JPWO2009133766A1 - 積層コイル部品およびその製造方法 - Google Patents

積層コイル部品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009133766A1
JPWO2009133766A1 JP2010510076A JP2010510076A JPWO2009133766A1 JP WO2009133766 A1 JPWO2009133766 A1 JP WO2009133766A1 JP 2010510076 A JP2010510076 A JP 2010510076A JP 2010510076 A JP2010510076 A JP 2010510076A JP WO2009133766 A1 JPWO2009133766 A1 JP WO2009133766A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic ceramic
inner conductor
metal
coil component
laminated coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010510076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5229317B2 (ja
Inventor
河野上 正晴
正晴 河野上
幸男 前田
幸男 前田
水野 辰哉
辰哉 水野
大喜 橋本
大喜 橋本
上田 充
充 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2010510076A priority Critical patent/JP5229317B2/ja
Publication of JPWO2009133766A1 publication Critical patent/JPWO2009133766A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5229317B2 publication Critical patent/JP5229317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/34Special means for preventing or reducing unwanted electric or magnetic effects, e.g. no-load losses, reactive currents, harmonics, oscillations, leakage fields
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • H01F41/041Printed circuit coils
    • H01F41/046Printed circuit coils structurally combined with ferromagnetic material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0066Printed inductances with a magnetic layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/29Terminals; Tapping arrangements for signal inductances
    • H01F27/292Surface mounted devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

内部導体を構成するAgのマイグレーションを抑制するとともに、磁性体セラミック層と内部導体層の間に空隙を形成することなく、内部応力の問題を緩和して、直流抵抗が低く、かつサージなどによる内部導体の断線が発生しにくい、信頼性の高い積層コイル部品を提供する。内部導体2の表面に金属膜20を分布させ、金属膜20を含む内部導体2と内部導体の周囲の磁性体セラミック11との界面Aには空隙が存在せず、かつ、内部導体2と磁性体セラミック11との界面Aが解離した状態とする。磁性体セラミック素子の側面から、内部導体の側部と磁性体セラミック素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部を経て、金属を含む酸性溶液を浸透させ、内部導体とその周囲の磁性体セラミックとの界面に酸性溶液を到達させることにより、内部導体の表面に前記金属を析出させる。

Description

本発明は、磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品およびその製造方法に関する。
近年、電子部品の小型化への要求が大きくなり、コイル部品に関しても、その主流は小型化に適した積層型のものに移りつつある。
ところで、磁性体セラミックと内部導体を同時焼成して得られる積層コイル部品は、磁性体セラミック層と内部導体層との間で熱膨張係数の違いから発生する内部応力が、磁性体セラミックの磁気特性を低下させ、積層コイル部品のインピーダンス値の低下やばらつきを引き起こすという問題点がある。
そこで、このような問題点を解消するために、焼成後の磁性体セラミック素子を酸性のめっき液中に浸漬処理して、磁性体セラミック層と内部導体層との間に空隙を設けることにより、内部導体層による磁性体セラミック層への応力の影響を回避して、インピーダンス値の低下やばらつきを解消するようにした積層型インピーダンス素子が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この特許文献1の積層型インピーダンス素子においては、磁性体セラミック素子をめっき液中に浸漬して、内部導体層が磁性体セラミック素子の表面に露出する部分からめっき液を内部に浸透させることにより、磁性体セラミック層と内部導体層の間に不連続な空隙を形成するようにしていることから、磁性体セラミック層間に、内部導体層と空隙が形成されることになり、内部導電体層が細って、セラミック層間に占める内部導体層の割合が小さくならざるを得ないのが実情である。
そのため、直流抵抗の低い製品を得ることが困難になるという問題点がある。特に、寸法が、1.0mm×0.5mm×0.5mmの製品や、0.6mm×0.3mm×0.3mmの製品などのように小型の製品になると、磁性体セラミック層を薄くすることが必要になり、磁性体セラミック層間に、内部導体層と空隙の両方を設けつつ、内部導体層を厚く形成することが困難になるため、直流抵抗の低減を図ることができなくなるばかりでなく、サージなどによる内部導体の断線が発生しやすくなり、十分な信頼性を確保することができなくなるという問題点がある。
特開2004−22798号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、積層コイル部品を構成する磁性体セラミック層と内部導体層の間に従来のような空隙を形成することなく、磁性体セラミック層と内部導体層との間で、焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の問題を緩和することが可能で、かつ、内部導体を構成するAgのマイグレーションを抑制することが可能な信頼性の高い積層コイル部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の積層コイル部品は、
磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品であって、
前記内部導体の表面に金属膜が存在し、
前記金属膜を含む前記内部導体と前記内部導体の周囲の磁性体セラミックとの界面には空隙が存在せず、かつ、
前記内部導体と前記磁性体セラミックとの界面が解離していること
を特徴としている。
本発明においては、前記内部導体の表面に存在する前記金属膜を、内部導体の周囲の磁性体セラミック層に存在するポア部分を埋めるような態様で分布させることが望ましい。
また、前記磁性体セラミックとしては、NiCuZnフェライトを主成分とするものを用いることが望ましい。
また、前記磁性体セラミックとして、軟化点が500〜700℃であるホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを含有するものを用いることも可能である。
また、前記金属膜を構成する金属としては、前記内部導体を構成する金属と同種金属であるAg、または、異種金属であるNi、Pd、Au、Cu、Snからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とするものを用いることが望ましい。
また、前記金属膜を構成する金属として、前記内部導体を構成するAgよりも熱膨張係数が小さく、かつ前記磁性体セラミック層を構成するセラミック材料よりも熱膨張係数が大きいものを用いることが望ましい。
また、積層コイル部品が、前記磁性体セラミック素子の表面に前記内部導体と導通する外部電極を備え、かつ前記外部電極の表面にはめっき層が形成されたものである場合において、前記金属膜を構成する金属を、前記外部電極の前記めっき層の少なくとも一部を構成する金属と同種の金属とすることが望ましい。
また、本発明の積層コイル部品の製造方法は、磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品の製造方法であって、前記螺旋状コイルを構成する前記内部導体の側部と、前記磁性体セラミック素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部における、磁性体セラミックのポア面積率が6〜20%の範囲にある磁性体セラミック素子を形成する工程と、
前記磁性体セラミック素子の側面から、前記サイドギャップ部を経て金属を含む酸性溶液を浸透させ、前記内部導体とその周囲の磁性体セラミックとの界面に酸性溶液を到達させることにより、前記内部導体の表面に前記金属を析出させる工程と
を備えていることを特徴としている。
本発明(請求項1)の積層コイル部品は、磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品において、金属膜を含む内部導体と内部導体の周囲の磁性体セラミックとの界面に空隙を存在させることなく、内部導体と磁性体セラミックとの界面が解離した状態とし、さらに、内部導体の表面に金属膜を存在させるようにしている。この結果、内部導体と磁性体セラミックの界面に空隙を設けることなく(すなわち、内部導体を細らせることなく)内部導体と磁性体セラミックの焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の緩和を図ることが可能になる。したがって、特性のばらつきが少なく、直流抵抗を低減することが可能で、サージなどによる内部導体の断線を抑制、防止することが可能な、信頼性の高い積層コイル部品を提供することが可能になる。
なお、本発明において、金属膜とは、必ずしも所定の領域を隙間なく覆うようないわゆる層状や薄膜状ものに限られるものではなく、金属材がある程度の間隔をおいて点在しているような状態や、多数存在する隙間に入り込んでいるような状態などを含む広い概念である。
また、金属膜として、内部導体を構成するAgとは異なる、マイグレーションを引き起こしにくい金属からなる金属膜を形成し、内部導体の表面を金属膜で被覆することにより、内部導体を構成するAgのマイグレーションを抑制、防止して、信頼性を向上させることができる。
なお、Agに比べてマイグレーションを引き起こしにくい金属としては、Cu、Sn、Auなどが例示されるが、これらの材料の、マイグレーション進行速度の傾向は、Ag>Cu>Sn>Auとなる(IT産業を支える高機能材料の開発・高機能薄膜の創製とその特性および信頼性の評価 工学院大学 木村 雄二、鷹野一朗、フォトプレシジョン(株) 成澤 紀久也、白井 清美、岩下 誠)。
また、本発明においては、金属膜を、内部導体の周囲の磁性体セラミック層に存在するポア部分を埋めるように分布させることにより、内部応力を緩和、内部導体を構成するAgのマイグレーション抑制などの効果をより高めることが可能になる。また、セラミック原料として、高価な微粒原料を用いなくても、信頼性に優れた積層コイル部品を得ることが可能になり、経済性にも優れた積層コイル部品を提供することができるようになる。
また、前記磁性体セラミックとして、NiCuZnフェライトを主成分とするものを用いることにより、信頼性に優れ、透磁率の高い積層コイル部品を得ることが可能になる。さらには、NiCuZnフェライトを主成分とし、かつ、軟化点が500〜700℃であるホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを含有するものを用いることにより、高温での焼成を必要とすることなく、低温で焼成を行って、信頼性に優れた高特性の積層コイル部品を得ることが可能になる。
なお、ホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを含有するものを用いた場合、ホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスが結晶化ガラスであることから、磁性体セラミックの焼結密度を安定させることが可能になる。さらに、磁性体セラミックとして、上記のホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを0.1〜0.5重量%含有するもの、さらには、ホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを0.2〜0.4重量%含有するものを用いることにより、上述の効果をさらに向上させることができる。
また、金属膜を構成する金属は、内部導体を構成する金属と同種金属であるAgであってもよいし、異種金属であってもよい。異種金属としては、Ni、Pd、Au、Cu、Snからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とするものを好ましく用いることができる。
また、前記金属膜を構成する金属として、内部導体を構成するAgよりも熱膨張係数が小さく、磁性体セラミック層を構成するセラミック材料よりも大きいものを用いることにより、内部導体と磁性体セラミックの界面における線膨張係数の変化に段階的な傾斜を持たせて、内部導体と磁性体セラミック層の熱膨張係数の差による応力の発生を効果的に抑制することが可能になる。その結果、プリント基板などへの実装工程や、その後の使用環境下における耐熱衝撃性に優れた積層コイル部品を提供することが可能になる。
なお、本発明において金属膜を構成する材料として例示されるSn、Ag、Cu、Au、Ni、Pdは、それぞれ以下のような値をとる(参考文献:機械設計便覧 丸善(株))。
Sn:23.0×10-6/K
Ag:19.7×10-6/K
Cu:16.5×10-6/K
Au:14.2×10-6/K
Ni:12.3×10-6/K
Pd:11.8×10-6/K
また、本発明において磁性体セラミックを構成する材料として例示されるNiCuZnフェライトの線膨張係数は、NiCuZnフェライト:10×10-6/Kである。
これらの金属、およびNiCuZnフェライトの線膨張係数の大きさを比較すると、
Sn>Ag>Cu>Au>Ni>Pd>NiCuZnフェライトとなる。
すなわち、これらの金属は、その線膨張係数が、本発明において磁性体セラミックの好ましい例として挙げられているNiCuZnフェライトの線膨張係数よりも大きいものである。
また、上記の金属のうち、Pd、Ni、Au、Cuは、内部導体を構成するAgよりも熱膨張係数が小さく、好ましい磁性体セラミック材料として例示されるNiCuZnフェライトよりも大きいという両方の要件を満たすものであり、線膨張係数の見地からは、Pd、Ni、Au、Cuなどが金属膜を構成する金属として特に好ましいものであるということができる。
なお、Snは、好ましい磁性体セラミック材料として例示されるNiCuZnフェライトよりも線膨張係数が大きいが、内部導体を構成するAgよりも線膨張係数が大きく、内部導体と磁性体セラミックの界面における線膨張係数の変化に段階的な傾斜を持たせることができない。この点では上記のPd、Ni、Au、Cuに比べて適用性が劣るが、内部電極を構成するAgよりもマイグレーションの生じにくい金属であり、本願発明において金属膜の構成材料として使用可能な材料に含まれるものである。
また、積層コイル部品が、磁性体セラミック素子の表面に内部導体と導通する外部電極を備え、かつ外部電極の表面にはめっき層が形成されたものである場合において、金属膜を構成する金属を、外部電極のめっき層の少なくとも一部(例えば、めっき層が複数層である場合における一つの層)を構成する金属と同種の金属とすることにより、外部電極へのめっき工程でめっき液を磁性体セラミック素子の内部に浸透させ、内部導体の表面に金属膜を析出させることにより、特別な工程を必要とせずに、内部導体と磁性体セラミックの焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の緩和を図ることが可能になり、コストの増大を招くことなく信頼性の高い積層コイル部品を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の積層コイル部品の製造方法は、磁性体セラミック素子のサイドギャップ部におけるポア面積率が6〜20%の範囲にある磁性体セラミック素子を形成するとともに、磁性体セラミック素子の側面から、サイドギャップ部を経て金属を含む酸性溶液を内部導体とその周囲の磁性体セラミックとの界面に到達させ、その界面に空隙を存在させることなく、その界面が解離した状態とし、しかも、内部導体の表面に金属を析出させるようにしているので、効率よく信頼性の高い積層コイル部品を製造することが可能になる。
なお、サイドギャップ部におけるポア面積率が6%未満になると、金属を含む酸性溶液を内部導体とその周囲の磁性体セラミックとの界面に到達させて、その界面に空隙を存在させることなく、その界面が解離した状態とすることが困難になり、しかも、金属膜を内部導体の表面に析出させることが困難になる。また、サイドギャップ部におけるポア面積率が20%を超えると、積層コイル部品の内部への金属析出が多くなりすぎてショートが起こる危険性が増大するため好ましくない。
本発明の実施例にかかる積層コイル部品の構成を示す正面断面図である。 本発明の実施例にかかる積層コイル部品の要部構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例にかかる積層コイル部品の構成を示す側面断面図である。 本発明の実施例における、焼成後の磁性体セラミック素子のポア面積率の測定方法を説明する図である。 本発明の実施例にかかる積層コイル部品の断面を鏡面研磨後、FIBにより加工した面(W−T面)のSIM像を示す図である。 本発明の実施例にかかる積層コイル部品のFE−WDX(波長分散型X線検出法)による、内部導体の表面へのNi膜(金属膜)のマッピング図である。
1 磁性体セラミック層
2 内部導体
2a 内部導体の側部
3 磁性体セラミック素子
3a 磁性体セラミック素子の側面
4 螺旋状コイル
4a,4b 螺旋状コイルの両端部
5a,5b 外部電極
8 サンドギャップ部
9 内部導体の最外層と磁性体セラミック素子の上下面との間の領域
10 積層コイル部品(積層インピーダンス素子)
11 磁性体セラミック
20 金属膜(Ni膜)
21 セラミックグリーンシート
21a 内部導体パターンを有しないセラミックグリーンシート
22 内部導体パターン(コイルパターン)
23 積層体(未焼成の磁性体セラミック素子)
24 ビアホール
A 内部導体と周囲の磁性体セラミックとの界面
以下、本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例にかかる積層コイル部品(この実施例では積層インピーダンス素子)の構成を示す断面図、図2は要部構成を示す分解斜視図である。
この積層コイル部品10は、磁性体セラミック層(この実施例では、NiCuZnフェライト層)1を介して配設され、Agを主成分とする内部導体2を層間接続することにより形成された螺旋状コイル4を、磁性体セラミック素子3の内部に備えている。
また、磁性体セラミック素子3の両端部には、螺旋状コイル4の両端部4a,4bと導通するように一対の外部電極5a,5bが配設されている。
そして、この積層コイル部品10においては、図1に模式的に示すように、内部導体2の表面には金属膜(この実施例では、Ni膜)20が分布しており、金属膜20を含む内部導体2と内部導体2の周囲の磁性体セラミック11との界面Aには空隙が存在せず、金属膜20を含む内部導体2とその周囲の磁性体セラミック11とは、ほぼ密着しているが、内部導体2と磁性体セラミック11、および、金属膜20と磁性体セラミック11とが、その界面Aが解離した状態となるように構成されている。
また、この積層コイル部品10においては、金属膜20を含む内部導体2と磁性体セラミック11が、その界面Aが解離しているため、金属膜20を含む内部導体2と磁性体セラミック11との結合を切断するために界面Aに空隙を設けることが不要になる。その結果、空洞を設けるために内部導体を細らせることなく、応力が緩和された信頼性の高い積層コイル部品10を得ることができる。
次に、この積層コイル部品10の製造方法について説明する。
(1)セラミックグリーンシートの作製
Fe23を48.0mol%、ZnOを29.5mol%、NiOを14.5mol%、CuOを8.0mol%の比率で秤量した磁性体原料を調製し、ボールミルにて48時間の湿式混合を行った。
それから、湿式混合したスラリーをスプレードライヤーにより乾操し、700℃にて2時間仮焼した。
得られた仮焼物をボールミルにて16時間湿式粉砕し、粉砕終了後にバインダーを所定量混合し、セラミックスラリーを得た。
それから、このセラミックスラリーをシート状に成形して、焼成後に磁性体セラミック層となる、厚み25μmのセラミックグリーンシートを作製した。
(2)内部導体パターンの形成
次に、このセラミックグリーンシートの所定の位置にビアホールを形成した後、セラミックグリーンシートの表面に内部導体形成用の導電性ペーストを印刷して、コイルパターン(内部導体パターン)を形成した。
なお、上記導電性ペーストとしては、不純物元素が0.1重量%以下のAg粉末と、ワニスと、溶剤とを配合してなり、Ag含有率が85重量%の導電性ペーストを用いた。コイルパターン(内部導体パターン)形成用の導電性ペーストとしては、上述のように、Agの含有量が高いもの、例えば、Ag含有率が83〜89重量%のものを用いることが望ましい。なお、不純物が多いと、酸性溶液により内部導体が腐食し、直流抵抗が増加するという不具合が生じる場合がある。
(3)未焼成の磁性体セラミック素子の作製
次に、図2に模式的に示すように、焼成後に内部導体2となる内部導体パターン22が形成された、焼成後に磁性体セラミック層1となるセラミックグリーンシート21を複数枚積層して圧着し、さらにその上下両面側にコイルパターンが形成されていないセラミックグリーンシート21aを積層した後、1000kgf/cm2で圧着することにより、焼成後に磁性体セラミック素子3となる積層体23を得た。
この積層体23は、その内部に、各内部導体パターン(コイルパターン)22がビアホール24により接続されてなる積層型の螺旋状コイルを備えている。なお、コイルのターン数は7.5ターンとした。
(4)磁性体セラミック素子の作製
それから圧着ブロックである積層体23を所定のサイズにカットした後、脱バインダーを行い、820℃〜910℃の間で、焼成温度を変えて、焼結させることにより、内部に螺旋状コイル4を備えた磁性体セラミック素子3を得た。
なお、この実施例では、磁性体セラミック素子3の、螺旋状コイル4を構成する内部導体2の側部2aと、磁性体セラミック素子3の側面3aとの間の領域であるサイドギャップ部8(図3参照)における、磁性体セラミック11のポア面積率は11%であった。
これは、磁性体セラミック素子3の側面から、サイドギャップ部8を経て金属を含む酸性溶液を浸透させ、内部導体2とその周囲の磁性体セラミック11との界面に酸性溶液を到達させて内部導体2の表面に金属を析出させて金属膜20を形成するためには、サイドギャップ部8における、磁性体セラミック11のポア面積率が6〜20%の範囲にあることが望ましいことによる。
サイドギャップ部8における、磁性体セラミック11のポア面積率を11%とするために、この実施例では、内部導体2の収縮率を磁性体セラミック11の収縮率より小さく、具体的には、内部導体2の焼結収縮率を8%とし、所定の温度で焼成することにより、磁性体セラミック素子3の内部にポア面積率の分布を生じさせた。すなわち、サイドギャップ部8のポア面積率が、磁性体セラミック素子3内の内部導体2の上側最外層の上面と磁性体セラミック素子3の上面との間の領域9、および、内部導体2の下側最外層の下面と磁性体セラミック素子3の下面との間の領域9におけるポア面積率よりも高くなるようにした。
なお、セラミック素子を構成する磁性体セラミックの、焼成時における収縮率は、内部導体の収縮率より大きい。そのため、焼成時にセラミック素子の上下面側の内部導体の存在しない領域において磁性体セラミックは大きく収縮するが、内部導体の存在する領域における収縮は小さくなる。よってサイドギャップ部のポア面積率が大きくなる。
このように金属膜20を含む内部導体2の焼結収縮率を磁性体セラミック11よりも所定の割合で小さくした場合、内部導体2が磁性体セラミック11の焼結収縮を抑制する機能を果たすことができる。
内部導体の焼結収縮率は、例えば、内部導体形成用の導電性ペースト中の導電成分(Ag粉末)の含有率と、導電性ペーストに含まれるワニスおよび溶剤の種類を適宜選択することにより制御することができる。
なお、内部導体の焼結収縮率が0%未満である場合、焼成中に内部導体が収縮せず、焼成前よりも膨張することになり、構造欠陥やチップ形状に影響し好ましくない。
また、内部導体の焼結収縮率が15%を超えると、サイドギャップ部8におけるポア面積率が低くなり過ぎ、Niめっき液をサイドギャップから浸入させることができなくなる。
したがって、内部導体の焼結収縮率は0〜15%の範囲とすることが望ましく、5〜11%とすることがさらに好ましい。
なお、焼成後の磁性体セラミック素子のポア面積率の測定は、磁性体セラミック素子の幅方向と厚み方向で規定される断面(以下、「W−T面」という)を鏡面研磨し、収束イオンビーム加工(FIB加工)した面を走査電子微鏡(SEM)で観察することにより行った。
具体的には、ポア面積率は画像処理ソフト「WINROOF(三谷商事(株)」により測定した。その具体的な、測定方法は、以下の通りである。
FIB装置 :FEI製FIB200TEM
FE−SEM(走査電子顕微鏡) :日本電子製JSM−7500FA
WinROOF(画像処理ソフト):三谷商事株式会社製、Ver.5.6
<収束イオンビーム加工(FIB加工)>
図4に示すように、上述の方法で鏡面研磨した試料の研磨面に対し、入射角5°でFIB加工を行った。
<走査電子顕微鏡(SEM)による観察>
SEM観察は、以下の条件で行った。
加速電圧 :15kV
試料傾斜 :0゜
信号 :二次電子
コーティング :Pt
倍率 :5000倍
<ポア面積率の算出>
ポア面積率は、以下の方法で求めた
a)計測範囲を決める。小さすぎると測定箇所による誤差が生じる。
(この実施例では、22.85μm×9.44μmとした)
b)磁性体セラミックとポアが識別しにくければ明るさ、コントラストを調節する。 c)2値化処理を行い、ポアのみを抽出する。画像処理ソフトWinROOFの「色抽出」では完全でない場合には手動で補う。
d)ポア以外を抽出した場合はポア以外を削除する。
e)画像処理ソフトの「総面積・個数計測」で総面積、個数、ポアの面積率、計測範囲の面積を測定する。
本発明におけるポア面積率は、上述のようにして測定した値である。
また、磁性体セラミックの焼結収縮率の測定は、セラミックグリーンシートを積み重ね、実際に積層コイル部品を製造する際の条件と同じ圧力条件で圧着し、所定の寸法にカットした後焼成し、積層方向に沿う方向の焼結収縮率を熱機械分析装置(TMA)にて測定することにより行った。
また、内部導体の焼結収縮率の測定は以下の方法で行った。
まず、内部導体形成用の導電性ペーストをガラス板上に薄く延ばして乾燥した後に、乾燥物をかきとって乳鉢で粉末状に粉砕した。それから金型に入れて積層コイル部品を製造する際の条件と同じ圧力条件で一軸プレス成形し、所定の寸法にカットした後焼成し、プレス方向に沿う方向の焼結収縮率をTMAにて測定した。
(5)外部電極の形成
上述のようにして作製した、内部に螺旋状コイル4を備えた磁性体セラミック素子(焼結素子)3の両端部に外部電極形成用の導電性ペーストを塗布して乾燥した後、750℃で焼き付けることにより外部電極5a,5b(図1参照)を形成した。
なお、外部電極形成用の導電性ペーストとしては、平均粒径が0.8μmのAg粉末と耐めっき性に優れたB−Si−K系の平均粒径が1.5μmのガラスフリットとワニスと溶剤とを配合した導電性ペーストを用いた。この導電性ペーストを焼き付けることにより形成された外部電極は、以下のめっき工程でめっき液によって侵食されにくい緻密なものである。
(6)外部電極のめっき処理
外部電極5a,5bが形成された磁性体セラミック素子3にNiめっきを施し、外部電極5a,5bの表面に、Niめっき膜(下層めっき膜)を形成するとともに、内部導体2の表面に金属膜20を析出させた。
それからさらにSnめっきを行って、Niめっき膜の表面にSnめっき膜を形成することにより、外部電極の表面に、Niめっき膜(下層めっき膜)とSnめっき膜(上層めっき膜)を備えた2層構造のめっき膜を形成した。
なお、Niめっきを行うにあたっては、Niめっき液として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルをNi源とするめっき液(硫酸ニッケルを約300g/L、塩化ニッケルを約50g/L、ホウ酸を約35g/Lの割合で含み、pHが4の酸性の溶液)を用い、陰極電流密度0.30(A/dm2)で、60分間、電解Niめっきを施し、外部電極上にNiめっき膜を形成した。
また、Snめっきを行うにあたっては、Snめっき液として、硫酸第1スズをSn源とするめっき液(硫酸スズを約70g/L、クエン酸水素アンモニウムを約100g/L、硫酸アンモニウムを約100g/Lの割合で含み、pHが5の酸性の溶液)を使用し、電流密度0.14(A/dm2)で、60分間、電解Snめっきを施し、上記ニッケル膜上にSnめっき膜を形成した。
これにより、図1に示すように、磁性体セラミック素子3の内部に、表面に金属膜20が分布した内部導体2を層間接続することにより形成された螺旋状コイル4を備えた積層コイル部品(積層インピーダンス素子)10が得られる。
(7)評価
なお、図5に、上述のようにして作製した本発明の実施例にかかる積層コイル部品の断面を鏡面研磨後、収束イオンビーム加工(FIB加工)により加工した面(W−T面)のSIM像を示す。
このSIM像は、めっき後の積層コイル部品のW−T面を鏡面研磨した後、FIBで加工した面を、SIMにより5000倍で観察したものであり、磁性体セラミックと内部導体の界面に空隙が認められないことがわかる。
また、図6に、本発明の実施例にかかる積層コイル部品のFE−WDX(波長分散型X線検出法)による、内部導体の表面へのNi膜(金属膜)のマッピング図を示す。
図6に示すように、内部導体2の表面を覆うように金属膜(Ni膜)20が分布しており、内部導体2の表面にNi膜20が存在しているため、内部導体2を構成するAgのマイグレーションが進みにくくなり、信頼性の高い積層コイル部品を得ることが可能になる。
また、Agからなる内部導体2が、線膨張係数がAg(19.7×10-6/K)より小さく、磁性体セラミック11より大きいNi(12.3×10-6/K)からなる金属膜20により覆われているため、線膨張率の傾斜が形成され、内部導体2と、磁性体セラミック11の界面の応力変化が抑制され、耐熱衝撃性に優れた信頼性の高い積層コイル部品を得ることができる。
また、この実施例では、外部電極5a,5bへのめっき工程で、内部導体2の表面への金属膜20の形成を同時に行うようにしているので、効率よく、耐熱衝撃性に優れた信頼性の高い積層コイル部品を得ることができる。
なお、この実施例では、外部電極5a,5bへのめっき処理と同時に内部導体2の表面への金属膜20の形成を行っているが、内部導体2の表面への金属膜20の形成と、外部電極5a,5bへのめっき膜の形成の工程をそれぞれ別工程とすることも可能である。
また、この実施例では、金属膜20を構成する金属が、外部電極5a,5bに形成されるめっき膜と同じ金属(Ni)である場合を例にとって説明したが、内部導体を構成する金属と同種金属であるAgであってもよい。
また、異種金属としては、この実施例で用いたNi以外も、Pd、Au、Cu、Snなど、種々の金属を用いることが可能である。ただし、内部導体を構成するAgよりもマイグレーションの生じにくい金属を用いることが望ましい。
また、この実施例では、セラミックグリーンシートを積層する工程を備えたいわゆるシート積層工法により製造する場合を例にとって説明したが、磁性体セラミックスラリーおよび内部導体形成用の導電性ペーストを用意し、これらを、上記実施例で示したような構成を有する積層体が形成されるように印刷してゆく、いわゆる逐次印刷工法によっても製造することが可能である。
さらに、例えば、キャリアフィルム上にセラミックスラリーを印刷(塗布)することにより形成されたセラミック層をテーブル上に転写し、その上に、キャリアフィルム上に電極ペーストを印刷(塗布)することにより形成された電極ペースト層を転写し、これを繰り返して、上記実施例で示したような構成を有する積層体を形成する、いわゆる逐次転写工法によっても製造することが可能である。
本発明の積層コイル部品は、さらに他の方法によっても製造することが可能であり、その具体的な製造方法に特別の制約はない。
また、上記実施例では、陰極電流密度0.30(A/dm2)で、60分間、電解Niめっきを行って内部導体の表面に金属膜を析出させるようにしたが、めっき液などの条件を調整することにより無電解めっきの方法で内部導体の表面に金属膜を形成することも可能である。
また、上記実施例では、1個ずつ積層コイル部品を製造する場合(個産品の場合)を例にとって説明したが、量産する場合には、例えば、多数のコイル導体パターンをマザーセラミックグリーンシートの表面に印刷し、このマザーセラミックグリーンシートを複数枚積層圧着して未焼成の積層体ブロックを形成した後、積層体ブロックをコイル導体パターンの配置に合わせてカットし、個々の積層コイル部品用の積層体を切り出す工程を経て多数個の積層コイル部品を同時に製造する、いわゆる多数個取りの方法を適用して製造することが可能である。
また、上記実施例では、積層コイル部品が積層インピーダンス素子である場合を例にとって説明したが、本発明は、積層インダクタや積層トランスなど種々の積層コイル部品に適用することが可能である。
また、本発明は、非磁性体セラミックを一部に含む開磁路構造の積層インダクタなどにも適用することが可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、内部導体の表面に金属膜を分布させる方法、分布の態様、金属膜と磁性体セラミック層を構成する材料の組み合わせ、製品の寸法、積層体(焼成前の磁性体セラミック素子)の焼成条件などに関し、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることができる。
上述のように、本発明によれば、積層コイル部品を構成する磁性体セラミック層と内部導体層の間に従来のような空隙を形成することなく、磁性体セラミック層と内部導体層との間で、焼成収縮挙動や熱膨張係数の違いから発生する内部応力の問題を緩和することが可能で、かつ、内部導体を構成するAgのマイグレーションを抑制することが可能な信頼性の高い積層コイル部品を得ることができる。
したがって、本発明は、磁性体セラミック中にコイルを備えた構成を有する積層インピーダンス素子、積層インダクタ、積層トランスなどの種々の積層コイル部品に広く適用することが可能である。

Claims (8)

  1. 磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品であって、
    前記内部導体の表面に金属膜が存在し、
    前記金属膜を含む前記内部導体と前記内部導体の周囲の磁性体セラミックとの界面には空隙が存在せず、かつ、
    前記内部導体と前記磁性体セラミックとの界面が解離していること
    を特徴とする積層コイル部品。
  2. 前記内部導体の表面に存在する前記金属膜が、前記内部導体の周囲の磁性体セラミック層に存在するポア部分を埋めるような態様で分布していることを特徴とする請求項1記載の積層コイル部品。
  3. 前記磁性体セラミックが、NiCuZnフェライトを主成分とするものであることを特徴とする請求項1または2記載の積層コイル部品。
  4. 前記磁性体セラミックが、軟化点が500〜700℃であるホウケイ酸亜鉛系低軟化点ガラスを含有するものであることを特徴とする請求項3記載の積層コイル部品。
  5. 前記金属膜を構成する金属が、前記内部導体を構成する金属と同種金属であるAg、または、異種金属であるNi、Pd、Au、Cu、Snからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層コイル部品。
  6. 前記金属膜を構成する金属が、前記内部導体を構成するAgよりも熱膨張係数が小さく、かつ前記磁性体セラミック層を構成するセラミック材料よりも大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層コイル部品。
  7. 請求項1〜6の積層コイル部品が、前記磁性体セラミック素子の表面に前記内部導体と導通する外部電極を備え、かつ前記外部電極の表面にめっき層が形成されたものである場合において、前記金属膜を構成する金属が、前記外部電極の前記めっき層の少なくとも一部を構成する金属と同種の金属であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層コイル部品。
  8. 磁性体セラミック層を介して配設され、Agを主成分とする内部導体を層間接続することにより形成された螺旋状コイルを、磁性体セラミック素子の内部に備えた積層コイル部品の製造方法であって、
    前記螺旋状コイルを構成する前記内部導体の側部と、前記磁性体セラミック素子の側面との間の領域であるサイドギャップ部における、磁性体セラミックのポア面積率が6〜20%の範囲にある磁性体セラミック素子を形成する工程と、
    前記磁性体セラミック素子の側面から、前記サイドギャップ部を経て金属を含む酸性溶液を浸透させ、前記内部導体とその周囲の磁性体セラミックとの界面に酸性溶液を到達させることにより、前記内部導体の表面に前記金属を析出させる工程と
    を備えていることを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
JP2010510076A 2008-04-28 2009-04-13 積層コイル部品およびその製造方法 Active JP5229317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010510076A JP5229317B2 (ja) 2008-04-28 2009-04-13 積層コイル部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008117048 2008-04-28
JP2008117048 2008-04-28
JP2010510076A JP5229317B2 (ja) 2008-04-28 2009-04-13 積層コイル部品およびその製造方法
PCT/JP2009/057444 WO2009133766A1 (ja) 2008-04-28 2009-04-13 積層コイル部品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009133766A1 true JPWO2009133766A1 (ja) 2011-09-01
JP5229317B2 JP5229317B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=41254985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010510076A Active JP5229317B2 (ja) 2008-04-28 2009-04-13 積層コイル部品およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8330568B2 (ja)
JP (1) JP5229317B2 (ja)
KR (1) KR101162154B1 (ja)
CN (1) CN102007551B (ja)
WO (1) WO2009133766A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014150096A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Toko Inc 積層型電子部品

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101952911B (zh) * 2007-09-14 2012-05-30 株式会社村田制作所 叠层线圈零件及其制造方法
WO2011148787A1 (ja) * 2010-05-28 2011-12-01 株式会社村田製作所 積層型インダクタおよびその製造方法
KR101214749B1 (ko) * 2011-04-25 2012-12-21 삼성전기주식회사 적층형 파워 인덕터
CN103764593B (zh) * 2011-09-02 2016-06-15 株式会社村田制作所 铁氧体陶瓷组合物、陶瓷电子部件和陶瓷电子部件的制造方法
JP6062691B2 (ja) * 2012-04-25 2017-01-18 Necトーキン株式会社 シート状インダクタ、積層基板内蔵型インダクタ及びそれらの製造方法
KR101396656B1 (ko) * 2012-09-21 2014-05-16 삼성전기주식회사 적층형 파워 인덕터 및 이의 제조방법
KR101408525B1 (ko) * 2012-11-20 2014-06-17 삼성전기주식회사 적층형 코일 부품
KR101408617B1 (ko) * 2012-11-20 2014-06-17 삼성전기주식회사 적층형 코일 부품
JP6284797B2 (ja) * 2014-03-20 2018-02-28 新光電気工業株式会社 インダクタ、コイル基板及びコイル基板の製造方法
KR20150114747A (ko) * 2014-04-02 2015-10-13 삼성전기주식회사 칩형 코일 부품 및 그 실장 기판
KR102120898B1 (ko) * 2014-06-19 2020-06-09 삼성전기주식회사 칩형 코일 부품
JP6502627B2 (ja) 2014-07-29 2019-04-17 太陽誘電株式会社 コイル部品及び電子機器
KR20160037652A (ko) * 2014-09-29 2016-04-06 엘지이노텍 주식회사 무선 전력 송신 장치 및 무선 전력 수신 장치
KR101652850B1 (ko) * 2015-01-30 2016-08-31 삼성전기주식회사 칩 전자부품, 그 제조방법 및 이를 구비한 기판
JP6398857B2 (ja) 2015-04-27 2018-10-03 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法
US10147533B2 (en) 2015-05-27 2018-12-04 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Inductor
JP6278173B2 (ja) * 2016-01-12 2018-02-14 株式会社村田製作所 積層体及び電子部品
KR101883046B1 (ko) 2016-04-15 2018-08-24 삼성전기주식회사 코일 전자 부품
TWI628678B (zh) * 2016-04-21 2018-07-01 Tdk 股份有限公司 電子零件
DE202017104061U1 (de) * 2017-07-07 2018-10-09 Aixtron Se Beschichtungseinrichtung mit beschichteter Sendespule
JP6763366B2 (ja) * 2017-12-28 2020-09-30 株式会社村田製作所 コイル部品およびコイル部品の製造方法
KR102609134B1 (ko) * 2018-05-14 2023-12-05 삼성전기주식회사 인덕터 및 이를 구비하는 인덕터 모듈
US20200105453A1 (en) * 2018-10-01 2020-04-02 Texas Instruments Incorporated Inkjet printed electronic components
JP7147714B2 (ja) * 2019-08-05 2022-10-05 株式会社村田製作所 コイル部品
JP7092099B2 (ja) * 2019-09-03 2022-06-28 株式会社村田製作所 電子部品およびその製造方法
JP2021044317A (ja) 2019-09-09 2021-03-18 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
JP7230837B2 (ja) * 2020-02-06 2023-03-01 株式会社村田製作所 積層コイル部品
JP7255510B2 (ja) * 2020-02-06 2023-04-11 株式会社村田製作所 積層コイル部品
JP7215447B2 (ja) * 2020-02-25 2023-01-31 株式会社村田製作所 コイル部品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04317302A (ja) * 1991-04-16 1992-11-09 Murata Mfg Co Ltd 正特性サーミスタ及びその製造方法
JPH07240334A (ja) * 1992-09-14 1995-09-12 Tdk Corp 電子部品及びその製造方法
JPH0883715A (ja) * 1994-09-09 1996-03-26 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2001052930A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Tdk Corp 積層インダクタとその製造方法
JP2001244116A (ja) * 2000-02-29 2001-09-07 Taiyo Yuden Co Ltd 電子部品及びその製造方法
WO2009034824A1 (ja) * 2007-09-14 2009-03-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層コイル部品およびその製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5126707A (en) * 1989-12-25 1992-06-30 Takeshi Ikeda Laminated lc element and method for manufacturing the same
JP2987176B2 (ja) 1990-07-06 1999-12-06 ティーディーケイ株式会社 積層型インダクタおよび積層型インダクタの製造方法
JP2871845B2 (ja) 1990-11-26 1999-03-17 太陽誘電株式会社 積層チップインダクタの製造方法
US6487590B1 (en) 1998-10-30 2002-11-26 Lucent Technologies Inc. Method for controlling a network element from a remote workstation
JP3309372B2 (ja) * 1999-01-18 2002-07-29 株式会社エス・エッチ・ティ コイル装置及びその製造方法
US6533956B2 (en) * 1999-12-16 2003-03-18 Tdk Corporation Powder for magnetic ferrite, magnetic ferrite, multilayer ferrite components and production method thereof
JP2002217038A (ja) 2001-01-23 2002-08-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミック電子部品
JP2004022798A (ja) 2002-06-17 2004-01-22 Nec Tokin Corp 積層型インピーダンス素子、及びその製造方法
US6855222B2 (en) * 2002-06-19 2005-02-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for manufacturing laminated multilayer electronic components
ATE395708T1 (de) * 2005-01-07 2008-05-15 Murata Manufacturing Co Laminierte spule
US7994889B2 (en) * 2006-06-01 2011-08-09 Taiyo Yuden Co., Ltd. Multilayer inductor

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04317302A (ja) * 1991-04-16 1992-11-09 Murata Mfg Co Ltd 正特性サーミスタ及びその製造方法
JPH07240334A (ja) * 1992-09-14 1995-09-12 Tdk Corp 電子部品及びその製造方法
JPH0883715A (ja) * 1994-09-09 1996-03-26 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2001052930A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Tdk Corp 積層インダクタとその製造方法
JP2001244116A (ja) * 2000-02-29 2001-09-07 Taiyo Yuden Co Ltd 電子部品及びその製造方法
WO2009034824A1 (ja) * 2007-09-14 2009-03-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層コイル部品およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014150096A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Toko Inc 積層型電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5229317B2 (ja) 2013-07-03
US8330568B2 (en) 2012-12-11
CN102007551A (zh) 2011-04-06
KR20100101012A (ko) 2010-09-15
US20110037557A1 (en) 2011-02-17
WO2009133766A1 (ja) 2009-11-05
CN102007551B (zh) 2013-06-26
KR101162154B1 (ko) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5229317B2 (ja) 積層コイル部品およびその製造方法
KR101075079B1 (ko) 적층 코일 부품 및 그 제조 방법
KR101105653B1 (ko) 적층 코일 부품
JP5382123B2 (ja) 積層コイル部品
JP2010040860A (ja) 積層コイル部品およびその製造方法
CN112885561B (zh) 线圈部件
KR101215923B1 (ko) 적층 코일 부품 및 그 제조 방법
KR101396656B1 (ko) 적층형 파워 인덕터 및 이의 제조방법
WO2011148787A1 (ja) 積層型インダクタおよびその製造方法
JP7444146B2 (ja) コイル部品
JP2006156451A (ja) コイル内蔵基板

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5229317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150