留去もしくは溶媒置換等をおこなってから、上記と同様の操作を行っても良い。
このようにして得られる目的物は、ほぼ純粋なものであるが、晶析精製、分別蒸留、カラムクロマトグラフィー等、一般的な手法により精製を加え、さらに純度を高めても良い。
このようにして合成される化合物(6)は必要に応じて、一般式(4):
Figure 2010041739
で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体(以下、化合物(4)とする)へと誘導することができる。
前記式(4)中、R4は炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキルオキシカルボニル基、又は炭素数2〜12の置換又は無置換のアシル基を表す。置換基としては、Rにおいて記載したものと同様のものが挙げられる。
炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキルオキシカルボニル基としては例えば、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc基)、メトキシカルボニル基(Moc基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)等が挙げられる。炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキルオキシカルボニル基としては例えば、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。炭素数2〜12の置換又は無置換のアシル基としては例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。中でも好ましくは、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc基)、メトキシカルボニル基(Moc基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、アセチル基であり、さらに好ましくはt−ブチルオキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)である。
前記式(4)中、*6、*7は前記式(6)に同じである。
化合物(6)より化合物(4)へと誘導する方法については、一般的な保護を行う条件で実施すれば良い。例えばTheodora W.Greene, Peter G.M.Wuts著Protectve Groups in Organic Chemistry(第3版)JOHN WILEY & SONS, INC社出版に記載の方法に従い、実施することができる。
例えば、適当な溶媒中、塩基存在下、二炭酸t−ブチルを作用させることで、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護をおこなうことが出来るし、適当な溶媒中、塩基存在下、ベンジルオキシカルボニルクロリドを作用させることで、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)保護を行うことができる。
前述した方法により単離した化合物(6)を用いて化合物(4)へと誘導しても良いし、単離操作を行うことなく、化合物(6)を含む反応液をそのまま用いて化合物(4)へと誘導しても良い。
以下に例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造例1)cis−2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸の製造方法
trans−1,4−ジブロモ−2−ブテン(25.00g,0.144mol)、マロン酸ジメチル(15.06g,0.144mol)のメタノール(150mL)溶液に対して、内温を1〜5℃に保ちながら、28wt%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、内温24℃にて5時間の攪拌を行った。続いて反応液を冷却し、内温1〜5℃を保ちながら、14%水酸化カリウム水溶液(36.02g,0.091mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、内温24℃にて21時間の攪拌を行った後、ロータリーエバポレーターを用い、全量が約70gとなるまで濃縮を行った。濃縮液に水(45mL)、t−ブチルメチルエーテル(75mL)を添加したのち、系内のpHを2.5になるまで、濃塩酸を添加した。抽出操作により有機層を取得し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥を行った後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行い、表題化合物を粗生成物として得た(粗収量:19.81g,粗収率:92.5%)。このときcis体とトランス体との生成比は83:17であった。
(製造例2)trans−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸{(1S,2S)−、(1R,2R)−の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸}の製造方法
trans−1,4−ジブロモ−2−ブテン(25.00g,0.144mol)、マロン酸ジメチル(15.06g,0.144mol)のメタノール(150mL)溶液に対して、内温を1〜5℃に保ちながら、28wt%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、内温24℃にて5時間の攪拌を行った後、内温15〜25℃を保ちながら、1時間かけて反応液にアンモニアガス(約15g、0.88mol)を導入した。内温25℃にて15時間の攪拌を行い、続いてロータリーエバポレーターを用いて、全量が約142gとなるまで濃縮を行った。濃縮液に水(17.44g)及び30wt%水酸化ナトリウム水溶液(12.17g,0.09mmol)を添加し、内温40℃下、4時間の攪拌を行った。ロータリーエバポレーターを用いて、全量が約77gとなるまで濃縮を行い、水(105g)及びトルエン(30mL)を添加し、抽出操作により水層を取得した。系内のpHが3.0となるまで濃塩酸を添加し、析出した固体をろ過操作により取得後、乾燥を行い、表題化合物を得た(収量12.79g、収率:70%)。このときcis体とトランス体との生成比は2:98であった。
(実施例1)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−ベンジル−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(500mg,3.22mmol)をアセトニトリル(5mL)に懸濁させ、これに(S)−N−ベンジル−1−フェニルエチルアミン(681mg,3.22mmol)を室温にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行い、析出した結晶をろ過操作により取得した。0℃に冷却したアセトニトリル(1mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:416.9mg,収率:35.3%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、95.6%eeであった。
(HPLC分析系)カラム:CHIRALCEL OJ−H、溶離液:ヘキサン/イソプロパノール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1、流速:0.5mL/分、検出器:UV 210nm、カラムオーブン温度:30℃、保持時間:(1S,2S)−体:18.6分、(1R,2R)−20.4分
1H NMR(400MHz,CDCl3/ppm):δ1.52(d,3H),1.79(dd,1H),1.92(dd,1H),2.43(ddd,1H),3.74(dd,2H),3.98(q,1H),5.07(dd,1H)、5.29(dd,1H)、5.80−5.89(m,1H)、6.04(br,2H)、6.20(br,1H)、7.24−7.41(m,10H)、9.21(br,1H)。
(実施例2)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(4−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(1000mg,6.45mmol)をアセトニトリル(10mL)に懸濁させ、これに(S)−N−(4−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(1585mg,6.45mmol)を室温にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行い、析出した結晶をろ過操作により取得した。0℃に冷却したアセトニトリル(2mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:788.0mg,収率:30.5%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、96.6%eeであった。
(HPLC分析系)カラム:CHIRALCEL OJ−H、溶離液:ヘキサン/イソプロパノール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1、流速:0.5mL/分、検出器:UV 210nm、カラムオーブン温度:30℃、保持時間:(1S,2S)−体:18.6分、(1R,2R)−20.4分
1H NMR(400MHz,CDCl3/ppm):δ1.53(d,3H),1.80(dd,1H),1.92(dd,1H),2.41(ddd,1H),3.71(dd,2H),3.97(q,1H),5.09(dd,1H)、5.31(dd,1H)、5.80−5.89(m,1H)、6.51(br,1H)、6.66(br,2H)、7.19−7.41(m,9H)、9.28(br,1H)。
(実施例3)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(200mg,1.29mmol)をアセトニトリル(2mL)に懸濁させ、これに(S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルエチルアミン(361.2mg,1.29mmol)を室温にて添加した。添加終了後、同温にて1時間の攪拌を行い、析出した結晶をろ過操作により取得した。0℃に冷却したアセトニトリル(1mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:131.4g,収率:23.5%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、97.9%eeであった。
1H NMR(400MHz,CDCl3/ppm):δ1.51(d,3H),1.84(dd,1H),1.96(dd,1H),2.45(ddd,1H),3.68(dd,2H),3.94(q,1H),5.11(dd,1H)、5.32(dd,1H)、5.80−5.89(m,1H)、6.58(br,1H)、7.09(dd,1H)、7.26−7.52(m,8H)、9.11(br,1H)。
(実施例4)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸の製造方法
実施例1で得られた(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−ベンジル−1−フェニルエチルアミン塩(250mg,682mmol)をトルエン(2.5mL)、水(2.5mL)中に懸濁させ、攪拌下、30wt%水酸化ナトリウム水溶液(363.7mg)を添加した。静置後、分液操作により水層を取得した。
(実施例5)(1R,2S)−2−ビニル−1−(t−ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸の製造方法
実施例4で取得した(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸ナトリウムを含む水溶液にテトラヒドロフラン(1mL)を添加した後、バス温0℃下、11.7wt%次亜塩素酸水溶液(957.1mg,1.50mmol)を添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温60℃下でさらに2時間の攪拌を行った。反応液を26℃まで冷却下のち、二炭酸t−ブチル(223.3mg,1.02mmol)を添加した。同温にて3時間の攪拌の後、系内のpHが3となるまで1M塩酸を添加した。酢酸エチル(20mL)を加え、抽出操作により有機層を取得後、有機層を水(5mL)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、表題化合物を得た(取得量:109mg,収率:70.0%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、97.9%eeであった。
(HPLC分析系)カラム:CHIRALCEL OD−H、溶離液:ヘキサン/エタノール=992/8、流速:0.75mL/分、検出器:UV 210nm、カラムオーブン温度:30℃、保持時間:(1R,2S)−体:19.5分、(1R,2R)−22.3分
1H NMR(400MHz,DMSO−d/ppm):δ1.24(d,1H),1.37(s,9H),1.52(d,1H),2.06(ddd,1H)5.04(dd,1H)、5.23(dd,1H)、5.63−5.72(m,1H)。
(実施例6)cis−2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸 (R)−1−(1−ナフチル)エチルアミン塩の製造方法
製造例1に従い合成したラセミ体の2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸(cis−:trans=83:17混合物,250mg,1.47mmol)を酢酸エチル(2.50g)に懸濁させ、これに(R)−1−(1−ナフチル)エチルアミン(503.2mg,1.47mmol)を室温にて添加した。添加終了後、反応液は均一であったが、同温にて1時間の攪拌を行ったところ結晶化が確認された。バス温50℃下で、20分間攪拌したのち、室温で放置することにより、内温が30℃となるまで冷却を行った。結晶をろ過操作により取得し、酢酸エチル(1mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:241.5mg,収率:24.1%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、75.4%eeであった。
(HPLC分析系)カラム:CHIRALCEL OF、溶離液:ヘキサン/イソプロパノール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1、流速:0.6mL/分、検出器:UV 210nm、カラムオーブン温度:30℃、保持時間:12.6分、18.7分
1H NMR(400MHz,DMSO−d/ppm):δ1.18(dd,1H),1.31(dd,1H),1.67(d,3H)、2.13(ddd,1H),3.45(s,1H)、4.89−4.98(m,2H)、5.13−5.25(m,2H)、6.70(br,2H)、7.43−7.57(m,3H)、7.68(d,1H)、7.78(d,1H)、7.85−7.88(m,1H)、8.02(d,1H)。
(実施例7)cis−2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸の製造方法
実施例6で得られた(cis−2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸 (R)−1−(1−ナフチル)エチルアミン塩(200mg,0.59mmol)をトルエン(2.5mL)、水(2.5mL)中に懸濁させ、攪拌下、35wt%水酸化ナトリウム水溶液(241.1mg)を添加した。静置後、分液操作により有機層を取得した。有機層を濃縮し、トルエン(5mL)を用いて共沸脱水操作を2回実施した後、全量が2.5gとなるようにトルエンにて希釈を行った。
(実施例8)cis−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸メチルの製造方法
実施例7で取得したcis−2−ビニル−1−メトキシカルボニルシクロプロパンカルボン酸を含むトルエン溶液にトリエチルアミン(89.6mg,0.89mmol)を添加した後、バス温0℃下、塩化ピバロイル(74.7mg,0.62mmol)を添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、28wt%アンモニア水(143.5mg,2.36mmol)を添加した。バス温24℃下でさらに2時間の攪拌を行った。反応液に水(2.0mL)を添加し、抽出操作により有機層を取得した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、表題化合物を得た(取得量:55mg,収率:50.0%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d/ppm):δ1.91(dd,1H),2.07(dd,1H),2.58(ddd,1H)3.74(s,3H)、5.18(dd,1H)、5.35(dd,1H)、)5.57−5.78(m,1H)、5.77(br,2H)、8.22(br,1H)。
(実施例9)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(3000mg,19.34mmol)を酢酸エチル(21g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(3802mg,15.47mmol)を室温にて添加した。同温にて3時間の攪拌を行い、析出した結晶をろ過操作により取得した。酢酸エチル(10mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:3194.8mg,収率:41.2%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、96.8%eeであった。
1H NMR(400MHz,CDCl3/ppm):δ1.56(d,3H),1.80(dd,1H),1.93(dd,1H),2.46(ddd,1H),3.87(s,2H),4.03(q,1H),5.09(dd,1H)、5.30(dd,1H)、5.75(br,2H)、5.76−5.85(m,2H)、6.32(br,1H)、7.18−7.26(m,2H)、7.31−7.41(m,7H)),9.02(br,1H)。
(実施例10)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(2000mg,12.89mmol)を酢酸エチル(21g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(2220mg,9.02mmol)をバス温50℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温15℃下にてさらに17時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。酢酸エチル(7.5mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:2000mg,収率:38.7%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、98.5%eeであった。
(実施例11)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体、(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(2000mg,12.89mmol)を酢酸エチル(21g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(1580mg,6.45mmol)をバス温20℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温20℃下にてさらに17時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。酢酸エチル(7.5mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:2584mg,収率:50%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、58.0%eeであった。
(実施例12)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(3000mg,19.34mmol)をアセトニトリル(21g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(3.800mg,15.47mmol)をバス温60℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温30℃下にてさらに2時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。アセトニトリル(10mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:3470mg,収率:44.8%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、89.8%eeであった。
(実施例13)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(3426.2mg,22.08mmol)をアセトニトリル(31g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(3.800mg,15.47mmol)をバス温70℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温40℃下にてさらに2時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。アセトニトリル(10mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:3322mg,収率:37.5%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、96.3%eeであった。
(実施例14)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(3000mg,19.34mmol)をアセトン(21g)に懸濁させ、これに(S)−N−(2−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(3.800mg,15.47mmol)をバス温50℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温20℃下にてさらに2時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。アセトン(10mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:3017mg,収率:38.9%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、95.7%eeであった。
(実施例15)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(4−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−体および(1R,2R)−体の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(1000mg,6.44mmol)をトルエン(6.4g)に懸濁させ、これに(S)−N−(4−クロロベンジル)−1−フェニルエチルアミン(1519mg,5.16mmol)をバス温50℃下にて添加した。同温にて1時間の攪拌を行った後、バス温0℃下にてさらに20時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。アセトニトリル(2mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:503mg,収率:19.5%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、97.2%eeであった。
(実施例16)(1S,2S)−2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸 (S)−N−(4−メチルベンジル)−1−フェニルエチルアミン塩の製造方法
製造例2に従い合成した(1S,2S)−、(1R,2R)−の1:1の混合物である2−ビニル−1−カルバモイルシクロプロパンカルボン酸(1000mg,6.44mmol)をアセトニトリル(7.0g)に懸濁させ、これに(S)−N−(4−メチルベンジル)−1−フェニルエチルアミン(1161mg,5.15mmol)をバス温30℃下にて添加した。同温にて15時間の攪拌を行った後、バス温0℃下にてさらに7時間の攪拌を行った。析出した結晶をろ過操作により取得した。アセトニトリル(2mL)にて洗浄を行った後、乾燥を行い、表題化合物を得た(取得量:287mg,収率:11.7%)。
HPLC分析により、得られた化合物の光学純度を測定した結果、97.6%eeであった。

Claims (12)

  1. 光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体の製造方法であって、一般式(1):
    Figure 2010041739
    (式中、RはNH2、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールオキシ基、又は炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキルオキシ基を表す。Mは水素又は金属を表す。*1、*2は不斉炭素を表す。)で表されるラセミ体のビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体に、光学活性アミン類を反応させて、光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩とする工程、を含むことを特徴とする方法。
  2. 光学活性アミン類が一般式(2):
    Figure 2010041739
    (式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R2は炭素数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は水素を表す。Arは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基を表す。*3は不斉炭素を表す。)で表される光学活性1−アリールエチルアミン誘導体である請求項1記載の製造方法。
  3. 1がメチル基である請求項2記載の製造方法。
  4. Arがフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基のいずれかである請求項2または3に記載の製造方法。
  5. RがNH2である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 一般式(3):
    Figure 2010041739
    (式中、R、R1、R2、Ar、*1、*2、*3は前記に同じ。)で表される光学活性ビニルシクロプロパンカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩。
  7. 1がメチル基である請求項6記載の塩。
  8. Arがフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基の何れかである請求項6または7に記載の塩。
  9. RがNH2である請求項6〜8のいずれかに記載の塩。
  10. 一般式(6):
    Figure 2010041739
    (式中、*6、*7は不斉炭素を表す。)で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸の製造方法であって、一般式(5):
    Figure 2010041739
    (式中、R5は水素、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、炭素数数7〜11の置換又は無置換のアラルキル基、又は金属を表す。*4、*5は不斉炭素を表す。)で表されるビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体またはその塩を、塩基存在下で、ハロゲン化剤と反応させることを特徴とする方法。
  11. 一般式(4):
    Figure 2010041739
    (式中、R4は炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数2〜12の置換又は無置換のアシル基、又は水素を表す。*6、*7は前記に同じ。)で表されるビニルシクロプロパンアミノ酸誘導体の製造方法であって、請求項10記載の方法で製造されたビニルシクロプロパンアミノ酸のアミノ基を保護することを特徴とする方法。
  12. ビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体が、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法にて製造した光学活性ビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体か又は光学活性ビニルシクロプロパンアミドカルボン酸誘導体−アミンジアステレオマー塩である請求項10または11に記載の製造方法。
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