JPWO2009093707A1 - 液晶配向処理剤、及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後も、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜が得られる液晶配向処理剤、前記液晶配向膜を有する液晶表示素子を提供する。ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)を含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有する液晶配向処理剤。ジアミン化合物(A):下記の式[1]で表されるジアミン化合物、ジアミン化合物(B):分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物。(化1)(式[1]中、X1は−O−、−NQ1−、−CONQ1−、−NQ1CO−、−CH2O−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q1は水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、X2は単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、X3は単結合、又は−O−、−NQ2−、−CONQ2−、−NQ2CO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH2)m−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Q2は水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、X4は窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である)。

Description

本発明は、液晶配向膜を作製する際に用いる液晶配向処理剤及びそれを用いた液晶表示素子に関するものである。
現在、液晶表示素子の液晶配向膜としては、ポリアミド酸などのポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液を主成分とする液晶配向処理剤(液晶配向剤とも云う)をガラス基板等に塗布し焼成した、いわゆるポリイミド系の液晶配向膜が主として用いられている。
液晶配向膜は、液晶の配向状態を制御する目的で使用されるものである。しかしながら、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった要求から、そこに使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の残留電荷が少ない、及び/又は直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となっていた。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献1参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミンを原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献2参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物および分子内に1個の3級アミン基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、近年では大画面で高精細の液晶テレビが広く実用化されており、このような用途における液晶表示素子では、それまでの文字や静止画を主として表示するディスプレイ用途と比較して、残像に対する要求はより厳しくなり、かつ過酷な使用環境での長期使用に耐えうる特性が要求されている。従って、そこに使用される液晶配向膜は従来よりも信頼性の高いものが必要となってきており、液晶配向膜の電気特性に関しても、初期特性が良好なだけでなく、例えば、高温下に長時間曝された後であっても、良好な特性を維持することが求められている。
特開平9−316200号公報 特開平10−104633号公報 特開平8−76128号公報
本発明の目的は、液晶配向膜にした際に、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を得ることができる液晶配向処理剤を提供すること、更には、該液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜を有する、過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する液晶配向処理剤を見出した。本発明はかかる知見に基づくもので、以下の要旨を有する。
(1)ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)を含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られる共重合体を含有する液晶配向処理剤。
ジアミン化合物(A):下記式[1]で表されるジアミン化合物、
ジアミン化合物(B):分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物。
Figure 2009093707
(式[1]中、Xは−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である)。
(2)式[1]が、下記の式[1a]から式[1f]で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2009093707
(式中、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である)。
(3)式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、又はベンゼン環である上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
(4)式[1a]から式[1f]中のXが単結合、−OCO−、又は−OCH−である上記(2)又は上記(3)に記載の液晶配向処理剤。
(5)式[1a]から式[1f]中のXがイミダゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である上記(2)から上記(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)式[1a]から式[1f]中のnが1又は2の整数である上記(2)から上記(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(7)式[1a]から式[1f]中のXが炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロへキサン環、ベンゼン環、及びナフタレン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、及びベンゾイミダゾール環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である上記(2)記載の液晶配向処理剤。
(8)式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
(9)式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−OCO−、及び−OCH−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがイミダゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
(10)分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、下記の式[2]で表されるジアミンである上記(1)から上記(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 2009093707
(式[2]中、Xは炭素数6から30の芳香族環を有する有機基であり、nは1から4の整数である。)
(11)式[2]のジアミン化合物が、下記の式[3]から式[7]からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である上記(10)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2009093707
(式[3]中、m1は1から4の整数であり、式[4]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m2及びm3はそれぞれ0から4の整数であり、かつm2+m3は1から4の整数を示し、式[5]中、m4及びm5はそれぞれ1から5の整数であり、式[6]中、Xは炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキル基であり、m6は1から5の整数であり、式[7]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1から4の整数である。)
(12)式[3]中、m1が1から2の整数である上記(11)に記載の液晶配向処理剤。
(13)式[4]中、Xが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m2及びm3は共に1の整数である上記(11)に記載の液晶配向処理剤。
(14)式[7]中、Xは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1から2の整数である上記(11)に記載の液晶配向処理剤。
(15)ジアミン成分中、式[1]で表されるジアミンの1モルに対して、分子内にカルボキシル基を有するジアミンが、0.01から99モルである上記(1)から上記(14)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(16)液晶配向処理剤中に含まれる溶媒中の5から80質量%が貧溶媒である上記(1)から上記(15)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(17)液晶配向処理剤中の共重合体がポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである上記(1)から上記(16)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(18)上記(1)から上記(17)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜。
(19)上記(18)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明の液晶配向処理剤は、比較的簡便な方法で得ることができ、該液晶配向処理剤を用いることにより、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜を得ることができる。よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)を含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる共重合体を含有する液晶配向剤、該液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜、更には、該液晶配向膜を有する液晶表示素子である。
その際、ジアミン化合物(A)は、式[1]で表されるジアミン化合物であり、ジアミン化合物(B)は、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物である。
本発明に用いるジアミン化合物(A)は、側鎖に窒素含有芳香族複素環を有する。この窒素含有芳香族複素環は、その共役構造により電子のホッピングサイトとして機能するので、液晶配向膜中において、電荷の移動を促進させることができる。さらに、この窒素含有芳香族複素環は、ジアミン化合物(B)が有するカルボキシル基と、塩形成や水素結合といった静電的相互作用で結ばれることで、カルボキシル基と窒素含有芳香族複素環との間で電荷の移動が起こる。そのため、窒素含有芳香族複素環部位に移動した電荷は、効率的に共重合体の分子内、分子間を移動することができる。
以上のことにより、本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速いという効果を奏する。
<ジアミン成分>
[ジアミン化合物(A)]
本発明に用いるジアミン化合物(A)は、下記の式[1]で表されるジアミン化合物である。
Figure 2009093707
式[1]中、Xは−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である。
式[1]における二つのアミノ基(−NH)の結合位置は限定されない。具体的には、nが1の整数の場合、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。nが2の整数の場合は、次の位置が挙げられる。側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、3,4の位置、3,5の位置、3,6の位置、4,5の位置が挙げられる。また、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の3の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、2,4の位置、2,5の位置、4,5の位置、4,6の位置が挙げられる。更に、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の4の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、2,3の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,5の位置が挙げられる。nが3の整数の場合は、次の位置が挙げられる。側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、4,5の位置、4,6の位置が挙げられる。また、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,4の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、3,5の位置、3,6の位置、5,6の位置が挙げられる。更に、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の3,5の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、2,4の位置が挙げられる。nが4の整数の場合は、次の位置が挙げられる。側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,3,4の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、5,6の位置が挙げられる。また、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,4,5の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、3,6の位置が挙げられる。更に、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,4,6の位置に側鎖の結合基(X)がある場合、二つのアミノ基の結合位置は、3,5の位置が挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸を合成する際の反応性の観点、及びジアミン化合物を合成する際の容易性も加味すると、nが1の整数の場合において、二つのアミノ基の結合位置が2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置、又はnが2の整数の場合における側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の3の位置に側鎖の結合基(X)がある場合において、二つのアミノ基の結合位置が4,6の位置が特に好ましい。
式[1]中、Xは−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基である。中でも、−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−が好ましい。なお、Qは、式[1]の定義と同意義である。
のより具体的な構造は、下記の式[1a]から式[1f]が挙げられる。
Figure 2009093707
中でも、式[1a]、式[1b]、式[1c]、及び式[1d]が好ましい。なお、Qは、式[1]の定義と同意義である。
式[1]中、Xは単結合、炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基である。
炭素数1から20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも良いし、分岐していても良い。また、不飽和結合を有していても良い。好ましくは炭素数1から10の脂肪族炭化水素基である。
非芳香族環式炭化水素基の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などが挙げられる。
芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環などが挙げられる。
式[1]における、好ましいXとしては、単結合、炭素数1から10の直鎖又は分岐したアルキレン基、炭素数1から10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環であり、より好ましくは、単結合、炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1から10の不飽和アルキレン基、シクロヘキサン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環であり、さらに好ましくは、単結合、炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロへキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環であり、特に好ましくは、単結合、炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキレン基、ベンゼン環である。最も好ましくは、単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、又はベンゼン環である。
式[1]中、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、好ましくは、単結合、−O−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、−O(CH−(mは1から5の整数である)である。最も好ましくは、単結合、−OCO−、又は−OCH−である。なお、Qは、式[1]の定義と同意義である。
式[1]中、Xは窒素含有芳香族複素環であり、下記の式[[2a]、式[2b]及び式[2c]からなる群から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する窒素含有芳香族複素環である。
Figure 2009093707
式[2c]中、Yは炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキル基である。
式[1]における、好ましいXとしては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環であり、より好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環であり、さらに好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環であり、特に好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環である。最も好ましいのは、イミダゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である。
また、Xは、Xに含まれる式[2a]、式[2b]及び式[2c]と隣り合わない置換基と結合していることが好ましい。
式[1]中、nは1から4の整数であり、好ましくはテトラカルボン酸二無水物との反応性の点から、1から3の整数である。最も好ましくは、nが1又は2の整数である。
式[1]における好ましいX、X、X、X及びnの組み合わせは、Xが−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1から10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環、及びアントラセン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、及びアクリジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である。
より好ましい式[1]におけるX、X、X、X及びnの組み合わせは、Xが−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、及び−CHO−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1から10の不飽和アルキレン基、シクロヘキサン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、及びアントラセン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、及びベンゾイミダゾール環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である。
さらに好ましい式[1]におけるX、X、X、X及びnの組み合わせは、Xが−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロへキサン環、ベンゼン環、及びナフタレン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、及びベンゾイミダゾール環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である。
特に好ましい式[1]におけるX、X、X、X及びnの組み合わせは、Xが−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、及び−CHO−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である。
最も好ましい式[1]におけるX、X、X、X及びnの組み合わせは、Xが−O−、−NQ−、−CONQ−、及び−NQCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−OCO−、及び−OCH−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがイミダゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である。
特に好ましい式[1]におけるX、X、X、X及びnの組み合わせは、下記の表1から表3に示す通りである。なお、Q及びQは、式[1]の定義と同意義である。
Figure 2009093707
Figure 2009093707
Figure 2009093707
[ジアミン化合物(A)の合成方法]
本発明の式[1]で表されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
Figure 2009093707
本発明の特定ジアミン化合物は、式[4]で示すジニトロ体を合成し、さらにニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。ジニトロ化合物を還元する方法には、特に制限はなく、通常、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素などを触媒として用い、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール系などの溶媒中、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素などによって行う方法がある。式[4]中のX、X、X、X及びnは、式[1]の定義と同意義である。
式[4]のジニトロ体は、Xを介してX及びXを結合させ、その後、ジニトロ部をXを介して結合させる方法、ジニトロ部を連結部Xを介してXを結合させ、その後、Xを介してXと結合させる方法などで得ることができる。
は−O−(エーテル結合)、−NQ−(アミノ結合)、−CONQ−(アミド結合)、−NQCO−(逆アミド結合)、−CHO−(メチレンエーテル結合)、及び−OCO−(逆エステル結合)からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合基であり、これらの結合基は通常の有機合成的手法で形成させることができる。各結合基のQは、式[1]の定義と同意義である。
例えば、Xがエーテル、メチレンエーテル結合の場合、対応するジニトロ基含有ハロゲン誘導体と、X、X及びXを含む水酸基誘導体をアルカリ存在下で反応させる方法、またはジニトロ基含有水酸基誘導体と、X、X及びXを含むハロゲン置換誘導体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
アミノ結合の場合は、対応するジニトロ基含有ハロゲン誘導体と、X、X及びXを含むアミノ基置換誘導体とをアルカリ存在下で反応させたりする方法が挙げられる。
逆エステル結合の場合は、対応するジニトロ基含有水酸基誘導体と、X、X及びXを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させたりする方法が挙げられる。
アミド結合では、対応するジニトロ基含有酸クロリド体と、X、X及びXを含むアミノ基置換体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
逆アミド結合の場合は、対応するジニトロ基含有アミノ基置換体と、X、X及びXを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
ジニトロ基含有ハロゲン誘導体およびジニトロ基含有誘導体の具体例としては、3,5−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、3,5−ジニトロ安息香酸クロリド、3,5−ジニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸クロリド、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロベンジルクロリド、2,4−ジニトロベンジルクロリド、3,5−ジニトロベンジルアルコール、2,4−ジニトロベンジルアルコール、2,4−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェニル酢酸などが挙げられる。原料の入手性、反応の点を考慮して、一種又は複数種を選択して用いることができる。
[ジアミン化合物(B)]
本発明に用いるジアミン化合物(B)は、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物である。その具体的構造は特に限定されないが、好ましくは、式[2]で表される化合物である。
Figure 2009093707
式[2]中、Xは炭素数6から30の芳香族環を有する有機基であり、nは1から4の整数である。
式[2]を具体的に示すとすれば、下記の式[3]から[7]の構造が挙げられる。
Figure 2009093707
式[3]中、m1は1から4の整数であり、式[4]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m2及びm3はそれぞれ0から4の整数であり、かつm2+m3は1から4の整数を示し、式[5]中、m4及びm5はそれぞれ1から5の整数であり、式[6]中、Xは炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキル基であり、m6は1から5の整数であり、式[7]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1から4の整数を示す。
式[3]から式[7]の構造において、好ましくは、式[3]中、m1が1から2の整数である構造、式[4]中、Xが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m2及びm3は共に1の整数である構造、式[7]中、Xは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH2−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1から2の整数である構造である。
ジアミン化合物(B)の具体例として、下記の式[8]から式[18]の化合物を挙げることができる。
Figure 2009093707
Figure 2009093707
式[17]中、Xは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−であり、式[18]中、X10は単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−である。
[その他のジアミン化合物]
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ジアミン化合物(A)、ジアミン化合物(B)以外のその他のジアミン化合物を、ジアミン成分として併用することができる。その具体例を以下に挙げる。
p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン。ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。
また、ジアミン側鎖にアルキル基、フッ素含有アルキル基、芳香環、脂肪族環、複素環、並びにそれらからなる大環状置換体を有するジアミンを挙げることができ、具体的には、下記の式[DA1]から式[DA26]で表されるジアミン化合物を例示することができる。
Figure 2009093707
(式[DA1]から式[DA5]中、Rは、炭素数1以上22以下のアルキル基又はフッ素含有アルキル基である。)
Figure 2009093707
式[DA6]から式[DA9]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−、又は−NH−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基又はフッ素含有アルキル基を示す。)
Figure 2009093707
(式[DA10]及び式[DA11]中、Rは、−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−、又は−CHOCO−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基又はフッ素含有アルコキシ基である。)
Figure 2009093707
(式[DA12]から式[DA14]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、又は−CH−を示し、Rは炭素数1以上22以下のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基又はフッ素含有アルコキシ基である。)
Figure 2009093707
(式[DA15]及び式[DA16]中、Rは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−、−O−、又は−NH−を示し、Rはフッ素基、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、又は水酸基である。)
Figure 2009093707
Figure 2009093707
Figure 2009093707
加えて、下記の式[DA27]で示されるようなジアミノシロキサンなども挙げることができる。
Figure 2009093707
(式[DA27]中、mは、1から10の整数である。)
その他のジアミン化合物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<テトラカルボン酸二無水物>
本発明に用いるテトラカルボン酸二無水物は特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−シクロへキシルコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,3,0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6.3.0.0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドリナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロへキサン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラシクロ[6,2,1,1,0,2,7]ドデカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2:3,5:6ジカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物は、液晶配向膜にした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上併用することができる。
<共重合体>
本発明の共重合体は、ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)を含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸、及びこのポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである。これらのポリアミド酸及びポリイミドのいずれもが、液晶配向膜を得るための共重合体として有用である。
本発明の共重合体を用いて得られる液晶配向膜は、上記ジアミン成分における特定ジアミン化合物の含有割合が多くなるほど、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる。
そのため、ジアミン成分中において、ジアミン化合物(B)の含有量は、ジアミン化合物(A)の1モルに対して、0.01から99モルであることが好ましい。より好ましくは0.1から50モルであり、更に好ましくは0.5から20モルであり、最も好ましくは0.5から10モルである。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応により、本発明のポリアミド酸を得るにあたっては、公知の合成手法を用いることができる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中で反応させる方法である。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、有機溶媒中で比較的容易に進行し、かつ副生成物が発生しない点で有利である。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いる有機溶媒としては、生成したポリアミド酸が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミド酸を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミド酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。
また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリアミド酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、または有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いても良い。また、テトラカルボン酸二無水物またはジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させても良く、個別に順次反応させても良く、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ高分子量体としても良い。
その際の重合温度は−20℃から150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃から100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の共重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となるので、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度が、好ましくは1から50質量%、より好ましくは5から30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリアミド酸の重合反応においては、テトラカルボン酸二無水物の合計モル数と、ジアミン成分の合計モル数の比は0.8から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリアミド酸の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは前記のポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドであり、液晶配向膜を得るための共重合体として有用である。
本発明のポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリアミド酸をイミド化させる方法としては、ポリアミド酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、ポリアミド酸の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリアミド酸を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃から400℃、好ましくは120℃から250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリアミド酸の触媒イミド化は、ポリアミド酸の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20℃から250℃、好ましくは0℃から180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5から30モル倍、好ましくは2から20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1から50モル倍、好ましくは3から30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリアミド酸又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリアミド酸又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して沈殿させれば良い。沈殿に用いる貧溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した共重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2から10回繰り返すと、共重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の液晶配向処理剤に含有されるポリアミド酸及びポリイミドの分子量は、そこから得られる塗膜の強度及び、塗膜形成時の作業性、塗膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000から1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000から150,000である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布液であり、樹脂被膜を形成するための樹脂成分が有機溶媒に溶解した溶液である。ここで、前記の樹脂成分は、上記した本発明の共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体を含む樹脂成分である。その際、樹脂成分の含有量は1質量%から20質量%が好ましく、より好ましくは3質量%から15質量%、特に好ましくは3から10質量%である。
本発明において、前記の樹脂成分は、全てが本発明に用いる共重合体であってもよく、本発明の共重合体にそれ以外の他の重合体が混合されていてもよい。その際、樹脂成分中における本発明の共重合体以外の他の重合体の含有量は0.5質量%から15質量%、好ましくは1質量%から10質量%である。
かかる他の重合体は、例えば、テトラカルボン酸ニ無水物と反応させるジアミン成分として、ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)以外のジアミン化合物を使用して得られるポリアミド酸又はポリイミドなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤に用いる有機溶媒は、上述した樹脂成分を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
本発明の液晶配向処理剤は、上記以外の成分を含有してもよい。その例としては、液晶配向処理剤を塗布した際の膜厚均一性や表面平滑性を向上させる溶媒や化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などである。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒)の具体例としては次のものが挙げられる。
例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、1−ヘキサノール、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する溶媒などが挙げられる。
これらの貧溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような溶媒を用いる場合は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の5から80質量%であることが好ましく、より好ましくは20から60質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製))、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される樹脂成分の100質量部に対して、好ましくは0.01から2質量部、より好ましくは0.01から1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物などが挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合は、その使用量は液晶配向処理剤に含有される樹脂成分の100質量部に対して0.1から30質量部であることが好ましく、より好ましくは1から20質量部である。使用量が0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的で、誘電体や導電物質、さらには、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物を添加してもよい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜として用いることができる。この際、用いる基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、若しくはアクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後の焼成は、ホットプレートなどの加熱手段により50から300℃、好ましくは80から250℃で行い、溶媒を蒸発させて、塗膜を形成させることができる。焼成後に形成される塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5から300nm、より好ましくは10から100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。
液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1から30μm、より好ましくは2から10μmである。
以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ジアミン化合物の合成]
<合成例1>
ジアミン化合物(4)の合成
Figure 2009093707
化合物(2)(29.92g,277mmol)、及びトリエチルアミン(28.03g,277mmol)のテトラヒドロフラン(300g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(60.76g,263mmol)のテトラヒドロフラン(150g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLC(高速液体クロマトグラフ)にて反応の終了を確認後、蒸留水(2L)に反応液を空け、析出した固体をろ過、水洗後、エタノール(450g)で分散洗浄し、化合物(3)を得た(得量:72.91g,得率:92%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.79(1H,t),9.10-9.09(2H,m),9.00-8.96(1H,m),8.61(1H,broad),8.50-8.48(1H,m),7.79-7.76(1H,m),
7.40-7.36(1H,m),4.57(2H,s).
次いで、化合物(3)(72.00g,238mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,7.2g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(720g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をエタノール(360g)で分散洗浄し、ジアミン化合物(4)を得た(得量:43.62g,得率:76%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.64(1H,t),8.50(1H,d),8.44(1H,d),7.67(1H,d),7.34(1H,q),6.23(2H,d),5.94(1H,s),4.87(4H,s),4.39(2H,d).
<合成例2>
ジアミン化合物(7)の合成
Figure 2009093707
化合物(5)(40.00g,328mmol)、及びトリエチルアミン(33.18g,328mmol)のテトラヒドロフラン(400g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(72.00g、312mmol)のテトラヒドロフラン(176g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(3.5L)に反応液を空け、析出した固体をろ過、水洗後、メタノール(200g)で分散洗浄し、化合物(6)を得た(得量:81.4g,得率:82%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.83-8.34(5H,m),7.83-7.66(1H,m),7.39-7.33(1H,m),4.69-4.49(2H,m),2.91-2.85(3H,m).
次いで、化合物(6)(80.00g,253mmol)、水酸化パラジウムカーボン(含水型,8.0g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(1200g)の混合物を、水素存在下にて、23℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をテトラヒドロフラン(150g)で均一に溶解させ、−20℃にてヘキサン(660g)中へ溶液を滴下し、固体を析出させた。その後、ろ過、冷ヘキサン洗浄にて、ジアミン化合物(7)を得た(得量:74.98g,得率:98%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.46-8.34(2H,m),7.63-7.54(1H,broad),7.36-7.33(1H,m),5.86-5.76(3H,m),4.86(4H,s),4.57-4.53(2H,broad),2.80(3H,broad).
<合成例3>
ジアミン化合物(10)の合成
Figure 2009093707
化合物(8)(16.69g,137mmol)、及びトリエチルアミン(13.82g,137mmol)のテトラヒドロフラン(200g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(30.00g、130mmol)のテトラヒドロフラン(150g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(2.8L)に反応液を空け、析出した固体をろ過、水洗後、エタノール(200g)で分散洗浄し、化合物(9)を得た(得量:34.53g,得率:84%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.30(1H,t),9.01-9.00(2H,m),8.95-8.93(1H,m),8.47(1H,d),8.42(1H,dd),7.69(2H,d),7.32(1H,q),3.64-3.58(2H,m),2.92(2H,t).
次いで、化合物(9)(32.00g,101mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,3.2g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(320g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をテトラヒドロフラン(150g)で分散洗浄し、ジアミン化合物(10)を得た(得量:19.21g,得率:74%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.43-8.39(2H,m),8.09(1H,t),7.63(1H,d),7.30(1H,dd),6.16(2H,d),5.92(1H,d),4.84(4H,s),3.44-3.28(3H,m),2.82(3H,t).
<合成例4>
ジアミン化合物(14)の合成
Figure 2009093707
化合物(12)(35.00g,321mmol)、及びトリエチルアミン(97.39g,962mmol)のテトラヒドロフラン(240g)溶液に、化合物(11) (29.84g,160mmol)のテトラヒドロフラン(60g)溶液を滴下した。滴下終了後、反応をHPLCで追跡し、反応の終了を確認後、ジクロロメタン(1L)を加えた後、蒸留水(600mL)で3回洗浄を行った。無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥後、ろ過、溶媒留去し化合物(13)の粗物を得た。得られた粗物を酢酸エチル(500g)/ヘキサン(1L)で再結晶し、化合物(13)を得た(得量:38.74g,得率:88%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.79(1H,d),8.71(1H,d),8.66(1H,dd),8.46(1H,dd),7.88-7.85(1H,m),7.40(1H,q),7.30(1H,d),5.38(2H,s).
次いで、化合物(13)(20.00g,72.7mmol)、酸化白金(IV)(含水型,2.0g,10wt%)、及び酢酸エチル/エタノール(200g,100/50(v/v%))の混合物を、水素存在下にて、40℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、化合物(14)の粗物を得た。得られた粗物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒は、ヘキサン/酢酸エチル(100/50v/v%))にて精製し、ジアミン化合物(14)を得た(得量:15.27g,得率:98%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.66(1H,d),8.57(1H,dd),7.77-7.73(1H,m),7.33-7.29(1H,m),6.67(1H,d),5.00(2H,s),3.37(4H,s).
<合成例5>
ジアミン化合物(16)の合成
Figure 2009093707
化合物(2)(29.98g,277mmol)、炭酸水素ナトリウム(29.12g,347mmol)、及び蒸留水(630g)の混合溶液に、23℃下、化合物(11)(43.00g,231mmol)のエタノール(830g)溶液を滴下して加えた。滴下終了後、HPLCにて反応の終了を確認した後、ジクロロメタン(2L)を加え水層を除去した。その後、有機層を飽和食塩水(500mL)で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した後、溶媒留去を行った。得られた粗物を酢酸エチル(500g)/ヘキサン(1L)で再結晶することで化合物(15)を得た(得量:55.28g、得率:87%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):9.18(1H,d),9.17(1H,broad),8.66-8.62(2H,m),8.29-8.25(1H,m),7.69-7.66(1H,m),7.37-7.33(1H,m),6.90(1H,d),4.68(2H,m).
次いで、化合物(15)(3.0g,10.9mmol)、酸化白金(IV)(含水型,0.3g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(30g)の混合物を、水素存在下にて、23℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、ジアミン化合物(16)を得た(得量:2.30g,得率:98%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.63(1H,d),8.52(1H,dd),7.71-7.66(1H,m),7.28-7.24(1H,m),6.53(1H,d),6.18-6.11(2H,m),4.22(2H,s),3.70(1H,s),3.56-3.34(4H,broad).
<合成例6>
ジアミン化合物(19)の合成
Figure 2009093707
化合物(17)(50.00g,170mmol)、炭酸カリウム(47.01g,340mmol)、ヨウ化銅(I)(6.48g,34.0mmol)、N−メチルグリシン(6.06g,68.0mmol)、及びDMSO(ジメチルスルホキシド)(1L)の混合溶液に、40℃下、化合物(2)(36.78g,340mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、HPLCにて反応の終了を確認した後、酢酸エチル(4L)/蒸留水(5L)を加えた後、不溶物をろ過で取り除いた。その後、分液により取り除いた水層を酢酸エチル(500g)で2回抽出し、有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥を行った。エバポレーターにより溶媒を留去し粗物を得た後、酢酸エチル(700mL)/ヘキサン(2L)で再結晶を行い、化合物(18)を得た(得量:23.04g,得率:49%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.63(1H,broad),8.50-8.49(1H,broad),7.95(1H,t),7.80-7.76(3H,m),7.67(1H,t),7.39(1H,q),4.52(2H,d).
次いで、化合物(18)(1.0g,3.65mmol)、酸化白金(IV)(含水型,0.1g,10wt%)、及びメタノール(10g)の混合物を、水素存在下にて、23℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、ジアミン化合物(19)を得た(得量:0.97g,得率:97%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.52(1H,d),8.41(1H,dd),7.69(1H,d),7.32(1H,q),5.60(1H,t),5.17(2H,s),4.37-4.14(4H,m).
<合成例7>
ジアミン化合物(23)の合成
Figure 2009093707
窒素雰囲気下、化合物(21)(51.43g,281mmol)のテトラヒドロフラン(300g)溶液を10℃以下に保ち、化合物(20)(50.00g,281mmol)、トリエチルアミン(170.5g,1.69mol)、及びDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(6.87g,56.2mmol)のテトラヒドロフラン(500g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、1時間撹拌後、さらに加熱還流を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、反応液を蒸留水(6.4L)に空け、ろ過、水洗を行い、粗物を得た。得られた粗物をテトラヒドロフラン(243g)/ヘキサン(1458g)で再結晶し、化合物(22)を得た(得量:72.58g,得率:89%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):11.25(1H,s),9.18(1H,d),9.09(2H,dd),8.82(1H,dd),8.57(1H,t),8.38-8.35(1H,m),7.64(1H,q).
次いで、化合物(22)(20.00g,69.4mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,2.0g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(400g)の混合物を、水素存在下にて、90℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をエタノール(75g)にて分散洗浄し、ジアミン化合物(23)を得た(得量:10.14g,得率:64%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.87(1H,s),9.03-9.01(1H,m),8.72-8.70(1H,m),8.23-8.19(1H,m),7.54-7.50(1H,m),6.27-6.26(2H,m),5.63-5.61(1H,m),4.75-4.73(2H,m).
<合成例8>
ジアミン化合物(26)の合成
Figure 2009093707
窒素雰囲気下、化合物(21)(20.00g,112mmol)のテトラヒドロフラン(120g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(24)(20.57g,112mmol)、トリエチルアミン(68.18g,674mmol)、及びDMAP(2.74g,22.5mmol)のテトラヒドロフラン(200g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、1時間撹拌後、さらに加熱還流を17時間行った。HPLCにて反応の終了を確認後、反応液を蒸留水(2.6L)に空け、ろ過、水洗を行い粗物を得た。得られた粗物をエタノール(40g)で分散洗浄した後、ろ過、乾燥を行い、化合物(25)を得た(得量:16.45g,得率:51%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):11.4(1H,s),9.15-9.14(1H,m),8.86(1H,d),8.77(1H,d),8.64-8.60(1H,m),8.33(1H,d),8.06(1H,d),7.66(1H,q),2.92(2H,t).
次いで、化合物(25)(15.00g,52.0mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,1.5g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(150g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、化合物(26)の粗物を得た。得られた粗物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒は、ヘキサン/酢酸エチル(100/50v/v%))により精製、さらにテトラヒドロフラン(400g)/ヘキサン(600g)からの再結晶により精製し、ジアミン化合物(26)を得た(得量:6.11g,得率:51%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.54(1H,s),9.10(1H,d),8.72(1H,dd),8.30-8.27(1H,m),7.90(1H,s),7.52(1H,q),6.75(1H,d),6.61(1H,d),5.99(1H,m),4.65-4.59(4H,m).
<合成例9>
ジアミン化合物(29)の合成
Figure 2009093707
窒素雰囲気下、化合物(27)(10.00g,49.0mmol)、及びトリエチルアミン(59.50g,588mmol)のテトラヒドロフラン(100g)溶液に、化合物(12)(21.39g,196mmol)を徐々に滴下した。反応終了後、蒸留水(1L)へ反応液を加え、ろ過、水洗浄を行い化合物(28)の粗物を得た。得られた粗物をアセトニトリル(200g)/酢酸エチル(300g)で再結晶し、化合物(28)を得た(得量:11.35g,得率:61%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.74-8.73(3H,m),8.61(2H,dd),7.93(2H,d),7.50(2H,q),7.44(1H,s),5.56(4H,s).
次いで、化合物(28)(8.00g,20.1mmol)、酸化白金(IV)(含水型,0.8g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(80g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をテトラヒドロフラン(200g)/ヘキサン(600g)にて再結晶し、ジアミン化合物(29)を得た(得量:4.66g,得率:72%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.65(2H,d),8.52(2H,dd),7.88-7.85(2H,m),7.40(2H,q),6.68(1H,s),6.07(1H,s),4.96(4H,s),4.25(4H,s).
<合成例10>
ジアミン化合物(34)の合成
Figure 2009093707
窒素雰囲気下、化合物(31)(81.60g,74.1mmol)、水酸化カルシウム(18.29g,24.7mmol)、及びDMSO(375g)の混合物を50℃に加熱した後、化合物(30)(50.00g,24.7mmol)のDMSO(125g)溶液を滴下した。滴下終了後、HPLCにて反応の終了を確認した後、5質量%塩酸氷水(4L)に反応液を注ぎ、固体をろ過、水洗し、化合物(32)の湿品を得た。その後、2−プロパノール(205g)/ヘキサン(335g)にて再結晶を行い、化合物(32)を得た(得量:49.0g,得率:72%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.73(1H,s),8.86(1H,d),8.42(1H,dd),7.11-7.05(3H,m),6.90-6.87(2H,m).
次いで、窒素雰囲気下、化合物(21)(19.34g,109mmol)のテトラヒドロフラン(180g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(31)(30.0g,109mmol)、トリエチルアミン(33.0g,324mmol)、及びDMAP(2.65g,21.7mmol)のDMSO(300g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、1時間撹拌後、さらに加熱還流を19時間行った。HPLCにて反応の終了を確認後、反応液を蒸留水(3.9L)に空け、ろ過、水洗、メタノール洗浄を行い粗物を得た。得られた粗物をクロロホルムに溶解させた後、不溶物をろ過した。その後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒は、1,2−ジクロロエタン/酢酸エチル(100/40v/v%))により精製し、化合物(33)を得た(得量:35.8g,得率:86%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.29(1H,dd),8.92-8.91(2H,m),8.52-8.48(2H,m),7.69-7.66(1H,m),7.53-7.51(2H,m),7.44-7.40(2H,m),7.24(1H,d).
次いで、窒素雰囲気下、化合物(33)(30.00g,78.7mmol)、及び鉄粉(26.36g,472mmol)のトルエン(170g)溶液を70℃に加熱した後、塩化アンモニウム(12.63g,236mmol)の10質量%水溶液を滴下しながら加えた。反応終了後、セライトにて固体をろ過した。その後、ろ液から水層を取り除いた後、有機層をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。次に、得られた粗物を酢酸エチル(1L)に溶解し、蒸留水(500mL)で3回洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた化合物(34)の粗物をメタノール(100g)/2−プロパノール(100g)にて再結晶し、ジアミン化合物(34)を得た(得量:15.4g,得率:61%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.20(1H,dd),8.85(1H,dd),8.43-8.40(1H,m), 7.62-7.59(1H,m),7.19-7.16(2H,m),6.88-6.84(2H,m),6.53(1H,d),6.02(1H,d),5.81(1H,dd),4.69(2H,s),4.57(2H,s).
<合成例11>
ジアミン化合物(37)の合成
Figure 2009093707
窒素雰囲気下、化合物(32)(17.00g,61.6mmol)、化合物(35)(6.57mL,67.7mmol)、及びトリフェニルホスフィン(20.99g,80.0mmol)のテトラヒドロフラン(340g)溶液を氷浴で冷却し、DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)(40質量%トルエン溶液,34.84mL,80.0mmol)溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃まで徐々に上げて行き反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、エバポレーターで溶媒を留去し粗物を得た。その後、2−プロパノール(450g)にて再結晶を2回行い、化合物(36)を得た(得量:17.77g,得率:79%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.84(1H,d),8.71(1H,broad),8.63(1H,dd),8.30(1H,dd),7.80(1H,d),7.36(1H,q),7.12-7.08(4H,m),7.01(1H,d),5.04(2H,s).
次いで、窒素雰囲気下、化合物(36)(15.00g,40.8mmol)、酸化白金(IV)(含水型,1.5g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(230g)の混合物を、水素存在下にて、23℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、粗物を得た。得られた粗物を2−プロパノール(60g)にて再結晶することで、ジアミン化合物(37)を得た(得量:9.66g,得率77%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):8.66(1H,d),8.57(1H,dd),7.77(1H,m),7.34(1H,q),6.87(4H,s),6.69(1H,d),6.16(1H,d),6.07(1H,dd),5.02(2H,s),3.65-3.48(4H,broad).
<合成例12>
ジアミン化合物(40)の合成
Figure 2009093707
化合物(38)(23.45g,190mmol)、及びトリエチルアミン(19.23g,277mmol)のテトラヒドロフラン(230g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(41.68g,180mmol)のテトラヒドロフラン(110g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLC(高速液体クロマトグラフ)にて反応の終了を確認後、蒸留水(1.5L)に反応液を空け、析出した固体をろ過し、水洗した。その後、固体をエタノール(380g)で分散洗浄し、化合物(39)を得た(得量:50.82g,得率:89%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.76(1H,t),9.09-9.02(2H,m),8.99-8.93(1H,m),8.50(1H,broad),7.64-7.60(1H,m),7.36-7.32(1H,m),7.20-7.14(1H,m),4.57(2H,s),3.35(2H,s).
次いで、化合物(39)(48.00g,151mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,4.8g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(490g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をエタノール(300g)で分散洗浄し、ジアミン化合物(40)を得た(得量:27.20g,得率:70%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.64(1H,t),8.50(1H,d),8.44(1H,d),7.67(1H,d),7.34(1H,q),6.23(2H,d),5.94(1H,s),4.87(4H,s),4.39(2H,d).
<合成例13>
ジアミン化合物(43)の合成
Figure 2009093707
化合物(41)(15.22g,142mmol)、及びトリエチルアミン(15.09g,149mmol)のテトラヒドロフラン(150g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(31.1g,135mmol)のテトラヒドロフラン(50g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(1L)に反応液を空け、析出した固体をろ過し、水洗した。その後、固体をエタノール(300g)で分散洗浄し、化合物(42)を得た(得量:36.92g,得率:90%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):9.75(1H,broad),9.10(2H,s),8.97-8.92(1H,m),7.40-7.22(5H,m),4.59-4.52(2H,m).
次いで、化合物(42)(36.00g,119mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,3.6g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(300g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し粗物を得た。得られた粗物をメタノール(200g)で再結晶し、ジアミン化合物(43)を得た(得量:21.5g,得率:72%)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.55(1H,broad),7.34-7.17(5H,m),6.28(2H,s),6.98-6.94(1H,m),4.85-4.74(4H,broad),4.42-4.35(2H,m).
Figure 2009093707
[ポリイミドの合成]
以下に使用したテトラカルボン酸二無水物などの化合物の略号を示した。
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
Figure 2009093707
(ジアミン)
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
p−PDA:p−フェニレンジアミン
PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
Figure 2009093707
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
<ポリイミドの分子量測定>
合成例におけるポリイミドの分子量は、昭和電工社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
<イミド化率の測定>
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
<合成例14>
BODA(3.83g,15.3mmol)、DBA(1.09g,7.17mmol)、PCH7DAB(3.88g,10.2mmol)、及びジアミン化合物(4)(0.74g,3.06mmol)をNMP(17.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(1.00g,5.10mmol)とNMP(14.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.67g)、及びピリジン(0.90g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(130ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,500、重量平均分子量は48,200であった。
<合成例15>
合成例14で得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.17g)、及びピリジン(1.68g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(140ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は46,900であった。
<合成例16>
BODA(2.41g,9.64mmol)、DBA(1.37g,9.01mmol)、PBCH7DAB(0.48g,1.27mmol)、及びジアミン化合物(7)(0.66g,2.72mmol)をNMP(9.00g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.63g,3.21mmol)とNMP(7.80g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.60g)、及びピリジン(0.90g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(140ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(C)を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、数平均分子量は17,300、重量平均分子量は46,000であった。
<合成例17>
BODA(4.59g,18.4mmol)、DBA(1.30g,8.55mmol)、PCH7DAB(4.66g,12.2mmol)、及びジアミン化合物(10)(0.94g,3.88mmol)をNMP(21.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(1.20g,6.12mmol)とNMP(17.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.68g)、及びピリジン(0.92g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(130ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は47,800であった。
<合成例18>
合成例17で得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.16g)、及びピリジン(1.75g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(130ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は83%であり、数平均分子量は17,300、重量平均分子量は45,900であった。
<合成例19>
BODA(2.56g,10.3mmol)、DBA(0.94g,6.18mmol)、PCH7DAB(1.56g,4.10mmol)、及びジアミン化合物(14)(0.74g,3.04mmol)をNMP(10.50g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.67g,3.42mmol)とNMP(9.00g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.16g)、及びピリジン(0.88g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(140ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(F)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は19,100、重量平均分子量は49,100であった。
<合成例20>
BODA(2.49g,9.94mmol)、DBA(1.11g,7.30mmol)、PCH7DAB(0.75g,1.97mmol)、及びジアミン化合物(16)(0.85g,3.52mmol)をNMP(9.50g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.65g,3.31mmol)とNMP(8.10g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.12g)、及びピリジン(0.90g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(120ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(G)を得た。このポリイミドのイミド化率は53%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は47,900であった。
<合成例21>
BODA(2.53g,10.1mmol)、DBA(0.72g,4.74mmol)、PCH7DAB(2.56g,6.73mmol)、及びジアミン化合物(19)(0.43g,1.79mmol)をNMP(12.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.66g,3.37mmol)とNMP(9.20g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.16g)、及びピリジン(1.00g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(140ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(H)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は16,900、重量平均分子量は46,500であった。
<合成例22>
BODA(2.60g,10.4mmol)、DBA(0.74g,4.87mmol)、PCH7DAB(2.64g,6.93mmol)、及びジアミン化合物(23)(0.47g,1.96mmol)をNMP(11.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.68g,3.47mmol)とNMP(9.50g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.1g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.15g)、及びピリジン(1.01g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(120ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(I)を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は48,100であった。
<合成例23>
BODA(2.49g,9.94mmol)、DBA(1.11g,7.30mmol)、PCH7DAB(0.50g,1.31mmol)、及びジアミン化合物(26)(1.06g,4.37mmol)をNMP(9.50g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.65g,3.31mmol)とNMP(8.10g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.2g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.17g)、及びピリジン(0.99g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(130ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(J)を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は47,000であった。
<合成例24>
BODA(2.45g,9.79mmol)、DBA(1.59g,10.5mmol)、PCH7DAB(0.49g,1.29mmol)、及びジアミン化合物(29)(0.42g,1.74mmol)をNMP(8.50g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.64g,3.26mmol)とNMP(7.50g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.16g)、及びピリジン(1.00g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(130ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(K)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,400、重量平均分子量は47,900であった。
<合成例25>
BODA(2.49g,9.94mmol)、DBA(0.61g,4.01mmol)、PCH7DAB(2.52g,6.63mmol)、及びジアミン化合物(34)(0.85g,3.52mmol)をNMP(12.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.65g,3.31mmol)とNMP(10.5g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.16g)、及びピリジン(1.01g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(150ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(L)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,400、重量平均分子量は47,400であった。
<合成例26>
BODA(4.40g,17.6mmol)、DBA(1.25g,8.22mmol)、PCH7DAB(4.46g,11.7mmol)、及びジアミン化合物(37)(1.08g,4.46mmol)をNMP(21.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(1.15g,5.86mmol)とNMP(16.5g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.15g)、及びピリジン(1.00g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(150ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(M)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は19,800、重量平均分子量は48,800であった。
<合成例27>
合成例26で得たポリアミド酸溶液にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.17g)、及びピリジン(1.66g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(310ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(N)を得た。このポリイミドのイミド化率は82%であり、数平均分子量は16,800、重量平均分子量は46,300であった。
<合成例28>
BODA(2.45g,9.79mmol)、DBA(0.70g,4.61mmol)、PCH7DAB(2.48g,6.53mmol)、及びジアミン化合物(40)(0.50g,2.08mmol)をNMP(11.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.64g,3.26mmol)とNMP(8.50g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.1g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.15g)、及びピリジン(1.67g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(O)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は16,900、重量平均分子量は47,200であった。
<合成例29>
BODA(2.49g,9.94mmol)、p−PDA(0.50g,4.64mmol)、PCH7DAB(2.52g,6.63mmol)、及びジアミン化合物(40)(0.51g,2.11mmol)をNMP(11.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.65g,3.31mmol)とNMP(8.30g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.16g)、及びピリジン(1.67g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(310ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(P)を得た。このポリイミドのイミド化率は79%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は47,900であった。
<合成例30>
BODA(2.53g,10.1mmol)、DBA(0.72g,4.74mmol)、PCH7DAB(2.56g,6.73mmol)、及びジアミン化合物(43)(0.49g,2.01mmol)をNMP(11.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.66g,3.37mmol)とNMP(8.60g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.15g)、及びピリジン(1.65g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(310ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(Q)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は17,900、重量平均分子量は48,100であった。
<合成例31>
BODA(2.49g,9.94mmol)、p−PDA(0.50g,4.64mmol)、PCH7DAB(2.51g,6.63mmol)、及びジアミン化合物(43)(0.48g,1.98mmol)をNMP(10.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.65g,3.31mmol)とNMP(8.10g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(10.1g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.18g)、及びピリジン(1.68g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(310ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(R)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,700、重量平均分子量は47,600であった。
Figure 2009093707
Figure 2009093707
[液晶配向処理剤の調製・評価]
<実施例1>
合成例14で得られたポリイミド粉末[A](5.1g)にNMP(22.1g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(11.1g)、BCS(46.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[1]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
[液晶セルの作製]
上記で得た液晶配向処理剤[1]を3cm×4cm(縦×横)ITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で5分間、210℃の熱風循環式オーブンにて1時間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド塗膜を作製した。
この液晶配向膜付き基板を、ロール径120mm、レーヨン布のラビング装置にて、回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.3mmの条件にてラビング処理をし、液晶配向膜付き基板を得た。
この液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。もう1枚の基板を、液晶配向膜面を内側にし、ラビング方向が逆向きになるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−6608(メルク・ジャパン社製)を注入し、アンチパラレル配向のネマチック液晶セルを得た。
[電圧保持率の評価]
上記で得られた液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μs印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。結果は、後述する表7に示す。
[残留電荷の緩和の評価]
電圧保持率測定後の液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そして、50秒後及び1000秒後の残留電荷を測定した。なお、測定には東陽テクニカ社製6254型液晶物性評価装置を用いた。結果は、後述する表8に示す。
[高温放置後の評価]
残留電荷測定後の液晶セルを、100℃に設定した高温槽に7日間放置した後、電圧保持率及び残留電荷の測定を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例2>
合成例15で得られたポリイミド粉末[B](5.0g)にNMP(21.7g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(10.8g)、BCS(45.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[2]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[2]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例3>
合成例16で得られたポリイミド粉末[C](4.9g)にNMP(29.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(14.8g)、BCS(32.5g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[3]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[3]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例4>
合成例17で得られたポリイミド粉末[D](5.0g)にNMP(21.6g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(10.5g)、BCS(45.4g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[4]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[4]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例5>
合成例18で得られたポリイミド粉末[E](5.0g)にNMP(27.2g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(13.5g)、BCS(37.6g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[5]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[5]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例6>
合成例19で得られたポリイミド粉末[F](5.1g)にNMP(25.0g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(12.5g)、BCS(42.5g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[6]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[6]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例7>
合成例20で得られたポリイミド粉末[G](5.0g)にNMP(24.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(12.2g)、BCS(41.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[7]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[7]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例8>
合成例21で得られたポリイミド粉末[H](5.0g)にNMP(30.1g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(14.7g)、BCS(33.5g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[8]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[8]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例9>
合成例22で得られたポリイミド粉末[I](5.0g)にNMP(32.7g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(16.5g)、BCS(29.2g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[9]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[9]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例10>
合成例23で得られたポリイミド粉末[J](4.8g)にNMP(31.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(15.5g)、BCS(28.1g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[10]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[10]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例11>
合成例24で得られたポリイミド粉末[K](5.0g)にNMP(38.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(19.2g)、BCS(20.7g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[11]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[11]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例12>
合成例25で得られたポリイミド粉末[L](4.9g)にNMP(32.2g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(16.1g)、BCS(28.5g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[12]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[12]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例13>
合成例26で得られたポリイミド粉末[M](5.0g)にNMP(30.0g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(14.8g)、BCS(33.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[13]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[13]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<実施例14>
合成例27で得られたポリイミド粉末[N](5.0g)にNMP(32.6g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(16.6g)、BCS(29.2g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[14]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[14]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<比較例1>
合成例28で得られたポリイミド粉末[O](4.5g)にNMP(24.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(12.3g)、BCS(33.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[15]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[15]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<比較例2>
合成例29で得られたポリイミド粉末[P](4.6g)にNMP(35.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(17.6g)、BCS(19.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[16]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[16]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<比較例3>
合成例30で得られたポリイミド粉末[Q](4.5g)にNMP(27.1g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(13.3g)、BCS(30.1g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[17]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[17]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
<比較例4>
合成例31で得られたポリイミド粉末[R](4.5g)にNMP(37.1g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(18.5g)、BCS(35.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[18]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。得られた液晶配向処理剤[18]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価を行った。結果は、後述する表7及び表8に示す。
Figure 2009093707
Figure 2009093707
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する電荷の緩和が速い液晶配向膜が得られる。更には過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することができる。その結果、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、更には、垂直配向型や水平配向型(IPS)の液晶表示素子などに有用である。

なお、2008年1月25日に出願された日本特許出願2008−014970号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (19)

  1. ジアミン化合物(A)及びジアミン化合物(B)を含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られる共重合体を含有する液晶配向処理剤。
    ジアミン化合物(A):下記式[1]で表されるジアミン化合物、
    ジアミン化合物(B):分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物。
    Figure 2009093707
    (式[1]中、Xは−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−CHO−、及び−OCO−からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である)。
  2. 式[1]が、下記の式[1a]から式[1f]で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2009093707
    (式中、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1から20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Xは単結合、又は−O−、−NQ−、−CONQ−、−NQCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であり、Qは水素原子又は炭素数1から3のアルキル基であり、Xは窒素含有芳香族複素環であり、nは1から4の整数である)。
  3. 式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、又はベンゼン環である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
  4. 式[1a]から式[1f]中のXが単結合、−OCO−、又は−OCH−である請求項2又は請求項3に記載の液晶配向処理剤。
  5. 式[1a]から式[1f]中のXがイミダゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である請求項2から請求項4のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  6. 式[1a]から式[1f]中のnが1又は2の整数である請求項2から請求項5のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  7. 式[1a]から式[1f]中のXが炭素数1から10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロへキサン環、ベンゼン環、及びナフタレン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、及びベンゾイミダゾール環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
  8. 式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、及び−O(CH−(mは1から5の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
  9. 式[1a]から式[1f]中のXが単結合、炭素数1から3の直鎖アルキレン基、及びベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xが単結合、−OCO−、及び−OCH−からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、Xがイミダゾール環、ピリジン環、及びピリミジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nが1又は2の整数である請求項2に記載の液晶配向処理剤。
  10. 分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、下記の式[2]で表されるジアミンである請求項1から請求項9のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2009093707
    (式[2]中、Xは炭素数6から30の芳香族環を有する有機基であり、nは1から4の整数である。)
  11. 式[2]のジアミン化合物が、下記の式[3]から式[7]からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である請求項10に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2009093707
    (式[3]中、m1は1から4の整数であり、式[4]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、m2及びm3はそれぞれ0から4の整数であり、かつm2+m3は1から4の整数を示し、式[5]中、m4及びm5はそれぞれ1から5の整数であり、式[6]中、Xは炭素数1から5の直鎖又は分岐アルキル基であり、m6は1から5の整数であり、式[7]中、Xは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又は−N(CH)CO−であり、mは1から4の整数である。)
  12. 式[3]中、m1が1から2の整数である請求項11に記載の液晶配向処理剤。
  13. 式[4]中、Xが単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m2及びm3は共に1の整数である請求項11に記載の液晶配向処理剤。
  14. 式[7]中、Xは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、又は−OCO−であり、mは1から2の整数である請求項11に記載の液晶配向処理剤。
  15. ジアミン成分中、式[1]で表されるジアミンの1モルに対して、分子内にカルボキシル基を有するジアミンが、0.01から99モルである請求項1から請求項14のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  16. 液晶配向処理剤中に含まれる溶媒中の5から80質量%が貧溶媒である請求項1から請求項15のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  17. 液晶配向処理剤中の共重合体がポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである請求項1から請求項16のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  18. 請求項1から請求項17のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜。
  19. 請求項18に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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