JPWO2010001507A1 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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Abstract

OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に近いメタル配線の細りや断線を防止可能な半導体集積回路のレイアウト構造を提供する。セルAとセルBは、セル境界線(F1)において隣接している。セル境界線(F1)までの間に他の配線領域が存在しない、メタル配線(m4,m6,m7,m9)の配線領域は、セル境界線(F1)を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。一方、拡散領域のセル境界線(F1)側の辺(g1,g2,g3,g4)は、セル境界線(F1)に対して非対称である。

Description

本発明は、配線パターン寸法精度の向上に対して有効な半導体集積回路のレイアウト構造に関するものである。
微細化により配線幅の縮小化が進むに従い、光近接効果によって生じる配線幅の変動が無視できなくなっている。光近接効果とは、配線幅の仕上がり値が、近接する配線までの距離によって変動する現象である。光近接効果は、配線寸法の精度低下を招く。このため、配線間隔によっては、光近接効果の影響に起因して配線幅が規定値よりも縮小されてしまい、場合によっては断線する可能性がある。
そこで、OPC(Optical Proximity effect Correction)による光近接効果の影響に対する補正が不可欠になっている。OPCとは、配線間隔によって生ずる配線幅の変動量を予測し、その変動量を相殺するように補正し、配線の仕上がり幅を一定に保持する技術である。
例えばポリシリコン配線の対策については、特許文献1に開示された技術が知られている。
特開平10−32253号公報
半導体集積回路の設計では、通常、ライブラリに登録されたスタンダードセルを配置することによって、レイアウト設計を行っている。この場合、あるセルのセル境界線に最も近いメタル配線に関しては、近接する配線までの距離は、隣接配置されたセルのレイアウト構造によって、異なることになる。
したがって、セル境界線に最も近いメタル配線に関しては、セルを配置した後に、近接する配線までの距離を確定させてから、OPC補正を行う必要がある。そうしないと、特に65nm以細のプロセスにおいて、セル境界線に最も近いメタル配線に関して光近接効果に起因して細りが生じ、断線する可能性が高まる。一方、セル配置後にOPC補正を行う場合には、OPC補正のデータ量が増大するとともに、OPC補正処理時間も長くなってしまう、という問題が生じる。
前記の問題に鑑み、本発明は、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことを可能にする半導体集積回路のレイアウト構造を提供することを目的とする。
本発明は、半導体集積回路装置として、セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されているものである。
本発明によると、隣接する第1および第2のスタンダードセルにおいて、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域、言い換えると、セル境界線に最も近い配線領域が、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。このため、セル境界線に最も近い配線領域に関して、近接する配線までの距離が、スタンダードセルを配置する前に、確定することになる。したがって、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
また、本発明は、半導体集積回路装置として、セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として非対称になっており、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、前記配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっているものである。
本発明によると、隣接する第1および第2のスタンダードセルにおいて、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない配線領域が、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。このため、セル境界線に最も近い配線領域に関して、近接する配線までの距離が、スタンダードセルを配置する前に、確定することになる。したがって、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
以上のように本発明によると、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に最も近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことができる。
図1は、第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 図2は、第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 図3は、第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 図4は、第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 図5は、第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 図6は、第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 図7は、第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 図8は、第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 図9は、第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 図10は、セル境界線を備えたスタンダードセルの例である。 図11は、図10のようなスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 図12は、セル境界線を備えたスタンダードセルの他の例である。 図13は、図12のようなスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 図14は、セル境界線のないスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 図15は、図14のレイアウトデータにおけるセル境界線を示す図である。
符号の説明
F1 セル境界線
m1 電源配線
m2 接地配線
m4,m6,m7,m9 メタル配線
D1,D2,D3,D4 ダミーパターン
d1,d2,d3,d4 拡散領域
g1,g2,g3,g4 拡散領域の辺
c1,c2,c3,c4 コンタクト
M1,M2,M3,M4 配線領域
X1,X2,X3,X4 実質的な配線領域
t 配線領域の間隔
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図1の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースには電源配線m1から引き出されたメタル配線m3,m4により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインは共有されており、メタル配線m5によってNMOSトランジスタN1のドレインと接続されている。このメタル配線m5はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN2のソースには接地配線m2から引き出されたメタル配線m6により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3とNMOSトランジスタN3とが配置されている。PMOSトランジスタP3のソースに電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3のソースには接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBも所定の回路機能を実現する。
ここで、セル境界線F1の近傍の配線領域に着目する。本実施形態では、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない)メタル配線m4,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
すなわち、メタル配線m4とメタル配線m7とを対比したとき、それぞれの配線幅w1,w3が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s1,s2が等しい。また、延びる長さ(セル境界線F1の方向における範囲)が実質的に等しい。また、メタル配線m6とメタル配線m9とを対比したとき、それぞれの配線幅w2,w4が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s3,s4が等しい。また、延びる長さ(セル境界線F1の方向における範囲)が実質的に等しい。
図1の構成では、セル境界線F1に近い拡散領域のサイズが、セルAとセルBとで異なっている。すなわち、セルAにおけるセル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の拡散領域が存在しない)拡散領域d1,d2のセル境界線F1側の辺g1,g2と、セルBにおけるセル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の拡散領域が存在しない)拡散領域d3,d4のセル境界線F1側の辺g3,g4とが、セル境界線F1を対称軸として線対称でなく、非対称になっている。
このような構成では、従来の手法によると通常、セルBにおいて、メタル配線m7,m9は、小さいサイズの拡散領域d3,d4に合わせて、短く形成されることになる。したがって、隣接するセルAにおけるメタル配線m4,m6とは、セル境界線F1に関して線対称にはならない。
ところが本実施形態では、セル境界線F1に近い拡散領域のサイズがセルAとセルBとで異なっているにもかかわらず、セルBにおけるメタル配線m7,m9を長く延ばして構成することによって、隣接するセルAにおけるメタル配線m4,m6と、セル境界線F1に関して線対称になるようにしている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図2は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図2において、セルAおよびセルBの構成は、図1と同様である。そして図1と同様に、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近いメタル配線m4,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。一方、これら矩形の配線領域において、コンタクトの配置が、セル境界線F1に対して非対称になっている。
図2の構成では、コンタクトc1に対するメタル配線m4のエクステンションx1に対して、コンタクトc3に対するメタル配線m7のエクステンションx3を延ばすことによって、メタル配線m4とメタル配線m7とがセル境界線F1に関して線対称になるようにしている。また同様に、コンタクトc2に対するメタル配線m6のエクステンションx2に対して、コンタクトc4に対するメタル配線m9のエクステンションx4を延ばすことによって、メタル配線m6とメタル配線m9とがセル境界線F1に関して線対称になるようにしている。
図2の構成によっても、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
さらに、メタル配線の領域を伸張することによってメタル配線層の面積率を上げることができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保つことができる。また、コンタクトに対するエクステンションを延ばすことによって、歩留まりが向上する。
図3は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図3において、セルAの構成は、図1と異なっており、PMOSトランジスタP2がなく、NMOSトランジスタN1,N2がともにPMOSトランジスタP1と接続されている。
図3の構成では、セルAのセル境界線F1近傍に、メタル配線のダミーパターンD1が配置されている。そして、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近いメタル配線D1,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
従来の手法によると通常、セルAにおいて、ダミーパターンD1は配置されていない。したがって、隣接するセルBにおけるメタル配線m7には、セル境界線F1に関して線対称になる配線領域が存在しないことになる。この場合、メタル配線m7に関して、近接するメタル配線までの距離をセル内で確定することができない。
すなわち、図3のようにダミーパターンD1をセルAに配置することによって、セル境界線F1近傍のメタル配線m7に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図4の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースは共有されており、電源配線m1から引き出されたメタル配線m3により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインはメタル配線m4で接続され、さらにNMOSトランジスタN1,N2のドレインと接続されている。このメタル配線m4はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN1,N2のソースは共有されており、接地配線m2から引き出されたメタル配線m5により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3,P4とNMOSトランジスタN3,N4とが配置されている。PMOSトランジスタP3,P4のソースは共有されており、電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m6によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。PMOSトランジスタP4のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN4のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3,N4のソースは共有されており、接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBは所定の回路機能を実現する。
セルAにおいて、メタル配線m4は、セル境界線F1に近い辺e1を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M1と、セル境界線F1に近い辺e2を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M2とを含む。また、セルBにおいてもセルAと同様に、メタル配線m6は、セル境界線F1に近い辺e3を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M3と、セル境界線F1に近い辺e4を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M4とを含む。配線領域M1,M2,M3,M4は、セル境界線F1に最も近い、言い換えると、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、矩形の配線領域である。
そして本実施形態では、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い矩形の配線領域M1,M2,M3,M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
すなわち、配線領域M1と配線領域M3とを対比したとき、それぞれの配線幅w1,w3が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s1,s2が等しい。また、セル境界線F1の方向に延びる長さ(すなわち辺e1,e3の長さ)と範囲が実質的に等しい。また、配線領域M2と配線領域M4とを対比したとき、それぞれの配線幅w2,w4が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s3,s4が等しい。また、セル境界線F1の方向に延びる長さ(すなわち辺e2,e4の長さ)と範囲が実質的に等しい。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図5は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図5において、セルAの構成は、図4と異なっており、PMOSトランジスタP2がなく、NMOSトランジスタN1,N2がともにPMOSトランジスタP2と接続されている。
図5の構成では、セルAのセル境界線F1近傍に、メタル配線のダミーパターンD1が配置されている。そして、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い、メタル配線D1の矩形の配線領域および配線領域M2,M3,M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
従来の手法によると通常、セルAにおいて、ダミーパターンD1は配置されていない。したがって、隣接するセルBにおける配線領域M3は、セル境界線F1に対して線対称となる配線領域が存在しないことになる。この場合、配線領域M3に関して、近接するメタル配線までの距離をセル内で確定することができない。
すなわち、図5のようにダミーパターンD1をセルAに配置することによって、セル境界線F1近傍のメタル配線m6の配線領域M3に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図6は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図6において、セルAおよびセルBの構成は、図4と異なっている。
そして図6の構成においても、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い、ダミーパターンD1の矩形の配線領域、メタル配線m5の矩形の配線領域M2、メタル配線m6の矩形の配線領域M3、およびメタル配線m8の矩形の配線領域M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図7の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースは電源配線m1から引き出されたメタル配線m3,m4により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインは共有されており、メタル配線m5によってNMOSトランジスタN1のドレインと接続されている。このメタル配線m5はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN2のソースは接地配線m2から引き出されたメタル配線m6により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3とNMOSトランジスタN3とが配置されている。PMOSトランジスタP3のソースには電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3のソースは接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBは所定の回路機能を実現する。
また、セルAにおいて、セル境界線F1に最も近いメタル配線m4,m6の間にダミーパターンD1,D2が配置されている。同様にセルBにおいても、セル境界線F1に最も近いメタル配線m7,m9の間にダミーパターンD3,D4が配置されている。すなわち、図7の構成では、セル境界線F1に最も近い(セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない)矩形の配線領域として、セルAではメタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2が、セルBではメタル配線m7,m9およびダミーパターンD3,D4が、それぞれ配置されている。ダミーパターンD1,D2,D3,D4の幅w5はそれぞれ等しく、また、セル境界線F1までの距離s1,s2,s3,s4もそれぞれ等しい。
そして本実施形態では、セルAにおけるメタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2と、セルBにおけるメタル配線m7,m9およびダミーパターンD3,D4とが、セル境界線F1に対して実質的に線対称になるように、配置されている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。また、ダミーパターンを配置することにより、メタル配線の領域を増大させることができるので、メタル配線層の面積率を調節することができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保ち、歩留りを向上させることができる。
なお、ダミーパターンD1,D2,D3,D4は、入出力端子を構成するためのメタル配線であってもよい。
(第4の実施形態)
上述の各実施形態では、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測できるように、隣接する2つのセルにおいて、セル境界線に最も近い矩形の配線領域を、セル境界線に対して線対称になるように配置するものとした。
ここで、配線領域が断続的に配置された構成であっても、その配線領域同士の間隔がごく微小である限り、光近接効果の面からみると、これらの配線領域は実質的には1つにつながったものとみなせることが分かっている。この点を鑑みると、配線領域自体がセル境界線に対して必ずしも線対称になっていなくても、上述の各実施形態と同様の作用効果が得られる構成があり得る。
すなわち、隣接する2つのセルにおいて、セル境界線と同一の方向に延び、かつ、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、セル境界線を対称軸として非対称になっている。そして、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、これら配線領域が、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっている。ここでの所定長とは、光近接効果の面において、実質的につながっているものとみなせる間隔の長さである。この構成では、配線領域自体はセル境界線に対して線対称になっていないものの、光近接効果の面からみると、配線領域が実質的に、セル境界線に対して線対称になるように配置されたことになる。よって、上述の各実施形態と同様に、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。
図8は第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図8の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。セルAとセルBの構成は、図7とほぼ同様である。ただし、図7と比べると、セルBにおけるメタル配線m7,m9が長く延ばされており、かつ、その間に配置されたダミーパターンが1個のみ(ダミーパターンD3)となっている。
図8の構成では、配線領域の間隔tは、光近接効果の面からみて配線領域がつながったものとみなせる程度の所定長以下に、設定されている。図8では、間隔tは、配線幅wよりも小さくなっている。これにより、セル境界線F1の方向に延び、かつ、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、実質的な配線領域X1,X2が配置されたことになる。配線領域X1では、メタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2が配置されており、配線領域X2では、メタル配線m7,m9およびダミーパターンD3が配置されている。
そして、配線領域X1,X2は、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になっている。すなわち、配線領域X1,X2は、幅はともにwであり、セル境界線F1までの距離はともにsである。
このような構成によっても、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。また、ダミーパターンを配置することにより、メタル配線の領域を増大させることができるので、メタル配線層の面積率を調節することができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保ち、歩留りを向上させることができる。
なお、ダミーパターンD1,D2,D3は入出力端子を構成するためのメタル配線であってもよい。また、ダミーパターンD1,D2,D3は、メタル配線m4,m6,m7,m9のいずれかに接続させてもよい。
また、図8の構成では、実質的な配線領域X1,X2は、第1の方向において、セルAおよびセルBの全体にわたって形成されているが、その一部に形成されていてもかまわない。
図9は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図9では、セルAおよびセルBの構成は、上述した図3と同様である。図9の構成では、第1の方向に延び、かつ、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、実質的な配線領域X3,X4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、形成されている。すなわち、配線領域X3,X4は、幅はともにwであり、セル境界線F1までの距離はともにsである。ただし、配線領域X3,X4は第1の方向において、セルAおよびセルBの一部に形成されている。そして、配線領域X3ではダミーパターンD1,D2が間隔tで配置されており、配線領域X4ではメタル配線m7が配置されている。また、メタル配線m6,m9の配線領域も、セル境界線F1に関して線対称になるように配置されている。
なお、上述の各実施形態では、配線領域がセル境界線に対して実質的に線対称になっているとは、幅、セル境界線までの距離、および、延びる長さが、実質的に等しい場合である。ここでの「実質的に等しい」とは、光近接効果の面からみて、隣接する配線に与える影響に差が生じない程度の違いは、許容することを意味する。
ここで、本願における「セル境界線」について、「スタンダードセル」と関連付けて補足説明を行う。
半導体集積回路の分野では、一般に、ライブラリに登録されたスタンダードセルを配置することによって、レイアウト設計を行う。スタンダードセルはそれぞれ、インバータ、NAND、NOR、フリップフロップなどの各種の論理機能を有している。
スタンダードセルのレイアウトデータは、通常、図10に示すセルXのように、セル境界線を備えている。そしてレイアウト設計の際には、図11に示すように、各セル(セルX,Y,Z)をセル境界線が接するように配置することによって、レイアウトデータを作成する。
ただし、セル境界線はレイアウト設計時の仮想的なものであって、最終的な半導体集積回路には存在しない。したがって、スタンダードセルのレイアウトデータにおいて、図10に示すような位置にセル境界線を持たせる必要は必ずしもない。例えば、図12に示すように、セル境界線を図10よりも外側に設定し、図13に示すように、隣り合うセルをオーバーラップさせて配置してもかまわない。あるいは、スタンダードセルのレイアウトデータにセル境界線を設けないようにし、図14に示すように、各セルを隣接して配置することも可能である。
図11のレイアウトの場合、セル境界線は、スタンダードセル自体のセル境界線の位置X1,X2の位置にある。また図13のレイアウトの場合、隣り合うセルがオーバーラップして配置されており、スタンダードセルのセル境界線はその隣りのセル内に位置している。この場合、本願では、スタンダードセル自体のセル境界線の間にある位置Y1,Y2に、セル境界線があるものとみなす。また図14のレイアウトの場合、スタンダードセル自体のセル境界線はないが、本願では、図15に示すように、セル境界線は位置Z1,Z2にあるものとみなす。
すなわち本願では、半導体集積回路装置において、1個の論理機能を実現しているブロックを1つのスタンダードセルとみなす。ここで、「論理機能を実現しているブロック」とは、インバータ、NAND、NOR、フリップフロップといった各種の論理機能を持った回路ブロックを指す。そして、論理機能を実現しているブロック同士が隣り合っているその境目に、セル境界線があるものとみなす。
「論理機能を実現しているブロック」すなわちスタンダードセルでは、信号線配線が、当該配線層において他のスタンダードセルと接続されておらず、独立している。例えば図14に示すように、隣接配置されたセルX,Y,Zは、信号線配線が互いに独立しており、セル同士では信号線は接続されていない。ただし、電源配線はセル同士で接続されている。すなわち、セル内信号線配線の構成を見ることによって、スタンダードセルの境目、すなわちセル境界線の位置を認識することができる。なお、セル同士を接続する信号線配線は、通常、セル内信号線配線の上層の配線層に形成される。
本発明では、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に最も近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことが可能になるので、例えば、各種電子機器に搭載される半導体集積回路の歩留まり向上やコストダウン、開発期間短縮に有用である。
本発明は、配線パターン寸法精度の向上に対して有効な半導体集積回路のレイアウト構造に関するものである。
微細化により配線幅の縮小化が進むに従い、光近接効果によって生じる配線幅の変動が無視できなくなっている。光近接効果とは、配線幅の仕上がり値が、近接する配線までの距離によって変動する現象である。光近接効果は、配線寸法の精度低下を招く。このため、配線間隔によっては、光近接効果の影響に起因して配線幅が規定値よりも縮小されてしまい、場合によっては断線する可能性がある。
そこで、OPC(Optical Proximity effect Correction)による光近接効果の影響に対する補正が不可欠になっている。OPCとは、配線間隔によって生ずる配線幅の変動量を予測し、その変動量を相殺するように補正し、配線の仕上がり幅を一定に保持する技術である。
例えばポリシリコン配線の対策については、特許文献1に開示された技術が知られている。
特開平10−32253号公報
半導体集積回路の設計では、通常、ライブラリに登録されたスタンダードセルを配置することによって、レイアウト設計を行っている。この場合、あるセルのセル境界線に最も近いメタル配線に関しては、近接する配線までの距離は、隣接配置されたセルのレイアウト構造によって、異なることになる。
したがって、セル境界線に最も近いメタル配線に関しては、セルを配置した後に、近接する配線までの距離を確定させてから、OPC補正を行う必要がある。そうしないと、特に65nm以細のプロセスにおいて、セル境界線に最も近いメタル配線に関して光近接効果に起因して細りが生じ、断線する可能性が高まる。一方、セル配置後にOPC補正を行う場合には、OPC補正のデータ量が増大するとともに、OPC補正処理時間も長くなってしまう、という問題が生じる。
前記の問題に鑑み、本発明は、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことを可能にする半導体集積回路のレイアウト構造を提供することを目的とする。
本発明は、半導体集積回路装置として、セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されているものである。
本発明によると、隣接する第1および第2のスタンダードセルにおいて、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域、言い換えると、セル境界線に最も近い配線領域が、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。このため、セル境界線に最も近い配線領域に関して、近接する配線までの距離が、スタンダードセルを配置する前に、確定することになる。したがって、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
また、本発明は、半導体集積回路装置として、セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として非対称になっており、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、前記配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっているものである。
本発明によると、隣接する第1および第2のスタンダードセルにおいて、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない配線領域が、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。このため、セル境界線に最も近い配線領域に関して、近接する配線までの距離が、スタンダードセルを配置する前に、確定することになる。したがって、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
以上のように本発明によると、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に最も近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことができる。
第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。 第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。 セル境界線を備えたスタンダードセルの例である。 図10のようなスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 セル境界線を備えたスタンダードセルの他の例である。 図12のようなスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 セル境界線のないスタンダードセルを用いたレイアウトデータの例である。 図14のレイアウトデータにおけるセル境界線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図1の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースには電源配線m1から引き出されたメタル配線m3,m4により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインは共有されており、メタル配線m5によってNMOSトランジスタN1のドレインと接続されている。このメタル配線m5はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN2のソースには接地配線m2から引き出されたメタル配線m6により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3とNMOSトランジスタN3とが配置されている。PMOSトランジスタP3のソースに電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3のソースには接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBも所定の回路機能を実現する。
ここで、セル境界線F1の近傍の配線領域に着目する。本実施形態では、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない)メタル配線m4,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
すなわち、メタル配線m4とメタル配線m7とを対比したとき、それぞれの配線幅w1,w3が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s1,s2が等しい。また、延びる長さ(セル境界線F1の方向における範囲)が実質的に等しい。また、メタル配線m6とメタル配線m9とを対比したとき、それぞれの配線幅w2,w4が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s3,s4が等しい。また、延びる長さ(セル境界線F1の方向における範囲)が実質的に等しい。
図1の構成では、セル境界線F1に近い拡散領域のサイズが、セルAとセルBとで異なっている。すなわち、セルAにおけるセル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の拡散領域が存在しない)拡散領域d1,d2のセル境界線F1側の辺g1,g2と、セルBにおけるセル境界線F1に最も近い(言い換えると、セル境界線F1までの間に他の拡散領域が存在しない)拡散領域d3,d4のセル境界線F1側の辺g3,g4とが、セル境界線F1を対称軸として線対称でなく、非対称になっている。
このような構成では、従来の手法によると通常、セルBにおいて、メタル配線m7,m9は、小さいサイズの拡散領域d3,d4に合わせて、短く形成されることになる。したがって、隣接するセルAにおけるメタル配線m4,m6とは、セル境界線F1に関して線対称にはならない。
ところが本実施形態では、セル境界線F1に近い拡散領域のサイズがセルAとセルBとで異なっているにもかかわらず、セルBにおけるメタル配線m7,m9を長く延ばして構成することによって、隣接するセルAにおけるメタル配線m4,m6と、セル境界線F1に関して線対称になるようにしている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。この結果、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図2は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図2において、セルAおよびセルBの構成は、図1と同様である。そして図1と同様に、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近いメタル配線m4,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。一方、これら矩形の配線領域において、コンタクトの配置が、セル境界線F1に対して非対称になっている。
図2の構成では、コンタクトc1に対するメタル配線m4のエクステンションx1に対して、コンタクトc3に対するメタル配線m7のエクステンションx3を延ばすことによって、メタル配線m4とメタル配線m7とがセル境界線F1に関して線対称になるようにしている。また同様に、コンタクトc2に対するメタル配線m6のエクステンションx2に対して、コンタクトc4に対するメタル配線m9のエクステンションx4を延ばすことによって、メタル配線m6とメタル配線m9とがセル境界線F1に関して線対称になるようにしている。
図2の構成によっても、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
さらに、メタル配線の領域を伸張することによってメタル配線層の面積率を上げることができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保つことができる。また、コンタクトに対するエクステンションを延ばすことによって、歩留まりが向上する。
図3は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図3において、セルAの構成は、図1と異なっており、PMOSトランジスタP2がなく、NMOSトランジスタN1,N2がともにPMOSトランジスタP1と接続されている。
図3の構成では、セルAのセル境界線F1近傍に、メタル配線のダミーパターンD1が配置されている。そして、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近いメタル配線D1,m6,m7,m9の矩形の配線領域が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
従来の手法によると通常、セルAにおいて、ダミーパターンD1は配置されていない。したがって、隣接するセルBにおけるメタル配線m7には、セル境界線F1に関して線対称になる配線領域が存在しないことになる。この場合、メタル配線m7に関して、近接するメタル配線までの距離をセル内で確定することができない。
すなわち、図3のようにダミーパターンD1をセルAに配置することによって、セル境界線F1近傍のメタル配線m7に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図4の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースは共有されており、電源配線m1から引き出されたメタル配線m3により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインはメタル配線m4で接続され、さらにNMOSトランジスタN1,N2のドレインと接続されている。このメタル配線m4はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN1,N2のソースは共有されており、接地配線m2から引き出されたメタル配線m5により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3,P4とNMOSトランジスタN3,N4とが配置されている。PMOSトランジスタP3,P4のソースは共有されており、電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m6によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。PMOSトランジスタP4のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN4のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3,N4のソースは共有されており、接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBは所定の回路機能を実現する。
セルAにおいて、メタル配線m4は、セル境界線F1に近い辺e1を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M1と、セル境界線F1に近い辺e2を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M2とを含む。また、セルBにおいてもセルAと同様に、メタル配線m6は、セル境界線F1に近い辺e3を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M3と、セル境界線F1に近い辺e4を一辺とする矩形の配線領域(破線で囲まれた部分)M4とを含む。配線領域M1,M2,M3,M4は、セル境界線F1に最も近い、言い換えると、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、矩形の配線領域である。
そして本実施形態では、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い矩形の配線領域M1,M2,M3,M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
すなわち、配線領域M1と配線領域M3とを対比したとき、それぞれの配線幅w1,w3が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s1,s2が等しい。また、セル境界線F1の方向に延びる長さ(すなわち辺e1,e3の長さ)と範囲が実質的に等しい。また、配線領域M2と配線領域M4とを対比したとき、それぞれの配線幅w2,w4が等しく、セル境界線F1までのそれぞれの距離s3,s4が等しい。また、セル境界線F1の方向に延びる長さ(すなわち辺e2,e4の長さ)と範囲が実質的に等しい。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図5は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図5において、セルAの構成は、図4と異なっており、PMOSトランジスタP2がなく、NMOSトランジスタN1,N2がともにPMOSトランジスタP2と接続されている。
図5の構成では、セルAのセル境界線F1近傍に、メタル配線のダミーパターンD1が配置されている。そして、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い、メタル配線D1の矩形の配線領域および配線領域M2,M3,M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
従来の手法によると通常、セルAにおいて、ダミーパターンD1は配置されていない。したがって、隣接するセルBにおける配線領域M3は、セル境界線F1に対して線対称となる配線領域が存在しないことになる。この場合、配線領域M3に関して、近接するメタル配線までの距離をセル内で確定することができない。
すなわち、図5のようにダミーパターンD1をセルAに配置することによって、セル境界線F1近傍のメタル配線m6の配線領域M3に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
図6は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図6において、セルAおよびセルBの構成は、図4と異なっている。
そして図6の構成においても、セル境界線F1と同じ方向に延び、かつ、セル境界線F1に最も近い、ダミーパターンD1の矩形の配線領域、メタル配線m5の矩形の配線領域M2、メタル配線m6の矩形の配線領域M3、およびメタル配線m8の矩形の配線領域M4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図7の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。
セルAとセルBとは、セル構造が互いに異なっている。セルAには、PMOSトランジスタP1,P2とNMOSトランジスタN1,N2とが配置されている。PMOSトランジスタP1,P2のソースは電源配線m1から引き出されたメタル配線m3,m4により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP1,P2のドレインは共有されており、メタル配線m5によってNMOSトランジスタN1のドレインと接続されている。このメタル配線m5はセルAの出力を構成する。NMOSトランジスタN2のソースは接地配線m2から引き出されたメタル配線m6により接地電圧が供給される。このような構成により、セルAは所定の回路機能を実現する。
同様に、セルBには、PMOSトランジスタP3とNMOSトランジスタN3とが配置されている。PMOSトランジスタP3のソースには電源配線m1から引き出されたメタル配線m7により電源電圧が供給される。PMOSトランジスタP3のドレインはメタル配線m8によってNMOSトランジスタN3のドレインと接続されている。このメタル配線m8はセルBの出力を構成する。NMOSトランジスタN3のソースは接地配線m2から引き出されたメタル配線m9により接地電圧が供給される。このような構成により、セルBは所定の回路機能を実現する。
また、セルAにおいて、セル境界線F1に最も近いメタル配線m4,m6の間にダミーパターンD1,D2が配置されている。同様にセルBにおいても、セル境界線F1に最も近いメタル配線m7,m9の間にダミーパターンD3,D4が配置されている。すなわち、図7の構成では、セル境界線F1に最も近い(セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない)矩形の配線領域として、セルAではメタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2が、セルBではメタル配線m7,m9およびダミーパターンD3,D4が、それぞれ配置されている。ダミーパターンD1,D2,D3,D4の幅w5はそれぞれ等しく、また、セル境界線F1までの距離s1,s2,s3,s4もそれぞれ等しい。
そして本実施形態では、セルAにおけるメタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2と、セルBにおけるメタル配線m7,m9およびダミーパターンD3,D4とが、セル境界線F1に対して実質的に線対称になるように、配置されている。
これにより、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。また、ダミーパターンを配置することにより、メタル配線の領域を増大させることができるので、メタル配線層の面積率を調節することができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保ち、歩留りを向上させることができる。
なお、ダミーパターンD1,D2,D3,D4は、入出力端子を構成するためのメタル配線であってもよい。
(第4の実施形態)
上述の各実施形態では、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測できるように、隣接する2つのセルにおいて、セル境界線に最も近い矩形の配線領域を、セル境界線に対して線対称になるように配置するものとした。
ここで、配線領域が断続的に配置された構成であっても、その配線領域同士の間隔がごく微小である限り、光近接効果の面からみると、これらの配線領域は実質的には1つにつながったものとみなせることが分かっている。この点を鑑みると、配線領域自体がセル境界線に対して必ずしも線対称になっていなくても、上述の各実施形態と同様の作用効果が得られる構成があり得る。
すなわち、隣接する2つのセルにおいて、セル境界線と同一の方向に延び、かつ、セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、セル境界線を対称軸として非対称になっている。そして、所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、これら配線領域が、セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっている。ここでの所定長とは、光近接効果の面において、実質的につながっているものとみなせる間隔の長さである。この構成では、配線領域自体はセル境界線に対して線対称になっていないものの、光近接効果の面からみると、配線領域が実質的に、セル境界線に対して線対称になるように配置されたことになる。よって、上述の各実施形態と同様に、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。
図8は第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示すレイアウト平面図である。図8の構成では、第1のスタンダードセルとしてのセルAおよび第2のスタンダードセルとしてのセルBが、第1の方向(図における縦方向)に延びるセル境界線F1において隣接している。セルAとセルBの構成は、図7とほぼ同様である。ただし、図7と比べると、セルBにおけるメタル配線m7,m9が長く延ばされており、かつ、その間に配置されたダミーパターンが1個のみ(ダミーパターンD3)となっている。
図8の構成では、配線領域の間隔tは、光近接効果の面からみて配線領域がつながったものとみなせる程度の所定長以下に、設定されている。図8では、間隔tは、配線幅wよりも小さくなっている。これにより、セル境界線F1の方向に延び、かつ、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、実質的な配線領域X1,X2が配置されたことになる。配線領域X1では、メタル配線m4,m6およびダミーパターンD1,D2が配置されており、配線領域X2では、メタル配線m7,m9およびダミーパターンD3が配置されている。
そして、配線領域X1,X2は、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になっている。すなわち、配線領域X1,X2は、幅はともにwであり、セル境界線F1までの距離はともにsである。
このような構成によっても、セル境界線F1近傍のメタル配線に関して、光近接効果による配線幅変動の大きさを予め予測することができ、スタンダードセルの状態でOPC補正をかけておくことができる。このため、セル配置後のOPC補正が不要となり、OPC補正のデータ量が削減できるとともに、OPC補正処理時間を短縮することができる。また、ダミーパターンを配置することにより、メタル配線の領域を増大させることができるので、メタル配線層の面積率を調節することができ、セル内でのメタル配線層の膜厚を均一に保ち、歩留りを向上させることができる。
なお、ダミーパターンD1,D2,D3は入出力端子を構成するためのメタル配線であってもよい。また、ダミーパターンD1,D2,D3は、メタル配線m4,m6,m7,m9のいずれかに接続させてもよい。
また、図8の構成では、実質的な配線領域X1,X2は、第1の方向において、セルAおよびセルBの全体にわたって形成されているが、その一部に形成されていてもかまわない。
図9は本実施形態に係る半導体集積回路装置の他の構成を示すレイアウト平面図である。図9では、セルAおよびセルBの構成は、上述した図3と同様である。図9の構成では、第1の方向に延び、かつ、セル境界線F1までの間に他の配線領域が存在しない、実質的な配線領域X3,X4が、セル境界線F1を対称軸として実質的に線対称になるように、形成されている。すなわち、配線領域X3,X4は、幅はともにwであり、セル境界線F1までの距離はともにsである。ただし、配線領域X3,X4は第1の方向において、セルAおよびセルBの一部に形成されている。そして、配線領域X3ではダミーパターンD1,D2が間隔tで配置されており、配線領域X4ではメタル配線m7が配置されている。また、メタル配線m6,m9の配線領域も、セル境界線F1に関して線対称になるように配置されている。
なお、上述の各実施形態では、配線領域がセル境界線に対して実質的に線対称になっているとは、幅、セル境界線までの距離、および、延びる長さが、実質的に等しい場合である。ここでの「実質的に等しい」とは、光近接効果の面からみて、隣接する配線に与える影響に差が生じない程度の違いは、許容することを意味する。
ここで、本願における「セル境界線」について、「スタンダードセル」と関連付けて補足説明を行う。
半導体集積回路の分野では、一般に、ライブラリに登録されたスタンダードセルを配置することによって、レイアウト設計を行う。スタンダードセルはそれぞれ、インバータ、NAND、NOR、フリップフロップなどの各種の論理機能を有している。
スタンダードセルのレイアウトデータは、通常、図10に示すセルXのように、セル境界線を備えている。そしてレイアウト設計の際には、図11に示すように、各セル(セルX,Y,Z)をセル境界線が接するように配置することによって、レイアウトデータを作成する。
ただし、セル境界線はレイアウト設計時の仮想的なものであって、最終的な半導体集積回路には存在しない。したがって、スタンダードセルのレイアウトデータにおいて、図10に示すような位置にセル境界線を持たせる必要は必ずしもない。例えば、図12に示すように、セル境界線を図10よりも外側に設定し、図13に示すように、隣り合うセルをオーバーラップさせて配置してもかまわない。あるいは、スタンダードセルのレイアウトデータにセル境界線を設けないようにし、図14に示すように、各セルを隣接して配置することも可能である。
図11のレイアウトの場合、セル境界線は、スタンダードセル自体のセル境界線の位置X1,X2の位置にある。また図13のレイアウトの場合、隣り合うセルがオーバーラップして配置されており、スタンダードセルのセル境界線はその隣りのセル内に位置している。この場合、本願では、スタンダードセル自体のセル境界線の間にある位置Y1,Y2に、セル境界線があるものとみなす。また図14のレイアウトの場合、スタンダードセル自体のセル境界線はないが、本願では、図15に示すように、セル境界線は位置Z1,Z2にあるものとみなす。
すなわち本願では、半導体集積回路装置において、1個の論理機能を実現しているブロックを1つのスタンダードセルとみなす。ここで、「論理機能を実現しているブロック」とは、インバータ、NAND、NOR、フリップフロップといった各種の論理機能を持った回路ブロックを指す。そして、論理機能を実現しているブロック同士が隣り合っているその境目に、セル境界線があるものとみなす。
「論理機能を実現しているブロック」すなわちスタンダードセルでは、信号線配線が、当該配線層において他のスタンダードセルと接続されておらず、独立している。例えば図14に示すように、隣接配置されたセルX,Y,Zは、信号線配線が互いに独立しており、セル同士では信号線は接続されていない。ただし、電源配線はセル同士で接続されている。すなわち、セル内信号線配線の構成を見ることによって、スタンダードセルの境目、すなわちセル境界線の位置を認識することができる。なお、セル同士を接続する信号線配線は、通常、セル内信号線配線の上層の配線層に形成される。
本発明では、OPC補正のデータ量や処理時間の増大を伴うことなく、セル境界線に最も近いメタル配線の細りや断線を未然に防ぐことが可能になるので、例えば、各種電子機器に搭載される半導体集積回路の歩留まり向上やコストダウン、開発期間短縮に有用である。
F1 セル境界線
m1 電源配線
m2 接地配線
m4,m6,m7,m9 メタル配線
D1,D2,D3,D4 ダミーパターン
d1,d2,d3,d4 拡散領域
g1,g2,g3,g4 拡散領域の辺
c1,c2,c3,c4 コンタクト
M1,M2,M3,M4 配線領域
X1,X2,X3,X4 実質的な配線領域
t 配線領域の間隔

Claims (7)

  1. セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、
    前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、
    前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されており、かつ、
    前記セル境界線まで間に他の拡散領域が存在しない拡散領域の前記セル境界線側の辺が、前記セル境界線を対称軸として非対称になっている
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、
    前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、
    前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの範囲に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になるように、配置されており、かつ、
    前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっている矩形の配線領域において、コンタクトの配置が、前記セル境界線を対称軸として非対称になっている
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 請求項1または2記載の半導体集積回路装置において、
    前記配線領域のうち、少なくとも一部は、電源配線または接地配線と接続されている
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 請求項1または2記載の半導体集積回路装置において、
    前記配線領域のうち、少なくとも一部は、ダミーパターンである
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  5. セル構造が互いに異なっており、かつ、第1の方向に延びるセル境界線において隣接する第1および第2のスタンダードセルを備え、
    前記第1および第2のスタンダードセルにおいて、
    前記第1の方向に延び、かつ、前記セル境界線までの間に他の配線領域が存在しない矩形の配線領域が、前記セル境界線を対称軸として非対称になっており、
    所定長以下の間隔をつながっているものとみなしたとき、前記配線領域が、前記セル境界線を対称軸として実質的に線対称になっており、
    前記所定長は、光近接効果の面において、実質的につながっているものとみなせる間隔の長さである
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 請求項5記載の半導体集積回路装置において、
    前記配線領域のうち、少なくとも一部は、電源配線または接地配線と接続されている
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  7. 請求項5記載の半導体集積回路装置において、
    前記配線領域のうち、少なくとも一部は、ダミーパターンである
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
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