JP2015535003A - プレガバリンの調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)任意に適切な溶媒中、弱酸の塩および弱塩基、または弱塩基の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを反応させて、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを得るステップ、(b)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを適切なシアン化物源と反応させて、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得るステップ、(c)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、適切なシアン化物源の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを反応させることにより、単一ステップで、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得てもよいステップ、(d)適切なpHおよび温度において、水中、または有機共溶媒を含んでもよい水中、遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素(Nit9N_56_2)により、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩に変換するステップ、(e)適切な溶媒またはそれらの溶媒の混合物中、塩基の存在下、式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩をアルコール(R3OH)および酸性触媒、またはハロゲン化アルキル(R3X)と処理することにより、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートへと変換するステップ、(f)水もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、酵素によるエナンチオ選択的な加水分解により、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートから、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび式(X)の(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩を得るステップ、(g)有機溶媒またはその混合物中、塩基の存在下、式(X)の不要な(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸もしくはその塩、または実質的に豊富な式(X)のその(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸塩をラセミ化することにより、式(VII)の化合物を得てもよいステップ、(h)適切なアルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基を用いるエステル基の加水分解、その後の適切な水素化触媒の存在下、水もしくは他の有機溶媒、またはそれらの混合物から選択される溶媒中、ワンポットで行ってもよい水素化により、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートを式(I)のプレガバリンに変換するステップ、を含む、式(I)の化合物の改善された調製方法を提供する。【化1】

Description

本発明は、プレガバリン(1)を高い収率、高い化学純度および高いキラル純度で製造するための、商業的に実現可能な環境に優しい方法に関する。
化学的には構造式(1)を有する3−(S)−(アミノメチル−5−メチルヘキサン酸として知られているプレガバリンにより、てんかん、神経障害性疼痛、不安症、および社会恐怖症を含む、いくつかの中枢神経系障害が治療されることが知られている。
(S)−プレガバリンは、GAD(L−グルタミン酸デカルボキシラーゼ)を用量依存的に活性化すること、および脳の主要な抑制性神経伝達物質の1つである、GABA(ガンマ−アミノ酪酸)の産生を促進することが見いだされている。抗発作活性の発見は、米国特許第5,563,175号において、初めて開示された。
プレガバリンは、様々な方法で調製されてきた。一般的な手法の一つには、典型的にはRおよびS異性体の50:50混合物であるラセミプレガバリンの合成、およびその後のジアステレオマー塩形成による分割が含まれる。そのような手法は、WO2009122215、WO2009087674、WO2009044409、WO2008138874、WO2009125427、およびWO2009001372などの特許公開において見いだすことができるだろう。この手法に関連する主な難しい点にはS−異性体の一部と共にR−鏡像異性体が損失することが含まれ、これを効果的に再利用できないことから、コスト上の負担がかかっている。別の手法は、戦略的に中間体の段階で分割を利用するものである。スキーム1は、WO9638405において記載されている手法を概説している。その合成には、Knovanagal縮合とそれに続くMicheal付加が含まれ、酸性加水分解により二酸が得られる。この二酸はモノアミドに変換され、このモノアミドは(R)−フェニルエチルアミンによって分割された。R−モノ酸アミドを遊離させた後、Hoffmann分解によって(S)−プレガバリンに変換された。総収率は、8ステップをかけて12%であり、鏡像異性体過剰率(ee)は99.8%であった。すべて市販試薬が使用され、キラル補助は回収することができる。
WO2008137512において、スキーム2に示されている通りに記載されている別の手法は、アミド中間体の分割とその後のHoffmann分解が含まれる。
さらなる修正が、OPRD, 2009, 13, 812-13において記載された。特許公開WO2008062460およびUS6046353において記載されている手法が、スキーム3に示されている。これには、マロン酸ジエチルとイソバレルアルデヒドの縮合とその後のシアノ化が含まれる。生成物は、シアノエステルに選択的に加水分解され、加水分解するとシアノ酸が得られた。このシアノ酸を水素化すると、ラセミプレガバリンとなった。最後に、(S)−マンデル酸(mandalic acid)を使用することにより分割され、6ステップで、総収率15.5%およびee>99.5%となった。
一般的に使用されている別の足場(scaffold)は、3−イソブチルグルタル酸無水物(IBG)であることが分かった。米国特許公開第20090143615号および欧州特許公開EP2067768は、スキーム4に示されているプレガバリンの合成を記載しており、このスキームには、ヒドラジンによる開環と、その後のCurtius転位によるウレタン酸への変換が含まれる。この中間体は、(S)−PEAを使用して分割された。キラル補助の放出とその後の加水分解により、プレガバリンが、4ステップの総収率12%、99.8%eeで得られた。この方法もやはり、効率よく再利用することができない、不要なR−異性体の損失を受ける。
IBGの不斉開環、およびその後の光学的に純粋なプレガバリンへの化学的変換が、別の手法を構成する。特許公開WO2008118427は、3−イソブチル−グルタル酸無水物から始める、スキーム5において示されている(S)−プレガバリンの合成を記載しており、このスキームには、良好な収率およびee純度での、(S)−PEAによる立体選択的な開環が含まれる。これは、混合無水物手法により、アミドに変換されるものであった。このアミドにHoffman分解を施し、その後に2種の異なる手法でPEAアミドを加水分解すると、それぞれ59.5%および38.8%、純度>99.5%でプレガバリンが形成した。
同様の方法で、米国特許公開US20070293694には、1モル当量のキニジンの存在下、高収率の、メタノールによるIBGの立体選択的開環が記載されたが、eeは満足するものではない。後のステップには、アミド化とその後のHoffmann分解が含まれる。キニジン(高価)をモル当量使用すること、およびeeが低いことにより、この方法は魅力あるものにはならない。
スキーム5において記載されているものと類似のさらに別の手法では、スキーム7において記載されている通り、特許公開WO2007035789により、(R)−PEAによる3−イソブチル−グルタル酸無水物(IBG)の立体選択的開環が記載された。このキラル補助は、低温でアルカリ金属アミドを使用してアミドにより置きかえられ、続いて、Hoffmann分解により、3ステップの総収率32.9%で、(S)−プレガバリンが得られた。
特許公開WO2009081208において報告されている合成が、スキーム8に示されている。ケトンがβ−ケトエステル誘導体に変換され、このケトエステル誘導体は、2種の異なる方法により、(S)−β−ヒドロキシ中間体に変換された。この第1の方法は、マウリ・イースト(mauri yeast)を触媒とするケトン還元により、収率50%および99%eeが得られるが、第2の方法には、[(S)−Ru(BINAP)Cl22.NEt3(0.00046当量=0.44%w/w)を用いる収率66%および>99%eeの水素化が含まれる。別の重要なステップは、Br2−PPh3を使用する、アルコールの立体反転しているブロモへの変換であり、このステップにも、クロマトグラフィーが含まれる。ブロモ化合物は、ニトロメタンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を使用して、再度、(S)−立体配置に完全に立体反転される。エステルの加水分解およびニトロの水素化により、6ステップが関与する合成が、総収率13%、ee>99%で完了する。
別の酵素による経路が、プレガバリンの合成に関するスキーム9において示されており、特許公開US20100204503に記載された。これには、重要なステップとして、リパーゼによる速度論的分割が関与する。イソバレルアルデヒドとシアノ酢酸エチルの縮合、その後のシアノ化により、ラセミジシアノ化合物が得られた。ニトリラーゼ(Nitilase)酵素を使用して、(S)−シアノ酸および不要なジニトリルが得られ、このジニトリルは、再利用するため、トルエン中、DBUを用いてラセミ化された。(S)−tert−ブチルアミン塩シアノ酸の水素化により、4ステップの総収率7.7%で、約100%eeを有する(S)−プレガバリン(Prgabalin)が得られた。最終段階において収率が非常に低いことにより、この方法は、商業的な実現可能性に乏しい。
かなり一層効率的な酵素による経路が、スキーム10に示されており、特許公開US2005028302おいて記載された。この方法では、シアノ二酸ジエチルエステルを酵素により加水分解して、(S)−シアノエステル一酸カリウム塩にし、不要な異性体をラセミ化させた。一方は、この塩を還元してラクタム酸にし、次いで加水分解による脱カルボキシル化により、総収率34%および3ステップで、ee>99.5%のプレガバリンとした。あるいは(S)−シアノエステル一酸カリウム塩をシアノ一酸カリウム塩に変換し、これを水素化して、3ステップの総収率30%で、99.75%eeを有するプレガバリンにした。この方法は、合理性のある良好な方法に見えるが、空間対時間収率を見ると、コスト効率は高くはない。
最後に、プレガバリンの不斉合成は、より長いシークエンス(sequence)を必要とするか、または低いeeを有するプレガバリンが得られることから、ほとんどの場合、学問的に関心の持たれるプレガバリンの不斉合成に関する報告がいくつか存在する。スキーム11において示されている、J.Org Chem., 2003, 68, 5731-34において報告されているスキームは、Bayllis−Hillman縮合、およびその後のクロロギ酸エステルによるカーボネート形成を記載した。このカーボネートに、CO挿入が施された。共役ニトリルを加水分解し、tert−ブチルアミン(butyamine)塩に変換し、この塩を[(R,R)−(Me−DuPHOS)Rh(COD)].BF4を用いて立体選択的にシアノ酸に水素化し、次いでNiによりCNを水素化すると、6ステップの総収率41.5%で99.8%eeを有するプレガバリンが得られた。
スキーム12において示されているOrg. Lett., 2007, 9, 5307-09に記載されている合成には、キラル触媒を用いる、ニトロメタンのαβ−不飽和アルデヒドへの不斉Micheal付加が含まれる。この触媒は、D−プロリンから調製する必要があり、5ステップが必要である。ステップ数はたった3ステップであるが、eeは、低い方である。追加の分割を必要とする。したがって、この手法は、商業的に実現可能なものとなり得ない。
したがって、こうして上記の従来技術すべてにおいて言及した欠点に基づくと、容易にスケールアップしやすい、式(I)の化合物の調製方法を開発することが今すぐ必要である。したがって、本発明者らは、生体触媒として遺伝子修飾したニトリラーゼ(nitralase)酵素を使用することによる、実質的にコスト効率が高く、環境に優しい方法で、より高い収率、より高い化学純度およびキラル純度を有する、式(I)の化合物の調製方法を簡単にして、従来技術の方法に関連する課題を回避する研究に重点的に取り組んだ。
本発明の主な目的は、簡単で、経済的で、使用者に優しく、かつ商業的に実現可能な、式(I)の化合物の調製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、商業的規模で実施すること、ならびに試薬および有機溶媒の過剰使用を避けることが容易と思われる、式(I)の化合物の調製方法を提供することであり、これにより、本発明を環境に優しいものにもする。
本発明のさらに別の目的は、より高い収率で、より高い化学純度およびキラル純度を有する式(I)の化合物の調製方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、式(I)の化合物の調製方法であって、反応中に形成する副生成物が再使用可能であり、これにより再利用することができる方法を提供することであり、これにより、本方法が工業的により好適なものとなる。
したがって、本発明は、
(a)任意に適切な溶媒中、弱酸の塩および弱塩基、または弱塩基の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを反応させて、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを得るステップ、
(b)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを適切なシアン化物源と反応させて、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得るステップ、
(c)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、適切なシアン化物源の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを、単一ステップで反応させることにより、任意に式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得てもよいステップ、
(d)適切なpHおよび温度において、水中、または任意に有機共溶媒を含んでもよい水中、遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素(Nit9N_56_2)により、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩に変換するステップ、
(e)適切な溶媒またはそれらの溶媒の混合物中、塩基の存在下、式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩をアルコール(R3OH)および酸性触媒、またはハロゲン化アルキル(R3X)と処理することにより、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートへと変換するステップ、
(f)水もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、酵素によるエナンチオ選択的な加水分解により、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートから、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび式(X)の(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩を得るステップ、
(g)有機溶媒またはその混合物中、塩基の存在下、式(X)の不要な(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸もしくはその塩、または実質的に豊富な式(X)のその(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸塩をラセミ化することにより、任意に式(VII)の化合物を得てもよいステップ、
(h)適切なアルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基を用いるエステル基の加水分解、その後の適切な水素化触媒の存在下、水もしくは他の有機溶媒、またはそれらの混合物から選択される溶媒中、任意にワンポットで行ってもよい水素化により、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートを式(I)のプレガバリンに変換するステップ、
を含む、式(I)の化合物の調製の改善方法を提供する。
上記の方法は、以下の一般的な合成スキーム(13)に例示されている。
次に、本発明をこれ以降に、より完全に説明する。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書において説明されている実施形態に制限されるものと解釈すべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満足するよう、提供される。本明細書および添付されている特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の指示対象を含む。語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」とは、R鏡像異性体とS鏡像異性体個々の50:50混合物を意味する。用語「実質的に純粋なS鏡像異性体」とは、S鏡像異性体>>R鏡像異性体となる存在を示しており、優先的には、S:Rの比は、85:15〜100:0の範囲にあるとすることができ、より好ましくはS:Rの比は、95:5〜100:0とすることができ、最も好ましくは、S:Rの比は、99:1〜100:0とすることができる。用語「Rが豊富な鏡像異性体」とは、R鏡像異性体>>S鏡像異性体となる存在を示しており、優先的には、R:Sの比は70:30〜100:0の範囲にあるとすることができる。
本目的によれば、本発明は、酵素による選択的な立体特異的な合成手法による、式(I)の化合物の調製方法の改善を実現する。
したがって、本発明の一実施形態では、ステップ(a)において使用される前記有機弱酸は、好ましくは、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酢酸などからなる群から選択される。ステップ(a)において使用される前記弱塩基は、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル(diisipropylethyl)アミン、ピリジン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどからなる群、より好ましくはジイソプロピルエチルアミン、ピペリジンからなる群から選択される。ステップ(a)における前記塩は、好ましくは、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、酢酸アルキルアンモニウムなどからなる群、より好ましくは酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウムからなる群から選択される。
ステップ(a)において開示されている式(IV)の粗製化合物はそのまま使用することができ、または当業者によって十分に理解されている異なる技法による蒸留によって精製することができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(b)および(c)の前記適切なシアン化物源は、好ましくは、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トリメチルシリルなどからなる群、より好ましくはシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムからなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、ステップ(b)の反応において、適切なシアン化物源は、1〜50%過剰に使用してもよい。
本発明の別の実施形態では、ステップ(a)における前記有機溶媒は、好ましくは、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、およびそれらの混合物からなる群、より好ましくはシクロヘキサンまたはトルエンからなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、前記ステップ(a)およびステップ(c)の反応は、好ましくは周囲温度から還流温度で、より好ましくは還流温度で実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(b)およびステップ(c)における前記有機溶媒は、好ましくは、水、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサンなどからなる群から選択され、より好ましくは、溶媒は、メチルアルコール、もしくはエチルアルコール、もしくは水、またはそれらの混合物である。
本発明の別の実施形態では、ステップ(b)の反応は、好ましくは、45℃〜120℃の間、より好ましくは45℃〜110℃の間の温度範囲で実施され、最も好ましくは、メタノールの還流温度から水の還流温度において実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(d)における前記遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素は、Nit9N_56_2である。本発明では、本発明者らは、前記酵素を用いて、驚くほどの選択性、条件の改善、より高い収率、廃棄物の最小化を伴い、したがって、その結果、式(I)の化合物を調製する環境に優しい化学を推進する、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルの式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩への転換を達成しようとした。
本発明の別の実施形態では、ステップ(d)における化合物(VI)を調製するための式(V)の化合物の投入量は、好ましくは、水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり30〜300gから、より好ましくは、水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり50〜200gから、最も好ましくは水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり60〜150gから選択することができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(d)において化合物(VI)を調製するための、前記遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素(Nit9N_56_2)の投入量は、好ましくは、化合物(V)1gあたり4〜25Uから選択することができ、より好ましくは、化合物(V)1gあたり6〜20U使用することができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(d)における式(VI)の化合物の調製中に、溶液のpHは7.2±0.8の範囲、最も好ましくは7.0±0.5の範囲に維持され、適切な緩衝液により維持することができ、当分野において周知である。実現するための最も好ましい方法の1つは、リン酸もしくは酢酸緩衝液を使用するか、または酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸などから選択される適切な酸を添加することによりpHを維持することであり、最も好ましい酸は塩酸、ならびに/またはアンモニア、モノ、ジおよびトリアルキルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどからなる群から選択される塩基であり、最も好ましい塩基は炭酸水素ナトリウムである。
本発明の別の実施形態では、基質は、ステップ(d)における前記酵素の投入前に、微細化により、または当業者により周知の分散安定剤を使用して、十分に分散させることができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(d)の反応は、好ましくは、25℃〜40℃の間、より好ましくは28℃〜38℃の間の温度範囲、最も好ましくは30℃〜37℃の間の温度範囲で実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(e)における前記アルコール(R3OH)は、好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどからなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(e)における前記ハロゲン化アルキル(R3X)は、好ましくは、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、臭化n−プロピル、塩化イソプロピル、臭化イソプロピルなどからなる基C1からC5ハロゲン化アルキルから選択される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(e)における前記酸触媒/または試薬は、好ましくは、塩酸、硫酸、塩化チオニル、塩化トリメチルシリル、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ルイス酸、または当分野で周知の強酸性スルホン化樹脂からなる群から選択され、最も適切な触媒および/または試薬は、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、塩化トリメチルシリルなどから選択される。
本発明の別の実施形態では、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製中、これをステップ(e)において蒸留することにより精製してもよい。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における前記酵素によるエナンチオ選択的な加水分解は、エステラーゼ、リポラーゼ、リパーゼなどの市販の加水分解酵素を使用することにより実施される。前記加水分解酵素は、好ましくは、カンジダ・アンタルクチカ(candida Antarctica)A、カンジダ・アンタルクチカB1、カンジダ・アンタルクチカBY2、Novozymes製のNovozyme435、リゾムコル・メイヘイ(Rhizomucor meihei)、サーモマイセス・ランギノサ(Thermomyces lanhginosa)、シュードモナス・ケペシア(pseudomonas cepecia)、Resinase HT、Lipex 100L、枯草菌(Bascillus subtillis)、リパーゼ3.101、リパーゼ3.102、リパーゼ3.104、リパーゼ3.105、リパーゼ3.106、リパーゼ3.107、リパーゼ3.108、リパーゼ3.109、リパーゼ3.111、リパーゼ3.115、リパーゼ3.113、リパーゼ3.117、リパーゼ3.136、AYS Amino、AS Amano、PS AmanoSD、AK Amanoなどからなる群から選択され、最も好ましい酵素は、カンジダ・アンタルクチカB1、カンジダ・アンタルクチカBY2、Novozyme435である。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における好ましい酵素の投入量は、基質に比べて、>0.1%〜<5%w/wの範囲にあり、より好ましくはその範囲は、基質に比べて0.5%〜4%w/wであり、最も好ましくは、その範囲は、基質と比べて、1.0%〜3%w/wである。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における好ましい酵素は、回収されて、ほとんど完全な酵素活性が保たれている間、数回再使用することができ、その活性が乏しい場合、酵素の再利用中、追加量の新しい酵素を添加することができ、またその追加量は、初期酵素投入量に対して5%〜50%w/wの範囲、より優先的には初期酵素投入量に対して5%〜25%w/wの範囲とすることができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における前記有機溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシドなどからなる群から選択され、より好ましくは、溶媒は、水、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物である。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における式(VIII)の化合物の調製中に、酢酸、クエン酸、ホウ酸、エチレンジアミン四酢酸、塩酸、硫酸、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはそれらの適切な組合せ物からなる群から選択される適切な試薬を使用することにより、好ましくは溶液の初期pHは7.5±0.5の範囲、最も好ましくは7.2±0.2の範囲に保持される。この適切な試薬量の選択は、反応の完了後の最終pHが8.5を超えないように、選択することができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの実質的に光学的に純粋な(S)−エステル(VIII)への変換では、反応の進行中の反応混合物のpHは、好ましくは、7〜9の範囲でゆっくりと向上させることができ、最も好ましくは、pHは、最大≧7.5〜≦8.5まで向上させることができる。
本発明の別の実施形態では、ステップ(f)における式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの実質的に光学的に純粋な(S)−エステル(VIII)への変換では、酵素によるステップは、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどからなる群から選択することができる塩の存在下で行ってもよく、または適切な酸と適切な塩基の中和により、インサイチュで生成させることができる。
本発明の別の実施形態では、酵素によるステップ(f)は、好ましくは、20℃〜45℃の間、より好ましくは22℃〜40℃の間の温度範囲、最も好ましくは25℃〜35℃の間の温度範囲で実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(g)における前記有機溶媒は、好ましくは、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、三級ブチルアルコール、シクロヘキサノール、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどからなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、ステップ(g)において使用される前記塩基は、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、C1からC6アルコキシドなどからなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、前記酵素によるステップ(g)は、好ましくは、25℃〜200℃の間の温度範囲で1〜60時間、より好ましくは50℃〜180℃の間の温度範囲で2〜24時間、実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(h)における加水分解のための塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、C1からC5四級水酸化アンモニウムなどから選択される、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物から選択される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(h)において、式(I)のプレガバリンの前記調製は、構造(VIII)の化合物をインサイチュで加水分解するステップ、その後の接触水素化を行うステップを含み、加水分解のための塩基強度は、0.1N〜5N、より好ましくは0.3〜3N、最も好ましくは0.5N〜2Nから選択され得る。
本発明の別の実施形態では、ステップ(h)における前記有機溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、三級ブチルアルコール、シクロヘキサノール、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、またはそれらの組合せ物からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、前記適切な水素化触媒は、好ましくは、担体を含むまたは含まないニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ならびにそれらの異なる化学形態およびグレード、新しい触媒もしくは回収触媒、または新しい触媒と回収触媒の混合物でもよいものからなる群から選択され、最も好ましい触媒は、ニッケルおよびパラジウムである。
本発明の別の実施形態では、ステップ(h)は、好ましくは、10℃〜100℃の間、より好ましくは15℃〜60℃の間の温度範囲、最も好ましくは25℃〜50℃の間の温度範囲で実施される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(h)における接触水素化は、好ましくは、0.5〜25kg/cm2または等価な単位の範囲の水素圧、2〜15kg/cm2または等価な単位の範囲の好ましい水素圧を用いて実施され、最も好ましい圧力範囲は、3〜10kg/cm2である。
本発明のさらに別の実施形態では、式(I)のプレガバリンの調製は、水素化生成物を活性炭処理(charcoalization)してもよいステップ、および好ましくは6.9〜7.3のpH範囲、より好ましくはpH7〜7.2において等電点電気泳動によりプレガバリンを単離するステップ、および水、C1からC5アルコール、またはそれらの混合物から粗製物を結晶化するステップを含む。
本発明のさらに別の実施形態では、式(I)のプレガバリンの調製は、等電点電気泳動によりプレガバリンを単離するステップであって、pHを任意の無機酸または有機酸(塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸など)を用いて調節することができ、最も好ましい酸は、塩酸または酢酸である、ステップを含む。
本発明のさらに別の実施形態では、式(I)のプレガバリンの調製は、水、C1からC5アルコール、またはそれらの混合物から粗製物を結晶化することによりプレガバリンを精製するステップ、および乾燥母液の再結晶により、さらなる量の純粋な式(I)のプレガバリンを回収するステップを含む。
本発明のさらに別の実施形態では、式(I)のプレガバリンの調製は、好ましくはtert−ブチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、トリチルなどの当分野で公知のアミノ保護誘導体として、母液から式(I)のプレガバリンを代替的に回収するステップをさらに含んでおり、より好ましくは、tert−ブチルオキシカルボニルを使用して、その後に、適切な溶媒中、酸により処理することによりtert−ブチルオキシカルボニル基の除去を行うことができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、本発明の範囲を決して限定するものと解釈すべきではない。
(例1.1)2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルの調製
機械式撹拌器、ディーン−スターク凝縮器を装備した3リットルの4つ口RBF中に、撹拌下、室温で、シアノ酢酸メチル(300.0g)、イソバレルアルデヒド(273g、1.05当量)、およびシクロヘキサン(210ml、0.7V)を添加し、続いて滴下漏斗により、シクロヘキサン(90ml、0.3V)中のピペリジン(2.7g、0.01当量)を添加した。発熱反応が観察された(温度は、22℃から58℃まで上昇する)。反応混合物を還流し、2時間でディーン−スタークから共沸により水を集めた(55ml)。反応の終了後、蒸留装置を設置し、50℃で真空ラインを適用することにより、RMからシクロヘキサン260mlを留去した。この反応混合物を30℃に冷却すると、GCによる純度が95.90%を有する所望の化合物515gm(理論収量の>100%)が得られ、この物質を次のステップにそのまま使用した。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): 0.98(d, 6H), 1.92 (m, 1H), 2.45 (t, 2H), 3.88 (s, 3H), 7.68 (t, 1H).
(例1.2)2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルの調製
機械式撹拌器、ディーン−スターク凝縮器を装備した3リットルの4つ口RBF中に、撹拌下、室温で、シアノ酢酸メチル(300.0g)、イソバレルアルデヒド(273g、1.05当量)、およびシクロヘキサン(210ml、0.7V)を添加し、続いて滴下漏斗により、シクロヘキサン(90ml、0.3V)中のピペリジン(2.7g、0.01当量)を添加した。発熱反応が観察された(温度は、22℃から58℃まで上昇する)。この反応混合物を還流して、3.5時間でディーン−スタークから共沸により水を集めた(55ml)。GCによる純度93.76%を有するd510gm(理論収量の100.8%)およびこの物質を真空下での蒸留により精製すると、所望の化合物が414.78g(81.33%;GC97.2%による純度)および別の豊富なフラクション53.7g(10.53%、GC純度90.03%)が得られ、後者は、次のバッチ用に再利用することができる。
(例1.3)2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルの調製
機械式撹拌器、および滴下漏斗を装備した100mlの2つ口RBF中に、撹拌下、室温で、シアノ酢酸メチル(5.0g)、イソバレルアルデヒド(4.35g、1.0当量)、およびシクロヘキサン(3.5ml、0.7V)を添加し、続いて滴下漏斗により、シクロヘキサン(1.5ml、0.3V)中のピペリジン(0.043g、0.01当量)を添加した。発熱反応が観察された(温度は、22℃から58℃まで上昇する)。この反応混合物を周囲温度で撹拌した(25〜30℃で3時間)。反応の終了後、この反応混合物を水により洗浄した。無水Na2SO4で脱水してもよかった。溶媒を蒸留によって除去し、残さを真空下で乾燥すると、GCによる純度が93.76%を有する所望の化合物510gm(理論収量の100.8%)が得られ、この物質を真空下で蒸留することにより精製すると、8.5g(>100%、GCによる純度91.5)得られた。
(例2.1)2−イソブチルスクシノニトリル(V)の調製
油浴上の、機械式撹拌器、温度計用ポケット、ディーン−スターク凝縮器を装備した、2リットルの4つ口RBF中に、2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(200.0g、GC純度97.2%)を入れ、次いで水(200ml、1.0V)を添加した。得られた乳状の反応混合物に、シアン化ナトリウム(58.61g、1.0当量)の水溶液(400ml、2.0V)を15分間で滴下添加した。添加中、22から41℃への温度上昇が観察された。添加が終了した後、この反応混合物を92℃で3時間、加熱した。この反応混合物を30℃に冷却した。有機層を除去し、水により洗浄した(200ml)。化合物Vの重量は96.0gであり、GCによる純度は96.08%であった。水層を合わせ、92℃で4時間、再度加熱した。水層をMTBEにより抽出した。有機層を水層から分離し、水200ml(1.0V)により洗浄した。化合物Vの重量は、20.0gであった(2番目の収穫物;GCによる純度は97.14%)。水層を合わせ、MTBE(400ml)により抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸留した。化合物Vの重量は、19.0gであった(3番目の収穫物;GCによる純度は91.5%)。化合物Vの粗製重量の合計は、135g(収率82.87%)であった。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): 2.981 (1H, m), 2.712 (2H, d), 1.875 (1H, m), 1.816 (1H, m), 1.530 (1H, m), 1.016 (3H, d), 0.981 (3H, d).
(例2.2)1リットルの丸底フラスコ中で、例1.1において得られた2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(100g)をMeOH(200ml、2V)に溶解し、シアン化ナトリウム(29.3g、1.0当量)の水溶液(100ml、1V)を約1時間で滴下添加した。発熱が観察され、最大42℃となった。添加の終了後、下方蒸留器(downward distillation)を据え付け、反応物の温度が95℃に到達するまで、反応物からメタノールを留去した。約95℃で3時間加熱を続ける。メタノールの蒸留後、固体が沈殿し始めた。この反応混合物を30℃に冷却した。固体物質の懸濁が観察された。水(150ml、1.5V)を添加してこの懸濁液を崩すと、濁りのない2つの層が得られた。有機層を水層から分離し、水(100ml)により洗浄した。化合物Vの重量は、64gであった(収率78.5%、GCによる純度は94.86%)。
(例2.3)3リットルの丸底フラスコ中で、例1.1において得られた、2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(515g)をMeOH(420ml)に溶解し、シアン化ナトリウム(147g、1.0当量)の水溶液(630ml、2.1V)を約30分間で滴下添加した。発熱が観察され、最大45〜50℃となった。添加の終了後、下方蒸留器を据え付け、反応物の温度が95℃に到達するまで、反応物からメタノールを留去した。約95℃で1時間加熱を続ける。メタノールの蒸留後、固体が沈殿し始めた。この反応混合物を30℃に冷却した。固体物質の懸濁が観察された。水(500ml、1.6V)を添加して懸濁液を崩すと、濁りのない2つの層が得られた。有機層を水層から分離し、水(300ml)により洗浄した。化合物Vの重量は389.7gであった(1番目の収穫物)。水層を一緒に合わせて、MTBE(500ml)により抽出した。MTBE層を分離し、無水Na2SO4で脱水してもよかった。MTBEの蒸留後、9.0g(2番目の収穫物)の化合物Vが得られた。化合物Vの粗製重量の合計は、401gである(収率97.24%、GCによる純度は92.1%)。この粗製物を100〜104℃/2.0〜2.5torrを得る蒸留によりさらに精製すると、GC純度が>98%の純粋な生成物が338g(82%)得られ、別の約8〜10%の不純物を含むフラクションを約90%の純度で集めた、これを、その後の蒸留のために再利用することができる。
(例2.4)2リットルの丸底フラスコ中で、例1.1において得られた、2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(100g)を水(100ml、1V)と共に撹拌し、シアン化ナトリウム(29.4g、1.0当量)の水溶液(200ml、2V)を約15分間で滴下添加した。発熱が観察され、最大30℃になった。添加が終了した後、この反応混合物を89〜92℃で10時間、還流する。この反応混合物を30℃に冷却した。有機層を水層から分離し、水(100ml)により洗浄した。化合物Vの重量は68.5gであった(1番目の収穫物)。水層を一緒に合わせて、MTBE(200ml)により抽出した。MTBE層を分離し、無水Na2SO4で脱水してもよかった。MTBEの蒸留の後、2.5g(2番目の収穫物)の化合物Vが得られた。化合物Vの粗製重量の合計は、70gである(収率87.12%、GCによる純度は96.88%)。
(例2.5)設置した反応装置は、油浴上の、500mlの4つ口RBF、機械式撹拌器、および温度計用ポケットからなる。シアノ酢酸メチル50g(0.505mol)およびイソバレルアルデヒド43.4g(0.505mol)をMeOH(50ml)に溶解した。シアン化ナトリウムのシアン化ナトリウム(24.52g、0.505mol)の水溶液80mlを、撹拌下でゆっくりと添加した(発熱が観察され、最大約25〜54℃になった)。追加の水(20ml)を使用して、滴下漏斗をすすいだ。反応混合物を74〜76℃(還流温度)で加熱し、3時間維持した。還流凝縮器を取り外した後、下方蒸留の組み立て物を取り付け、下方蒸留を開始し、反応物の温度が95℃に到達するまで、反応物からメタノールを除去した。この反応混合物をこの温度で5.0時間、維持した。この反応混合物を室温までゆっくり冷却した。生成物の上部の油状層を分離し、水により洗浄した(50ml×2)。この油状物の重量は、58.0gであった(収率、84.40%、GCによる純度は98.63%)。水層をすべてまとめ、MTBE(50ml×2)により抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、真空下、40℃で蒸発させると、2番目の収穫物が3.0g得られた(収率4.36%、GCにより96.32%)。合わせた収率は、88%であった。
(例2.6)設置した反応装置は、油浴上の、1000mlの4つ口RBF、機械式撹拌器、および温度計用ポケットからなる。シアノ酢酸メチル(100.0g)およびイソバレルアルデヒド(86.92g)を水100mlに添加した。撹拌下、上記の混合物に、シアン化ナトリウム(49.5g、1.0当量)の水溶液(200ml)を30分間、滴下添加した。下方蒸留の組み立て物を設置し、反応物の温度が>90℃に到達するまで、反応物からメタノールの留去を始めた。反応物を、さらに12時間、90〜98℃の範囲の温度に維持する。この反応混合物を30℃に冷却した。有機層を水層から分離し、水200mlにより有機層を洗浄した。化合物Vの重量は、130gであった(収率94.0%、GC分析による純度95.81%)。
(例2.7)油浴上に、機械式撹拌器および温度計用ポケットを装備した、2Lの4つ口RBF中、25℃で、シアノ酢酸メチル(200g、1当量)およびイソバレルアルデヒド(173.84g、1.0当量)をMeOH(200ml、1.0V)に溶解した。シアン化ナトリウム(98.90g、1.0当量)の水溶液400ml(2.0V)を1.5時間かけて、25℃で滴下添加した。反応物を80℃で3時間加熱し、GCによりシアノ酢酸メチルの消費を確認した。下方蒸留の組み立て物を取り付け、3時間、反応物の温度が92℃に到達するまで、反応物からメタノールを留去した。次に、反応物が固体になる。固化を回避するため、水200ml(1V)を添加した。この反応混合物をさらに5時間、92〜94℃の間に維持した。形成した有機層を水層から分離した。有機層を水200ml(1.0V)により洗浄した。化合物Vの重量は、240g(収率87.30%)であり、GC純度は96.89%であった。MTBE(2×200ml)を使用して、水層を抽出した。このMTBE層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBEを蒸留すると、GC純度75.0%を有する、生成物Vが5.3g得られた。この粗製化合物V(245.3g)を高真空下、蒸留により精製すると、GCによる純度99.26%を有する、234.2g(85.2%)の精製化合物Vが得られた。
(例3.1)ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(VI)の調製
1リットルの4つ口RBFは、機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーター用プローブを装備した。室温(25℃)で、このフラスコに粗製化合物V(50.0g)および水666ml(13.3V)を添加した。固体のNaHCO3を使用して、溶液のpHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に温め、この反応混合物にニトリラーゼ酵素調製物(4.0ml、比活性230U/ml)を添加した。pHを約7.5に保持することにより、この反応混合物を30℃で24時間撹拌した。24時間後、この反応混合物を25℃にした。反応物をMTBE(150ml)により抽出し、150torr下、45℃で蒸発させた後、0.5gの未反応出発原料が回収された。濃HCl(約50ml)を添加することにより、水層を酸性にしてpH1.0にした。水層をMTBE(2×150ml)により抽出した。合わせたMTBE層は、硫酸ナトリウムで脱水してもよかった。MTBE層を蒸発させると、化合物VI(R2=H)が54g(収率94.78%;GCによる純度94.40%)得られた。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): 3.048 (1H, m), 2.768 (1H, dd), 2.615 (1H, dd), 1.883 (1H, m), 1.674 (1H, m), 1.368 (1H, m), 0.998 (3H, d), 0.978 (3H, d).
(例3.2)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、5Lの4つ口RBF中に、25℃で、化合物V(200.0g、1.0当量)および水2660mlを入れた。固体のNaHCO3を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を35°±2℃に温め、この反応混合物にニトリラーゼ酵素(16.0ml、比活性230U/ml)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、35°±2℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を23時間後にGCによりモニターした(未反応化合物III≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。この反応物をMTBE(2×300ml)により抽出し、減圧下、45℃で濃縮すると、未反応出発原料(1.0g)が回収された。濃HCl(200ml)を添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。MTBE(3×400ml)により水層を抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度91.07%を有する化合物VI(R2=H)が218.1g(95.69%)得られた。
(例3.3)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、250mlの4つ口RBF中に、化合物V(10.0g、1.0当量)、水100ml(10V)、およびMeOH5ml(0.5V)を30℃で入れた。固体のNaHCO3を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に維持し、この反応混合物にニトリラーゼ酵素(0.76ml、比活性300U/ml)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、30℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を23時間後にGCによりモニターした(未反応化合物V≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。この反応物をMTBE(2×25ml)により抽出し、減圧下、45℃で濃縮すると、未反応出発原料(3.9g)が回収された。濃HClを添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。水層を、MTBE(2×40ml)により抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度77.82%を有する化合物VI(R2=H)が6.5g(57.52%)得られた。
(例3.4)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、250mlの4つ口RBF中に、化合物V(10.0g、1.0当量)、水50ml(5V)を30℃で入れた。固体のNaHCO3を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に維持し、この反応混合物にニトリラーゼ酵素(0.76ml、比活性300U/ml)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、30℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を23時間後にGCによりモニターした(未反応化合物V≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。反応物を、MTBE(2×25ml)により抽出した。濃HClを添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。水層を、MTBE(2×40ml)により抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度75.12%を有する化合物VI(R2=H)が3.8g(33.62%)得られた。
(例3.5)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、500mlの4つ口RBF中に、化合物V(25.0g、1.0当量)、水332.5ml(13.3V)を30℃で入れた。固体のNaHCO3(1.17g)を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に維持し、この反応混合物にニトリラーゼ酵素(2.7ml、比活性300U/ml)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、30℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を23時間後にGCによりモニターした(未反応化合物V≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。MTBE(2×25ml)により反応物を抽出した。濃HClを添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。MTBE(2×40ml)により、水層を抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度78.3%を有する化合物VI(R2=H)が25.6g(89.98%)得られた。
(例3.6)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、500mlの4つ口RBF中に、化合物V(25.0g、1.0当量)、水332.5ml(13.3V)を30℃で入れた。固体のNaHCO3(1.17g)を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に維持し、この反応混合物にニトリラーゼ酵素(3.37ml、比活性300U/ml)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、30℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を23時間後にGCによりモニターした(未反応化合物V≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。反応物を、MTBE(2×25ml)により抽出した。濃HClを添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。MTBE(2×40ml)により、水層を抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度84.73%を有する化合物VI(R2=H)が26.6g(93.75%)得られた。
(例3.7)機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーターを装備した、500mlの4つ口RBF中に、化合物V(25.0g、1.0当量)、水250ml(10V)、およびMeOH1.25mlを35℃で入れた。固体のNaHCO3(1.75g)を使用して、pHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を35℃に維持し、この反応混合物に粉末ニトリラーゼ酵素(1.75g、比活性300U/ml、16.2u/g)を添加した。この反応混合物を、pH7.5±0.2に維持することにより、35℃で24時間撹拌した(必要な場合、固体のNaHCO3または1N HClを使用することによりpHを調節する)。反応を24時間後にGCによりモニターした(未反応化合物V≦1%)。この反応混合物を25℃に冷却し、反応物をろ過した。MTBE(2×25ml)により反応物を抽出した。MTBE層を蒸発させると、化合物Vが4.5g(18%)回収された。濃HClを添加することにより、水層を酸性にしてpH1〜2にした。水層を、MTBE(2×40ml)により抽出した。MTBE層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、45℃でMTBE層を蒸留すると、GCによる純度97.82%の化合物VI(R2=H)が20.5g(71.92%)得られた。
(例3.8)30リットルの反応器に、9.0kgの水を25℃〜35℃で投入した。清浄なHDPE容器に、水10.99リットルおよび化合物V1.500kg(1.0当量)を25℃〜35℃で投入し、30分間、微細化した。微細化後、微細小球の形成が観察され、反応器に移送した。固体のNaHCO3(約30.0gm)を使用して、この混合物のpHを7.5±0.2に調節した。反応物の温度を35±2℃にし、ニトリラーゼ酵素129.26gm(比活性、0.235kU/mL)を1回で投入した。酵素の容器を水0.2Vによりすすぎ、反応器に投入した。固体のNaHCO3を使用することにより、反応物のpHを7.5±0.2に調節した。炭酸水素ナトリウム溶液または希塩酸を添加することによりpH7.5±0.2を維持することによって、この反応混合物を35±2℃で14.0時間、撹拌した。化合物Vが<1%になるまで、反応を継続する。真空下、ブフナーろ過器を使用することにより、反応器から反応物をろ過する。ろ液を反応器に投入し、濃塩酸および(約1.56kg)を使用することにより、pHを1〜2に調節する。このろ液を、MTBE(3×3.0リットル)により抽出した。減圧下、45℃および400〜10torの真空でMTBE層を濃縮すると、90.3%のアッセイ基準とする収率で化合物VIが得られた。
(例4.1)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
磁気撹拌器上に、安全管を取り付けた還流凝縮器を有する磁針を装備した、100mlの1つ口RBFを設置した。ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(5g)をMeOH(50ml、10.0V)に溶解し、0〜5℃に冷却し、次いで、塩化チオニル(4.59g;1.2当量)を室温で滴下添加した。この得られた溶液を室温で16時間撹拌した。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(25ml)により希釈し、酢酸エチル(15×3ml)により抽出した。有機層を飽和炭酸水素塩溶液(5ml×3)およびブライン(5ml)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると3.8g(GCによる収率69.7%〜85%)得られた。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): 3.746 (3H), 3.082 (1H, m), 2.723 (1H, dd), 2.571 (1H, dd), 1.882 (1H, m), 1.655 (1H, m), 1.352 (1H, m), 0.974 (3H, d), 0.958 (3H, d).
(例4.2)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
磁気撹拌器上に、磁針、および安全管を取り付けた還流凝縮器を装備した、250mlの1つ口RBFを設置した。ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(9.0g)をMeOH(90ml、10.0V)に添加し、0〜5℃に冷却し、次いで、塩化トリメチルシリル(6.29g、1.0当量)を0〜5℃で5分間、滴下添加した。この得られた溶液を室温で48時間撹拌した。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(50ml)により希釈し、酢酸エチル(20×3ml)により抽出した。有機層を飽和炭酸水素塩溶液(5ml×3)およびブライン(5ml)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると化合物VII(R3=メチル)が9g(収率91.7%およびGCによる純度97.2%)得られた。
(例4.3)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
磁気撹拌器上に、安全管を取り付けた還流凝縮器を有する磁針を装備した、2Lの1つ口RBFを設置した。25℃で、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(150g)、次いでH2SO412g(0.12当量)をMeOH(750ml)に添加した。還流温度(68℃)で1時間、この反応物を撹拌する。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(750ml)により希釈し、酢酸エチル(150×3ml)により抽出した。有機層を飽和炭酸水素塩溶液(100ml×2)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると化合物VII(R3=メチル)が155.5g(収率95%、GCによる純度>96%)得られた。
(例4.4)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
オーバーヘッド型撹拌器および安全管を取り付けた還流凝縮器を装備した2Lの2つ口RBFを設置した。25℃で、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(443g)、次いでH2SO4(35.44g、0.12当量)をMeOH(2215ml、5.0V)に溶解した。還流温度(68℃)で1時間、反応物を撹拌する。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(2000ml)により希釈し、酢酸エチル(300×3ml)により抽出した。有機層を飽和炭酸水素塩溶液(100ml×2)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると化合物V(R3=メチル)が459.1g(収率95%、GCによる純度>97.62%)得られた。この物質を真空下で蒸留すると、化合物VIIが収率85.52%、GCアッセイ>99.5%で得られた。
(例4.5)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
オーバーヘッド型撹拌器および安全管を取り付けた還流凝縮器を装備した、2Lの2つ口RBFを設置した。25℃で、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(410g)、次いでH2SO4(32.8g、0.12当量)をMeOH(2050ml)に溶解した。還流温度(68℃)で1時間、反応物を撹拌する。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(2000ml)により希釈し、トルエン(300ml×3)により抽出した。有機層を水(300ml)、次いで飽和炭酸水素塩溶液(100ml×2)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると化合物V(R3=メチル)が425.6g(収率95.2%、GCによる純度>95.59%)得られた。この物質を真空下で蒸留することによりさらに精製すると、化合物VIIが収率86.18%、GCアッセイ>99.8%で得られた。
(例4.6)メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
乾燥した清浄な30リットルの反応器に、撹拌下、25〜30℃で、MeOH(5.43リットル)およびラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(1.81kg)を投入した。25〜30℃で、シアノ酸の容器をMeOH(1.81リットル)によりすすぎ、反応器に移送し、次いでH2SO4(0.145kg、シアノ酸に対して8%)を移送した。還流温度(65〜68℃)で1時間、反応物を撹拌する。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(9.05リットル)により希釈し、トルエン(1.81リットル×3ml)により抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩溶液(1.81リットル×2)により洗浄した。40〜45℃で蒸留してトルエンを除去すると、化合物VII(R3=メチル)が425.6g(収率95.2%、GCによる純度>95.59%)得られた。薄膜蒸発器を使用する蒸留により、この物質をさらに精製すると、化合物VIIが、GCアッセイ>96.14%を有する純度に基づくと、収率79.18%で得られた。
(例4.7)シアノ酢酸メチルから始める、メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
油浴上に、機械式撹拌器および温度計用ポケットを装備した、1Lの4つ口RBF中、25℃で、シアノ酢酸メチル(100g、1当量)およびイソバレルアルデヒド(95.6g、1.0当量)をメタノール(100ml、1.0V)に溶解した。25℃で、シアン化ナトリウム(98.90g、1.0当量)の水溶液200ml(2.0V)を1.5時間かけて滴下添加した。反応物を80℃で3時間加熱し、GCによりシアノ酢酸メチルの消費を確認した。追加の水(100ml)を添加した。下方蒸留の組み立て物を取り付け、3時間、反応物の温度が92℃に到達するまで、反応物からメタノールを留去した。この反応混合物をさらに5時間、92〜94℃の間に維持した。形成した有機層を水層から分離した。水200ml(1.0V)により有機層を洗浄した。化合物Vの重量は、128g(収率93.12%)で、GC純度は95.82%であった。
1リットルの4つ口RBFは、機械式撹拌器、温度計用ポケット、およびpHメーター用プローブを装備していた。上記で得られた粗製化合物V(25.0g、純度95.82%)およびDM水333ml(13.3V)を、25℃でフラスコに添加した。固体のNaHCO3(約2.0gが必要であった)を使用して、溶液のpHを7.5±0.2に調節した。反応混合物を30℃に温め、この反応混合物にニトリラーゼ酵素調製物(1.8ml、20.5u/g基質、比活性257U/ml)を添加した。pHを7.5±0.2を保持(必要に応じて、および必要な場合、固体NaHCO3または1N HClを使用することにより)することによって、この反応混合物を35℃で24時間撹拌した。24時間後、この反応混合物を25℃にした。反応物をMTBE(75ml)により抽出し、150Torr下、45℃で蒸発させた後、0.25gの未反応出発原料が回収された。濃HCl(約50ml)を添加することにより、水層を酸性にしてpH1.0にした。水層を、MTBE(2×75ml)により抽出した。合わせたMTBE層は、硫酸ナトリウムで脱水してもよかった。MTBE層を蒸発させると、化合物VI(R2=H)が24.5g(収率86%;GCによる純度80%)得られた。
磁気撹拌器上に、安全管を取り付けた還流凝縮器を有する磁針を装備した、250mlの1つ口RBFを設置した。25℃で、上記で得られたラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(24g)、次いでH2SO42.4gをMeOH(72ml、3.0V)中に添加した。還流温度(64〜65℃)で1時間、反応物を撹拌する。反応物を真空下で蒸発させた後、油状残さを水(375ml)により希釈し、酢酸エチル(50ml×3)により抽出した。有機層を飽和炭酸水素塩溶液(20ml×2)により洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮すると化合物VII(R3=メチル)が24g(収率91.7%、GCによる純度>93.4%)得られた。
ラセミ化による、Rに富む酸を再利用することによる、メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製


(例4.8)Rに富む(IX)からのメチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
油浴上に、磁針、温度計用ポケット、および還流凝縮器を装備した250mlの1つ口RBFを組み立てた。Rに富む3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(5.0g、1.0当量)をDMSO(25ml)に溶解し、NaHCO3(1.08g、1.0当量)を25℃で添加した。反応物を100℃で12時間加熱した。熱溶液に、KOtBu(2.17g、0.6当量)を添加し、130℃で6時間撹拌した。反応混合物を25℃に冷却し、水(12.5ml)を添加した。1N HCl溶液により酸性にしてpH1〜2にし、酢酸エチル(20ml×3)によって抽出した。EtOAc層を水(15ml×3)により洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、40℃で濃縮すると、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸が3.5g得られた。25℃で、残さにMeOH(18ml)、次いでH2SO4(0.18g)を添加した。この反応混合物を1時間、還流した。反応物を真空下、約45℃で濃縮し、水(18ml)を添加した。EtOAc(15ml×3)を使用して油状層を抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15ml×2)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下、40℃で濃縮すると、GCによる純度が約80%、キラルGC純度データ(%)であるS:Rが50.16:49.84となる、75%の粗製メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートが得られた。
(例4.9)Rに富む(IX)からのメチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
油浴上に、磁針、温度計用ポケット、および還流凝縮器を装備した、250mlの3つ口RBFを組み立てた。Rに富む3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(2.0g、1.0当量)をEtOH(20ml)に溶解し、NaOEt(1.32g、1.5当量)を25℃で添加した。反応物を78℃で4時間、還流した。この反応混合物を25℃に冷却し、水(2.0ml)を添加した。1N HCl溶液により酸性にしてpH1〜2にし、MTBE(7ml×3)によって抽出した。合わせたMTBE層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、40℃で濃縮すると、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸が1.7g得られた。25℃で、残さにMeOH(5ml)、次いでH2SO4(0.136g)を添加した。この反応混合物を1時間、還流した。反応物を真空下、約45℃で濃縮し、水(8.5ml)を添加した。EtOAc(5ml×3)を使用して油状層を抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5ml×2)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下、40℃で濃縮すると、GCによる純度が約80%、およびキラルGC純度データ(%)であるS:Rが50.74:49.26である、粗製メチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートが1.6g(80.8%)得られた。
(例4.10)Rに富む(IX)からのメチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
油浴上に、磁針、温度計用ポケット、および還流凝縮器を装備した、1リットルの3つ口RBFを組み立てた。Rに富む3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(100.0g、1.0当量)をEtOH(500ml)に溶解し、NaHCO3(54.12g)およびNaOEt(32.85g、0.75当量)を25℃で添加した。反応物を78℃で4.5時間、還流した。エタノールの大部分を蒸留した。反応混合物を25℃に冷却し、水(200ml)を添加し、EtOHおよび水(100ml)を留去した。1N HCl溶液により酸性にしてpH1〜2にし、MTBE(150ml×3)によって抽出した。合わせたMTBE層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、40℃で濃縮すると、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸が100g得られた。25℃で、残さにMeOH(500ml)、次いでH2SO4(8g)を添加した。この反応混合物を1時間、還流した。反応物を真空下、約45℃で濃縮し(<500torr、70%のMeOHを回収した)、水(200ml)を添加した。トルエン(150ml×2)を使用して油状層を抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH7〜8)により洗浄した。有機層を40℃、減圧下(約500torr)にすると、GCによる純度約86.37%を有する粗製メチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートが88.96%の収率(2ステップ)で得られた。この粗製物質を真空下、蒸留によりさらに精製すると、GCによる純度>96%を有する純粋な生成物が68%で得られた。
(例4.11)Rに富む(IX)からのメチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
油浴上に、機械式撹拌器、温度計用ポケット、および還流凝縮器を装備した、5リットルの3つ口RBFを組み立てた。Rに富む3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(500.0g、1.0当量)をEtOH(3000ml)に溶解し、25℃で、NaHCO3(270.62g)およびNaOEt(164.42g、0.75当量)を添加した。反応物を78℃で4.0時間、還流した。エタノールの大部分を蒸留した。反応混合物を25℃に冷却し、水(1000ml)を添加し、EtOHおよび水(500ml)を留去した。1N HCl溶液により酸性にしてpH1〜2にし、MTBE(500ml×2)によって抽出した。合わせたMTBE層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよかった。減圧下、40℃で濃縮すると、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸が100g得られた。25℃で、残さにMeOH(2500ml)、次いでH2SO4(40g)を添加した。この反応混合物を1時間、還流した。反応物を真空下、約45℃(<500torr)で濃縮し、水(800ml)を添加した。トルエン(750ml×2)を使用して、油状層を抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH7〜8)により洗浄した。有機層を40℃、減圧下(約500torr)にすると、GCによる純度約81.02%を有する粗製メチル−3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートが445g(2ステップで収率81.62%)得られた。この粗製物質を真空下、蒸留によりさらに精製すると、GCによる純度>97.8%を有する純粋な生成物が342g(62.73%)得られた。
酵素を触媒とする加水分解を、異なる酵素を20%の投入量で、pH8のリン酸緩衝液(1ml、10V)において、化合物V100mgを用いた探索も行い、両方の緩衝溶液すなわちpH7および8において、カンジダ・アンタルクチカB1を用いた場合だけ、酸の形成がGC上で観察された。pH7および8において検討した反応の中で、pH8よりもpH7での方が、反応速度(反応速度に対する酵素活性)が速いことが見いだされた。pH8中、他の条件は同一にした場合、どの酵素も反応しなかった。


5%投入量のカンジダ・アンタルクチカB1により、より長い反応時間、すなわち96時間で、S−エステル(ee97.98%)が収率38%得られた。再利用性がないために、Novocor ADLのコストは、Novozyme435と比較して、非常に高いことが分かった。したがって、さらなる検討には、Novozyme435だけを考慮に入れた。化合物Vの酵素加水分解を、水性NaHCO3緩衝液(pH7.0)および1,4−ジオキサン(3;1)をそれぞれ10V、20V、30Vで、2.5%および7.5%の酵素投入量(Novozyme435)で検討し、化合物XのキラルGC純度が、約93から98%に向上することが観察された。


(例5.1)(S)−メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸の調製
磁気撹拌器上で、磁針(magnetic needle)を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(0.5g、1.0当量)、次いでカンジダ・アンタルクチカB1(0.1g)をリン酸緩衝液(3.75ml、pH=7.0)および1,4−ジオキサン(0.125ml)に分散した。反応物を5時間撹拌した。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液15ml(5ml×3)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が0.17g(S−エステル43%、化学純度96.83%、>98.6%ee)である。
(例5.2)(S)−メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸の調製
磁気撹拌器上で、磁針を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(0.5g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.01g)を水性1.9%NaHCO3(9.4ml、pH=7.0)および1,4−ジオキサン(3.13ml)に分散した。反応物を24時間撹拌した。反応の終了時に、反応のpHは約8.3であることが観察された。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液15ml(5ml×3)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が37.5%(S−エステル、化学純度91.86%、>98.14%ee)である。水層から、GCによる純度が78%のRに富む酸を、56.7%で単離した。
(例5.3)(S)−メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸の調製
磁気撹拌器上で、磁針を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(5g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.1g)を水性7%NaHCO3(75ml、pH=7.5)に分散した。反応物を12時間撹拌した。反応中、pHを7.5に維持した。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液15ml(5ml×3)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が32.0%(S−エステル、化学純度87.30%、キラル純度99.91%)である。水層から、純度78%を有するRに富む酸を、62.57%で単離した。
(例5.4)(S)−メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸の調製
磁気撹拌器上で、磁針を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(5g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.01g)を水性7%NaHCO3(75ml、pH=7.0)に分散した。反応物を12時間撹拌した。反応中、pHを7.0に維持した。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液15ml(5ml×3)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が39.0%(S−エステル、化学純度91.05%、キラル純度99.94%)である。水層から、GCによる純度78%およびキラル純度80.86%eeを有するRに富む酸を、58.7%で単離した。
(例5.5)(S)−メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの調製
磁気撹拌器上で、磁針を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(5g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.01g)を水性7%NaHCO3(75ml、pH=8.0)に分散した。反応物を12時間撹拌した。反応中、pHを8.0に維持した。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液15ml(5ml×3)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が38.2%(S−エステル、化学純度91.51%、キラル純度99.73%)である。水層から、GCによる純度78%およびキラル純度80.86%eeを有するRに富む酸を57.8%で単離した。
(例5.6)
磁気撹拌器上に、磁針を装備した250mlの1つ口RBF中で、メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(10g、1.0当量)を、NaHCO3(10.5g)を含有している7%NaHCO3水溶液(pH7.0)(150ml)に分散させて、25℃でNovozyme435を0.2g添加した。キラルGC分析によりモニターして、加水分解が>50%になるまで、この反応物を26±2℃で7時間撹拌した。反応の終了時に、反応のpHは約8.0であることが観察された。真空を使用してブフナー漏斗によって反応物をろ過し、残留酵素を酢酸エチル(50ml)により洗浄した。2つの層を分離した。水層を酢酸エチル(3×20ml)により抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩溶液60mlにより洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、減圧下で濃縮すると、GCによる純度91.73%およびキラル純度99.91%(99.82%ee)を有する化合物VIIIが20g(40.1%)得られた。1N HCl溶液により、pH1〜2になるまで水層を酸性にし、酢酸エチル(60ml)により抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。EtOAcを減圧下で蒸留すると、Rに富むX(R2=H)が5.4g得られた。
(例5.7)
機械式撹拌器を装備した10リットルのRBF中で、メチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(450g、1.0当量)を、7%NaHCO3水溶液(pH7.0)(6750ml)に分散させて、25℃でNovozyme435を9.0g添加した。キラルGC分析によりモニターして、加水分解が>50%になるまで、この反応物を26±2℃で6時間撹拌した。管理している間、pH調節は行わなかった。真空を使用してブフナー漏斗によって反応物をろ過し、残留酵素を酢酸エチル(800ml)により洗浄した。2つの層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩溶液により洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、減圧下で濃縮すると、GCによる純度98.74%およびキラル純度99.95%の化合物VIIIが180g(41.0%)得られた。水層は、1N HCl溶液により、pH1〜2になるまで酸性にし、酢酸エチル(2×300ml)により抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。EtOAcを減圧下で蒸留すると、Rに富むX(R2=H)が234g得られた。
(例5.9)
磁気撹拌器上で、磁針を備えた25mlの1つ口RBFを設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(10g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.2g)を水性7%NaHCO3(150ml、pH=7.0)に分散した。反応物を12時間撹拌した。反応中、pHを維持しなかった。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液50ml(25ml×2)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)が2.3g(23%)(%S−エステル、化学純度96.94%、キラル純度100%)である。水層から、Rに富む酸を72.8%で単離した。
(例5.10)
機械式撹拌器を備えた25mlのSS反応槽を設置した。ラセミメチル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエート(5g、1.0当量)、次いでNovozyme435(0.1g)を水性7%NaHCO3(75ml、pH=7.0)に分散した。反応物を25℃で6時間撹拌した。反応中、pHを維持しなかった。反応物を酢酸エチルにより希釈し、吸引ろ過した。層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液30ml(15ml×2)により洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してもよく、濃縮した。単離収率は、化合物VIII(R3=メチル)のS−エステル(化学純度98.21%、キラル純度99.8%)が1.99g(39.8%)である。水層から、Rに富む酸を57.2%で単離した。

(例6.1)ラセミプレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、水350ml中で水酸化ナトリウム14.18gを溶解することにより調製した、苛性アルカリ溶液を入れた。この溶液を20〜25℃に冷却し、ラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸(50g)をこのオートクレーブに添加した。Raney Ni(15.0g、30%w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。水素ガス5kg/cm2を加圧し、窒素ガスを除去するため、大気に2回放出した。30℃、700RPM、および水素ガス圧10kg/cm2で撹拌を開始した。HPLCにより反応の完結を確認するまで、水素化を続けた。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、水(50ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。反応物を、MTBE(150ml)により抽出した。濃HClを60〜65ml用いて、水層を酸性にしてpH1.0にした。反応物を0℃に冷却して、10%NaOH溶液(約25ml)を添加することにより、pH7.4に調節した。ラセミプレガバリンが、白色結晶として、分離を始めた。反応物を0℃で2〜3時間、維持した。真空下、ブフナー漏斗によって固体をろ過した。湿潤ケーキを水50mlにより洗浄し、30分間、吸引乾燥すると、湿潤ケーキが55.0g得られた。ラセミプレガバリンの湿潤ケーキを、真空下、45℃で3〜5時間乾燥すると、35.5g(収率71.1%、HPLCによる純度98.09%)が得られた。1H-NMR (D2O, 400 MHz): 2.945 (2H, d), 2.378 (2H, m), 2.078 (1H, m), 1.566 (1H, m), 1.170 (2H, dd), 0.809 (6H, dd).
(例6.2)ラセミプレガバリン(prgabalin)の調製
清浄な400mlのオートクレーブに、25℃で3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル10.0g(1当量)をメタノール(100ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水4.75ml中に2.85g、約60%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(3.0g、30%w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。ほぼ完全に転換するまで、水素化を続けた(HPLCにより確認)。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(25ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約5ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール15〜20mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られたラセミプレガバリンの乾燥重量は、5.17g(収率55%;HPLCによる化学純度99.26%)であった。
(例6.3)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル60.0g(1当量)を25℃でメタノール(600ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水85ml中に27.14g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(基質に対して18.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。ほぼ完全に転換するまで、水素化を続けた(HPLCにより確認)。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(80ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約30ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール60mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、45.16g(収率80.0%、HPLCによる化学純度99.27%、HPLCによるキラル純度99.81%)であった。
(例6.4)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル20.0g(1当量)を25℃でメタノール(200ml、10V)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水28.28ml中に9.05g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(基質に対して6.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を48時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(20ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約30ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール20mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、14.03g(収率74.62%、HPLCによる化学純度99.94%、HPLCによるキラル純度99.96%)であった。
(例6.5)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、25℃で(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル30.0g(1当量)をメタノール(150ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化ナトリウム溶液(水25.6ml中に8.197g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(9.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(40ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約15ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール60mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、19.0g(収率67.32%、HPLCによる化学純度94.33%)であった。
(例6.6)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、25℃で(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル20.0g(1当量)をメタノール(200ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水24ml中に7.69g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(6.0g、30%)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。70℃および水素ガス圧10kg/cm2において500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(30ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約10ml)の使用により、ろ液をpH7.1±0.1に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール40mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、12.7g(収率67.51%、HPLCによる化学純度98.62%)であった。
(例6.7)S−プレガバリンの調製
機械式撹拌器、温度計用ポケット、および密栓を装備した1リットルの3つ口RBF中で、(S)−(3)−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル60.0g(1当量)およびメタノール225.0mlを入れ、5〜10℃に冷却した。反応温度を10℃未満に保持することにより、この溶液に、32%水性水酸化カリウム溶液84.67ml(1.16当量)を添加した。この反応混合物を15〜25℃で1.5時間、撹拌(stiorred)した。反応物を、MeOH(225ml)およびRaney Ni18.0g(30%w/w)を含有しているオートクレーブに移送した。圧力10kg/cm2、350RPM、約40℃で、最大22時間、水素化した。触媒をろ過した。ろ液に活性炭(1.5%w/w)を添加して、室温で1時間撹拌してもよかった。この混合物をセライトベッドによりろ過し、メタノール60mlにより洗浄した。次に、氷酢酸を添加することにより、pHを7.1±0.1の範囲内に調節した。真空下、<40℃でメタノール、続いて<45℃および<500torrの真空でMeOHと水との混合物を蒸留することにより除去した(収集した蒸留物の合計は、添加したMeOHと水の合計の75〜85%になる量である)。反応混合物を5〜10℃で冷却し、この温度を3時間、保持した。固体をろ過し、IPA(120ml)により洗浄し、室温で3時間吸引乾燥すると、HPLC純度が98.37%を有する粗製プレガバリンが54.8g(97.07%)得られた。粗製プレガバリンを還流している水に溶解する。30〜40%の溶液が得られるまで、濁りのない溶液を蒸留した。この反応混合物を約25℃で冷却し、ろ過した。IPA(45ml)により洗浄し、この固体を3時間乾燥すると、純粋なプレガバリン33.0gが得られた(単離収率58.0%、HPLC純度99.14%)。
(例6.8)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル20.0g(1当量)を25℃でメタノール(200ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水24ml中に7.69g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(基質に対して6.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。水素ガス5kg/cm2を加圧し、窒素ガスを除去するため、大気に2回放出した。70℃および水素ガス圧5kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(30ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約10ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール40mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、12.2g(収率64.85%、HPLCによる化学純度98.63%)であった。
(例6.9)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、25℃で(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル30.0g(1当量)をメタノール(225ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水36ml中に11.53g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(基質に対して9.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。水素ガス10kg/cm2を加圧し、窒素ガスを除去するため、大気に2回放出した。30℃および水素ガス圧5kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH水(30ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約10ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過し、吸引乾燥した。湿潤ケーキ23.2g(82.21%)を水(約150ml)中の10%IPAに懸濁させ、90℃で2時間加熱した。室温まで冷却し、ろ過して乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、16.36g(収率58%;HPLCによる化学純度98.63%)であった。
(例6.10)S−プレガバリンの調製
機械式撹拌器、温度計用ポケット、および密栓を装備した1リットルの3つ口RBF中で、(S)−(3)−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル200.0g(1当量)およびメタノール750.0ml(3.75V)を入れ、5〜10℃に冷却した。反応温度を10℃未満に保持することにより、この溶液に、32%水性水酸化カリウム溶液282.0ml(1.16当量)を添加した。この反応混合物を約25℃で1.5時間、撹拌した。反応物を、MeOH(750ml)およびRaney Ni60.0g(30%w/w)を含有しているオートクレーブに移送した。圧力10kg/cm2、350RPM、約30℃で、最大22時間、水素化した。触媒をろ過した。ろ液に活性炭(1.5%w/w)を添加して、室温で1時間撹拌してもよかった。この混合物をセライトベッドによりろ過し、メタノール200mlにより洗浄した。次に、氷酢酸を添加することにより、pHを7.1±0.1の範囲内に調節した。真空下、<40℃でメタノール、続いて<45℃および<500torrの真空でMeOHと水との混合物を蒸留により除去した(収集した蒸留物の合計は、添加したMeOHと水の合計の75〜85%になる量である)。反応混合物を5〜10℃に冷却し、この温度を3時間保持した。固体をろ過し、IPA(120ml)により洗浄し、室温で3時間吸引乾燥すると、HPLC純度94.79%を有する粗製プレガバリンが155.0g(82.44%)得られた。粗製プレガバリンを還流している水に溶解する。30〜40%の溶液が得られるまで、濁りのない溶液を蒸留した。この反応混合物を約25℃で冷却し、ろ過した。IPA(200ml)により洗浄し、この固体を3時間乾燥すると、純粋なプレガバリン122.0gが得られた(単離収率64.8%、HPLC純度99.85%)。
(例6.11)S−プレガバリンの調製
機械式撹拌器、温度計用ポケット、および密栓を装備した1リットルの3つ口RBF中で、(S)−(3)−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル60.0g(1当量)およびメタノール225.0ml(3.75V)を入れ、5〜10℃に冷却した。反応温度を10℃未満に保持することにより、この溶液に、32%水性水酸化カリウム溶液84.67ml(1.16当量)を添加した。この反応混合物を15〜25℃で1.5時間、撹拌した。反応物を、MeOH(225ml)およびRaney Ni18.0g(30%w/w)を含有しているオートクレーブに移送した。圧力10kg/cm2、350RPM、約30℃で、最大22時間、水素化した。触媒をろ過した。ろ液に活性炭(1.5%w/w)を添加して、室温で1時間撹拌してもよかった。この混合物をセライトベッドによりろ過し、メタノール60mlにより洗浄した。次に、氷酢酸を添加することにより、pHを7.1±0.1の範囲内に調節した。真空下、<40℃でメタノール、続いて<45℃および約500torrの真空でMeOHと水との混合物を蒸留により除去した(採集した蒸留物の合計は、添加したMeOHと水の合計の75〜85%になる量である)。反応混合物を5〜10℃で冷却し、この温度を3時間保持した。固体をろ過し、MeOH(60ml)により洗浄し、室温で3時間吸引乾燥すると、HPLC純度89.9%を有する粗製プレガバリンが45.2g(80.1%)得られた。粗製プレガバリンを還流している水に溶解する。30〜40%の溶液が得られるまで、濁りのない溶液を蒸留した。この反応混合物を約40℃で冷却し、ろ過した。IPA(45ml)により洗浄し、この固体を3時間乾燥すると、純粋なプレガバリン34.0gが得られた(単離収率60.17%、HPLC純度99.84%)。
(例6.12)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル20.0g(1当量)を25℃でメタノール(200ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水24ml中に7.69g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(基質に対して6.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。40℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH(30ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約10ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上で固体をろ過した。湿潤ケーキを冷やしたイソプロピルアルコール40mlにより洗浄し、30分間吸引乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、13.9g(収率73.90%、HPLCによる化学純度96.72%)であった。
(例6.13)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、25℃で(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル20.0g(1当量)をメタノール(100ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水24ml中に7.69g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(6.0g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH(30ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約15ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用し、ブフナー漏斗上でこの固体をろ過し、30分間吸引乾燥すると、粗製湿潤プレガバリンが15.99g得られた。これを250mlの丸底フラスコに移し、10%水性MeOH(約80ml)を添加し、40〜50℃で2時間、加熱した。室温まで冷却し、ろ過して乾燥した。こうして得られた(S)−プレガバリンの乾燥重量は、13.59g(収率72.2%、HPLCによる化学純度99.71%)であった。
(例6.14)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、25℃で(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル250.0g(1当量)をメタノール(1875ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水300ml中に96.13g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(75g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOH(140ml)により洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸(約187.5ml)の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用して、ブフナー漏斗上でこの固体をろ過し、30分間吸引乾燥すると、粗製湿潤プレガバリンが192.0g得られた。粗製プレガバリンを還流している水に溶解する。30〜40%の溶液が得られるまで、濁りのない溶液を蒸留した。この反応混合物を約25℃で冷却し、ろ過した。IPAにより洗浄し、この固体を3時間乾燥すると、純粋なプレガバリン158.0gが得られた(単離収率67.16%、HPLC純度99.93%)。結晶化のMLRを、100〜110℃における下方蒸留により、半分の体積まで濃縮した。次に、この混合物を40℃に冷却し、次に、直ちにろ過した。その後に、25〜27℃で1時間、IPA中で撹拌してIPAケーキ洗浄を行い、ろ過した。このろ過ケーキをIPAにより洗浄すると、99.84%のHPLC純度を有する、追加量のプレガバリンが10.1g(4.3%)得られた。
(例6.15)S−プレガバリンの調製
清浄な1リットルのオートクレーブに、(S)−3−シアノ−5−メチルヘキサン酸メチルエステル70.0g(1当量)を25℃でメタノール(525ml)に溶解した。反応物の温度を25℃未満に維持するよう、添加速度を制御することにより、水酸化カリウム溶液(水84ml中に26.91g、約32%)を添加した。20〜25℃で約1.5時間撹拌した。Raney Ni(21g、30%、w/w)を添加した。このオートクレーブを適切に閉じ、撹拌を開始した。窒素ガスを2回パージすることにより、オートクレーブ内部の空気を置きかえた。10kg/cm2の水素ガスを加圧し、窒素ガスを除去するために、2回大気中に放出した。30℃および水素ガス圧10kg/cm2において、500RPMで撹拌を開始した。この水素化を22時間継続した。触媒をセライト、または他の適切な任意のベッドによりろ過し、MeOHにより洗浄した。触媒は、再使用するために回収した。氷酢酸の使用により、ろ液をpH7〜7.4に調節した。メタノールを減圧下、40℃で回収した。反応物を0〜5℃に1時間冷却した。真空を使用して、ブフナー漏斗上でこの固体をろ過し、30分間吸引乾燥すると、粗製湿潤プレガバリンが46.8g得られた。粗製プレガバリンを還流している水に溶解する。30〜40%の溶液が得られるまで、濁りのない溶液を蒸留した。この反応混合物を約25℃で冷却し、ろ過した。IPAにより洗浄し、この固体を3時間乾燥すると、純粋なプレガバリン37.6gが得られた(単離収率57.09%、HPLC純度99.84%)。結晶化のMLR(200mL)を60mlまで濃縮した。この混合物に、NaOH(5.26g)を添加し、5分間撹拌した。この懸濁液に、1,4−ジオキサン(60ml)に溶解したジ tert ブチルジカーボネート(13.56g)を添加し、25〜27℃で2時間、撹拌した。反応の完結をTLCによって確認した。次に、この反応混合物を濃縮し、残さを得た。この残さに水を添加し、MTBE(30ml)により抽出して、過剰のジ tert ブチルジカーボネートを除去した。クエン酸を用いて、水層のpHをpH=3にした。次に、この混合物を酢酸エチル(3×30ml)により抽出した。合わせた有機層をブライン(20ml)により洗浄して濃縮すると、Boc保護プレガバリンが7.2g得られた。1H- NMR (DMSO, 400 MHz): δ 12.00(s, 1H), 6.83 (t, 1H), 2.94 (m, 1H), 2.80(m, 1H), 2.24-2.19(dd, 1H), 2.01-1.90(m, 2H), 1.62(m, 1H), 1.37(s, 9H), 1.28(m, 1H), 1.13(m, 1H), 0.86(t, 6H). MS m/z: 258 (M-H)
以下のリストは、本発明において使用された、略語の一部である。
Aq :水性
Boc :三級ブチルオキシカルボニル
cm2 :平方センチメートル
DM :脱イオン化
DCM :ジクロロメタン
DBU :1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン
DIPA : ジイソプロピルアミン
DMAP : 4−ジメチルアミノピリジン
DPA :ジフェニルアミン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMSO :ジメチルスルホキシド
ee :鏡像異性体過剰率
eqv. :当量
EtOAc :酢酸エチル
g :グラム
GC :ガスクロマトグラフィー
h :時間
HPLC :高速液体クロマトグラフィー
IPA :イソプロピルアルコール
Kg :キログラム
KotBu :カリウムt−ブトキシド
KU :キロ単位
Lit :リットル
MDC :ジクロロメタン
MeOH :メチルアルコール
MIBK :メチルイソブチルケトン
ml :ミリリットル
mmol :ミリモル
mol :モル
MTBE :第三ブチルメチルエーテル
NMR :核磁気共鳴分光法
RBF :丸底フラスコ
RPM :毎分回転数
THF :テトラヒドロフラン
TLC :薄層クロマトグラフィー
U :単位
V :体積

Claims (38)

  1. 式(I)の化合物の調製の改善方法であって、
    (a)任意に適切な溶媒中、弱酸の塩および弱塩基、または弱塩基の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを反応させて、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを得るステップ、
    (式中、R1=C1からC4のような直鎖または分岐低級アルキルなどである)
    (b)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、式(IV)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸アルキルエステルを適切なシアン化物源と反応させて、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得るステップ、
    (c)水中もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、適切なシアン化物源の存在下、式(II)のイソバレルアルデヒドと式(III)のシアノ酢酸アルキルとを、単一ステップで反応させることにより、任意に式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを得てもよいステップ、
    (d)適切なpHおよび温度において、水中、または任意に有機共溶媒を含んでもよい水中、Nit9N_56_2のような遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素により、式(V)の2−イソブチルスクシノニトリルを式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩に変換するステップ、
    (式中、R2=カチオン対イオン、水素、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、有機アミン塩など)
    e)適切な溶媒またはそれらの溶媒の混合物中、塩基の存在下、式(VI)のラセミ3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩をアルコール(R3OH)および酸性触媒、またはハロゲン化アルキル(R3X)と処理することにより、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートへと変換するステップ、
    (式中、R3=C1からC4のような直鎖もしくは分岐低級アルキル、またはC7からC10アリールもしくはアルキルアリールなどである)
    (f)水もしくは有機溶媒中、またはそれらの混合物中、酵素によるエナンチオ選択的な加水分解により、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートから、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートおよび式(X)の(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸またはその塩を得るステップ、
    (式中、
    2=カチオン対イオン、水素、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、有機アミン塩などであり、
    3=C1からC4のような直鎖もしくは分岐低級アルキル、またはC7からC10アリールもしくはアルキルアリールなどである)
    (g)有機溶媒またはその混合物中、塩基の存在下、式(X)の不要な(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸もしくはその塩、または実質的に豊富な式(X)のその(R)−3−シアノ−5−メチル−ヘキサン酸塩をラセミ化することにより、任意に式(VII)の化合物を得てもよいステップ、
    (h)適切なアルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基を用いるエステル基の加水分解、その後の適切な水素化触媒の存在下、水もしくは他の有機溶媒、またはそれらの混合物から選択される溶媒中、任意にワンポットで行ってもよい水素化により、式(VIII)の(S)−アルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートを式(I)のプレガバリンに変換するステップ、
    を含む、方法。
  2. ステップ(a)において使用される前記有機弱酸が、好ましくは、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酢酸などからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)において使用される前記弱塩基が、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどから、より好ましくはジイソプロピルエチルアミン、ピペリジンなどからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(a)において使用される前記塩が、好ましくは、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、酢酸アルキルアンモニウムなどから、より好ましくは酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(a)およびステップ(b)の前記適切なシアン化物源が、好ましくは、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トリメチルシリルなどから、より好ましくはシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(a)における前記適切な有機溶媒が、好ましくは、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、およびそれらの混合物から、より好ましくはシクロヘキサンまたはトルエンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(b)およびステップ(c)における前記有機溶媒が、水、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサンなどからなる群から選択され、より好ましくは、溶媒は、メチルアルコール、もしくはエチルアルコール、もしくは水、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  8. ステップ(b)の前記反応が、好ましくは、45℃〜120℃の間、より好ましくは45℃〜110℃の間の温度範囲で実施され、最も好ましくは、メチルアルコールまたはエチルアルコールの還流温度から水の還流温度においてである、請求項1に記載の方法。
  9. ステップ(a)およびステップ(c)の前記反応が、好ましくは周囲温度から還流温度で、より好ましくは還流温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  10. ステップ(d)における化合物(VI)を調製するための式(V)の化合物の投入量が、好ましくは、水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり30〜300gから、より好ましくは、水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり50〜200gから、最も好ましくは水または共溶媒と組み合わせた水1リットルあたり60〜150gから選択することができる、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(d)において化合物(VI)を調製するための、前記遺伝子修飾したニトリラーゼ酵素(Nit9N_56_2)の投入量が、好ましくは、化合物(V)1gあたり4〜25Uから、より好ましくは、化合物(V)1gあたり6〜20Uから選択することができる、請求項1に記載の方法。
  12. ステップ(d)における式(VI)の化合物の調製中に、溶液のpHが7.2±0.8の範囲、最も好ましくは7.0±0.5の範囲に保持され、適切な緩衝液により維持することができ、当分野において周知であり、実現するための最も好ましい方法の1つが、リン酸もしくは酢酸緩衝液を使用するか、または酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸などから選択される適切な酸を添加することによりpHを維持することであり、最も好ましい酸が塩酸、ならびに/またはアンモニア、モノ、ジおよびトリアルキルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどからなる群から選択される塩基であり、最も好ましい塩基が炭酸水素ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(d)の前記反応が、好ましくは、25℃〜40℃の間、より好ましくは28℃〜38℃の間の温度範囲、最も好ましくは30℃〜37℃の間の温度範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(e)における前記アルコール(R3OH)が、好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  15. ステップ(e)における前記ハロゲン化アルキル(R3X)が、好ましくは、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、臭化n−プロピル、塩化イソプロピル、臭化イソプロピルなどからなる基C1からC5ハロゲン化アルキルから選択される、請求項1に記載の方法。
  16. ステップ(e)における前記酸触媒/または試薬が、好ましくは、塩酸、硫酸、塩化チオニル、塩化トリメチルシリル、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ルイス酸、または当分野で周知の強酸性スルホン化樹脂からなる群から、より好ましくは塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、塩化トリメチルシリルなどからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチルヘキサノエートの調製中、これをステップ(e)において蒸留することにより任意に精製してもよい、請求項1に記載の方法。
  18. ステップ(f)における前記酵素によるエナンチオ選択的な加水分解が、カンジダ・アンタルクチカA、カンジダ・アンタルクチカB1、カンジダ・アンタルクチカBY2、Novozymes、Novozyme435、リゾムコル・メイヘイ、サーモマイセス・ランギノサ、シュードモナス・ケペシア、Resinase HT、Lipex 100L、枯草菌、リパーゼ3.101、リパーゼ3.102、リパーゼ3.104、リパーゼ3.105、リパーゼ3.106、リパーゼ3.107、リパーゼ3.108、リパーゼ3.109、リパーゼ3.111、リパーゼ3.115、リパーゼ3.113、リパーゼ3.117、リパーゼ3.136、AYS Amino、AS Amano、PS AmanoSD、AK Amanoなどから、より好ましくは、カンジダ・アンタルクチカB1またはカンジダ・アンタルクチカBY2またはNovozyme435からなる群から選択される、エステラーゼ、リポラーゼ、およびリパーゼのような加水分解酵素を使用することにより、好ましくは実施される、請求項1に記載の方法。
  19. ステップ(f)における好ましい酵素の投入量が、基質に比べて、>0.1%〜<5%w/wの範囲にあり、より好ましくはその範囲が、基質に比べて0.5%〜4%w/wであり、最も好ましくは、その範囲が、基質と比べて1.0%〜3%w/wである、請求項1に記載の方法。
  20. ステップ(f)における好ましい酵素が、回収されて、ほとんど完全な酵素活性が保たれている間、数回再使用することができ、その活性が乏しい場合、酵素の再利用中、追加量の新しい酵素を添加することができ、その追加量は、初期酵素投入量に対して5%〜50%w/wの範囲、より優先的には初期酵素投入量に対して5%〜25%w/wの範囲とすることができる、請求項1に記載の方法。
  21. ステップ(f)における有機溶媒が、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシドなどからなる群から選択され、より好ましくは、溶媒は、水、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  22. ステップ(f)における式(VIII)の化合物の調製中に、酢酸、クエン酸、ホウ酸、エチレンジアミン四酢酸、塩酸、硫酸、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはそれらの適切な組合せ物からなる群から選択される適切な試薬を使用することにより、好ましくは溶液の初期pHが7.5±0.5の範囲、最も好ましくは7.2±0.2の範囲に保持される、請求項1に記載の方法。
  23. ステップ(f)における、式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの実質的に光学的に純粋な(S)−エステル(VIII)への変換において、反応の進行中の反応混合物のpHが、好ましくは、7〜9の範囲でゆっくりと向上させることができ、より好ましくは、最大≧7.5〜≦8.5まで向上させることができる、請求項1に記載の方法。
  24. ステップ(f)における式(VII)のラセミアルキル3−シアノ−5−メチル−ヘキサノエートの実質的に光学的に純粋な(S)−エステル(VIII)への変換において、酵素によるステップが、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどからなる群から選択することができる塩の存在下で任意に行ってもよく、または適切な酸と適切な塩基の中和により、インサイチュで生成させることができる、請求項1に記載の方法。
  25. 前記酵素によるステップ(f)が、好ましくは、20℃〜45℃の間、より好ましくは22℃〜40℃の間の温度範囲、最も好ましくは25℃〜35℃の間の温度範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
  26. ステップ(g)における前記有機溶媒が、好ましくは、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、三級ブチルアルコール、シクロヘキサノール、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  27. ステップ(g)において使用される前記塩基が、好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、C1からC6アルコキシドなどからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  28. 前記酵素によるステップ(g)が、好ましくは、25℃〜200℃の間の温度範囲で1〜60時間、より好ましくは50℃〜180℃の間の温度範囲で2〜24時間、実施される、請求項1に記載の方法。
  29. ステップ(h)における加水分解のための前記塩基は、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、C1からC5四級水酸化アンモニウムなどから選択される、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物から選択される、請求項1に記載の方法。
  30. ステップ(h)において、式(I)のプレガバリンの前記調製が、構造(VIII)の化合物をインサイチュで加水分解するステップ、その後の接触水素化を行うステップを含み、加水分解のための塩基強度が、好ましくは0.1N〜5N、より好ましくは0.3〜3N、最も好ましくは0.5N〜2Nから選択され得る、請求項1に記載の方法。
  31. ステップ(h)における前記有機溶媒が、好ましくは、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、三級ブチルアルコール、シクロヘキサノール、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、またはそれらの組合せ物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  32. 前記適切な水素化触媒が、好ましくは、担体を含むまたは含まないニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ならびにそれらの異なる化学形態およびグレード、新しい触媒もしくは回収触媒、または新しい触媒と回収触媒の混合物でもよいものからなる群から選択され、最も好ましい触媒は、ニッケルおよびパラジウムである、請求項1に記載の方法。
  33. ステップ(h)が、好ましくは、10℃〜100℃の間、より好ましくは15℃〜60℃の間の温度範囲、最も好ましくは25℃〜50℃の間の温度範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
  34. ステップ(h)における前記接触水素化が、好ましくは、0.5〜25kg/cm2または等価な単位の範囲の水素圧、2〜15kg/cm2または等価な単位の範囲の好ましい水素圧を用いて実施され、最も好ましい圧力範囲が、3〜10kg/cm2である、請求項1に記載の方法。
  35. 式(I)のプレガバリンの前記調製が、水素化生成物を活性炭処理してもよいステップ、および好ましくは6.9〜7.3のpH範囲、より好ましくはpH7〜7.2において等電点電気泳動によりプレガバリンを単離するステップ、および水、C1からC5アルコール、またはそれらの混合物から粗製物を結晶化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  36. 式(I)のプレガバリンの前記調製が、等電点電気泳動によりプレガバリンを単離するステップであって、pHを塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸のような任意の無機酸または有機酸を用いて調節することができ、最も好ましい酸が、塩酸または酢酸である、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
  37. 式(I)のプレガバリンの調製が、水、C1からC5アルコール、またはそれらの混合物から粗製物を結晶化することによりプレガバリンを精製するステップ、および乾燥母液の再結晶により、さらなる量の純粋な式(I)のプレガバリンを回収するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  38. 式(I)のプレガバリンの調製が、好ましくはtert−ブチルオキシカルボニル、カルボキシベンジル、トリチルのような当分野で公知のアミノ保護誘導体として、母液から式(I)のプレガバリンを代替的に回収するステップをさらに含んでおり、最も好ましくは、tert−ブチルオキシカルボニルを使用して、その後に、適切な溶媒中、酸により処理することによりtert−ブチルオキシカルボニル基の除去を行うことができる、請求項36に記載の方法。
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