JP2008189854A - 制振性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
制振性ポリエステル樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008189854A JP2008189854A JP2007027279A JP2007027279A JP2008189854A JP 2008189854 A JP2008189854 A JP 2008189854A JP 2007027279 A JP2007027279 A JP 2007027279A JP 2007027279 A JP2007027279 A JP 2007027279A JP 2008189854 A JP2008189854 A JP 2008189854A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester resin
- resin composition
- vibration
- damping
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】 (a)ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂14〜64質量%に(b)臭素系難燃剤2〜20質量%、(c)アンチモン化合物1〜4質量%、(d)導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラー30〜80質量%からなり、(a)と(b)と(c)と(d)の合計が100質量%であり、且つ(a)と(b)と(c)と(d)とからなる樹脂組成物100重量部に対して(e)滑剤が0.1〜5重量部である樹脂組成物であって、特定の条件を満足する制振性ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は、(a)ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂14〜64質量%に(b)臭素系難燃剤2〜20質量%、(c)アンチモン化合物1〜4質量%、(d)導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラー30〜80質量%からなり、(a)と(b)と(c)と(d)の合計が100質量%であり、且つ(a)と(b)と(c)と(d)とからなる樹脂組成物100重量部に対して(e)滑剤が0.1〜5重量部である樹脂組成物であって、該ポリエステル樹脂が下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0は全ジカルボン酸成分構成単位数、B0は全ジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
を満足し、さらに下記条件AおよびB:
(A)トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である
を満足する制振性ポリエステル樹脂組成物に関する。
本発明の制振性ポリエステル樹脂組成物は、高分子材料としてジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂を用いており、下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0は全ジカルボン酸成分構成単位数、B0は全ジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
および下記条件AおよびB:
(A)トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である
を満足するポリエステル樹脂であることが必要である。ここで、“ジカルボン酸成分構成単位(ジオール成分構成単位)の主鎖中の炭素原子数”とは、一つのエステル結合(−C(=O)−O−)と次のエステル結合に挟まれたモノマー単位において、ポリエステル樹脂の主鎖に沿った最短経路上に存在する炭素原子の数である。また、各成分の構成単位数は、後述する1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出できる。
該ポリエステル樹脂(a)14〜64質量%に(b)臭素系難燃剤2〜20質量%、(c)アンチモン化合物1〜4質量%、(d)導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラー30〜80質量%からなり、(a)と(b)と(c)と(d)の合計が100質量%であり、且つ(a)と(b)と(c)と(d)とからなる樹脂組成物100重量部に対して(e)滑剤0.1〜5重量部を分散させた時に、高い制振性能が得られ、且つ難燃性と離型性に優れた材料となる。ポリエステル樹脂(a)が14質量%未満では導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラーを充填させた場合の制振性能の向上効果が現れず、64質量%を超えると樹脂組成物中における導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラーの含有量が多いわりに制振性能があまり向上せず且つ成形性も乏しくなってしまう。臭素系難燃剤(b)が2質量%未満ではUL−94V−2以上が得られず、20質量%を超えると制振性能が低下してしまう。アンチモン化合物(c)が1質量%未満では臭素系難燃剤と併用する効果が現れ難く、4質量%を超えると添加量が多くなるわりに難燃性の向上効果が見られなくなってしまう。導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラー(d)が30質量%未満では該フィラーを充填させた場合の制振性能の向上効果が現れず、80質量%を超えると樹脂組成物中における該フィラーの含有量が多いわりに制振性能があまり向上せず且つ成形性に乏しくなってしまう。また、(a)と(b)と(c)と(d)とからなる樹脂組成物100重量部に対して(e)滑剤が0.1重量部未満であると離型性の向上が認められず、5重量部を超えると制振性能が低下してしまう。
比、(A1+B1)/(A0+B0)は0.7〜1がより好ましく、A1およびB1の奇数は1、3、5、7、9がより好ましい。
0.5≦A1/A0≦1 (II)
(式中、A0およびA1は上記と同じ)、および
下記式III:
0.5≦B2/B0≦1 (III)
(式中、B0は上記と同じであり、B2は式(1):
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.7≦B2/B0≦1 (IV)
(式中、B0およびB2は上記と同じ)、
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.5≦A2/A0≦1 (V)
(式中、A0は上記と同じであり、A2はイソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のジカルボン酸に由来する構成単位の合計数である)、
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.7≦A2/A0≦1 (VI)
(式中、A0およびA2は上記と同じである)、
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.5≦A3/A0≦1 (VII)
(式中、A0は上記と同じであり、A3はイソフタル酸に由来する構成単位数である)、条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.5≦B3/B0≦1 (VIII)
(式中、B0は上記と同じであり、B3は1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールから選ばれる少なくとも1種類のジオールに由来する構成単位の合計数である)、
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
0.7≦B3/B0≦1 (IX)
(式中、B0およびB3は上記と同じである)、
条件AおよびBを満足すると、より高い制振性能を得ることができるため好ましい。
V−0:試験片5個に10秒間接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均5秒以下、最大10秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが30秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火しない。
V−1:試験片5個に10秒間接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均25秒以下、最大30秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが60秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火しない。
V−2:試験片5個に10秒間接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均25秒以下、最大30秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが60秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火する。
ポリエステル樹脂および樹脂組成物の評価は以下の方法によった。
(1)(A1+B1)/(A0+B0)
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(2)A1/A0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(3)A2/A0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(4)A3/A0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(5)B2/B0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(6)B3/B0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(7)ポリエステルの構成単位のモル比
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(8)固有粘度
ポリエステル樹脂の固有粘度([η])は、トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒にポリエステル樹脂を溶解させ25℃に保持して、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して測定した。
(9)降温時結晶化発熱ピークの熱量
ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(以下「ΔHc」という)は、島津製作所製DSC/TA−50WS型示差走査熱量計を使用して測定した。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(30ml/分)、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた。
(10)損失係数
ポリエステル樹脂に鱗片状の無機充填材などを分散させた試料を熱プレスにより200℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを10mm×150mmに切り出して試験片とし、厚さ1mmの基板(アルミニウム合金5052材)上に熱プレスにより50℃で熱圧着あるいは二液硬化型エポキシ系接着剤(セメダイン株式会社製、商品名:セメダインSG−EPO、EP008)にて
接着させて非拘束型制振材を作製した。得られた非拘束型制振材を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz反共振点での損失係数を測定した。上記の測定温度範囲において得られた損失係数の最大値を比較することで制振性能を評価した。なお、損失係数が大きいほど制振性能が高い。
(11)難燃性
ポリエステル樹脂に鱗片状の無機充填材などを分散させた試料を熱プレスにより200℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを13mm×125mmに切り出して試験片とし、UL−94規格に準拠して、20mm垂直燃焼試験を行った。燃焼性がV−2以上(V−2、V−1またはV−0)である場合を合格とした。
(12)離型性
各材料を60ccニーダーにて200℃で15分間混練した後、真鋳製ヘラを使用して混練槽から排出させる際に混練材料がブレードあるいは混練槽に残るかどうかで離型性を評価した。ブレードや混練槽への材料の付着が少なく、工業的な製造方法として問題ないと判断できる場合、離型性が良好であるとした。
充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置および窒素ガス導入管を備えた内容積150リットル(L)のポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)9949.5g(60.3モル)、コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)5375.7g(29.7モル)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)14599.4g(162モル)モルを加え、常圧、窒素雰囲気下で225℃迄昇温して3.0時間エステル化反応を行った。溜去される縮合水の量をモニターしながらイソフタル酸およびアゼライン酸の反応転化率が85モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシド,モノマー(和光純薬株式会社製)14.3g(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度が70.5ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、2−メチル−1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、0.4kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいは2−メチル−1,3−プロパンジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。得られたポリエステル樹脂(1)の性状は[η]=0.71(dL/g)、ΔHc=0(J/g)、1H−NMR(400MHz,CDCl3,内部標準TMS):δ(ppm)=7.5〜8.9(Ph−H,4H);3.5〜4.6(−CH 2−CH(CH3)−CH 2−,6H);1.0〜2.6(−CH2CH(CH3)CH2−,−CH2CH(CH 3)CH2−,−CO(CH 2)7CO−,13H)であった。このポリエステル樹脂((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.67;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(日産フェロ有機化学株式会社製、商品名:パイロチェック68PB)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表1に示す。
ポリエステル樹脂(1)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(Greatlakes Chem.社製、商品名:PDBS−80)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表1に示す。
ポリエステル樹脂(1)17質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール浅野株式会社製、商品名:saytex8010)15質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン4質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表1に示す。
ポリエステル樹脂(1)40質量%と、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%を60ccニーダーに仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(1)36質量%と、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(1)30.6質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB)5.4質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(1)32質量%と、アンチモン化合物として三酸化アンチモン4質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(1)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(2)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表3に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)/セバシン酸(豊国製油株式会社製)混合物、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(3)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表3に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)、ジオール成分構成単位の原料として1,4−ブタンジオール(三菱化学株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(4)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)29.16質量%と、臭素系難燃剤として臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB)5.4質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン1.44質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(CS−060DC)60質量%、導電性材料としてカーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、200℃で10分間混練した。上記樹脂組成物100重量部に対してモンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1重量部を添加し、さらに200℃で15分間混練した。得られた制振材料の物性を表3に示す。
Br難燃剤(1):パイロチェック68PB
Br難燃剤(2):PDBS−80
Br難燃剤(3):saytex8010
Sb2O3:三酸化アンチモン
CS:マイカ鱗片
KB:ケッチェンブラック
滑剤:リコワックスE
難燃性:V−0、V−1、V−2、×規格外
離型性:○良好、×不良
Br難燃剤(1):パイロチェック68PB
Br難燃剤(2):PDBS−80
Br難燃剤(3):saytex8010
Sb2O3:三酸化アンチモン
CS:マイカ鱗片
KB:ケッチェンブラック
滑剤:リコワックスE
難燃性:V−0、V−1、V−2、×規格外
離型性:○良好、×不良
レジン(3):ポリエステル樹脂(3)
レジン(4):ポリエステル樹脂(4)
Br難燃剤(1):パイロチェック68PB
Br難燃剤(2):PDBS−80
Br難燃剤(3):saytex8010
Sb2O3:三酸化アンチモン
CS:マイカ鱗片
KB:ケッチェンブラック
滑剤:リコワックスE
難燃性:V−0、V−1、V−2、×規格外
離型性:○良好、×不良
Claims (16)
- (a)ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂14〜64質量%、(b)臭素系難燃剤2〜20質量%、(c)アンチモン化合物1〜4質量%、ならびに(d)導電性材料および/または鱗片状の無機充填材であるフィラー30〜80質量%からなり、(a)と(b)と(c)と(d)の合計が100質量%であり、かつ(a)と(b)と(c)と(d)とからなる樹脂組成物100重量部に対して(e)滑剤が0.1〜5重量部である樹脂組成物であって、該ポリエステル樹脂が下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0は全ジカルボン酸成分構成単位数、B0は全ジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
を満足し、さらに下記条件AおよびB:
(A)トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である
を満足する制振性ポリエステル樹脂組成物。 - UL−94に従い、1mm厚シートの20mm垂直燃焼試験を行うとき、難燃性がV−2以上である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂が、下記式IV:
0.7≦B2/B0≦1 (IV)
(式中、B0およびB2は上記と同じ)
を満足する請求項3記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂が、下記式V:
0.5≦A2/A0≦1 (V)
(式中、A0は上記と同じであり、A2はイソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のジカルボン酸に由来する構成単位の合計数である)
を満足する請求項3または4記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂が、下記式VI:
0.7≦A2/A0≦1 (VI)
(式中、A0およびA2は上記と同じである)
を満足する請求項5記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂が、下記式VII:
0.5≦A3/A0≦1 (VII)
(式中、A0は上記と同じであり、A3はイソフタル酸に由来する構成単位数である)
を満足する請求項4〜7記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂が、下記式VIII:
0.5≦B3/B0≦1 (VIII)
(式中、B0は上記と同じであり、B3は1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールから選ばれる少なくとも1種類のジオールに由来する構成単位の合計数である)
を満足する請求項4〜7記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - ポリエステル樹脂が、下記式IX:
0.7≦B3/B0≦1 (IX)
(式中、B0およびB3は上記と同じである)
を満足する請求項8記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。 - 前記主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位が1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールから選ばれた少なくとも1種のジオールに由来する構成単位である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸およびアゼライン酸に由来する構成単位である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- 鱗片状の無機充填材であるフィラーがマイカ鱗片である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- 臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ジフェニルアルカン、臭素化イミド、臭素化ポリカーボネート、ポリブロモベンジルアクリレートから選ばれた少なくとも1種の臭素系難燃剤である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- アンチモン化合物が三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、あるいはそれらのアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、アンチモン酸ソーダから選ばれた少なくとも1種のアンチモン化合物である請求項1記載の制振性ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の制振性ポリエステル樹脂組成物からなる制振材料。
- 請求項15の制振材料を成形してなる制振材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007027279A JP2008189854A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 制振性ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007027279A JP2008189854A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 制振性ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008189854A true JP2008189854A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39750255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007027279A Pending JP2008189854A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 制振性ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008189854A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011004797A1 (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-13 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 制振フィルム |
JP2011056118A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブ |
JP2011099046A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ポリエステル樹脂組成物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04253762A (ja) * | 1991-01-30 | 1992-09-09 | Dainippon Ink & Chem Inc | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
JPH08208956A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Teijin Ltd | 樹脂組成物からなる成形品 |
JP2006052377A (ja) * | 2004-03-01 | 2006-02-23 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高制振性樹脂組成物 |
JP2006219626A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、およびこれを成形してなる成形品 |
JP2007009143A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Wintech Polymer Ltd | 制振性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
-
2007
- 2007-02-06 JP JP2007027279A patent/JP2008189854A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04253762A (ja) * | 1991-01-30 | 1992-09-09 | Dainippon Ink & Chem Inc | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
JPH08208956A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Teijin Ltd | 樹脂組成物からなる成形品 |
JP2006052377A (ja) * | 2004-03-01 | 2006-02-23 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高制振性樹脂組成物 |
JP2006219626A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、およびこれを成形してなる成形品 |
JP2007009143A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Wintech Polymer Ltd | 制振性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011004797A1 (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-13 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 制振フィルム |
US8410244B2 (en) | 2009-07-06 | 2013-04-02 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Vibration-damping film |
JP5733207B2 (ja) * | 2009-07-06 | 2015-06-10 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 制振フィルム |
JP2011056118A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブ |
JP2011099046A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ポリエステル樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5056417B2 (ja) | 制振材料およびその製造方法 | |
JP2006052377A (ja) | 高制振性樹脂組成物 | |
EP2307499A2 (en) | Copolyetherester compositions and articles made from these | |
US20050215703A1 (en) | Resin compositions with high vibration damping ability | |
JP5440175B2 (ja) | 制振材料 | |
WO2011162145A1 (ja) | 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物と絶縁部品 | |
JP5262716B2 (ja) | 制振材料 | |
JP5737187B2 (ja) | 制振性を有する成型材料および成型品 | |
JP2008189854A (ja) | 制振性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP5070687B2 (ja) | 床材用制振シート及び床材 | |
JP5028766B2 (ja) | 成形材料および成形品 | |
JP5733207B2 (ja) | 制振フィルム | |
JP4951897B2 (ja) | 高制振性靴ソール | |
JP2012236907A (ja) | 制振遮音材料 | |
JP5217081B2 (ja) | ディスク型記録媒体用制振部材 | |
JP3443199B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれからなるリレー部品 | |
JP2011068722A (ja) | 成形材料 | |
JP2011074244A (ja) | 成形材料 | |
JP2005154570A (ja) | 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JP2011157438A (ja) | 制振性組成物 | |
JP2007051735A (ja) | 配管用制振部材 | |
JPH08283550A (ja) | 熔融安定性の改善された難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2013010929A (ja) | 制振性と遮音性を有する成型材料および成型品 | |
JP2007185500A (ja) | 水洗家具の水槽体 | |
JP2000109549A (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100115 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20110216 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120711 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Effective date: 20120910 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120913 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121009 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121106 |