JPWO2009063837A1 - 制振材料 - Google Patents

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Abstract

ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂のジカルボン酸構成単位が主に芳香族ジカルボン酸(A)、特にイソフタル酸に由来するもの、ジオール構成単位が主にエチレングリコールに由来もの(B)であり、更にポリエステル樹脂中に炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有するものであり、充填材に鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)を含む制振材料樹脂組成物および制振材料を提供する。これにより広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮し、かつ、強靭性および加工性に優れた制振材料を提供することが可能となり、射出成形品、シート、フィルム、繊維、容器、発泡体、接着剤、塗料、拘束型制振シート、非拘束型制振シートなどに成形または加工され、車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などに適応され、防振材、制振材、吸遮音材として好適に利用される。

Description

本発明はポリエステル樹脂と無機充填材を含有する制振材料に関し、詳しくは広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮し、強靭性および加工性に優れた制振材料樹脂組成物および制振材料に関するものである。
一般に車輌、鉄道、航空機、家電、OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品など振動が発生する箇所においては、その振動を抑制するために振動エネルギーを吸収する制振材料が使用されている。
制振材料として用いられる振動エネルギーを吸収する材料としては、高分子材料の他に塑性変形を利用した鉛コアやオイルダンパーなどが知られている。しかし、鉛は近年制定されている環境関連の規制の対象物質となっているため、鉛コアの使用は困難になってきている。また、オイルダンパーは振動を吸収する方向が限定されていること、複雑な構造を必要とするため小型化が難しいことなどの問題がある。そのため、このような問題点がなく簡便に利用できる材料として高分子材料を利用した制振材料が広く一般に用いられている。
制振材料として用いられる高分子材料の種類としては、ブチルゴムやNBRなどのゴム材料、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した軟質塩化ビニル系材料、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニル化合物、ポリウレタン、ポリオレフィンなどが開示されている。また、制振性能や機械的強度、耐久性の向上のために無機物もしくは有機物からなるフィラーを添加した樹脂組成物としての形態も多く開示されている。
特に、ポリエステル樹脂をベースとした制振材料に関しては、ポリエステル樹脂単体を制振材料としたもの(特許文献1、2、3)、ガラス転移温度の異なるポリエステル樹脂同士をブレンドしたもの(特許文献4)さらに硬化剤を添加したもの(特許文献5、6、7、8)、あるいは上記の単体あるいは他の樹脂と組み合わせた複合樹脂に無機物(特許文献9)、特にガラス繊維(特許文献10、11)を添加した樹脂組成物などが開示されている。しかしながら、これら従来公知の材料は制振性能、加工性、強靭性その他の点で必ずしも要求された全ての水準を満たすものではなく、更なる技術の改良が必要である。
一方、ポリエステル樹脂、特に官能基間の骨格炭素原子数が奇数であることを特徴とするポリエステル樹脂にマイカを分散させた樹脂組成物が開示されている(特許文献12)。この樹脂組成物は、室温付近での制振性能は高く、制振材料として有望な材料であり、ポリエステル樹脂の構成モノマー組成を調整することにより室温より高い温度領域で高い制振性能を発揮する材料とすることができるが、ポリエステル樹脂の可撓性が不足し、加工した際に裂け、割れが発生してしまうという問題がある。そのため、広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮するという要求を十分に満たしているとは言えない。
特公昭62−295949号公報 特開平5−230195号公報 特許第3311849号公報 特開平6−031853号公報 特開2003−221496号公報 特許第2613502号公報 特許第2623316号公報 特許第3117798号公報 特許第3780385号公報 特許第2925636号公報 特許第3075905号公報 特開2006−052377号公報
本発明の目的は、ポリエステル樹脂を主体とする高分子材料を用いて、広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮し、強靭性および加工性に優れた制振材料樹脂組成物および制振材料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のポリエステル樹脂と無機充填材を含有する樹脂組成物が制振材料として高い性能を発揮し、上記目的に適うものであることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の制振材料樹脂組成物および制振材料を提供するものである。
1.ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する樹脂組成物であって、
(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中、50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位であり、
(2)ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中、エチレングリコールに由来するジオール成分構成単位(B)が60モル%以上であり、
(3)ポリエステル樹脂中に、炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、これらの構成単位の合計が5〜25モル%であり、
(4)ポリエステル樹脂中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計が、ポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上であり、
(5)テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中、25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(6)示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であり、
(7)充填材として、鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における、充填材(D)の含有量が18〜70質量%、充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%であり、
(8)樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×108[N/m2]以上である
ことを特徴とする制振材料樹脂組成物。
2.芳香族ジカルボン酸成分に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、90モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位である上記1の制振材料樹脂組成物。
3.構成単位(C)が、アゼライン酸、セバシン酸、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびトリエチレングリコールからなる群から選ばれた1種以上の化合物である上記1の制振材料樹脂組成物。
4.構成単位(C)がアゼライン酸、セバシン酸およびトリエチレングリコールからなる群から選ばれた1種以上の化合物である上記3の制振材料樹脂組成物。
5.構成単位(C)がアゼライン酸である上記4の制振材料樹脂組成物。
6.ポリエステル樹脂の全構成単位中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計が90モル%以上である上記1の制振材料樹脂組成物。
7.充填材(D)がマイカ鱗片である上記1の制振材料樹脂組成物。
8.充填材(E)が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムからなる群から選ばれる一種以上の粒子状金属酸化物である上記1の制振材料樹脂組成物。
9.充填材(E)が二酸化チタンである上記8の制振材料樹脂組成物。
10.上記1〜9の制振材料樹脂組成物からなる制振材料
本発明の制振材料樹脂組成物によれば、広範な温度領域に対応して高い制振性能、特に室温より高い温度領域においても十分な制振性能を発揮し、かつ、強靭性および加工性に優れた制振材料樹脂組成物および制振材料を提供することが可能となり、本発明の工業的意義は大きい。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の制振材料樹脂組成物は、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂に充填材を分散させてなる樹脂組成物であって、下記条件を満たすでものある。
(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中、50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位である。
(2)ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中、エチレングリコールに由来するジオール構成単位(B)が60モル%以上である。
(3)ポリエステル樹脂中に、炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、これらの構成単位の合計が5〜25モル%である。
(4)ポリエステル樹脂中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計が、ポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上である。
(5)テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中、25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gである。
(6)示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である。
(7)充填材として、鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における、充填材(D)の含有量が18〜70質量%、粒子状充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%である。
(8)樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×108[N/m2]以上である。
本発明の制振材料樹脂組成物に用いる樹脂は主としてジカルボン酸構成単位とジオール構成単位で構成されるポリエステル樹脂である。該ポリエステル樹脂の全構成単位中、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位の合計は75モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
該ポリエステル樹脂のジカルボン酸構成単位中、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)が50モル%以上であり、好ましくは60モル%以上である。芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)が50モル%未満の場合、樹脂重合に際して反応性が不足する必要ため好ましくない。
さらに、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、イソフタル酸構成単位が70モル%以上であり、好ましくは90モル%以上である。イソフタル酸構成単位が70モル%以上であることにより、樹脂組成物の制振性能を高めるための充填材をより多くポリエステル樹脂に分散させることができる。
芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)は、イソフタル酸がその70モル%以上であれば他の芳香族ジカルボン酸も使用することができる。イソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸として、具体的には、フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの従来公知の芳香族ジカルボン酸、およびこれらのアルキル、ハロゲン、アルコキシ置換体などが挙げられる。本発明に使用されるポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)は、1種または2種以上の、イソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸構成単位を含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中、エチレングリコールに由来するジオール成分構成単位(B)が60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。エチレングリコールに由来するジオール成分構成単位(B)を60モル%以上とすることにより、成形性・強靭性・制振性能に優れた樹脂組成物が得られる。
ポリエステル樹脂中には、炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、この構成単位(C)の含有量が5〜25モル%、好ましくは10〜20モル%である。構成単位(C)の含有量が25モル%以上では室温より高い温度領域で十分な性能を発揮することができず、5モル%未満の場合、材料が強靭性に欠けるため好ましくない。
炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)は、ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分またはジオール成分またはヒドロキシカルボン酸成分のうち、官能基間に存在する主鎖および側鎖に含有される炭素原子数の合計が5以上のものを指す。このとき、エステル結合を形成するカルボキシル基に含まれる炭素原子はジカルボン酸構成単位またはヒドロキシカルボン酸構成単位に含まれるものとする。脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)の炭素原子数の上限は特に制限されないが、炭素原子数が17以下のものが好ましい。
上記の構成単位(C)に該当する成分としては、具体的には2−メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸、3,9−ビス(2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの脂肪族ジカルボン酸;1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオールとその誘導体、デカヒドロナフタレンジメタノールとその誘導体、ノルボルネンジメタノールとその誘導体、トリシクロデカンジメタノールとその誘導体、ペンタシクロドデカンジメタノール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどの脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテル化合物、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。このうち、好ましくはアゼライン酸、セバシン酸、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールであり、より好ましくはアゼライン酸、セバシン酸、トリエチレングリコールであり、最も好ましくはアゼライン酸である。
ポリエステル樹脂中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計は、ポリエステル樹脂の全構成単位の75モル%以上であり、好ましくは90モル%以上である。構成単位(A)、(B)および(C)の合計が、ポリエステル樹脂の全構成単位の75モル%以上であることにより、制振性能、成形性、強靭性その他の物性が優れたものとできる。
ポリエステル樹脂は、構成単位(A)、(B)および(C)の合計が、ポリエステル樹脂の全構成単位の75モル%以上であれば、他の従来公知のジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸および多価アルコールを使用することができる。
これらの構成単位(A)、(B)および(C)以外のジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸および多価アルコールの具体例としては、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ヒドロキシ酢酸などの炭素数5未満の脂肪族ジカルボン酸;脂肪族ジオールおよび脂肪族ヒドロキシカルボン酸、メタキシレングリコール、テトラリンジメタノールとその誘導体などの芳香族ジオール;ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシイソフタル酸、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシフタル酸、4,4’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価カルボン酸および多価アルコールおよび多価ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであることと、かつ示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であることが必要である。上記の条件を満たさない場合、制振性能が低下するため好ましくない。
ポリエステル樹脂を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。一般的には原料であるモノマーを重縮合することにより製造できる。例えばエステル交換法、直接エステル化法などの溶融重合法または溶液重合法を挙げることができる。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤などの各種安定剤、重合調整剤なども従来既知のものを用いることができる。
エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物などが例示される。
重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタンなどの金属を含む化合物、例えば酸化ゲルマニウム(IV)、酸化アンチモン(III)、トリフェニルスチビン、酢酸アンチモン(III)、酸化スズ(II)やチタン(IV)テトラブトキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドなどのチタン酸エステル類が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸などの各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安定剤、耐電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤などを加えても良い。
また、原料となるジカルボン酸成分は、前記のジカルボン酸成分構成単位が由来するジカルボン酸の他にそれらのジカルボン酸エステル、ジカルボン酸塩化物、活性アシル誘導体、ジニトリルなどのジカルボン酸誘導体を用いることもできる。
本発明の樹脂組成物には、上記ポリエステル樹脂の振動エネルギー吸収能力を向上させる目的で特定の充填材を分散させることが必要である。またその際に、樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×108[N/m2]以上、より好ましくは8×108[N/m2]以上ことが必要である。上記の条件を満たさない場合、制振材料として用いた場合の制振性能が低いため好ましくない。
なお、損失弾性率の最大値は次のようにして測定する。すなわち、樹脂組成物を熱プレスにより200〜220℃で成形し、厚み約1mmのシートとし、得られたシートより5mm×25mm×1mmの試験片を作製し、評価周波数13Hz、測定温度範囲は−20〜150℃の条件で測定し、該測定温度範囲での損失弾性率の最大値を得る。
本発明に樹脂組成物には、充填材として、鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)を分散させる。
鱗片状あるいは平板状の充填材(D)としては、例えばマイカ鱗片、ガラス片、セリサイト、グラファイト、タルク、アルミニウムフレーク、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、黒鉛などが例示できる。高い制振性能が得られるために、これらの中でも、マイカ鱗片がより好ましい。
粒子状金属酸化物の充填材(E)としては、粒子状の二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムが挙げられる。振動エネルギー吸収能力をより向上させ、制振性能が向上するために、これらの中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウムが好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
鱗片状あるいは平板状の充填材(D)の含有量は、樹脂組成物全体に対して18〜70質量%であり、40〜70質量%であることが好ましく、55〜70質量%であることがさらに好ましい。18質量%未満では鱗片状あるいは平板状の充填材(D)を分散させた場合の制振性能の向上効果があまり現れず、70質量%を超えると成形性に乏しくなる。
粒子状金属酸化物の充填材(E)の含有量は樹脂組成物全体に対して2〜20質量%であり、5〜18質量%であることが好ましい。2質量%未満では添加の効果が小さく、20質量%を超えた場合成形性および強靭性が低下し、それらを維持するためには鱗片状あるいは平板状の充填材の含有量を低く抑える必要があるため、結果として制振性能が低下する。
充填材(D)と(E)の合計量は、樹脂組成物全体に対して20〜80質量%であり、40〜80質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがさらに好ましい。20質量%未満では充填材を分散させた場合の制振性能の向上効果があまり現れず、80質量%を超えると成形性に乏しくなる。
本発明の制振材料樹脂組成物は、ポリエステル樹脂に、鱗片状あるいは平板状の充填材(D)および金属酸化物の粒子状の充填材(E)を添加することが必要であるが、添加する充填材は上記の充填材に限定されず、必要であればさらに異なる種類の充填材を併用することができる。
充填材(D)および充填材(E)以外の充填材としては、具体的には、繊維状充填材としてガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、酸化亜鉛ウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなど、粒子状充填材としてワラステナイト、ゼオライト、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、アルミノシリケートを含むメタロシリケート、二酸化ケイ素などのケイ酸塩・ケイ素酸化物や金属ケイ素化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ニッケルフレーク、鉄粉、鉛粉、銅粉などの金属粉、ガラスビーズ、セラミックビーズ、炭化珪素、カーボン粉末などが挙げられる。また、これら充填材の種類は上記のものに限定されない。
本発明の樹脂組成物は、主にポリエステル樹脂と充填材からなる樹脂組成物であるが、ポリエステル樹脂と充填材のみから成るものには限定されない。必要に応じて、1種以上の添加剤、例えば、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤、加工助剤、光沢剤、発泡剤、発泡助剤などを本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記に規定した以外のポリエステル樹脂を含む他の樹脂とのブレンドや、成形後の表面処理なども、本発明の効果を阻害しない範囲で行うことができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂に鱗片状あるいは平板状の充填材(D)および金属酸化物の粒子状の充填材(D)を分散させることで得られ、その混合方法は従来公知の方法を用いることができる。例えば、熱ロール、バンバリーミキサー、二軸混練機、押出機などの装置を用いて溶融混合する方法が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂を溶剤に溶解あるいは膨潤させ、充填材を分散させた後に乾燥する方法、各成分を微粉末状で混合する方法なども採用することができる。なお、充填材や添加剤などの添加方法、添加順序などは特に限定されない。
本発明の樹脂組成物からなる制振材料は、射出成形品、シート、フィルム、繊維、容器、発泡体、接着剤、塗料、拘束型制振シート、非拘束型制振シートなどに成形または加工され、車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などに適応され、防振材、制振材、吸遮音材として好適に利用することができる。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例において、ポリエステル樹脂および樹脂組成物の測定・評価は以下の方法によった。
(1)ポリエステル樹脂の構成単位の組成
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(2)ポリエステル樹脂の固有粘度[η]
テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒にポリエステル樹脂を溶解させ25℃に保持して、ウベローデ型粘度計を使用して測定した。
(3)降温時結晶化発熱ピークの熱量
ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量は、島津製作所製DSC−60型示差走査熱量計を使用して測定した。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(50ml/分)、昇温速度10℃/分で150℃まで昇温、150℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた。
(4)損失係数
樹脂組成物を熱プレスにより200〜220℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを10mm×150mmに切り出し、厚さ1mmの基板(アルミニウム合金 A5052)上に熱プレスにより200〜220℃で熱圧着して試験片となる非拘束型制振鋼板を作製し、得られた制振鋼板を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz反共振点での損失係数を測定した。
上記の測定温度範囲において得られた損失係数の最大値と、損失係数が0.1以上の温度領域を比較することで制振性能を評価した。
なお、損失係数が大きいほど制振性能が高く、0.1を超える材料は一般に制振性能が高いとされる。
(5)損失弾性率
樹脂組成物を熱プレスにより200〜220℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートより5mm×25mm×1mmの試験片を作製し、試験片を東洋精機製作所株式会社製レオログラフソリッドを用いて評価周波数13Hzで測定を行った。測定温度範囲は−20〜150℃の条件で測定し、損失弾性率の最大値を求めた。
(6)成形性
樹脂組成物を熱プレスにより200〜220℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。充填材を分散させる際に、十分に分散できなかったもの、あるいはプレス後にシートの形状を保持できなかったものを×、それ以外を○と評価した。
(7)強靭性
樹脂組成物を熱プレスにより200〜220℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートより10mm×120mmの試験片を作製し、試験片を機械物性測定用曲げ試験機(TOYO BALDWIN CO.Ltd.製)を用いて試験片支持間隔90mmとした状態でロードセルの移動距離が試験片との接触点より10mmとなるまで荷重をかけて変形させた。
変形後試験片を目視で確認し、割れ、裂けのないものを○、それ以外を×と評価した。
製造例1〜12(樹脂1〜12の製造)
加熱装置、撹拌翼、分縮器、トラップ、温度計および窒素ガス導入管を備えた500ミリリットルガラス製フラスコに、後述のポリエステル樹脂の原料を相当量加え、ジカルボン酸構成単位およびジオールン酸構成単位の組成が第1表に示すものとなるようにした。なお、この時、投入するジカルボン酸の全量を0.8モルとし、ジオール/ジカルボン酸の投入比率を1.5とした。
投入した原料を常圧窒素雰囲気下で220℃迄昇温して2.5時間以上エステル化反応を行い、溜去される縮合水の量をモニターしながらジカルボン酸の反応転化率が90モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシドを50ppm(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度)加え、昇温と減圧を徐々に行い、ジオール成分を系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、1.5kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいはジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。
得られたポリエステル樹脂(樹脂1〜12)の物性、すなわち、(2)ポリエステル樹脂の固有粘度[η]および(3)降温時結晶化発熱ピークの熱量を、第1表に示す。
なお、ポリエステル樹脂(樹脂1〜12)の製造に次の原料を使用した。
は用いた。(A)、(B)、(C)は本発明における各構成単位の符号を示す。
イソフタル酸(A):エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル(株)製
テレフタル酸(A):水島アロマ(株)社製
アゼライン酸(C):コグニス社製EMEROX1144
セバシン酸(C):豊国製油(株)製
エチレングリコール(B):丸善油化学(株)社製
トリエチレングリコール(C):丸善油化学(株)製
2−メチル−1,3−プロパンジオール:大連化学工業(株)製
1,4−ブタンジオール:関東化学(株)製
実施例1
樹脂1に、二酸化チタン〔石原産業(株)製、商品名:タイペークCR−80〕、マイカ鱗片〔山口雲母(株)製、商品名:CS−060DC〕、カーボン粉末〔ケッチェンブラックインターナショナル(株)製、商品名:ケッチェンブラックEC〕を第1表の実施例1の制振材料組成となるよう混練した。混練には2軸混練機を用い、220℃で実施した。得られた制振材料の性能評価結果を第1表に示す。
実施例2〜5
樹脂2〜5に、実施例1で用いた二酸化チタン、マイカ鱗片、カーボン粉末を第1表の実施例2〜5の制振材料組成となるよう混練した。混練には2軸混練機を用い、200〜220℃で実施した。得られた制振材料の性能評価結果を第1表に示す。
比較例1〜7
樹脂6〜12に、実施例1で用いた二酸化チタン、マイカ鱗片、カーボン粉末を第1表の比較例1〜7の制振材料組成となるよう混練した。混練には2軸混練機を用い、200〜250℃で実施した。得られた制振材料の性能評価結果を第1表に示す。
実施例6〜14
樹脂1に、実施例1で用いた二酸化チタン、酸化鉄〔JFEケミカル(株)製、商品名:酸化鉄〕、酸化マグネシウム〔協和化学工業(株)製、商品名:キョーワマグ)、酸化亜鉛(堺化学工業(株)製、商品名:酸化亜鉛1種〕、酸化アルミニウム〔アドマテックス(株)製、商品名:アドマファイン〕、酸化カルシウム〔関東化学(株)製、商品名:酸化カルシウム3N〕、マイカ鱗片を第2表の制振材料組成なるよう混練した。混練には2軸混練機を用い、220℃で実施した。得られた制振材料の性能評価結果を第2表に示す。
比較例8〜14
樹脂1に、実施例1で用いた二酸化チタン、マイカ鱗片、カーボン粉末を第3表の制振材料組成となるよう混練した。混練には2軸混練機を用い、220℃で実施した。得られた制振材料の性能評価結果を第3表に示す。
Figure 2009063837
Figure 2009063837
Figure 2009063837
第1表、第2表より、実施例1〜14では、高い損失係数を有し、50℃以上に亘る比較的高い温度範囲に損失係数0.1以上の温度領域を持ちながらも十分な強靭性、成形性を有する優れた制振材料が得られている。
一方、第1表より、ポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸構成単位(A)としてイソフタル酸を含んでいない比較例1については、損失係数の最大値が低く制振材料として不適である。
また、比較例2〜5は粒子状金属酸化物の充填材(E)を含まないものであり、比較例2は更に炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分を含まないものであり、損失係数の最大値は十分高いものの材料の強靭性に欠けるため制振材料としては不適である。また、比較例3は更にイソフタル酸を含まないものであり、損失係数の最大値が低く、強靭性に欠けるため制振材料として不適である。比較例4は、更にエチレングリコール(B)と炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分を含まないものであり、損失係数の最大値は十分高いものの材料の強靭性に欠けるため制振材料としては不適である。比較例5はジオール成分としてエチレングリコール(B) を含んでいないものであり、成形性、強靭性、室温付近における制振性能に問題はないものの、高い温度領域における制振性能に劣る。
比較例6〜7はエチレングリコール(B)を用いず1,4−ブタンジオールとした場合であり、比較例6では、損失係数の最大値が低く、強靭性にも欠けるため制振材料として不適である。比較例7では、これに対して炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分や粒子状金属酸化物の充填材(E)を増加しているが、強靭性があるものの損失係数の最大値が低いため制振材料としては不適である。
さらに、第3表より、充填材で粒子状金属酸化物の充填材(E)を含まない比較例8〜10においては損失係数の最大値が低く、充填材(D)と(E)の合計量が80質量%を超える比較例11〜12では成形できないので、損失係数の測定が不可能である。
比較例13〜16では樹脂が規定要件を満たさないものであり、制振材料中の各充填材の量が要件を満たすものであっても、ポリエステル樹脂が、比較例13のように炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分が無い場合や、比較例14のようにイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位が無い場合には成形できず、比較例15のようにエチレングリコール(B)を用いず、炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分が無い場合には強靭性を有せず、比較例16のように炭素数原子数5以上の脂肪族ジカルボン酸構成単位などの(C)成分を用いてもエチレングリコール(B)を用いない場合には強靭性が得られても、損失係数が0.1を超える温度が50℃の達しない。
以上の実施例から明らかなように、本発明の制振材料は50℃以上に亘る比較的高い温度領域で高い損失係数を示し、かつ成形性、強靭性においても優れており、本発明により広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮し、強靭性および加工性に優れた制振材料樹脂組成物および制振材料を提供することができる。
本発明の制振材料樹脂組成物は、広範な温度領域に対応して高い制振性能を発揮し、かつ、強靭性および加工性に優れた制振材料を提供することができ、射出成形品、シート、フィルム、繊維、容器、発泡体、接着剤、塗料、拘束型制振シート、非拘束型制振シートなどに成形または加工され、車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などに適応され、防振材、制振材、吸遮音材として好適に利用される。

Claims (10)

  1. ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する樹脂組成物であって、
    (1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中、50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位であり、
    (2)ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中、エチレングリコールに由来するジオール構成単位(B)が60モル%以上であり、
    (3)ポリエステル樹脂中に、炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/又は脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、これらの構成単位の合計が5〜25モル%であり、
    (4)ポリエステル樹脂中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計が、ポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上であり、
    (5)テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中、25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
    (6)示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であり、
    (7)充填材として、鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における、充填材(D)の含有量が18〜70質量%、充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%であり、
    (8)樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×108[N/m2]以上である
    ことを特徴とする制振材料樹脂組成物。
  2. 芳香族ジカルボン酸成分に由来するジカルボン酸構成単位(A)中、90モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位である請求項1に記載の制振材料樹脂組成物。
  3. 構成単位(C)が、アゼライン酸、セバシン酸、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびトリエチレングリコールからなる群から選ばれた1種以上の化合物である請求項1に記載の制振材料樹脂組成物。
  4. 構成単位(C)がアゼライン酸、セバシン酸およびトリエチレングリコールからなる群から選ばれた1種以上の化合物である請求項3に記載の制振材料樹脂組成物。
  5. 構成単位(C)がアゼライン酸である請求項4に記載の制振材料樹脂組成物。
  6. ポリエステル樹脂の全構成単位中の構成単位(A)、(B)および(C)の合計が90モル%以上である請求項1に記載の制振材料樹脂組成物。
  7. 充填材(D)がマイカ鱗片である請求項1に記載の制振材料樹脂組成物。
  8. 充填材(E)が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムからなる群から選ばれる一種以上の粒子状金属酸化物である請求項1に記載の制振材料樹脂組成物。
  9. 充填材(E)が二酸化チタンである請求項8に記載の制振材料樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9に記載の制振材料樹脂組成物からなる制振材料。
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